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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】マルチモード電力管理回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20221109BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20221109BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20221109BHJP
   H03K 17/687 20060101ALI20221109BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20221109BHJP
   H03K 17/06 20060101ALN20221109BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H01L27/04 F
H03K17/687 A
H02J7/34 A
H03K17/06 063
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020519051
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 US2018053846
(87)【国際公開番号】W WO2019070626
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】16/137,326
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/566,652
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ワン リー
(72)【発明者】
【氏名】クイオン エム リー
(72)【発明者】
【氏名】イーペン スー
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0164283(US,A1)
【文献】特表2017-528113(JP,A)
【文献】特表2016-531542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
H01L 21/822
H03K 17/687
H02J 7/34
H03K 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路であって、
第1のノードに結合するように構成される第1の端子と、第2のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する第1のインダクタ
前記第2のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する第1のp型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)(PFET)
接地電圧電位に結合されるソース端子と、前記第2のノードに結合されるドレイン端子とを有する第2のPFET
第4のノードに結合されるソース端子と、前記第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する第3のPFET
前記接地電圧電位に結合されるソース端子と、前記第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する第4のPFET
第5のノードに結合されるソース端子と、前記第3のノードに結合されるドレイン端子とを有するn型MOSFET(NFET)
前記第4のノードに結合するように構成される第1の端子と、前記第5のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する第2のインダクタ
前記第1のPFETのゲート端子と、前記第2のPFETのゲート端子と、前記第3のPFETのゲート端子と、前記第4のPFETのゲート端子と、前記NFETのゲート端子とに結合されるコントローラ
を含む、回路。
【請求項2】
請求項1に記載の回路であって、
前記第1のノードと第6のノードとの間に結合するように構成される第1のレジスタ
前記第6のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第1のキャパシタ
前記第3のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第2のキャパシタ
前記第3のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第3のキャパシタ
前記第5のノードと第7のノードとの間に結合するように構成される第2のレジスタ
を更に含む、回路。
【請求項3】
請求項2に記載の回路であって、
前記第6のノードに結合されるソース端子と、第8のノードに結合されるドレイン端子と、前記コントローラに結合されるゲート端子とを有する第5のPFETを更に含む、回路。
【請求項4】
請求項2に記載の回路であって、
前記第2のキャパシタと前記第3のキャパシタとの間に結合するように構成され、前記コントローラに結合されるゲート端子を有する第5のPFETを更に含む、回路。
【請求項5】
請求項2に記載の回路であって、
前記第7のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成されるバッテリを更に含む、回路。
【請求項6】
請求項1に記載の回路であって、
前記コントローラが、充電動作モードの間前記第1のノードを前記第4のノード前記第5のノードに結合、放電動作モードの間前記第5のノードを前記第のノードに結合するために、前記第1のPFETと前記第2のPFETと前記第3のPFETと前記第4のPFETと前記NFETとを制御するように構成される、回路。
【請求項7】
請求項1に記載の回路であって、
前記コントローラが、オンザゴー動作モードの間前記第5のノードを前記第1のノードに結合、ターボ動作モードの間前記第1のノード前記第5のノードを前記第のノードに結合するために、前記第1のPFETと前記第2のPFETと前記第3のPFETと前記第4のPFETと前記NFETとを制御するように構成される、回路。
【請求項8】
請求項1に記載の回路であって、
前記コントローラが、前記第3のノードに電力を供給する無停電電源として動作するために、前記第1のPFET前記第2のPFET前記第3のPFET前記第4のPFET前記NFETを制御するように構成される、回路。
【請求項9】
システムであって、
回路であって
第1のノードと第2のノードとの間に結合するように構成される第1のレジスタ
前記第2のノードと第3のノードとの間に結合される第1のインダクタ
前記第3のノードに結合されるソース端子と、第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する第1のp型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)(PFET)
接地電圧電位に結合されるソース端子と、前記第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する第2のPFET
第5のノードに結合されるソース端子と、前記第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する第3のPFET
前記接地電圧電位に結合されるソース端子と、前記第5のノードに結合されるドレイン端子とを有する第4のPFET
第6のノードに結合されるソース端子と、前記第4のノードに結合されるドレイン端子とを有するn型MOSFET(NFET)
前記第5のノードに結合するように構成される第1の端子と、前記第6のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する第2のインダクタ
前記第1のPFETのゲート端子と前記第2のPFETのゲート端子と前記第3のPFETのゲート端子と前記第4のPFETのゲート端子と前記NFETのゲート端子とに結合されるコントローラ
を含む、前記回路と
前記第4のノードに結合するように構成される負荷と
前記第6のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成されるバッテリと
を含む、 システム。
【請求項10】
請求項9に記載のシステムであって、
前記回路が、
前記第1のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第1のキャパシタ
前記第4のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第2のキャパシタ
前記第4のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第3のキャパシタ
前記第6のノードと前記バッテリとの間に結合するように構成される第2のレジスタ
を更に含む、システム。
【請求項11】
請求項9に記載のシステムであって、
前記回路が、 前記負荷に結合されるソース端子と、前記第4のノードに結合されるドレイン端子と、前記コントローラに結合されるゲート端子とを有する第5のPFETを更に含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記回路が、 前記第1のノードに結合されるソース端子と、第7のノードに結合されるドレイン端子と、前記コントローラに結合されるゲート端子とを有する第6のPFETを更に含む、システム。
【請求項13】
請求項9に記載のシステムであって、
前記回路が、 前記第1のノードに結合されるソース端子と、第7のノードに結合されるドレイン端子と、前記コントローラに結合されるゲート端子とを有する第6のPFETを更に含む、システム。
【請求項14】
請求項9に記載のシステムであって、
前記コントローラが、充電動作モードと放電動作モードとオンザゴー動作モードとターボ動作モードと無停電電源動作モードとを含む 複数の動作モードのうちの1つで前記回路を動作させるように、前記第1のPFET前記第2のPFET前記第3のPFET前記第4のPFET前記NFETを制御するように構成され、システム。
【請求項15】
請求項9に記載のシステムであって、
前記コントローラが、前記第1のノードにおいて受け取られる入力電圧と前記バッテリの電圧との間の関係に従って、前記第1のPFET前記第2のPFET前記第3のPFET前記第4のPFET前記NFETを制御するように構成される、システム。
【請求項16】
回路であって、
第1のノードに結合するように構成される第1の端子と、第2のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する第1のインダクタ
前記第2のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する第1のp型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)(PFET)
接地電圧電位に結合されるソース端子と、前記第2のノードに結合されるドレイン端子とを有する第2のPFET
第4のノードに結合されるソース端子と、前記第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する第3のPFET
前記接地電圧電位に結合されるソース端子と、前記第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する第4のPFET
第5のノードに結合されるソース端子と、前記第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する第5のPFET
前記 のノードに結合されるソース端子と、第のノードに結合されるドレイン端子とを有するn型MOSFET(NFET)
前記第4のノードに結合するように構成される第1の端子と、前記第6のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する第2のインダクタ
前記第1のPFETのゲート端子と前記第2のPFETのゲート端子と前記第3のPFETのゲート端子と前記第4のPFETのゲート端子と前記第5のPFETのゲート端子と前記NFETのゲート端子とに結合されるコントローラ
を含む、回路。
【請求項17】
請求項16に記載の回路であって、
前記第1のノードと第7のノードとの間に結合するように構成される第1のレジスタ
前記第7のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第1のキャパシタ
前記第3のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第2のキャパシタ
前記第5のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成される第3のキャパシタ
前記第6のノードと第8のノードとの間に結合するように構成される第2のレジスタ
を更に含む、回路。
【請求項18】
請求項17に記載の回路であって、
