(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】勾配着色を有するIGUの強化された制御
(51)【国際特許分類】
G02F 1/163 20060101AFI20221108BHJP
G02F 1/15 20190101ALI20221108BHJP
【FI】
G02F1/163
G02F1/15 502
(21)【出願番号】P 2021546275
(86)(22)【出願日】2020-02-03
(86)【国際出願番号】 US2020016359
(87)【国際公開番号】W WO2020171932
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-08-06
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504416080
【氏名又は名称】セイジ・エレクトロクロミクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、イーガン
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0271814(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0145161(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/15-1/19
G02F 1/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の断熱ガラスユニット(IGU)を制御するための方法であって、各IGUは、可変着色プロファイルを備えたエレクトロクロミックデバイス(ECD)を有しており、前記方法が、
テスト電圧プロファイルを第1のIGU内の第1のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、
前記テスト電圧プロファイルに応答して、前記第1のECD内に第1のテスト着色プロファイルを生成することであって、前記テスト電圧プロファイルが、最初は第1の設定された電圧プロファイル(SVP)に等しい、生成することと、
前記第1のECD内に第1の所望の着色プロファイル(DTP)を生成するために、前記テスト電圧プロファイルを調整することと、
前記第1のSVPと前記第1のECDのための前記調整されたテスト電圧プロファイルとの間の差に基づいて、第1のモデリングパラメータを決定することと、
第1のECDモデルを介して、前記第1のモデリングパラメータに基づいて前記第1のECDをモデリングすることと、
前記第1のECDモデルを介して第1の補償パラメータを決定することと、
前記第1のSVPを前記第1のECDモデルに入力することと、
前記第1の補償パラメータに基づいて前記第1のSVPを修正することによって、第1の補償された電圧プロファイル(CVP)を決定することと、
前記第1のCVPを前記第1のECDの前記バスバーに適用することと、
前記第1のCVPを前記第1のECDに適用することに応答して、前記第1のIGUの前記第1のECD内に前記第1のDTPを生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記テスト電圧プロファイルを第2のIGU内の第2のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、
前記テスト電圧プロファイルに応答して、前記第2のECD内に第2のテスト着色プロファイルを生成することであって、前記テスト電圧プロファイルが、最初は前記第1のSVPに等しい、生成することと、
前記第2のECD内に前記第1のDTPを生成するために、前記テスト電圧プロファイルを調整することと、
前記第1のSVPと前記第2のECDのための前記調整されたテスト電圧プロファイルとの間の差に基づいて、第2のモデリングパラメータを決定することと、
第2のECDモデルを介して、前記第2のモデリングパラメータに基づいて前記第2のECDをモデリングすることと、
前記第2のECDモデルを介して第2の補償パラメータを決定することと、
前記第1のSVPを前記第2のECDモデルに入力することと、
前記第2の補償パラメータに基づいて前記第1のSVPを修正することによって、第2のCVPを決定することと、
前記第2のCVPを前記第2のECDの前記バスバーに適用することと、
前記第2のCVPを前記第2のECDに適用することに応答して、前記第2のIGUの前記第2のECD内に前記第1のDTPを生成することと、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2のSVPを前記第1のECDモデルに入力することと、
前記第1の補償パラメータに基づいて前記第2のSVPを修正することによって、第3のCVPを決定することと、
前記第3のCVPを前記第1のECDの前記バスバーに適用することと、
前記第3のCVPを前記第1のECDに適用することに応答して、前記第1のIGUの前記第1のECD内に第2のDTPを生成することと、をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のSVPを前記第2のECDモデルに入力することと、
前記第2の補償パラメータに基づいて前記第2のSVPを修正することによって、第4のCVPを決定することと、
前記第4のCVPを前記第2のECDの前記バスバーに適用することと、
前記第4のCVPを前記第2のECDに適用することに応答して、前記第2のIGUの前記第2のECD内に前記第2のDTPを生成することと、をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のDTPが、勾配着色プロファイルであり、前記勾配着色プロファイルが、前記第1のECDの別の領域における着色レベルとは異なる前記第1のECDの1つの領域における着色レベルを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記勾配着色プロファイルが、前記第1のECDの上部におけるフル着色レベルから前記第1のECDの下部におけるフルクリアレベルに移行する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のECDが、上部および下部ゾーンを備え、少なくとも第1および第3のバスバーが前記上部ゾーン内に位置し、少なくとも第2および第4のバスバーが前記下部ゾーン内に位置している、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記上部および下部ゾーンが、前記第1のECDの導電層を共有し、それにより、電流が、前記上部ゾーンにおいて前記第1のバスバーと前記第3のバスバーとの間に流れるか、電流が、前記下部ゾーンにおいて前記第2のバスバーと前記第4のバスバーとの間に流れるか、電流が、前記上部ゾーンと前記下部ゾーンとの間に流れるか、またはそれらの組み合わせである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のECDモデルが、前記上部ゾーン内、前記下部ゾーン内、および前記上部ゾーンと前記下部ゾーンとの間を流れる前記電流を推定する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
各々が可変着色プロファイルを有する複数のエレクトロクロミックデバイス(ECD)を制御するための方法であって、前記方法が、
初期テスト電圧プロファイルを第1のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、
前記初期テスト電圧プロファイルに応答して、前記第1のECD内に第1のテスト着色プロファイルを生成することと、
前記第1のECD内に第1の所望の着色プロファイル(DTP)を生成するために、前記初期テスト電圧プロファイルを調整することと、
前記初期テスト電圧プロファイルの前記調整に基づいて、第1のモデリングパラメータを決定することと、
第1のECDモデルを介して、前記第1のモデリングパラメータに基づいて前記第1のECDをモデリングすることと、
前記第1のECDモデルを介して第1の補償パラメータを決定することと、
前記第1の補償パラメータに基づいて前記初期テスト電圧プロファイルを修正することによって、第1の補償された電圧プロファイル(CVP)を決定することと、
前記第1のCVPを前記第1のECDに適用することに応答して、前記第1のECD内に前記第1のDTPを生成することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記初期テスト電圧プロファイルを第2のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、
前記初期テスト電圧プロファイルに応答して、前記第2のECD内に第2のテスト着色プロファイルを生成することと、
前記第2のECD内に前記第1のDTPを生成するために、前記
初期テスト電圧プロファイルを調整することと、
前記初期テスト電圧プロファイルの前記調整に基づいて、第2のモデリングパラメータを決定することと、
第2のECDモデルを介して、前記第2のモデリングパラメータに基づいて前記第2のECDをモデリングすることと、
前記第2のECDモデルを介して第2の補償パラメータを決定することと、
前記第2の補償パラメータに基づいて前記初期テスト電圧プロファイルを修正することによって、第2のCVPを決定することと、
前記第2のCVPを前記第2のECDに適用することに応答して、前記第2のECD内に前記第1のDTPを生成することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の設定された電圧プロファイル(SVP)を前記第1のECDモデルに入力することと、
前記第1の補償パラメータに基づいて前記第1のSVPを修正することによって、第3のCVPを決定することと、
前記第3のCVPを前記第1のECDの前記バスバーに適用することと、
前記第3のCVPを前記第1のECDに適用することに応答して、前記第1のECD内に第2のDTPを生成することと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各々が可変着色プロファイルを有する複数のエレクトロクロミックデバイス(ECD)を制御するための方法であって、前記方法が、
初期テスト電圧プロファイルを第1のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、
前記初期テスト電圧プロファイルに応答して、前記第1のECD内に第1のテスト着色プロファイルを生成することと、
前記第1のECD内に第1の所望の着色プロファイル(DTP)を生成するために、前記初期テスト電圧プロファイルを調整することと、
前記初期テスト電圧プロファイルの前記調整に基づいて、第1のモデリングパラメータを決定することであって、前記第1のモデリングパラメータが、
前記第1のECD内の前記バスバーの構成、
前記バスバーの各々のインピーダンス、
前記第1のECDの各導電層のシート抵抗、
前記第1のECDのサイズ、
前記第1のECDの温度、
前記第1のECDの所望の着色レベル、
前記バスバー間の電圧差、
前記バスバーに供給される推定電流、または
それらの組み合わせ、を含む、決定することと、
第1のECDモデルを介して、前記第1のモデリングパラメータに基づいて前記第1のECDをモデリングすることと、
前記第1のECDモデルを介して第1の補償パラメータを決定することと、
前記第1の補償パラメータに基づいて前記初期テスト電圧プロファイルを修正することによって、第1の補償された電圧プロファイル(CVP)を決定することと、
