(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】ステアリングセンサユニットの電気的なコンタクトのためのコネクタユニットを備えたステアリング装置
(51)【国際特許分類】
B62D 5/04 20060101AFI20221108BHJP
H01R 13/631 20060101ALI20221108BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20221108BHJP
H01R 13/66 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
B62D5/04
H01R13/631
H01R43/00 Z
H01R13/66
(21)【出願番号】P 2021516999
(86)(22)【出願日】2019-09-09
(86)【国際出願番号】 EP2019073996
(87)【国際公開番号】W WO2020064315
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】102018216484.3
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルデマール マタス
(72)【発明者】
【氏名】マーテン ヴェーバー
(72)【発明者】
【氏名】トビアス イスデブスキー
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ザイボルト
【審査官】田邉 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-031160(JP,A)
【文献】特開2011-086422(JP,A)
【文献】特開2015-220187(JP,A)
【文献】特開2011-034825(JP,A)
【文献】特開2017-160935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 5/04
H01R 13/631
H01R 35/04
H01R 43/00
H01R 13/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリング装置であって、
センサ収容領域(12a;12b)を提供するステアリングギヤケーシング(10a;10b)と、
組立状態で前記センサ収容領域(12a;12b)内に配置されるステアリングセンサユニット(14a;14b)
であって、少なくとも1つの第1の差込エレメント(68a;68b)を備えた第1の差込ユニット(66a;66b)を含む、ステアリングセンサユニット(14a;14b)と、
組立状態で前記センサ収容領域(12a;12b)を軸方向(18a;18b)でカバーするように設けられているケーシングカバー(16a;16b)と、
前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)または前記ケーシングカバー(16a;16b)のコンタクト凹部(20a;20b)内に
外部から取付け可能なコネクタユニット(22a;22b)であって、前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程で、前記ステアリングセンサユニット(14a;14b)
と直接的に電気的にコンタクトするためのコネクタユニット(22a;22b)と、
を備え、
前記コネクタユニット(22a;22b)は、前記
第1の差込エレメント(68a;68b)に
結合するための少なくとも1つの
第2の差込エレメント(26a;26b)を備えた
第2の差込ユニット(24a;24b)と、
前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)または前記ケーシングカバー(16a;16b)に取付け可能な支持体ユニット(28a;28b)とを含む、ステアリング装置において、
前記コネクタユニット(22a;22b)は、
ゴムエレメントとして、エラストマエレメントとして、シリコーンエレメントとして、ゲルエレメントとして、かつ/または、ばねエレメントとして形成された少なくとも1つの補償エレメント(34a)を含む弾性的な補償ユニット(30a;30b)を含み、
前記補償ユニット
(30a;30b)は、前記
第2の差込エレメント(26a;26b)と前記支持体ユニット(28a;28b)とに堅固に接続されていて、
前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程において前記支持体ユニット(28a;28b)を介して規定された差込力が前記第2の差込エレメント(26a;26b)に及ぼされるように、前記
第2の差込エレメント(26a;26b)をばね的に支持するように設けられていることを特徴とする、ステアリング装置。
【請求項2】
前記
第2の差込ユニット(24a;24b)は、前記
第2の差込エレメント(26a;26b)を前記支持体ユニット(28a;28b)にフレキシブルに接続するために、少なくとも1つの電気的な導体エレメント(32a)
を含む、請求項1記載のステアリング装置。
【請求項3】
前記補償ユニット(30a;30b)は、前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程で、前記
第2の差込エレメント(26a;26b)に作用する力を減衰しかつ/または補償するように設けられている、請求項1または2記載のステアリング装置。
【請求項4】
前記補償ユニット(30a;30b)は、前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程で、前記
第2の差込エレメント(26a;26b)を安定化させかつ/または定められた向きで保持するように設けられている、請求項1から3までのいずれか1項記載のステアリング装置。
【請求項5】
前記コネクタユニット(22a)を組み付ける組付方向(36a)は、軸方向(18a)に対して垂直に向けられている、請求項1から
4までのいずれか1項記載のステアリング装置。
【請求項6】
前記コネクタユニット(22b)を組み付ける組付方向(36b)は、軸方向(18b)に対して平行に向けられている、請求項1から
4までのいずれか1項記載のステアリング装置。
【請求項7】
前記コネクタユニット(22a;22b)は、前記センサ収容領域(12a;12b)と、前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)の外面(38a)との間の電気接続を提供するように設けられている、請求項1から