前記第8のノードと前記接地電圧電位との間に結合するように構成されるバッテリを更に含む、回路。
【請求項19】
請求項18に記載の回路であって、
前記コントローラが、前記第1のノードにおいて受け取られる入力電圧とバッテリの電圧との間の関係に従って、前記第1のPFET前記第2のPFET前記第3のPFET前記第4のPFET前記第5のPFET前記NFETを制御するように構成される、回路。
【請求項20】
請求項16に記載の回路であって、
前記コントローラが、充電動作モードと放電動作モードとオンザゴー動作モードとターボ動作モードと無停電電源動作モードとを含む 複数の動作モードのうちの1つで前記回路を動作させるように、前記第1のPFET前記第2のPFET前記第3のPFET前記第4のPFET前記第5のPFET前記NFETを制御するように構成され、回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電力管理回路に関する。
【発明の概要】
【0002】
少なくとも1つの例において、回路が第1のインダクタを含み、第1のインダクタは、第1のノードに結合するように構成される第1の端子と、第2のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する。回路は更に、第1のp型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)(PFET)を含み、第1のp型PFETは、第2のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第2のPFETを更に含み、第2のPFETは、接地電圧電位に結合されるソース端子と、第2のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第3のPFETを更に含み、第3のPFETは、第4のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第4のPFETを更に含み、第4のPFETは、接地電圧電位に結合されるソース端子と、第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路はn型MOSFET(NFET)を更に含み、NFETは、第5のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第2のインダクタを更に含み、第2のインダクタは、第4のノードに結合するように構成される第1の端子と、第5のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する。回路はコントローラを更に含み、コントローラは、第1のPFETのゲート端子、第2のPFETのゲート端子、第3のPFETのゲート端子、第4のPFETのゲート端子、及びNFETのゲート端子に結合される。
【0003】
少なくとも1つの例において、システムが、回路、負荷、及びパッテリを含む。回路は、第1のノードと第2のノードとの間に結合するように構成される第1のレジスタ、及び、第2のノードと第3のノードとの間に結合される第1のインダクタを含む。回路は第1のPFETを更に含み、第1のPFETは、第3のノードに結合されるソース端子と、第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第2のPFETを更に含み、第2のPFETは、接地電圧電位に結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第3のPFETを更に含み、第3のPFETは、第5のノードに結合されるソース端子と、第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第4のPFETを更に含み、第4のPFETは、接地電圧電位に結合されるソース端子と、第5のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路はNFETを更に含み、NFETは、第6のノードに結合されるソース端子と、第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第2のインダクタを更に含み、第2のインダクタは、第5のノードに結合するように構成される第1の端子と、第6のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する。回路はコントローラを更に含み、コントローラは、第1のPFETのゲート端子、第2のPFETのゲート端子、第3のPFETのゲート端子、第4のPFETのゲート端子、及びNFETのゲート端子に結合される。少なくとも1つの例において、負荷は第4のノードに結合するように構成される。少なくとも1つの例において、バッテリは、第6のノードと接地電圧電位との間に結合するように構成される。
【0004】
少なくとも1つの例において、回路が第1のインダクタを含み、第1のインダクタは、第1のノードに結合するように構成される第1の端子と、第2のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する。回路は第1のPFETを更に含み、第1のPFETは、第2のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第2のPFETを更に含み、第2のPFETは、接地電圧電位に結合されるソース端子と、第2のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第3のPFETを更に含み、第3のPFETは、第4のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第4のPFETを更に含み、第4のPFETは、接地電圧電位に結合されるソース端子と、第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は、第5のPFETを更に含み、第5のPFETは、第5のノードに結合されるソース端子と、第3のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路はNFETを更に含み、NFETは、第6のノードに結合されるソース端子と、第4のノードに結合されるドレイン端子とを有する。回路は第2のインダクタを更に含み、第2のインダクタは、第4のノードに結合するように構成される第1の端子と、第6のノードに結合するように構成される第2の端子とを有する。回路はコントローラを更に含み、コントローラは、第1のPFETのゲート端子、第2のPFETのゲート端子、第3のPFETのゲート端子、第4のPFETのゲート端子、第5のPFETのゲート端子、及びNFETのゲート端子に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】様々な例に従った例示のシステムのブロック図である。
【0006】
図2】様々な例に従った例示の回路の概略図である。
【0007】
図3】様々な例に従った例示の回路の概略図である。
【0008】
図4】様々な例に従った例示の回路の概略図である。
【0009】
図5】様々な例に従った例示の信号のタイミング図である。
【0010】
図6A】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
図6B】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
図6C】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
図6D】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
図6E】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
図6F】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
図6G】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
図6H】様々な例に従った少なくとも1つの回路を介する電流パスを示す。
【0011】
図7】様々な例に従った例示の回路の概略図である。
【0012】
図8】様々な例に従った例示の回路特性の表を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
電力管理回路を設計する際の設計考慮事項の一つは、回路の出力において回路が電力を供給する際の効率である。しばしば、回路のクリティカルパス(例えば、回路の出力へエネルギーが流れる際に介するパス)における各構成要素は、回路の出力において利用可能な電力を低減させる関連損失を有する。電力管理回路において広く普及しており、それらの動作に欠かせないこうした構成要素の一例において、スイッチ(例えば、トランジスタ)は、スイッチによって切り替えられる信号(例えば、スイッチの1つの端子からスイッチの別の端子へ通る信号)の電圧を低減させる、スイッチング損失及び/又は導通損失を有する。結果として、電力管理回路のクリティカルパスにおけるスイッチが多いほど、それらのスイッチの動作に起因して失われる電力が多くなり、電力管理回路の効率が低下する。
【0014】
或る回路アーキテクチャは、特定の使用事例に対して、他の回路アーキテクチャよりも最適な特徴を提供する。例えば、電力管理回路への入力電圧(Vin)がバッテリの電圧(Vbat)より大きいとき、バッテリ及び負荷に結合される電力管理回路において、直接電力パスシステムが効率的に動作し得る。例えば、直接電力パスシステムが、電力管理回路の出力電圧(Vout)を提供する端子に、Vinを直接提供するようにする。しかしながら、VinがVbatより小さいとき、多くの場合、直接電力パスシステムは、Voutを提供する端子にVinを直接提供することが不可能である。したがって、直接電力パスシステムは、制限された動作可能電圧レンジを有し得る。同様に、降圧ブーストシステムは、広い動作可能電圧レンジを有し得るが、VinがVbatより大きいときなど、その動作可能電圧レンジの一部について非効率的に動作し得る。各回路アーキテクチャは、個別に、利点及び欠点を提供する。2つの個別の回路アーキテクチャを組み合わせることによって、より多くの使用事例についてより効率的に実行する回路が可能であり得るが、そのように実行すると問題が生じる。特に、2つの回路アーキテクチャは、各々が関連損失を伴う複数のスイッチを各々含む全機能回路であり、組み合わされたとき、電力管理回路のクリティカルパス内に付加的なスイッチを追加し、電力管理回路の動作の効率に悪影響を及ぼす。
【0015】
少なくともいくつかの態様が、回路のクリティカルパス内に最小数のスイッチを含みながら、直接電力パス機能及び降圧ブースト機能の両方を含む回路を提供する。いくつかの例において、回路は、動的降圧ブースト及び電力パス管理回路などの電力管理回路として実装される。少なくともいくつかの例において、回路は複数のスイッチを含み、そのうちの少なくともいくつかは、直接電力パス機能と降圧ブースト機能との間で共有される。また、様々な例において、回路は、複数の動作モードを含み、これらは、例えば、電力がVin端子からVout端子へ提供される、電力がVbat端子からVout端子へ提供される、電力がVin端子及びVbat端子からVout端子へ提供される、電力がVin端子からVout端子及びVbat端子へ提供される、及び/又は、電力がVbat端子からVin端子へ提供される、などである。少なくともいくつかの例において、Vin端子とVout端子との間のパスが3つ未満のスイッチを含む、Vbat端子とVout端子との間のパスが3つ未満のスイッチを含む、及び/又は、Vin端子とVbat端子との間のパスが3つ未満のスイッチを含む。
【0016】
図1は、例示のシステム100のブロック図を示す。いくつかの例において、システム100は、消費者(又は、専門家/エンタープライズ)電子デバイスにおける回路要素の少なくとも一部を表す。少なくとも1つの例において、システム100は、ラップトップ(又は、ノートブック、ネットブックなど)、スマートフォン、タブレット、又は上記デバイスのうちの任意の2つ又はそれ以上の機能性を有するハイブリッドデバイスにおける、回路要素の少なくとも一部を表す。いくつかの例示のアーキテクチャにおいて、システム100は、Vin端子105、コントローラ110、直接電力パス回路115、降圧ブースト回路120(例えば、降圧ブースト狭出力電圧直流(DC)(NVDC)回路など)、Vbat端子125、及び、Vout端子130を含む。少なくともいくつかの例において、直接電力パス回路115及び降圧ブースト回路120は、少なくともいくつかの構成要素を共有して、システム100の構成要素数及びフットプリントが最小限になるようにする。いくつかの例において、システム100は更に、負荷135を含むか又は(例えば、Vout端子130において)負荷135に結合するように構成される。更に他の例において、システム100は更に、バッテリ140を含むか又は(例えば、Vbat端子125において)バッテリ140に結合するように構成される。
【0017】
