(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】複数の金融商品及び/または制度を提案する方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/06 20120101AFI20221108BHJP
【FI】
G06Q40/06
(21)【出願番号】P 2022044971
(22)【出願日】2022-03-22
【審査請求日】2022-09-05
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年3月8日、ウェブサイト<https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000049079.html>にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年1月18日、ウェブサイト<https://moneiro.jp/simulation/3min>にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年1月18日、ウェブサイト<https://www.instagram.com/moneiro_money/>にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521523062
【氏名又は名称】株式会社モニクル
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】原田 慎司
(72)【発明者】
【氏名】瓜田 雅和
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-068170(JP,A)
【文献】特開2004-295492(JP,A)
【文献】特開2002-073968(JP,A)
【文献】特開2002-140529(JP,A)
【文献】国際公開第2017/221448(WO,A1)
【文献】特表2020-532029(JP,A)
【文献】個人向け金融アドバイスアプリ「Monedge(マネッジ)」,[online],ソニー銀行,2021年03月30日,https://web.archive.org/web/20210330212024/https://moneykit.net/lp/app/monedge/,[2022年9月8日検索],インターネット
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ端末とネットワークを介して接続するユーザ端末に対して、ユーザにライフプランにマッチする金融商品及び/または制度を提案する方法であって、
前記サーバ端末は、前記ユーザ端末から、ユーザの基本情報、現在資産情報、支出情
報、将来情報及び運用情報を含む入力情報を受信し、
前記
将来情報を基に、前記ユーザ
の目標資金を算出し、
前記運用情報を基に、前記ユーザの将来資産を算出し、
前記目標資金と前記将来資産とを比較し、
前記比較した結果を基に、前記目標資金を満たすために必要な将来資産を備えるための
複数の金融商品及
び制度に関する情報を、前記ユーザ端末に送信
し、
前記将来情報は、前記ユーザの、将来の住居形態、引退時期、老後の理想となる生活形態、将来備えるべき介護費用、及び将来養育すべき関係者に関する情報のいずれか、または組合せからなり、
前記運用情報は、少なくとも、前記ユーザの現在の投資情報及び積立投資を継続可能な期間を含み、
少なくとも、前記運用情報に基づいて、複数の前記金融商品及び/または制度に関する情報を生成し、前記生成した、複数の金融商品及び制度に関する情報を前記ユーザ端末に送信する、
方法。
【請求項2】
前記基本情報は、前記ユーザの職種、就労年数、貯蓄額、及び保有する金融資産のいずれか、または組合せからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記支出情報は、前記ユーザの生活費及び現在の住居形態のいずれか、または組合せからなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金融商品情報は、積立投資商品及び一括投資商品のいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の金融商品及び/または制度を提案する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブページ上でユーザが必要情報を入力し、入力された情報を基に、ユーザのライフプランシミュレーションを実施し、その結果をユーザに対して表示する方法が普及している。
【0003】
例えば、特許文献1に、ユーザから必要情報を受け付け、ライフステージ別に収支情報を可視化して表示させる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術によって、ユーザのライフステージの全期間に渡り予想される収支情報を俯瞰的に、ユーザに対し示すことは可能であるが、ユーザがめざす老後の在り方に近づくためのアプローチを示すことは開示されていない。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザのライフプランに対するアプローチを具体的、かつ、効果的に示す方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における、サーバ端末とネットワークを介して接続するユーザ端末に対して、ユーザにライフプランにマッチする金融商品及び/または制度を提案する方法であって、前記サーバ端末は、前記ユーザ端末から、ユーザの基本情報、現在資産情報、支出情報、将来情報及び運用情報のいずれかまたは組合せを含む入力情報を受信し、前記入力情報を基に、前記ユーザの将来資産及び目標資金を算出し、前記目標資金と前記将来資産とを比較し、前記比較した結果を基に、前記目標資金を満たすために必要な将来資産を備えるための金融商品及び/または制度に関する情報を、前記ユーザ端末に送信する
