(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】配向された非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層を作製するアセンブリ及びプロセス
(51)【国際特許分類】
B42D 25/369 20140101AFI20221109BHJP
B05D 7/24 20060101ALI20221109BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20221109BHJP
B05D 5/06 20060101ALI20221109BHJP
B05D 3/06 20060101ALI20221109BHJP
B41M 3/14 20060101ALI20221109BHJP
G02B 1/04 20060101ALI20221109BHJP
B42D 25/378 20140101ALI20221109BHJP
【FI】
B42D25/369
B05D7/24 303A
B05D7/24 301T
B05D3/00 D
B05D7/24 303E
B05D7/24 303B
B05D5/06 101Z
B05D3/06 102Z
B05D7/24 303J
B05D7/24 303F
B41M3/14
G02B1/04
B42D25/378
(21)【出願番号】P 2020507638
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2018072753
(87)【国際公開番号】W WO2019038371
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-07-21
(32)【優先日】2017-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】311007051
【氏名又は名称】シクパ ホルディング ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】SICPA HOLDING SA
【住所又は居所原語表記】Avenue de Florissant 41,CH-1008 Prilly, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】アメラシンゲ, セドリック
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, エドガー
(72)【発明者】
【氏名】ロギノフ, エフゲニー
(72)【発明者】
【氏名】シュミッド, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】デスプランド, クロード-アラン
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-008572(JP,A)
【文献】特表2016-511703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 25/369
B05D 1/00-7/26
B41M 3/14
G02B 1/04
B42D 25/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む、放射線硬化された被覆組成物を備える光学効果層(x10、OEL)であって、前記非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子が、配向パターンに応じて配向され、
前記配向パターンが、回転中心の周りで円対称であり、
前記OELの任意の選択された直径に沿った少なくとも2
つの別個の位置x
iにおける前記非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子が、│φ’sin(θ)│≧10
°という条件を満たす、位置x
iの平均天頂偏向角φ’及び前記同じ位置x
iの前記選択された直径に対する平均方位角θを有し、
前記光学効果層が、前記OELを傾斜させたとき、少なくとも1つの円形に動くスポット又は少なくとも1つの彗星状スポットが前記回転中心の周りを回転するという光学的印象を提供する、光学効果層。
【請求項2】
前記OELの任意の選択された直径に沿った少なくとも2つの別個の位置xiにおける前記非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子が、│φ’sin(θ)│≧15°という条件を満たす、位置xiの平均天頂偏向角φ’及び前記同じ位置xiの前記選択された直径に対する平均方位角θを有する、請求項1に記載の光学効果層。
【請求項3】
前記非球形で扁円の複数の磁性又は磁化可能粒子のうちの少なくとも一部が、非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成される、請求項1
又は2に記載の光学効果層。
【請求項4】
前記光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料が、磁性薄膜干渉顔料、磁性コレステリック液晶顔料、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項
3に記載の光学効果層。
【請求項5】
前記放射線硬化された被覆組成物が、UV-Vis放射線で硬化された被覆組成物である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の光学効果層。
【請求項6】
偽造、不正、若しくは違法複製からのセキュリティ文書の保護又は装飾目的のための、請求項1~
5のいずれか一項に記載の光学効果層(OEL)の使用。
【請求項7】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の1つ又は複数の光学効果層(OEL)を備えるセキュリティ文書又は装飾要素若しくは物体。
【請求項8】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の光学効果層(OEL)を基板上に作製する印刷装置であって、前記非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子が、前記装置内に含まれる少なくとも1つの旋回磁性アセンブリ(x00)からの磁場によって配向され、前記旋回磁性アセンブリ(x00)が、旋回軸線を有し、前記OELを備えた前記基板の表面が、前記磁性アセンブリ(x00)の旋回軸線に対して実質上直角であり、少なくともa)第1の磁場生成デバイス(x30)及びb)第2の磁場生成デバイス(x40)を備え、前記第1の磁場生成デバイス(x30)及び前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、相互に斜めの磁軸線を有し、前記第1の磁場生成デバイス(x30)の磁軸線が、前記旋回軸線に対して実質上直角であり、前記第2の磁場生成デバイス(x40)の磁軸線が、前記旋回軸線に対して実質上直角であり、前記旋回軸線に対して直角の平面への前記旋回軸線に沿った前記第1の磁場生成デバイス(x30)の前記磁軸線の射影及び前記第2の磁場生成デバイス(x40)の前記磁軸線の射影が、約5°~約175°の範囲内又は約-5°~約-175°の範囲内のいずれ
かの角度(Ω)を形成し、
a)前記第1の磁場生成デバイス(x30)が、
前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石、又は
2つ以上の棒状の双極磁石であり、前記2つ以上の棒状の双極磁石がそれぞれ、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の棒状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有する、2つ以上の棒状の双極磁石、又は
