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  • 特許-紙キャリアテープ用カバーテープ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】紙キャリアテープ用カバーテープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 131/04 20060101AFI20221108BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20221108BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20221108BHJP
【FI】
C09J131/04
C09J11/08
C09J7/35
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021508992
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(86)【国際出願番号】 JP2020010458
(87)【国際公開番号】W WO2020195814
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2019063037
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000174862
【氏名又は名称】三井・ダウポリケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】橋本 秀則
(72)【発明者】
【氏名】緒方 拓也
【審査官】福山 駿
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-265704(JP,A)
【文献】特開2009-035645(JP,A)
【文献】特開2003-002923(JP,A)
【文献】特開2004-197022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層と、前記基材層の一方の面に設けられたヒートシール性層と、を含む紙キャリアテープ用カバーテープであって、
前記ヒートシール性層が、
酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率が3質量%以上18質量%以下であり、かつ、メルトマスフローレート(MFR、JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)が5g/10分以上40g/10分以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)と、
粘着付与樹脂(B)と、
ブルックフィールド粘度計を用いて180℃で測定した粘度が15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(C)と、
を含む接着性樹脂組成物からなる紙キャリアテープ用カバーテープ
【請求項2】
請求項1に記載の紙キャリアテープ用カバーテープにおいて、
前記接着性樹脂組成物中の前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、
前記接着性樹脂組成物中の前記粘着付与樹脂(B)の含有量が1質量部以上30質量部以下である紙キャリアテープ用カバーテープ
【請求項3】
請求項1または2に記載の紙キャリアテープ用カバーテープにおいて、
前記接着性樹脂組成物中の前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、
前記接着性樹脂組成物中の前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の含有量が0.5質量部以上20質量部以下である紙キャリアテープ用カバーテープ
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の紙キャリアテープ用カバーテープにおいて、
前記接着性樹脂組成物中の前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率が10質量%以上35質量%以下の範囲である紙キャリアテープ用カバーテープ
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の紙キャリアテープ用カバーテープにおいて、
前記接着性樹脂組成物中の前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)のメルトマスフローレート(MFR、JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)が50g/10分以上150g/10分未満である紙キャリアテープ用カバーテープ
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の紙キャリアテープ用カバーテープにおいて、
前記接着性樹脂組成物は帯電防止剤(D)をさらに含む紙キャリアテープ用カバーテープ
【請求項7】
請求項6に記載の紙キャリアテープ用カバーテープにおいて、
前記接着性樹脂組成物中の前記エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、
前記接着性樹脂組成物中の前記帯電防止剤(D)の含有量が0.1質量部以上5質量部以下である紙キャリアテープ用カバーテープ
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着性樹脂組成物および易剥離性フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
包装用材料として、マイクロチップ等の電子部品を輸送するまたは保管するために用いられるキャリアテープが知られている。このキャリアテープを用いれば、あまりに小さいサイズのために取り扱いが困難な電子部品等を、キャリアテープに設けられた凹部に1個ずつ収容することで保管し、運搬することができる。