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザのライフプランに対するアプローチを具体的、かつ、効果的に示す方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る、金融商品及び/または制度の提案システムを示すブロック構成図である。
【
図2】
図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
【
図3】
図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。
【
図4】サーバ100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【
図5】サーバ100に格納される診断データの一例を示す図である。
【
図6】サーバ100に格納される入力データの一例を示す図である。
【
図7】サーバ100に格納されるデータの一例を示す図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る、金融商品及び/または制度の提案方法に係るフローチャートの一例である。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る、入力データと提案される金商品データの一例である。
【
図10】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末200に表示される画面例である。
【
図11】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末200に表示される画面例である。
【
図12】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末200に表示される画面例である。
【
図13】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末200に表示される画面例である。
【
図14】本発明の第一実施形態に係る、ユーザ端末200に表示される画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0011】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る本人確認を示すブロック構成図である。本システム1において、各ユーザは、ユーザ端末200A、200Bを各々操作することで、サーバ端末100により提供される、ユーザのライフプランに基づいた金融商品及び/または制度の提案に関する診断サービスを、そのウェブサイトまたはアプリケーション等のソフトウェアを介して利用する。
【0012】
ここで、サーバ端末100及びユーザ端末200A、200Bの各々は、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0013】
サーバ端末100は、ユーザのライフプランに基づいた金融商品及び/または制度の提案に関する診断サービスを提供する事業者により運営される装置であり、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0014】
ユーザ端末200A、200Bは、サーバ端末100により提供されるウェブサイトを介してサービスを利用するユーザにより利用される装置であって、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA、その他インターネットまたはモバイル通信等のネットワークを介して接続される装置等により構成しても良い。ユーザ端末200A、200Bは各々(図示しない)ブラウザまたはアプリケーション等のソフトウェアを備えており、ユーザは、ブラウザを介してサーバ端末100により提供されるウェブサイトにアクセスすることで、上記事業者により提供されるサービスを利用する。
【0015】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100と、ユーザ端末200A、200Bとを有し、各々のユーザが、ユーザ端末200A、200Bを利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成され、サーバ端末自身に、各ユーザが操作を行う機能を備えても良い。なお、説明の便宜のため、ユーザ端末200A、200Bを総称して「ユーザ端末200」として、以下説明を行う。
【0016】
図2は、
図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0017】
