(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-07
(45)【発行日】2022-11-15
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/52 20100101AFI20221108BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20221108BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20221108BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221108BHJP
F21V 9/30 20180101ALI20221108BHJP
【FI】
H01L33/52
H01L33/60
H01L33/50
F21S2/00 439
F21V9/30
F21S2/00 433
F21S2/00 440
(21)【出願番号】P 2022532545
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 JP2021024013
(87)【国際公開番号】W WO2021261567
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】P 2020109743
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021069950
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100160716
【氏名又は名称】遠藤 力
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 紘幹
(72)【発明者】
【氏名】飯野 高史
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 敏伸
(72)【発明者】
【氏名】今井 貞人
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-082655(JP,A)
【文献】特開2018-120959(JP,A)
【文献】特開2019-087600(JP,A)
【文献】国際公開第2016/194404(WO,A1)
【文献】特開2020-021640(JP,A)
【文献】特開2013-178946(JP,A)
【文献】特開平03-261988(JP,A)
【文献】特開2010-277851(JP,A)
【文献】特開2006-214888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
F21S 2/00
F21V 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域と前記第1領域の周辺に配置された第2領域を有する基板と、
前記第2領域において
、前記第1領域を囲むように前記基板上に実装され、前記第1領域において、前記基板上に実装されない複数の発光素子と、
前記複数の発光素子を覆うように前記基板上に配置された封止材と、
前記封止材の上側、及び、前記第1領域側とは反対側、に配置された反射材と、
上面を有し、前記封止材の前記第1領域側の側面に対向して、前記第1領域に配置された導光材と、を有し、
前記封止材は、前記複数の発光素子から出射された光を波長変換して異なる波長の光として出射する蛍光材を含有し、
前記反射材及び前記導光材は、前記蛍光材を含有しない、
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記封止材は、前記複数の発光素子から出射された光を波長変換して、前記複数の発光素子から出射された第1波長の光と異なる第2波長の光として出射する第1蛍光材を含有する第1封止材、及び、前記複数の発光素子から出射された光を波長変換して、前記複数の発光素子から出射された前記第1波長の光と異なる第3波長の光として出射する第2蛍光材を含有する第2封止材、を含み、
前記第1封止材及び前記第2封止材のそれぞれは、前記複数の発光素子の何れかを封止する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の発光素子は、前記導光材の外縁部に近接して配置された第1群の発光素子、及び、前記第1群の発光素子の前記第1領域側とは反対側に配置された第2群の発光素子、を含み、
前記第1封止材は前記第1群の発光素子を封止し、前記第2封止材は前記第2群の発光素子を封止する、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1封止材は、前記複数の発光素子の全てを封止し、
前記第2封止材は、前記複数の発光素子の一部のみを封止する、請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記封止材は、蛍光材を含まない第3封止材を更に含み、
前記第3封止材は、前記第1封止材、前記第2封止材、又は、前記複数の発光素子の内前記第1封止材及び前記第2封止材によって封止されていない発光素子を封止する、請求項2~4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1領域は、円形又は多角形状を有し、
前記導光材の前記上面は、前記第1領域と同じ外形を有し、
前記複数の発光素子は、前記導光材の外縁部に沿って配置される、請求項1~5の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記基板は矩形形状を有し、
前記複数の発光素子の一部は、前記基板の長手方向に沿ってライン状に配置される、請求項1~5の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記導光材の前記基板表面からの高さは、前記導光材の中央部から外縁部に向かって、徐々に低くなるように設定されている、請求項1~7の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項9】
前記導光材の前記上面は、ディンプル加工される、請求項1~8の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項10】
前記導光材の前記上面の上方に配置され、前記導光材よりも屈折率が低い低屈折率層を更に有する、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記導光材の前記上面の表面には、ドット状の樹脂が配置されている、請求項1~10の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記基板を上方から平面視したときに、前記反射材は前記封止材を遮蔽するように配置される、請求項1~11の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項13】
前記反射材は、前記封止材の外縁部に沿って配置された枠部材と、前記封止材の上方に配置された遮蔽部材を含み、
前記枠部材の前記基板表面からの高さは、前記導光材の前記基板表面からの高さより高くなるように設定されている、請求項1~12の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項14】
前記反射材は、予め成形された樹脂部材である、請求項1~13の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項15】
前記導光材の前記上面の上方に配置され、前記上面から出射された光を拡散する拡散材を含有し且つ蛍光材を含有しない拡散層を更に有する、請求項1~14の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項16】
前記拡散層の中央部の厚さは、前記拡散層の外縁部の厚さより薄い、請求項15に記載の発光装置。
【請求項17】
前記拡散層表面の前記基板表面からの高さは、前記拡散層の中央部から外縁部に向かって、徐々に高くなるように設定される、請求項15又は16に記載の発光装置。
【請求項18】
前記基板上に配置され、前記複数の発光素子と電気的に接続される電極及び開口部を有する回路基板を更に有し、
前記複数の発光素子は、前記開口部の内側で前記基板上に実装される、請求項1~17の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項19】
前記第1領域において、前記基板の表面はシボ加工されている、請求項1~18の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項20】
前記第1領域において、前記基板の表面には、前記封止材から出射された光を反射する突起物が配置されている、請求項1~18の何れか一項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を搭載した発光装置において、発光特性を改善するための種々の技術が知られている。特開2018-120959号公報には、第1領域に加えて、上面及び側面が反射部によって覆われる周縁部にLEDチップを実装した発光装置が記載されている。特開2018-120959号公報に記載される発光装置は、第1領域に加えて周縁部にLEDチップを実装することで、LEDチップの発熱による発光効率の低下を抑制できるので、狭い第1領域で高出力が実現される。
【0003】
特開2014-154349号公報には、複数の発光素子の上部に導光板を設け、導光部の側面を反射面で覆い、複数の発光素子から導光板へ導入された光を外部に導出する照明器具が記載されている。特開2014-154349号公報に記載される照明装置では、発光素子から上部に配置される導光板に導入された光の内、反射面と連なる光出射面に到達した光が外部に導出されるので、輝度ムラ及びグレアを抑制することができる。
【0004】
特開2014-86405号公報には、周縁部に配置された発光素子の上部に導光板を設け、導光板の側面を光反射層で覆い、発光素子の発光を光反射層で導光板側に反射させる構成を有する照明装置が記載されている。特開2014-86405号公報に記載される照明装置では、周縁部から出射される出射光量を向上させることにより、優れた光利用効率を期待できる照明装置を提供することができる。
【発明の概要】
【0005】
特開2018-120959号公報に記載される発光装置では、第1領域の全面に亘って発光素子が配置されるため、低輝度での発光等において、発光素子が輝度ムラとして視認されるおそれがある。また、特開2018-120959号公報に記載される発光装置では、第1領域の全面に亘って蛍光材料が配置されるため、消灯時に第1領域が蛍光材料の色で視認されることにより美感が低下するおそれがある。
【0006】
特開2014-154349号公報及び特開2014-86405号公報に記載される照明装置では、発光素子の上部に導光板を設ける必要があることから、輝度ムラ及びグレアを抑制するためには、照明装置自体を厚くせざるを得ない。また、上記の照明装置では、発光素子の蛍光材料の色に関しては、全く考慮されていなかった。
【0007】
本開示は、輝度ムラが発生するおそれが低い発光装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本開示は、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれが低い発光装置を提供することを目的とする。
【0009】
本発光装置の一実施形態によると、第1領域と前記第1領域の周辺に配置された第2領域を有する基板と、第2領域において基板上に実装された複数の発光素子と、複数の発光素子を覆うように基板上に配置された封止材と、封止材の上側及び第1領域側とは反対側に配置された反射材と、上面を有し且つ封止材の第1領域側の側面に対向して第1領域に配置された導光材と、を有する。
【0010】
上記の発光装置では、封止材は、複数の発光素子から出射された光を波長変換して異なる波長の光として出射する蛍光材を含有する、ことが好ましい。
【0011】
上記の発光装置では、反射材及び導光材は、蛍光材を含有しない、ことが好ましい。
【0012】
上記の発光装置では、封止材は、複数の発光素子から出射された光を波長変換して、複数の発光素子から出射された第1波長の光と異なる第2波長の光として出射する第1蛍光材を含有する第1封止材、及び、複数の発光素子から出射された光を波長変換して、複数の発光素子から出射された第1波長の光と異なる第3波長の光として出射する第2蛍光材を含有する第2封止材、を含み、第1封止材及び第2封止材のそれぞれは、複数の発光素子の何れかを封止する、ことが好ましい。
【0013】
上記の発光装置では、複数の発光素子は、導光材の外縁部に近接して配置された第1群の発光素子、及び、第1群の発光素子の第1領域側とは反対側に配置された第2群の発光素子、を含み、第1封止材は第1群の発光素子を封止し、第2封止材は第2群の発光素子を封止する、ことが好ましい。
【0014】
上記の発光装置では、第1封止材は、複数の発光素子の全てを封止し、第2封止材は、複数の発光素子の一部のみを封止する、ことが好ましい。
【0015】
上記の発光装置では、封止材は、蛍光材を含まない第3封止材を更に含み、第3封止材は、第1封止材、第2封止材、又は、複数の発光素子の内第1封止材及び前2封止材によって封止されていない発光素子を封止する、ことが好ましい。