6までのいずれか1項記載のステアリング装置。
【請求項8】
前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程で、前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)および/または前記ケーシングカバー(16a;16b)に対して相対的な前記コネクタユニット(22a;22b)の定められた向きを規定するように設けられた位置決めユニット(40a;40b)を有している、請求項1から
7までのいずれか1項記載のステアリング装置。
【請求項9】
前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程で、前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)および/または前記ケーシングカバー(16a;16b)に対して相対的に前記コネクタユニット(22a;22b)をガイドするように設けられたガイドユニット(42a;42b)を有している、請求項1から
8までのいずれか1項記載のステアリング装置。
【請求項10】
前記ガイドユニット(42a;42b)は、前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)および/または前記ケーシングカバー(16a;16b)に配置された少なくとも1つのガイドエレメント(44a;44b)を含む、請求項
9記載のステアリング装置。
【請求項11】
前記ガイドユニット(42a;42b)は、前記ステアリングセンサユニット(14a;14b)に配置された少なくとも1つの別のガイドエレメント(46a)を含む、請求項
9または
10記載のステアリング装置。
【請求項12】
前記別のガイドエレメント(46a)は、漏斗状導入部として形成されている、請求項11記載のステアリング装置。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の少なくとも1つのステアリング装置を備えたステアリングシステム(48a)。
【請求項14】
請求項1から12までのいずれか1項記載のステアリング装置のコネクタユニット(22a;22b)。
【請求項15】
ステアリング装置を組み付ける方法であって、
前記ステアリング装置は、
センサ収容領域(12a;12b)を提供するステアリングギヤケーシング(10a;10b)と、組立状態で前記センサ収容領域(12a;12b)内に配置されるステアリングセンサユニット(14a;14b)
であって、少なくとも1つの第1の差込エレメント(68a;68b)を備えた第1の差込ユニット(66a;66b)を含む、ステアリングセンサユニット(14a;14b)と、
組立状態で前記センサ収容領域(12a;12b)を軸方向(18a;18b)でカバーするように設けられているケーシングカバー(16a;16b)と、
前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)または前記ケーシングカバー(16a;16b)のコンタクト凹部(20a;20b)内に
外部から取付け可能なコネクタユニット(22a;22b)であって、前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程で、前記ステアリングセンサユニット(14a;14b)と
直接的に電気的にコンタクトするためのコネクタユニット(22a;22b)と、
直接的に電気的にコンタクトするためのコネクタユニット(22a;22b)と、
を含んでおり、
前記コネクタユニット(22a;22b)は、
前記第1の差込エレメント(68a;68b)に
結合するための少なくとも1つの
第2の差込エレメント(26a;26b)を備えた
第2の差込ユニット(24a;24b)と、
前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)または前記ケーシングカバー(16a;16b)に取付け可能な支持体ユニット(28a;28b)とを含む、ステアリング装置を組み付ける方法において、
前記コネクタユニット(22a;22b)を、前記ステアリングセンサユニット(14a;14b)との電気的なコンタクトのために、前記ステアリングギヤケーシング(10a;10b)または前記ケーシングカバー(16a;16b)の前記コンタクト凹部(20a;20b)内に
外部から取り付け、前記
第2の差込エレメント(26a;26b)を、前記
第2の差込エレメント(26a;26b)と前記支持体ユニット(28a;28b)とに堅固に接続されている、前記コネクタユニット(22a;22b)の弾性的な補償ユニット(30a;30b)
であって、ゴムエレメントとして、エラストマエレメントとして、シリコーンエレメントとして、ゲルエレメントとして、かつ/または、ばねエレメントとして形成された少なくとも1つの補償エレメント(34a)を含む補償ユニット(30a;30b)によって、前記コネクタユニット(22a;22b)の組付過程
において前記支持体ユニット(28a;28b)を介して規定された差込力が前記第2の差込エレメント(26a;26b)に及ぼされるようにばね的に支持することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式のステアリング装置および請求項15の上位概念に記載の形式のステアリング装置を組み付ける方法を起点としている。さらに本発明は、このようなステアリング装置を備えたステアリングシステムおよびこのようなステアリング装置のコネクタユニットに関する。
【0002】
従来技術により、ステアリングシャフトに配置された、操舵角および/またはステアリングシャフトに加えられる操舵モーメントを検出するためのステアリングセンサを備えた、自動車のためのステアリングシステムが公知である。このようなステアリングセンサは、通常、ステアリングシャフトに接合されたセンサケーシングと、センサケーシング内に配置されたセンサエレメントとを含む。
【0003】
公知の組付プロセスでは、センサケーシングを、ステアリングシャフトに押し嵌めて、ステアリングシャフトに取り付ける。次いで、ステアリングシャフトを、センサケーシングと共に、ステアリングギヤケーシングの組付開口内に装着し、このとき同時にセンサケーブルを組付工が手動で、センサケーシングもしくはセンサエレメントに接続することができる。次いで、組付開口をケーシングカバーによって閉鎖する。しかしながらこのような構造により、特に複数の組付ステップを必要とし、さらにステアリングシャフトもしくはステアリングセンサの組付プロセス中にセンサケーブルの手動の差込みを要する、複雑かつ時間のかかる組付プロセスが生じる。
【0004】
