(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】水体の床のドリルコアを調達するための水中掘削デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
E21B 25/18 20060101AFI20221108BHJP
【FI】
E21B25/18
(21)【出願番号】P 2021536044
(86)(22)【出願日】2018-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2018086116
(87)【国際公開番号】W WO2020125986
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】502407107
【氏名又は名称】バウアー マシーネン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィーナー ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ワイクスラー レオンハルト
(72)【発明者】
【氏名】グラインドル トビアス
(72)【発明者】
【氏名】フィンケンツェラー ステファン マイケル
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-519130(JP,A)
【文献】特表2016-505097(JP,A)
【文献】特開平02-103439(JP,A)
【文献】実開昭52-004877(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0016621(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0178847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 1/00-49/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水体の床のドリルコアを調達するための水中掘削デバイスであって、前記水中掘削デバイスは、
ベースフレームであって、前記ベースフレームは、水体の中に降下させられるように、および、前記水体の前記床の上に設置されるように設計されている、ベースフレームと、
掘削軸線の周りにドリルストリングを回転可能に駆動するためのドリルドライブであって、前記ドリルストリングは、少なくともチューブ状のドリルストリングエレメントから構成されており、追加的に、ドリルコアを受け入れるための少なくとも1つのコアバレルが、前記ドリルストリングの中に提供されている、ドリルドライブと、
前記ドリルコア
を保持する前記コアバレルを受け入れるための受け入れコンテナと
を備える、水中掘削デバイスにおいて、
前記
コアバレルは、前記ドリルストリングから除去されると、水中で前記ベースフレームの上で受け入れコンテナの中に耐圧様式で封入され得て、
前記受け入れコンテナは、少なくとも1つの受け入れ開口部を備えたチューブ状のベース本体部を有しており、
前記少なくとも1つの受け入れ開口部は、前記
コアバレルを受け入れると、クロージャーキャップ
によって耐圧様式で閉鎖され得る、水中掘削デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の水中掘削デバイスであって、前記受け入れコンテナは、
ドリルストリングエレメントである、水中掘削デバイス。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の水中掘削デバイスであって、
前記水中掘削デバイスは、
保管手段を備え、
前記ドリルコアのための少なくとも1つの閉鎖可能な前記受け入れコンテナのための前記保管手段が、前記掘削軸線から間隔を離して配置されて提供されており、前記受け入れコンテナは、カートリッジ状の様式で設計され、前記
コアバレルを導入するための
前記受け入れ開口部を備えており、
前記
コアバレルを前記受け入れコンテナの中へ導入するように設計された操作手段が配置されており、
前記
水中掘削デバイスは、
前記
コアバレルが
前記受け入れコンテナの中に受け入れられると、前記受け入れコンテナの前記受け入れ開口部を
前記クロージャ―キャップを適用することで閉鎖するように設計されている
閉鎖手段を備える、水中掘削デバイス。
【請求項4】
請求項
3に記載の水中掘削デバイスであって、前記閉鎖手段は、少なくとも1つのロータリードライブを有しており、前記少なくとも1つのロータリードライブは、前記受け入れコンテナに対して、ねじ山を備えた
前記クロージャーキャップを回すように設計されており、この場合に、適切なねじ山が、
前記受け入れ開口部に配置されている、水中掘削デバイス。
【請求項5】
請求項
3に記載の水中掘削デバイスであって、前記コアバレルは、
前記操作手段によって、前記ドリルストリングから引っ張り出され得て、
前記操作手段および前記閉鎖手段は、互いに対して移動可能である、水中掘削デバイス。
【請求項6】
請求項3に記載の水中掘削デバイスであって、前記操作手段は、リフティングケーブルを備えたケーブルウィンチであり、または、少なくとも1つのリフティングシリンダーを有している、水中掘削デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の水中掘削デバイスであって、前記ベースフレームは、マリンアンビリカルによって補給船に接続されている、水中掘削デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の水中掘削デバイスによって、水体の床のドリルコアを調達するための方法であって、