【0016】
上記の発光装置では、封止材は、蛍光材を含有しない、ことが好ましい。
【0017】
上記の発光装置では、複数の発光素子は、第1波長の光を出射する第1発光素子、及び、第1波長とは異なる波長の光を出射する第2発光素子を含む、ことが好ましい。
【0018】
上記の発光装置では、第1発光素子及び第2発光素子は、互い違いに前記基板上に配置される、ことが好ましい。
【0019】
上記の発光装置では、複数の発光素子は、基板に対して垂直方向又は水平方向に光を出射するSMDタイプのLEDチップである、ことが好ましい。
【0020】
上記の発光装置では、第1領域は、円形又は多角形状を有し、導光材の前記上面は、第1領域と同じ外形を有し、複数の発光素子は、導光材の外縁部に沿って配置される、ことが好ましい。
【0021】
上記の発光装置では、基板は矩形形状を有し、複数の発光素子の一部は、基板の長手方向に沿って一列に配置される、ことが好ましい。
【0022】
上記の発光装置では、複数の発光素子の一部は、第1領域に配置され、反射材は、第1領域に配置された複数の発光素子の一部の上方にも配置される、ことが好ましい。
【0023】
上記の発光装置では、導光材の前記基板表面からの高さは、導光材の中央部から外縁部に向かって、徐々に低くなるように設定されている、ことが好ましい。
【0024】
上記の発光装置では、導光材の上面は、ディンプル加工される、ことが好ましい。
【0025】
上記の発光装置では、導光材の上面の上方に配置され、導光材よりも屈折率が低い低屈折率層を更に有する、ことが好ましい。
【0026】
上記の発光装置では、導光材の上面の表面には、ドット状の樹脂が配置されている、ことが好ましい。
【0027】
上記の発光装置では、基板を上方から平面視したときに、反射材は封止材を遮蔽するように配置される、ことが好ましい。
【0028】
上記の発光装置では、反射材は、封止材の外縁部に沿って配置された枠部材と、封止材の上方に配置された遮蔽部材を含み、枠部材の基板表面からの高さは、導光材の基板表面からの高さより高くなるように設定されている、ことが好ましい。
【0029】
上記の発光装置では、反射材は、予め成形された樹脂部材でる、ことが好ましい。
【0030】
上記の発光装置では、導光材の前記上面の上方に配置され、上面から出射された光を拡散する拡散材を含有し且つ蛍光材を含有しない拡散層を更に有する、ことが好ましい。
【0031】
上記の発光装置では、拡散層の中央部の厚さは、拡散層の外縁部の厚さより薄い、ことが好ましい。
【0032】
上記の発光装置では、拡散層表面の基板表面からの高さは、拡散層の中央部から外縁部に向かって、徐々に高くなるように設定される、ことが好ましい。
【0033】
上記の発光装置では、基板上に配置され、複数の発光素子と電気的に接続される電極及び開口部を有する回路基板を更に有し、複数の発光素子は、開口部の内側で基板上に実装される、ことが好ましい。
【0034】
上記の発光装置では、第1領域において、基板の表面はシボ加工されている、ことが好ましい。
【0035】
上記の発光装置では、第1領域において、基板の表面には、封止材から出射された光を反射する突起物が配置されている、ことが好ましい。
【0036】
実施形態に係る発光装置では、輝度ムラが発生するおそれを低くすることができる。また、実施形態に係る発光装置では、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】第1実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図2】
図1Aに示す発光装置の発光状態を示す図である。
【
図3A】
図1に示す発光装置の製造方法を示す図(その1)である。
【
図4A】
図1に示す発光装置の製造方法を示す図(その2)である。
【
図5A】
図1に示す発光装置の製造方法を示す図(その3)である。
【
図6A】
図1に示す発光装置の製造方法を示す図(その4)である。
【
図7A】
図1に示す発光装置の製造方法を示す図(その5)である。
【
図8A】第2実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図9A】第3実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図10A】第4実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図11A】第5実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図12A】第1実施形態の第1変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図12B】第1実施形態の第2変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図12C】第1実施形態の第3変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図13A】第1実施形態の第4変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図13B】第1実施形態の第5変形例に係る発光装置の断面図である。
【
図14】第1実施形態の第6変形例に係る発光装置の平面図である。
【
図15】第1実施形態の第7変形例に係る発光装置の平面図である。
【
図16】第1実施形態の第8変形例に係る発光装置の平面図である。
【
図17A】第6実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図25A】第7実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図28A】第8実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図29A】第9実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図30A】第10実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図31A】第11実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図32A】第12実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図33A】第13実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図34A】第14実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図35A】第15実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図36A】第16実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図37A】第17実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図38A】第18実施形態に係る発光装置の平面図である。
【
図39A】第19実施形態に係る発光装置の平面図ある。
【
図42】実施形態に係る発光装置に適用可能な照明装置の一例を示す図である。
【
図43A】比較例に係る発光装置を照明装置に適応した例を示す図である。
【
図43B】実施形態に係る発光装置を照明装置に適応した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、発光装置の好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本開示の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0039】
以下の説明において、「LED(Light Emitting Diode)チップ」とは、基板上にInGaN系化合物、InGaN系化合物、及び、GaAsP系化合物等の半導体を発光層として成長させることにより形成された半導体素子をいう。LEDチップは、上面、下面、又は上面及び下面に配置されたアノード及びカソード間に所定の電圧が印加される事によって、所定の発光波長の光を出射する。半導体の構造としては、MIS接合、PI接合、PN接合など有るホモ構造、ヘテロ構造、ダブルヘテロ構造等が含まれる。LEDチップの材料、成長温度等により、発光波長を様々なものに選択可能である。LEDチップが出射する光の波長については、対応する実施形態において説明する。
【0040】
また、「LEDパッケージ」とは、基板上に「LEDチップ」を実装し、実装された「LEDチップ」を、樹脂又は蛍光材料を含有した樹脂で封止した部品、又は、「LEDチップ」の上面、又は、上面及び側面を蛍光材料含有の樹脂で被覆したのみの部品を言い、上面発光SMD(Surface Mounted Device)、側面発光SMD等を含む。ここで、蛍光材料とは、「LEDチップ」から出射された所定の波長の光を吸収して、異なる波長の光を出射する材料を言い、その結果、「LEDパッケージ」からは、「LEDチップ」から出射された光と蛍光材料から出射された光とが混色した光が出射されることとなる。なお、「LEDパッケージ」は、蛍光材料を含まず、含有する「LEDチップ」から出力された波長の光がそのまま出射するように構成されていても良い。
【0041】
さらに、「発光素子」とは、「LEDチップ」及び「LEDパッケージ」の両方の形態を含み、所定の波長の光を出射するものを言う。
【0042】
図1Aは第1実施形態に係る発光装置100の平面図であり、
図1Bは
図1Aに示すA-A線に沿う断面図である。
【0043】
発光装置100は、第1領域17及び第1領域17の周辺に配置される第2領域18を有する基板10と、16個のLEDチップ20と、封止材31と、反射材32と、導光材33とを有する。封止材31はLEDチップ20から出射された第1の色の光を吸収して第1の色と異なる第2の色の光を出射する蛍光材料30を含有し、導光材33は蛍光材料30を含有しない。封止材31及び導光材33はLEDチップ20から出射された第1の色の光及び蛍光材料30から出射された第2の色の光を透過し、反射材32は第1の色の光及び第2の色の光を反射する。
【0044】
発光装置100では、LEDチップ20は視認可能な第1領域17に配置されないので、低輝度の発光の間でもLEDチップ20が輝度ムラとして視認されるおそれがない。また、発光装置100では、蛍光材料30を含有する封止材31が反射材32に覆われ、蛍光材料30を含有しない導光材33が第1領域17に配置されるため、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0045】
基板10は、実装基板11と、回路基板12と、アノード電極13と、カソード電極14と、アノード配線15と、カソード配線16とを有する。実装基板11は、アルミニウム等の熱伝導率及び反射率が高い金属製の基板であり、略矩形状の平面形状を有する。実装基板11は、略矩形の平面形状を有する第1領域17を中央部に有すると共に、第1領域17の外周に沿って第2領域18を有する。基板10は、第1領域17及び第2領域18を含めて表面及び裏面の双方は平坦な面である。実装基板11は、対角に配置される一対の角が切り欠けている。
【0046】
回路基板12は、エポキシ材等の絶縁材で形成され、実装基板11と同一の平面形状を有すると共に、実装基板11に接着される。回路基板12は、第1領域17及び16個のLEDチップ20が実装される第2領域18を囲む開口部が形成される。
【0047】
アノード電極13、カソード電極14、アノード配線15及びカソード配線16は、回路基板12の実装基板11に対向する面の反対の面に銅等の導電性薄膜により形成された配線パターンである。アノード電極13及びカソード電極14は、切り欠けが形成されていない角の近傍に配置される。アノード電極13及びカソード電極14は、不図示の電源に接続され、アノード配線15及びカソード配線16を介して、LEDチップ20のそれぞれに電力を供給する。
【0048】
アノード配線15及びカソード配線16の封止材31及び反射材32に覆われていない部分は、レジスト等の絶縁層に覆われる。アノード配線15はアノード電極13に接続されると共に、第1領域17のそれぞれの辺に沿って配置される4つの発光素子の1つにボンディングワイヤ21を介して接続される。カソード配線16はカソード電極14に接続されると共に、第1領域17のそれぞれの辺に沿って配置される4つの発光素子の1つにボンディングワイヤ21を介して接続される。
【0049】
16個のLEDチップ20は、例えば出射する光の波長域が440nm~455nmのInGaN系化合物半導体等により形成される青色発光する半導体素子である。16個のLEDチップ20のそれぞれは、略矩形の平面形状を有し、順電圧(forward voltage、VF)、温度特性及び寿命等の発光特性が略同一の素子を使用することが好ましい。
【0050】
16個のLEDチップ20は、第1領域17の外周に沿うように、第1領域17の辺のそれぞれに沿って4つずつ基板10の第2領域18に実装される。第1領域17の辺のそれぞれに沿う第2領域18に実装される4つのLEDチップ20は、アノード電極13とカソード電極14との間に直列接続される。LEDチップ20は、4つずつ直列接続された4つの発光素子列を並列接続するように接続される。