前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有するループ
状の双極磁石、又は
ループ
状の双極磁石内に入れ子にされた円板状の双極磁石であり、前記円板状の双極磁石及び前記ループ
状の双極磁石がそれぞれ、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線及び同じ磁場方向を有する、円板状の双極磁石、又は
2つ以上の入れ子にされたループ
状の双極磁石であり、前記2つ以上の入れ子にされたループ
状の双極磁石がそれぞれ、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の入れ子にされたループ
状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有する、2つ以上の入れ子にされたループ
状の双極磁石を備え、
b)前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、
前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石、又は
前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有するループ
状の双極磁石、又は
前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石を備える、装置。
【請求項9】
前記旋回軸線に対して直角の平面への前記旋回軸線に沿った前記第1の磁場生成デバイス(x30)の前記磁軸線の射影及び前記第2の磁場生成デバイス(x40)の前記磁軸線の射影が、約15°~約165°の範囲内又は約-15°~約-165°の範囲内のいずれかである、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ループ状の双極磁石がリング状の双極磁石である、及び/又は前記2つ以上の入れ子にされたループ状の双極磁石が、入れ子にされたリング状の双極磁石である、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の磁場生成デバイス(x30)が、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有するループ
状の双極磁石を備え、前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石を備え、又は
前記第1の磁場生成デバイス(x30)が、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有するループ
状の双極磁石を備え、前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有するループ
状の双極磁石を備え、又は
前記第1の磁場生成デバイス(x30)が、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石を備え、前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、前記旋回軸線に対して直角の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石を備え、又は
前記第1の磁場生成デバイス(x30)が、2つ以上の棒状の双極磁石を備え、前記2つ以上の棒状の双極磁石がそれぞれ、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の棒状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有し、前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石を備え、又は
前記第1の磁場生成デバイス(x30)が、ループ
状の双極磁石内に入れ子にされた円板状の双極磁石を備え、前記円板状の双極磁石及び前記ループ
状の双極磁石がそれぞれ、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線及び同じ磁場方向を有し、前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石を備え、又は
前記第1の磁場生成デバイス(x30)が、2つ以上の入れ子にされたリング状の磁石を備え、前記2つ以上の入れ子にされたリング状の磁石がそれぞれ、前記旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の入れ子にされたリング状の磁石がすべて、同じ磁場方向を有し、前記第2の磁場生成デバイス(x40)が、前記旋回軸線に対して直角の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石を備える、
請求項
8~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記ループ状の双極磁石がリング状の双極磁石である、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
回転磁性筒体又は平床式印刷ユニットをさらに備え、前記少なくとも1つの旋回磁性アセンブリ(x00)が、前記回転磁性筒体又は前記平床式印刷ユニット内に含まれる、請求項
8~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の光学効果層(OEL)(x10)を基板(x20)上に作製するプロセスであって、
i)非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物を基板(x20)の表面に塗布するステップであり、前記放射線硬化性の被覆組成物が第1の状態にある、塗布するステップと、
ii)請求項
8~
13のいずれか一項に記載の印刷装置の磁場に前記放射線硬化性の被覆組成物を露出させ、前記非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向させるステップと、
iii)ステップii)の前記放射線硬化性の被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させて第2の状態にし、前記非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定するステップとを含むプロセス。
【請求項15】
ステップiii)が、UV-Vis光放射線硬化によって実施される、請求項
14に記載のプロセス。
【請求項16】
ステップiii)が、前記ステップii)と部分的に同時に実施される、請求項
14又は
15に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
[01]本発明は、有価文書及び有価又はブランド市販品を偽造及び違法複製から保護する分野に関する。詳細には、本発明は、視野角が動的な外観及び光学効果を示す光学効果層(OEL)、前記OELを作製する旋回可能な磁性アセンブリ及びプロセス、並びに文書及び物品に対する偽造防止手段としての前記OELの使用に関する。
【0002】
[発明の背景]
[02]セキュリティ要素及びセキュリティ文書の作製のための磁性又は磁化可能顔料粒子、特に非球形で光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子を含有するインク、被覆組成物、被覆、又は層の使用は、当技術分野では知られている。
【0003】