キャリアテープは、電子部品等を収容できる凹部を有し、この凹部をカバーテープによって塞ぐことで、パッケージ化される。
また、カップ麺やゼリー、ヨーグルト等の飲食品、医薬品等の包装用材料として、易剥離性の蓋材を備えたプラスチックス容器または紙容器が知られている。
【0003】
上記のようなカバーテープまたは蓋材としては、適度な接着性を有しながら、剥離時にはスムーズに剥離することができる易剥離性フィルムが求められている。
【0004】
このような易剥離性フィルムに用いられる、易剥離型の接着性樹脂組成物として、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含む接着性樹脂組成物が知られている(例えば特許文献1参照)
特許文献1には、JIS K6924-1で測定した酢酸ビニル含有率が3~18重量%の範囲であり、JIS K6924-1で測定したメルトマスフローレイトが5~40g/10分の範囲であるエチレン-酢酸ビニル共重合体(A)100重量部に対し、粘着付与樹脂(B)5~20重量部、ブルックフィールド粘度計を用いて180℃で測定した粘度が50~1,000mPa・sである低分子量エチレン-酢酸ビニル共重合体(C)3~10重量部からなる接着剤と基材フィルムとを積層してなる易剥離性フィルムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-35645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
包装用材料として、紙を基材とした紙キャリアテープや紙容器が用いられることがある。紙キャリアテープ用カバーテープや紙容器用の蓋材には、適度な接着性(すなわち、紙基材に対して必要な接着性を有しながら、剥離する際には容易に剥離することができる程度の接着性)を有するとともに、紙基材から剥離するときに紙剥けがないこと(すなわち、紙基材の紙が剥けて毛羽立たないこと)が求められている。
本発明者らの検討によれば、エチレン・酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含む接着性樹脂組成物を用いた易剥離性フィルムは、紙基材への低温ヒートシール性、紙基材への接着性、紙基材からの易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスに改善の余地があることが明らかになった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、紙基材への低温ヒートシール性、紙基材への接着性、紙基材からの易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスに優れた易剥離性フィルムを実現できる接着性樹脂組成物およびそれを用いた易剥離性フィルムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、特定のエチレン・酢酸ビニル共重合体、粘着付与樹脂、特定の粘度を有するエチレン・酢酸ビニル共重合体を組み合わせて用いることにより、低温ヒートシール性、接着性、易剥離性および耐ブロッキング性のバランスに優れた易剥離性フィルムを実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
本発明によれば、以下に示す接着性樹脂組成物および易剥離性フィルムが提供される。
【0010】
[1]
酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率が3質量%以上18質量%以下であり、かつ、メルトマスフローレート(MFR、JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)が5g/10分以上40g/10分以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)と、
粘着付与樹脂(B)と、
ブルックフィールド粘度計を用いて180℃で測定した粘度が15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(C)と、
を含む接着性樹脂組成物。
[2]
上記[1]に記載の接着性樹脂組成物において、
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、
上記粘着付与樹脂(B)の含有量が1質量部以上30質量部以下である接着性樹脂組成物。
[3]
上記[1]または[2]に記載の接着性樹脂組成物において、
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の含有量が0.5質量部以上20質量部以下である接着性樹脂組成物。
[4]
上記[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の接着性樹脂組成物において、
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率が10質量%以上35質量%以下の範囲である接着性樹脂組成物。
[5]
上記[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の接着性樹脂組成物において、
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)のメルトマスフローレート(MFR、JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)が50g/10分以上150g/10分未満である接着性樹脂組成物。
[6]
上記[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の接着性樹脂組成物において、
帯電防止剤(D)をさらに含む接着性樹脂組成物。
[7]
上記[6]に記載の接着性樹脂組成物において、
上記エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、
上記帯電防止剤(D)の含有量が0.1質量部以上5質量部以下である接着性樹脂組成物。
[8]
基材層と、上記基材層の一方の面に設けられたヒートシール性層と、を含む易剥離性フィルムであって、