Vin端子105は、いくつかの例においてシステム100の入力端子である。例えば、システム100が電子デバイスにおいて実装されるとき、Vin端子105はシステム100の充電端子である。少なくともいくつかの例において、Vin端子は、ユニバーサルシリアルバス(USB)タイプC(USB-C)端子(例えば、USB-Cレセプタクル)である。Vout端子130は、いくつかの例において、負荷135に電力を供給するために負荷135に結合するように構成される。例えば、システム100が電子デバイスにおいて実装されるとき、負荷135は、動作を制御するか或いは機能又は電子デバイスを実装するように構成される、複数の回路(図示せず)を含む。
【0018】
システム100の動作の例において、コントローラ110は、Vin端子105、Vbat端子125、及び/又はVout端子130の間で、例えば、負荷135に電力供給するため、バッテリ140を充電するため、及び/又は、Vin端子105に結合される外部デバイス(図示せず)に電力供給又は充電するための、エネルギーの流れを制御する。コントローラ110は、いくつかの例において、スイッチのそれぞれの端子間でエネルギーを導通させるように又は導通させないように、一つ又は複数のスイッチ(図示せず)を制御することによって、エネルギーの流れを制御する。1つの例において、コントローラ110は、Vin端子105とVbat端子125との間でエネルギーを導通させるように一つ又は複数のスイッチを制御しながら、Vin端子105とVout端子130との間でエネルギーを導通させるように一つ又は複数のスイッチも制御し、そのうちの少なくともいくつかは同じスイッチであり得る。別の例において、コントローラ110は、Vin端子105とVout端子130との間でエネルギーを導通させるように一つ又は複数のスイッチを制御しながら、Vbat端子125とVout端子130との間でエネルギーを導通させるように一つ又は複数のスイッチも制御し、そのうちの少なくともいくつかは同じスイッチであり得る。別の例において、コントローラ110は、Vbat端子125とVout端子130との間でエネルギーを導通させるように一つ又は複数のスイッチを制御し、いくつかの例では、Vout端子130への送達に先立ち、Vbat端子125に存在する信号の値をブーストさせるようにインダクタを介する。別の例において、コントローラ110は、Vbat端子125とVin端子105との間でエネルギーを導通させるように一つ又は複数のスイッチを制御する。
【0019】
図2は、例示の回路200の概略図を示す。いくつかの例において、回路200は、例えば前述の図1のシステム100のコントローラ110としての実装に適した、電力管理回路である。いくつかの例において、回路200は、インダクタ205、キャパシタ210、レジスタ212、p型金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)(PFET)215、PFET220、PFET225、PFET230、キャパシタ235、インダクタ240、n型MOSFET(NFET)245、レジスタ250、キャパシタ255、及び/又は、チャージャコントローラ260、並びに、信号Vinが存在するVin端子265、信号Vbatが存在するVbat端子270、及び信号Voutが存在するVout端子275を、含むか又はこれらに結合するように構成される。いくつかの例において、回路200は更に、バッテリ280を含むか、又はバッテリ280に結合するように構成される。少なくとも1つの例において、チャージャコントローラ260は、一つ又は複数の入力信号を監視すること、及び、一つ又は複数の入力信号のうちの少なくともいくつかの値に従って行われる決定に基づいて一つ又は複数の出力信号を生成することに適した、プロセッサ又はマイクロプロセッサである。他の例において、チャージャコントローラ260は、前述のような信号の監視及び生成を行うことに適した、任意のアナログ、デジタル、又はミックスドシグナル回路である。また、本明細書では或るデバイスがPFET又はNFETとして説明されるが、いくつかの例において、デバイスは実質的に同様の機能の別のデバイスで置き換えられ(例えば、PFETをNFETに、NFETをPFETに、PFET又はNFETのいずれかをバイポーラ接合トランジスタ(BJT)で置き換えるなど)、その範囲は本明細書では限定されない。例えば、高電力スイッチングコンバータなどの或る高電力適用例において、PFETデバイスをNFETデバイスで置き換えることが望ましい場合がある。
【0020】
回路200の例示のアーキテクチャにおいて、キャパシタ210はVin端子265と接地電圧電位285との間に結合される。レジスタ212は、Vin端子265とインダクタ205の第1の端子との間に結合され、インダクタ205の第2の端子がノード290に結合される。PFET215のソース端子がノード290に結合され、PFET215のドレイン端子がVout端子275に結合される。PFET220のソース端子が接地電圧電位285に結合され、PFET220のドレイン端子がノード290に結合される。キャパシタ235は、Vout端子275と接地電圧電位285との間に結合される。PFET225のソース端子がノード294に結合され、PFET225のドレイン端子がVout端子275に結合される。PFET230のソース端子が接地電圧電位285に結合され、PFET230のドレイン端子がノード294に結合される。インダクタ240は、ノード294とノード296との間に結合される。NFET245のソース端子がVout端子275に結合され、NFET245のドレイン端子がノード296に結合される。レジスタ250は、ノード296とVbat端子270との間に結合される。キャパシタ255は、Vout端子275と接地電圧電位285との間に結合される。少なくともいくつかの例において、バッテリ280は、Vbat端子270と接地電圧電位285との間に結合される。また、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、PFET230、及びNFET245のそれぞれのゲート端子に結合される。
【0021】
回路200の動作の一例において、チャージャコントローラ260は、複数の動作モードのうちの1つで回路200を動作させるように、PFET215、PFET220、PFET230、及び/又はNFET245を制御する。例えば、充電動作モードの間、チャージャコントローラ260は、Vin端子265から、Vout端子275(例えば、Vout端子275に結合されるデバイス(図示せず)に電力供給するため)及びVbat端子270(例えば、バッテリ280を充電するため)の両方にエネルギーを提供するように、PFET215、PFET220、PFET230、及び/又はNFET245を制御する。チャージャコントローラ260は、いくつかの例において、受信した制御信号(Ctrl)(図示せず)に少なくとも部分的に基づいて、PFET215、PFET220、PFET230、及び/又はNFET245を制御する。Ctrlは、いくつかの例において、Vbatの値に対するVinの値を示す。例えば、Ctrlは、VinがVbatより大きいか又は小さいかどうかを示す。Ctrlは、いくつかの例において、回路200の外部にあるが回路200に結合されるデバイス又は構成要素から、チャージャコントローラ260によって受け取られる。他の例において、Ctrlは、回路200内の構成要素(図示せず)から、チャージャコントローラ260によって受け取られる。更に他の例において、Ctrlは、チャージャコントローラ260とVin端子265及びVbat端子270の各々との間の結合(図示せず)に基づいて、チャージャコントローラ260によって決定される。いくつかの例において、チャージャコントローラ260は更に、回路200に対する動作モード(例えば、下記で説明する動作モードのうちの1つなど)を特定する付加的な受信又は生成された信号(図示せず)に基づいて、PFET215、PFET220、PFET230、及び/又はNFET245を制御する。
【0022】
充電動作モードの間にVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、及びNFET245を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように、(例えば、それらそれぞれのゲート端子に提供される信号の値に少なくとも部分的に基づいて)制御する。充電動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、回路200内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET215を通過し、Vin端子265からVout端子275へ電力を供給する。第2の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、NFET245、及びレジスタ250を交互に通過し、Vin端子265からVbat端子270へ、又はVin端子265からレジスタ212、インダクタ205、及びPFET220を介して接地電圧電位285へ、電力を供給する。
【0023】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、PFET220、キャパシタ235、及びキャパシタ255がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、PFET215及びPFET220を選択的に活性化及び非活性化するように(例えば、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、及び、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させないように)制御する。例えば、PFET215が非活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーが導通していないとき、及び、PFET220が活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーが導通しているとき、インダクタ205は充電しており(例えば、エネルギーを蓄えており)、キャパシタ235及びキャパシタ255に事前に蓄えられたエネルギーは、Vbat端子270及びVout端子275に放電される。PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205はVbat端子270及びVout端子275に放電し、またキャパシタ235及びキャパシタ255を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によってPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vinの値が、Vbat端子270及びVout端子275に提供される前に増大(例えば、ブースト)される。
【0024】
充電動作モードの間に、VinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET225、及びPFET230を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。充電動作モードの間に、VinがVbatより大きいとき、回路200内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET215を通過し、Vin端子265からVout端子275へ電力を供給する。第2の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、PFET225、インダクタ240、及びレジスタ250を交互に通過し、Vin端子265からVbat端子270へ、又は、PFET230、インダクタ240、及びレジスタ250を介してVbat端子270へ、電力を供給する。
【0025】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ240、PFET225、及びPFET230が降圧コンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するように(例えば、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、及び、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させないように)PFET225及びPFET230を制御する。例えば、PFET225が活性化状態でありPFET230が非活性化状態であるとき、インダクタ240は充電しており、Vbat端子270に電力は供給されない。PFET225が非活性化状態でありPFET230が活性化状態であるとき、インダクタ205はVbat端子270に放電する。チャージャコントローラ260によってPFET225及びPFET230の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ240のインダクタンス値に基づいて、Vinの値が、Vbat端子270に提供される前に低減(例えば、降圧)される。
【0026】
放電動作モードの間(例えば、Vin端子265においてVinが回路200によって受け取られないとき)、チャージャコントローラ260は、NFET245のソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、NFET245を制御する。放電動作モードの間、回路200内に1つの電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270からレジスタ250及びNFET245を介してVout端子275に通る。