[03]セキュリティ文書及び物品に対するセキュリティ特徴は、「機密」及び「公開」セキュリティ特徴に分類することができる。機密セキュリティ特徴によって提供される保護は、そのような特徴が人間の感覚から隠されるという概念に依拠し、典型的にはそれらの検出には特殊な機器及び知識が必要とされるのに対して、「公開」セキュリティ特徴は、支援なしの人間の感覚によって容易に検出可能である。そのような特徴は、触覚を介して可視及び/又は検出可能とすることができるが、それでもなお作製及び/又は複製するのは困難である。しかし、公開セキュリティ特徴の有効性は、ユーザがその存在及び性質を認識した場合にのみ、そのようなセキュリティ特徴に基づいてセキュリティチェックを実際に実行するため、セキュリティ特徴として容易に認識できるかどうかに大きく依存する。
【0004】
[04]配向された磁性又は磁化可能顔料粒子を含む被覆又は層は、たとえば米国特許第2,570,856号、米国特許第3,676,273号、米国特許第3,791,864号、米国特許第5,630,877号、及び米国特許第5,364,689号に開示されている。被覆内の磁性又は磁化可能顔料粒子は、対応する磁場を印加し、固化されていない被覆内の磁性又は磁化可能顔料粒子の局所的な配向を引き起こし、それに続いて、被覆を固化して粒子をその位置及び配向で固定することによって、磁気的に誘起された画像、デザイン、及び/又はパターンの作成を可能にする。この結果、特有の光学効果が得られ、すなわち固定され磁気的に誘起された画像、デザイン、又はパターンは、耐偽造性が非常に強くなる。配向された磁性又は磁化可能顔料粒子に基づくセキュリティ要素は、磁性若しくは磁化可能顔料粒子又は前記粒子を含む対応するインク若しくは被覆組成物と、前記インク又は被覆組成物を塗布し、塗布されたインク又は被覆組成物内で前記顔料粒子を配向させ、それに続いて前記インク又は組成物を固化するために用いられる特定の技術との両方へのアクセスを有することによってのみ作製することができる。
【0005】
[05]効率的なセキュリティ要素として、「移動リング」効果が開発されてきた。移動リング効果は、選択された照射又は観測角、すなわち前記光学効果層の傾斜角に応じて被覆の平面内で任意のx-y方向に動いているように見える漏斗、円錐、鉢、円、長円、及び半球などの物体の光学的に錯覚を起こさせる画像からなる。移動リング効果をもたらす手段及び方法は、たとえば欧州特許出願公開第1710756号、米国特許第8343615号、欧州特許出願公開第2306222号、欧州特許出願公開第2325677号、及び米国特許出願公開第2013/084411号に開示されている。
【0006】
[06]国際公開第2011/092502号は、視野角を変化させることによって見掛け上動いているリングを表示する移動リング画像を作製する装置を開示している。開示されている移動リング画像は、軟磁性シートと、被覆層の平面に対して直角の磁軸線を有し、前記軟磁性シートの下に配置された球形の磁石との組合せによってもたらされる磁場の助けを借りて取得又は作製することができる。
【0007】
[07]明るい人目を引く光学効果を表示するインク又は被覆組成物内で配向された磁性粒子に基づき、肉眼によって容易に検証され、偽造者にとって入手可能な機器では大規模に作製することが困難であるが、セキュリティ印刷業者では同じ機器を使用して多数の異なる形状及び色を提供することができる、異なるセキュリティ特徴が、依然として必要とされている。
【0008】
[発明の概要]
[08]したがって、本発明の目的は、視野角に依存する見掛け上の運動及び視野角が動的な外観を呈する光学効果層(OEL)を提供することである。改善された容易に検出できる公開セキュリティ特徴として、又は追加若しくは別法として、たとえば文書セキュリティの分野の機密セキュリティ特徴として、そのようなOELを提供することが特に望ましい。さらなる目的によれば、そのようなOELはまた、装飾の目的でも好適である。
【0009】
[09]本発明は、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(x10、OEL)を提供し、前記非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、配向パターンに応じて配向され、
配向パターンは、回転中心の周りで円対称であり、
OELの任意の選択された直径に沿った少なくとも2つ、好ましくは4つの別個の位置xiにおける非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、│φ’sin(θ)│≧10°、好ましくは≧15°という条件を満たす位置xiの平均天頂偏向角φ’及び同じ位置xiの選択された直径に対する平均方位角θを有し、
前記光学効果層は、前記OELを傾斜させたとき、少なくとも1つの円形に動くスポット又は少なくとも1つの彗星状スポットが前記回転中心の周りを回転するという光学的印象を提供する。
【0010】
[010]偽造又は不正からのセキュリティ文書若しくは物品の保護又は装飾の適用のための本明細書に記載する光学効果層(OEL)の使用もまた、本明細書に記載される。
【0011】
[011]本明細書に記載する光学効果層(OEL)のうちの1つ又は複数を含むセキュリティ文書又は装飾要素若しくは物体もまた、本明細書に記載される。
【0012】
[012]本明細書に記載する光学効果層(OEL)(x10)を作製する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)、及び本明細書に記載する光学効果層(OEL)(x10)を基板(x20)に作製する前記旋回可能な磁性アセンブリ(x00)の使用もまた、本明細書に記載される。特に、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、旋回磁性アセンブリ(x00)の磁場によって配向され、OELを備えた基板の表面は、磁性アセンブリ(x00)の旋回軸線に対して実質上直角である。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、少なくともa)第1の磁場生成デバイス(x30)及びb)第2の磁場生成デバイス(x40)を備え、前記第1の磁場生成デバイス(x30)及び前記第2の磁場生成デバイス(x40)は、相互に斜めの磁軸線を有し、前記第1の磁場生成デバイス(x30)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり、前記第2の磁場生成デバイス(x40)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(x30)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(x40)の磁軸線の射影は、約5°~約175°の範囲内又は約-5°~約-175度の範囲内、好ましくは約15°~約165°の範囲内又は約-15°~約-165°の範囲内の角度(Ω)を形成する。本明細書に記載する光学効果層(OEL)(x10)を作製する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、
a)第1の磁場生成デバイス(x30)であって、
旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石、又は
2つ以上の棒状の双極磁石であり、前記2つ以上の棒状の双極磁石が、旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の棒状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有する、2つ以上の棒状の双極磁石、又は
旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有するループ状、好ましくはリング状の双極磁石、又は
ループ状、好ましくはリング状の双極磁石内に入れ子にされた円板状の双極磁石であり、円板状の双極磁石及びループ状、好ましくはリング状の双極磁石がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線及び同じ磁場方向を有する、円板状の双極磁石、又は
