(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】タイマー式USBストレージ装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/00 20060101AFI20221109BHJP
G06F 3/06 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G06F3/00 A
G06F3/06 301A
(21)【出願番号】P 2021101208
(22)【出願日】2021-05-07
【審査請求日】2021-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500297007
【氏名又は名称】アプリケーション・リサーチ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】門馬 康之
【審査官】局 成矢
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-353145(JP,A)
【文献】特開2015-229321(JP,A)
【文献】実開平02-123643(JP,U)
【文献】特開2019-192152(JP,A)
【文献】特開昭63-201861(JP,A)
【文献】特開2006-202234(JP,A)
【文献】再公表特許第15/008484(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/00
G06F 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイマー式USBストレージ装置は、USBマスストレージクラスの規格に準拠したストレージであって、2つ以上の外部USB接続部と1つ以上の内蔵するUSBストレージと、2つ以上の外部USB接続部に接続されたそれぞれのUSB回路と内蔵されたUSBストレージの接続を制御するためのタイマー装置からの指令によるUSB接続回路の
時刻による切り替えをおこなう回路切替スイッチとからな
る、USBを利用できるホスト機器に接続して利用する周辺機器
であり、内蔵したタイマー装置と回路切替スイッチにより、外部USB接続部に接続されるホスト機器と内蔵するUSBストレージとの間で
、読み書きできる
外部USB接続部と内蔵するUSBストレージとの間をつなぐ回路を
設定時刻に切り替え
て、利用できる状態になった回路に接続されたホスト機器以外のホスト機器とつながる回路を切断し読み書きできない状態にすることを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータデータの保存と情報セキュリィティに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワーク間におけるデータのやり取りは双方のネットワークが接続された状態M2であることが必要とされている。接続されていないネットワークM1の場合には、取り外し可能な外部記憶装置(可搬型ストレージ)にデータを格納しそれを人手により運ぶ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術は、接続されていないネットワークM1の場合のデータの移送は、人手により、毎回可搬型ストレージの脱着と運搬を行う必要があり、作業の手間と時間がかかる上に、誤操作の懸念があり機械的な移送に比べ面倒な管理が必要になる。
【0004】
また、可搬型ストレージを人手により運搬することは、運搬途中において盗聴・コピーなどあってはならないことが発生する機会がある上に、紛失、置き忘れ、盗難のリスクがあることや、そのストレージに保存されたデータが改ざんされることや消失・あるいは消去されることの懸念など、情報セキュリティ管理上の重大な事故リスクを含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-164362(P2004-164362A)
【文献】特開2009-26530(P2009-26530A)
【0006】
ネットワーク同士が直接接続されることがないネットワークM1の間で人手に依存しないコンピュータ同士のデータ交換を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ネットワークN5とN5とは接続されていないネットワークN6が、同時にタイマー式USBストレージ装置N7にUSB接続をすると、ネットワークN5内にあるホスト機器n51のUSB接続部k1に接続されたUSBケーブルK11はタイマー式USBストレージ装置N7の外部USB接続部k2に接続され、ネットワークN6内にあるホスト機器n61のUSB接続部k3に接続されたUSBケーブルK31はタイマー式USBストレージ装置N7の外部USB接続部k4に接続される。この状態で、タイマー装置n71により指令を受けた回路切替スイッチn72がスイッチ回路のL1s71とL2s73を接続している場合には、USBストレージn73に接続できるのは、ネットワークN5内のホスト機器n51のみである。また、タイマー式USBストレージ装置のもう一方の外部USB接続部k4にUSBケーブルk31を使って接続したネットワークN6内のホスト機器n61は、回路切替スイッチn72によってスイッチL3s73とL2s72が接続されていないため、接続回路k73が接続回路k72には接続されず、USBストレージn72に接続できない。このことによって、タイマー式USBストレージ装置N7の2つの外部USB接続部に対しそれぞれ別々の接続されていないネットワーク内のホスト機器が接続されていても、内蔵されたUSBストレージは、どちらか一方のネットワークと接続されたUSBストレージとして機能する。接続されていないネットワーク同士が接続されていない状況下において、同じUSBストレージを内蔵する装置に接続しても、互いのネットワークが接続されることがない状態を維持できる。タイマーに設定した時刻によってどちらか一方のネットワークに属するストレージとして使用できるようにすることで、コンピュータによる自動的なデータの移送ができ、人手によるストレージの脱着操作と運搬作業が省略できる。
