(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】電力分配機器及び電力分配システム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20221108BHJP
H02B 1/42 20060101ALI20221108BHJP
H01H 71/08 20060101ALI20221108BHJP
H01H 71/02 20060101ALI20221108BHJP
H01H 71/10 20060101ALI20221108BHJP
【FI】
H02J1/00 304A
H02B1/42
H01H71/08
H01H71/02
H01H71/10
(21)【出願番号】P 2021536041
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2019102723
(87)【国際公開番号】W WO2020125053
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】201822168343.5
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521531171
【氏名又は名称】ファーウェイ デジタル パワー テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ,フゥガオ
(72)【発明者】
【氏名】マー,チュヨン
(72)【発明者】
【氏名】ゥラン,シヤオコーァ
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-087276(JP,A)
【文献】特開2004-147375(JP,A)
【文献】特開2002-315156(JP,A)
【文献】特開2009-231942(JP,A)
【文献】特開2015-177070(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0321067(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0180234(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00 - 1/16
H02J 9/00 -11/00
H01R 13/56 -13/72
H01R 25/00 -31/08
H01H 69/00 -83/22
H02B 1/40 - 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力分配デバイスと電力分配ボックスとを備え、
前記電力分配デバイスを前記電力分配ボックスに挿入し、かつ前記電力分配ボックスから取り外すことができ、
接続ポートが、前記電力分配デバイスの
前端部に配置されており、前記接続ポートは、
前記電力分配ボックスの外面で露出しており、前記電力分配ボックスの外側に配置されている電力ケーブル又はユーザ負荷線を接続するために使用され、
電力接続端子が、前記電力分配デバイスの
後端部に配置されており、前記電力接続端子は、前記電力分配ボックス内部のバスバーに差し込むために使用され、
前記接続ポート及び前記電力接続端子は、前記電力分配デバイス内部で接続されている、電力分配機器。
【請求項2】
電力分配デバイスは、コネクタ、ヒューズ、又はブレーカーである、請求項1に記載の電力分配機器。
【請求項3】
信号端子が、前記電力分配デバイスの
前記後端部にさらに配置されており、
前記信号端子は、前記電力分配ボックス内の信号バーに差し込むために使用され、前記電力分配デバイス内部で、前記接続ポートは、直列に接続された抵抗器とダイオードを介して前記信号端子に接続されている、請求項1又は2に記載の電力分配機器。
【請求項4】
ラッチが、前記電力分配デバイスの一方側に配置されており、
前記ラッチに対応する四角穴が、前記電力分配ボックスの上部カバーに配置されている、請求項1又は2に記載の電力分配機器。
【請求項5】
前記電力分配デバイスは、プルハンドルをさらに備え、
前記プルハンドルは、前記電力分配デバイスの
前記前端部に配置されており、
前記電力分配デバイスがブレーカーである場合、前記プルハンドルの内部機構が前記ブレーカーに接続され、前記プルハンドルが引き出されるときに、前記接続ポートは、前記電力接続端子から切断されるか、又は前記プルハンドルが押し込まれるときに、前記接続ポートは、前記電力接続端子に接続される、請求項2に記載の電力分配機器。
【請求項6】
前記電力分配デバイスがブレーカーであ
り、閉鎖保護ロッドが、前記電力分配デバイスの一方側に配置されており、
前記電力分配デバイスが前記電力分配ボックスに挿入されていないときに、
前記電力分配デバイスの内部機構がロックされ、前記内部機構の内部接点が閉じることができないように、前記閉鎖保護ロッドは自由状態にあるか、又は前記電力分配デバイスが前記電力分配ボックスに挿入されているときに、
前記電力分配デバイスの前記内部機構がロック解除され、前記内部接点が閉じることができるように、前記閉鎖保護ロッドは前記電力分配ボックスの上部カバーによって圧縮されている、請求項2に記載の電力分配機器。
【請求項7】
1つ又は2つの接続ポート及び1つ又は2つの電力接続端子が存在する、請求項1に記載の電力分配機器。
【請求項8】
前記電力分配デバイスは、長帯状である、請求項1に記載の電力分配機器。
【請求項9】
前記電力分配機器は、複数の電力分配デバイスを備え、前記複数の電力分配デバイスは、前記電力分配ボックスに並列に差し込まれ、前記複数の電力分配デバイスの電力接続端子は、共通のバスバーを共用するか、又は前記複数の電力分配デバイスの電力接続端子は、それぞれ、異なるバスバーに対応する、請求項1に記載の電力分配機器。
【請求項10】