2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石であり、前記2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有する、2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石を備える、第1の磁場生成デバイス(x30)と、
b)第2の磁場生成デバイス(x40)であって、
旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石、
旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有するループ状、好ましくはリング状の双極磁石、又は
旋回軸線に対して実質上直角の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石を備える、第2の磁場生成デバイス(x40)とを具備する。
【0013】
[013]本明細書に記載する光学効果層(OEL)を本明細書に記載するものなどの基板上に作製する印刷装置もまた、本明細書に記載され、前記印刷装置は、本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)のうちの少なくとも1つを備える。本明細書に記載する印刷装置は、本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)のうちの少なくとも1つを備える回転磁性筒体、又は本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)のうちの少なくとも1つを備える平床式印刷ユニットを具備する。
【0014】
[014]本明細書に記載する光学効果層(OEL)を本明細書に記載するものなどの基板上に作製する本明細書に記載する印刷装置の使用もまた、本明細書に記載される。
【0015】
[015]本明細書に記載する光学効果層(OEL)を基板(x20)に作製するプロセス、及びそのプロセスによって得られる光学効果層(OEL)もまた、本明細書に記載され、前記プロセスは、
i)本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物を基板(x20)の表面に塗布するステップであって、前記放射線硬化性の被覆組成物が第1の状態にある、塗布するステップと、
ii)本明細書に記載する旋回磁性アセンブリ(x00)又は本明細書に記載する印刷装置の磁場に放射線硬化性の被覆組成物を露出させ、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向させるステップと、
iii)ステップii)の放射線硬化性の被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させて第2の状態にし、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定するステップとを含む。
【0016】
[016]セキュリティ文書又は装飾要素若しくは物体を製造する方法であって、a)セキュリティ文書又は装飾要素若しくは物体を用意するステップと、b)セキュリティ文書又は装飾要素若しくは物体によって含まれるように、特に本明細書に記載するプロセスによって得られたものなど、本明細書に記載するものなどの光学効果層を用意するステップとを含むもまた、本明細書に記載される。
【0017】
[017]本発明は、セキュリティ文書及び物品をその真正性に関して保護するための確実な手段及び方法を提供する。本明細書に記載するセキュリティ特徴は、美的な外観を有しており、多種多様な実施形態及び形式で作製して設計明細書にしっかりと組み込むことができ、人間の肉眼で容易に認識される。他方では、本明細書に記載するセキュリティ特徴は、容易に作製されるものではなく、その作製には印刷機械に組み込まれて最高作製速度で稼働するセキュリティ印刷業者の専用の機構を必要とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】前記OELが
図1Bに示すように4つの照射源によって4つの基本方位(N、E、S、及びW)のそれぞれから順次照射されているときに前記OELを直交図で見た、本発明による円形に動く彗星状スポットを呈する光学効果層(OEL)(110)の視覚的外観を概略的に示す図である。
【
図1B】前記OELが
図1Bに示すように4つの照射源によって4つの基本方位(N、E、S、及びW)のそれぞれから順次照射されているときに前記OELを直交図で見た、本発明による円形に動く彗星状スポットを呈する光学効果層(OEL)(110)の視覚的外観を概略的に示す図である。
【
図2A】OELの(x,y)平面内の選択された直径(212)に沿って原点(211)から生じる本発明による粒子配向パターンを概略的に示す図である。
【
図2B】前記配向パターンがOELの選択された直径(212)に沿って示されている、本発明による基板(220)上のOEL(210)の配向された非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の特徴的な反射特性の概略図である。
【
図2C】本発明のOEL内に含まれる非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の位置及び配向について説明するために使用される座標系(x,y,z,φ,θ)を概略的に示す図である。
【
図2D】直交入射における反射ビーム出口角φ’に対する被覆組成物の屈折率nの効果について説明し、ここでφはOELの平面に対する粒子の傾斜角である、図である。
【
図3A】ドーム型OELを作製する従来技術の旋回可能な磁石アセンブリを概略的に示す図である。
【
図3B】従来技術による
図3Aに示す旋回磁石アセンブリによって得られるドーム型効果を呈する円対称OELを示す図である。
【
図3C】
図3Aに示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図3D】リング型OELを作製する従来技術の旋回可能な磁石アセンブリを概略的に示す図である。
【
図3E】従来技術による
図3Dに示す旋回磁石アセンブリによって得られたリング型効果を呈する円対称OELを示す図である。
【
図3F】
図3Dに示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図4A】本明細書に示すOELの反射ビーム方向を測定するために使用されるコノスコープスキャタロメトリの仕事原理を概略的に示す図である。
【
図4B】OEL内の顔料粒子の配向を判定するために使用される完全反射コノスコープスキャタロメータの機構を概略的に示す。
【
図5A1】光学効果層(OEL)(510)を基板(520)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(500)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(500)が、OELを作製するために使用するときに基板(520)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第1の磁場生成デバイス(530)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(540)とを備え、第1の磁場生成デバイス(530)が、第2の磁場生成デバイス(540)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(530)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(540)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図5A2】旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(530)の磁軸線の射影と円板状の双極磁石(540)の磁軸線の射影との間の角度Ωを概略的に示す図である。