【0051】
なお、発光装置100では、16個のLEDチップ20が配置されるが、搭載されるLEDチップ20の数は、16個未満であってもよく、17個以上であってもよい。また、発光装置100では、4個のLEDチップ20が直列接続されるが、直列接続されるLEDチップ20の数は、3個未満であってもよく、5個以上であってもよい。また、発光装置100では、4個の発光素子列が並列接続されるが、並列接続される発光素子列の数は、3個未満であってもよく、5個以上であってもよい。
【0052】
封止材31は、蛍光材料30を含有するシリコーン樹脂等の合成樹脂である。封止材31は、第1領域17の外周に沿って、アノード配線15及びカソード配線16の一部並びにLEDチップ20及びボンディングワイヤ21を覆うように配置される。封止材31は、第1領域17を囲む枠状の平面形状を有する。
【0053】
封止材31に含有される蛍光材料30は、LEDチップ20から出射される第1の色である青色の光を吸収して第1の色と異なる第2の色の光を出射する蛍光材料である。蛍光材料30は、例えば550nm~580nmである黄色の光を出射するセレンで付活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光材料である。また、蛍光材料30は、黄色の光を出射するYAG系蛍光材料に加えて、ピーク波長の範囲が600nm~630nmである赤色の光を出射するEu2+(ユーロピウム)固溶のCaAlSiN3(カルシウム・アルミニウム・シリコーン酸窒化物)蛍光材料を添加されたものであってもよい。また、蛍光材料30は、例えばピーク波長の範囲が535nm~570nmである緑色の光を出射するセリウムで付活されたYAG系蛍光材料を添加してもよい。
【0054】
なお、蛍光材料30は、ピーク波長の範囲が480nm~500nmである青緑色の光を出射するEu2+(ユーロピウム)で付活されたシリケイト系蛍光材料、又はバリウムシリコーン酸窒化物の蛍光材料であってもよい。また、蛍光材料30は、ピーク波長の範囲が600nm~630nmである赤色の光を出射するEu2+(ユーロピウム)固溶のCaAlSiN3(カルシウム・アルミニウム・シリコーン酸窒化物)蛍光材料であってもよい。さらに、蛍光材料30は、複数種の蛍光材料を含んでもよい。蛍光材料30に含まれる蛍光材料の比率を相違させることで、色温度が同一であり且つ演色性が相違する発光装置を提供することができる。
【0055】
例えば、蛍光材料30は、ピーク波長が550nm~580nmである黄色の光を出射するユーロピウムで付活されたオルソ珪酸塩蛍光材料であってもよい。また、蛍光材料30は、黄色の光を出射するユーロピウムで付活されたオルソ珪酸塩蛍光材料、及びピーク波長が480nm~500nmである黄色の光を出射するユーロピウム付活ストロンチウムアルミン酸塩蛍光材料を含んでもよい。さらに、黄色の光を出射するユーロピウムで付活されたオルソ珪酸塩蛍光材料、及び赤色の光を出射するユーロピウム固溶のカルシウム・アルミニウム・シリコーン酸窒化物蛍光材料を含んでもよい。
【0056】
反射材32は、酸化チタン等の反射性の微粒子が分散されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、LEDチップ20から出射される第1の色の光及び蛍光材料30から出射される第2の色の光を反射する反射材である。反射材32は、少なくとも封止材31の上部の一部を覆い且つ第1領域17を囲むように配置される。反射材32は、封止材31と同様に、第1領域17を囲む枠状の平面形状を有する。
【0057】
反射材32は、導光材33に沿って、封止材31の上側及び第1領域17と反対側を覆うように形成されている。そのため、封止材31の第1領域17側には、反射材32による開口部90が形成されることとなる。複数のLEDチップ20から出射された第1の色の光及び蛍光材料30から出射される第2の色の光は、反射材32に反射して開口部90から導光材33に出射する。
【0058】
導光材33は、蛍光材料30が含有されず且つシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、LEDチップ20から出射される第1の色の光及び蛍光材料30から出射される第2の色の光を透過する。導光材33は、LEDチップ20から出射される第1の色の光及び蛍光材料30から出射される第2の色の光を第1領域17に導く。第1領域17に導かれた光は、直接もしくは反射して、第1領域17の全体の上面から外部に出射する。すなわち、発光装置100では、LEDチップ20が点灯時には、第1領域17の全体の上面が面発光している。導光材33は、屈折率を高くすることにより輝度ムラなく面発光させることができる。
【0059】
図2は、発光装置100の発光状態を示す図である。
図2は、
図1Aに示すA-A線に沿う断面図である。
図2において、一点鎖線の矢印線は、LEDチップ20から出射された光の光路を示す。
【0060】
LEDチップ20から出射された第1の色の光は、封止材31を覆う反射材32に反射すると共に、導光材33が配置される第1領域17を介して発光装置100から外部に出射される。また、LEDチップ20から出射された第1の色の光の一部は、封止材31に含有される蛍光材料30に吸収されて第2の色の光として蛍光材料30から出射される。
【0061】
図3~
図7を用いて、発光装置100の製造方法を説明する。
図3は第1工程を示し、
図4は第2工程を示し、
図5は第3工程を示し、
図6は第4工程を示し、
図7は第5工程を示す。
図3~
図7において、A図面は平面図であり、B図面は
図1Aに示すA-A線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0062】
第1工程において、基板10が提供される。次いで、第2工程において、16個のLEDチップ20が第1領域17の外周に沿って第2領域18に実装される。16個のLEDチップ20は、4個ずつ第1領域17の一辺に沿って、ダイボンド(不図示)により実装される。次いで、第3工程において、16個のLEDチップ20がアノード配線15とカソード配線16との間に4個ずつボンディングワイヤ21によって直列接続される。第1領域17の一辺に沿って実装される4個のLEDチップ20の一端に配置されるLEDチップ20は、アノード配線15にボンディングワイヤ21を介して接続される。また、第1領域17の一辺に沿って実装される4個のLEDチップ20の他端に配置されるLEDチップ20は、カソード配線16にボンディングワイヤ21を介して接続される。
【0063】
次いで、第4工程において、封止材31がLEDチップ20及びボンディングワイヤ21を覆うように配置される。次いで、第5工程において、反射材32が封止材31を覆い且つ第1領域17を囲むように配置される。反射材32は、第1領域17に沿って開口部90が形成されるように配置される。そして、第6工程において、導光材33が反射材32で囲まれた第1領域17に配置して、発光装置100の製造工程が終了する。
【0064】
封止材31、反射材32及び導光材33は、チクソ性が高い樹脂材を使用してもよい。チクソ性が高い樹脂材を封止材31、反射材32及び導光材33として使用するとき、第6工程の後に封止材31、反射材32及び導光材33が一斉に固化されてもよい。また、チクソ性が低い樹脂材を封止材31、反射材32及び導光材33として使用するとき、第4工程~第6工程のそれぞれにおいて、封止材31、反射材32及び導光材33は、別個に固化される。
【0065】
発光装置100では、LEDチップ20は外部から視認可能な第1領域17に配置されないので、低輝度の発光において、LEDチップ20がホットスポットとも称される輝度ムラとして視認されるおそれがない。また、LEDチップ20が輝度ムラとして視認されるおそれがないので、輝度ムラの発生を防止するために拡散材を導光材33に含有することはなく、拡散材を含有させることにより発光効率が低下することはない。
【0066】
また、発光装置100では、輝度ムラが発生するおそれがないので、発光装置100を搭載する照明器具等の発光器具において、輝度ムラを制御することはなく、高輝度の照明が実現できる。
【0067】
また、発光装置100では、蛍光材料30を含有する封止材31が反射材32に覆われ、蛍光材料30を含有しない導光材33が第1領域17に配置されるため、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0068】
また、発光装置100では、16個のLEDチップ20は何れも単一の実装基板11に実装されるので、16個のLEDチップ20の全ての温度変化が互いに連動し、温度特性に依存する発光特性が互いにばらつくおそれが低い。
【0069】
また、発光装置100では、導光体として機能する導光材33が第1領域17に配置されるので、輝度ムラがない光を出射することができる。
【0070】
図8Aは第2実施形態に係る発光装置101の平面図であり、
図8Bは
図8Aに示すB-B線に沿う断面図である。
【0071】
発光装置101は、第1封止材34及び第2封止材35を封止材31の代わりに有することが発光装置100と相違する。発光装置101において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0072】
第1封止材34は、配置される位置が封止材31と相違する。配置される位置以外の第1封止材34の構成及び機能は、封止材31と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。第1封止材34は、LEDチップ20を覆うように配置されず、第1領域17とLEDチップ20との間に配置される。
【0073】
第2封止材35は、導光材33と同様に、蛍光材料30が含有されず且つシリコーン樹脂等の合成樹脂である。第2封止材35は、LEDチップ20及び第1封止材34を覆うように配置される。反射材32は、第1封止材34の上側、及び、第2封止材35の上側及び第1領域17と反対側を覆うように形成されている。
【0074】
発光装置101では、第1領域17とLEDチップ20との間に配置される第1封止材34が、蛍光材料30を含有することで、LEDチップ20から出射された光の一部は、第1領域17に出射する前に第1封止材34に含有される蛍光材料30に吸収される。LEDチップ20から出射された光の一部が蛍光材料30に吸収されることに応じて、蛍光材料30から第2の色の光が出射される。第1の色の光及び第2の色の光は、第1領域17を介して導光材33から外部に出射される。
【0075】
発光装置101の製造方法は、第1封止材34が配置される位置、及び第1封止材34を配置する工程と反射材32を配置する工程との間に第2封止材35を配置する工程を有することが発光装置100の製造方法と相違する。第2封止材35を配置する工程以外の発光装置101の製造方法は、発光装置100の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0076】
発光装置101は、第1封止材34を第1領域17とLEDチップ20との間に配置するので、第1領域17に入射される直前に第1の色の光と第2の色の光とを混合して出射することができる。発光装置101は、第1領域17に入射される直前に第1の色の光と第2の色の光とを混合して出射するので、発光装置100よりも色度の調整が容易である。
【0077】
また、発光装置101では、蛍光材料30を含有する第1封止材34が反射材32に覆われ、蛍光材料30を含有しない導光材33が第1領域17に配置されるため、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0078】
図9Aは第3実施形態に係る発光装置102の平面図であり、
図9Bは
図9Aに示すC-C線に沿う断面図である。
【0079】
発光装置102は、基板40を基板10の代わりに有することが発光装置100と相違する。発光装置102において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0080】
基板40は、実装基板41を実装基板11の代わりに有することが基板10と相違する。実装基板41以外の基板40の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された基板10の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0081】
実装基板41は、第1領域47を第1領域17の代わりに有することが実装基板11と相違する。第1領域47以外の実装基板41の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された実装基板11の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。第1領域47は、シボ加工されていることが第1領域17と相違する。
【0082】
発光装置102の製造方法は、第1領域47がシボ加工されている実装基板41を使用すること以外は、発光装置100の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、第1領域47のシボ加工は、例えば実装基板41の第1領域47以外の領域をマスクした状態で、エッチングすることで形成される。