本発明の課題は特に、接触に関して改善された特性を備えた、ステアリング装置と、ステアリング装置を組み付ける方法とを提供することである。この課題は、請求項1、13、14、および15の特徴により解決され、本発明の好適な構成および別の構成については従属請求項を参照することができる。
【0005】
発明の開示
本発明は、ステアリング装置であって、センサ収容領域を提供するステアリングギヤケーシングと、組立状態でセンサ収容領域内に配置される、特にステアリング軸線を中心として回転可能に支持されたステアリングシャフトの、特に少なくとも1つの操舵情報を検出するための、ステアリングセンサユニットと、組立状態でセンサ収容領域を軸方向でカバーするために、特に閉鎖するように設けられているケーシングカバーと、ステアリングギヤケーシングまたはケーシングカバーの、特に周方向で閉じられたコンタクト凹部、特に孔および/または開口部内に配置可能なコネクタユニットであって、このコネクタユニットの組付過程で、ステアリングセンサユニットと、特に直接的に電気的にコンタクトするためのコネクタユニットと、を備え、コネクタユニットは、ステアリングセンサユニットに接続するための少なくとも1つの差込エレメントを備えた差込ユニットと、支持体ユニットとを含む、ステアリング装置を起点としている。
【0006】
コネクタユニットが、弾性的な補償ユニットを含み、この補償ユニットは、差込エレメントと支持体ユニットとに堅固に、特に取外し不能に接続されていて、差込エレメントを、特にコネクタユニットの組付けのための組付方向で、ばね的に支持するように設けられていることが提案される。このような構成により、特に、有利には確実かつ/またはフレキシブルな、ステアリングセンサユニットのコンタクトを、規定された差込力で達成することができる。さらにこの場合、特に組付過程を著しく簡単にすることができ、組付過程の有利な自動化を達成することができ、手動の作業ステップ数を減じることができる。さらに好適には、ステアリング装置の柔軟性を高めることができ、かつ/または運転安全性を改善することができる。さらに好適には、ステアリング装置の耐用期間および/または疲労強度を改善することができる。
【0007】
「ステアリング装置」とは、この関連では、特に車両の、好適には自動車のステアリングシステムの少なくとも一部、特にサブアッセンブリであると理解されたい。特に、この場合、ステアリング装置はステアリングシャフトも含むことができる。ステアリングシャフトは、好適には複数の部分から形成されていて、少なくとも1つの入力軸、好適にはステアリングスピンドルと、入力軸とは分離されて形成された少なくとも1つの出力軸、好適にはステアリングピニオンとを含む。ステアリングシャフトの長手方向の延在は、この場合特に、軸方向を規定している。さらに、ステアリングギヤケーシングは、特にケーシングカバーによって閉鎖可能な、ステアリングセンサユニットを収容するための、かつ好適にはステアリングシャフトを少なくとも部分的に収容するための特に1つの組付開口を有している。さらに、「ステアリングセンサユニット」とは特に、特にステアリングシャフトを周方向で取り囲むセンサユニットであって、ステアリングシャフトの回転により、好適には出力軸に対して相対的な入力軸の回転に基づき、特にステアリングシステムのステアリングハンドルの操作に関連した少なくとも1つの操舵情報を検出するように設けられているセンサユニットであると理解されたい。この場合、操舵情報とは、好適には操舵角および/または、特にステアリングハンドルによってステアリングシャフトに加えられる操舵モーメントである。操舵情報を検出するために、ステアリングセンサユニットは特に少なくとも1つのセンサエレメントを含んでいてもよい。「設けられている」とは、特に、特別に構成されている、かつ/または装備されている、と理解されたい。ある物体が所定の機能のために設けられている、とは特に、ある物体が、少なくとも使用状態および/または作動状態で、この所定の機能を満たしているかつ/または実施することであると理解されたい。
【0008】
さらに、「コネクタユニット」とは特に、特に組立状態でステアリングギヤケーシングおよび/またはケーシングカバーと作用結合していて、好適にはステアリングギヤケーシングおよび/またはケーシングカバーとは別個に形成されているユニットであって、ステアリングセンサユニットの電気的なコンタクトのためのコンタクト可能性を提供するように設けられているユニットであると理解されたい。このためにコネクタユニットは特に、特にプラグ、カップリング、および/またはソケットの形態の差込エレメントを含む差込ユニットを含んでいる。特に、差込ユニットは組立状態で、好適には完全に、センサ収容領域内に配置されていて、ステアリングセンサユニットの、この差込ユニットに対応する別の差込ユニットとの連結のために、特にこの別の差込ユニットの、特にプラグ、カップリング、および/またはソケットの形態の、特に少なくとも1つの別の差込エレメントとの連結のために設けられている。好適には、別の差込ユニットはこの場合、堅固にかつ/またはステアリングギヤケーシングに対して相対的に不動に支持されている。特に差込エレメントと別の差込エレメントとは、この場合、コネクタユニットの組付過程で、ステアリングセンサユニットの自動的な電気的なコンタクトが行われるように、互いに相対的に方向付けられている。さらに、「支持体ユニット」とは特に、好適には持続的に、機械的に差込ユニットに連結されたユニットであって、特に、差込ユニットの重量の少なくとも一部を受容し、かつ特に差込エレメントと別の差込エレメントと間の連結を可能にするために、少なくともコネクタユニットの組付過程で差込ユニットを機械的に安定化させるために、設けられたユニットであると理解されたい。さらに、「補償ユニット」とは特に、力を、好適には圧縮力を差込エレメントに加えるために、かつ/または差込エレメントから吸収するように設けられているユニットであると理解されたい。好適にはこの場合、補償ユニットは少なくとも、コネクタユニットの組付過程で生じる力を補償するために、かつ/またはこの力を差込エレメントに伝達して、差込エレメントと別の差込エレメントとの間の連結が行わせ、これによりコネクタユニットの組付過程で、ステアリングセンサユニットの直接的かつ/または自動的な電気的コンタクトが行われるようにするように設けられている。このために、補償ユニットは特に少なくとも1つの弾性的に形成された補償エレメントを含み、この補償エレメントは特に堅固に差込エレメントと支持体ユニットとに接続されている。「弾性的な物体」とは特に、通常の作動状態で少なくともその位置が、少なくとも0.1cm、好適には少なくとも0.25cm、特に好適には少なくとも0.5cm変化可能である少なくとも1つの部分領域および/または少なくとも1つの部分を有し、かつ特に位置の変化に依存した、好適には変化に比例した、特に変化に反作用する対抗力を発生させる物体であると理解されたい。特に、弾性的なエレメントは、繰り返し、特に損傷なく、変形可能であり、特に変形後に自動的に再び原形をとろうとする。