【
図5B】サンプルが-30°~+30°傾斜しているときに固定位置から見た、
図5A1に示す旋回可能な磁性アセンブリ(500)を使用することによって得られたOELの写真を示す図である。
【
図5C】
図5A1に示す旋回磁性アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿って測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図6A1】光学効果層(OEL)(610)を基板(620)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(600)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(600)が、OELを作製するために使用するときに基板(620)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(620)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第1の磁場生成デバイス(630)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(620)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(640)とを備え、第2の磁場生成デバイス(640)が、第1の磁場生成デバイス(630)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(630)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(640)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図6A2】旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(630)の磁軸線の射影と円板状の双極磁石(640)の磁軸線の射影との間の角度Ωを概略的に示す図である。
【
図6B】サンプルが-30°~+30°傾斜しているときに固定位置から見た、
図6A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られたOELの写真を示す図である。
【
図6C】
図6A1に示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図7A1】光学効果層(OEL)(710、810)を基板(720、820)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)を概略的にそれぞれ示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)が、OELを作製するために使用するときに基板(720、820)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第1の磁場生成デバイス(730、830)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(740、840)とを備え、第1の磁場生成デバイス(730、830)が、第2の磁場生成デバイス(740、840)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(730、830)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(740、840)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図7A2】光学効果層(OEL)(710、810)を基板(720、820)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)を概略的にそれぞれ示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)が、OELを作製するために使用するときに基板(720、820)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第1の磁場生成デバイス(730、830)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(740、840)とを備え、第1の磁場生成デバイス(730、830)が、第2の磁場生成デバイス(740、840)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(730、830)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(740、840)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図7B】光学効果層(OEL)(710、810)を基板(720、820)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)を概略的にそれぞれ示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)が、OELを作製するために使用するときに基板(720、820)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第1の磁場生成デバイス(730、830)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(740、840)とを備え、第1の磁場生成デバイス(730、830)が、第2の磁場生成デバイス(740、840)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(730、830)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(740、840)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図7C】光学効果層(OEL)(710、810)を基板(720、820)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)を概略的にそれぞれ示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)が、OELを作製するために使用するときに基板(720、820)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第1の磁場生成デバイス(730、830)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(740、840)とを備え、第1の磁場生成デバイス(730、830)が、第2の磁場生成デバイス(740、840)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(730、830)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(740、840)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図8A1】光学効果層(OEL)(710、810)を基板(720、820)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)を概略的にそれぞれ示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(700、800)が、OELを作製するために使用するときに基板(720、820)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第1の磁場生成デバイス(730、830)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720、820)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(740、840)とを備え、第1の磁場生成デバイス(730、830)が、第2の磁場生成デバイス(740、840)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(730、830)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(740、840)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図8A2】旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿ったリング状の双極磁石(730、830)の磁軸線の射影と円板状の双極磁石(740、840)の磁軸線の射影との間の角度Ωを概略的にそれぞれ示す図である。
【
図8B】サンプルが-30°~+30°傾斜しているときに固定位置から見た、
図7~
図8A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られたOELの写真をそれぞれ示す図である。
【
図8C】
図7~
図8A1に示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図9A1】光学効果層(OEL)(910)を基板(920)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(900)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(900)が、OELを作製するために使用するときに基板(920)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(950)に埋め込まれており、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石(931)である第1の磁場生成デバイス(930)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(940)とを備え、第1の磁場生成デバイス(930)が、第2の磁場生成デバイス(940)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った棒状の双極磁石(930)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(940)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図9A2】旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った棒状の双極磁石(930)の磁軸線の射影と円板状の双極磁石(940)の磁軸線の射影との間の角度Ωを概略的に示す図である。
【
図9B1】光学効果層(OEL)(910)を基板(920)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(900)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(900)が、OELを作製するために使用するときに基板(920)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(950)に埋め込まれており、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石(931)である第1の磁場生成デバイス(930)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(940)とを備え、第1の磁場生成デバイス(930)が、第2の磁場生成デバイス(940)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った棒状の双極磁石(930)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(940)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図9B2】光学効果層(OEL)(910)を基板(920)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(900)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(900)が、OELを作製するために使用するときに基板(920)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(950)に埋め込まれており、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石(931)である第1の磁場生成デバイス(930)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(940)とを備え、第1の磁場生成デバイス(930)が、第2の磁場生成デバイス(940)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った棒状の双極磁石(930)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(940)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図9C】サンプルが-30°~+30°傾斜しているときに固定位置から見た、
図9A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られたOELの写真を示す図である。
【
図9D】
図9A1に示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図10A1】光学効果層(OEL)(1010)を基板(1020)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1000)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1000)が、OELを作製するために使用するときに基板(1020)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1050)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1031)の中心に位置合わせされた配置を備え、前記棒状の双極磁石(1031)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有する、第1の磁場生成デバイス(1030)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1040)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1030)が、第2の磁場生成デバイス(1040)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った2つの棒状の双極磁石(1031)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1040)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図10A2】旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)の磁軸線の射影と円板状の双極磁石(1040)の磁軸線の射影との間の角度Ωを概略的に示す図である。