前記電力分配デバイスは、1つのラックユニットの空間に設置されている、請求項1又は2に記載の電力分配機器。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の電力分配機器を備え、前記電力分配機器は、少なくとも、第1の電力分配機器と第2の電力分配機器との2つを備え、
前記第1の電力分配機器及び前記第2の電力分配機器が同じ方向に配線されている状態で、前記第1の電力分配機器及び前記第2の電力分配機器は垂直に積み重ねられているか、
前記第1の電力分配機器及び前記第2の電力分配機器が反対方向に配線されている状態で、前記第1の電力分配機器及び前記第2の電力分配機器は垂直に積み重ねられているか、
前記第1の電力分配機器及び前記第2の電力分配機器が同じ方向に配線されている状態で、前記第1の電力分配機器及び前記第2の電力分配機器は水平に互い違いに積み重ねられている、電力分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年12月21日に中国国家知的所有権管理局に出願され、「POWER DISTRIBUTION EQUIPMENT AND POWER DISTRIBUTION SYSTEM」と題する中国特許出願第201822168343.5号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願は、電力供給機器の分野に関し、特に、電力分配機器及び電力分配システムに関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワークやビッグデータの急速な発展に伴い、通信基地局及びデータセンタに要求される電力分配キャビネットはますます複雑になっている。電力分配キャビネット内の電力分配システムは、基地局又はサーバに作動電力を供給するために使用される。例えば、通信基地局における-48V電力供給システムにおける直流電力分配は、一般に、-48Vバスバーに基づいており、ヒューズ又はブレーカーが出力保護デバイスとして直列に接続されているか、又はコネクタが出力として構成され直接接続された保護機能を持たない。
【0004】
保護デバイスは、ヒューズ又はブレーカーを含むことができる。
【0005】
ヒューズとは、電流が規定値を超えるときに回路を遮断するために、ヒューズのワイヤをヒューズ自身の発熱により溶かす電流プロテクタである。ブレーカーとは、電力機器に過負荷、断線、不足電圧などの異常が発生したときに、回路をカットオフするデバイスである。
通信電力分配システムでは、ヒューズ又はブレーカーが、典型的には、出力保護のための電力分配デバイスとして用いられる。追加的に、電力分配システムでは、保護機能を持たないコネクタも、分配出力のためにバスバーを直接接続するための電力分配デバイスとして構成されていることが多い。
【0006】
図1は、ブレーカーを含む電力分配機器の主要図である。
【0007】
図1に示す機器では、銅クランプを介して各出力ブレーカーにバスバーが割り当てられる。ブレーカーの負荷端は、全面のスクリュー接続を介して分配出力を実施する。しかし、この接続構造の電力分配機器は、機器のメンテナンスに支障をきたす。ある1つのブレーカーが故障し、分解及び交換が必要になったときに、ネジを緩め、ブレーカーのガイドレールの締結部を持ち上げ、下部を前方に押して、次いで上方に引く。分解プロセス全体が比較的長い時間を必要とする。専門家ではない人が、ブレーカーの分解及び交換を完了できない。
【0008】
したがって、既存の電力分配機器や既存の電力分配システムでは、電力分配デバイスの分解・交換するための操作が非常に複雑で不便なため、これは、トラブルシューティングの実行効率に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0009】
このような問題を解決するために、本出願は、電力分配デバイスを分解及び交換するための操作を簡略化し、電力分配システムのトラブルシューティングの実行効率を改善するための電力分配機器及び電力分配システムを提供する。
【0010】
第1の態様によれば、本出願の実施形態は、電力分配デバイスと電力分配ボックスとを含み、
電力分配デバイスを電力分配ボックスに挿入し、かつ電力分配ボックスから取り外すことができ、接続ポートが、電力分配デバイスの第1の端部に配置されており、接続ポートは、電力ケーブル又はユーザ負荷線を接続するために使用され、電力接続端子が、電力分配デバイスの第2の端部に配置されており、電力接続端子は、電力分配ボックス内のバスバーに差し込むために使用され、接続ポート及び電力接続端子は、電力分配デバイス内部で接続されている、電力分配機器を提供する。
【0011】
任意選択で、電力分配デバイスは、コネクタ、ヒューズ、又はブレーカーである。
【0012】
電力分配デバイス内の例外を促すために、任意選択で、信号端子が、電力分配デバイスの後端部にさらに配置されており、信号端子は、電力分配ボックス内の信号バーに差し込むために使用され、電力分配デバイス内部で、接続ポートは、直列に接続された抵抗器とダイオードを介して信号端子に接続されている。信号端子は、電力分配ボックス内部に配置された信号バーに差し込まれて、電力分配デバイス内部の接続が切断されたときにアラーム信号を出力し、電力分配デバイス内部の例外を促すようにする。
【0013】
任意選択で、ラッチが、電力分配デバイスの一方側に配置されており、ラッチに対応する四角穴が、電力分配ボックスの上部カバーに配置されている。ラッチは、電力分配デバイスが動作中に電力分配デバイスが引き出されるのを防止することができる。
【0014】
任意選択で、電力分配デバイスは、プルハンドルをさらに含み、プルハンドルは、電力分配デバイスの前端部に配置されている。前記電力分配デバイスがブレーカーであるときに、プルハンドルの内部機構が電力分配デバイスに接続されている。プルハンドルが引き出されるときに、接続ポートは、電力接続端子から切断される。プルハンドルが押し込まれるときに、接続ポートは、電力接続端子に接続される。電力分配機器の電力分配デバイスを分解及び交換するために、電力分配系統全体の電源を切る必要がない。プルハンドルに外力を加える必要があるだけで、電力分配デバイスを電力分配ボックスから取り外すことができる。したがって、本出願で提供される電力分配機器の電力分配デバイスの分解及び交換中において、電力分配システムの動作の継続性に影響しない。