【0009】
さらに、差込ユニットが、差込エレメントを支持体ユニットにフレキシブルに接続するために、少なくとも1つの電気的な導体エレメントを、特にケーブルを含むことが提案される。これにより差込エレメントは好適には可動となり、これによりステアリングセンサユニットの特にフレキシブルなコンタクトが達成され得る。さらに特に、別の差込エレメントとの特に簡単な連結が達成され得る。
【0010】
好適にはさらに、補償ユニットが、コネクタユニットの組付過程で、差込エレメントに作用する力を、特に差込力を減衰しかつ/または補償するように設けられていることが提案される。これにより特に好適な組付過程を達成することができ、この場合特に、コネクタユニットの組付過程中、誤差を補償することができ、かつ/または最大の組付力に応じて最大許容差込力を変更することができる。さらに特に、差込エレメントの損傷を回避することができ、同時に差込エレメントの確実な連結を達成することができる。
【0011】
さらに、補償ユニットが、コネクタユニットの組付過程で差込エレメントを安定化させ、かつ/または特に差込エレメントと別の差込エレメントとの間の連結を可能にするために、定められたかつ/または規定された向きを保持するように設けられていることが提案される。これにより特に、差込エレメントの特別に簡単なかつ/または確実な連結が達成され得る。
【0012】
補償ユニットは、例えば、ゴムエレメントとして、エラストマエレメントとして、シリコーンエレメントとして、かつ/またはゲルエレメントとして形成された少なくとも1つの補償エレメントを含むことができる。しかしながら、補償ユニットが、ばねエレメントとして、特に引っ張りばねおよび/または圧縮ばねとして形成された少なくとも1つの補償エレメントを含んでいると、特に堅牢かつ/または安価な構成を達成することができる。
【0013】
さらに、コネクタユニットを組み付ける組付方向は、軸方向に対して少なくともほぼ垂直に向けられていることが提案される。好適には、差込エレメントと別の差込エレメントとの連結のための差込方向は、この場合、軸方向に対して少なくともほぼ垂直に向けられている。「少なくともほぼ垂直」という表現はこの場合、基準方向に対して相対的な方向の向きを規定すべきであり、この場合、この方向と基準方向とは特に1つの平面内で観察され、特に82°~98°の、好適には85°~95°の、特に好適には88°~92°の角度を成す。これにより特に、コネクタユニットの好適には簡単な組付が達成され得る。
【0014】
代替的に、コネクタユニットを組み付ける組付方向は、軸方向に対して少なくともほぼ平行に向けられていることが提案される。好適には、差込エレメントと別の差込エレメントとの連結のための差込方向は、この場合、軸方向に対して少なくともほぼ平行に向けられている。「少なくともほぼ平行」とはこの場合、特に1つの平面における、基準方向に対して相対的な方向の向きであって、この場合、この方向は基準方向に対して、特に8°未満の、好適には5°未満の、特に好適には2°未満のずれを有しているものであると理解されたい。これにより特に、好適なコンパクトな構成が達成され得る。
【0015】
さらに、コネクタユニットが、センサ収容領域と、ステアリングギヤケーシングの外面との間の電気的な接続を提供するように設けられていることが提案され、これにより特に、ステアリングセンサユニットの特に簡単な電気的なコンタクトが達成され得る。好適にはこの場合、支持体ユニットは、特に差込ユニットのケーブルおよび/またはセンサケーブルのためのケーブルガイドとして形成されていて、かつ/または特に差込ユニットのケーブルおよび/またはセンサケーブルのためのケーブルガイドを有しており、ケーブルおよび/またはセンサケーブルは例えば、ステアリング装置の制御装置との電気的な接続を形成するために、かつ/または提供するように設けられていてもよい。特に好適には、支持体ユニットは、ステアリングギヤケーシングおよび/またはケーシングカバーとは別個に形成されていて、組立状態でステアリングギヤケーシングおよび/またはケーシングカバーに堅固に接続されている。
【0016】
別の構成によれば、ステアリング装置は、コネクタユニットの組付過程で、ステアリングギヤケーシングおよび/またはケーシングカバーに対して相対的なコネクタユニットの定められた向きを規定するように設けられた位置決めユニットを有していることが提案される。このために、位置決めユニットは特に、少なくとも1つの形状エレメントを、例えば隆起部および/または凹部、および/または例えばピクトグラムの形態の少なくとも1つの組付マークを含んでいてもよい。これにより特に、コネクタユニットの特に簡単な組付が達成され得る。
【0017】
ステアリング装置が、コネクタユニットの組付過程で、ステアリングギヤケーシングおよび/またはケーシングカバーに対して相対的にコネクタユニットをガイドするように設けられたガイドユニットを有しているならば、差込エレメントの特に簡単かつ/または確実な連結が、特に達成され得る。
【0018】
好適には、ガイドユニットは、ステアリングギヤケーシングに、特にステアリングギヤケーシングの外面に、かつ/またはケーシングカバーに、特にケーシングカバーの外面に配置された少なくとも1つのガイドエレメント含む。特に好適には、この場合、ガイドエレメントは、ガイド凹部および/またはガイド溝として形成されている。特に、ガイドエレメントはさらに、位置決めユニットに一体に形成されていてもよい。「一体に」とは、この関連では特に、少なくとも材料接続的に接続されている、かつ/または互いに形成されているものと理解されたい。材料接続は例えば、接着プロセス、吹付プロセス、溶接プロセス、ろう接プロセス、および/またはその他のプロセスによって製作され得る。しかしながら好適には、一体にとは、1つの部品からかつ/または1つの部品として成形されているものと理解されたい。好適には、この1つの部品は、単一の未加工素材、未加工コンパウンド、および/または鋳造品から、例えば押出法および/または射出成形法によって製作される。これにより特に、コネクタユニット組付をさらに簡単にすることができる。
【0019】