【0008】
タイマー式USBストレージ装置に内蔵するUSBストレージは、タイマー式回路切替スイッチによるUSB接続回路の切り替えが行われることで接続できる外部USB接続部が自動的に決定される。
【0009】
タイマーによる回路切替スイッチは、タイマー式USBストレージ装置の外部からの切り替えの時刻の設定により切り替え時刻に切り替え動作を自動的に行う。その時刻は任意に設定できる。
【0010】
タイマーによる回路切替スイッチは、タイマー式USBストレージ装置の外部からの切り替えの時刻の設定により切り替え時刻に切り替え動作を自動的に行う。その時刻は任意に設定できる。
【0011】
タイマー式USBストレージ装置に内蔵するUSBストレージを、本体の外部にUSBストレージ接続口を設けて外部接続できるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のタイマー式USBストレージ装置は、USBマスストレージ規格に準拠したストレージとタイマー装置とタイマー装置からの指令に基づき接続回路を切り替える回路切替スイッチとを組み合わせ、ネットワーク間の接続がなされていないネットワーク同士のホスト機器間において、共通のストレージを使用したデータ交換を実現する。
このことによって、今までは、人手によって行っていた移送元ホスト機器へのUSBストレージ等の外部記憶装置の着脱、データの抽出、人によるデータ移送先ホスト機器への運搬と外部記憶装置の着脱といった面倒な作業を省略することができる。
【0013】
可搬型ストレージを人手により運搬することによって発生する、運搬途中における盗聴・コピーなどの不正行為、紛失、置き忘れ、盗難のなどの事故リスクや、消失・あるいは消去される業務の遂行を妨げる妨害行為などの情報セキュリティ管理上のリスクを予防・回避をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】タイマー式USBストレージ装置の内部構成を示す図である。
【
図2】ネットワーク同士が接続されていないネットワークを示す図である。
【
図3】ネットワーク同士が接続されているネットワークを示す図である。
【
図4】ネットワークとタイマー式ストレージ装置の関係を示す図である。
【
図5】タイマー式USBストレージ装置の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るタイマー式USBストレージ装置の実施について図面を用いて説明する。USBマスストレージクラスの規格により接続されたUSBストレージが接続されたホスト機器からデータの読み書きができることを利用し、タイマーによって接続先を自動的に切り替えることで、接続されていないネットワーク間におけるデータの交換を、人手を使わずに実現したい場面で活用できる。例えば、社内ネットワークに接続できないAパソコンに保存されているデータから作成される社内ネットワークを介して提供したい日報などの資料を社内ネットワークの共有サーバへ移送したい場合に、本装置を使用することで、毎日のUSBによるデータ移送作業を省略できる。また、USBの脱着と搬送に存在するセキュリティ侵犯リスクを回避できる。あるいは、社内ネットワークで作成されるインターネット公開用データを、社内ネットワークとは切り離されたインターネット公開用ネットワークサーバに移送する場合に、本装置を活用することで社内サーバと公開用サーバをネットワーク接続せずに、インターネット公開用サーバの公開情報を毎日定められた時刻に自動的に更新できるようにすることができる。
例示した内容あるいは以下に説明する実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0016】
タイマー式USBストレージ装置に内蔵されたUSBストレージn102は、本体の外部USB接続部k101あるいは外部USB接続部k102によって、ホスト機器とつながっている。本体内部には回路切替スイッチk103がありタイマー装置の指令により回路接続のスイッチが切り替わりS1s101とS3s103またはS2s102とS3s103どちらか一方を回路接続することで、内蔵されたUSBストレージn102は内蔵された外部USB接続部k101あるいは外部USB接続部k102のどちらか一方のホスト機器とつながることができる。
【0017】
本体に内蔵されたタイマーはスイッチを切り替える時刻を本体外側から設定することができ、その設定時刻にスイッチに信号を送り、回路の切り替えを行う。
【産業上の利用可能性】
【0018】
ネットワークが接続されていない状態とは、内部ネットワークとして外部との通信を完全に遮断したい場合などに組織内に構築されるネットワークである。