【0015】
電力分配デバイスと電力分配ボックスとの間の接続が有効であるかどうかを判定するために、任意選択で、電力分配デバイスがブレーカーであるときに、閉路保護ロッドが、電力分配デバイスの一方側に配置されている。電力分配デバイスが電力分配ボックスに挿入されていないときに、閉鎖保護ロッドは自由状態にある。電力分配デバイスが電力分配デバイスに挿入されているときに、閉鎖保護ロッドは電力分配ボックスの上部カバーによって圧縮されている。
【0016】
電力分配デバイスが電力分配デバイスに挿入されていないか、あるいは所定の位置に挿入されていないときに、閉鎖保護ロッドは自由状態にある。この場合、電力分配デバイスの内部機構がロックされ、内部接点は閉じることができないため、これは、電力分配デバイスと電力分配ボックスとの間の接続が無効であることを示す。閉鎖保護ロッドは、電力分配デバイスが電力分配ボックスに挿入されているときに、電力分配ボックスの上部カバーにより圧縮される。この場合、電力分配デバイスは所定の位置に挿入される。電力分配デバイスの内部機構がロック解除され、内部接点が閉じて導電性接続ができるため、これは、電力分配デバイスと電力分配ボックスとの間の接続が有効であることを示す。したがって、閉鎖保護ロッドは、電力分配デバイスと電力分配ボックスとの間の接続の有効性を決定するのに役立つことができる。
【0017】
任意選択で、1つ又は2つの接続ポート及び1つ又は2つの電力接続端子が存在する。
【0018】
任意選択で、電力分配デバイスは、長帯状である。
【0019】
任意選択で、電力分配機器は、複数の電力分配デバイスを含み、複数の電力分配デバイスは、電力分配ボックスに並列に差し込まれ、複数の電力分配デバイスの電力接続端子は、共通のバスバーを共用するか、又は複数の電力分配デバイスの電力接続端子は、それぞれ、異なるバスバーに対応する。
【0020】
任意選択で、電力分配デバイスは、1つのラックユニットの空間に設置されている。
【0021】
第2の態様によれば、本出願の実施形態は、第1の態様による電力分配機器を含み、電力分配機器は、少なくとも第1の電力分配機器と第2の電力分配機器との2つを含み、
第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器が同じ方向に配線されている状態で、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器は垂直に積み重ねられているか、
第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器が反対方向に配線されている状態で、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器は垂直に積み重ねられているか、
第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器が同じ方向に配線されている状態で、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器は水平に互い違いに積み重ねられている、電力分配システムを提供する。
【0022】
先行技術と比較して、この出願は少なくとも以下の利点を有する。
【0023】
本出願の電力分配機器は、電力分配デバイスと電力分配ボックスとを含み、電力分配デバイスを電力分配ボックスに挿入し、かつ電力分配ボックスから取り外すことができ、接続ポートが、電力分配デバイスの第1の端部に配置されており、接続ポートは、電力ケーブル又はユーザ負荷線を接続するために使用され、電力接続端子が、電力分配デバイスの第2の端部に配置されており、電力接続端子は、電力分配ボックス内のバスバーに差し込むために使用され、接続ポート及び電力接続端子は、電力分配デバイス内部で接続されている。
【0024】
本出願による電力分配デバイスを使用することにより、電力分配デバイスを分解及び交換する必要があるときに、不良のある電力分配デバイスを引き出して、バスバーから電力分配デバイスの電力接続端子を取り外し、次いで新しい電力分配デバイスを電力分配ボックス内の対応する位置に挿入し、電力分配デバイスの電力接続端子をバスバー差し込み、電力分配デバイスの接続ポートを電力ケーブル又はユーザの負荷線に接続することだけが必要とされる。次いで、分電デバイスの分解及び交換が完了する。本出願による電力分配機器において、電力分配デバイスを電力分配ボックスに挿入し、かつ取り外すことができる設計により、操作を簡略化し、利便性を改善することが分かる。専門家ではない人でも操作を完了することができる。電力分配デバイスの分解及び交換を比較的短期間で完了することができ、電力分配機器のトラブルシューティングの実行効率を大幅に改善する。追加的に、接続ポートは、電力分配デバイスの第1の端部に配置されており、第1の端部は、ユーザに面する電力分配デバイスの前端部であってもよく、接続ポートがユーザに見えるようにする。その結果、電力分配機器のメンテナンスの操作利便性がさらに改善する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本出願の実施形態又は先行技術における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施形態又は先行技術を説明するための添付図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明の添付図面は、本出願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、当業者は、創造的努力を要することなく、これら添付図面から他の図面を導出することができる。
【0026】
【
図1】ブレーカーを含む電力分配機器の主要図である。
【
図2】本出願による電力分配機器の概略構造図である。