ベースフレームを備えた水中掘削デバイスが、水体の中に降下させられ、水体の床の上に設置され、
少なくとも1つのチューブ状のドリルストリングエレメントから構成されるドリルストリングが、第1の掘削ステップにおいて、ドリルドライブによって、前記水体の前記床の中へドリルアウトされ、ドリルコアは、前記チューブ状のドリルストリングエレメントの中の受容部の中に形成され、前記ドリルストリングエレメントの中のコアバレルの中に受け入れられた状態になっている、方法において、
前記
コアバレルは、前記ドリルストリングから除去され、水中で受け入れコンテナの中に耐圧様式で封入され、
前記受け入れコンテナは、少なくとも1つの受け入れ開口部を備えたチューブ状のベース本体部を有しており、
前記少なくとも1つの受け入れ開口部は、前記
コアバレルを受け入れると、クロージャーキャップ
によって耐圧様式で閉鎖される、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記クロージャーキャップが、
前記受け入れコンテナのねじ山
の上に
ねじ込まれ、前記受け入れコンテナを閉鎖する、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、前記コアバレルは、操作手段によって、ドリルストリングエレメントから引っ張り出され、
前記コアバレルおよび前記受け入れコンテナは、互いに移動させられて軸線方向に整合させられ、
前記コアバレルおよび
前記受け入れコンテナの軸線方向の整合の後に、前記ドリルコアを伴う前記コアバレルが、前記コアバレルおよび
前記受け入れコンテナの相対的な軸線方向の移動によって、前記受け入れコンテナの中へ移動させられる、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、前記受け入れコンテナのための受け入れボアが、前記水体の前記床の中に、前記ベースフレームの下に生成され、
前記コアバレルが、前記受け入れボアの中の前記受け入れコンテナの中へ導入される、方法。
【請求項12】
請求項
8に記載の方法であって、前記受け入れコンテナが、前記掘削軸線の中へ移動させられる、方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法であって、前記コアバレルが、保管場所において、前記受け入れコンテナの中へ移動させられ、そこで前記受け入れコンテナの中へ導入される、方法。
【請求項14】
請求項8に記載の方法であって、温度制御手段が、前記ベース本体部の上に提供されており、前記受け入れコンテナの内部が、前記温度制御手段によって、加熱および/または冷却される、方法。
【請求項15】
水体の床のドリルコアを調達するための水中掘削デバイスであって、前記水中掘削デバイスは、
ベースフレームであって、前記ベースフレームは、水体の中に降下させられるように、および、前記水体の前記床の上に設置されるように設計されている、ベースフレームと、
掘削軸線の周りにドリルストリングを回転可能に駆動するためのドリルドライブであって、前記ドリルストリングは、少なくともチューブ状のドリルストリングエレメントから構成されており、追加的に、ドリルコアを受け入れるための少なくとも1つのコアバレルが、前記ドリルストリングの中に提供されている、ドリルドライブと、
を備える、水中掘削デバイスにおいて、
前記ドリルコアを保持する前記コアバレルが、受け入れコンテナとして使用され、
前記コアバレルは、前記ドリルストリングから除去されると、水中で前記ベースフレームの上で耐圧様式で閉鎖され得て、
前記受け入れコンテナは、少なくとも1つのバレル端部を有しており、
前記少なくとも1つのバレル端部は、クロージャーキャップによって耐圧様式で閉鎖され得る、水中掘削デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる、水体の床のドリルコアを調達するための水中掘削デバイスであって、水中掘削デバイスは、ベースフレームであって、ベースフレームは、水体の中に降下させられ、水体の床の上に設置されるように設計されている、ベースフレームと、掘削軸線の周りにドリルストリングを回転可能に駆動するためのドリルドライブであって、ドリルストリングは、少なくともチューブ状のドリルストリングエレメントから構成されており、追加的に、ドリルコアを受け入れるための少なくとも1つのコアバレルが、ドリルストリングエレメントの中に提供されている、ドリルドライブとを備える、水中掘削デバイスに関する。
【0002】
そのうえ、本発明は、請求項8のプリアンブルによる、水体の床のドリルコアを調達するための方法であって、ベースフレームを備えた水中掘削デバイスが、水体の中に降下させられ、水体の床の上に設置され、少なくとも1つのチューブ状のドリルストリングエレメントから構成されるドリルストリングが、第1の掘削ステップにおいて、ドリルドライブによって、水体の床の中へドリルされ、ドリルコアは、チューブ状のドリルストリングエレメントの中に形成され、ドリルストリングエレメントの中のコアバレルの中に受け入れられた状態になっている、方法に関する。
【背景技術】
【0003】