上記ヒートシール性層が、上記[1]乃至[7]のいずれか一つに記載の接着性樹脂組成物からなる易剥離性フィルム。
[9]
上記[8]に記載の易剥離性フィルムにおいて、
紙キャリアテープ用カバーテープである易剥離性フィルム。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、紙基材への低温ヒートシール性、紙基材への接着性、紙基材からの易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスに優れた易剥離性フィルムを実現できる接着性樹脂組成物およびそれを用いた易剥離性フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る実施形態の易剥離性フィルムの構造の一例を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、数値範囲の「X~Y」は特に断りがなければ、X以上Y以下を表す。
【0014】
1.接着性樹脂組成物について
本実施形態に係る接着性樹脂組成物は、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率が3質量%以上18質量%以下であり、かつ、メルトマスフローレート(MFR、JIS K7210:1999、190℃、2160g荷重)が5g/10分以上40g/10分以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)と、ブルックフィールド粘度計を用いて180℃で測定した粘度が15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(C)と、を含む。
【0015】
前述したように、本発明者らの検討によれば、エチレン・酢酸ビニル共重合体と粘着付与樹脂とを含む接着性樹脂組成物を用いた易剥離性フィルムは、紙基材への低温ヒートシール性、紙基材への接着性、紙基材からの易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスに改善の余地があることが明らかになった。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)と、を含む接着性樹脂組成物を用いることにより、低温ヒートシール性、接着性、易剥離性および耐ブロッキング性のバランスに優れた易剥離性フィルムを実現できることを見出した。
すなわち、本実施形態に係る接着性樹脂組成物によれば、上記成分を含有することで、紙基材への低温ヒートシール性、紙基材への接着性(例えば、内容物を保護可能な適度な接着強度を有すること等)、紙基材からの易剥離性(例えば、剥離時の紙基材の毛羽立ちを抑えられること、紙基材を破壊することなく安定的に剥離できること等)および耐ブロッキング性の性能バランスに優れた易剥離性フィルムを実現することができる。
【0016】
以下、本実施形態に係る接着性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
【0017】
<エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)>
本実施形態に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)は、低温ヒートシール性および耐ブロッキング性を良好にする観点から、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率が3質量%以上18質量%以下である。
また、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率の下限は、低温ヒートシール性をより一層向上させる観点から、4質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、6質量%以上がさらに好ましい。
酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率の上限は、耐ブロッキング性および帯電防止性をより一層向上させる観点から、15質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率は、JIS K7192:1999に準拠してポリマーを電気炉で500℃以上に加熱して分解し、得られた酢酸ビニルに由来する酢酸を中和滴定することによって求めることができる。
【0018】
また、本実施形態に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)は、低温ヒートシール性および易剥離性を良好にする観点から、JIS K7210:1999に準拠して温度190℃、荷重2160gで測定したメルトマスフローレートが5g/10分以上40g/10分以下である。
また、上記メルトマスフローレートの下限は、低温ヒートシール性、ヒートシール強度および易剥離性をより一層向上させる観点から、8g/10分以上が好ましく、10g/10分以上がより好ましい。
上記メルトマスフローレートの上限は、加工安定性および耐ブロッキング性をより一層向上させる観点から、35g/10分以下が好ましく、30g/10分以下がより好ましい。
【0019】
本実施形態に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。例えば、各重合成分を高温、高圧下でラジカル共重合することによって得ることができる。また、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)は市販されているものを用いてもよい。
【0020】
<粘着付与樹脂(B)>
粘着付与樹脂は、樹脂に粘着性を付与する機能を有するため、接着性樹脂組成物の接着強度の調整を容易にすることができる。
粘着付与樹脂としては、粘着性を付与する機能を有する樹脂から選択される。粘着付与樹脂としては、例えば、芳香族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、テルペン系樹脂、ロジン類、スチレン系樹脂、クマロン・インデン樹脂等が挙げられる。
【0021】