【0027】
On-The-Go(OTG)動作モードの間に、VinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、及びNFET245を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように、(例えば、それらそれぞれのゲート端子に提供される信号の値に少なくとも部分的に基づいて)制御する。OTG動作モードの間に、VinがVbatより小さいとき、Vbat端子270からVin端子265への電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、NFET245、PFET215、インダクタ205、及びレジスタ212を介して、又は、PFET220、インダクタ205、及びレジスタ212を介して、Vin端子265へ、交互に通る。
【0028】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、及びPFET220が降圧コンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するようにPFET215及びPFET220を制御する。例えば、PFET215が活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通しているとき、インダクタ205は充電している。PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205は充電しており、電力はVbat端子270からVin端子265へ供給されない。PFET215が非活性化状態でありPFET220が活性化状態であるとき、インダクタ205はVin端子265へ放電する。チャージャコントローラ260によるPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vin端子265へ提供される前に低減される。
【0029】
OTG動作モードの間に、VinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、及びPFET225を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。OTG動作モードの間に、VinがVbatより大きいとき、Vbat端子270からVin端子265に電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、PFET225、PFET215、インダクタ205、及びレジスタ212を介して通る。
【0030】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、PFET220、及びキャパシタ210がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するように、PFET215及びPFET220を制御する。例えば、PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205は充電しており、事前にキャパシタ210に蓄えられたエネルギーはVin端子265に放電される。PFET215が非活性化状態でありPFET220が活性化状態であるとき、インダクタ205はVin端子265に放電し、またキャパシタ210を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によるPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vin端子265へ提供される前に増大される。
【0031】
ターボ動作モード(時には、ハイブリッド動作モード又はターボブーストモードとも呼ばれる)の間、Vout端子275に結合される負荷(図示せず)による要求が、Vinによって満たされ得る要求よりも大きく、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET225、及びPFET230を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。ターボ動作モードの間、回路200内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、Vin端子265から、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET215を介してVout端子275へ通る。第2の電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、及びPFET225を介してVout端子275へ、或いは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、及びPFET230を介して接地電圧電位285へ、交互に通る。
【0032】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ240、PFET225、PFET230、キャパシタ235、及びキャパシタ255がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するようにPFET225及びPFET230を制御する。例えば、PFET225が非活性化状態でありPFET230が活性化状態であるとき、インダクタ240は充電しており、いくつかの例において、キャパシタ235及びキャパシタ255に事前に蓄えられたエネルギーは、Vout端子275に放電される。PFET225が活性化状態でありPFET230が非活性化状態であるとき、インダクタ240はVout端子275に放電し、またいくつかの例では、キャパシタ235及びキャパシタ255を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によってPFET225及びPFET230の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ240のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vout端子275に提供される前に増大される。
【0033】
無停電電源(UPS)動作モードの間、Vbatは、VinによってVout端子275に供給される電力を補足し、Vin端子265に電力を供給する。UPS動作モードの間に、Vinが事前設定値より小さいとき、VinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、又は、Vin端子265においてVinがもはや受け取られていない旨をチャージャコントローラ260が検出したとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、及びNFET245を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。UPS動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、OTG動作モードの間にVinがVbatより小さいとき及び放電動作モードの間と実質的に同じ2つの電力パスが回路200内に形成され、その詳細は本明細書では繰り返し説明しない。
【0034】
図3は、例示の回路300の概略図を示す。いくつかの例において、回路300は、例えば前述の図1のシステム100のコントローラ110のような実装に適した、電力管理回路である。また、いくつかの例において、回路300の少なくともいくつかの要素は、形態及び/又は機能において、図2の回路200の要素と実質的に同様であり、図3では回路200の要素が参照される。いくつかの例において、回路300は回路200の要素及びPFET305を含む。少なくともいくつかの例において、回路300を形成するために回路200のアーキテクチャにPFET305を加えることで、例えば、過電流、過電圧、又は、Vout端子275に結合される負荷(図示せず)における電気的短絡からVin端子265を保護するために、少なくとも、回路300によってVin端子265からVout端子275に搬送される突入電流の量を制御すること、及び/又は、Vout端子275をVin端子265から切断するための機構を提供することを含む、拡張された機能が提供される。
【0035】
回路300の例示のアーキテクチャにおいて、PFET305のソース端子がノード310に結合され、PFET305のドレイン端子がVin端子265に結合される。キャパシタ210は、ノード310と接地電圧電位285との間に結合される。レジスタ212は、ノード310とインダクタ205の第1の端子との間に結合され、インダクタ205の第2の端子がノード290に結合される。PFET215のソース端子がノード290に結合され、PFET215のドレイン端子がVout端子275に結合される。PFET220のソース端子が接地電圧電位285に結合され、PFET220のドレイン端子がノード290に結合される。キャパシタ235は、Vout端子275と接地電圧電位285との間に結合される。PFET225のソース端子がノード294に結合され、PFET225のドレイン端子がVout端子275に結合される。PFET230のソース端子が接地電圧電位285に結合され、PFET230のドレイン端子がノード294に結合される。インダクタ240は、ノード294とノード296との間に結合される。NFET245のソース端子がVout端子275に結合され、NFET245のドレイン端子がノード296に結合される。レジスタ250は、ノード296とVbat端子270との間に結合される。キャパシタ255は、Vout端子275と接地電圧電位285との間に結合される。少なくともいくつかの例において、バッテリ280は、Vbat端子270と接地電圧電位285との間に結合される。また、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及びPFET305の各々のゲート端子に結合される。
【0036】
回路300の動作の一例において、チャージャコントローラ260は、複数の動作モードのうちの1つにおいて回路200を動作させるように、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET305を制御する。例えば、充電動作モードの間、チャージャコントローラ260は、Vin端子265から、Vout端子275(例えば、Vout端子275に結合されるデバイス(図示せず)に電力供給するため)及びVbat端子270(例えば、バッテリ280を充電するため)の両方にエネルギーを供給するように、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET305を制御する。チャージャコントローラ260は、いくつかの例において、Ctrl(図示せず)に少なくとも部分的に基づいて、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET305を制御する。Ctrlは、いくつかの例において、Vbatの値に対するVinの値を示す。例えば、Ctrlは、VinがVbatより大きいか又は小さいかどうかを示す。Ctrlは、いくつかの例において、回路200の外部にあるが回路200に結合されるデバイス又は構成要素から、チャージャコントローラ260によって受け取られる。他の例において、Ctrlは、回路200内の構成要素(図示せず)から、チャージャコントローラ260によって受け取られる。更に他の例において、Ctrlは、チャージャコントローラ260とVin端子265及びVbat端子270の各々との間の結合(図示せず)に基づいて、チャージャコントローラ260によって決定される。いくつかの例において、チャージャコントローラ260は更に、回路300に対する動作モード(例えば、下記で説明する動作モードのうちの1つなど)を特定する付加的な受信又は生成された信号(図示せず)に基づいて、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET305を制御する。
【0037】
充電動作モードの間にVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、NFET245、及びPFET305を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。充電動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、回路300内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、PFET305、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET215を通過し、Vin端子265からVout端子275へ電力を供給する。第2の電流パスは、PFET305、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、NFET245、及びレジスタ250を交互に通過し、Vin端子265からVbat端子270へ、又はVin端子265からPFET305、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET220を介して接地電圧電位285へ、電力を供給する。