【0083】
発光装置102は、第1領域47がシボ加工されているので、第1領域47に入射した第1及び第2の色の光が第1領域47において拡散されて、発光装置100よりも混色された状態で第1及び第2の色の光を出射することができる。
【0084】
【0085】
発光装置103は、導光材36を導光材33の代わりに有することが発光装置100と相違する。発光装置103において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0086】
導光材36は、表面がディンプル加工されていることが導光材33と相違する。表面がディンプル加工されていること以外の導光材36の構成及び機能は、同一符号が付された導光材33の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0087】
発光装置103の製造方法は、導光材36が配置された後に、導光材36の表面にディンプル加工を施すこと以外は、発光装置100の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、導光材36の表面のディンプル加工は、例えば導光材36の表面にレーザ加工を施すことで形成される。
【0088】
発光装置103は、導光材36の表面がディンプル加工されているので、導光材36の表面に入射した第1及び第2の色の光が導光材36の表面において拡散されて、発光装置100よりも混色された状態で第1及び第2の色の光を出射することができる。
【0089】
また、発光装置103では、実装基板11の代わりに、発光装置102で記載したシボ加工が施された第1領域47を有する実装基板41を使用しても良い。
【0090】
【0091】
発光装置104は、封止材37を封止材31の代わりに有することが発光装置100と相違する。また、発光装置104は、第1LEDチップ51、第2LEDチップ52及び第3LEDチップ53をLEDチップ20の代わりに有することが発光装置100と相違する。発光装置104において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0092】
封止材37は、蛍光材料30を含有しないことが封止材31と相違する。蛍光材料30を含有しないこと以外の封止材37の構成及び機能は、封止材31の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。封止材37は、第1LEDチップ51、第2LEDチップ52及び第3LEDチップ53のそれぞれを覆うように配置される。
【0093】
第1LEDチップ51は、LEDチップ20と同様に、出射する光の波長域が440nm~455nmの青色発光する半導体素子であり、
図11Aにおいて文字「B」が付される。第2LEDチップ52は、出射する光の波長域が505nm~555nmのInGaN系化合物半導体等により形成される緑色発光する半導体素子であり、
図11Aにおいて文字「G」が付される。第3LEDチップ53は、出射する光の波長域が620nm~750nmのGaAsP系化合物半導体等により形成される赤色発光する半導体素子であり、
図11Aにおいて文字「R」が付される。
【0094】
第1LEDチップ51が出射する青色は第1の色の光の一例であり、第2LEDチップ52が出射する緑色は第2の色の光の一例であり、第3LEDチップ53が出射する赤色は第3の光の一例である。
【0095】
発光装置104の製造方法は、第1LEDチップ51、第2LEDチップ52及び第3LEDチップ53をLEDチップ20の代わりに実装すること以外は、発光装置100の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0096】
発光装置104では、第1LEDチップ51、第2LEDチップ52及び第3LEDチップ53は視認可能な第1領域17に配置されないので、輝度が低い発光の間でも第1LEDチップ51、第2LEDチップ52及び第3LEDチップ53が輝度ムラとして視認されるおそれがない。
【0097】
また、発光装置104では、第1LEDチップ51、第2LEDチップ52及び第3LEDチップ53は視認可能な第1領域17に配置されず、封止材37は蛍光材料30を含有せず、蛍光材料30を含有しない導光材33が第1領域17に配置されるため、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0098】
第3LEDチップ53が、GaAS系の赤色発光半導体素子で温度特性が悪い素子の場合、青色発光半導体素子である第1LEDチップ51と同じ実装基板上に実装されると、第1LEDチップ51の発熱の影響を受けてしまう可能性がある。そこで、発光装置104において、第3LEDチップ53を、青色発光半導体素子の周囲を、青色光を吸収して赤色光を出射する赤色蛍光材料を含有する樹脂で封止したLEDパッケージで置き換えるようにしても良い。このようなLEDパッケージを利用することで、温度上昇の影響が各色を発光するチップ又はパッケージ間で同じにすることが可能となる。
【0099】
さらに、発光装置104において、第2LEDチップ52を、青色発光半導体素子の周囲を、青色光を吸収して緑光を出射する緑色蛍光材料を含有する樹脂で封止した第1LEDパッケージで置き換え、第3LEDチップ53を、青色発光半導体素子の周囲を、青色光を吸収して赤色光を出射する赤色蛍光材料を含有する樹脂で封止した第2LEDパッケージで置き換えるようにして良い。この場合でも、第1LEDチップ51、第1LEDパッケージ、及び、第2LEDパッケージは、反射材32に覆われるので、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0100】
発光装置104では、実装基板11の代わりに、発光装置102で記載したシボ加工が施された第1領域47を有する実装基板41を使用しても良い。また、発光装置104では、導光材33の代わりに、発光装置103で記載した表面がディンプル加工されている導光材36を使用しても良い。さらに、発光装置104では、シボ加工が施された第1領域47を有する実装基板41及び表面がディンプル加工されている導光材36を両方用いても良い。
【0101】
図12Aは発光装置100の第1変形例に係る発光装置105の断面図であり、
図12Bは発光装置100の第2変形例に係る発光装置106の断面図であり、
図12Cは発光装置100の第3変形例に係る発光装置107の断面図である。
図12A~12Cは、
図1Aに示すA-A線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0102】
発光装置105~107のそれぞれは、封止材31と反射材32との間に配置される充填材38を有することが発光装置100と相違する。発光装置105~107において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0103】
充填材38は、導光材33と同様に、蛍光材料30が含有されないシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、封止材31を覆うように配置される。発光装置105では、充填材38は、封止材31の全面を覆うように配置される。発光装置106では、充填材38は、封止材31の導光材33に接する面を除く面を覆うように配置され、発光装置107では、充填材38は、封止材31の導光材33に接する面の反対の面を除く面を覆うように配置される。
【0104】
上述した発光装置103及び104において、上記の発光装置105~107と同様に、封止材31と反射材32との間に充填材を配置しても良い。封止材31と反射材32との間に充填材を配置することにより、LEDチップ20及び封止材31から出射された光のうち、反射材32で吸収される光の量を低減できるので、効率よく第1領域17に光を導光させることができる。
【0105】
図13Aは発光装置100の第4変形例に係る発光装置108の断面図であり、
図13Bは発光装置100の第5変形例に係る発光装置109の断面図である。
図13A及び13Bは、
図1Aに示すA-A線に沿う断面図に対応する断面図である。
【0106】
発光装置108及び109のそれぞれは、導光材33を覆うように配置される拡散層39を有することが発光装置100と相違する。発光装置108及び109において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0107】
拡散層39は、シリカ及び酸化チタン等により形成されたフィラーが含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、導光材33を覆うように配置される。発光装置108及び109では、拡散層39は、導光材33の全面を覆うように配置される。なお、発光装置109では、導光材33は、第1領域17に加えて封止材31を覆うように配置される。
【0108】
上述した、発光装置101~107において、上記の発光装置108及び109と同様に、導光材33又は36の上に、拡散層を配置しても良い。拡散層を導光材33又は36の上に配置することによって、輝度ムラを更に低減することができる。
【0109】
図14は発光装置100の第6変形例に係る発光装置110の平面図であり、
図15は発光装置100の第7変形例に係る発光装置111の平面図であり、
図16は発光装置100の第8変形例に係る発光装置112の平面図である。発光装置110~112のA-A線に沿う断面図は、
図1Bと同様である。
【0110】
発光装置110~112のそれぞれは、第1封止材81及び第2封止材82を封止材31の代わりに有することが発光装置100と相違する。発光装置110~112において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0111】
第1封止材81は、LEDチップ20から出射された光を吸収して黄色の光を出射するユーロピウムで付活されたオルソ珪酸塩蛍光材料が含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂である。この場合、LEDチップ20から光が出射されたとき、LEDチップ20から出射された青色の光と、第1封止材81に含有された蛍光材料から出射された黄色の光とが混色された例えば色温度が6500Kである寒色の白色光が第1封止材81から出射される。
【0112】
なお、第1封止材81は、LEDチップ20から出射された光を吸収して黄色の光を出射するセリウムで付活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光材料が含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であっても良い。この場合、LEDチップ20から光が出射されたとき、LEDチップ20から出射された青色の光と、第1封止材81に含有された蛍光材料から出射された黄色の光とが混色された例えば色温度が6500Kである寒色の白色光が第1封止材81から出射される。
【0113】
第2封止材82は、LEDチップ20から出射された光を吸収して黄色の光を出射するセリウムで付活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光材料、及び赤色の光を出射するユーロピウム固溶のCaAlSiN3蛍光材料が含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂である。LEDチップ20から光が出射されたとき、LEDチップ20から出射された青色の光と、第2封止材82に含有された蛍光材料から出射された緑色及び赤色の光とが混色された例えば色温度が2700Kである暖色の白色光が第2封止材82から出射される)。
【0114】
なお、第2封止材82は、LEDチップ20から出射された光を吸収して緑色の光を出射するセリウムで付活されたYAG系蛍光材料、及び赤色の光を出射するユーロピウム固溶のCaAlSiN3蛍光材料が含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であっても良い。LEDチップ20から光が出射されたとき、LEDチップ20から出射された青色の光と、第2封止材82に含有された蛍光材料から出射された緑色及び赤色の光とが混色された例えば色温度が2700Kである暖色の光が第1封止材81から出射される。
【0115】
発光装置110において、一対の第1封止材81及び一対の第2封止材82のそれぞれは、対向する一対の辺に互いに平行に延伸するように配置される。発光装置111において、第一対の1封止材81及び一対の第2封止材82のそれぞれは、隣接する一対の辺に互いに直交する方向に延伸するように配置される。発光装置112において、第1封止材81及び第2封止材82のそれぞれは、隣接する一対の辺に延伸するように配置される。
【0116】
なお、発光装置110~112において、16個の全てのLEDチップ20が一対の電極対であるアノード電極13及びカソード電極14に接続されるが、LEDチップ20は、二対の電極対に接続されてもよい。LEDチップ20が二対の電極対の接続されるとき、一方の電極対には第1封止材81によって封止されるLEDチップ20が接続され、他方の電極対には第2封止材82によって封止されるLEDチップ20が接続される。
【0117】