芳香族系炭化水素樹脂としては、例えば、ビニルトルエン、インデン、α-メチルスチレン等の炭素数8~10のビニル芳香族炭化水素を少なくとも一種含有する留分を重合して得られる樹脂、これらの留分と脂肪族炭化水素留分を共重合して得られる樹脂等が挙げられる。
脂環族系炭化水素樹脂としては、例えば、スペントC4~C5留分中のジエン成分を環化二量化後、重合させて得られる樹脂、シクロペンタジエン等の環状モノマーを重合させた樹脂、芳香族系炭化水素樹脂を核内水添した樹脂(例えば、水素化石油樹脂等)等が挙げられる。
脂肪族系炭化水素樹脂としては、例えば、1-ブテン、イソブテン、ブタジエン、1,3-ペンタジエン、イソプレン等の炭素数4~5のモノ又はジオレフィンの少なくとも1種以上を含む留分を重合して得られる樹脂が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、例えば、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン・フェノール共重合体、α-ピネン・フェノール共重合体、これらの水素添加物等が挙げられる。
ロジン類としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油等のロジン及びその変性物等であり、変性物としては水素添加、不均化、二量化、エステル化等の変性を施したものが挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、イソプロピルトルエン等のスチレン系単量体を重合して得られる分子量の低い樹脂状重合体が挙げられる。
【0022】
粘着付与樹脂は、軟化点が85℃~130℃の樹脂が好ましい。軟化点は、一般的に85℃以上であると耐熱性に優れた効果を発揮する傾向があり、130℃以下であると粘着性付与に優れた効果を発揮する傾向がある。
粘着付与樹脂の軟化点は、JIS-K2207:2006に準拠して、軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定された値を用いることができる。
【0023】
粘着付与樹脂(B)の含有量は、低温ヒートシール性およびヒートシール強度をより一層良好にする観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、1質量部以上であることが好ましく、5質量部以上であることがより好ましく、10質量部以上であることがさらに好ましい。
また、粘着付与樹脂の含有量は、易剥離性をより一層良好にする観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、30質量部以下であることが好ましく、25質量部以下であることがより好ましく、22質量部以下であることがさらに好ましい。
【0024】
<エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)>
本実施形態に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(C)は、接着強度の安定性および易剥離性を良好にする観点から、ブルックフィールド粘度計を用いて180℃で測定した粘度が15,000mPa・s以上300,000mPa・s以下である。
上記粘度の下限は、接着強度の安定性、易剥離性、耐ブロッキング性および成形性をより一層向上させる観点から、30,000mPa・s以上が好ましく、50,000mPa・s以上がより好ましく、87,000mPa・s以上がさらに好ましく、100,000mPa・s以上がさらにより好ましく、110,000mPa・s以上が特に好ましい。
上記粘度の上限は、接着強度の安定性および易剥離性をより一層向上させる観点から、250,000mPa・s以下が好ましく、220,000mPa・s以下がより好ましく、200,000mPa・s以下がさらに好ましい。
【0025】
本実施形態に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(C)は、低温ヒートシール性および耐ブロッキング性を良好にする観点から、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率が10質量%以上35質量%以下であることが好ましい。
また、酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率の下限は、低温ヒートシール性をより一層向上させる観点から、12質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。
酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率の上限は、耐ブロッキング性および帯電防止性をより一層向上させる観点から、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。
酢酸ビニルに由来する構成単位の含有率は、JIS-K7192:1999に準拠してポリマーを電気炉で500℃以上に加熱して分解し、得られた酢酸ビニルに由来する酢酸を中和滴定によって求めることができる。
【0026】
また、本実施形態に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(C)は、耐ブロッキング性を良好にする観点から、JIS K7210:1999に準拠して温度190℃、荷重2160gで測定したメルトマスフローレートが50g/10分以上170g/10分未満であることが好ましく、50g/10分以上150g/10分未満であることがより好ましい。
また、上記メルトマスフローレートの下限は、低温ヒートシール性、ヒートシール強度および易剥離性をより一層向上させる観点から、60g/10分以上が好ましく、70g/10分以上がより好ましい。
上記メルトマスフローレートの上限は、加工安定性および耐ブロッキング性をより一層向上させる観点から、140g/10分以下が好ましく、120g/10分以下がより好ましい。
【0027】
エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の含有量は、接着強度の安定性および易剥離性をより一層良好にする観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、0.5質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以上であることがより好ましく、3.0質量部以上であることがさらに好ましい。
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の含有量は、接着強度の安定性および易剥離性をより一層良好にする観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることがさらに好ましい。
【0028】
本実施形態に係るエチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。例えば、各重合成分を高温、高圧下でラジカル共重合することによって得ることができる。また、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)は市販されているものを用いてもよい。
【0029】
<帯電防止剤(D)>
本実施形態に係る接着性樹脂組成物は、得られる易剥離性フィルムの帯電防止性を向上させる観点から、帯電防止剤(D)をさらに含むことが好ましい。例えば、キャリアテープからカバーテープを剥離する際の帯電を防止することができる。これにより、静電気による電子部品の破損やカバーテープへの電子部品の付着を抑制できる。
帯電防止剤(D)の含有量は、帯電防止性をより一層良好にする観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.3質量部以上であることがさらに好ましい。
また、帯電防止剤(D)の含有量は、接着強度をより一層良好にする観点から、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましい。
【0030】
帯電防止剤としては、例えば、導電性ポリマー、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤等が挙げられる。
導電性ポリマーとしては特に限定されないが、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンイミン、アリルアミン系重合体等が挙げられる。帯電防止性能の湿度依存性の少なさの観点から、ポリチオフェンが好ましい。ここで、ポリチオフェンとは、無置換または置換チオフェンの重合体をいう。特に、置換チオフェン重合体としては、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、高級アルコールアルキレンオキサイド型、アルキルフェノールアルキレンオキサイド型、アルキルアミド型、アルキルアミン型、及びポリアルキレングリコール脂肪酸エステル型等のポリアルキレングリコール系非イオン性界面活性剤、並びに多価アルコール及びその脂肪酸エステル系非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、脂肪族又は脂肪族基置換芳香族スルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、高級アルコールエーテル(アルキレンオキサイド付加物)硫酸エステル塩、高級アルコールリン酸エステル塩、及び高級アルコールエーテル(エチレンオキサイド付加物)リン酸エステル塩等が挙げられる。
このような帯電防止剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
帯電防止剤は、液状タイプや適した溶剤に溶解したものを、後述するヒートシール性層の表面にコーティングして用いることもできる。
【0032】
<その他の成分>
本実施形態に係る接着性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の成分を含有させることができる。その他の成分としては特に限定されないが、例えば、アンチブロッキング剤、スリップ剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、顔料、染料等を挙げることができる。その他の成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
アンチブロッキング剤としては、例えば、シリカ、アルミノ珪酸塩(ゼオライト等)等が挙げられる。
スリップ剤としては、例えば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘニン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミドアミド、ステアリルパルミドアミド、メチレンビスステアリルアミド、メチレンビスオレイルアミド、エチレンビスオレイルアミド、エチレンビスエルカ酸アミド等の各種アミド類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、水素添加ひまし油等が挙げられる。
【0034】
本実施形態に係る接着性樹脂組成物は、紙基材の接着に好適に用いられる。つまり、本実施形態に係る接着性樹脂組成物は、電子部品搬送用の紙製容器である紙キャリアテープのマイクロチップ等が収容される収容部を閉塞するカバーテープに好適に用いられる。
上記紙キャリアテープとしては、例えば、長さ方向に一定間隔に複数の打ち抜き穴を形成した収納台紙の片面(下面)にボトムカバーテープを熱シールし、上記各打ち抜き穴を電子部品を収納可能な凹部として用いるもの;収納台紙にエンボス加工が施されて、電子部品を収納可能な凹部が収納台紙の長手方向に沿って一定間隔で複数形成されたもの;等が挙げられる。
該キャリアテープの上にカバーテープを重ねてヒートシール等により接着することで、例えばICチップのようなマイクロチップを収容した凹部を閉塞して保管、運搬が可能である。
また、本実施形態に係る接着性樹脂組成物は、カップ麺やゼリー、ヨーグルト等の飲食品、医薬品等の包装用紙容器の蓋材にも好適に用いられる。
【0035】