通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0018】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ、診断データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等から構成される。また、記憶部120は、ユーザに関連する各種データを格納する、ユーザデータ格納部121、ユーザのライフプランに関する入力データや入力データに対応して提案される金融情報データ等の診断データを格納する、診断データ格納部122等を有する。さらに、記憶部120は、ユーザ端末200と通信を行ったデータを一時的に記憶することもできる。なお、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0019】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、ユーザ端末200からの入力を受け付ける指示受付部131と、ユーザに関連する各種データを参照し、処理する、ユーザデータ処理部132と、ユーザの本人確認に関する処理を行う診断処理部133とを有する。この指示受付部131、ユーザデータ処理部132、診断処理部133は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるサーバ端末100により実行される。
【0020】
指示受付部131は、サーバ端末100が提供し、ユーザ端末200において、ウェブブラウザまたはアプリケーションを介して表示される画面等のユーザインターフェースを介して、ユーザが、(クリック、タップ、スワイプしたり、キーワードを入力したり、アイコンを押下する等して)所定の入力を行ったとき、ユーザ端末200から通信部110を介して指示を受付ける。
【0021】
ユーザデータ処理部132は、ユーザに関連する各種データ(例えば、ユーザID、ユーザの基本情報、診断情報、予約情報等)を管理し、処理を行う。
【0022】
診断処理部133は、ユーザ端末200から取得した入力データを基に、ユーザの将来に備えて準備すべき金額及び現状ユーザが投資に充てられる金額を診断し、ユーザが所定金額について預貯金を継続した場合及び投資を行った場合各々の合計金額と将来準備すべき金額とを比較したり、ユーザの入力データにマッチする金融商品及び/または制度を決定したり、等の処理を行う。
【0023】
図3は、
図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを備える。
【0024】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0025】
表示操作部220は、ユーザが指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、ユーザ端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、ユーザ端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるユーザ端末200により実行される。表示操作部を介して、ユーザは、キーボードの場合は、キーボードの押下、マウスの場合は、マウスによりカーソルの移動、タッチパネルの場合は、タップ、スワイプ、ピンチ操作等を行うことができる。
【0026】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0027】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0028】
なお、サーバ端末100に表示操作部の機能を備える構成としても良く、この場合、ユーザ端末200を備えない構成としても良い。
【0029】
図4は、サーバ100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【0030】
図4に示すユーザデータ1000は、ユーザに関連する各種データを格納する。
図4において、説明の便宜上、一ユーザ(ユーザID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数のユーザの情報を格納することができる。ここで、「ユーザ」とは、サーバ端末100により提供される、ユーザのライフプランに基づいた金融商品及び/または制度の提案に関する診断サービスを利用する利用者を含むがこれに限られない。ユーザに関連する各種データとして、例えば、ユーザの基本情報(例えば、氏名、住所、連絡先等)、診断情報(例えば、後述の診断データに含まれる情報等)、予約情報(例えば、ユーザが上記診断サービスを利用したことを踏まえて、アドバイザーによる相談サービスやセミナー等のサービスを受けるための日時や担当者/講師等の予約情報等)を格納することができる。
【0031】
図5は、サーバ100に格納される診断データの一例を示す図である。
【0032】
図5に示す診断データ2000は、ユーザのライフプランに基づいた金融商品及び/または制度の提案に関する情報を含む、各種診断データを格納する。
図5において、説明の便宜上、一ユーザの診断情報(診断ID「20001」で識別されるデータ)の例を示すが、複数ユーザの診断情報を格納することができる。診断に関連する各種データとして、例えば、ユーザを識別する識別情報(例えば、ユーザID等)、入力データ(後述する、ユーザによる選択または入力される各種入力情報等)、金融商品及び/または制度の関するデータ(例えば、ユーザの入力に基づいて決定され、提案される金融商品及び/または制度に関する情報等)、コンシェルジュデータ(例えば、ユーザが診断サービスを利用した診断結果に基づいてユーザのライフプランについてアドバイスを行うアドバイザーに関する情報等)、及びセミナーデータ(例えば、ユーザが診断サービスを利用した診断結果に基づいて受講されるセミナーに関する情報等)等の情報を格納することができる。