また、発光装置101~103、及び、105~109では、封止材31又は封止材34は、同一の蛍光材料30を含有するが、発光装置110~112の様に、配置される領域毎に応じて異なる蛍光材料を含有してもよい。
【0118】
【0119】
発光装置113は、封止材231、反射材232、導光材233、及び、拡散層234の構成が、発光装置100と相違する。発光装置113において、発光装置100と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0120】
発光装置113は、第1領域17及び第1領域17の周辺に配置される第2領域18を有する基板10と、16個のLEDチップ20と、封止材231と、反射材232と、導光材233と、拡散層234とを有する。封止材231はLEDチップ20から出射された第1波長を有する第1光を吸収して第1波長と異なる第2波長を有する第2光を出射する蛍光材料30を含有し、導光材233は蛍光材料30を含有しない。封止材231及び導光材233はLEDチップ20から出射された第1光及び蛍光材料30から出射された第2光を透過し、反射材232は第1光及び第2光を反射する。導光材233は、平面視したときに、外縁が封止材231に重畳するように配置される。
【0121】
発光装置113では、LEDチップ20は外部から視認可能な第1領域17に配置されないので、LEDチップ20が輝度ムラとして視認されるおそれがない。また、発光装置113は、蛍光材料30を含有する封止材231が反射材232に覆われ、蛍光材料30を含有しない導光材233が第1領域17に配置されるため、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0122】
また、発光装置113では、導光材233は、基板10を平面視したときに外縁が封止材231に重畳するように配置されるので、LEDチップ20から出射され、反射材232によって反射された光は、第1領域17に放射されるので、発光効率を高くすることができる。
【0123】
封止材231は、蛍光材料30を含有するシリコーン樹脂等の合成樹脂である。封止材231は、第1領域17の外周に沿って、アノード配線15及びカソード配線16の一部並びにLEDチップ20及びボンディングワイヤ21を覆うように配置される。封止材231は、第1領域17を囲む枠状の平面形状を有する。
【0124】
封止材231に含有される蛍光材料30は、LEDチップ20から出射される光を吸収して、LEDチップ20から出射される光の波長である第1波長と異なる第2波長を有する第2光を出射する蛍光体である。蛍光材料30は、例えば550nm~580nmである黄色の光を出射するセレンで付活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体である。また、蛍光材料30は、黄色の光を出射するYAG系蛍光体に加えて、ピーク波長の範囲が600nm~630nmである赤色の光を出射するEu2+(ユーロピウム)固溶のCaAlSiN3(カルシウム・アルミニウム・シリコーン酸窒化物)蛍光体を添加されたものであってもよい。また、蛍光材料30は、例えばピーク波長の範囲が535nm~570nmである緑色の光を出射するセリウムで付活されたYAG系蛍光体を添加してもよい。
【0125】
なお、蛍光材料30は、ピーク波長の範囲が480nm~500nmである青緑色の光を出射するEu2+(ユーロピウム)で付活されたシリケイト系蛍光体、又はバリウムシリコーン酸窒化物の蛍光体であってもよい。また、蛍光材料30は、ピーク波長の範囲が600nm~630nmである赤色の光を出射するEu2+(ユーロピウム)固溶のCaAlSiN3(カルシウム・アルミニウム・シリコーン酸窒化物)蛍光体であってもよい。さらに、蛍光材料30は、複数種の蛍光体を含んでもよい。蛍光材料30に含まれる蛍光体の比率を相違させることで、色温度が同一であり且つ演色性が相違する発光装置を提供することができる。
【0126】
例えば、蛍光材料30は、ピーク波長が550nm~580nmである黄色の光を出射するユーロピウムで付活されたオルソ珪酸塩蛍光体であってもよい。また、蛍光材料30は、黄色の光を出射するユーロピウムで付活されたオルソ珪酸塩蛍光体、及びピーク波長が480nm~500nmである黄色の光を出射するユーロピウム付活ストロンチウムアルミン酸塩蛍光体を含んでもよい。さらに、黄色の光を出射するユーロピウムで付活されたオルソ珪酸塩蛍光体、及び赤色の光を出射するユーロピウム固溶のカルシウム・アルミニウム・シリコーン酸窒化物蛍光体を含んでもよい。
【0127】
反射材232は、酸化チタン等の反射性の微粒子が分散されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、LEDチップ20から出射される青色の光及び封止材231に含有される蛍光材料30から出射される黄色の光を反射する。反射材232は、アノード配線15及びカソード配線16の一部を覆い且つ第1領域17を囲むように配置される。反射材232は、第1領域17を囲む枠状の平面形状を有する。
【0128】
反射材232は、導光材233に沿って、封止材231の上側及び第1領域17と反対側を覆うように形成されている。そのため、封止材231の第1領域17側には、反射材232による開口部90が形成されることとなる。複数のLEDチップ20から出射された第1の色の光及び蛍光材料30から出射される第2の色の光は、反射材232に反射して開口部90から導光材233に出射する。
【0129】
導光材233は、蛍光材料30が含有されないシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、封止材231から出射された光を透過させながら第1領域17に伝搬する。導光材233は、基板10を平面視したときに外縁が封止材231に重畳するように、反射材232で囲まれた第1領域17に開口部90に隣接して配置される。導光材233の高さは、第1領域17の中央部が一番高く、発光領域の外縁に向かうに従って徐々に低くなるように配置される。導光材233はチクソ性が高いものが好ましい。
【0130】
導光材233の屈折率は、例えば1.46である。導光材233が拡散層234よりも高い屈折率を有することで、導光材233と拡散層との間の臨界角が大きくなり、封止材231から出射された光は、導光材233と拡散層234との間で全反射し易くなる。封止材231から出射された光は、導光材233と拡散層234との間で全反射し易くなることで、導光材233の内部で発光領域の中央部まで導光され、発光装置113は、輝度ムラなく面発光させることができる。
【0131】
拡散層234は、二酸化ケイ素等により形成されるフィラー、及び酸化チタン等が含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、略矩形状の平面形状を有する。拡散層234の屈折率は、例えば1.41である。
【0132】
拡散層234の表面の高さは、反射材232の高さと概ね等しく、全面に亘って略均一の高さを有する。拡散層234の表面が略均一の高さを有し且つ導光材233の高さは、第1領域17の中央部から外縁に向かって徐々に低くなるので、拡散層234の厚さは、第1領域17の中央部が一番薄く、第1領域17の外縁に向かうに従って徐々に厚くなる。
【0133】
拡散層234は、封止材231から出射され、導光材233によって導光された光を拡散して混色性を向上させる。拡散層234は、反射材232に囲まれた第1領域17に導光材233を覆うように配置され、封止材231から出射され、導光材233によって導光された光を第1領域17の全体に亘って上面から面発光させて外部に出射する。
【0134】
図18は、発光装置113の発光状態を示す図である。
図18は、
図17Aに示すA-A線に沿う断面図である。
図18において、一点鎖線の矢印線は、LEDチップ20から出射された光の光路を示す。
【0135】
LEDチップ20から出射された青色の光は、封止材231を覆う反射材232に反射すると共に、導光材233及び拡散層234が配置される第1領域17を介して発光装置113から外部に出射される。また、LEDチップ20から出射された青色の光の一部は、封止材231に含有される蛍光材料30に吸収されて黄色の光として蛍光材料30から出射される。
【0136】
【0137】
第1工程において、基板10が提供される。次いで、第2工程において、16個のLEDチップ20が第1領域17の外周に沿って第2領域18に実装される。16個のLEDチップ20は、4個ずつ第1領域17の一辺に沿って実装される。次いで、第3工程において、16個のLEDチップ20がアノード配線15とカソード配線16との間に4個ずつボンディングワイヤ21によって直列接続される。第1領域17の一辺に沿って実装される4個のLEDチップ20の一端に配置されるLEDチップ20は、アノード配線15にボンディングワイヤ21を介して接続される。また、第1領域17の一辺に沿って実装される4個のLEDチップ20の他端に配置されるLEDチップ20は、カソード配線16にボンディングワイヤ21を介して接続される。
【0138】
次いで、第4工程において、封止材231がLEDチップ20及びボンディングワイヤ21を覆うように配置される。まず、蛍光材料30を含む封止材231の固化前の樹脂がLEDチップ20及びボンディングワイヤ21を覆うように配置される。次いで、基板10を加熱することにより封止材231の固化前の樹脂が固化することで、封止材231が形成される。
【0139】
次いで、第5工程において、導光材233が封止材231の内壁を覆うように第1領域17に配置される。導光材233の固化前の樹脂が封止材231の頂部及び内壁を覆うように配置される。まず、導光材233の固化前の樹脂は、第1領域17の中央部から外縁に向かって高さが低くなる山型に配置される。導光材233は、固化前のチクソ性が高い樹脂を用いることにより、中央に頂部を有する山型の配置が可能となる。次いで、基板10を加熱することにより導光材233の固化前の樹脂が固化することで、導光材233が形成される。
【0140】
次いで、第6工程において、反射材232は、封止材231を全面に亘って覆い且つ導光材233の外縁を覆うように、第1領域17に沿って配置される。まず、反射材232の固化前の樹脂が封止材231を覆うように配置される。次いで、基板10を加熱することにより反射材232の固化前の樹脂が固化することで、反射材232が形成される。
【0141】
次いで、第7工程(不図示)において、拡散層234は、反射材232の内側に、導光材233を覆うように配置される。まず、拡散層234の固化前の樹脂は、反射材232の内側に、表面の高さが略均一であり且つ導光材233を覆うように配置される。次いで、基板10を加熱することにより拡散層234の固化前の樹脂が固化することで、拡散層234が形成されて、発光装置113の製造工程が終了する。
【0142】
発光装置113では、LEDチップ20は外部から視認可能な第1領域17に配置されないので、LEDチップ20がホットスポットとも称される輝度ムラとして視認されるおそれがない。また、発光装置113では、輝度ムラが発生するおそれがないので、発光装置113を搭載する照明器具等の発光器具において、輝度ムラを制御することはなく、高輝度の照明が実現できる。
【0143】
また、発光装置113は、蛍光材料30を含有する封止材231が、反射材である反射材232に覆われ、蛍光材料30を含有しない導光材233が第1領域17に配置される。発光装置113は、蛍光材料30が第1領域17に配置されないため、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0144】
また、発光装置113では、16個のLEDチップ20は何れも単一の実装基板11に実装されるので、16個のLEDチップ20の全ての温度変化が互いに連動し、温度特性に依存する発光特性が互いにばらつくおそれが低い。
【0145】
また、発光装置113では、導光体として機能する導光材233が第1領域17に配置されるので、輝度ムラがない光を出射することができる。また、発光装置1では、導光材233が拡散層234よりも高い屈折率を有するので、導光材233の内部で発光領域の中央部まで導光され、発光装置1は、輝度ムラなく面発光させることができる。
【0146】
また、発光装置113では、拡散層234の厚さは、第1領域17の中央部が一番薄く、第1領域17の外縁に向かうに従って徐々に厚くなるので、第1領域17の中央部は、第1領域17の外縁部よりも光を透過し易い。発光装置113では、LEDチップ20は、第1領域17の外周を囲むように配置されるので、第1領域17の中央部は、第1領域17の外縁よりもLEDチップ20から到達する光の光量が少ない。発光装置113では、拡散層234の厚さを第1領域17の外縁よりも第1領域17の中央部で薄くすることで、LEDチップ20との間の距離に起因する第1領域17の中央部と外縁との間で輝度ムラの発生を抑制することができる。
【0147】
【0148】
発光装置114は、枠部材235及び遮蔽部材236を反射材232の代わりに有し、拡散層237を拡散層234の代わりに有することが発光装置113と相違する。発光装置114において、発光装置113と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0149】
枠部材235は、反射材232と同様に、酸化チタン等の反射性の微粒子が分散されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、導光材233及び遮蔽部材236の高さ以上の高さで、且つ反射材236を囲むように配置され、枠状の平面形状を有する。