外部ネットワークとは取引先など利害関係のある組織や企業、個人など、内部ネットワークの統治対象とならないネットワークでありインターネットもそれに含まれる。ネットワークの内部と外部を厳格に切り分けると、運用上の不都合が生じ、厳格に運用しなければ、不正アクセスの脅威にさらされることになる。また、厳格に運用するためには内外のネットワークにおけるデータ交換は人手に頼ることになり、そこには、新たな漏えいの脅威が存在する。本発明は、子の脅威を取り除く手段として、導入が簡便なUSBマスストレージとタイマー機能を組み合わせた装置で、USBストレージを人手で利用する場合の脱着操作を省き、なおかつ、ホスト機に対し定めた時間に自動的にデータの読み書きができるようにしたことが特徴であり、ネットワークセキュリティの観点からの効果が期待でき、また、人手による操作や作業を省くことができ効率向上に貢献する。
【符号の説明】
【0019】
A:タイマー式USBストレージ装置
a1:外部USB接続部
a2:外部USB接続部
a3:回路切替スイッチ
a4:タイマー装置
a5:USBストレージ
a6:時刻登録機構
a7:ACアダプタ
M1:ネットワーク同士が接続されていないネットワーク
N1:ネットワーク
e1:経路制御装置
e2:HUB(集線装置)
e3:コンピュータ/データ記憶装置
e4:コンピュータ/データ記憶装置
N2:ネットワーク
f1:経路制御装置
f2:HUB(集線装置)
f3:コンピュータ/データ記憶装置
f4:コンピュータ/データ記憶装置
M2:ネットワーク同士が接続されているネットワーク
N3:ネットワーク
g1:経路制御装置
g2:HUB(集線装置)
g3:コンピュータ/データ記憶装置
g4:コンピュータ/データ記憶装置
N4:ネットワーク
h1:経路制御装置
h2:HUB(集線装置)
h3:コンピュータ/データ記憶装置
h4:コンピュータ/データ記憶装置
M3:2つのネットワークとタイマー式USBストレージ装置の関係
N5:ネットワーク
n51:ネットワークN5内部にあるホスト機器
k1:ネットワークN5内部にあるホスト機器n51のUSB接続部
k11:ネットワークN5内部にあるホスト機器n51のUSB接続部に接続されたUSBケーブルであり対向側はタイマー式USBストレージ装置の外部USB接続部k2に接続されるUSBケーブル
N6:ネットワーク
n61:ネットワークN6内部にあるホスト機器
K3:ネットワークN6内部にあるホスト機器n61のUSB接続部
K31:ネットワークN6内部にあるホスト機器n61のUSB接続部に接続されたUSBケーブルであり対向側はタイマー式USBストレージ装置の外部USB接続部k4に接続されるUSBケーブル
N7:タイマー式USBストレージ装置
n71:タイマー式USBストレージ装置N7に内蔵するタイマー装置
n72:タイマー式USBストレージ装置N7に内蔵する回路切替スイッチ
n73:タイマー式USBストレージ装置N7に内蔵するUSBストレージ
k2:タイマー式USBストレージ装置N7の外部USB接続部
k4:タイマー式USBストレージ装置N7の外部USB接続部
k71:外部USB接続部k2と回路切替スイッチn72を接続する接続回路
k72:外部USB接続部k4と回路切替スイッチn72を接続する接続回路
k73:回路切替スイッチn72とUSBストレージn73を接続する接続回路
s71:回路切替スイッチのスイッチL1
S72:回路切替スイッチのスイッチL2
S73:回路切替スイッチのスイッチL3
K5:タイマー式USBストレージ装置N7に内蔵するUSBストレージn73のUSB接続部
N8:ネットワーク
n81:ネットワークN8内部にあるホスト機器
k81:ネットワークN8内部にあるホスト機器n81のUSB接続部
N10:タイマー式USBストレージ装置
k101:タイマー式USBストレージ装置N10の外部USB接続部(N8と接続される)
k102:タイマー式USBストレージ装置N10の外部USB接続部(N9と接続される)
k103:タイマー式USBストレージ装置N10内部に設置された回路切替スイッチ
n101:タイマー式USBストレージ装置N10に内蔵するタイマー装置
n102:タイマー式USBストレージ装置N10内部に設置されたUSBストレージ
s101:回路切替スイッチのスイッチS1
s102:回路切替スイッチのスイッチS2
s103:回路切替スイッチのスイッチS3
N9:ネットワーク
n91:ネットワークN9内部にあるホスト機器
k91:ネットワークN9内部にあるホスト機器n91のUSB接続部
【要約】
【課題】ネットワーク同士が接続されていないネットワークにおいて、ネットワークに接続されたホスト機器から別のネットワークに接続された別のホスト機器に、人手による運搬をせずにデータの伝送を行えるようにすることを課題とする。
【解決手段】タイマー式USBストレージ装置Aは、USBを利用できるホスト機器に接続して利用する周辺機器として機能し、内蔵したタイマー装置a4と回路切替スイッチa3により内蔵するUSBストレージa5とを結ぶ回路の切替を行うことを特徴とする。外部USB接続部a1またはa2に接続されたホスト機器からタイマー式USBストレージ装置が内蔵するUSBストレージa5の読み書きができるのは、いずれか一つのホスト機器に限られ、接続されていないネットワーク同士の環境を保ちつつ、接続されていないネットワーク間においても人手によるデータの運搬をせずにデータの伝送が行える。
【選択図】
図1