本実施形態に係る接着性樹脂組成物において、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)、粘着付与樹脂(B)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)および帯電防止剤(D)の合計含有量は、接着性樹脂組成物の全体を100質量%としたとき、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。これにより、得られる易剥離性フィルムの紙基材への低温ヒートシール性、紙基材への接着性、紙基材からの易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスをより一層良好なものとすることができる。
【0036】
<接着性樹脂組成物の調製方法>
接着性樹脂組成物の調製方法としては特に限定されないが、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)と、必要に応じて帯電防止剤(D)と、その他の成分と、をドライブレンドして混合することにより調製する方法;エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)と、粘着付与樹脂(B)と、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)と、必要に応じて帯電防止剤(D)と、その他の成分と、を押出機で溶融混練することにより調製する方法;等を適用することができる。
【0037】
2.易剥離性フィルム
図1は、本発明に係る実施形態の易剥離性フィルム50の構造の一例を模式的に示した断面図である。
本実施形態に係る易剥離性フィルム50は、基材層10と、基材層10の一方の面に設けられたヒートシール性層20と、を含む易剥離性フィルムであって、ヒートシール性層20が、本実施形態に係る接着性樹脂組成物からなる。
【0038】
本実施形態の易剥離性フィルムは、電子部品搬送用の紙製容器である紙キャリアテープ用のカバーテープに用いられることが好ましい。
【0039】
<基材層>
基材層10は、易剥離性フィルム50の取り扱い性や機械的特性、耐熱性等の特性をより良好にすることを目的として設けられる層である。
基材層10としては、例えば、紙、アルミニウム、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、アルミ蒸着ポリエステル、アルミ蒸着ポリプロピレン、シリカ蒸着ポリエステル等からなる板状材(シートまたはフィルム)等が挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレートからなるシートまたはフィルムが好ましい。これらの基材層10は、単層構造のみならず、2層以上の積層構造であってもよい。
【0040】
基材層10の厚みは、機械的強度および作業性の観点から、例えば5μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上50μm以下である。
基材層10は、ヒートシール性層20と接着(又は積層)される側の表面に、ヒートシール性層20との接着強度を高めるためにコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理等の物理的な処理がなされていてもよい。また、基材層10に公知のアンカーコート処理を施してもよい。
【0041】
<ヒートシール性層>
ヒートシール性層20は、易剥離性フィルム50にヒートシール性を付与するための層であり、本実施形態に係る接着性樹脂組成物からなる。
ヒートシール性層20の厚さは、例えば1μm以上300μm以下であり、好ましくは5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上150μm以下である。
【0042】
<中間層>
本実施形態に係る易剥離性フィルム50は、基材層10とヒートシール性層20との間に、ポリエチレン等の中間層が設けられていてもよい。上記中間層は、基材層10とヒートシール性層20との間の接着性を高めたり、ヒートシール性層20を形成する際の加工性を高めたりするために設けられる層である。
【0043】
3.易剥離性フィルムの製造方法
本実施形態に係る易剥離性フィルム50の製造方法は特に限定されず、熱可塑性樹脂について一般に使用されている成形法を適用することができる。例えば、T-ダイ押出機あるいはインフレーション成形機等を用いる公知の方法によって行うことができる。
例えば、本実施形態に係る接着性樹脂組成物をT-ダイ押出機のホッパーから供給してTダイ先端から基材層10上にフィルム状に押出成形することにより得ることができる。
【0044】
また、本実施形態に係る易剥離性フィルム50の製造方法において、一般に使用されている多層フィルムの成形法を適用することができる。例えば、多層T-ダイ押出機あるいは多層インフレーション成形機等を用いる公知の方法によって行うことができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【実施例
【0046】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0047】
接着性樹脂組成物の調製に用いた成分の詳細は以下の通りである。
【0048】
<エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)>
EVA1:エチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR=24g/10min、エチレン含量=94質量%、酢酸ビニル含量=6質量%)
【0049】
<粘着付与樹脂(B)>
粘着付与樹脂1:脂環族系炭化水素樹脂の水素添加物(荒川化学工業社製、アルコンP-115)
【0050】
<エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)>
EVA2:エチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR=100g/10min、エチレン含量=81質量%、酢酸ビニル含量=19質量%、粘度=140,000mPa・s)
EVA3:エチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR=400g/10min、エチレン含量=81質量%、酢酸ビニル含量=19質量%、粘度=28,000mPa・s)