このタイプの水中掘削デバイスおよび方法は、国際公開第2015/172818A1号によって開示されている。この公知の水中掘削デバイスは、依然として水中にある間に直接的に、掘削デバイスのベースフレームに取り付けられている少なくとも1つのセンサー手段による第1の分析に、調達されたドリルコアをかけるように設計されている。したがって、初期の調査結果は、水中掘削デバイスが依然として水体の底部の上にある間に、ドリルコアを使用して取得され得る。これは、水面下で最大で数千メートルになる可能性がある。したがって、水中掘削デバイスが回収されたときの水体の外側での純粋な分析と比較して、作業時間ならびにリフト動作および降下動作の観点から、節約が行われ得る。取得されるドリルコアは、掘削デバイス上に保管され、掘削デバイスとともにリフトされ得る。
【0004】
さらなる従来の水中掘削デバイスは、たとえば、国際公開第2012/000077A1号または米国特許第7,380,614B1号から公知である。
【0005】
ドリルコアの特定の詳細な分析に関して、多くのケースでは、水体の外側の対応する分析手段にドリルコアを持って来ること、および、ドリルコアを所望の詳細な調査にかけることが、必要であり続けている。調査は、たとえば、鉱物資源の探査に関して興味深い、水体の底部の構造についての知識を可能な限り正確に取得する役割を果たす。
【0006】
水中掘削デバイスのベースフレームの上に保管されているドリルコアを回収するときに、水体の底部からの回収動作の間に、ドリルコアに対する変化が起こる可能性があり、それは、その後の調査および分析の情報価値に悪影響を与える可能性があるということが確立されている。
【0007】
原則的には、閉鎖可能なコアバレルが、たとえばDE102008049795A1から公知である。しかし、クロージャーを加えたこれらは、ドリルストリングの中に位置付けされており、ドリルストリングの中に閉鎖されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、水体の床のドリルコアを調達するための水中掘削デバイスおよび方法を考案することであり、それによって、水体の床についてとりわけ信頼性の高い情報が提供され得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、第1に、請求項1、15の特徴を有する水中掘削デバイスによって実現され、第2に、請求項8の特徴を有する方法によって実現される。本発明の好適な実施形態は、それぞれの従属請求項の中に記載されている。
【0010】
本発明による水中掘削デバイスは、ドリルコアが、ドリルストリングから除去されると、水中でベースフレームの上で受け入れコンテナの中に耐圧様式で封入され得ることを特徴とする。
【0011】
本発明は、とりわけ、水面下数百メートルまたはさらには数千メートルに存在する水体の床からドリルコアを除去するときに、圧力条件の変化に単に起因して、取得されるドリルコアの状態、組成、または構造に対する変化が起こる可能性があるという発見に基づいている。そのようなケースにおいて、これらの変化は、水体の底部の実際の状態および構造についての信頼性の高い情報にかなりの悪影響を与える可能性がある。本発明の1つの発見によれば、これは、とりわけ、ドリルコアが、温度または圧力の変化の場合に比較的容易にその形態を変化させる傾向がある固体、液体、または気体を含有するときに、当てはまる。これは、とりわけ、いわゆるガスハイドレートに当てはまり、とりわけ、メタンハイドレート(メタンアイスとしても知られる)に当てはまり、それは、海底において大量に発生し、可能な将来のエネルギー源として特に関心のあるものである。そのようなメタンハイドレートは、おおよそ2MPaの圧力および2℃から4℃の温度において、水およびメタンガスから形成される。これは、おおよそ500メートル以降の水深から見出される条件におおよそ対応している。したがって、この水深の上方において、メタンハイドレートは、気体としてドリルコアから出現し、揮発する可能性がある。
【0012】
本発明によれば、受け入れコンテナの中にドリルコアを受け入れることによって、および、この受け入れコンテナを耐圧的に閉鎖することによって、ドリルコアを固定することが、水中にあるままで実現される。
【0013】
依然として水体の底部にある間にこのように耐圧様式で封入されるドリルコアは、したがって、後の分析のときに、水体の底部の構造、状態、および組成についてのとりわけ信頼性の高い情報が取得されることを可能にする。ドリルストリングの外側にドリルコアを耐圧的に封入することは、ドリルストリングの中にスペースを生成させ、したがって、大きいドリルコアを取得することを可能にし、それは、地面の性質についてのそれらの情報価値を改善する。
【0014】
原則的には、受け入れコンテナは、ドリルコアを受け入れるために任意の方式で設計され得る。また、受け入れコンテナは、原則的には、複数のドリルコアを受け入れることが可能である。本発明の1つのとりわけ好適な実施形態は、受け入れコンテナが、コアバレルまたはドリルストリングエレメントによって形成されており、コアバレルのバレル端部は、閉鎖手段によって閉鎖され得るということに本質がある。このケースでは、閉鎖手段は、とりわけ、マニピュレーター手段であることが可能であり、クロージャーキャップは、マニピュレーター手段によってバレル端部に適用され、バレル端部は、バレル開口部または受け入れ開口部とも呼ばれ得る。受け入れコンテナの一部としてコアバレルを直接的に使用することは、水中掘削デバイスの全体的にコンパクトな構成を結果として生じさせる。
【0015】