【0033】
図6は、サーバ100に格納される入力データの一例を示す図である。
【0034】
図6に示すように、入力データは、ユーザのライフプランに基づいて、ユーザの将来に備えて準備すべき金額及び現状ユーザが投資に充てられる金額を診断し、ユーザが所定金額について預貯金を継続した場合及び投資を行った場合各々の合計金額と将来準備すべき金額とを比較したり、ユーザの入力データにマッチする金融商品及び/または制度を決定したりするために必要な、ユーザによって選択あるいは入力されるべき、入力情報である。入力データは、大項目として、ユーザの基本情報、ユーザの現在の資産情報、ユーザの現在の支出情報、ユーザの将来想定しているライフプランに関する将来情報、及び現在の投資の運用に関する運用情報が含まれる。また、中項目として、基本情報に対して、ユーザの性別、年齢、婚姻状況等の中項目、現在の資産情報に対して、ユーザの年収、職種、就労年数、貯蓄額、及び保有する金融資産が含まれ、支出情報として、ユーザの生活費及び現在の住居形態等の情報が含まれ、将来情報として、ユーザの、将来の住居形態、引退時期、老後の理想となる生活形態、将来備えるべき介護費用、及び将来養育すべき関係者に関する情報等が含まれ、また、運用情報はとして、ユーザの現在の投資情報及び積立投資を継続可能な期間に関する情報が含まれる。さらに、基本情報、支出情報、将来情報及び運用情報の各々について、小項目として、ユーザに選択または入力される回答や金額に関する情報が含まれる。
【0035】
図7は、サーバ100に格納される金融商品及び/または制度に関するデータの一例を示す図である。
【0036】
図7に示すように、金融商品及び/または制度に関するデータとして、投資商品が含まれ、積立型の投資商品及び一括型の投資商品が含まれる。積立型投資商品として、投資信託(積立)、個人年金、変額保険、つみたてNISA、iDeCo等が含まれ、また、一括型投資商品として、投資信託(一括)、外貨建て終身保険、債券等が含まれる。なお、上記金融商品及び/または制度は、その商品若しくは制度の変更に伴い、または、新規の商品若しくは制度の導入に伴って、適宜変更または更新され得る。
【0037】
図8は、本発明の第一実施形態に係る、金融商品及び/または制度の提案方法に係るフローチャートの一例である。
【0038】
ここで、本システム1を利用するために、ユーザ端末200にはブラウザまたはアプリケーション等のソフトウェアがインストールされており、ユーザは、ブラウザまたはアプリケーション等のソフトウェアを起動し、サーバ端末100によって提供される所定のウェブサイトにアクセスし、メールアドレス等を通じてユーザ登録することで、例えば、
図10に示すような診断画面が提示され、以下の処理に進む。
【0039】
ここで、SQ101として、ユーザは、基本情報(例えば、性別、年齢、婚姻状況等)を入力し、サーバ端末100に送信する。サーバ端末100は、SQ102として、受信した基本情報を、記憶部120のユーザデータ格納部121に記憶する。
【0040】
続いて、SQ103として、ユーザは、現在資産情報(例えば、年収、職種、就労年数、現在貯蓄額、現在の保有金融資産等)を入力し、サーバ端末100に送信する。サーバ端末100は、SQ104として、受信した現在資産情報を、記憶部120のユーザデータ格納部121に記憶する。
【0041】
続いて、SQ105として、ユーザは、支出情報(例えば、現在の生活費、現在の住居形態等)を入力し、サーバ端末100に送信する。サーバ端末100は、SQ106として、受信した支出情報を、記憶部120のユーザデータ格納部121に記憶する。
【0042】
続いて、SQ107として、ユーザは、将来情報(例えば、将来考える住居形態、引退時期、どのような老後生活を送りたいか、自らまたは家族の介護費用(介護形態)、万一のときに困る人等)を入力し、サーバ端末100に送信する。サーバ端末100は、SQ108として、受信した将来情報を、記憶部120のユーザデータ格納部121に記憶する。
【0043】
続いて、SQ109として、ユーザは、運用情報(例えば、現在の投資情報、積立投資を継続可能な期間等)を入力し、サーバ端末100に送信する。サーバ端末100は、SQ110として、受信した将来情報を、記憶部120のユーザデータ格納部121に記憶する。なお、SQ101、103、105、107、109の送信処理は、各々入力された情報をユーザ端末2からサーバ端末1に対して一括で送信されてもよい。また、上記SQ101、103、105、107、109に関連する、ユーザによる入力情報は、いずれか、または、その組み合わせであっても良い。
【0044】
次に、サーバ端末100の制御部130は、ユーザ端末100から受信し、記憶部120に格納した、上記基本情報、現在資産情報、支出情報、将来情報及び運用情報を基に、診断処理を実行する。
【0045】
診断処理について、SQ112として、サーバ端末100の制御部130は、目標資金情報を算出し、ユーザ端末200に送信する。例えば、ユーザから