前記第1のCVPを前記第1のECDに適用することに応答して、前記第1のECD内に前記第1のDTPを生成することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記第1のECDが、上部および下部ゾーンを備え、前記上部および下部ゾーンが、前記第1のECDの導電層を共有し、それにより、電流が、前記上部ゾーンにおいて前記第1のバスバーと前記第3のバスバーとの間に流れるか、電流が、前記下部ゾーンにおいて前記第2のバスバーと前記第4のバスバーとの間に流れるか、電流が、前記上部ゾーンと前記下部ゾーンとの間に流れるか、またはそれらの組み合わせである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のDTPが、勾配着色プロファイルであり、前記勾配着色プロファイルが、前記第1のECDの上部20%における少なくとも62%の透過レベルである着色レベルから、前記第1のECDの下部20%におけるフル着色レベルに移行する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレクトロアクティブデバイスを対象とし、より具体的には、エレクトロクロミックデバイスを含む装置およびそれを使用する方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
エレクトロクロミックデバイスは、車両の部屋または客室に入る太陽光の量を低減させることができる。従来、エレクトロクロミックデバイスは、特定の透過状態にあることができる。例えば、エレクトロクロミックデバイスは、フル着色(例えば、0%の透過レベル)、フルクリア(例えば、63%+/-10%の透過レベル)、または前述の2つの間の何らかの着色レベル(または透過レベル)などの、特定の着色レベル(すなわち、エレクトロクロミックデバイスを通る光透過のパーセンテージ)に設定され得る。窓ガラスは、異なる個別のエレクトロクロミックデバイスとともに形成することができ、各々が、それ自体の一対のバスバーによって制御される。異なるエレクトロクロミックデバイスは、各々を異なる着色レベル(つまり、透過状態レベル%)に設定することができる。
【発明の概要】
【0003】
しかしながら、あるIGUに電圧プロファイルを適用してIGU内に着色レベルを生成することは、同じ電圧プロファイルを別のIGUに適用することにより同様の着色レベルが生成されることを意味するわけではない。エレクトロクロミックデバイスの着色に関する制御におけるさらなる向上が望まれている。
【0004】
実施形態は、例として示されており、添付の図に限定されない。
【0005】
当業者は、図中の要素が単純化および明瞭化のために示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解している。例えば、図中の要素のいくつかの寸法は、本発明の実施形態の理解を改善するのを助けるために、他の要素に対して誇張されている場合がある。
【0006】
図面と組み合わせた以下の説明は、本明細書に開示される教示を理解するのを助けるために提供される。以下の考察は、本教示の具体的な実装および実施形態に焦点を合わせるであろう。この焦点は、本教示を説明するのを助けるために提供されており、本教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。
【0007】
本明細書で使用される場合、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、またはこれらの任意の他の変形語は、非排他的な包含を含むことを意図している。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴だけに限定されず、明示的に列記されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有でない他の特徴を含み得る。さらに、そうではないと明示的に述べられていない限り、「または(or)」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれか1つによって満たされる。Aは真(または存在する)かつBは偽(または存在しない)、Aは偽(または存在しない)かつBは真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)である。
【0008】
「1つ(a)」または「1つ(an)」の使用は、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために使用される。これは単に便宜上および本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、他を意味することが明確でない限り、1つまたは少なくとも1つおよび複数も含む単数形、またはその逆を含むように読む必要がある。
【0009】
変数を参照するとき、「定常状態(steady state)」という用語は、過渡状態中に動作変数が変化し得る場合であっても、動作変数が10秒にわたって平均したときに実質的に一定であることを意味することを意図している。例えば、定常状態にあるとき、動作変数は、特定のデバイスの特定の動作モードの動作変数に関して、平均の10%以内、5%以内、または0.9%以内に維持され得る。変動は、電圧線に沿って伝達されるノイズ、制御デバイス内のトランジスタの切り替え、装置内の他の構成要素の動作、または他の同様の影響などの、装置または支持機器における不完全性に起因し得る。またさらに、変数は、電圧または電流のなどの変数を読み取ることができるように毎秒マイクロ秒にわたって変化し得るか、または1つ以上の電圧供給端子は、1Hz以上の周波数で2つの異なる電圧(例えば、V1およびV2)の間で交互し得る。したがって、不完全性に起因して、または動作パラメータを読み取るときに、装置は、このような変動を伴っても、定常状態にあり得る。動作モードの間で変化するとき、動作変数のうちの1つ以上は、過渡状態にあり得る。このような変数の例としては、エレクトロクロミックデバイス内の特定の位置における電圧、またはエレクトロクロミックデバイスを流れる電流を挙げることができる。
【0010】
「約」、「およそ」、または「実質的に」という言葉の使用は、パラメータの値が規定の値または位置に近いことを意味することを意図している。ただし、わずかな違いにより、値または位置が記載どおりにならない場合がある。したがって、値に対する最大10パーセント(10%)の差は、説明する通りの理想的な目標との妥当な差である。有意な差とは、その差が10パーセント(10%)を超えるときであり得る。
【0011】
他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。材料、方法、および例は、例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。本明細書で説明しない範囲で、特定の材料および処理行為に関する多くの詳細は従来通りであり、ガラス、蒸着、およびエレクトロクロミック技術の範囲の教科書および他の情報源に見出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】一実施形態による、バスバーを備えた基板の代表的な上面図を含む。
【
図1B】一実施形態による、
図1Aの基板の一部の線1B-1Bに沿った代表的な断面図を含み、エレクトロクロミックデバイス(ECD)のための層のスタックおよびバスバーを備える。
【
図2】一実施形態による、ECDを含む断熱ガラスユニット(IGU)の代表的な断面図を含む。
【
図3A】一実施形態による、IGUにおける勾配着色プロファイルの代表的な図を含む。
【
図3B】一実施形態による、IGUにおける勾配着色プロファイルの代表的な図を含む。
【
図3C】一実施形態による、IGUにおける勾配着色プロファイルの代表的な図を含む。
【
図3D】一実施形態による、IGUにおける勾配着色プロファイルの代表的な図を含む。
【
図4】一実施形態による、上部ゾーンと下部ゾーンとの間にゾーン分離線を示し、上部および下部ゾーンにおける代表的な電流の流れが示されている、基板およびバスバーの代表的な上面図を含む。
【
図5】一実施形態による、上部ゾーンと下部ゾーンとの間に仮想ゾーン分離線を有し、上部および下部ゾーンに、ならびに上部ゾーンと下部ゾーンとの間に代表的な電流の流れが示されている、基板およびバスバーの代表的な上面図を含む。
【
図6】一実施形態による、上部ゾーンと下部ゾーンとの間に仮想ゾーン分離線を有し、上部ゾーンと下部ゾーンとの間の勾配形成漏れ電流の流れが示されている、基板およびバスバーの代表的な上面図を含む。
【
図7A】一実施形態による、上部ゾーンと下部ゾーンとの間の勾配形成漏れ電流の流れが示されている、基板およびバスバーの代表的な上面図を含む。
【
図7B】一実施形態による、
図7A~
図7Bのバスバーに対する電圧信号の代表的なプロットを含み、代表的な電圧プロファイル部分が示されている。
【
図7C】一実施形態による、
図7AのIGUのためのECDモデルの回路図を含む。
【
図8】一実施形態による、IGUを透過した光のパーセンテージをテストするためのテストシステムの代表的な機能ブロック図を含む。
【
図9】一実施形態による、複数のIGUを制御するメインコントローラの代表的な機能ブロック図を含む。
【
図10】一実施形態による、ECDの例示的な所望の着色プロファイルおよび所望の着色プロファイル間の遷移の代表的なフローチャートを含む。
【
図11】一実施形態による、ECDをモデル化し、ECDに伝達される電圧プロファイルを制御して、ECD内に所望の着色プロファイルを生成するIGUのコントローラの代表的な機能ブロック図を含む。
【
図12】一実施形態による、ECDモデルを使用してIGUを特徴付け、ECD内に所望の着色プロファイルを生成するための方法の代表的なフローチャートを含む。
【発明を実施するための形態】
【0013】
エレクトロクロミックデバイスは、例えば、状態間を切り替えるために必要な時間を超えるなどの、ほぼ任意の期間にわたって、連続勾配透過状態に維持することができる。連続勾配の場合、エレクトロクロミックデバイスは、相対的により低い透過率を有する領域においてバスバー間に相対的により高い電界を有し、相対的により高い透過率を有する別の領域においてバスバー間に相対的により低い電界を有することができる。連続勾配は、離散勾配と比較して、より低い透過率とより高い透過率との間で、より視覚的に好ましい移行を可能にする。バスバーの様々な位置は、フルクリア(最高の透過率またはフル脱色)からフル着色(最低の透過状態)の範囲、またはその間の任意のものであり得る電圧を提供することができる。またさらに、エレクトロクロミックデバイスは、エレクトロクロミックデバイスの領域の全てにわたって実質的に均一な透過状態で、エレクトロクロミックデバイスの領域の全てにわたって連続勾配透過状態で、または実質的に均一な透過状態を有する部分および連続勾配透過状態を有する別の部分との組み合わせで動作させることができる。
【0014】
連続勾配透過状態のための多くの異なるパターンは、バスバーの位置、各バスバーに結合された電圧供給端子の数、バスバーに沿った電圧供給端子の位置、またはそれらの任意の組み合わせの適切な選択によって達成することができる。別の実施形態では、バスバー間の間隙を使用して、連続勾配透過状態を達成することができる。
【0015】
エレクトロクロミックデバイスは、建物もしくは車両の窓の一部として、または居住空間もしくはオフィス空間を分離する仕切りなど、制御可能な着色の恩恵を受けることができる他のアプリケーションとして使用することができる。エレクトロクロミックデバイスは、装置内で使用することができる。装置は、エネルギー源と、入力/出力ユニットと、エレクトロクロミックデバイスを制御する制御デバイスと、をさらに含むことができる。装置内の構成要素は、エレクトロクロミックデバイスの近くまたは遠くに位置付けることができる。一実施形態では、そのような構成要素のうちの1つ以上を、建物内の環境制御と統合することができる。
【0016】