好適な実施形態によれば、ドリルストリングエレメントは、受け入れコンテナとして使用され、両方の端部は、さらなるドリルストリングエレメントへのねじ込み式接続のためのねじ山を提供された状態になっている。存在しているこれらのねじ山は、クロージャーキャップの上にねじ込むために使用され得る。
【0016】
代替的に、本発明の1つの発展例によれば、ドリルコアのための少なくとも1つの閉鎖可能な受け入れコンテナのための保管手段が、掘削軸線から間隔を離して配置されて提供されており、受け入れコンテナは、カートリッジ状の様式で設計され、ドリルコアを導入するための受け入れ開口部を備えており、ドリルコアを受け入れコンテナの中へ導入するように設計された操作手段が配置されており、ドリルコアが受け入れられると、受け入れコンテナの受け入れ開口部を閉鎖するように設計された閉鎖手段が提供されていることが好適である。このケースでは、ドリルコアは、それ自体で、または、好ましくは、ドリルコアがその中に保持されているコアバレルと一緒に、受け入れコンテナの中へ導入され得る。閉鎖手段(それは、とりわけマニピュレーターを含む)によって、カートリッジ状のまたはカップ状の受け入れコンテナの上の個々の受け入れ開口部は、クロージャーキャップを適用することによって、耐圧様式で閉鎖され得る。本発明によるこの構成に関して、従来の、したがって、それに対応して薄壁のコアバレルが、ドリルストリングの中で使用され得る。
【0017】
原則的には、受け入れコンテナは、いかなる任意のクロージャーキャップによっても閉鎖され得る。これらは、とりわけ、押し付け、押し込み、ロッキング、グルーイング、または、別の方式によって(非積極的な様式、積極的な様式、もしくは材料間結合によって)、受け入れコンテナに締結され得る。本発明の1つの変形実施形態によれば、閉鎖手段が、少なくとも1つのロータリードライブを有しており、少なくとも1つのロータリードライブは、受け入れコンテナに対して、ねじ山を備えたクロージャーキャップを回すように設計されており、適切なねじ山が、バレル開口部または受け入れ開口部に配置された状態になっていることが、とりわけ有利である。このケースでは、ロータリードライブは、また、掘削デバイス自体のドリルドライブによって形成され得る。このケースでは、閉鎖手段は、少なくとも受け入れコンテナの上の下側バレル開口部を閉鎖するためのクロージャーキャップを保持するためのマニピュレーターを含むこととなり、一方では、ドリルドライブは、受け入れコンテナを回転させ、ねじ込み式接続を形成する。上側受け入れ開口部の上にクロージャーキャップをねじ込むために、対応するクロージャーキャップが、ドリルドライブの上に保持され得て、受け入れコンテナ自体が、次いで、閉鎖手段の一部としてクランピングユニットによって固定された状態になる。
【0018】
代替的に、スタンドアロンのロータリードライブが、また、マニピュレーターアームの上に提供され得て、それは、クロージャーキャップを把持し、それを接続位置へと移動させ、そこで、回転移動を適用することによって、受け入れコンテナの上の対応するねじ山の上にクロージャーキャップをねじ込む。
【0019】
保管手段は、受け入れコンテナを保持するための単純なクレードル、または、モーター駆動式の保管手段(たとえば、回転可能な回転式マガジン、もしくは、保持エレメントを備えた回転式保管チェーン)であることが可能である。
【0020】
本発明の1つのさらに有利な実施形態は、コアバレルが、操作手段によって、ドリルストリングから引っ張り出され得て、操作手段および閉鎖手段は、互いに対して移動可能であることに本質がある。このケースでは、操作手段は、それがドリルコアを伴うコアバレルをドリルストリングから単に軸線方向上向きに引っ張り出し、コアバレルを掘削軸線の中に保持するように設計され得る。次いで、受け入れコンテナは、ドリルストリングエレメントのための操作手段によって、掘削軸線の中へ移動させられ得る。コアバレルを軸線方向に移動させることによって、コアバレルは、次いで、受け入れコンテナの中へ導入され得る。軸線方向の移動は、受け入れコンテナの受け入れ開口部の位置に応じて、コアバレルの降下または上昇であることが可能である。次いで、受け入れられたドリルコアを伴う受け入れコンテナは、閉鎖手段によって閉鎖され得る。
【0021】
代替的に、操作手段は、ドリルコアを伴うコアバレルの多軸移動を可能にすることができる。したがって、コアバレルは、軸線方向にドリルストリングから引っ張り出されるだけでなく、次いで、掘削方向に対して横断方向に受け入れコンテナへ移動させられ得て、そこで、ドリルコアとともに受け入れコンテナの中へ導入されるようになっている。
本発明によれば、操作手段は、また、複数のグリッパーを備えた複数の移動可能なコンポーネントから構成され得て、線形移動に加えて、枢動も可能な状態になっている。とりわけ、多軸ロボットアームが、操作手段のために使用され得る。
【0022】
本発明による水中掘削デバイスの1つの好適な実施形態は、操作手段が、リフティングケーブルを備えたケーブルウィンチであり、または、少なくとも1つのリフティングシリンダーを有していることに本質がある。リフティングケーブルを備えたケーブルウィンチは、とりわけ、ドリルストリングからコアバレルを引っ張り出すためにも使用され得る。好ましくは、ケーブルウィンチ手段は、基本クレードルの上側にエクステンションを有することが可能であり、エクステンションは、ドリルストリングおよび箱形状のベースフレームからコアバレルを上向きに引っ張り出すことを可能にし、したがって、随意的に、ベースフレームの上方にコアバレルを移動させることも可能にする。代替的にまたは追加的に、好ましくは、油圧式に、空気圧式に、または電気的に動作させられるリフティングシリンダーが、また、このために提供され得る。通常、1つだけのコアバレルが、ドリルストリングの中に位置付けされている。コアバレルがドリルコアによって充填されている場合には、コアバレルが、ドリルストリングが引っ張り出される。次いで、さらなる掘削ステップのために、空のコアバレルが、ドリルストリングの中へ挿入され得る。