【
図3】本出願による電力分配デバイスの概略構造図である。
【
図4】本出願による電力分配機器の概略組立図である。
【
図5】本出願による電力分配デバイスの内部電気接続の概略図である。
【
図6】本出願による電力分配機器の概略組立図である。
【
図7】本出願による並列接続における電力分配デバイスの内部電気接続の概略図である。
【
図9】本出願による電力分配デバイスの別の内部電気接続の概略図である。
【
図10】本出願による並列接続された電力分配デバイスの別の内部電気接続の概略図である。
【
図11】本出願による電力分配システムの配線方式の概略図である。
【
図12】本出願による電力分配システムの別の配線方式の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
前述の説明に基づくと、既存の電力分配機器の電力分配デバイスに不良があり、分解及び交換が必要とされるときに、操作が非常に不便である。長時間かかり、作業員の専門的能力に対する要件が比較的高く、システムトラブルシューティングの実行効率に影響を与えている。
【0028】
この問題を解決するために、本出願は、電力分配機器及び関連する電力分配システムを提供する。電力分配機器は、電力分配デバイスと電力分配ボックスとを含み、電力分配デバイスを電力分配ボックスに挿入し、かつ電力分配ボックスから取り外すことができ、接続ポートが、電力分配デバイスの第1の端部に配置されており、接続ポートは、電力ケーブル又はユーザ負荷線を接続するために使用され、電力接続端子が、電力分配デバイスの第2の端部に配置されており、電力接続端子は、電力分配ボックス内のバスバーに差し込むために使用され、接続ポート及び電力接続端子は、電力分配デバイス内部で接続されている。
【0029】
本出願による電力分配機器を使用することにより、電力分配デバイスを分解及び交換する必要があるときに、不良のある電力分配デバイスを引き出して、バスバーからその電力接続端子を取り外し、次いで新しい電力分配デバイスを電力分配ボックス内の対応する位置に挿入し、その電力接続端子をバスバーに差し込み、その接続ポートを電力ケーブル又はユーザの負荷線に接続することだけが必要とされる。電力分配デバイスの分解及び交換が完了する。本出願による電力分配機器において、電力分配デバイスを電力分配ボックスに挿入し、かつ取り外すことができる設計により、操作を簡略化し、利便性を改善することが分かる。専門家ではない人でも操作を完了することができる。電力分配デバイスの分解及び交換を比較的短期間で完了することができ、電力分配機器のトラブルシューティングの実行効率を大幅に改善する。
【0030】
当業者に本出願の技術的解決策をより良く理解させるために、本出願の実施形態における技術的解決策を、本出願の実施形態における添付図面を参照して、以下に明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本出願の実施形態のすべてではなく、単にいくつかの実施形態である。創造的努力なしに、本出願の実施態様に基づいて当業者が取得する他の実施態様はすべて、本出願の保護範囲に含まれるものとする。
【0031】
図2は、本出願の一実施形態による電力分配機器の概略構造図である。
図3は、本出願の一実施形態による電力分配デバイスの概略構造図である。
図4は、本出願の一実施形態による電力分配機器の概略組立図である。
【0032】
図2から
図4を参照すると、本出願の一実施形態による電力分配機器は、
電力分配ボックス1と電力分配デバイス2とを含み、電力分配デバイス2を電力分配ボックス1に挿入し、かつ電力分配ボックス1から取り外すことができる。
図2は、電力分配デバイス2が電力分配ボックス1に挿入される接続状態を示す。
【0033】
本出願のこの実施形態における電力分配デバイスは、フロントアクセスケーブル付きプラグイン型電気コネクタ、フロントアクセスケーブル付きプラグイン型ブレーカー、又はフロントアクセスケーブル付きプラグイン型ヒューズとすることができる。電力分配デバイスは、長帯状とすることができる。電力分配デバイスの一端部は第1の端部と呼ばれ、他端部は第2の端部と呼ばれる。以下、第1の端部がユーザに面する電力分配デバイスの前端部であり、第2の端部がユーザから離れる方向に面する電力分配デバイスの後端部である例を用いて、電力分配デバイス及び電力分配機器を説明する。
【0034】
接続ポート24が、電力分配デバイス2の前端部に配置されており、接続ポート24は、電力ケーブル又はユーザ負荷線3を接続するために使用される。
【0035】
電力接続端子21が、電力分配デバイス2の後端部に配置されている。電力接続端子21は、電力分配ボックス1内部のバスバーに差し込むために使用される。
【0036】
接続ポート24と電力接続端子21とは、電力分配デバイス2内部で接続される。
【0037】
接続ポートと電力接続端子は、電力分配デバイス内部で接続されるため、接続ポート数は、電力接続端子数と同じである。以下、電力分配デバイス2が、2つの接続ポート及び2つの電力接続端子を有する実施態様を詳細に説明する。
【0038】
電力分配デバイス2は、接続ポート24及び接続ポート25と、電力接続端子21及び電力接続端子22とを有する。電力分配デバイス内部では、接続ポート24は、電力接続端子21に接続されており、接続ポート25は、電力接続端子22に接続されている。
【0039】
電力分配デバイス内部の例外を促すために、可能な実施態様では、信号端子23が、本出願による電力分配デバイスの後端部にさらに配置される。信号端子23は、電力分配ボックス1内部の信号バーに差し込むために使用される。
【0040】
ラッチ27は、電力分配デバイス2の一方側に配置されている。プルハンドル26が、電力分配デバイス2の前端部に配置されている。閉鎖保護ロッド28が、電力分配デバイス2の一方側に配置されている。
【0041】
この実施形態では、バスバー及び信号バーは各々導電性材料で作製されてよいことに留意されたい。例えば、バスバーは銅製のバスバーであってよく、信号バーは銅製の信号バーであってよい。この実施形態では、バスバー及び信号バーの特定の材料は限定されない。