エレクトロクロミックデバイスは、0V~50Vの範囲のバスバーの電圧で動作することができる。一実施形態では、電圧は、0V~25Vであることができる。別の実施形態では、電圧は、0V~10Vであることができる。さらに別の実施形態では、電圧は、0V~3Vであることができる。このような説明は、本明細書で説明される概念を単純化するために使用される。エレクトロクロミックスタック内の層の組成または厚さが変更される場合など、他の電圧がエレクトロクロミックデバイスで使用されても良い。バスバー間の電圧差は、実際の電圧よりも重要であるので、バスバー上の電圧は、どちらも正(0.1V~50V)、どちらも負(-50V~-0.1V)、または負電圧と正電圧との組み合わせ(-1V~2V)とすることができる。さらに、バスバー間の電圧差は、50V未満または50Vを超えてもよい。本明細書に記載の実施形態は例示的なものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
【0017】
断熱ガラスユニット(IGU)内のエレクトロクロミックデバイス(ECD)の着色プロファイルを制御する場合、電圧プロファイルをECDのバスバーに適用して、所望の着色レベルを生成することができる。ECD内でそれぞれの所望の着色プロファイルを生成する複数の電圧プロファイルを決定することができる。したがって、第1の設定された電圧プロファイル(SVP)がバスバーに適用されるとき、ECDは、第1の所望の着色プロファイル(DTP)を生成し、第2のSVPがバスバーに適用されるとき、ECDは第2のDTPを生成する。DTPは、IGUのECDにわたる所望の光透過プロファイルを生成するECDにわたる着色を表す。複数のDTPの各1つは、フルクリア(最高の透過率またはフル脱色)からフル着色(最低の透過状態)、またはその間の任意のものであり得る。DTPはまた、ECDの領域の全てにわたって実質的に均一な透過状態、ECDの領域の全てにわたって連続勾配透過状態であることができるか、または実質的に均一な透過状態を有する部分と連続勾配透過状態を有する別の部分との組み合わせを伴うこともできる。
【0018】
しかしながら、ECD間のパフォーマンスパラメータは変えることができる。これは、ECD間の様々な物理的特性および製造公差によって部分的に引き起こされる可能性がある。したがって、第1のECDで第1のDTPを生成する第1のSVPが第2のECDに適用される場合、第1のDTPが第2のECDで生成されない場合がある。第1のDTPは、第2のECDに適用される電圧プロファイルを第1のSVPから離れて調整することによって達成することができる。しかしながら、これは、各ECDの電圧プロファイルが、所望の結果(つまり、DTP)を生成するために調整する必要があり得るため、複数のECDを制御する際に問題を引き起こす可能性がある。また、1つのECDが別のECDによって置き換えられるとき、新しいECDが古いECDと同じDTPを生成させるように、ECDの制御を適合させなければならない場合がある。
【0019】
本開示は、IGUシステムに、様々な性能特性を有するECDの問題を軽減するか、または少なくとも最小化するECD制御方法を提供する。IGUシステムおよびECD制御は、共通のSVPのグループが作成されることを可能にし、SVPの1つがECDのいずれかに適用されるとき、ECDは実質的に同じDTPを生成する。例えば、第1のSVPが第1のECDに適用されると、第1のDTPが生成される。同じ第1のSVPを第2のECDに適用すると、第2のECDも第1のDTPを生成する。本開示は、ECD内の電流の流れをエミュレートし、各ECDに対して一意の補償パラメータを確立し、ECDに適用されるとき、DTPを生成する補償された電圧プロファイル(CVP)を生成することができる、ECDモデルを説明する。
【0020】
図1Aは、一実施形態による、バスバーを備えた長方形の形状のECD124の上面図の図示を含む。別の実施形態では、ECD124は、三角形の周囲の周りに適切なバスバー配置を備えた三角形の形状を有することができる。別の実施形態では、ECD124は、多角形の周囲の周りに適切なバスバー配置を備えた多角形の形状を有することができる。ECD124の多くの変形は、本開示の原理に従って使用することができ、
図1Aに示される実施形態は、可能なECD124の一例にすぎないことが理解されるべきである。多くの様々な形状のIGU、したがって様々な形状のECD124が、米国仮特許出願第62/786,603号に開示されており、この参照によってその全体が本明細書に組み込まれ、この参照される仮特許出願に開示されたIGU、基板、およびECDの各々は、この開示の態様から利益を得ることができる。
【0021】
ECD124は、左側126、上部127、および右側128、および下部129を含むことができる。ECD124は、ゾーン分離線160によって分離された上部ゾーン132および下部ゾーン134を有することができる。バスバー130、140は、バスバー110、120を、第2の透明導電層122に電気的に接続して、第1の透明導電層112(図示せず)に電気的に接続することができる。バスバー110とバスバー130との間の電圧電位は、電流を上部ゾーン132に流させることができ、バスバー120とバスバー140との間の電圧電位は、電流を下部ゾーン134に流させることができる。第1の透明導電層と112第2の透明導電層122との間の電流の流れは、各ゾーン132、134の着色プロファイルを変えることができる。第1の電圧供給端子V1は、第1のバスバー110の電圧を設定することができ、第2の電圧供給端子V2は、第2のバスバー120の電圧を設定することができ、第3の電圧供給端子V3は、第3のバスバー130の電圧を設定することができ、第4の電圧供給端子V4は、第4のバスバー140の電圧を設定することができる。
【0022】
図1Bは、一実施形態による、
図1AのECD124の一部の線1B-1Bに沿った代表的な断面図を含み、ECD124の層のスタックおよびバスバーを有する。電気化学デバイス124は、第1の透明導電層112と、陰極電気化学層114と、陽極電気化学層118と、第2の透明導電層122と、を含むことができる。ECD124はまた、陰極電気化学層114と陽極電気化学層118との間に、イオン導電層116も含むことができる。第1の透明導電層112は、基板100と陰極電気化学層114との間にあり得る。陰極電気化学層114は、第1の透明導電層112と陽極電気化学層118との間にあり得る。陽極電気化学層118は、陰極電気化学層114と第2の透明導電層122との間にあり得る。
【0023】
基板100としては、ガラス基板、サファイア基板、酸窒化アルミニウム基板、スピネル基板、または透明ポリマーを挙げることができる。特定の実施形態において、基板100は、フロートガラスまたはホウケイ酸ガラスとすることができ、厚さ0.025mm~4mmの範囲の厚さを有することができる。別の特定の実施形態において、基板100は、10ミクロン~300ミクロンの範囲の厚さを有する無機ガラスである、極薄ガラスを含むことができる。第1の透明導電層112および第2の透明導電層122は、導電性金属酸化物または導電性ポリマーを含むことができる。例としては、酸化インジウム、酸化スズもしくは酸化亜鉛(これらのいずれかをSn、Sb、Al、Ga、Inなどのような三価元素でドープすることができる)、またはポリアニリン、ポリピロール、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)などのようなスルホン化ポリマー、または1つもしくは複数の金属層、または金属メッシュもしくはナノワイヤメッシュ、またはグラフェンもしくはカーボンナノチューブ、またはこれらの組み合わせが挙げられ得る。透明導電層112および122は、同じまたは異なる組成を有することができる。
【0024】
陰極電気化学層114および陽極電気化学層118は、電極層とすることができる。一実施形態において、陰極電気化学層114は、エレクトロクロミック層とすることができる。別の実施形態において、陽極電気化学層118は、対向電極層とすることができる。エレクトロクロミック層は、WO3、V2O5、MoO3、Nb2O5、TiO2、CuO、Ir2O3、Cr2O3、Co2O3、Mn2O3、またはそれらの任意の組み合わせなどの、無機金属酸化物の電気化学的活性材料を含むことができ、20nm~2000nmの範囲の厚さを有することができる。対向電極層は、エレクトロクロミック層に関して列記した材料のうちのいずれかを含むことができ、酸化ニッケル(NiO、Ni2O3、または2つの組み合わせ)、またはイリジウム酸化物、およびLi、Na、H、または別のイオンをさらに含むことができ、20nm~1000nmの範囲の厚さを有することができる。イオン導電層116(電解質層と呼ばれることもある)は、任意選択とすることができ、無機イオン伝導体の場合は、1nm~1000nmの範囲の厚さ、または有機イオン伝導体の場合は、5ミクロン~1000ミクロンの範囲の厚さを有することができる。イオン導電層116は、リチウム、アルミニウム、ジルコニウム、リン、ホウ素を含むまたは含まないケイ酸塩、リチウムを含むまたは含まないホウ酸塩、リチウムを含むまたは含まない酸化タンタル、リチウムを含むまたは含まないランタニド系材料、別のリチウムベースのセラミック材料、特にMが1であるLixMOyNz、または遷移金属の組み合わせ、などを含むことができる。
【0025】
第3のバスバー130は、第1の透明導電層112に電気的に接続することができる。第1の透明導電層112は、除去された部分152を含むことができ、そのため、第3のバスバー130は、第1の透明導電層112を介して第1のバスバー110に電気的に接続されていない。そのような除去部分152は、典型的に、20nm~2000nmの幅である。第1のバスバー110は、第2の透明導電層122に電気的に接続することができる。第2の透明導電層122は、除去された部分150を含むことができ、そのため、第1のバスバー110は、第2の透明導電層122を介して第3のバスバー130に電気的に接続されていない。第3のバスバー130は、電気化学デバイス124の層のスタックの右側128にあり得る。第3のバスバー130は、第1の透明導電層112を介して陰極電気化学層114に電気的に接続することができる。第1のバスバー110は、電気化学デバイス124の層のスタックの左側126にあり得る。第1のバスバー110は、第2の透明導電層122を介して、陽極電気化学層118に電気的に接続することができる。
【0026】
図2は、ECD124(例えば、
図1A、
図1Bに図示されるようなECD)を含むIGU200の断面図の図示を含む。IGU200は、対向基板220と、ECD124の基板100と対向基板220との間に配設された太陽光制御フィルム212と、をさらに含むことができる。対向基板220は、窓ガラス230に結合される。各対向基板220および窓ガラス230は、強化ガラスまたはテンパーガラスとすることができ、2mm~9mmの範囲の厚さを有することができる。低放射率層232は、窓ガラス230の内面に沿って配設することができる。低放射率層232およびECD124は、スペーサ242によって離間させることができる。スペーサバー242は、封止部244を介して、基板100および低放射率層232に結合される。封止部244は、ポリイソブチレンなどのポリマーとすることができる。
【0027】