【0023】
本発明のさらなる実施形態によれば、ベースフレームが、マリンアンビリカル(marine umbilical)によって補給船に接続されていることが有利である。このケースでは、マリンアンビリカルは、動力(とりわけ、電力または油圧流体)を供給するために提供され得て、また、データ通信のためのデータラインとして提供され得る。そのうえ、マリンアンビリカルは、また、ケーブルとして設計され得て、水中掘削デバイスは、繰り返しになるが、供給機能に加えて、ケーブルによって降下および上昇させられ得る。
【0024】
本発明による方法は、ドリルコアが、ドリルストリングから除去され、水中で受け入れコンテナの中に耐圧様式で封入されることを特徴とする。この方法は、とりわけ、以前に説明された水中掘削デバイスによって実施され得る。このケースでは、以前に説明された利点が取得され得る。
【0025】
少なくとも1つのクロージャーキャップが、受け入れコンテナを閉鎖するために提供されている。このキャップは、耐圧接続を作り出すための任意の接続手段を提供され得る。本発明による方法の好適な変形実施形態によれば、受け入れコンテナを閉鎖するためにねじ山によってねじ込まれることとなる少なくとも1つのクロージャーキャップが提供される。このケースでは、受け入れコンテナは、閉鎖されたベースを備えたチューブ状の本体部として、カートリッジ状の様式で設計され得る。受け入れコンテナの受け入れ開口部には、ねじ込み式接続を形成するための対応するねじ山が配置されている。また、受け入れコンテナは、いずれかの側において開いているチューブ状のドリルストリングエレメントによって形成され得て、対応するねじ山が、それぞれのケースにおいて、2つの対向するドリルバレル端部の上に形成された状態になっており、対応するクロージャーキャップが、次いで、そのねじ山の上にねじ込まれる。受け入れコンテナおよび/またはクロージャーキャップは、圧力リリーフ弁を提供され得て、受け入れコンテナの中の過剰圧力(過剰圧力は、特定の値を超え、水面へのドリルコアの輸送の間に起こる)を放出するようになっており、受け入れコンテナに対する損傷を回避するようになっている。
【0026】
本発明のさらなる方法変形例によれば、コアバレルが、操作手段によって、ドリルストリングから引っ張り出され、コアバレルおよび受け入れコンテナが、互いに移動させられて軸線方向に整合させられ、コアバレルおよび受け入れコンテナの軸線方向の整合が行われると、ドリルコアを伴うコアバレルが、コアバレルおよび受け入れコンテナの相対的な軸線方向の移動によって、受け入れコンテナの中へ移動させられることが好適である。この方法変形例において、受け入れコンテナは、好ましくは、カートリッジ状の様式で設計されており、ドリルコアがコアバレルとともに簡単な様式で導入され得るようになっている。
【0027】
受け入れコンテナのための受け入れボアが、水体の床の中に、ベースフレームの下に生成され、コアバレルが、受け入れボアの中の受け入れコンテナの中へ導入されるという点において、全体的にコンパクトな構造が、本発明による方法のさらなる方法変形例に従って実現され得る。このケースでは、カートリッジ状の受け入れコンテナが、(とりわけ、ドリルストリングが除去されると)すでに存在しているドリル孔部の中へ導入され得る。代替的に、別個の受け入れボアが、水体の床の中に形成され得る。このボアは、ドリルストリングの上に存在しているドリルヘッドによって、または、受け入れコンテナ自体によって生成され得る。このケースに関して、受け入れコンテナは、その下側端部において、掘削手段またはカッティング手段を提供され得て、掘削手段またはカッティング手段は、土壌の除去および/または変位による受け入れボアの形成をサポートする。
【0028】
コアバレルが受け入れコンテナの中へ導入されると、それは、コンテナの閉鎖の前または後に、受け入れボアから再び引っ張り出され、水中掘削デバイスのベースフレームの上に保管され得る。
【0029】
本発明による方法の1つのさらなる好都合な構成は、受け入れコンテナが掘削軸線の中へ移動させられるということに本質がある。この方法によって、とりわけ、ドリルコアを伴うコアバレルが、操作またはリフティングデバイスによって、上側供給位置へ移動させられる。これは、とりわけ、ケーブル手段によって実施され得て、ケーブル手段は、また、コアバレルを上昇および降下させるために提供される。受け入れコンテナがおおよそコアバレルの供給位置の下の掘削軸線の中に位置決めされると、コアバレルが、次いで降下させられ、したがって、受け入れコンテナの中へ導入され得る。
【0030】
掘削軸線の中の受け入れコンテナのこの位置において、クロージャーキャップは、また、好ましくは、ドリルドライブによって、受け入れコンテナの受け入れ開口部の上にねじ込まれ得て、したがって、ドリルコアは、受け入れコンテナの中に耐圧様式で閉鎖され得る。
【0031】