さらに、ガイドユニットが、特にコネクタユニットの組付過程で差込エレメントを、特に別の差込エレメントに対して相対的にガイドするために設けられている、ステアリングセンサユニットに配置された少なくとも1つの別のガイドエレメントを含むことが提案される。好適には、別のガイドエレメントはこのために、少なくともコネクタユニットの組付過程で、差込エレメントを少なくとも部分的に、好適には少なくとも大部分取り囲んでいる。好適にはガイドユニットはさらに、漏斗状ガイドとして形成されていて、特に好適には、コネクタユニットの組付方向で、別の差込エレメントのすぐ手前に配置されている。「少なくとも大部分」という表現は、この場合、特に少なくとも55%、好適には少なくとも70%、好適には少なくとも85%、特に好適には少なくとも95%であると理解されたい。これにより特に、差込エレメントの特別に簡単な連結が達成され得る。
【0020】
さらに本発明は、ステアリング装置を組み付ける方法であって、ステアリング装置が、センサ収容領域を提供するステアリングギヤケーシングと、組立状態でセンサ収容領域内に配置される、特にステアリング軸線を中心として回転可能に支持されたステアリングシャフトの、特に少なくとも1つの操舵情報を検出するための、ステアリングセンサユニットと、組立状態でセンサ収容領域を軸方向でカバーするために、特に閉鎖するように設けられているケーシングカバーと、ステアリングギヤケーシングまたはケーシングカバーの、特に周方向で閉じられたコンタクト凹部、等に孔および/または開口部内に配置可能なコネクタユニットであって、このコネクタユニットの組付過程で、ステアリングセンサユニットと、特に直接的に電気的にコンタクトするためのコネクタユニットと、を備え、コネクタユニットは、ステアリングセンサユニットに接続するための少なくとも1つの差込エレメントを備えた差込ユニットと、支持体ユニットとを含む、ステアリング装置を組み付ける方法に関する。
【0021】
コネクタユニットを、ステアリングセンサユニットとの電気的なコンタクトのために、ステアリングギヤケーシングまたはケーシングカバーのコンタクト凹部内に取り付け、差込エレメントを、差込エレメントと支持体ユニットとに堅固に接続されている、コネクタユニットの弾性的な補償ユニットによって、コネクタユニットの組付過程で生じる力が補償されるようにばね的に支持することが提案される。これにより特に、既に上述した利点が達成され得る。特にこの場合、有利には確実かつ/またはフレキシブルな、ステアリングセンサユニットのコンタクトを、規定された差込力で達成することができる。
【0022】
好適にはこの場合、第1の組付ステップで、少なくとも差込ユニット、支持体ユニット、および弾性的な補償ユニットから、機械的に互いに連結されて予め組み立てられたサブアッセンブリを製作し、第2の組付ステップで、少なくともステアリングセンサユニットおよびステアリングシャフトから、予め組み立てられたステアリングセンサ構造群を製作し、第3の組付ステップで、予め組み立てられたステアリングセンサ構造群を、ステアリングギヤケーシングの組付開口内に装着し、第4の組付ステップで、組付開口をケーシングカバーによって閉鎖し、さらに第5の組付ステップで、予め組み立てられたサブアッセンブリの形態のコネクタユニットを、ステアリングギヤケーシングまたはケーシングカバーのコンタクト凹部内に取り付け、これによりステアリングセンサユニットの直接的な電気的なコンタクトを達成する。好適にはこの場合、コネクタユニットの組付過程で、差込エレメントは、補償ユニットがコネクタユニットの組付方向で押しつぶされるように、端部ストッパまで接合される。しかしながらこの場合、選択的に、個々の組付ステップおよび/または組付ステップの順序は変更されてもよい。
【0023】
ステアリング装置、ステアリングシステム、コネクタユニット、およびステアリング装置を組み付ける方法は、この場合、上述した使用および構成に限定されるべきではない。特に、ステアリング装置、ステアリングシステム、コネクタユニット、およびステアリング装置を組み付ける方法は、本明細書で説明した機能形式を満たすために、個々のエレメント、構成部品、およびユニットの本明細書に記載した数とは異なる数を有していてもよい。
【0024】
図面
さらなる利点は、以下の図面の説明から明らかである。図面には本発明の実施例が示されている。図面、詳細な説明、請求の範囲には、本発明の多数の態様が含まれる。当業者により、これらの態様は、目的に応じて個別に考察され、有利な別の組み合わせにまとめられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】ステアリング装置を備えた例としてのステアリングシステムを示す概略図である。
【
図2】ステアリング装置を組立状態で示す透視断面図である。
【
図3】ステアリング装置のコネクタユニットを示す斜視図である。
【
図4】ステアリング装置のステアリングギヤケーシングを示す斜視図である。
【
図5】ステアリング装置を組み付ける方法を示す一例としてのフローチャートである。
【
図6】別のステアリング装置の別の実施例を示す透視断面図である。
【
図7】
図6の別のステアリング装置のコネクタユニットを示す斜視図である。
【0026】
実施例の説明
図1には、単に一例としてのステアリングシステム48aが概略図で示されている。ステアリングシステム48aは、電気的にアシストされたステアリングシステムとして形成されていて、したがって電気的な補助パワーアシストを有している。さらにステアリングシステム48aは、車両(図示せず)での、特に自動車での使用のために設けられている。ステアリングシステム48aは、組付状態で、車両のタイヤとの作用結合部を有しており、車両の走行方向に影響を与えるように設けられている。原則的には勿論、ステアリングシステムが、油圧式にアシストされた、特に油圧補助パワーアシストを備えたステアリングシステムとして形成されていることも考えられる。
【0027】
ステアリングシステム48aはステアリング装置を有している。ステアリング装置は、この場合、手動のステアリングモーメントを付与するために、例えばステアリングホイールとして形成されたステアリングハンドル50aを含み、さらに、ステアリングハンドル50aにおけるステアリング規定量を車両タイヤの操舵運動に変換するように設けられている公知のステアリングギヤ52aを含む。このために、ステアリングギヤ52aは、ステアリング作動エレメント54aとステアリングギヤケーシング10aとを含み、ステアリングギヤケーシングは、ステアリング作動エレメント54aのための第1のケーシング部分56aと、センサ収容領域12aを提供する(特に
図2および
図4も参照)第2のケーシング部分58aとを有している。
【0028】