【0038】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、PFET220、キャパシタ235、及びキャパシタ255がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて選択的に活性化及び非活性化するように、PFET215及びPFET220を(例えば、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、及び、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させないように)制御する。例えば、PFET215が非活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーが導通していないとき、及び、PFET220が活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーが導通しているとき、インダクタ205は充電しており(例えば、エネルギーを蓄えており)、キャパシタ235及びキャパシタ255に事前に蓄えられたエネルギーは、Vbat端子270及びVout端子275に放電される。PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205はVbat端子270及びVout端子275に放電し、またキャパシタ235及びキャパシタ255を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によってPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vinの値が、Vbat端子270及びVout端子275に提供される前に増大(例えば、ブースト)される。
【0039】
充電動作モードの間にVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET225、PFET230、及びPFET305を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。充電動作モードの間にVinがVbatより大きいとき、回路300内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、PFET305、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET215を通過し、Vin端子265からVout端子275へ電力を供給する。第2の電流パスは、PFET305、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、PFET225、インダクタ240、及びレジスタ250を交互に通過し、Vin端子265からVbat端子270へ、又は、PFET230、インダクタ240、及びレジスタ250を介してVbat端子270へ、電力を供給する。
【0040】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ240、PFET225、及びPFET230が降圧コンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するようにPFET225及びPFET230を(例えば、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、及び、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させないように)制御する。例えば、PFET225が活性化状態でありPFET230が非活性化状態であるとき、インダクタ240は充電しており、Vbat端子270に電力は供給されない。PFET225が非活性化状態でありPFET230が活性化状態であるとき、インダクタ205はVbat端子270に放電する。チャージャコントローラ260によってPFET225及びPFET230の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ240のインダクタンス値に基づいて、Vinの値が、Vbat端子270に提供される前に低減(例えば、降圧)される。
【0041】
放電動作モードの間(例えば、Vin端子265においてVinが回路200によって受け取られないとき)、チャージャコントローラ260は、NFET245をそのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように制御する。放電動作モードの間、回路300内に1つの電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270からレジスタ250及びNFET245を介してVout端子275へ通る。
【0042】
OTG動作モードの間にVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、NFET245、及びPFET305を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。OTG動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、Vbat端子270からVin端子265に電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、NFET245、PFET215、インダクタ205、及びレジスタ212を介して、又は、PFET220、インダクタ205、レジスタ212、及びPFET305を介して、Vin端子265へ、交互に通る。
【0043】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、及びPFET220が降圧コンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するように、PFET215及びPFET220を制御する。例えば、PFET215が活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通しているとき、インダクタ205は充電している。PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205は充電しており、電力はVbat端子270からVin端子265へ供給されない。PFET215が非活性化状態でありPFET220が活性化状態であるとき、インダクタ205はVin端子265へ放電する。チャージャコントローラ260によるPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vin端子265へ提供される前に低減される。
【0044】
OTG動作モードの間にVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、PFET225、及びPFET305を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。OTG動作モードの間にVinがVbatより大きいとき、Vbat端子270からVin端子265へ電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、PFET225、PFET215、インダクタ205、レジスタ212、及びPFET305を介して通る。
【0045】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、PFET220、及びキャパシタ210がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて選択的に活性化及び非活性化するように、PFET215及びPFET220を制御する。例えば、PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205は充電しており、事前にキャパシタ210に蓄えられたエネルギーはVin端子265に放電される。PFET215が非活性化状態でありPFET220が活性化状態であるとき、インダクタ205はVin端子265に放電し、またキャパシタ210を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によるPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vin端子265へ提供される前に増大される。
【0046】
ターボ動作モードの間、Vout端子275に結合される負荷(図示せず)による要求が、Vinによって満たされ得る要求よりも大きく、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET225、PFET230、及びPFET305を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。ターボ動作モードの間、回路300内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、Vin端子265から、PFET305、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET215を介してVout端子275へ通る。第2の電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、及びPFET225を介してVout端子275へ、或いは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、及びPFET230を介して接地電圧電位285へ、交互に通る。
【0047】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ240、PFET225、PFET230、キャパシタ235、及びキャパシタ255がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するようにPFET225及びPFET230を制御する。例えば、PFET225が非活性化状態でありPFET230が活性化状態であるとき、インダクタ240は充電しており、いくつかの例において、キャパシタ235及びキャパシタ255に事前に蓄えられたエネルギーは、Vout端子275に放電される。PFET225が活性化状態でありPFET230が非活性化状態であるとき、インダクタ240はVout端子275に放電し、また、いくつかの例では、キャパシタ235及びキャパシタ255を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によってPFET225及びPFET230の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ240のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vout端子275に提供される前に増大される。
【0048】
UPS動作モードの間、Vbatは、VinによってVout端子275に供給される電力を補足し、Vin端子265に電力を供給する。UPS動作モードの間にVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、NFET245、及びPFET305を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。UPS動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、OTG動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、及び放電動作モードの間と実質的に同じ、2つの電力パスが回路300内に形成され、その詳細は本明細書では繰り返し説明しない。
【0049】
UPS動作モードの間にVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、PFET225、及びPFET305を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。UPS動作モードの間にVinがVbatより大きいとき、OTG動作モードの間にVinがVbatより大きいとき、及びターボ動作モードの間にVinがVbatより大きいときと実質的に同じ、2つの電力パスが回路300内に形成され、その詳細は本明細書では繰り返し説明しない。
【0050】