代替的に、1つの方法変形例は、コアバレルが、保管場所において、受け入れコンテナの中へ移動させられ、そこで受け入れコンテナの中へ導入されることに本質がある。この目的のために、ドリルコアを伴うコアバレルは、それが受け入れコンテナの上または下に配置され、受け入れコンテナと軸線方向に整合させられて配置されるまで、操作手段によって、掘削軸線から外へ移動させられる。次いで、コアバレルを軸線方向に移動させることによって、コアバレルは、受け入れコンテナの中へ導入され得る。次いで、受け入れコンテナは、クロージャーキャップを適用することによって、保管場所において直接的に閉鎖され得る。
【0032】
また、本発明は、原則的には、以前に説明されたような、水中掘削デバイスのためのドリルコアを受け入れるための受け入れコンテナ、または、同様に以前に説明されたような、ドリルコアを調達するための方法のための受け入れコンテナを含む。受け入れコンテナは、それが、少なくとも1つの受け入れ開口部を備えたチューブ状のベース本体部を有しており、少なくとも1つの受け入れ開口部は、ドリルコアを受け入れると、クロージャーキャップによって耐圧様式で閉鎖され得ることを特徴とする。そのうえ、受け入れコンテナは、過剰圧力に対抗するために、安全弁を有することが可能である。
【0033】
少なくとも1つのクロージャーキャップは、任意の適切な様式で受け入れ開口部に接続され得る。好ましくは、圧力リリーフ弁は、また、クロージャーキャップの上に提供され得て、閉鎖された受け入れコンテナをリフトするときに、特定の限界圧力を超える任意の過剰圧力(それは、ドリルコアの中のエレメント凝集の状態の変化に起因して潜在的に生じる可能性がある)が回避されるようになっている。
【0034】
本発明による受け入れコンテナの1つの有利な発展例は、温度制御手段が、ベース本体部の上に提供されており、受け入れコンテナの内部が、温度制御手段によって、加熱および/または冷却され得ることに本質がある。結果として、受け入れコンテナの中の温度ひいては圧力が、直接的に影響を受けることが可能である。とりわけ、受け入れコンテナを冷却することによって、たとえば、メタンハイドレートまたはドリルコアからの別の物質の昇華、ひいては、受け入れコンテナの中の圧力上昇が抑制され得る。
【0035】
本発明は、実施形態の好適な例を参照してさらに下記に説明されることとなり、それらは、図面の中に概略的に図示されている。図面は、以下を示している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】第1の方法ステップにおける、本発明による水中掘削デバイスの第1の実施形態を示す図である。
【
図2】第2の方法ステップにおける、
図1の水中掘削デバイスの側面図である。
【
図3】第3の方法ステップにおける、
図1および
図2の水中掘削デバイスの側面図である。
【
図4】第1の方法ステップにおける、本発明による水中掘削デバイスの第2の実施形態の側面図である。
【
図5】第2の方法ステップにおける、
図4の水中掘削デバイスの側面図である。
【
図6】第3の方法ステップにおける、
図4および
図5の水中掘削デバイスの側面図である。
【
図7】第1の方法ステップにおける、本発明による水中掘削デバイスの第3の実施形態の側面図である。
【
図8】第2の方法ステップにおける、
図7の水中掘削デバイスの側面図である。
【
図9】第3の方法ステップにおける、
図7および
図8の水中掘削デバイスの側面図である。
【
図10】第1の方法ステップにおける、本発明による水中掘削デバイスの第4の実施形態の側面図である。
【
図11】第2の方法ステップにおける、
図10の水中掘削デバイスの側面図である。
【
図12】第3の方法ステップにおける、
図10および
図11の水中掘削デバイスの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1から
図3の本発明による水中掘削デバイス10の第1の実施形態において、箱状のベースフレーム12が、概略的に図示されており、ベースフレーム12は、その上側領域において、ドリルストリング30をドリルアウトする(drilling out)ためのドリルドライブ20を有しており、ドリルストリング30は、個々のチューブ状のドリルストリングエレメント32から構成されている。コアバレル34が、最下部ドリルストリングエレメント32の中に存在しており、コアバレル34は、掘削の間に、ドリルコアを受け入れている。コアバレルが引き出されている間に、ドリルコアは、摩擦によって、または、特別なコアキャッチング手段によって、コアバレル34の中に保持されている。ドリルストリング30のドリルアウトは、個々の掘削ステップにおいて行われ、ドリルストリングエレメント32は、原則的には知られている様式で、操作手段60のグリッパーアーム62によって、保管領域14(保管領域14は、図示されている実施形態の例では、回転式カルーセルとして設計されている)から取り出され、ドリルドライブ20に連れて来られる。最下部ドリルストリングエレメントの上には、ドリルヘッドが提供されている。さらなる掘削ステップによってドリルストリング30を沈めるために、ドリルドライブ20は、垂直方向に移動可能な様式で、ベースフレーム12の上に装着されており、駆動される。
【0038】
図1の説明図において、ドリルドライブ20は、ドリルストリング30の掘削軸線21から外れるように枢動させられる。ドリルストリング30の上側ドリルストリングエレメント32は、保持手段16によってベースフレーム12の上に保持されており、保持手段16は、好ましくは、クランピングシリンダーを含む。キャッチング手段66を備えたリフティングケーブルによって、コアバレル34は、ドリルストリングエレメント32の中に捉えられ、また、ドリルストリング30から引っ張り出される。また、コアバレル34は、代替的にまたは補助的に、垂直方向に移動可能で枢動可能なグリッパーアーム62によって、または、リフティングシリンダー68(それは、
図1に概略的にのみ図示されている)によって、上向きに引っ張られ得る。
【0039】
コアバレル34がドリルストリング30から外へ引っ張り出され、
図1に図示されているような上側位置になると、コアバレル34は、ドリルストリング30および上側ドリルストリングエレメント32から分離される。
【0040】
コアバレル34の下側バレル端部35を閉鎖するために、キャップ状のまたはカップ形状のクロージャーキャップ46が、マガジン56からピックアップされ、
図2に明確に図示されているように、閉鎖手段50の下側マニピュレーターアーム52によって、コアバレル34の下の掘削軸線21の中へ枢動させられる。
【0041】
クロージャーキャップ46は、その上側端部において、内部ねじ山を有しており、内部ねじ山は、コアバレル34の下側バレル端部35の上の外部ねじ山に対応している。ドリルドライブ20およびリフティングデバイス68を作動させることによって、コアバレル34は、クロージャーキャップ46のねじ山の中へねじ込まれ得る。これは、下側バレル端部35が耐圧様式で閉鎖されるように行われる。好ましくは、対応するシーリング手段(とりわけ、シーリングリング)が、ねじ込み式接続の上に提供され得る。
【0042】
図3は、クロージャーキャップ46が底部にねじ込まれた状態のコアバレル34を図示している。対応する様式または同様の様式で、コアバレル34の上側バレル端部35は、さらなるクロージャーキャップによって閉鎖され得る。ドリルコアがその中に配置された状態でコアバレル34の2つのバレル端部35が、耐圧様式で閉鎖されると、この構成体は、コアバレル34によって耐圧受け入れコンテナ40を形成する。次いで、この受け入れコンテナ40は、操作手段60によって(とりわけ、グリッパーアーム62によって)、ベースフレーム12の上の保管手段70の中へ持って来られ得る。
【0043】
さらなるドリルストリングエレメント32およびさらなるコアバレル34が存在している場合には、ドリルコアを伴うすべてのコアバレル34が取得されるまで、収集コンテナ40の中にドリルコアを耐圧的に封入するためのこれらの方法ステップが繰り返され得る。ドリルストリング30を分解すると、外側ドリルストリングエレメント32は、同様に、公知の様式でドリル孔部から再び引っ張り出され、ベースフレーム12の上の対応する保管領域14の中へ搬送されて戻され得る。
【0044】
図4から
図6は、本発明による水中掘削デバイス10のさらなる実施形態を図示している。これらの図において、原則的には存在している折り畳み式足部13を備えた水中掘削デバイス10のベースフレーム12が示されており、ベースフレーム12は、その足部によって、水体の床5の上に設置される。
図4から
図6の説明図において、ドリルストリング30のドリルアウトおよび回収はすでに実施されており、回収された個々のドリルストリングエレメント32が、ベースフレーム12の上の保管領域14の中に堆積されており、ドリルコアがその中に配置された状態のコアバレル34が、保管手段70の中に堆積されている(さらには示されていない)。
【0045】
ドリルコアがその中に位置付けされた状態のコアバレル34を耐圧的に封入するために、まず、カートリッジ状の受け入れコンテナ40が、少なくとも1つのグリッパーアーム62を備えた操作手段60によって、保管手段70(それは、また、ドリルストリングエレメント32のための保管領域14であることが可能である)からピックアップされ、
図4に明確に図示されているように、水体の床5の中の受け入れボア7の中へ導入される。受け入れボア7は、このケースでは、とりわけ、ドリルストリング30がそこから引っ張り出されたボアであることが可能である。このケースでは、受け入れボア40は、また、最初に生成されたボアと比較して拡大された直径のものであることが可能である。上部が開いている受け入れコンテナ40は、カートリッジ状の様式で設計されており、円筒形状の、チューブ状のベース本体部41および下側の閉鎖されたベース44を備えている。ベース44の下側には、カッティング手段が提供され得、受け入れコンテナ40は、カッティング手段によって、より容易に水体の床5の中へ導入され得る。円筒形状のベース本体部41は、その上側端部において、コアバレル34を受け入れるための受け入れ開口部42を有している。
【0046】
操作手段60(それは、とりわけ、リフティングケーブル67を含むことが可能である)によって、コアバレル34は、保管手段70から除去され得て、それが掘削軸線の中へ導入されると、
図5に図示されているように、受け入れ開口部42を通して、カップ状の受け入れコンテナ40の中へ導入され得る。
【0047】
図6によれば、クロージャーキャップ46は、ドリルドライブ20の中へ挿入され得て、ドリルドライブ20は、掘削軸線に沿って下向きに受け入れコンテナ40へ移動させられ得る。このケースでは、上側クロージャーキャップ46は、対応する操作手段によって、ベースフレーム12の上のマガジン(さらには図示されていない)から除去され、ドリルドライブ20に供給された可能性がある。上側クロージャーキャップ46の対応するねじ込みによって、受け入れコンテナ40が耐圧様式で閉鎖され、したがって、ドリルコアとともにその中に挿入されたコアバレルが耐圧様式で閉鎖されると、閉鎖された受け入れコンテナ40は、受け入れボア7から再び引っ張り出され、保管手段70の中へ戻され得る。最後に、取得されたドリルコアを伴うすべてのコアバレル34が受け入れコンテナ40の中に耐圧様式で封入されるまで、その動作が繰り返され得る。