【0042】
本出願による電力分配機器を使用することにより、電力分配デバイスを分解及び交換する必要があるときに、不良のある電力分配デバイスを引き出して、バスバーからその電力接続端子を取り外し、次いで新しい電力分配デバイスを電力分配ボックス内の対応する位置に挿入し、その電力接続端子をバスバーに差し込み、その接続ポートを電力ケーブル又はユーザの負荷線に接続することだけが必要とされる。電力分配デバイスの分解及び交換が完了する。本出願による電力分配機器において、電力分配デバイスを電力分配ボックスに挿入し、かつ取り外すことができる設計により、操作を簡略化し、利便性を改善することが分かる。専門家ではない人でも操作を完了することができる。電力分配デバイスの分解及び交換を比較的短期間で完了することができ、電力分配機器のトラブルシューティングの実行効率が大幅に改善する。追加的に、接続ポートは、電力分配デバイスの第1端部(例えば、ユーザに対向する電力分配デバイスのフロントエンド)に配置されており、接続ポートをユーザに見えるようにする。その結果、電力分配機器のメンテナンスの操作利便性がさらに改善する。
【0043】
実際の用途では、電力分配システムの必要性に基づいて、本実施形態による電力分配デバイスに1つ以上の接続ポートが存在してもよいことが理解され得る。直流電力分配システムの場合、電力分配デバイスが1つの接続ポートのみを有するときに、接続ポートは、DC+又はDC-に接続するために使用され得る。電力分配デバイスが2つの接続ポートを有するときに、2つの接続ポートは、それぞれ、DC+及びDC-に接続するために使用される。交流電力分配システムの場合、電力分配デバイスが1つの接続ポートのみを有するときに、接続ポートは、L又はNに接続するために使用され得る。電力分配デバイスが2つの接続ポートを有するときに、2つの接続ポートは、それぞれL及びNに接続するために使用され得る。1つの接続ポートのみを有する電力分配デバイスの場合、接続ポートの極性はシステムによって定義されると留意されたい。システムバスバーが負電圧の場合、接続ポートは、直流電源のDC-又は交流電源のN極に接続されている。システムバスバーが正電圧の場合、接続ポートは、直流電源のDC+又は交流電源のL極に接続されている。
【0044】
いくつかの既存の技術的解決策では、電力分配システムの正極及び負極が同じデバイスに接続されない。例えば、
図1に示すような熱磁気ブレーカーを含む電力分配機器では、ブレーカー自体は、正又は負であり得る1つの出力接続位置のみを提供することができる。他の極性に対する接続要件を満たすために、追加の電力分配デバイスが必要とされる。追加的に、ブレーカーのためのフロントアクセスケーブルを実施するために、追加の端子がフロントパネルにおいて必要とされ、これはフロントパネル内のスペースを占有し、構造的な複雑さ及びコストを増加させる。本出願のこの実施形態による電力分配デバイスでは、2つの接続ポート24及び25が前端部に配置されており、接続を便利にし、2つの極性に対する接続要件を満たす。追加的に、接続ポート24及び25は、電力分配デバイスの前端部に配置されており、これは、フロントパネルに追加の端子を必要としないため、フロントパネル内のスペースが節約され、機器の構造的複雑性が低下する。
【0045】
理解を容易にするために、以下、
図4を参照して、電力分配機器の組立関係を説明する。
【0046】
図4に示すように、バスバー11及びバスバー12は、電力分配ボックス内に並列に配置されている。実際の動作では、電力分配デバイス2が電力分配ボックスに挿入される。電力分配デバイス2の電力接続端子21及び電力接続端子22は、それぞれ、バスバー11及びバスバー12に係合されている。電力分配デバイス内部の弾性接触ピース21は、バスバー11の上面及び底面に弾性的に差し込まれ、電力分配デバイス内部のバネ接触ピース22は、バスバー12の上面及び底面に弾性的に差し込まれる。このようにして、電力分配デバイス2と電力分配ボックスとの間に安定した電気的接続が形成される。実際の用途では、電流は、電力分配デバイスからバスバーに流れるか、又はバスバーから電力分配デバイスに流れることができる。
【0047】
信号バー13は、電力分配ボックス内部にさらに配置されている。電力分配デバイス2の信号端子23は、電力分配ボックス内部に配置された信号バー13に差し込まれて、電力分配ボックス内部の接続が切断されたときにアラーム信号を出力する。
【0048】
L字型のガイドピース151が、電力分配ボックスの底部カバー15上に配置されている。ガイドピース151は、電力分配デバイス2が電力分配ボックス内に挿入されるとき、又は電力分配ボックスから引き出されるときに、電力分配デバイス2の挿入方向又は引き出し方向を案内するために使用される。
【0049】
電力分配デバイスは、
図3及び
図4に示すように長帯状とすることができ、確かに別の形状とすることができると理解することができる。本出願の本実施形態では、電力分配機器における電力分配デバイスの特定の形状は限定されない。
【0050】
本実施形態では、電力分配デバイスは、回路保護機能を備えて構成されていない電力分配デバイスであってもよく、単にコネクタ等の接続機能を備えたデバイスとして使用されるにすぎないと理解されよう。確かに、電力分配デバイスは、ブレーカー又はヒューズなどの回路保護機能を備えて構成されている電力分配デバイスであってもよい。理解を容易にするために、以下、回路保護機能を備えた電力分配デバイスの実施態様を提供する。
【0051】
電力分配デバイスがブレーカー又はヒューズであるときに、電力分配デバイスは、過負荷及び短絡に対する回路保護機能を実施することができる。
【0052】
この実施形態は、さらに、電力分配デバイス内部の接続ポートと信号端子との間の電気的接続関係の実施態様を提供する。具体的には、
図5は、本出願による電力分配デバイスの内部電気接続の概略図である。