IGU200の内部空間260は、希ガスまたは乾燥空気などの比較的不活性なガスを含むことができる。別の実施形態において、内部空間260は、真空にすることができる。IGUは、エネルギー源と、制御デバイスと、入力/出力(I/O)ユニットと、を含むことができる。エネルギー源は、制御デバイスを介して、ECD124にエネルギーを供給することができる。一実施形態において、エネルギー源としては、光電池、電池、別の好適なエネルギー源、またはそれらの任意の組み合わせを挙げることができる。制御デバイスは、ECD124およびエネルギー源に結合することができる。制御デバイスは、ECD124の動作を制御するためのロジックを含むことができる。制御デバイスのロジックは、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの形態とすることができる。一実施形態において、ロジックは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または別の永続性メモリに記憶することができる。一実施形態において、制御デバイスは、制御デバイス内のメモリに記憶された、または外部ソースから受信される命令を実行することができるプロセッサを含むことができる。I/Oユニットは、制御デバイスに結合することができる。I/Oユニットは、光、運動、温度、別の好適なパラメータ、またはこれらの任意の組み合わせなどのセンサからの情報を提供することができる。I/Oユニットは、装置の別の部分に、または装置外部の別の宛先に、ECD124、エネルギー源、または制御デバイスに関する情報を提供することができる。
【0028】
図3A~
図3Dは、1つ以上の実施形態による、IGUにおける勾配着色プロファイル125の代表的な例を含む。これらは、可能な着色プロファイル125の例にすぎない。着色プロファイル125は、フルクリア(最高の透過率またはフル脱色)からフル着色(最低の透過状態)、またはその間の任意のものであり得ることを理解されたい。着色プロファイル125はまた、IGU200内のECDの領域の全てにわたって実質的に均一な透過状態、ECDの領域の全てにわたって連続勾配透過状態であることができるか、または実質的に均一な透過状態を有する部分と連続勾配透過状態を有する別の部分との組み合わせを伴うことができる。
図3Aは、上部127で部分的に着色(10%の透過レベル)されており、上部127での10%の透過レベルから下部129でのフルクリア(約63%透過レベル)までの勾配着色を有する勾配着色プロファイル125を示す。
図3Bは、
図3Aのものとは反対である勾配着色プロファイル125を示し、下部129で部分的に着色(10%の透過レベル)されており、下部129での10%の透過レベルから上部127でのフルクリア(約63%の透過レベル)までの勾配を有する。
図3Cは、IGU200の左下隅でフル着色(1%の透過レベル)であり、左下隅でのフル着色からIGU200の右上隅でのフルクリア(約63%の透過レベル)までの勾配着色を有する、勾配着色プロファイル125を示す。
図3Dは、
図3Cのものとは反対である勾配着色プロファイル125を示し、IGU200の右上隅でフル着色(1%の透過レベル)であり、右上隅でのフル着色からIGU200の左下隅でのフルクリア(約63%の透過レベル)までの勾配着色を有する勾配着色プロファイル125を示す。
【0029】
図4は、
図1AのECD124と同様の一実施形態による、バスバーを備えた長方形の形状のECD124の上面図の図示を含む。この例では、ゾーン分離線160は、分離線に沿ってECD124の材料を除去し、上部ゾーン132と下部ゾーン134との間の電流の流れを防止するレーザーカットを表すことができる。したがって、バスバー110とバスバー130(または電圧供給端子V1およびV3)との間の電位差は、電流I1、I3がバスバー110とバスバー130との間を進むことを引き起こし得る。電流I1は、電圧供給端子V1への、またはそこからの電流を示し、電流I3は、電圧供給端子V3への、またはそこからの電流を示す。これらの電流I1、I3は、電流が電圧供給端子V1、V3を介して上部ゾーン132に出入りするので、この例では同じ方向および量の電流を示すはずである。バスバー130は、第1の透明導電層112に電気的に接続することができ、バスバー110は、第2の透明導電層122に電気的に接続することができるので、電流I1、I3は、上部ゾーン132のECD124を通って進み、上部ゾーン132の着色レベルを制御することができる。
【0030】
バスバー120とバスバー140(または電圧供給端子V2およびV4)とのの電位差は、電流I2、I4がバスバー120とバスバー140との間を進むことを引き起こし得る。電流I2は、電圧供給端子V2への、またはそこからの電流を示し、電流I4は、電圧供給端子V4への、またはそこからの電流を示す。これらの電流I2、I4は、電流が電圧供給端子V2、V4を介して下部ゾーン134に出入りするので、この例では同じ方向および量の電流を示すはずである。バスバー140は、第1の透明導電層112に電気的に接続することができ、バスバー120は、第2の透明導電層122に電気的に接続することができるので、電流I2、I4は、上部ゾーン132のECD124を通って進み、上部ゾーン132の着色レベルを制御することができる。バスバー110、120、130、140は、本開示の原理に従って、様々な他の構成で第1および第2の透明導電層112、122に電気的に接続できることを理解されたい。例えば、バスバー110、120は、バスバー130、140を第2の透明導電層122に電気的に接続して、第1の透明導電層112に電気的に接続することができる。
【0031】
任意選択の導体162、164、166、168を使用して、必要に応じて、上部および下部ゾーン132、134を並列に接続することができるが、この例では、電流は、ECD124内のゾーン分離線160を横切って、上部ゾーン132と下部ゾーン134との間を通過しない。
【0032】
図5は、一実施形態による、上部および下部ゾーン132、134を分離する仮想のゾーン分離線160を有し、上部および下部ゾーン132、134に、ならびに上部ゾーン132と下部ゾーン134との間に代表的な電流の流れが示されている、基板およびバスバーの代表的な上面図を含む。ゾーン分離線160は仮想のみであり、ECD124の材料は、線160に沿って除去されず、電流が透明導電層112、122を通って上部ゾーン132と下部ゾーン134との間を流れることを可能にするので、それぞれの電圧供給端子V1、V2、V3、V4との間の電流I1、I2、I3、I4は、他の3つの電圧供給端子のいずれかに向かって流れることができる。バスバー110、120、130、140(または電圧供給端子V1、V2、V3、V4)間の電位差は、電流I1、I2、I3、I4がバスバー110、120、130、140間を進むことを引き起こし得る。
【0033】
電流I1は、電圧供給端子V1との間の電流を示し、電流I2は、電圧供給端子V2との間の電流を示し、電流I3は、電圧供給端子V3との間の電流を示し、電流I4は、電圧供給端子V4との間の電流を示す。バスバー130、140は、第1の透明導電層112に電気的に接続することができ、バスバー110、120は、第2の透明導電層122に電気的に接続することができるので、電流I1、I2、I3、I4は、ECD124の着色レベル(または着色プロファイル)を制御するために、上部および下部ゾーン132、134を横切って、ECD124の透明導電層112、122を通って進むことができる。電圧供給端子V1、V2、V3、V4に適用される電圧信号は、ECD124を横切って所望の電圧差を生成し、それによって所望の着色プロファイル(DTP)を生成するように調整することができる。しかしながら、上述のように、同じ電圧信号(または電圧プロファイル)が第2のECD124の電圧供給端子V1、V2、V3、V4に適用される場合、第2のECD124は、2つのECD124間の変動(例えば、物理的変動、製造公差など)のために、第1のECD124で行ったようにDTPを生成しない場合がある。本開示は、SVPがECDの各々に適用されるときにECDの各々が実質的に同じDTPを生成するように、複数のECDを制御するためのシステムおよび方法を説明している。この同じプロセスを、4つを超えるバスバーを備えたECD124に使用して、IGU200内で所望の着色プロファイル(DTP)を生成することもできる。
【0034】
上記の
図4のように互いに電気的に絶縁されたゾーン(上部および下部ゾーン132、134など)を有するECD124では、各ゾーンを通って流れる電荷(または電流)は、電圧供給端子で電圧および電流を測定するセンサによって簡単に監視、測定、および決定することができる。しかしながら、ゾーンが第1および第2の透明導電層112、122を介して互いに電気的に接続されている場合、ECDゾーンを通って流れる電荷(または電流)の流れを測定することは、はるかに厄介である可能性がある。例えば、V2などの電圧供給端子での電流および電圧の読み取り値は、電流の流れが、ECD124の他の電圧供給端子のいずれからの様々な寄与を含み得るので、これらの読み取り値から、V1、V3、V4などの他の電圧供給端子からの電流の流れの寄与を必ずしも決定するわけではない。
【0035】
図6は、一実施形態による、上部ゾーン132と下部ゾーン134との間に仮想ゾーン分離線160を有し、上部ゾーン132と下部ゾーン134との間の電流の流れが示されている、基板およびバスバーの代表的な上面図を含む。本開示は、勾配形成漏れ(GFL)電流と呼ばれる、上部ゾーン132と下部ゾーン134との間を流れる電荷(または電流)の量を推定するための方法およびプロセスを提供する。ECD124においてGFL電流を推定することによって、ECD124において所望の着色プロファイル(DTP)を生成するはずの所望の電圧プロファイルを決定することができる。
【0036】
図7Aは、一実施形態による、上部ゾーンと下部ゾーンとの間にGFL電流の流れ(電流Ig1、Ig2)が示されている、ECD124の基板およびバスバーの代表的な上面図を含む。ECD124のバスバー構成は、
図6に示されるバスバー構成とわずかに異なることに留意されたい。これは、本開示の原理に従って、様々なバスバー構成を使用することができることを例示している。
【0037】
図7Bは、一実施形態による、代表的な電圧プロファイル部分が示されている、ECD124のバスバーの電圧信号の代表的なプロットを含む。本明細書で使用される場合、「電圧プロファイル」は、ECD124内のバスバーの各々の電圧信号を含む。電圧信号は、ある期間にわたってバスバーに適用される電圧値であり得、電圧値は、時間の経過中に変化し得る。プロット136は、
図7AのECDの電圧供給端子V1、V2、V3、V4の各々について、時間「0」から時間「t」までプロットされた代表的な電圧を示す。電圧プロットの一部は、破線の長方形135によって示されており、これは、「0」から「t」までの時間のサブセットである
図7B内のスパンなどの、ある期間中の電圧供給端子V1、V2、V3、V4の各々の電圧の値を含む「電圧プロファイル」135を表すことができる。したがって、本開示が「電圧プロファイル」を指す場合、それは電圧信号のグループ(4つの電圧供給端子に対して4つの電圧信号、6つの電圧供給端子に対して6つの電圧信号、8つの電圧供給端子に対して8つの電圧信号、9つの電圧供給端子に対して9つの電圧信号などのような、各電圧供給端子に対して1つの電圧信号)を指し、ここで、各電圧信号は、時間の経過とともに可変の電圧を含むことができる。各電圧信号は、電圧値においてスパイクを含むことができ、それは、スパイクが使用されなかった場合よりも速くECD124内の着色レベルを達成するために使用され得る。スパイクは正または負であり得、これは、ECDが移行する着色プロファイル、ならびにECDが移行してきた着色プロファイルに依存し得る。
【0038】
図7Bは、一実施形態による、
図7AのECD124のためのECDモデル180の回路図を含む。この実施形態では、ECDモデル180は、ECD124の特性をモデル化する等価インピーダンスの代表的な回路である。ECDモデル180は、バスバーの対の間に等価インピーダンスネットワークを含むことができる。ECDモデル180は、電圧供給端子V1、V2、V3、V4に適用される電圧と、電流I1、I2、I3、I4、Ig1、Ig2との間の関係をモデル化することができる。
図7Cに示されるECDモデル180は、
図7Aに示されているものと同様の4バスバーECDをモデル化するように構成されている。ECDにおいて追加のバスバーが使用されている場合は、必要に応じてインピーダンスネットワークを追加、削除、または修正して、ECDを正しくモデル化することができる。