【0048】
本発明による水中掘削デバイス10の第3の実施形態が、
図7から
図9に現れている。このケースでは、ベースフレーム12、ドリルドライブ20、および保管手段70を備えた基本的構造は、以前に説明された水中掘削デバイス10の構造にほぼ対応している。以前に説明された実施形態とは異なり、ヨーク状の構造体15が、ベースフレーム12の上側に、掘削軸線の方向に提供されている。水体の床から突き出るドリルストリングは、
図7から
図9にあらためて図示されてはいない。
【0049】
ドリルアウトが終了すると、または、1つのドリルストリングエレメントの長さに対応するそれぞれの掘削前進の後に、ドリルドライブ20は、ベースフレーム12に沿って、対応するリニアガイドの上を上向きに移動させられ、次いで、
図7から推測され得るように、掘削軸線から横方向に間隔を離して配置される。次いで、リフティングケーブル67(それは、ケーブルデフレクション手段によってヨーク状の構造体15の上をガイドされる)は、上部が開いているドリルストリングの端部まで下向きに降下させられる。接続手段によって、第1のコアバレル34は、ピックアップされ、ドリルストリングからヨーク状の構造体15の領域の中へ上向きに引っ張り出され、これは、
図7に図示されている。
【0050】
次いで、空の受け入れコンテナ40が、グリッパーアーム62を備えた操作手段60によって、カルーセル状の保管手段70から除去され得て、
図8に見られ得るように、上向きに引っ張り出されたコアバレル34の下の掘削軸線の領域の中に位置決めされ得る。本ケースでは、操作手段60は、複数のコンポーネントを含み、複数のコンポーネントは、リフティングケーブル67を含み、また、グリッパーアーム62を含む。
【0051】
図8に図示されている受け入れコンテナ40の受け入れ位置に到達すると、上側コアバレル34は、ケーブルウィンチ(図示せず)を介してリフティングケーブル67によって掘削軸線に沿って降下させられ、したがって、上側受け入れ開口部42を通して受け入れコンテナ40(受け入れコンテナ40は、底部において閉鎖されている)の中へ導入される。次いで、
図9に示されているように、リフティングケーブル67が、コアバレル34から取り外され、ヨーク形状の構造体15の上側部分に再び上向きに引っ張り戻される。最後に、次いで、ドリルヘッド20は、供給エレメント(図示せず)を備えたマガジン(同様に図示せず)からクロージャーキャップ46を提供され、掘削軸線の中へ枢動して戻され得る。次いで、ドリルドライブ20は、下向きに移動させられ、クロージャーキャップ46を回すことによって、クロージャーキャップ46は、受け入れコンテナ40の上側受け入れ開口部42の上にねじ込まれ得て、ドリルコアがその中に位置付けされた状態の挿入されたコアバレル34が、受け入れコンテナ40の中に耐圧様式で封入されるようになっている。
【0052】
次いで、閉鎖された受け入れコンテナ40は、グリッパーアーム62によって、保管手段70の中へ戻され得て、その後に、さらなるコアバレル34が、ドリルストリング30の中へ導入され得る。この前またはこの後に、さらなるドリルストリングエレメント32は、既存のドリルストリング30の上に設置され得て、それにねじ込み式接続され得る。新たな掘削の後に、さらなるコアバレル34を閉鎖するためのさらなる方法ステップが実施され得る。
【0053】
本発明の1つのさらなる変形実施形態が、
図10から
図12に現れている。図示されている本発明による水中掘削デバイス10において、同様に、以前に説明された実施形態に関するものと同様の構造体を備えたベースフレーム12が生み出される。ベースフレーム12は、折り畳み式足部13によって、水体の床5の上に設置される。
【0054】
図10に図示されているこの移送位置から、コアバレル34は、操作手段60(操作手段60は、実施形態の例では、2つのグリッパーアーム62を有している)によってピックアップされ、掘削軸線から横方向に離れるように枢動させられ、
図11に図示されているクロージャー位置になる。
【0055】
移動可能なマニピュレーターアームを有する閉鎖手段50によって、受け入れコンテナ40は、保管手段70から上向きにベースフレーム12の上方へ移動させられ、コアバレル34の上方に横方向に移動させられ、クロージャー位置になる。
【0056】
以前に説明された実施形態とは対照的に、受け入れコンテナ40は、反転された位置を有しており、円筒形状のベース本体部41の閉鎖されたベース44が上部にあり、一方では、受け入れ開口部42は、下向きにコアバレル34に向けられている。次いで、閉鎖手段50の把持および変位ユニット58によって、受け入れコンテナ40は、
図12に明確に図示されているように、コアバレル34(それは、受け入れコンテナ40の下に位置付けされている)の上方で下向きに移動させられ得る。下向きの移動の後に、受け入れコンテナ40は、把持および変位ユニット58の上のロータリードライブ52によって、底部に配置されているクロージャーキャップ46の上にねじ込まれ得て、本発明によるコアバレル34は、受け入れコンテナ40の中に耐圧様式で封入された状態になる。最後に、閉鎖された受け入れコンテナ40は、グリッパーアーム62によって、保管手段70の中へ戻され得る。次いで、次の掘削ステップの後に、さらなるコアバレル34を引っ張り、さらなる受け入れコンテナ40を閉鎖するために、その動作が繰り返され得る。