【0150】
遮蔽部材236は、反射材232と同様に、酸化チタン等の反射性の微粒子が分散されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、LEDチップ20及び蛍光材料30から出射された光を反射する。また、遮蔽部材236は、含有される反射性の微粒子の含有率が反射材232及び枠部材235よりも低く、LEDチップ20及び蛍光材料30から出射された光の一部を透過する。遮蔽部材236の透過率は、30%以上であり且つ70%以下であることが好ましく、40%以上であり且つ60%以下であることが更に好ましい。遮蔽部材236がLEDチップ20及び蛍光材料30から出射された光の一部を透過することで、遮蔽部材236の上方において輝度ムラの発生が抑制される。
【0151】
発光装置114では、枠部材235及び遮蔽部材236が、発光装置113の反射材232の役目を果たしている。すなわち、枠部材235及び遮蔽部材236は、封止材231の上側及び第1領域17とは反対側に配置されて、封止材231から出射された光を反射して、反射光を導光材233側に導いている。
【0152】
拡散層237は、拡散層234と同様に、二酸化ケイ素等により形成されるフィラー、及び酸化チタン等が含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂である。拡散層237の表面は、平坦でもよいし、第1領域17の中央部が頂となる凸形状もしくは第1領域17の中央部が底となる凹形状であってもよい。拡散層237中央部の厚さは、拡散層237の外縁部の厚さよりも薄い。拡散層234と同様に、拡散層237の厚さは、第1領域17の中央部が一番薄く、第1領域17の外縁に向かうに従って徐々に厚くなる。
【0153】
図26及び
図27を用いて、発光装置114の製造方法を説明する。発光装置114を製造する第1工程~第5工程は、
図19~
図23に示した、発光装置113を製造する第1工程~第5工程と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
図26は
図25に示す発光装置114の製造方法の第6工程を示す図であり、
図27は
図25に示す発光装置114の製造方法の第7工程を示す図である。
図26及び27において、A図面は平面図であり、B図面はA図面に示すB-B線に沿う断面図である。
【0154】
第5工程において導光材233が配置された後、第6工程において、封止材231の周囲を囲むように枠部材235が配置される。まず、枠部材235の固化前の樹脂が封止材231を囲むように配置される。枠部材235の固化前の樹脂は、チクソ性が高く、壁状の配置が可能となる。次いで、基板10を加熱することにより枠部材235の固化前の樹脂が固化することで、枠部材235が形成される。
【0155】
次いで、第7工程において、遮蔽部材236は、封止材231を全面に亘って覆い且つ導光材233の外縁を覆うように、枠部材235の内壁に沿って配置される。まず、遮蔽部材236の固化前の樹脂が封止材231を覆うように枠部材235の内壁に沿って配置される。次いで、基板10を加熱することにより遮蔽部材236の固化前の樹脂が固化することで、遮蔽部材236が形成される。また、第6工程は第7工程以前にあればよく、例えば第3工程の後でも構わない。
【0156】
そして、第8工程(不図示)において、拡散層237は、枠部材235の内側に、導光材233を覆うように配置される。まず、拡散層237の固化前の樹脂は、枠部材235の内側に、第1領域17の中央部が底になる凹型となり且つ導光材233を覆うように配置される。次いで、基板10を加熱することにより拡散層237の固化前の樹脂が固化することで、拡散層237が形成される。
【0157】
発光装置114は、第1光及び第2光を反射する枠部材235によって第1領域17が囲まれるので、第1光及び第2光を効率よく第1領域17の上方に出射することができる。
【0158】
また、発光装置114では、発光装置113と同様に、拡散層237の厚さを第1領域17の外縁よりも第1領域17の中央部で薄くすることで、LEDチップ20との間の距離に起因する第1領域17の中央部と外縁との間で輝度ムラの発生を抑制することができる。なお、発光装置114では、拡散層237の表面が第1領域17の中央部が底となる球面状の凹部であるため、第1領域17の中央部における拡散層237の厚さを薄くして、輝度ムラの発生をさら抑制することができる。
【0159】
また、発光装置114では、LEDチップ20及び蛍光材料30から出射された青色及び黄色の光の一部は、遮蔽部材236を透過して拡散層237を介して発光装置114から外部に出射されるので、遮蔽部材236の上方に暗部が生じて輝度ムラが発生することを防止できる。なお、遮蔽部材236の透過率は、30%以上であり且つ70%以下であることが好ましく、光は多少透過させるが、外部から蛍光材料の色は視認することができない。したがって、発光装置114は、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0160】
【0161】
発光装置115は、導光材238及び複数のドット状の樹脂239を、導光材233及び拡散層234の代わりに有することが発光装置113と相違する。発光装置115において、発光装置113と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0162】
導光材238は、表面の高さが略均一であることが導光材233と相違する。表面の高さが均一であること以外の導光材238の構成及び機能は、導光材233の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0163】
複数のドット状の樹脂239は、樹脂ドットとも称され、二酸化ケイ素等により形成されるフィラー、及び酸化チタン等の白色樹脂が含有されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、導光材238の表面に配置される。複数のドット状の樹脂239は、配置ピッチが第1領域17の中央部から外縁に向かって徐々に広くなるように配置される。
【0164】
発光装置115の製造方法は、複数のドット状の樹脂239を拡散層234の代わりに配置すること以外は、発光装置113の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0165】
発光装置115は、複数のドット状の樹脂239が第1領域17の中央部から外縁に向かって配置ピッチが徐々に広くなるように配置されるので、輝度ムラが低い光を出射することができる。なお、複数のドット状の樹脂239の配置の方法は、発光装置115で示した方法に限定されず、輝度ムラが低くなるようにできれば、他の配置方法であっても良い。
【0166】
【0167】
発光装置116は、導光材240を導光材233の代わりに有し、且つ、拡散層234を有さないことが発光装置113と相違する。発光装置116において、発光装置113と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0168】
導光材240は、表面がディンプル加工されることが導光材233と相違する。表面がディンプル加工されること以外の導光材240の構成及び機能は、導光材233の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。導光材240の表面に形成されるディンプルの深さは、第1領域17の中央部から外縁に向かって徐々に浅くなるように形成される。
【0169】
発光装置116の製造方法は、導光材233が配置された後に、導光材233の表面にディンプル加工を施すこと以外は、発光装置113の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、導光材233の表面のディンプル加工は、例えば導光材233の表面にレーザ加工を施すことで形成される。導光材233の表面は、ディンプルの深さが第1領域17の中央部から外縁に向かって徐々に浅くなるディンプル加工される。ディンプル加工された部分の内側は、空洞(空気)であっても良いし、透明樹脂などを充填しても良い。ディンプル加工された部分の内側に投影樹脂層を充填すれば、ディンプル形状が摩耗して光学特性が劣化することを防止できる。また、導光材240の屈折率より、空気及び透明樹脂の屈折率は低いので、ディンプル加工された部分は低屈折率層としても機能する。
【0170】
発光装置116は、導光材240の表面がディンプル加工されているので、拡散層234を配置することなく、輝度ムラの発生を抑制することができる。なお、ディンプルの配置及び各ディンプルの高さは、発光装置116に示した配置及び高さでなくても、輝度ムラが低くなるようにできれば、他の配置方法であっても良い。
【0171】
また、発光装置116では、平坦な第1領域17を有する実装基板11が使用されるが、導光材240の表面がディンプル加工されると共に、第1領域17の表面がシボ加工されている実装基板を使用しても良い。
【0172】
【0173】
発光装置117は、突起物241を有することが発光装置113と相違する。発光装置117において、発光装置113と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0174】
突起物241は、アルミニウム等の反射率が高い材料で形成され、円錐状の形状を有する。突起物241は、頂部242と、外縁部243と、側面部244とを有し、頂部242が第1領域17の中心に位置するように配置される。頂部242は、突起物241の頂点であり、反射部材を平面視したときに中心に位置する。外縁部243は、頂部242よりも高さが低く且つ頂部242を囲むように配置される。側面部244は、頂部242と外縁部243との間に配置され、封止材231から出射される光を反射する。また、突起物241は、酸化チタン等の反射性の微粒子が分散されたシリコーン樹脂等の合成樹脂であってもよい。ここでは、円錐状の形状は、頂点242が丸い形状、外縁部243の平面形状が真円でなく凹凸を含む形状、及び側面243に凹凸を含む形状等の略円錐形状を含む。
【0175】
発光装置117の製造方法は、突起物241を配置する反射部材配置工程を、発光装置113の製造工程において、第2工程と第3工程との間に有することが発光装置113の製造方法と相違する。反射部材配置工程において、突起物241は、接着剤によって第1領域17の中央部に接着される。また、突起物241が、酸化チタン等の反射性の微粒子が分散されたシリコーン樹脂等の合成樹脂である場合、反射部材配置工程において、突起物241は、固化することによって第1領域17の中央部に接着される。
【0176】
発光装置117は、突起物241が第1領域17の中央部に配置されることで、第1領域17の中央部から出射される光の輝度が向上し、第1領域17の中央部と外縁との間で輝度ムラの発生を抑制することができる。なお、発光装置117が有する突起物241は、円錐状の形状を有するが、四角錐状を含む多角錐状の形状を有してもよい。なお、ここでは、多角錐状の形状は、頂点が丸い形状、外縁部の平面形状が直線で結線された多角形状でなく凹凸を含む形状、及び側面に凹凸を含む形状等の略多角錐形状を含む。
【0177】
【0178】
発光装置118は、基板250を基板10の代わりに有することが発光装置113と相違する。発光装置118において、発光装置113と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0179】
基板250は、実装基板251を実装基板11の代わりに有することが基板10と相違する。実装基板251以外の基板250の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された基板10の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0180】
実装基板251は、第1領域257を第1領域17の代わりに有することが実装基板11と相違する。第1領域257以外の実装基板251の構成要素の構成及び機能は、同一符号が付された実装基板11の構成要素の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。第1領域257は、シボ加工されていることが第1領域17と相違する。
【0181】
発光装置118の製造方法は、第1領域257がシボ加工されている実装基板251を使用すること以外は、発光装置113の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、第1領域257のシボ加工は、例えば実装基板251の発光領域57以外の領域をマスクした状態で、エッチングすることで形成される。
【0182】
発光装置118は、第1領域257がシボ加工されているので、封止材231を出射して第1領域257に入射した光は、第1領域257において拡散されて外部に出射される。
【0183】
【0184】
発光装置119は、封止材260を封止材231の代わりに有すること、且つ、第1LEDチップ261、第2LEDチップ262及び第3LEDチップ263をLEDチップ20の代わりに有することが発光装置114と相違する。発光装置119において、発光装置114と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0185】