【0039】
この例では、ネットワーク181、182、183、184は、概してECDをモデル化する。ネットワーク181は、電圧供給端子V1と電圧供給端子V3との間のECDの部分をモデル化するために、示されるように接続された抵抗器R11、R12、R13、およびコンデンサC1を含むことができる。ネットワーク182は、電圧供給端子V2と電圧供給端子V4との間のECDの部分をモデル化するために、示されるようなモデル内で相互接続された抵抗器R21、R22、R23、およびコンデンサC2を含むことができる。ネットワーク183は、電圧供給端子V1と電圧供給端子V2との間のECDの部分をモデル化するために、示されるように接続された抵抗器Rg1、Rg2、Rg3、およびコンデンサCg1を含むことができる。ネットワーク184は、電圧供給端子V3と電圧供給端子V4との間のECDの部分をモデル化するために、示されるように接続された抵抗器Rg4、Rg5、Rg6、およびコンデンサCg2を含むことができる。ネットワーク183、184を使用して、上部ゾーン132と下部ゾーン134との間を流れる勾配形成漏れ(GFL)電流を決定することができる。
【0040】
複数のECDにおいて標準の所望の着色プロファイル(DTP)を生成する設定された電圧プロファイル(SVP)のグループを確立することが望ましい場合がある。複数のECDのいずれかに第1のSVPを適用すると、第1のDTPが実質的にECD内に生成されることをもたらし、複数のECDのいずれかに第2のSVPを適用すると、第2のDTPが実質的にECD内に生成されることをもたらし、複数のECDのいずれかに第3のSVPを適用すると、第3のDTPが実質的にECD内に生成されることをもたらす、などである。それらのECDにおいてそれぞれのDTPを生成するために、複数のECDにわたってSVPを標準化することによって、複数のECDを制御する複雑さを低減することができる。
【0041】
抵抗器R11、R12、R13、R21、R22、R23、Rg1、Rg2、Rg3、Rg4、Rg5、Rg6、およびコンデンサC1、C2、Cg1、Cg2は、ECDモデリングパラメータと呼ぶことができる。これらの構成要素は、モデル180のフレームワークを作製し得るが、これらのモデリングパラメータの値は、モデル180がECDを正しくモデル化するように、モデル180をECDのうちの1つに適合する。ECDの特徴付けは、ECDのためのモデリングパラメータの値を決定するために使用されるプロセスを指す。モデリングパラメータの初期値を使用して、第1のSVPをモデル180の入力V1、V2、V3、V4に入力することができ、モデルは、電圧供給端子(例えば、ECDのV1、V2、V3、V4に適用され得るテスト電圧プロファイルを出力して、ECDにわたってテスト着色プロファイルを生成することができる。テスト電圧プロファイルは、最初は第1のSVPと等しくなり得る。テスト着色プロファイルは、第1のDTPと等しくない場合があり、第1のDTPは、第1のSVPに対するECDの所望の応答である。モデル180の入力V1、V2、V3、V4は、ECDがECDにわたって第1のDTPを生成するまで調整され得る。調整されたテスト電圧プロファイル(個々のECDにおいて第1のDVPを生成する)を第1のSVPと比較し、モデリングパラメータの既知の初期値を使用して、個々のECDモデルのための一意のモデリングパラメータが決定され得る。ECDの温度または少なくともECDの周囲環境を調整して、テスト電圧プロファイルがECDに適用されているときの様々な環境条件をシミュレートすることができる。これにより、様々な環境条件にわたってモデリングパラメータを計算することにより、ECDモデルの精度を向上させることができる。
【0042】
次に、一意のECDモデルを使用して、個々のECDに対する補償パラメータを決定することができる。補償パラメータを使用して、ECDに適用される電圧プロファイルをリアルタイムで修正することができ、それにより、SVPは、ECDにわたって各SVPに対するそれぞれのDTPを実質的に生成する。
【0043】
図8は、一実施形態による、IGUを透過した光のパーセンテージをテストするためのテストセットアップ210の代表的な機能ブロック図を含む。テストセットアップ210は、IGU200を通る光の%透過率をテストするために使用することができる。テストコントローラ185は、IGU200のECD124を特徴付けるためにテストセットアップ210の様々な要素に結合することができる。テストセットアップ210は、光源190、ユーザインターフェース196、温度センサ188、環境コントローラ、およびアレイまたは単一の光学センサであり得る光センサを含むことができる。テストコントローラ185は、線148を介して光源190を制御して、光信号192でIGU200を照明することができる。光信号192は、IGU200を透過して、光センサ186によって受光され得る。光センサ186は、IGU200を通る光信号192の%透過率プロファイル(つまり、着色プロファイル)を検出するための光センサのアレイであり得る。代替的に、またはそれに加えて、光センサ186は、テスト下のIGUよりも小さくすることができ、IGU200を透過する光信号の光センサ読み取りを行うために、IGU200の周りを移動する必要がある場合がある。光センサ186は、そのセンサデータを線158を介してテストコントローラ185に通信することができる。電圧プロファイルは、線(または複数の線)146を介してIGU200に適用することができる。温度センサ188は、テスト中に、線143を介してテストコントローラ185に連続的、定期的、またはランダムな更新を提供することができる。テストコントローラ185は、線156を介して環境コントローラ194を制御するか、またはそこからデータを受信することができ、環境コントローラ194は、気候制御機器(例えば、A/Cユニットまたはヒータ)を制御することによって環境温度を調整することができる。テストパラメータは、線154を介してユーザインターフェース196から提供されることができ、これは、ユーザが、テストコントローラ185に伝達されるコマンドおよびデータを介してテスト動作を指示することを可能にする。IGUの上部の長さ202は、IGUの長さ206の約20%にすることができる。IGUの下部の長さ204は、IGUの長さ206の約20%にすることができる。
【0044】
図9は、一実施形態による、IGUシステム208において複数のIGU200a、200bを制御するためのメインコントローラ170の代表的な機能ブロック図を含む。2つのIGU200a、200bのみが示されているが、点線によって示されているように、より多くのIGUをメインコントローラ170によって制御することができる。メインコントローラ170は、ソフトウェアプログラムの実行可能コマンドを含むことができるIGUシステムの様々な情報を格納するための非一時的メモリ172を含むことができる。実行可能プログラムコマンドは、本開示に記載されている方法およびプロセスの少なくとも一部を実施するようにメインコントローラ170に指示することができる。メインコントローラ170はまた、SVPを格納するための非一時的メモリ174を含むことができる。メモリ172、174は、1つの非一時的メモリに組み合わせることができ、それらはまた、メインコントローラ170の1つ以上のプロセッサに含むことができる。SVPメモリ174は、メインコントローラが読み取り、IGU200の各々に制御およびデータ線(例えば、線146a、146b)を介してローカルIGUコントローラ176に転送することができるSVPのグループを含有することができる。メインコントローラ170は、ユーザインターフェース196からIGU制御パラメータを受け取ることができる。ユーザインターフェース196は、メインコントローラ170に指示することによって、オペレータがIGUシステム208を管理するのを支援するためのモニタおよびキーボードを備えたコンピュータを含むことができる。
【0045】
IGUシステム208は、ECDモデルおよびIGU200a、200bのECD124内の着色プロファイルを制御するための補償された電圧プロファイル(CVP)を調整するために使用され得る温度読み取り値を提供するために、1つ以上の温度センサ188を含むことができる。ECD124の性能に影響を及ぼし得る環境温度を収集するために、IGU200a、200bの外部に位置する1つ以上の温度センサ188があり得る。代替的に、またはそれに加えて、各IGU200a、200bの内部に1つ以上の温度センサ188があり得る。これらの内部温度センサ188は、センサデータをローカルIGUコントローラ176に伝達することができ、それは次に、センサデータをメインコントローラ170に伝達することができる。代替的に、またはそれに加えて、ローカルコントローラ176は、温度情報を使用して、ECDモデル180またはECD124に適用されるCVPを調整することができる。温度情報がメインコントローラ170に伝達されることは、要件ではない。代替的に、またはそれに加えて、内部温度センサ188は、センサデータをメインコントローラ170に直接伝達することができる。温度情報がローカルIGUコントローラ176に伝達されることは、要件ではない。
【0046】
各IGU200a、200bは、実行可能プログラムコマンドを格納するための非一時的メモリを含むこともできるローカルコントローラ176を含むことができる。ローカルIGUコントローラ176のための実行可能プログラムコマンドは、本開示で説明される方法およびプロセスの少なくとも一部を実施するようにローカルコントローラ176に指示することができる。ローカルIGUコントローラ176は、CVPを生成し、制御線144を介してCVPをECD124に適用することができる。制御線144は、電圧供給端子V1、V2、V3、V4に接続されて、ECD124にDTPを生成させることができる。ローカルコントローラ176はまた、CVPを含む、電圧プロファイルを生成するためのエネルギー源を含むことができる。エネルギー源は、電池システム、太陽電池システム、発電機システム、またはメインコントローラ170からの受信する電力入力であり得る。
【0047】
図10は、一実施形態による、ECDの例示的な所望の着色プロファイル(DTP)およびDTP間の可能な遷移の代表的なフローチャートを含む。フローチャートは、所望の着色プロファイル300、302、304、306、308、310、312を含む。これらは単なる例示的なDTPであり、本開示の原則に従って、より多いまたはより少ないDTPが可能であることを理解されたい。追加的に、議論の目的で、これらのDTPは、
図3A~
図3Bに示されるように、ECD124の上部から下部、または下部から上部への勾配(存在する場合)を有する長方形のECD124に関連している。しかしながら、DTPはまた、三角形、円形、多角形、台形などのような他の形状のECD124についても確立することができる。DTPはまた、
図3C~
図3Dに示されるように、対角勾配を有することもできる。以下の表1は、特定のDTP#に関連付けられた着色プロファイル、ならびに所望の着色プロファイル(DTP)での着色の可能なカバレッジ領域を示す。
【0048】
【0049】
DTP300は、ECD124のフル可視領域が、ECD124の最高の透過率に設定されていることを示すフルクリア(FC)プロファイルであり得る。
【0050】
DTP302は、ECD124のフル可視領域が、ECD124の最低の透過率に設定されていることを示すフル着色(FT)プロファイルであり得る。
【0051】
DTP304は、ECD124の上端部でのFCからECD124の下端部での13%Tの着色レベルまでの勾配着色プロファイルであり得る。DTPは、上端部から長さ202(つまり、ECD124の長さの20%)以内のFCから、下端部から長さ204(つまり、ECD124の長さの20%)以内の13%Tの着色レベルまでであり得る。
【0052】