さらには、ステアリング装置は、自体公知のステアリングシャフト60aを含む。ステアリングシャフト60aは、ステアリングハンドル50aをステアリングギヤ52aに、特にステアリング作動エレメント54aに接続していて、このために、組立状態で少なくとも部分的に、特にセンサ収容領域12aを画定する、ステアリングギヤケーシング10aの、特に第2のケーシング部分58aの組付開口62a内に装着されている。ステアリングシャフト60aの長手方向の延在は、この場合、軸方向18aを規定している。ステアリングシャフト60aは、軸方向18aに対して平行に向けられたステアリング軸線を中心として回転可能に支持されている。さらにステアリングシャフト60aは複数の部分から形成されている。ステアリングシャフト60aは、ステアリングハンドル50aに対応して配置された、ステアリングスピンドルの形態の入力軸と、ステアリングギヤ52aに対応して配置された、入力軸とは分離されて形成された、ステアリングピニオンの形態の出力軸と、入力軸を出力軸に接続する、好適にはトーションバーとして形成されたトーションエレメントとを含む。しかしながら原則的には、ステアリングシャフトが一体的に形成されていることも考えられる。
【0029】
さらに、ステアリング装置はケーシングカバー16aを含む。ケーシングカバー16aは、例えば、射出成形されたシールエレメントによってシールされる、ステアリングシャフト60aのための貫通開口を有している。ケーシングカバー16aは、組立状態で、ステアリングギヤケーシング10aの組付開口62aを、したがってセンサ収容領域12aを、軸方向18aで遮蔽し、特に液密に閉鎖するように設けられている。
【0030】
さらに、ステアリング装置は、ステアリングセンサユニット14aを有している。ステアリングセンサユニット14aは、組立状態でセンサ収容領域12a内に配置されていて、この場合、ステアリングシャフト60aを周方向で取り囲んでいる。この場合、ステアリングセンサユニット14aは、ステアリングシャフト60aの回転に基づき、特に、ステアリングハンドル50aの操作に関連した、少なくとも1つの操舵情報を、特に操舵角および/または操舵モーメントを検出するように設けられている。このために、ステアリングセンサユニット14aは、特に収容ケーシングとして形成されたセンサケーシング64aと、操舵情報を検出するための、センサケーシング64a内に配置された少なくとも1つのセンサエレメント(図示せず)とを含む。
【0031】
さらに、ステアリングセンサユニット14aは第1の差込ユニット66aを含む。第1の差込ユニット66aは、センサケーシング64a内に支持されている。第1の差込ユニット66aは、この場合、ステアリングセンサユニット14aの組立状態で、堅固にかつ/またはステアリングギヤケーシング10aに対して相対的に不動に配置されている。第1の差込ユニット66aは、第1の差込エレメント68aを含む。第1の差込エレメント68aは、ステアリングセンサユニット14aのセンサエレメントに、またはセンサエレメントに接続されたリードフレームに、電気的に接続されている。第1の差込エレメント68aはこの場合、例えばカップリングおよび/またはソケットとして形成されている。しかしながら代替的に、第1の差込ユニットは、プラグとして形成された1つの第1の差込エレメントおよび/または複数の第1の差込エレメントを含んでいてもよい。
【0032】
ステアリングセンサユニット14aと、特に第1の差込ユニット66aとの電気的なコンタクトのために、ステアリング装置はさらに、コネクタユニット22a(特に
図3も参照)を含んでいる。コネクタユニット22aは、ケーシングカバー16aとは別個に形成されている。コネクタユニット22aはさらに、ステアリングギヤケーシング10aとは別個に形成されていて、組立状態でステアリングギヤケーシング10aと、特に第2のケーシング部分58aと、堅固に接続されている。この場合、コネクタユニット22aは、組立状態で、特に孔および/または開口部の形態の、ステアリングギヤケーシング10aのコンタクト凹部20a内に配置されている。したがって、コネクタユニット22aは少なくとも部分的にステアリングギヤケーシング10aの外側に配置されていて、組付過程で、例えば組立工によって、かつ/または機械によって、ステアリングギヤケーシング10aに接続することができ、特にこの場合、コネクタユニット22aは、好適には直線運動でコンタクト凹部20a内に取り付けられる。この場合、コネクタユニット22aを組み付ける組付方向36aは、軸方向18aに対して垂直に向けられている。コネクタユニット22aはさらに、ケーブルガイドとして形成されていて、センサ収容領域12aと、ステアリングギヤケーシング10aの外面38aとの間の電気的な接続を提供するように設けられている。
【0033】
ステアリングセンサユニット14aとの電気的な接続のために、コネクタユニット22aは、第1の差込ユニット66aに連結可能な第2の差込ユニット24aを含んでいる。このために、第2の差込ユニット24aは、第2の差込エレメント26aを含んでいる。第2の差込エレメント26aは、第1の差込エレメント68aに対応するように形成されている。第2の差込エレメント26aはこの場合、例えばプラグとして、特に標準プラグとして形成されている。さらに第2の差込エレメント26aは、軸方向18aに対して垂直に向けられた組付方向36aで、第1の差込エレメント68aに連結可能である。第2の差込エレメント26aは、組付方向36aで、第1の差込エレメント68aに接続されるように、そしてこれによりステアリングセンサユニット14aの電気的なコンタクトを可能とするために、設けられている。しかしながら代替的に、第2の差込ユニットは、カップリングおよび/またはソケットとして形成された1つの第2の差込エレメントおよび/または複数の第2の差込エレメントを含んでいてもよい。さらに、第2の差込ユニット24aは、少なくとも1つの電気的な導体エレメント32aを含んでいる。電気的な導体エレメント32aはフレキシブルであり、この場合特にケーブルとして形成されている。電気的な導体エレメント32aは、センサケーブルとして形成されていて、第2の差込エレメント26aと、例えばステアリング装置の制御装置70aとの間のフレキシブルな接続のために設けられている。しかしながら代替的に、コネクタユニットは、特に付加的なセンサケーブルの連結のために設けられている、特にステアリングギヤケーシングの外側の領域に配置された少なくとも1つのセンサケーブル差込エレメントを有していてもよい。
【0034】
さらに、コネクタユニット22aは、支持体ユニット28a(特に