図4は、例示の回路400の概略図を示す。いくつかの例において、回路400は、例えば、前述の図1のシステム100のコントローラ110のような実装に適した、電力管理回路である。また、いくつかの例において、回路400の少なくともいくつかの要素は、形態及び/又は機能において、図2の回路200の要素と実質的に同様であり、図4では回路200の要素が参照される。いくつかの例において、回路400は、回路200の要素及びPFET405を含む。少なくともいくつかの例において、回路400を形成するために回路200のアーキテクチャにPFET405を加えることで、例えば、過電流、過電圧、又は、Vout端子275に結合される負荷(図示せず)における電気的短絡からVin端子265を保護するために、少なくとも、回路400によってVin端子265からVout端子275に搬送される突入電流の量を制御すること、及び/又は、Vout端子275をVin端子265から切断するための機構を提供することを含む、拡張された機能が提供される。また、いくつかの例において、PFET405は、例えば、Vbat端子270がVin端子265及びVout端子275に結合され、Vout端子275への送達前ではないがVin端子265への送達の前にVbatがブーストされるとき、ノード410に存在する信号がVoutより高い値(例えば、電圧)を有し得るように、ノード410からのVout端子275の選択可能な隔離を提供する。図示されていないが、いくつかの例において、回路400は、図3の回路300に関連して図示及び説明されるようなPFET305を更に含む。
【0051】
回路400の例示のアーキテクチャにおいて、キャパシタ210は、Vin端子265と接地電圧電位285との間に結合される。レジスタ212は、Vin端子265とインダクタ205の第1の端子との間に結合され、インダクタ205の第2の端子がノード290に結合される。PFET215のソース端子がノード290に結合され、PFET215のドレイン端子がノード410に結合される。PFET220のソース端子が接地電圧電位285に結合され、PFET220のドレイン端子がノード290に結合される。キャパシタ235は、ノード410と接地電圧電位285との間に結合される。PFET225のソース端子がノード294に結合され、PFET225のドレイン端子がノード410に結合される。PFET230のソース端子が接地電圧電位285に結合され、PFET230のドレイン端子がノード294に結合される。インダクタ240は、ノード294とノード296との間に結合される。NFET245のソース端子がVout端子275に結合され、NFET245のドレイン端子がノード296に結合される。レジスタ250は、ノード296とVbat端子270との間に結合される。PFET405のソース端子がVout端子275に結合され、PFET405のドレイン端子がノード410に結合される。キャパシタ255は、Vout端子275と接地電圧電位285との間に結合される。少なくともいくつかの例において、バッテリ280は、Vbat端子270と接地電圧電位285との間に結合される。また、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及びPFET405のそれぞれのゲート端子に結合される。
【0052】
回路400の動作の一例において、チャージャコントローラ260は、複数の動作モードのうちの1つにおいて回路400を動作させるように、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET405を制御する。例えば、充電動作モードの間、チャージャコントローラ260は、Vin端子265から、Vout端子275(例えば、Vout端子275に結合されるデバイス(図示せず)に電力供給するため)とVbat端子270(例えば、バッテリ280を充電するため)との両方へエネルギーを供給するように、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET405を制御する。チャージャコントローラ260は、いくつかの例において、Ctrl(図示せず)に少なくとも部分的に基づいて、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET405を制御する。Ctrlは、いくつかの例において、Vbatの値に対するVinの値を示す。例えば、Ctrlは、VinがVbatより大きいか又は小さいかどうかを示す。Ctrlは、いくつかの例において、回路400の外部にあるが回路400に結合されるデバイス又は構成要素から、チャージャコントローラ260によって受け取られる。他の例において、Ctrlは、回路400内の構成要素(図示せず)から、チャージャコントローラ260によって受け取られる。更に他の例において、Ctrlは、チャージャコントローラ260とVin端子265及びVbat端子270の各々との間の結合(図示せず)に基づいて、チャージャコントローラ260によって決定される。いくつかの例において、チャージャコントローラ260は更に、回路400に対する動作モード(例えば、下記で説明する動作モードのうちの1つなど)を特定する、付加的な受信又は生成された信号(図示せず)に基づいて、PFET215、PFET220、PFET230、NFET245、及び/又はPFET405を制御する。
【0053】
充電動作モードの間にVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、NFET245、及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。充電動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、回路400内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、及びPFET405を通過し、Vin端子265からVout端子275へ電力を供給する。第2の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、PFET405、NFET245、及びレジスタ250を交互に通過し、Vin端子265からVbat端子270へ、又はVin端子265から、レジスタ212、インダクタ205、及びPFET220を介して接地電圧電位285へ、電力を供給する。
【0054】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、PFET220、キャパシタ235、及びキャパシタ255が(PFET405が依然として活性であるとき)ブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するように、PFET215及びPFET220を(例えば、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、及び、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させないように)制御する。例えば、PFET215が非活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーが導通していないとき、及び、PFET220が活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーが導通しているとき、インダクタ205は充電しており(例えば、エネルギーを蓄えており)、キャパシタ235及びキャパシタ255に事前に蓄えられたエネルギーは、Vbat端子270及びVout端子275に放電される。PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205はVbat端子270及びVout端子275に放電し、また、キャパシタ235及びキャパシタ255を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によってPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vinの値が、Vbat端子270及びVout端子275に提供される前に増大(例えば、ブースト)される。
【0055】
充電動作モードの間にVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET225、PFET230、及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。充電動作モードの間にVinがVbatより大きいとき、回路400内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、及びPFET405を通過し、Vin端子265からVout端子275へ電力を供給する。第2の電流パスは、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、PFET225、インダクタ240、及びレジスタ250を交互に通過し、Vin端子265からVbat端子270へ、又は、PFET230、インダクタ240、及びレジスタ250を介してVbat端子270へ、電力を供給する。
【0056】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ240、PFET225、及びPFET230が降圧コンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するように(例えば、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、及び、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させないように)、PFET225及びPFET230を制御する。例えば、PFET225が活性化状態でありPFET230が非活性化状態であるとき、インダクタ240は充電しており、Vbat端子270に電力は供給されない。PFET225が非活性化状態でありPFET230が活性化状態であるとき、インダクタ205はVbat端子270に放電する。チャージャコントローラ260によってPFET225及びPFET230の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ240のインダクタンス値に基づいて、Vinの値が、Vbat端子270に提供される前に低減(例えば、降圧)される。
【0057】
放電動作モードの間(例えば、Vin端子265においてVinが回路400によって受け取られないとき)、チャージャコントローラ260は、NFET245のソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、NFET245を制御する。放電動作モードの間、回路400内に1つの電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270からレジスタ250及びNFET245を介してVout端子275へ通る。
【0058】
OTG動作モードの間にVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、NFET245、及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。OTG動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、Vbat端子270からVin端子265へ電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、NFET245、PFET405、PFET215、インダクタ205、及びレジスタ212を介して、又は、PFET220、インダクタ205、及びレジスタ212を介して、Vin端子265へ、交互に通る。
【0059】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、及びPFET220が降圧コンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて選択的に活性化及び非活性化するように、PFET215及びPFET220を制御する。例えば、PFET215が活性化状態であり、そのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通しているとき、インダクタ205は充電している。PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205は充電しており、電力はVbat端子270からVin端子265へ供給されない。PFET215が非活性化状態でありPFET220が活性化状態であるとき、インダクタ205はVin端子265へ放電する。チャージャコントローラ260によるPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vin端子265へ提供される前に低減される。
【0060】
OTG動作モードの間にVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、及びPFET225を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。OTG動作モードの間にVinがVbatより大きいとき、Vbat端子270からVin端子265へ電流パスが形成される。電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、PFET225、PFET215、インダクタ205、及びレジスタ212を介してVin端子265へ通る。