DTP306は、ECD124の上端部でのFCからECD124の下端部での4%Tの着色レベルまでの勾配着色プロファイルであり得る。DTPは、上端部から長さ202(つまり、ECD124の長さの20%)以内のFCから、下端部から長さ204(つまり、ECD124の長さの20%)以内の4%Tの着色レベルまでであり得る。
【0053】
DTP308は、ECD124の上端部でのFCからECD124の下端部でのFTまでの勾配着色プロファイルであり得る。DTPは、上端部から長さ202(つまり、ECD124の長さの20%)以内のFCから、下端部から長さ204(つまり、ECD124の長さの20%)以内のFTまでであり得る。
【0054】
DTP310は、ECD124の上端部での4%Tの着色レベルからECD124の下端部でのFTまでの勾配着色プロファイルであり得る。DTPは、上端部から長さ202(つまり、ECD124の長さの20%)以内のFCから、下端部から長さ204(つまり、ECD124の長さの20%)以内の4%Tの着色レベルまでであり得る。
【0055】
DTP312は、ECD124の上端部での13%Tの着色レベルからECD124の下端部でのFTまでの勾配着色プロファイルであり得る。DTPは、上端部から長さ202(つまり、ECD124の長さの20%)以内のFCから、下端部から長さ204(つまり、ECD124の長さの20%)以内の13%Tの着色レベルまでであり得る。
【0056】
着色プロファイルの対を接続する矢印は、矢印の各端部にある2つのDTP間の遷移方向を示している。例えば、ECDは、必要に応じて、DTP302からDTP308に移行し、再び元に戻すようにコマンドされ得る。ECDは、DTP302からDTP308に移行し、次いでDTP308から別のDTPに移行するようにコマンドされ得る。ECD124はまた、
図10に具体的に示されていないDTPに移行するようにコマンドされ得、それは矢印314および316によって代表的に示されている。矢印314は、ECDが、FCから任意の数の他のDTPに移行するようにコマンドされ得ることを示している。矢印316は、ECDが、FTから任意の数の他のDTPに移行するようにコマンドされ得ることを示している。
【0057】
IGU200のECD124は、DTP300(つまり、FC)と、IGU200またはECD124の上端部でのFCから、IGU200またはECDの下端部での62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15% 、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、またはFTの着色レベルまでの勾配着色レベルとの間で移行することができる。上端部は、IGUまたはECDの上部からの長さ202を含むことができる。長さ202は、IGUの長さ206の20%未満であり得る。下端部は、IGUの下部からの長さ204を含むことができる。長さ204は、IGUの長さ206の20%未満であり得る。
【0058】
IGU200のECD124は、DTP302(つまり、FT)と、IGU200またはECD124の上端部でのFTから、IGU200またはECDの下端部での62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の着色レベルまでの勾配着色レベルとの間で移行することができる。上端部は、IGUまたはECDの上部からの長さ202を含むことができる。長さ202は、IGUの長さ206の20%未満であり得る。下端部は、IGUの下部からの長さ204を含むことができる。長さ204は、IGUの長さ206の20%未満であり得る。
【0059】
図11は、一実施形態による、ECDをモデル化し、ECDに伝達されてDTPを生成する電圧プロファイルを制御することができるIGUコントローラ176の代表的な機能ブロック図を含む。メインコントローラ170は、コマンドおよび制御線146を介してIGUコントローラ176と通信することができ、これはまた、電気エネルギーをIGU200に送達する電力線を含むことができる。IGUコントローラ176は、ECD124と通信して、IGU200のためのDTPを生成することができる。IGUコントローラ176は、ECDモデル180、IGUプロセッサ320、比較器322、電圧補償計算機324、電圧補償器326、電圧プロファイルスイッチ328、任意選択のエネルギー源330、および非一時的メモリ178を含むことができる。
【0060】
IGUコントローラ176は、
図11に示されるよりも多いまたは少ない要素を含むことができ、いくつかの機能が1つの機能ブロックに組み合わされている場合、またはいくつかの機能が複数の機能ブロックに分割されている場合などがそうである。IGUプロセッサ320は、1つ以上のプロセッサを含むことができ、プロセッサ320は、制御およびデータ線10(つまり、10a~10e)を介して、IGUコントローラ176の他の要素、ならびにメインコントローラ170と通信することができる。ECDモデル180(詳細は
図7Cに示されている)は、ECD124をエミュレートし、制御およびデータ線26を介してメインコントローラ170から任意選択の入力を受信し、エネルギー源330から任意選択の入力を受信し、設定された電圧プロファイル(SVP)を比較器322および電圧補償器326に出力し、調整された電圧プロファイルをコンパレータ322の別の入力および電圧プロファイルスイッチ328の入力に出力する。エネルギー源330は、ECDモデル180、したがってECD124に直接的または間接的のいずれかで電力を供給するための、電池システム、太陽電池システム、および/または発電機システムを有することができる。比較器322は、その入力上の2つの電圧プロファイルを比較し、比較結果を線10cを介してIGUプロセッサ320に通信することができる。IGUプロセッサ320は、比較結果を処理するか、または比較結果を処理のために電圧補償計算機324に送ることができる。IGUプロセッサ320または電圧補償計算機324は、ECD124のための補償パラメータを計算することができ、それにより、標準SVPがIGUに入力されるとき、次いでIGU内のECDが補償された電圧プロファイルから標準DTPを生成する。補償パラメータは、IGU200によって受信されるとSVPに適用するために電圧補償器326に格納され得る。スイッチ328は、どの回路が、ECD内に着色プロファイルを生成するためにECD124に出力される電圧プロファイルを供給するかを制御することができる。
【0061】
IGUコントローラ176を使用して、ECD124を特徴付け、SVPがIGUコントローラ176によって受信されたときに、ECD124に対応するSVPからDTPを生成させるために使用されるカスタム電圧補償パラメータを生成することができる。ECD124を特徴付けるために、ECDモデル180は、モデリングパラメータ(すなわち、R11、R12、R13、R21、R22、R23、Rg1、Rg2、Rg3、Rg4、Rg5、Rg6、およびコンデンサC1、C2、Cg1、Cg2)の初期値で始める。テスト電圧プロファイルは、メインコントローラ170またはエネルギー源330から受信され、ECDモデル180から、線14を介して比較器322およびスイッチ328の両方に出力され得る。テスト電圧プロファイルは、特徴付けられたECD内に第1のDTPを生成するように構成された第1のSVPに等しくすることができる。しかしながら、このECD124はまだ特徴付けられていないため、第1のSVPは、特徴付けプロセスにおいて使用することができる。
【0062】
ECD特徴付けプロセスの開始時には、補償パラメータは計算されていない。したがって、スイッチ328は、ECDモデル180からの入力を選択して、ECD124の電圧供給端子V1、V2、V3、V4を駆動する。ECD124に出力される初期電圧プロファイルは、第1のSVPにすることができる。
図8に示されるテストシステム210などのテストシステムを使用して、テスト電圧プロファイル(最初は第1のSVP)がECD124に適用されるとき、ECD124を横切る%透過レベル(または%着色レベル)を決定することができる。ECD124を横切る%透過レベルをテストすることによって、テスト着色プロファイルが確立され得る。ECDモデル180から出力されたテスト電圧プロファイルを調整し、ECD124を横切る%透過レベルをテストする反復プロセスによって、ECDの着色プロファイルは、第1のSVPに関連付けられている第1のDTPと実質的に一致するように調整され得る。着色プロファイルが第1のDTPと実質的に一致するとき、ECDモデル180は、調整された電圧プロファイルを一方のコンパレータ入力に出力し、第1のSVPを他方のコンパレータ入力に出力することができる。
【0063】
比較器322は、2つの電圧プロファイルを分析し、比較結果を線10cを介してIGUプロセッサ320に通信することができる。IGUプロセッサ320は、比較結果ならびに調整および設定された電圧プロファイルから、モデリングパラメータ(つまり、R11、R12、R13、R21、R22、R23、Rg1、Rg2、Rg3、Rg4、Rg5、Rg6、およびコンデンサC1、C2、Cg1、Cg2)に対して一意の値を決定することができる。IGUプロセッサ320は、モデリングパラメータの一意の値をECDモデル180に出力することができ、それは、これらの値をECDモデルに挿入して、ECDモデルをパーソナライズして、ECD124をエミュレートすることができる。ECDモデル180を実行することによって、IGUプロセッサ320は、電圧補償パラメータを計算するか、または必要なデータ(第1のSVPがECDモデル180の入力で受信されたときのECDモデル180における電圧および電流など)を電圧補償計算機324に伝達することができ、それは、電圧補償パラメータを計算することができる。電圧補償パラメータは、電圧補償器326に伝達することができ、それは、その入力の電圧プロファイルを、その出力の補償された電圧プロファイル(CVP)に自動的に調整することができる。
【0064】
ここで電圧補償パラメータが決定されると、スイッチ328は、線20を介して電圧補償器326からのCVP出力を選択することができる。次に、メインコントローラ170は、第1のSVPをECDモデル180の入力に伝達することができ、ECDモデル180は、線12bを介して電圧プロファイル326に電圧プロファイルを送ることができる。電圧補償器326は、電圧補償パラメータを入力電圧プロファイルに適用し、線20を介してスイッチ328にCVPを出力することができる。スイッチが線20を選択することに伴い、CVPがECD124に適用され、これは、第1のDTPと実質的に一致する着色プロファイルを生成する。
【0065】
メインコントローラ170が第2のSVPをECDモデル180の入力に伝達する場合、電圧プロファイルが、線12bを介して電圧補償器326に出力される。電圧補償器326は、電圧補償パラメータを入力電圧プロファイルに適用し、線20を介してスイッチ328にCVPを出力することができる。スイッチが線20を選択することに伴い、CVPがECD124に適用され、これは、第2のSVPに対応する第2のDTPと実質的に一致する着色プロファイルを生成する。
【0066】
図12は、一実施形態による、ECDモデルを使用してIGUを特徴付け、ECD内に所望の着色プロファイルを生成するためのプロセス(または方法)350の代表的なフローチャートを含む。動作352において、テスト電圧プロファイル(最初は第1のSVPに等しい)が、ECDに適用される。動作354において、テスト電圧プロファイルが、ECD内にテスト着色プロファイルを生成する。動作356において、テスト電圧プロファイルが、ECD内に第1のDTPを生成するために調整される。動作358において、モデリングパラメータが、調整された電圧プロファイルと第1のSVPとの間の比較に基づいて決定される。動作360において、モデリングパラメータが、ECDをモデル化するために使用される。動作362において、電圧補償パラメータが決定される。動作370において、第1のSVPがECDモデルに適用される。動作372において、CVPが、第1のSVPおよび電圧補償パラメータに基づいて計算される。動作374において、CVPが、ECD124に適用される。動作276において、CVPが、ECD124内に第1のDTPを生成する。