図5に、電力分配デバイス2内部の接続ポート24と電力接続端子21及び信号端子23との接続関係、及び電力分配デバイス2内部の接続ポート25と電力接続端子22との接続関係を視覚的に示す。
図5に示すように、電力分配デバイス内部では、接続ポート24は、直列接続された抵抗器及びダイオードを介して信号端子23に接続されている。
【0053】
図1に示す電力分配機器の場合、ブレーカーとバスバー及び負荷端部との接続方式により、ブレーカーに不良があり、保守作業員が分解及び交換する必要があるときに、工具や構造物が活電部に短絡しやすくなり、身の安全が脅かされる。したがって、電力分配機器の既存の構造では、システム動作中に安全な交換を実施することができない。ブレーカーに不良があり、分解及び交換が必要なときに、その都度、電力分配システム全体の電源をオフにする必要があり、これは、電力分配システムの継続的な作業に支障をきたす。
【0054】
この問題をさらに解決するために、本出願による電力分配機器は、電力分配系統の電源をオフにせずに、電力分配デバイスの安全な分解及び交換を実施することができる。以下、
図6を参照して、電力分配デバイスの実施態様を説明する。
【0055】
図6は、本出願の一実施形態による電力分配機器の概略組立図である。
【0056】
プルハンドル26が、電力分配デバイス2の前端部に配置されている。プルハンドル26の内部機構は、電力分配デバイスに接続することができる。電力分配デバイス2がブレーカー又はヒューズである場合、プルハンドル26が引き出されるときに、接続ポートが電力接続端子から切断され、プルハンドル26が押し込まれるときに、接続ポートが電力接続端子に接続される。
【0057】
本出願のこの実施形態では、1つ以上の四角穴141が、電力分配ボックスの上部カバー14に配置され得る。各電力分配デバイス上のラッチ27は、電力分配ボックスの上部カバー14内の四角穴に対応することができる。電力分配ボックスの上部カバー14内の四角穴141の数は、電力分配ボックスによって収容される電力分配デバイス上のラッチ27の数以上であってもよいことが理解され得る。
【0058】
実際の用途では、電力分配デバイス2内部の接点が切断される前に、ラッチ27は四角穴141に嵌まり、上部カバー14によって圧縮することができない。これにより、電力分配デバイスが動作中に、電力分配デバイス2引き出されることが防止される。ラッチ27は、電力分配デバイス2のプルハンドル26が外力で引っ張られ、電力分配デバイス2内部の接点が切断されたときにのみ、下方に圧縮されて四角穴141から取り外すことができる。電力分配デバイス2は、電力分配ボックスから完全に引き出すことができる。
【0059】
本出願による電力分配機器は、電力分配ボックスの上部カバーにあり、プルハンドル26、ラッチ27、及び電力分配ボックスの上部カバーにあり、ラッチ27と嵌合する四角穴141を用いて、電力分配デバイスの安全な引き出しを実施することが分かる。本出願では、電力分配機器の電力分配デバイスを分解及び交換するために、電力分配システム全体の電源をオフにする必要がない。プルハンドル26に外力を加える必要があるだけで、電力分配デバイス2を電力分配ボックスから取り外すことができる。したがって、本出願で提供される電力分配機器の電力分配デバイスの分解及び交換中において、電力分配システムの動作の継続性に影響しない。
【0060】
この実施形態におけるラッチ27は、
図6に示される形状であってもよいし、又は別の形状であってもよいことが理解され得る。これに対応して、電力分配ボックスの上部カバー14にあり、ラッチ27に適合する穴141は、正方形を除いて、別の穴形状とすることができる。
【0061】
本出願の電力分配機器では、電力分配デバイスは、プラグイン式で電力分配ボックスに接続される。電力分配機器は、電力分配ボックスに有効に電力分配デバイスを挿入した場合にのみ、通常の使用に供することができる。したがって、電力分配デバイスと電力分配ボックスとの接続の有効性をどのように判断するかは、電力分配機器の適用時に明らかにする必要があるポイントである。
【0062】
電力分配デバイス2と電力分配ボックスとの接続が有効であるかどうかを判定するために、本出願による電力分配機器では、電力分配デバイス2の一方側に閉鎖保護ロッド28が配置されている。
【0063】
以下、電力分配デバイス2がブレーカーである場合の説明を示す。閉鎖保護ロッド28は、電力分配デバイス2(ブレーカー)が電力分配ボックスに挿入されていないか、又は所定の位置に挿入されていない場合に、自由状態にある。この場合、電力分配デバイス2の内部機構がロックされ、内部接点は閉じることができず、これは、電力分配デバイス2と電力分配ボックスとの接続が無効であることが分かる。電力分配デバイス2が電力分配ボックスに挿入されるときに、閉鎖保護ロッド28は、電力分配ボックスの上部カバー14によって圧縮される。この場合、電力分配デバイスが所定の位置に挿入される。電力分配デバイス2の内部メカニズムは、ロック解除され、内部接点が閉じて導電的に接続されることが可能であり、電力分配デバイス2と電力分配ボックスとの接続が有効であることを示す。
【0064】
本実施形態で提供される電力分配機器は、並列に接続された複数の電力分配デバイスを支持し、電力分配ボックスに差し込まれる。
図4に示すように、複数の電力分配デバイスの電力接続端子は、共通のバスバーを共有する。各電力分配デバイスの電力接続端子21は、共通のバスバー11を共有し、各電力分配デバイスの電力接続端子22は、共通のバスバー12を共有する。実際の適用では、本実施形態で提供される電力分配機器において、複数の電力分配デバイスの電力接続端子21は、異なるバスバー11に代替的にプラグ接続されてもよく、複数の電力分配デバイスの電力接続端子22は、異なるバスバー12に代替的にプラグ接続されてもよいことが理解され得る。例えば、電力分配デバイスK1~K3の電力接続端子21は、1つのバスバー11に差し込まれ、電力分配デバイスK4~K6の電力接続端子21は、別のバスバー11に差し込まれる。電力分配デバイスK1~K3の電力接続端子22は、1つのバスバー12に差し込まれ、電力分配デバイスK4~K6の電力接続端子22は、別のバスバー12に差し込まれる。この実施形態では、バスバー11及びバスバー12の特定の数には限定されない。