【0061】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ205、PFET215、PFET220、及びキャパシタ210がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて選択的に活性化及び非活性化するように、PFET215及びPFET220を制御する。例えば、PFET215が活性化状態でありPFET220が非活性化状態であるとき、インダクタ205は充電しており、事前にキャパシタ210に蓄えられたエネルギーはVin端子265に放電される。PFET215が非活性化状態でありPFET220が活性化状態であるとき、インダクタ205はVin端子265に放電し、またキャパシタ210を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によるPFET215及びPFET220の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ205のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vin端子265へ提供される前に増大される。
【0062】
バッテリ節約動作モードにおいて、チャージャコントローラ260は、Vbat端子270からインダクタ240及びPFET225を介してノード410へ電流パスを確立するために、PFET215、PFET225、PFET230、及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。例えば、チャージャコントローラ260は、ノード410内へ流れるエネルギーが、Vin端子265又はVout端子275へ通ることなくキャパシタ235を充電するように、PFET215及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させないように制御する。いくつかの例において、キャパシタ235を充電することで、回路400の動作の間、バースト要件(例えば、Vout端子275に結合される負荷(図示せず)からの要求における急激なスパイク)を満たすためにキャパシタ235を使用できるようになる。いくつかの例において、PFET215は、バッテリ節約動作モードの間、回路400の所望の機能に基づいて、ノード410をVin端子265に結合するために活性化又は非活性化され得る。少なくとも1つの例において、バッテリ節約動作モードの間、回路400の動作は、OTG動作モードの間にVinがVbatより小さいときの回路400の動作と実質的に同様に成される。
【0063】
ターボ動作モードの間、Vout端子275に結合される負荷(図示せず)による要求が、Vinによって満たされ得る要求より大きく、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET225、PFET230、及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。ターボ動作モードの間、回路400内に2つの電流パスが形成される。第1の電流パスは、Vin端子265から、レジスタ212、インダクタ205、PFET215、及びPFET405を介してVout端子275へ通る。第2の電流パスは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、及びPFET225を介してVout端子275へ、或いは、Vbat端子270から、レジスタ250、インダクタ240、及びPFET230を介して接地電圧電位285へ、交互に通る。
【0064】
少なくともいくつかの例において、チャージャコントローラ260は、インダクタ240、PFET225、PFET230、キャパシタ235、及びキャパシタ255がブーストコンバータを形成するように選択されるデューティサイクルにおいて、選択的に活性化及び非活性化するように、PFET225及びPFET230を制御する。例えば、PFET225が非活性化状態でありPFET230が活性化状態であるとき、インダクタ240は充電しており、いくつかの例において、キャパシタ235及びキャパシタ255に事前に蓄えられたエネルギーは、Vout端子275に放電される。PFET225が活性化状態でありPFET230が非活性化状態であるとき、インダクタ240はVout端子275に放電し、また、いくつかの例では、キャパシタ235及びキャパシタ255を少なくとも部分的に再充電する。チャージャコントローラ260によってPFET225及びPFET230の制御のために選択されるデューティサイクル、並びにインダクタ240のインダクタンス値に基づいて、Vbatの値が、Vout端子275に提供される前に増大される。
【0065】
UPS動作モードの間、Vbatは、VinによってVout端子275に供給される電力を補足し、Vin端子265に電力を供給する。UPS動作モードの間にVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、NFET245、及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。UPS動作モードの間にVinがVbatより小さいとき、OTG動作モードの間にVinがVbatより小さいとき及び放電動作モードの間と実質的に同じ、2つの電力パスが回路400内に形成され、その詳細は本明細書では繰り返し説明しない。
【0066】
UPS動作モードの間にVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ260に示すとき、チャージャコントローラ260は、PFET215、PFET220、PFET225、PFET230、及びPFET405を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。UPS動作モードの間にVinがVbatより大きいとき、OTG動作モードの間にVinがVbatより大きいとき及びターボ動作モードの間にVinがVbatより大きいときと実質的に同じ、2つの電力パスが回路400内に形成され、その詳細は本明細書では繰り返し説明しない。
【0067】
図5は、例示の信号のタイミング図500を示す。図500は、図4を参照して上述した、回路400の少なくとも1つの例示のアーキテクチャ及び動作の例である。図500は、PFET230制御信号、PFET225制御信号、PFET220制御信号、PFET215制御信号、NFET245制御信号、及びPFET405制御信号を図示する。いくつかの例において、制御信号の各々は、活性状態(対応するトランジスタが活性化状態であり、導通している)又は非活性状態(対応するトランジスタが非活性化状態であり、導通していない)のいずれかである。いくつかの例において、制御信号の各々は、チャージャコントローラ260によって生成され、制御信号を介して制御下にあるそれぞれのトランジスタのゲート端子に提供される。図500は更に、Vin、Vbat、及びCharge Status信号を図示する。Charge Status信号は、いくつかの例において、図4のバッテリ280が充電中であるかどうかを示す。Charge Status信号は、いくつかの例において、チャージャコントローラ260によって生成及び出力される一つ又は複数の制御信号(例えば、PFET230制御信号、PFET225制御信号、PFET220制御信号、PFET215制御信号、NFET245制御信号、及び/又はPFET405制御信号など)の状態に少なくとも部分的に基づいて、チャージャコントローラ260によって生成される。
【0068】
図4に関して上述したような図500の水平軸に沿って示されるように、回路400の各動作モードは、チャージャコントローラ260によって生成される制御信号の固有の組み合わせに対応する。いくつかの例において、PFET405制御信号を省くことによって、図500は回路200の動作を表す。また、いくつかの例において、図3の説明に従ってPFET405制御信号を改変することによって、図500は回路300の動作を表し、PFET405を定常の活性状態で維持することによって、図500は回路200の動作を表す。
【0069】
図500において図示されるように、回路400は、PFET405、PFET215、PFET220、PFET225、PFET230、及びNFET245に提供される制御信号、並びに、Vbatの値に関したVinの値に基づいて、複数の動作モードで動作するように構成される。各動作モードについて、回路400内に一つ又は複数の電流パスが形成される。例えば、回路400において、VinがVbatより大きくターボブーストモードが活性化状態であるとき、図6Aに示されるような電流パスが形成される。回路400において、VinがVbatより大きくターボブーストモードが活性化状態でないとき、少なくとも1つの例において、図6Bに示されるような電流パスが形成される。同様に、VinがVbatにほぼ等しく(降圧ブースト領域にある間の動作の間など)、回路400が充電モードにあるとき、少なくとも1つの例において、図6Cに示されるような電流パスが形成される。VinがVbatより小さく、回路400が充電モードにあるとき、少なくとも1つの例において、図6Dに示されるような電流パスが形成される。回路400の放電モードにある間に、VbatがVinより大きいとき、少なくとも1つの例において、図6Eに示されるような電流パスが形成される。VbatがVinにほぼ等しく(降圧ブースト領域にある間の動作の間など)、回路400が放電モードにあるとき、少なくとも1つの例において、図6Fに示されるような電流パスが形成される。VbatがVinより小さく、回路400が放電モードにあるとき、少なくとも1つの例において、図6Gに示されるような電流パスが形成される。回路400がVbat端子270からVout端子275へ放電されているとき、少なくとも1つの例において、図6Hに示されるような電流パスが形成される。
【0070】
図7は、例示の回路700の概略図を示す。いくつかの例において、回路700は、例えば、前述の図1のシステム100のコントローラ110としての実装に適した、電力管理回路である。いくつかの例において、回路700は、インダクタ704、キャパシタ706、レジスタ707、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET718、PFET720、PFET722、PFET724、キャパシタ728、レジスタ726、及び/又はチャージャコントローラ730、並びに、信号Vinが存在するVin端子738、信号Vbatが存在するノード736、及び信号Voutが存在するVout端子740を含むか又はこれらに結合するように構成される。いくつかの例において、回路200は更に、バッテリ732を含むか、又はバッテリ732に結合するように構成される。少なくとも1つの例において、チャージャコントローラ730は、一つ又は複数の入力信号を監視すること、及び、一つ又は複数の入力信号のうちの少なくともいくつかの値に従って行われる決定に基づいて一つ又は複数の出力信号を生成することに適した、プロセッサ又はマイクロプロセッサである。他の例において、チャージャコントローラ730は、前述のような信号の監視及び生成を行うことに適した、任意のアナログ、デジタル、又はミックスドシグナル回路である。また、本明細書では或るデバイスがPFETとして説明されるが、いくつかの例において、デバイスは、実質的に同様の機能の別のデバイスで置き換えられ(例えば、PFETをNFETに、PFET又はNFETのいずれかをバイポーラ接合トランジスタ(BJT)で置き換えるなど)、その範囲は本明細書では限定されない。例えば、高電力スイッチングコンバータなどの或る高電力適用例において、PFETデバイスをNFETデバイスで置き換えることが望ましい場合がある。
【0071】
回路700の例示のアーキテクチャにおいて、キャパシタ706はVin端子738と接地電圧電位734との間に結合される。レジスタ707は、Vin端子265とVbat端子750との間に結合される。PFET708のドレイン端子がVbat端子750に結合され、PFET708のソース端子がノード742に結合される。PFET710のドレイン端子がノード742に結合され、PFET710のソース端子が接地電圧電位734に結合される。PFET712のドレイン端子がVbat端子750に結合され、PFET712のソース端子がノード744に結合される。PFET714のソース端子がノード744に結合され、PFET714のドレイン端子がVout端子740に結合される。PFET716のドレイン端子がVout端子740に結合され、PFET716のソース端子がノード746に結合される。PFET718のドレイン端子がノード746に結合され、PFET718のソース端子が接地電圧電位734に結合される。インダクタ702は、ノード742とノード746との間に結合される。PFET720のドレイン端子ノード746に結合され、PFET720のソース端子がノード748に結合される。PFET722のソース端子がノード748に結合され、PFET722のドレイン端子がノード736に結合される。PFET724のドレイン端子がVout端子740に結合され、PFET724のソース端子がノード736に結合される。キャパシタ728は、Vout端子740と接地電圧電位734との間に結合される。レジスタ726は、ノード736とVbat端子750との間に結合される。少なくともいくつかの例において、バッテリ732は、Vbat端子750と接地電圧電位734との間に結合される。また、チャージャコントローラ730は、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET718、PFET720、PFET722、及びPFET724の各々のゲート端子に、ノード744に、並びにノード748に結合される。