EVA4:エチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR=150g/10min、エチレン含量=75質量%、酢酸ビニル含量=25質量%、粘度=85,000mPa・s)
EVA5:エチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR=15g/10min、エチレン含量=81質量%、酢酸ビニル含量=19質量%、粘度=900,000mPa・s)
EVA6:エチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR=800g/10min、エチレン含量=81質量%、酢酸ビニル含量=19質量%、粘度=12,000mPa・s)
ここで、MFR(メルトマスフローレート)は、JIS K7210:1999に準拠して温度190℃、荷重2160gで測定した
また、エチレン・酢酸ビニル共重合体(C)の粘度はブルックフィールド粘度計を用い180℃で測定した。
装置名:BROOKFIELD DIGITAL VISCOMETER
装置メーカー:ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ社
形式:RVTDV-II
測定温度:180℃
【0051】
<帯電防止剤(D)>
帯電防止剤1:非イオン性界面活性剤(製品名:エレクトロストリッパーTS7B、花王社製)
【0052】
[実施例1~3、比較例1~2]
<評価サンプルの作製>
(1)接着性樹脂組成物の調製
表1に示す配合割合で各成分を押出機(65mmφ、L/D=28、先端ダルメージフライトスクリュー)にて180℃で溶融混練し、接着性樹脂組成物をそれぞれ得た。得られた接着性樹脂組成物は、ペレット状にカッティングして評価用積層フィルムの作製に供した。
【0053】
(2)評価用積層フィルムの作製
まず、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ25μm)を準備した。上記PETフィルム上に、押出機(65mmφ、L/D=28)、スクリュー(3ステージ型、溝深さ比=4.78)、及びダイ(900mm幅、インナーディケル型)を用いて、エアギャップ110mm、加工速度80m/分、加工温度320℃の条件で、厚さ13μmの低密度ポリエチレン重合体(密度917kg/m、MFR(JIS K7210:1999に準拠、温度190℃、荷重2160g)7g/10分、融点107℃)の層をアンカーコート剤を介して積層した。
次いで、上記低密度ポリエチレン重合体の層の上に、上記押出機、スクリュー、及びダイを用いて、エアギャップ110mm、加工速度80m/分、加工温度220℃の条件で、表1に示す接着性樹脂組成物からなる層(厚さ15μm)を積層し、評価用積層フィルム(易剥離性フィルム)をそれぞれ作製した。
得られた評価用積層フィルムについて、以下の評価をそれぞれおこなった。得られた結果を表1に示す。
【0054】
<評価>
(1)剥離強度
評価用積層フィルムをMD方向(評価用積層フィルム作製時の樹脂の流れ方向)に3cm幅で切り出した。評価用積層フィルムと同じく3cm幅に切り出した紙基材(韓国製紙キャリアテープ)の一方の面と評価用積層フィルムの接着性樹脂組成物からなる層(ヒートシール性層)が積層された面とを重ね合わせ、ヒートシーラー(テスター産業社製、ヒートシールテスターTP-701-B)を用いて以下の条件で紙基材と評価用積層フィルムとをヒートシールし、サンプルを作製した。ヒートシールの条件は、ヒートシール温度160℃、ヒートシール時間0.3秒間、ヒートシールバー幅1mm、ゲージ圧力0.06MPaで行った。
ヒートシール後、剥離試験機(株式会社バンガードシステムズ社製、VG-35)を用いて、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で、紙基材から積層フィルムを剥離し、剥離力を測定した。
【0055】
(2)低温剥離
ヒートシール温度を120℃に変更した以外は(1)剥離強度と同様にして、紙基材から積層フィルムを剥離し、剥離力を測定した。
【0056】
(3)剥離状況評価
剥離強度測定後のサンプルを顕微鏡で観察した。
・判定基準:◎:紙繊維の付着がない、○:紙繊維の付着があるが目立たない、×:紙繊維の付着が目立つ
【0057】
(4)帯電防止性評価
抵抗率計(三菱化学アナリテック社製、ハイレスタ-UP、UR-100プローブ)を用いて、測定電圧500V、測定時間30秒、23℃、50%RHの条件で、易剥離性フィルムの表面抵抗率を測定し、帯電防止性を評価した。
【0058】
(5)ブロッキング評価
評価用積層フィルムを25mm幅の短冊状に2枚作製し、ヒートシール性層側の面と二軸延伸されたポリエステルフィルム側の面とを重ね合わせ、320g/cmの荷重をかけながら、40℃のオーブン中に24時間放置した。
次いで、剥離試験機(株式会社バンガードシステムズ社製、VG-35)を用いて、剥離角度180°、剥離速度300mm/分の条件で、2枚の評価用積層フィルムを剥離し、剥離力を測定した。
【0059】
【表1】
【0060】
表1から明らかなように、実施例1~3の接着性樹脂組成物を用いた易剥離性フィルムは、低温ヒートシール性、接着性、易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスに優れていた。これに対し、比較例1~2の接着性樹脂組成物を用いた易剥離性フィルムは、低温ヒートシール性、接着性、易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスに劣っていた。
以上から、本実施形態に係る接着性樹脂組成物によれば、紙基材への低温ヒートシール性、紙基材への接着性、紙基材からの易剥離性および耐ブロッキング性の性能バランスに優れた易剥離性フィルムを実現できることが確認できた。
【0061】
この出願は、2019年3月28日に出願された日本出願特願2019-063037号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0062】
10 基材層
20 ヒートシール性層
50 易剥離性フィルム
図1