【0065】
確かに、信号端子23が電力分配デバイス上に配置されている場合、電力分配デバイスの信号端子は、電力分配ボックス内部の信号バー13にあわせて差し込むことができる。
【0066】
電力分配機器の既存の技術的解決策は、一般に、電力分配デバイスの数の柔軟な増加をサポートしない。納入時にブレーカー及び電力分配デバイスが満杯の数で構成されている場合、電力分配機器は、すべての用途シナリオにおいて電力分配デバイスの完全な使用を保証することができないことは確かであり、その結果、ブレーカー及び電力分配デバイスの構成の無駄が生じる。しかしながら、ブレーカー又は電力分配デバイスが構成されていない場合、拡張インストールのために、まず電源ボックスを取り外す必要がある。本実施形態で提供される技術的解決策では、電力分配機器の電力分配ボックス及び電力分配デバイスは、プラグ接続可能である。追加的に、複数の電力分配デバイスを電力分配ボックスに並列にプラグ接続することができる。したがって、電力分配機器は、電力分配デバイスの数の柔軟な増減をサポートし、固定構成に起因するリソースの浪費を回避することができる。
【0067】
各電力分配デバイスの内部電気接続が
図5に示される場合、並列接続された各電力分配デバイスの内部電気接続を
図7に示すことができる。全ての電力分配デバイスの信号端子23は、共通の信号バー13にプラグ接続される。各電力分配デバイスの接続ポート24と信号端子23との間には、直列に接続された抵抗器とダイオードとが配置されている。追加的に、電力分配デバイス内部のダイオードは同じ方向に接続されている。並列に接続された任意の電力分配デバイスに不良があると、信号バー13の電圧が変化することがある。したがって、不良警報は、信号バー13の電圧を監視することによって実施することができる。
【0068】
回路閉鎖警報原理の理解を容易にするために、以下、
図8に示す回路閉鎖警報の概略図を参照した例を用いて説明を提供する。
【0069】
図8は、本出願の一実施形態による回路閉鎖警報の概略図である。
【0070】
図8において、一番上の電力分配デバイスが内部的に切断されると、電力分配デバイスのダイオードL1の左側の電圧は0Vとなり、残りの電力分配デバイスのダイオードL2及びL3の左側の電圧は-53Vで正常なままである。したがって、一番上のダイオードL1がオンになり、信号バー13の電圧が0Vに近づく。この場合、信号バー13の電圧を監視することによって電圧例外を識別することができ、さらに、信号バーに接続された複数の電力分配デバイスに不良のある電力分配デバイスが存在すると判定することができる。
【0071】
可能な実施態様では、電力分配デバイスのハウジングに光孔が配置されてもよい。電力分配デバイス内部のダイオードが発光ダイオードであり、発光ダイオードがオンになっているときに、発光ダイオードが発する光は、作業員が光孔を通して作業員に促すことができる。発光ダイオードがオンであり光を発することは、発光ダイオードが属する電力分配デバイス内部の電力接続端子から接続ポートが切断されていることを示す。作業員は、光孔の照度に基づいて不良のある電力分配デバイスを識別し、不良のある電力分配デバイスを電力分配ボックスから引き出すことができる。
【0072】
図5に示すように、接続ポート24と信号端子23との間に直列に接続された抵抗器及びダイオードは、ともに必要なデバイスではなく、任意選択のデバイスであることが理解され得る。接続ポート24と信号端子23とを直接接続してもよい。
図9は、本出願による電力分配デバイスの別の内部電気接続の概略図である。
図9に示すように、電力分配デバイスの内部電気接続がすべて示されている場合、並列に接続された電力分配デバイスの内部電気接続を
図10に示すことができる。前述の実施形態と同様に、本実施形態では、並列に接続された複数の電力分配デバイスの信号端子23は、それぞれ、独立した信号端子ST1、ST2、及びST3に差し込まれる。いずれかの信号端子で電圧が発生したときに、その信号端子に対応した電力分配デバイスにおいて回路例外が発生したことを示す。
【0073】
サーバやネットワークスイッチなどの機器室内の機器を測定するためにエレクトロニック・インダストリー・アライアンスが使用するデバイスをラックユニットと呼ぶ。1つのラックユニットを「1U」と呼び、1Uの高さは44.45mmである。電力分配機器のためのいくつかの既存の技術的解決策では、電力分配機器が高さにおいて比較的大きな空間を占有し、通常44.45mmを超えるため、1U空間内の高密度要件を満たすことができない。しかしながら、電力分配デバイスと電力分配ボックスとの間にプラグ接続可能な接続を設計することにより、本出願による電力分配機器は、高さにおける空間を効果的に節約し、さらに1U空間内の高密度分配を実施することができる。
【0074】
したがって、前述の実施形態で提供される電力分配機器に基づいて、本出願が電力分配システムをさらに提供する。電力分配システムは、前述の実施形態による少なくとも2つの電力分配機器を含む。
【0075】
電力分配システムの電力分配機器を使用することにより、電力分配デバイスを分解及び交換する必要があるときに、不良のある電力分配デバイスを引き出して、バスバーからその電力接続端子を取り外し、次いで新しい電力分配デバイスを電力分配ボックス内の対応する位置に挿入し、その電力接続端子をバスバーに差し込み、その接続ポートを電力ケーブル又はユーザの負荷線に接続することだけが必要とされる。電力分配デバイスの分解及び交換が完了する。本出願による電力分配システムにおいて、電力分配デバイスを電力分配ボックスに挿入し、かつ取り外すことができる設計により、操作を簡略化し、利便性を改善することが分かる。専門家ではない人でも操作を完了することができる。電力分配デバイスの分解及び交換は比較的短期間で完了するため、電力分配機器のトラブルシューティングの実行効率が大幅に改善する。追加的に、接続ポートは、電力分配デバイスの第1の端部に配置されており、第1の端部は、ユーザに面する電力分配デバイスの前端部であってもよく、接続ポートがユーザに見えるようにする。その結果、電力分配機器のメンテナンスの操作利便性がさらに改善する。