封止材260は、蛍光材料30を含有しないことが封止材231と相違する。蛍光材料30を含有しないこと以外の封止材260の構成及び機能は、封止材231の構成及び機能と同一なので、ここでは詳細な説明は省略する。封止材260は、第1LEDチップ261、第2LEDチップ262及び第3LEDチップ263のそれぞれを覆うように配置される。
【0186】
第1LEDチップ261は、LEDチップ20と同様に、出射する光の波長域が440nm~455nmの青色発光する半導体素子であり、
図32Aにおいて文字「B」が付される。第2LEDチップ262は、出射する光の波長域が505nm~555nmのInGaN系化合物半導体等により形成される緑色発光する半導体素子であり、
図32Aにおいて文字「G」が付される。第3LEDチップ263は、出射する光の波長域が620nm~750nmのGaAsP系化合物半導体等により形成される赤色発光する半導体素子であり、
図32Aにおいて文字「R」が付される。
【0187】
第1LEDチップ261が出射する光は第1波長を有する第1光の一例であり、第2LEDチップ262が出射する光は第2波長を有する第2光の一例であり、第3LEDチップ263が出射する光は第3波長を有する第3光の一例である。
【0188】
発光装置119の製造方法は、第1LEDチップ261、第2LEDチップ262及び第3LEDチップ263をLEDチップ20の代わりに実装すること以外は、発光装置114の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0189】
発光装置119では、第1LEDチップ261、第2LEDチップ262及び第3LEDチップ263は視認可能な第1領域17に配置されないので、輝度が低い発光の間でも第1LEDチップ261、第2LEDチップ262及び第3LEDチップ263が輝度ムラとして視認されるおそれがない。
【0190】
また、発光装置119では、平坦な面である第1領域17を有する実装基板11が使用されるが、第1領域17がシボ加工されている実装基板を使用しても良い。さらに、発光装置119では、第1領域17がシボ加工されている実装基板、及び、表面がディンプル加工されている導光材、の両方を使用しても良い。
【0191】
【0192】
発光装置120は、第1封止材271、第2封止材272及び第3封止材273を封止材231の代わりに有することが発光装置114と相違する。発光装置120において、発光装置114と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0193】
第1封止材271は、青色の光を吸収して黄色の光を出射するYAG等の蛍光体を含有するシリコーン樹脂等の合成樹脂である。第1封止材271によってLEDチップ20が封止されることによって、第1封止材271からは青色光と黄色光が混色することによって緑色光が出射される。そのために、便宜上、
図33Aにおいて、第1封止材271によって封止されるLEDチップ20に、文字「G」を付している。
【0194】
第2封止材272は、青色の光を吸収して赤色の光を出射するCaAlSiN
3等の蛍光体を含有するシリコーン樹脂等の合成樹脂である。第2封止材272によってLEDチップ20が封止されることによって、第2封止材272からは主に赤色光が出射される。そのために、便宜上、
図33Aにおいて、第2封止材272によって封止されるLEDチップ20に、文字「R」を付している。
【0195】
第3封止材273は、蛍光体を含有しないシリコーン樹脂等の合成樹脂であり、第1封止材271及び第2封止材272によって封止されたLEDチップ20、並びに第1封止材271及び第2封止材272によって封止されないLEDチップ20を封止する。第3封止材273のみによって封止されるLEDチップ20は、そのまま青色光を出射するので、便宜上、
図33Aにおいて文字「B」を付している。
【0196】
発光装置120の製造方法は、発光装置114の製造工程の第4工程において第1封止材271~第3封止材273を封止材231の代わりに配置すること以外は、発光装置114の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0197】
【0198】
発光装置121は、LEDチップ20が第1領域17の周囲の第2領域18に加えて第1領域17に実装されること、且つ、封止材281及び遮蔽部材282を新たに追加することが発光装置113と相違する。発光装置121において、発光装置113と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0199】
発光装置121では、LEDチップ20は、第2領域18に加えて第1領域17に実装される。第1領域17には、4個のLEDチップ20が実装される。
【0200】
封止材281は、第1領域17に実装される4個のLEDチップ20を覆うように配置される。封止材281の材質は封止材231と同様であり、封止材231に含有される蛍光材と同じ蛍光材料30が含有される。遮蔽部材282は、4個のLEDチップ20を覆う封止材281を覆うように、導光材233の上部に配置される。なお、遮蔽部材282の材料は、
図30に示す発光装置116で利用した遮蔽部材236と同様であり、遮蔽部材236と同様の透過率を有することが好ましい。なお、矢印Hで示した箇所は、封止材281の内側の領域であり、この箇所にも導光材233が配置される。
【0201】
発光装置121の製造方法は、LEDチップ20を第1領域17に実装すること、及び第1領域17に実装されたLEDチップ20を覆うように封止材281を配置すること、導光材231の硬化後、封止材281を覆うように反射材282を配置すること以外は、発光装置113の製造方法と同様なので、ここでは詳細な説明は省略する。なお、矢印Hで示した箇所に配置された導光材233は、封止材281の外側に配置された導光材233とは個別に固化されることが好ましい。
【0202】
発光装置121では、第1領域17にLEDチップ20が実装されるので、実装領域17の中央部の輝度を発光装置113よりも高くすることができる。また、発光装置121では、第1領域17に実装されるLEDチップ20を覆うように遮蔽部材282が配置されるので、輝度が低い発光の間でも第1領域17に配置されるLEDチップ20が輝度ムラとして視認されるおそれがない。また、発光装置121では、消灯時に第1領域17に配置される4個のLEDチップ20を封止する封止材281に含有される蛍光材の色が遮蔽部材282で遮蔽されるので、外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0203】
上述した発光装置100~103、105~118では、第1の色である青色の光を出射するLEDチップ20が実装されるが、LEDチップ20の代わりに第1の色の光を出射するLEDチップ、及び、第1の色と異なる第2の色の光を出射するLEDチップが実装されてもよい。
【0204】
上述した発光装置100~121では、第1領域17は略矩形の平面形状を有するが、第1領域は円形及び矩形以外の多角形(6角形等)の平面形状を有してもよい。なお、第1領域17が円形の平面形状を有するとき、封止材及び反射材はリング状の平面形状を有することとなる。
【0205】
発光装置100~121では、一対の電極であるアノード電極13及びカソード電極14を介して発光素子に電力が供給されるが、二対以上の電極を介して発光素子に電力が供給されてもよい。
【0206】
発光装置100~113、115、116、118、及び、121では、反射材32及び232は、LEDチップ20から出射される青色の光及び封止材31及び231に含有される蛍光材料30から出射される黄色の光をほぼ透過しない。しかしながら、外部から、蛍光材料の色が視認されない範囲であれば、光の一部を透過するような反射材を利用しても良い。
【0207】
発光装置113及び118では、拡散層234の表面は、全面に亘って略均一の高さを有しているが、第1領域17の中央部が低く、周辺部が高くなるような凹部、又は、球面状の凹部であってもよい。
【0208】
【0209】
発光装置122は、発光装置114と比較して、導光材333の外縁部に近接して、第2領域18に第1群(12個)のLEDチップ20が円形に配置され、第1群のLEDチップ20の内側に第2群(12個)のLEDチップ20が円形に配置されている点が、大きく異なる点である。また、発光装置122において、発光装置114と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0210】
第1アノード電極313と電気的に接続されている第1アノード配線317、第2アノード電極314と電気的に接続されている第2アノード配線318、第1カソード電極315と電気的に接続されている第1カソード配線319、第2カソード電極316、及び、第2カソード電極316と電気的に接続されている第2カソード配線320が回路基板312の表面に銅等の導電性薄膜により形成されている。第1群のLEDチップ20は第1アノード配線317と第1カソード配線319間に直列接続され、第2群のLEDチップ20は第2アノード配線318と第2カソード配線320間に直列接続されている。
【0211】
発光装置122において、第1群のLEDチップ20は、第1封止材331により封止され、第2群のLEDチップ20は第2封止材332により封止されている。第1封止材331は、前述した発光装置110で記載した第2封止材82と同じ封止材であり、その結果、第1封止材331からは色温度2700Kの暖色の白色光が出射される。また、第2封止材332は、前述した発光装置110で記載した第1封止材81と同じ封止材であり、その結果、第2封止材332からは色温度6500Kの寒色の白色光が出射される。
【0212】
第1アノード電極313及び第1カソード電極315間に所定の第1電圧を印加することにより第1封止材331から暖色系の白色光が出射され、第2アノード電極314及び第2カソード電極316間に所定の第2電圧を印加することにより第2封止材332から寒色系の白色光が出射される。したがって、第1電圧及び第2電圧の電圧値を可変することにより、発光装置122から出力される白色光の色度を変更すること、言い換えると調色を行うことが可能である。
【0213】
発光装置122では、発光装置114と同様に、導光材333、枠部材335、遮蔽部材336、及び、拡散層337を有している。発光装置122における導光材333、枠部材335、遮蔽部材336、及び、拡散層337の材質及び機能は、発光装置114で示した導光材233、枠部材235、遮蔽部材236、及び、拡散層227と比較して、同様であるので(形状のみ異なる)、説明を省略する。
【0214】
発光装置122では、枠部材335及び遮蔽部材336が、発光装置113の反射材232の役目を果たしている。すなわち、枠部材335及び遮蔽部材336は、第1封止材331及び第2封止材332の上側及び第1領域17とは反対側に配置されて、第1封止材331及び第2封止材332から出射された光を反射して、反射光を導光材333側に導いている)。
【0215】
また、発光装置122では、第1封止材331及び第2封止材332から出射された光の一部は、遮蔽部材336を透過して拡散層337を介して発光装置122から外部に出射されるので、遮蔽部材336の上方に暗部が生じて輝度ムラが発生することを防止できる。なお、遮蔽部材336の透過率は、30%以上であり且つ70%以下であることが好ましく、光は多少透過させるが、外部から蛍光材料の色は視認することができない。したがって、発光装置122は、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0216】
発光装置122では、寒色系の白色光が出射される第2封止材332の外側に暖色系の白色光が出射される第1封止材331が配置されており、第1封止材331が第2封止材332から出射された光を吸収して2次吸収することを抑制するので、装置全体の効率が向上する。
【0217】
発光装置122の製造方法は、発光装置114の製造工程において、2重に配置した2群のLEDチップを2種類の封止材で封止して、2群のLEDチップのそれぞれを所定の配線電極と接続する以外は、ほぼ同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0218】
【0219】
発光装置123は、発光装置122と比較して、第1群のLEDチップ20及び第2群のLEDチップ20を封止材で封止する方式が異なる点が、大きく異なる点である。また、発光装置123において、発光装置122と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0220】
発光装置123では、導光材333の外縁部に近接して、第2領域18に第1群(12個)のLEDチップ20が円形に配置され、第1群のLEDチップ20の内側に第2群(12個)のLEDチップ20が円形に配置されており、この点は、発光装置122と変わりない。しかしながら、第1群のLEDチップ20及び第2群のLEDチップ20全体が、第2封止材342によって封止され、第1群のLEDチップ20の上面にのみ第1封止材341が配置されている点が異なる。
【0221】