図9に示すような入力データを受信した場合、目標資金情報として、例えば、老後の必要生活費、老後の住宅ローン残高、介護費用、年金受給金額、各種税金の課税内容や状況及び現在保有している金融資産を含む財産の状況等を基に必要な将来資金が算出される。ここで、婚姻状況について「配偶者あり」との入力があった場合は、二人分の資金として算出することができる。ここで、生活費及び介護費用については、例えば、外部の統計データ等を用いることができる。また、概算年金受給額について、退職年齢を基に試算することができる。また、個人年金、生命保険の解約金、退職金等を別途参照することもできるがこの限りでなはい。さらに、税金についても、老後の固定資産税等、一定の前提条件に基づく試算値とすることができる。なお、上記目標資金情報の算出方法は一例であり、この限りではない。サーバ端末100からユーザ端末200に送信された目標資金情報は、例えば、
図11に示すように、ユーザ端末100において表示される。
【0046】
また、診断処理について、SQ113として、サーバ端末100の制御部130は、投資可能金額情報を算出し、ユーザ端末200に送信する。例えば、ユーザから
図9に示すような入力データを受信した場合、月々の投資可能金額情報として、毎月の貯金可能額5万円と毎月の積立額3万円の合計額として8万円を試算する。サーバ端末100からユーザ端末200に送信された投資可能金額情報は、例えば、
図12(a)に示すように、ユーザ端末100において表示される。
【0047】
また、診断処理について、SQ114として、サーバ端末100の制御部130は、将来資産情報を算出し、ユーザ端末200に送信する。例えば、ユーザから
図9に示すような入力データを受信した場合、将来資産額として、上記月々の投資可能金額8万円を退職年齢として入力された65歳まで投資を継続し、所定の年利(例えば、年利6%複利)で運用した場合の金額(本例では、約11400万円)を試算する。
【0048】
また、診断処理について、SQ115として、サーバ端末100の制御部130は、上記算出した将来資産情報と目標資金情報を比較した比較情報を生成し、ユーザ端末200に送信する。サーバ端末100からユーザ端末200に送信された比較情報は、例えば、
図12(b)に示すように、ユーザ端末100において表示される。これにより、ユーザは、将来必要な資金に対して、投資により形成される将来資産が上回るか、下回るかを視認することができ、容易に将来の資産をイメージすることができる。ここで、
図12(b)に示すように、サーバ端末100は、将来資産情報として、ユーザが投資を継続した場合の将来資産情報のほか、ユーザが預貯金を継続した場合の将来資産情報を生成し、ユーザ端末200に表示させることができる。これにより、ユーザは、将来必要な資金に対して、預貯金により将来資産を形成する場合と、投資により将来資産を形成する場合とを比較することができ、投資によるメリットを、金額の差異を視認しながら理解することができる。
【0049】
また、診断処理について、SQ116として、サーバ端末100の制御部130は、上記算出した将来資産情報を形成するために、ユーザとマッチする推奨金融商品及び/または制度に関する情報を生成し、ユーザ端末200に送信する。サーバ端末100からユーザ端末200に送信された推奨金融商品及び/または制度に関する情報は、例えば、
図13に示すように、ユーザ端末100において表示される。ここで、本実施形態において、
図13に示すように、ユーザに対して、複数の金融商品及び/または制度を推奨することを特徴としている。例えば、
図13に示すように、積立投資商品として、投資信託(積立)、個人年金、変額保険を、推奨度の高い商品として推奨し、条件次第で推奨する商品として、つみたてNISA、iDeCo等を、推奨度が中程度の商品として推奨することができる。さらに、
図13の例において、一括投資商品として、外貨建て終身保険、投資信託(一括)、債券等を推奨することができる。これにより、ユーザは、将来資産の形成のため、複数の金融商品及び/または制度の選択肢の中からいずれかの商品または組合せを基に投資検討を行うことができ、このように、ユーザに対して柔軟な選択肢を提供することができる。サーバ端末100は、上記診断結果を、記憶部120に診断データ格納部122に診断データとして記憶する。ここで、推奨商品を決定する基準として、例えば、現在60歳手前のユーザがiDeCoを活用しようとしても、運用できる期間が短く、将来資金の形成に寄与できる範囲は限定的という判断ができるので、他の商品を推奨対象とする等、各金融商品及び/または制度に対し、ユーザ入力を基に判定される、財務的余力、投資可能期間、税制メリット及び保障の必要性に基づいて、投資対象となる金融商品及び/または制度と、「積立」及び「一括」のいずれかと、が決定される。また、ここで、上記推奨する金融商品及び/または制度は、その商品若しくは制度の変更に伴い、または、新規の商品若しくは制度の導入に伴って、適宜変更または更新され得る。
【0050】
次に、診断結果の提供に続く予約処理について、SQ117として、サーバ端末100の制御部130は、上記診断結果を基に、ユーザに対して資産形成のためのアドバイスを行うコンシェルジュに相談するための情報をユーザ端末200に送信する。例えば、
図13に示すように、診断結果及び/または推奨金商品情報と同じウェブページに、診断結果を基にコンシェルジュに相談できる旨の情報と、コンシェルジュ相談のための予約を行うためのリンクを表示させることができる。なお、SQ112乃至117の処理について、各々の情報をサーバ端末1からユーザ端末2に対して一括で送信されてもよい。
【0051】
続いて、予約処理について、SQ118として、ユーザは、サーバ端末100に対し、コンシェルジュと相談するための日程予約を要求する。例えば、
図13に示す、「近い空き日程を見る」といった、相談予約を行うためのリンクを選択することで、ユーザ端末200より、サーバ端末100に予約要求が送信され、サーバ端末100は、予約要求に対し、