【0067】
同じ電圧補償パラメータを使用して、他のDTPを生成することができる。例えば、動作380において、第2のSVPがECDモデルに適用される。動作372において、CVPが、第2のSVPおよび電圧補償パラメータに基づいて計算される。動作374において、CVPが、ECD124に適用される。動作276において、CVPが、ECD124内に第2のDTPを生成する。
【0068】
多くの異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかが以下に説明される。例示的な実施形態は、以下に列記したもののうちのいずれか1つ以上に従うことができる。
【0069】
実施形態
実施形態1.複数の断熱ガラスユニット(IGU)を制御するための方法であって、各IGUは、可変着色プロファイルを備えたエレクトロクロミックデバイス(ECD)を有しており、方法は、テスト電圧プロファイルを第1のIGU内の第1のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、テスト電圧プロファイルに応答して、第1のECDに第1のテスト着色プロファイルを生成することであって、テスト電圧プロファイルが、最初は第1の設定された電圧プロファイル(SVP)に等しい、生成することと、第1のECD内に第1の所望の着色プロファイル(DTP)を生成するために、テスト電圧プロファイルを調整することと、第1のSVPと第1のECDのための調整されたテスト電圧プロファイルとの間の差に基づいて、第1のモデリングパラメータを決定することと、第1のECDモデルを介して、第1のモデリングパラメータに基づいて第1のECDをモデリングすることと、第1のECDモデルを介して第1の補償パラメータを決定することと、第1のSVPを第1のECDモデルに入力することと、第1の補償パラメータに基づいて第1のSVPを修正することによって、第1の補償された電圧プロファイル(CVP)を決定することと、第1のCVPを第1のECDのバスバーに適用することと、第1のCVPを第1のECDに適用することに応答して、第1のIGUの第1のECD内に第1のDTPを生成することと、を含む、方法。
【0070】
実施形態2.テスト電圧プロファイルを第2のIGU内の第2のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、テスト電圧プロファイルに応答して、第2のECD内に第2のテスト着色プロファイルを生成することであって、テスト電圧プロファイルが、最初は第1のSVPに等しい、生成することと、第2のECD内に第1のDTPを生成するために、テスト電圧プロファイルを調整することと、第1のSVPと第2のECDのための調整されたテスト電圧プロファイルとの間の差に基づいて、第2のモデリングパラメータを決定することと、第2のECDモデルを介して、第2のモデリングパラメータに基づいて第2のECDをモデリングすることと、第2のECDモデルを介して第2の補償パラメータを決定することと、第1のSVPを第2のECDモデルに入力することと、第2の補償パラメータに基づいて第1のSVPを修正することによって、第2のCVPを決定することと、第2のCVPを第2のECDのバスバーに適用することと、第2のCVPを第2のECDに適用することに応答して、第2のIGUの第2のECD内に第1のDTPを生成することと、をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
【0071】
実施形態3.第2のSVPを第1のECDモデルに入力することと、第1の補償パラメータに基づいて第2のSVPを修正することによって、第3のCVPを決定することと、第3のCVPを第1のECDのバスバーに適用することと、第3のCVPを第1のECDに適用することに応答して、第1のIGUの第1のECD内に第2のDTPを生成することと、をさらに含む、実施形態2に記載の方法。
【0072】
実施形態4.第2のSVPを第2のECDモデルに入力することと、第2の補償パラメータに基づいて第2のSVPを修正することによって、第4のCVPを決定することと、第4のCVPを第2のECDのバスバーに適用することと、第4のCVPを第2のECDに適用することに応答して、第2のIGUの第2のECD内に第2のDTPを生成することと、をさらに含む、実施形態3に記載の方法。
【0073】
実施形態5.第1のDTPが、勾配着色プロファイルであり、勾配着色プロファイルが、第1のECDの別の領域における着色レベルとは異なる第1のECDの1つの領域における着色レベルを含む、実施形態3に記載の方法。
【0074】
実施形態6.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部におけるフル着色レベルから第1のECDの下部におけるフルクリアレベルに移行する、実施形態5に記載の方法。
【0075】
実施形態7.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部における10%の着色レベルから第1のECDの下部におけるフルクリアレベルに移行する、実施形態5に記載の方法。
【0076】
実施形態8.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部における10%の着色レベルから第1のECDの下部におけるフル着色レベルに移行する、実施形態5に記載の方法。
【0077】
実施形態9.第1のモデリングパラメータが、第1のECD内のバスバーの構成、バスバーの各々のインピーダンス、第1のECDの各導電層のシート抵抗、第1のECDのサイズ、第1のECDの温度、第1のECDの所望の着色レベル、バスバー間の電圧差、バスバーに供給される推定電流、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態1に記載の方法。
【0078】
実施形態10.第1のECDが、上部および下部ゾーンを備え、少なくとも第1および第3のバスバーが上部ゾーン内に位置し、少なくとも第2および第4のバスバーが下部ゾーン内に位置している、実施形態9に記載の方法。
【0079】
実施形態11.上部および下部ゾーンが、第1のECDの導電層を共有し、それにより、電流が、上部ゾーンにおいて第1のバスバーと第3のバスバーとの間に流れるか、電流が、下部ゾーンにおいて第2のバスバーと第4のバスバーとの間に流れるか、電流が、上部ゾーンと下部ゾーンとの間に流れるか、またはそれらの組み合わせである、実施形態10に記載の方法。
【0080】
実施形態12.第1のECDモデルが、上部ゾーン内、下部ゾーン内、および上部ゾーンと下部ゾーンとの間を流れる電流を推定する、実施形態11に記載の方法。
【0081】
実施形態13.上部ゾーンと下部ゾーンの間を流れる電流が、勾配形成漏れ電流であり、第1のECDモデルが、勾配形成漏れ電流を予測する、実施形態11に記載の方法。
【0082】
実施形態14.メインコントローラ、非一時的なメモリストレージ、センサ、またはそれらの組み合わせから、第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上を受信するECDコントローラをさらに備える、実施形態9に記載の方法。
【0083】
実施形態15.ECDコントローラによって受信された第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上が、第1のECD内のバスバーの構成、バスバーの各々のインピーダンス、第1のECDの各導電層のシート抵抗、第1のECDのサイズ、第1のECDの温度、第1のECDの所望の着色レベル、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態14に記載の方法。
【0084】
実施形態16.第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上を計算するECDコントローラをさらに備え、第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上が、バスバー間の電圧差、バスバーに供給される推定電流、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態9に記載の方法。
【0085】
実施形態17.第1のECDの温度が、温度センサを介して収集され、ECDコントローラに転送され、第1のECDの温度が、リアルタイムで更新され、第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上が、第1のECDの温度の変化に基づいて更新される、実施形態16に記載の方法。
【0086】
実施形態18.第1のECDモデルが、少なくとも4つ以上のバスバーの複数の対のバスバーの各々に対して等価インピーダンスを確立する、等価インピーダンスモデルである、実施形態1に記載の方法。
【0087】
実施形態19.各々が可変着色プロファイルを有する複数のエレクトロクロミックデバイス(ECD)を制御するための方法であって、方法が、初期テスト電圧プロファイルを第1のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、初期テスト電圧プロファイルに応答して、第1のECD内に第1のテスト着色プロファイルを生成することと、第1のECD内に第1の所望の着色プロファイル(DTP)を生成するために、初期テスト電圧プロファイルを調整することと、初期テスト電圧プロファイルの調整に基づいて、第1のモデリングパラメータを決定することと、第1のECDモデルを介して、第1のモデリングパラメータに基づいて第1のECDをモデリングすることと、第1のECDモデルを介して第1の補償パラメータを決定することと、第1の補償パラメータに基づいて初期テスト電圧プロファイルを修正することによって、第1の補償された電圧プロファイル(CVP)を決定することと、第1のCVPを第1のECDに適用することに応答して、第1のECD内に第1のDTPを生成することと、を含む、方法。
【0088】
実施形態20.初期テスト電圧プロファイルを第2のECDの4つ以上のバスバーに適用することと、初期テスト電圧プロファイルに応答して、第2のECD内に第2のテスト着色プロファイルを生成することと、第2のECD内に第1のDTPを生成するために、テスト電圧プロファイルを調整することと、初期テスト電圧プロファイルの調整に基づいて、第2のモデリングパラメータを決定することと、第2のECDモデルを介して、第2のモデリングパラメータに基づいて第2のECDをモデリングすることと、第2のECDモデルを介して第2の補償パラメータを決定することと、第2の補償パラメータに基づいて初期テスト電圧プロファイルを修正することによって、第2のCVPを決定することと、第2のCVPを第2のECDに適用することに応答して、第2のECD内に第1のDTPを生成することと、をさらに含む、実施形態19に記載の方法。
【0089】
実施形態21.第1の設定された電圧プロファイル(SVP)を第1のECDモデルに入力することと、第1の補償パラメータに基づいて第1のSVPを修正することによって、第3のCVPを決定することと、第3のCVPを第1のECDのバスバーに適用することと、第3のCVPを第1のECDに適用することに応答して、第1のECD内に第2のDTPを生成することと、をさらに含む、実施形態20に記載の方法。
【0090】
実施形態22.第1のSVPを第2のECDモデルに入力することと、第2の補償パラメータに基づいて第1のSVPを修正することによって第4のCVPを決定することと、第4のCVPを第2のECDのバスバーに適用することと、第4のCVPを第2のECDに適用することに応答して、第2のECD内に第2のDTPを生成することと、をさらに含む、実施形態21に記載の方法。