図3も参照)も含んでいる。支持体ユニット28aは支持本体72aを含む。支持本体72aは組立状態でステアリングギヤケーシング10aに接触しており、コンタクト凹部20aを流体密に閉鎖している。支持本体72aはさらに、電気的な導体エレメント32aのためのケーブルガイド通路74aを画定している。電気的な導体エレメント32aによって、この場合、第2の差込エレメント26aが支持体ユニット28aにフレキシブルに接続されている。さらに、支持体ユニット28aは第2の差込ユニット24aに機械的に連結されている。支持体ユニット28aは、第2の差込ユニット24aの重量の少なくとも一部を受容し、かつ特に差込エレメント26a,68a間の連結を可能にするために、少なくともコネクタユニット22aの組付過程で第2の差込ユニット24aを機械的に安定化させるために、設けられている。
【0035】
さらに、コネクタユニット22aは弾性的な補償ユニット30aを含む。補償ユニット30aは、第2の差込エレメント26aに対応して配置されていて、第2の差込エレメントに作用結合されている。この場合、補償ユニット30aは、第2の差込エレメント26aに堅固に接続されている。さらに、補償ユニット30aは、支持体ユニット28aに、特に支持本体72aに堅固に接続されている。補償ユニット30aは、第2の差込エレメント26aが、特に軸方向18aに対して垂直に向けられた組付方向36aでばね的に支持されるように設けられている。この場合、補償ユニット30aは、第2の差込エレメント26aに力を負荷し、差込エレメント26a,68aの連結の際に第2の差込エレメント26aに作用する差込力を減衰するかつ/または補償するように設けられている。さらに補償ユニット30aは、コネクタユニット22aの組付過程で第2の差込エレメント26aを安定化させ、第1の差込エレメント68aと第2の差込エレメント26aとの連結を可能にするために定められたかつ/または規定された向きで保持し、かつ好適にはコネクタユニット22aの組付過程中に、誤差を補償するために、設けられている。
【0036】
このために補償ユニット30aは少なくとも1つの補償エレメント34aを含んでいる。この場合、補償ユニット30aは、正確に1つの補償エレメント34aを有している。補償エレメント34aはさらに、ばねエレメントとして、特に引っ張りばねおよび/または圧縮ばねとして形成されている。補償エレメント34aは、第2の差込エレメント26aに接触している。補償エレメント34aは、第2の差込エレメント26aに取り付けられている。補償エレメント34aは、さらに支持本体72aに接触している。補償エレメント34aは、この場合、支持本体72aに取り付けられている。したがってこの場合、補償エレメント34aは第2の差込エレメント26aと支持本体72aとの間に配置されている。この場合、補償エレメント34aは、電気的な導体エレメント32aを少なくとも大部分、好適には完全に取り囲んでいる。この実施例では、補償エレメント34aはさらに、第2の差込エレメント26aおよび支持本体72aとは分離されてかつ/または別個に形成されている。しかしながら別の実施例によれば、補償エレメント34aは代替的に、第2の差込エレメント26aおよび/または支持本体72aと一体に形成されていてもよい。さらに、補償ユニットは、複数の補償エレメントおよび/またはばねエレメントとは異なる少なくとも1つの補償エレメントを含んでいてもよい。
【0037】
コネクタユニット22aの組付過程で、差込エレメント26a,68aの互いに対する正しい方向付けを保証するために、ステアリング装置はさらに、組付過程でステアリングギヤケーシング10aに対して相対的なコネクタユニット22aの定められた向きを規定する位置決めユニット40aを有することができる。位置決めユニット40aは例えばこの場合、少なくとも1つの形状エレメントを、例えば隆起部および/または凹部、および/または例えばピクトグラムの形態の少なくとも1つの組付マークを、含んでいてもよい。しかしながら代替的に、このような位置決めユニットを省くことも考えられる。
【0038】
さらにステアリング装置は、コネクタユニット22aの組付過程で、ステアリングギヤケーシング10aに対して相対的にコネクタユニット22aをガイドするために少なくとも設けられているガイドユニット42aを含むことができる。しかしながら原則的には、このようなガイドユニットを省くことも考えられる。
【0039】
ガイドユニット42aは、ステアリングギヤケーシング10aに対応して配置されている少なくとも1つの第1のガイドエレメント44a(特に
図4参照)を含んでいる。例えばガイドユニット42aは、この場合、特にステアリングギヤケーシング10aの外面38aに、特にステアリングギヤケーシング10aのコンタクト凹部20aの領域で配置されている2つの第1のガイドエレメント44aを含む。第1のガイドエレメント44aは位置決めユニット40aに一体に形成されている。この場合、第1のガイドエレメント44aは、それぞれガイド凹部および/またはガイド溝として形成されていて、コネクタユニット22aの組付方向36aで直線的な延在を有している。第1のガイドエレメント44aはこの場合、組付過程で、コネクタユニット22aをステアリングギヤケーシング10aに対して相対的に、特に直線運動でガイドするように設けられている。組付過程でコネクタユニット22aをガイドするために、第1のガイドエレメント44aは、コネクタユニット22aの、特に支持体ユニット28aの、別の第1のガイドエレメント76aと協働するように設けられている。しかしながら代替的には、第1のガイドエレメントは、位置決めユニットとは分離されて形成されていてもよい。さらに、1つだけの第1のガイドエレメントを、または少なくとも3つの第1のガイドエレメントを使用することも考えられる。さらに、第1のガイドエレメントを完全に省くことも考えられる。
【0040】
ガイドユニット42aは、ステアリングセンサユニット14aに対応して配置されている少なくとも1つの第2のガイドエレメント46a(特に
図2参照)をさらに含んでいる。第2のガイドエレメント46aはステアリングセンサユニット14aに配置されている。第2のガイドエレメント46aは第1の差込ユニット66aに配置されている。第2のガイドエレメント46aはこの場合、第1の差込ユニット66aに一体に形成されている。第2のガイドエレメント46aは、漏斗状導入部として形成されていて、コネクタユニット22aの組付方向36aで、第1の差込エレメント68aのすぐ手前に配置されている。第2のガイドエレメント46aは、コネクタユニット22aの組付過程で第2の差込エレメント26aをガイドするように設けられている。代替的には、第2のガイドエレメントは、ステアリングセンサユニットおよび/または第1の差込ユニットとは分離されて形成されていてもよい。さらに、第2のガイドエレメントを完全に省くことも考えられる。
【0041】