発光装置123において、第1封止材341は、前述した発光装置110で記載した第2封止材82と同じ封止材であり、この結果、第1封止材341からは色温度2700Kの暖色の白色光が出射される。また、第2封止材342は、前述した発光装置110で記載した第1封止材81と同じ封止材であり、第2封止材342からは色温度6500Kの寒色の白色光が出射される。
図36Aにおいて、便宜上、第1封止材341が配置されている箇所に「W」を付している。
【0222】
第1アノード電極313及び第1カソード電極315間に所定の第1電圧を印加することにより第1封止材341から暖色系の白色光が出射され、第2アノード電極314及び第2カソード電極316間に所定の第2電圧を印加することにより第2封止材342から寒色系の白色光が出射される。したがって、第1電圧及び第2電圧の電圧値を可変することにより、発光装置123から出力される白色光の色度を変更すること、言い換えると調色を行うことが可能である。
【0223】
発光装置123では、枠部材335及び遮蔽部材336は、第1封止材341及び第2封止材342の上側及び第1領域17とは反対側に配置されて、第1封止材341及び第2封止材342から出射された光を反射して、反射光を導光材333側に導いている。
【0224】
また、発光装置123では、第1封止材341及び第2封止材342から出射された光の一部は、遮蔽部材336を透過して拡散層337を介して発光装置123から外部に出射されるので、遮蔽部材336の上方に暗部が生じて輝度ムラが発生することを防止できる。なお、遮蔽部材336の透過率は、30%以上であり且つ70%以下であることが好ましく、光は多少透過させるが、外部から蛍光材料の色は視認することができない。したがって、発光装置123は、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0225】
さらに、発光装置123では、第1群のLEDチップ20と第2群のLEDチップ20を導光材333の外縁部に近接して交互に配置することができるので、暖色系の白色光と寒色系の白色光との混色性を向上させることが可能である。
【0226】
発光装置123の製造方法は、発光装置114の製造工程において、2重に配置した2群のLEDチップを2種類の封止材で封止して、2群のLEDチップのそれぞれを所定の配線電極と接続する以外は、ほぼ同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0227】
【0228】
発光装置124は、枠部材350を枠部材235及び遮蔽部材236の代わりに有し、拡散層251を拡散層237の代わりに有することが発光装置114と相違する。発光装置124において、発光装置114と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0229】
枠部材350は、反射材232と同様に、封止材231から出射された光を反射可能な材料により、成型品として個別に製造され、鉛筆硬度B以上の硬度を有し、不図示の接着材で基板10に接着されている。
【0230】
拡散層351は、発光装置114の拡散層237と同じ材料により構成される。
【0231】
発光装置124では、枠部材350が、封止材231の上側及び第1領域17とは反対側を覆うように配置されて、封止材231から出射された光を反射して、反射光を導光材233側に導いている。
【0232】
発光装置124の製造方法は、
図19~
図23に示した発光装置113を製造する第1工程~第5工程の後に、成形品の枠部材350を基板に接着し、枠部材350と導光材233との間に拡散層351を形成ことで完成する。
【0233】
発光装置124は、第1光及び第2光を反射する枠部材350によって第1領域17が囲まれるので、第1光及び第2光を効率よく第1領域17の上方に出射することができる。
【0234】
また、発光装置124では、封止材233の上方を枠部材350で覆っているので、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0235】
また、発光装置124では、成形品の枠部材350を利用しているため、枠樹脂350の上部に平坦な箇所を設けることが可能であり、平坦な箇所を利用して、光学部品等との接続及び/又は位置決めを容易に行えるといった利点がある。さらに、発光装置124では、成形品の枠部材350を利用しているため、装置として堅牢であり、上部をユーザが触れても、LEDチップ20を接続しているワイヤ21等が断線する等の恐れが低い。
【0236】
【0237】
発光装置125は、第1領域17にμLEDチップ360が配置されている点が、発光装置114と相違する。発光装置125において、発光装置114と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0238】
μLEDチップ360は、LEDチップ20と同様な半導体素子であるが、LEDチップ20の縦横の外形寸法が650μm×650μm程度であるのに対して、縦横の外形寸法が50μm×50μm程度と非常に小さい。
図38Aには記載していないが、各μLEDチップ360は、ワイヤ21によって、アノード配線15及びカソード配線16と接続されている。また、
図38Aには9個のμLEDチップ360に限定されず、特に輝度ムラが発生しそうな箇所に配置して輝度ムラ補正に利用することができる。また、μLEDチップ360が出射する色は青色光に限定されず、様々な発光色のμLEDチップを利用することが可能である。
【0239】
発光装置125の製造方法は、発光装置113を製造する工程と同じ工程で、LEDチップ20と同じタイミングでμLEDチップ360を配置し、ワイヤにより接続を行えば良い。
【0240】
また、発光装置125では、μLEDチップ360自体の発光に、蛍光材料は必要ないので、発光装置114と同様に、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0241】
【0242】
発光装置126は、発光装置124と比較して、基板410が長細い矩形形状であり、基板410の長手方向に沿って、LEDチップがライン状に配列されていることが大きく異なる点である。また、発光装置126において、発光装置114と同じ構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0243】
発光装置126では、導光材433の長手方向に沿った外縁部に近接して、第2領域18に複数のLEDチップ20がライン状に配置されている。複数のライン状に配列されたLEDチップ20は、アノード電極413と電気的に接続されたアノード配線415及びカソード電極414と電気的に接続されたカソード配線416間に直列に接続されている。
【0244】
発光装置126では、封止材431、導光材433、枠部材435、遮蔽部材436、及び、拡散層437を有している。発光装置126における封止材431、導光材433、枠部材435、遮蔽部材436、及び、拡散層437の材質及び機能は、発光装置114で示した封止材231、導光材233、枠部材235、遮蔽部材236、及び、拡散層237と比較して、同様であるので(形状のみ異なる)、説明を省略する。
【0245】
発光装置126では、枠部材435及び遮蔽部材436が、封止材431の上側及び第1領域17とは反対側に配置されて、封止材431から出射された光を反射して、反射光を導光材433側に導いている。
【0246】
また、発光装置126では、封止材431から出射された光の一部は、遮蔽部材436を透過して拡散層437を介して発光装置126から外部に出射されるので、遮蔽部材436の上方に暗部が生じて輝度ムラが発生することを防止できる。なお、遮蔽部材436の透過率は、30%以上であり且つ70%以下であることが好ましく、光は多少透過させるが、外部から蛍光材料の色は視認することができない。したがって、発光装置126は、消灯時に蛍光材料の色が外部から視認されず、美感が低下するおそれがない。
【0247】
発光装置126の製造方法は、基板410の形状等が異なる点を除いて、発光装置114の製造工程と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0248】
図40Aは上面発光SMD150の一例を示す平面図であり、
図40Bは
図40Aの右側側面図であり、
図40Cは
図40Aの裏面図である。上面発光SMD150は、LEDパッケージの一例であって、上述した発光装置100~126において、LEDチップ20の代わりに用いることが可能である。
【0249】
上面発光SMD150は、基板510上に配置されたアノード配線515及びカソード配線516とLEDチップ20がワイヤ21で接続されている。アノード配線515は、ビア517により基板510の裏面に配置されているアノード電極513と電気的に接続されている。また、カソード配線516は、ビア518により基板510の裏面に配置されているカソード電極514と電気的に接続されている。
【0250】
基板510の上面には、枠部材535が配置され、その内側には、LEDチップ20及びワイヤ21を封止するように封止材531が配置されている。封止材531及び枠部材535は、発光装置114の封止材231及び枠部材235と同じ材料で形成される。
【0251】
上面発光SMD150は、裏面(
図40C参照)のアノード電極513及びカソード電極514により、例えば、発光装置114のアノード配線15及びカソード配線16と接続され、所定の電流が供給されることによって、上面側(
図40A参照)から、所定の波長の光を出射する。
【0252】
上面発光SMD150の縦、横、高さの外形寸法は、例えば、1.5×1.5×0.5mmであるが、大きさはこれに限定されるものではない。
【0253】
図41Aは側面発光SMD151の一例を示す平面図であり、
図41Bは
図41Aの右側側面図であり、
図41Cは
図41Aの裏面図である。側面発光SMD151は、LEDパッケージの一例であって、上述した発光装置100~126において、LEDチップ20の代わりに用いることが可能である。側面発光SMD151において、上面発光SMD150と同様な構成には同じ番号を付して説明を省略する。
【0254】
側面発光SMD151は、基板510上に配置されたアノード配線515及びカソード配線516とLEDチップ20がワイヤ21で接続されている。アノード配線515は、ビア517により基板510の裏面に配置されているアノード電極523と電気的に接続されている。また、カソード配線516は、ビア518により基板510の裏面に配置されているカソード電極524と電気的に接続されている。
【0255】
基板510の上面には、枠部材535が配置され、その内側には、LEDチップ20及びワイヤ21を封止するように封止材531が配置されている。封止材531及び枠部材535は、発光装置114の封止材231及び枠部材235と同じ材料で形成される。
【0256】
側面発光SMD151は、裏面(
図41C参照)から側面側に伸びているアノード電極523及びカソード電極524により、側面側(
図41Bの矢印F側)で、例えば、発光装置114のアノード配線15及びカソード配線16と接続され、所定の電流が供給されることによって、上面側(
図41A参照)から、所定の波長の光を出射する。
【0257】
側面発光SMD151の縦、横、高さの外形寸法は、例えば、0.8×1.5×0.8mmであるが、大きさはこれに限定されるものではない。
【0258】
図42は発光装置113を照明装置600に適用した例を示す図である。
【0259】
照明装置600は、発光装置113と、レンズ601とを有する。レンズ601は、軸対称でボウル形状のコリメータレンズであり、くぼみ602に発光装置100の発光領域が位置するように発光装置100が配置される。レンズ601の外面である反射面603は、放物線を回転させた回転体形状を有する。レンズ601は、発光装置100から出射された光を反射面603で反射して出射面604から出射する。なお、他の発光装置101~112、及び114~126も照明装置600に適用できる。
【0260】
図43Aは比較例に係る発光装置700を照明装置600に利用した場合の例を示し、
図43Bは発光装置100を照明装置600に利用した場合の例を示している。
図43A及び
図43Bは両方とも、照明装置600の出射面604側からユーザが覗き込んだ場合を想定している。
【0261】
比較例に係る発光装置700は、発光装置113において、第1領域17にLEDチップ20と蛍光材料30を含んだ封止材231が、導光材233の代わりに配置されている装置であるものとする。したがって、発光装置700では、消灯時に蛍光材料の色が上方から視認されるように構成されている。
【0262】
図43Aに示す様に、発光装置700が消灯している間、発光装置700の第1領域に存在する蛍光材料を含有する封止材の色が、照明装置600のレンズ601の反射面603に反射し、レンズ601の全面に亘って蛍光体の色が視認され、美感が低下する。
【0263】
一方、
図43Bに示す様に、発光装置113では蛍光材料を含有する封止材は上方から視認されないように反射材232が配置されているので、発光装置113が消灯している間でも、照明装置600のレンズ601の全面に亘って蛍光体の色が視認されることはない。
【0264】
また、実施形態に係る発光装置113は、面積が広いので、レンズ601を発光装置113に実装して照明装置600を製造するときに、発光装置113とレンズ601との間に横ずれが生じた場合でも、輝度が低下するおそれが低い。