【0091】
実施形態23.第1のDTPまたは第2のDTPが、勾配着色プロファイルであり、勾配着色プロファイルが、第1のECDの別の領域における着色レベルとは異なる第1のECDの1つの領域における着色レベルを含み、ECDコントローラが、ECDを第1のDTPから第2のDTPに切り替えることができる、実施形態21に記載の方法。
【0092】
実施形態24.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部におけるフル着色レベルから第1のECDの下部におけるフルクリアレベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0093】
実施形態25.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部における10%の着色レベルから第1のECDの下部におけるフルクリアレベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0094】
実施形態26.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部における10%の着色レベルから第1のECDの下部におけるフル着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0095】
実施形態27.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルから、第1のECDの下部でのフル着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0096】
実施形態28.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部20%でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルから、第1のECDの下部20%でのフル着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0097】
実施形態29.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部20%でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルから、第1のECD.30の下部でのフル着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0098】
実施形態30.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部でのフル着色レベルから、第1のECDの下部でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0099】
実施形態31.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部20%でのフル着色レベルから、第1のECDの下部20%でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0100】
実施形態32.勾配着色プロファイルが、第1のECDの上部20%でのフル着色レベルから、第1のECDの下部でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0101】
実施形態33.勾配着色プロファイルが、第1のECDの左下隅でのフル着色レベルから、第1のECDの右上隅でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0102】
実施形態34.勾配着色プロファイルが、第1のECDの左下隅でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルから、第1のECDの右上隅でのフル着色レベルに移行する、実施形態2に記載3の方法。
【0103】
実施形態35.勾配着色プロファイルが、第1のECDの左上隅でのフル着色レベルから、第1のECDの右下隅でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0104】
実施形態36.勾配着色プロファイルが、第1のECDの左下隅でのフルクリア、62%、61%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、または2%の透過レベルである着色レベルから、第1のECDの右上隅でのフル着色レベルに移行する、実施形態23に記載の方法。
【0105】
実施形態37.第1のDTPまたは第2のDTPが、フルクリア着色を有することができるか、フル着色プロファイルを有することができるか、部分的着色プロファイルを有することができるか、ECDにわたって実質的に均一な着色レベルを有することができるか、ECDにわたって連続勾配着色レベルを有することができるか、または実質的に均一な着色レベルを有する部分と連続勾配着色レベルを有する別の部分との組み合わせを有することができる、実施形態21に記載の方法。
【0106】
実施形態38.第1のモデリングパラメータが、第1のECD内のバスバーの構成、バスバーの各々のインピーダンス、第1のECDの各導電層のシート抵抗、第1のECDのサイズ、第1のECDの温度、第1のECDの所望の着色レベル、バスバー間の電圧差、バスバーに供給される推定電流、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態19に記載の方法。
【0107】
実施形態39.第1のECDが、上部および下部ゾーンを備え、少なくとも第1および第3のバスバーが上部ゾーン内に位置し、少なくとも第2および第4のバスバーが下部ゾーン内に位置している、実施形態38に記載の方法。
【0108】
実施形態40.上部および下部ゾーンが、第1のECDの導電層を共有し、それにより、電流が、上部ゾーンにおいて第1のバスバーと第3のバスバーとの間に流れるか、電流が、下部ゾーンにおいて第2のバスバーと第4のバスバーとの間に流れるか、電流が、上部ゾーンと下部ゾーンとの間に流れるか、またはそれらの組み合わせである、実施形態39に記載の方法。
【0109】
実施形態41.第1のECDモデルが、上部ゾーン内、下部ゾーン内、および上部ゾーンと下部ゾーンとの間を流れる電流を推定する、実施形態40に記載の方法。
【0110】
実施形態42.上部ゾーンと下部ゾーンとの間を流れる電流が、勾配形成漏れ電流であり、第1のECDモデルが、勾配形成漏れ電流を予測する、実施形態40に記載の方法。
【0111】
実施形態43.メインコントローラ、非一時的なメモリストレージ、センサ、またはそれらの組み合わせから、第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上を受信するECDコントローラをさらに備える、実施形態38に記載の方法。
【0112】
実施形態44.ECDコントローラによって受信された第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上が、第1のECD内のバスバーの構成、バスバーの各々のインピーダンス、第1のECDの各導電層のシート抵抗、第1のECDのサイズ、第1のECDの温度、第1のECDの所望の着色レベル、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態43に記載の方法。
【0113】
実施形態45.第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上を計算するECDコントローラをさらに備え、第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上が、バスバー間の電圧差、バスバーに供給される推定電流、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態38に記載の方法。
【0114】
実施形態46.第1のECDの温度が、温度センサを介して収集され、ECDコントローラに転送され、第1のECDの温度が、リアルタイムで更新され、第1のモデリングパラメータのうちの1つ以上が、第1のECDの温度の変化に基づいて更新される、実施形態45に記載の方法。
【0115】
実施形態47.第1のECDモデルが、少なくとも4つ以上のバスバーの複数の対のバスバーの各々に対して等価インピーダンスを確立する、等価インピーダンスモデルである、実施形態19に記載の方法。
【0116】
本開示は、様々な修正および代替形態の影響を受けやすい可能性があるが、特定の実施形態は、例として図面および表に示され、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、実施形態は、開示された特定の形態に限定されることを意図されていないことを理解されたい。むしろ、本開示は、以下の添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨および範囲内にあるすべての修正、同等物、および代替物を網羅することである。さらに、個々の実施形態が本明細書で論じられているが、本開示は、これらの実施形態のすべての組み合わせを網羅することを意図している。
【0117】
上記の一般的な説明または例で説明した機能のすべてが必要なわけではなく、特定の機能の一部は必要でない場合があり、説明した機能に加えて1つ以上の機能を実施することができることに留意されたい。さらにまた、機能が記載される順序は、必ずしも実施される順序ではない。
【0118】
明確にするために、本明細書で別々の実施形態の文脈で説明されている特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできる。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている様々な特徴は、別個にまたは任意のサブコンビネーションで提供することもできる。さらに、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。
【0119】
利益、他の利点、および問題に対する解決策は、特定の実施形態に関して上記で説明されている。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、および任意の利益、利点、もしくは解決策が発生またはより顕著になる可能性のある任意の特徴(複数可)は、いずれかまたはすべての特許請求の範囲の重要な、必須の、または本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0120】
本明細書に記載された実施形態の明細書および例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図する。明細書および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムのすべての要素および特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される様々な特徴もまた、別個にまたは任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で述べられた値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。本明細書を読んだだけで、多くの他の実施形態が当業者には明らかであり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または別の変更を行うことができるように、本開示から他の実施形態が使用され、かつ導出され得る。したがって、本開示は限定的ではなく、例示的とみなされるべきである。