図14に示すような日程候補を送信し、ユーザが所望の日時を選択することで、ユーザ端末200よりサーバ端末100に対して日時指定要求が送信される。
【0052】
続いて、SQ119として、サーバ端末100の制御部130は、ユーザが指定した日時を相談日程として決定する処理を行い、予約日時を、記憶部120のユーザデータ格納部121にユーザデータとして記憶する。SQ119として、サーバ端末100は、ユーザ端末200に対し、確定した予約日時に関する情報を予約結果情報として送信する。ここで、ユーザは、コンシェルジュとの相談に際して、または、相談後に、コンシェルジュ端末とインターネットを介して接続し、コンシェルジュ端末からメールまたはチャットアプリケーション等を介してアドバイス等のメッセージを受信することができ、また、会話等のコミュニケーション等を行うことができる。
【0053】
また、診断結果の提供に続く予約処理について、コンシェルジュとの相談とともに、または、コンシェルジュとの相談に替えて、SQ121として、サーバ端末100の制御部130は、上記診断結果を基に、ユーザに対して提供されるセミナーに関する情報をユーザ端末200に送信することもできる。例えば、
図13と同様、診断結果及び/または推奨金商品情報と同じウェブページに、診断結果に関連するセミナーに関する情報と、セミナーに参加するための予約を行うためのリンクを表示させることができる。
【0054】
また、予約処理について、SQ122として、ユーザは、サーバ端末100に対し、セミナーに参加するための日程予約を要求する。例えば、
図13に示す例と同様、「近い空き日程を見る」といった、参加予約を行うためのリンクを選択することで、ユーザ端末200より、サーバ端末100に予約要求が送信され、サーバ端末100は、予約要求に対し、
図14に示すような日程候補を送信し、ユーザが所望の日時を選択することで、ユーザ端末200よりサーバ端末100に対して日時指定要求が送信される。
【0055】
続いて、SQ123として、サーバ端末100の制御部130は、ユーザが指定した日時を、セミナー参加日程として決定する処理を行い、予約日時を、記憶部120のユーザデータ格納部121にユーザデータとして記憶する。SQ124として、サーバ端末100は、ユーザ端末200に対し、確定した予約日時に関する情報を予約結果情報として送信する。このように、ユーザの将来資産の診断及び金融商品及び/または制度を推奨する事業者は、診断結果を提供するとともに、コンシェルジュとの相談及び/または関連するセミナーへの参加のためのリンクを提供することで、ユーザに対し、診断結果及び金融商品及び/または制度に対する理解を深める場を提供することができるとともに、スムーズな相談または参加予約を行うよう誘導することができる。
【0056】
また、変形例として、セミナー受講後の完了画面に、上記診断画面を通じた診断を利用できるよう、ウェブページまたはアプリケーション等にアクセスまたは起動するためのリンクを表示したり、上記コンシェルジュへの相談予約または相談後の完了画面に、上記診断画面を通じた診断を利用できるよう、ウェブページまたはアプリケーション等にアクセスまたは起動するためのリンクを表示したりすることもできる。これにより、ユーザは、セミナーまたはコンシェルジュ相談後に、直ちに、自身のライフプランに基づいて利用すべき金融商品や制度を知るために診断を受けることができ、セミナーや相談の成果をより高めることができる。
【0057】
また、変形例として、上記診断画面に、証券会社または保険会社等の金融商品を提供する会社のウェブサイトに接続するリンクを表示させ、ユーザは、リンクを介して、上記ウェブサイトに接続し、金融商品等の申込等オンラインによる取引を行うこともできる。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、ユーザによる入力データを基に、ユーザの目標資金情報及び将来資産情報を試算し、比較結果を視認可能に提供することで、ユーザは、将来の資産形成のイメージを容易に理解することができ、将来の資産形成のための金融商品及び/または制度を複数推奨することで、ユーザに柔軟な選択肢を提供することができ、このような形で、ユーザのライフプランに対するアプローチを具体的、かつ、効果的に示す方法を提供することができる。
【0059】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1 診断システム 100 サーバ端末、110 通信部、120 記憶部、130 制御部、200 ユーザ端末、NW ネットワーク
【要約】 (修正有)
【課題】ユーザのライフプランに対するアプローチを具体的、かつ、効果的に示す複数の金融商品及び/又は制度を提案する方法を提供する。
【解決手段】サーバ端末と複数のユーザ端末が、ネットワークを介して接続するシステムにおいて、サーバ端末100の制御部130は、サーバ端末が提供し、ユーザ端末において、ユーザインターフェースを介して、ユーザ端末から通信部110を介して指示を受付ける指示受付部131と、ユーザに関連する各種データを管理し処理するユーザデータ処理部132と、ユーザ端末から取得した入力データを基に、ユーザの将来に備えて準備すべき金額及び現状ユーザが投資に充てられる金額を診断し、ユーザが所定金額について預貯金を継続した場合及び投資を行った場合各々の合計金額と将来準備すべき金額を比較したり、ユーザの入力データにマッチする金融商品及び/又は制度を決定する等の処理を行う診断処理部133と、を有する。
【選択図】
図2