さらに、ステアリング装置は、コネクタユニット22aを、特に支持体ユニット28aをステアリングギヤケーシング10aに取り付けるように設けられている取付ユニット77aを有している。このために取付ユニット77aは、コネクタユニット22aに対応して配置された少なくとも1つの第1の取付エレメント78aと、この取付エレメント78aに対応するように形成されている、ステアリングギヤケーシング10aに対応して配置された少なくとも1つの別の取付エレメント79aとを含む。基本的にはこの場合、取付ユニット77aは任意の数の取付エレメント78a,79aを含んでいてもよい。しかしながら好適には、取付ユニット77aは、コネクタユニット22aに対応して配置された少なくとも2つの取付エレメント78aと、ステアリングギヤケーシング10aに対応して配置された少なくとも2つの別の取付エレメント79aとを含む。取付エレメント78a,79aはこの場合、例えば係止エレメントとして形成されている。取付エレメント78a,79aは、コネクタユニット22aを最終組付位置で位置固定するように設けられている。
【0042】
以下に、
図5を参照して、ステアリング装置を組み付ける例示的な方法を説明する。
【0043】
第1の組付ステップ80aで、少なくとも第2の差込ユニット24a、支持体ユニット28a、および補償ユニット30aから、機械的に互いに連結されて予め組み立てられたサブアッセンブリを製作する。
【0044】
さらに第2の組付ステップ82aで、少なくともステアリングセンサユニット14aおよびステアリングシャフト60aから、予め組み立てられたステアリングセンサ構造群を製作する。
【0045】
第3の組付ステップ84aで、予め組み立てられたステアリングセンサ構造群を、ステアリングギヤケーシング10aの組付開口62a内に装着し、このときステアリングシャフト60aを直接、終端位置まで押し込む。
【0046】
第4の組付ステップ86aで、組付開口62aをケーシングカバー16aによって閉鎖する。
【0047】
第5の組付ステップ88aでは、予め組み立てられたサブアッセンブリの形態のコネクタユニット22aを、コンタクト凹部20a内に取り付け、この場合、位置決めユニット40aとガイドユニット42aとによって、ステアリングギヤケーシング10aに対して相対的なコネクタユニット22aの定められた向きが規定され、ステアリングギヤケーシング10aに対して相対的にコネクタユニット22aの直線ガイドが行われ、これによりステアリングセンサユニット14aの直接的な電気的なコンタクトが達成され得る。さらに、第2の差込エレメント26aは、コネクタユニット22aの組付方向36aで、特に補償ユニット30aによって、コネクタユニット22aの組付過程で生じる力が補償されるようにばね的に支持されている。好適にはこの場合、コネクタユニット22aの組付過程で、第2の差込エレメント26aは、補償ユニット30aがコネクタユニット22aの組付方向36aで押しつぶされるように、端部ストッパまで接合される。次いで最終組付位置では、コネクタユニット22aが、取付エレメント78a,79aによってステアリングギヤケーシング10aに固定される。
【0048】
図5に例示したフローチャートは、この場合、特に単なる例として、ステアリング装置を組み付ける方法を説明している。特に、個々の組付ステップおよび/または組付ステップの順序は変更されてもよい。例えば、予め組み立てられたサブアッセンブリおよび/または予め組み立てられたステアリングセンサ構造群が既に購入されている場合には、例えば原則的には第1の組付ステップ80aおよび/または第2の組付ステップ82aを省くこともできる。さらに、第5の組付ステップ88aでは、コネクタユニット22aの直線ガイドではないガイドが行われてもよい。
【0049】
図6および
図7には、本発明の別の実施例が示されている。以下の説明および図面は、実質的に、実施例間の相違点のみに限定され、この場合、同様に示された構成部分に関しては、特に同じ符号を含む構成部分に関しては、基本的に、特に
図1~
図5の、他方の実施例の図面および/または説明を参照することができる。実施例を区別するために、
図1~
図5における実施例の符号の後には文字aが付与されている。
図6および
図7の実施例では、文字aが文字bに置き換えられている。
【0050】
図6および
図7の別の実施例は、前述の実施例とは実質的に、少なくともステアリング装置のコネクタユニット22bの組付方向36bが異なっている。
【0051】
この場合、コネクタユニット22bを組み付ける組付方向36bは、軸方向18bに対して平行に向けられている。コネクタユニット22bはこの場合、ケーシングカバー16bとは別個に形成されていて、組立状態でケーシングカバー16bと、堅固に接続されている。コネクタユニット22bは、組立状態で、特に孔および/または開口部の形態の、ケーシングカバー16bのコンタクト凹部20b内に配置されている。したがって、コネクタユニット22bは少なくとも部分的にステアリングギヤケーシング10bのセンサ収容領域12bの外側に配置されていて、組付過程で、例えば組立工によって、かつ/または機械によって、ケーシングカバー16bに接続することができ、特にこの場合、コネクタユニット22bは、好適には直線運動でコンタクト凹部20b内に取り付けられる。
【0052】
したがって第2の差込ユニット24bの第2の差込エレメント26bは、軸方向18bに対して平行に向けられた組付方向36bで、ステアリングセンサユニット14bの第1の差込ユニット66bの第1の差込エレメント68bに連結可能である。さらに、支持体ユニット28bの支持本体72bは組立状態でケーシングカバー16bに接触しており、コンタクト凹部20bを流体密に閉鎖している。さらに、補償ユニット30bが、第2の差込エレメント26bが、特に軸方向18bに対して平行に向けられた組付方向36bでばね的に支持されるように設けられている。
【0053】
さらに、位置決めユニット40bがケーシングカバー16bに対応して配置されていて、コネクタユニット22bの組付過程で、ケーシングカバー16bに対して相対的なコネクタユニット22bの定められた向きを規定するように設けられている。さらに、ガイドユニット42bの少なくとも第1のガイドエレメント44bが、ケーシングカバー16bに対応して配置されていて、特にケーシングカバー16bのコンタクト凹部20bの領域に配置されている。同じことは、この場合、コネクタユニット22bを、特に支持体ユニット28bをケーシングカバー16bに取り付けるように設けられている取付ユニット(詳しくは図示せず)にも当てはまる。しかしながらそれ以外の点では、位置決めユニット40b、ガイドユニット42b、および取付ユニットは、前述の実施例の位置決めユニット40a、ガイドユニット42a、および取付ユニット77aと実質的に同一である。