【0076】
追加的に、プルハンドル及びラッチが電力分配機器の電力分配デバイスに配置されており、ラッチに対応する四角穴が電力分配ボックスに配置される場合、電力分配システムの電力分配デバイスを安全に引き出すことができる。したがって、本出願では、電力分配機器の電力分配デバイスを分解及び交換するために、電力分配システム全体の電源をオフにする必要がない。プルハンドルに外力を加えることだけが必要とされ、電力分配デバイスを電力分配ボックスから取り外すことができる。その結果、本出願で提供されるシステムの電力分配デバイスの分解及び交換中に、電力分配システムの動作継続性には影響しない。
【0077】
実際の用途では、本出願による電力分配システムにおける電力分配機器は、複数の配線方式を用いてもよい。以下、添付図面を参照して、本出願によるいくつかの例示の配線方式を説明する。配線ワイヤは、特に、電力分配機器の第1の端部における電力ケーブル又はユーザ負荷線3を指すことに留意されたい(
図2参照)。
【0078】
以下の例では、電力分配システムは、少なくとも2つの電力分配機器を含む。具体的には、例えば、電力分配システムは、2つの電力分配機器(第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器)を含む。
【0079】
第1の配線方式の例:
【0080】
本例では、電力分配系統の第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器を垂直に積み重ね、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器は、同じ方向に配線されている。
【0081】
例えば、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器は、両方とも、上方に配線されるか、下方に配線される。
【0082】
第2の配線方式の例:
【0083】
本例では、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器を垂直に積み重ね、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器は、反対方向に配線されている。
【0084】
図11は、本出願に係る電力分配システムの配線方式の概略図である。
【0085】
図11に示すように、システムは、第1の電力分配機器111及び第2の電力分配機器112の2つの電力分配機器を含む。第1の電力分配機器111及び第2の電力分配機器112を垂直に積み重ね、第1の電力分配機器111は、第2の電力分配機器112の上方に配置されている。第1の電力分配機器111の電力ケーブル又はユーザ負荷線は下方に配線され、第2の電力分配機器112の電力ケーブル又はユーザ負荷線は上方に配線されている。
【0086】
第3の配線方式の例:
【0087】
この例では、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器を水平に互い違いに積み重ね、第1の電力分配機器及び第2の電力分配機器は、同じ方向に配線されている。
【0088】
図12は、本出願による電力分配システムの別の配線方式の概略図である。
【0089】
図12に示すように、システムは、第1の電力分配機器121及び第2の電力分配機器122の2つの電力分配機器を含む。第1の電力分配機器121及び第2の電力分配機器122を水平に互い違いに積み重ね、第1の電力分配機器121及び第2の電力分配機器122は、両方とも上方に配線されている。
【0090】
図12に示す2つの電力分配機器は、それらの互い違いの位置を変えることによって両方とも下方に配線することができることと理解されよう。
【0091】
確かに、前述の3つの方式は、単に配線方式の例に過ぎない。実際の用途では、別の配線方式が空間に基づいて選択されてもよい。電力分配システムにおける電力分配機器の配線方式は、特に本出願では限定されない。
【0092】
本出願において、「少なくとも1つ」は1つ以上を意味し、「複数」は少なくとも2つを意味する。「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクト間の関連関係を説明するために使用され、3つの関係が存在し得ることを示す。例えば、「A及び/又はB」は、次の3つの場合を示すことができる。すなわち、Aのみ存在し、A及びBの両方が存在し、Bのみが存在し、A及びBは単数又は複数とすることができる。文字「/」は、一般に、その文字の前後にある関連付けられたオブジェクト間の「又は」関係を示す。「~のうちの少なくとも1つ」又はそれらの類似の表現は、~の任意の組み合わせを示し、~のうちの1つ以上の任意の組み合わせを含む。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、又は「a、b及びc」を示すことができ、a、b及びcは単数でも複数とすることができる。
【0093】
前述の説明は、本出願の単なる例示の実施形態であるが、本出願を任意の方法で限定することを意図していない。本出願の例示の実施形態は上記に開示されているが、実施形態は本出願を限定することを意図していない。上記に開示された方法及び技術的内容を使用することにより、当業者は、本出願の技術的解決策に複数の可能な変更及び修正を加えるか、又は、本出願の技術的解決策の保護の範囲を逸脱することなく、同等のバリエーションを通じて同等の効果を有する実施形態であるようにその技術的解決策を修正することができる。したがって、本出願の技術的解決策の内容から逸脱することなく、本出願の技術的本質に従って上記実施形態になされた単純な修正、等価な変形、及び修正は、本出願の技術的解決策の保護範囲に含まれるものとする。