【0072】
回路700の動作の一例において、チャージャコントローラ730は、複数の動作モードのうちの1つで回路700を動作させるように、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET718、PFET720、PFET722、及び/又はPFET724を制御する。例えば、充電動作モードの間、チャージャコントローラ730は、Vin端子738から、Vout端子740(例えば、Vout端子740に結合されるデバイス(図示せず)に電力供給するため)及びVbat端子750(例えば、バッテリ732を充電するため)の両方へエネルギーを供給するように、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET718、PFET720、PFET722、及び/又はPFET724を制御する。チャージャコントローラ730は、いくつかの例において、Ctrl(図示せず)に少なくとも部分的に基づいて、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET718、PFET720、PFET722、及び/又はPFET724を制御する。Ctrlは、いくつかの例において、Vbatの値に対するVinの値を示す。例えば、Ctrlは、VinがVbatより大きいか又は小さいかどうかを示す。Ctrlは、いくつかの例において、回路700の外部にあるが回路700に結合されるデバイス又は構成要素から、チャージャコントローラ730によって受け取られる。他の例において、Ctrlは、回路700内の構成要素(図示せず)から、チャージャコントローラ730によって受け取られる。更に他の例において、Ctrlは、チャージャコントローラ730とVin端子738及びVbat端子750の各々との間の結合(図示せず)に基づいて、チャージャコントローラ730によって決定される。いくつかの例において、チャージャコントローラ730は更に、回路700に対する動作モード(例えば、下記で説明する動作モードのうちの1つなど)を特定する、付加的な受信又は生成された信号(図示せず)に基づいて、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET718、PFET720、PFET722、及び/又はPFET724を制御する。
【0073】
充電動作モードの間に、VinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ730に示すとき、チャージャコントローラ730は、Vin端子738とVout端子740との間にパスを形成するために、PFET708、PFET716、及びPFET718を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように(例えば、それらそれぞれのゲート端子に提供される信号の値に少なくとも部分的に基づいて)制御する。別の例において、VinがVbatより小さいとき、チャージャコントローラ730は、Vin端子738とVbat端子750との間にパスを形成するために、PFET708、PFET716、PFET718、PFET720、及びPFET722を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように(例えば、それらそれぞれのゲート端子に提供される信号の値に少なくとも部分的に基づいて)制御する。
【0074】
充電動作モードの間に、VinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ730に示すとき、一例において、チャージャコントローラ730は、Vin端子738とVout端子740との間にパスを形成するために、PFET708、PFET716、及びPFET718を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。別の例において、VinがVbatより大きいとき、チャージャコントローラ730は、Vin端子738とVbat端子750との間にパスを形成するために、PFET708、PFET710、PFET716、PFET720、及びPFET722を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように(例えば、それらそれぞれのゲート端子に提供される信号の値に少なくとも部分的に基づいて)制御する。
【0075】
放電動作モードの間(例えば、Vin端子738においてVinが回路700によって受け取られないとき)、チャージャコントローラ730は、PFET724のソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させるように、PFET724を制御する。放電動作モードの間、1つの電流パスが形成され、Vbat端子750からレジスタ726及びPFET724を介してVout端子740へ通る。
【0076】
OTG動作モードの間にVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ730に示すとき、又は、一例において、バッテリ保持動作モードにあるとき、チャージャコントローラ730は、Vbat端子750からVin端子738へパスを形成するために、PFET708、PFET710、PFET716、PFET720、PFET722、及びPFET724を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。別の例において、VinがVbatより小さいとき、チャージャコントローラ730は、Vbat端子750からVin端子738へパスを形成するために、PFET708、PFET716、PFET718、PFET720、PFET722、及びPFET724を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。
【0077】
ターボ動作モード(時には、ハイブリッド動作モード又はターボブーストモードとも呼ばれる)の間、Vout端子740に結合される負荷(図示せず)による要求が、Vinによって満たされ得る要求より大きく、チャージャコントローラ730は、回路700内に2つのパスを形成するために、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET720、PFET722、及びPFET724を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。第1の電流パスは、Vin端子738からVout端子740へ通り、第2の電流パスは、Vbat端子750からVout端子740へ通る。
【0078】
UPS動作モードの間、Vbatは、VinによってVout端子740に供給される電力を補足し、Vin端子738に電力を供給する。UPS動作モードの間、及びVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ730に示すとき、チャージャコントローラ730は、Vbat端子750とVin端子738との間に電流パスを形成するために、PFET708、PFET716、PFET718、PFET720、及びPFET722を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。UPS動作モードの間、及びVinがVbatより小さい旨をCtrlがチャージャコントローラ730に示すとき、チャージャコントローラ730はまた、Vbat端子750とVout端子740との間に電流パスを形成するために、PFET724のソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ようにPFET724を制御する。UPS動作モードの間、及びVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ730に示すとき、チャージャコントローラ730は、Vbat端子750とVin端子738との間に電流パスを形成するために、PFET708、PFET710、PFET716、PFET720、及びPFET722を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。UPS動作モードの間、及びVinがVbatより大きい旨をCtrlがチャージャコントローラ730に示すとき、チャージャコントローラ730は、Vbat端子750とVout端子740との間に電流パスを形成するために、PFET708、PFET710、PFET712、PFET714、PFET716、PFET720、及びPFET722を、それらのそれぞれのソース端子とドレイン端子との間でエネルギーを導通させる(又は導通させない)ように制御する。
【0079】
図8は、例示の回路特徴の表800を示す。少なくともいくつかの例において、表800は、典型的な回路実装(本明細書では図示せず)の特徴を、本明細書で開示する回路200、回路300、回路400、及び回路700と比較する。例えば、表800は、所与の動作モードについて、それぞれの回路200、回路300、回路400、及び回路700の電流パスにおける電力構成要素(例えば、スイッチ及び/又はインダクタなど)の数を比較する。図8に示されるように、回路200、回路300、及び回路400は、各々、少なくともいくつかの動作モードについて少なくともいくつかの電流パスにおけるトランジスタ数の減少を提供し、それによって、それぞれの回路200、回路300、及び/又は回路400の動作効率を向上させる。
【0080】
本明細書では、「結合する」という用語は、間接的又は直接的な有線又は無線の接続のいずれかを意味する。したがって、第1のデバイス、要素、又は構成要素が第2のデバイス、要素、又は構成要素に結合する場合、こうした結合は、直接結合を介するものであり得るか、或いは、他のデバイス、要素、又は構成要素、及び接続を介した間接結合を介するものであり得る。同様に、第1の構成要素又は位置と第2の構成要素又は位置との間で結合されるデバイス、要素、又は構成要素は、直接接続を介するものであり得るか、或いは他のデバイス、要素、又は構成要素及び/又は結合を介する間接接続を介するものであり得る。或るタスク又は機能を行う「ように構成される」デバイスは、その機能を行うために製造業者によって製造時に構成され(例えば、プログラム及び/又はハードワイヤードされ)得る、並びに/或いは、機能及び/又は他の付加的又は代替の機能を行うために製造後にユーザによって構成可能(又は、再構成可能)であり得る。こういった構成することは、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアのプログラミングを介するもの、ハードウェア構成要素の構造及び/又はレイアウト及びデバイスの相互接続を介するもの、又は、それらの組み合わせであり得る。また、或る構成要素を含むものとして本明細書で説明される回路又はデバイスが、代わりに、説明される回路又はデバイスを形成するためにそれらの構成要素に結合するように構成され得る。例えば、一つ又は複数の半導体要素(トランジスタなど)、一つ又は複数の受動要素(レジスタ、キャパシタ、及び/又はインダクタなど)、及び/又は一つ又は複数のソース(電圧及び/又は電流源など)を含むものとして本明細書で説明される構造が、代わりに、単一の物理デバイス(例えば、半導体ダイ及び/又は集積回路(IC)パッケージ)内に半導体要素のみを含み得、また、製造時又は製造後のいずれかに、エンドユーザ及び/又は第三者などによって説明される構造を形成するために、受動要素及び/又はソースのうちの少なくともいくつかに結合するように構成され得る。
【0081】
或る構成要素は、本明細書では特定のプロセス技術(例えば、電界効果トランジスタ(FET)、MOSFET、n型、p型など)であるものとして説明されるが、それらの構成要素は、他のプロセス技術の構成要素と交換可能であり(例えば、FET及び/又はMOSFETをバイポーラ接合トランジスタ(BJT)で置き換える、n型をp型で置き換える又はその逆にするなど)、置換された構成要素を含む回路が、構成要素の置換前に利用可能であった機能と少なくとも部分的に同様の所望の機能を達成するように再構成され得る。また、本明細書において、「接地電圧電位」という語句は、シャーシ接地、アース接地、浮動接地、仮想接地、デジタル接地、共通接地、及び/又は、本説明の教示に適用可能であるか又は適する任意の他の形態の接地接続を含む。本明細書で特に指示のない限り、値に先行する「約」、「およそ」、又は「実質的に」という用語は、示された値の+/-10パーセントを意味する。
【0082】
特許請求の範囲内で、説明された実施形態における改変が可能であり、他の実施形態も可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図7
図8