【
図10B1】光学効果層(OEL)(1010)を基板(1020)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1000)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1000)が、OELを作製するために使用するときに基板(1020)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1050)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1031)の中心に位置合わせされた配置を備え、前記棒状の双極磁石(1031)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有する、第1の磁場生成デバイス(1030)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1040)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1030)が、第2の磁場生成デバイス(1040)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った2つの棒状の双極磁石(1031)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1040)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図10B2】光学効果層(OEL)(1010)を基板(1020)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1000)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1000)が、OELを作製するために使用するときに基板(1020)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1050)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1031)の中心に位置合わせされた配置を備え、前記棒状の双極磁石(1031)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有する、第1の磁場生成デバイス(1030)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1040)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1030)が、第2の磁場生成デバイス(1040)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った2つの棒状の双極磁石(1031)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1040)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図10C】サンプルが-30°~+30°傾斜しているときに固定位置から見た、
図10A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られたOELの写真を示す図である。
【
図10D】
図10A1に示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図11A1】光学効果層(OEL)(1110)を基板(1120)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1100)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1100)が、OELを作製するために使用するときに基板(1120)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1132)に埋め込まれており、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有する3つの同一線上の棒状の双極磁石(1131)の中心に位置合わせされた配置を備える第1の磁場生成デバイス(1130)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1140)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1130)が、第2の磁場生成デバイス(1140)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1140)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図11A2】旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った3つの棒状の双極磁石(1131)の磁軸線の射影と円板状の双極磁石(1140)の磁軸線の射影との間の角度Ωを概略的に示す図である。
【
図11B1】光学効果層(OEL)(1110)を基板(1120)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1100)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1100)が、OELを作製するために使用するときに基板(1120)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1132)に埋め込まれており、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有する3つの同一線上の棒状の双極磁石(1131)の中心に位置合わせされた配置を備える第1の磁場生成デバイス(1130)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1140)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1130)が、第2の磁場生成デバイス(1140)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1140)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図11B2】光学効果層(OEL)(1110)を基板(1120)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1100)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1100)が、OELを作製するために使用するときに基板(1120)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1132)に埋め込まれており、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有する3つの同一線上の棒状の双極磁石(1131)の中心に位置合わせされた配置を備える第1の磁場生成デバイス(1130)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1140)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1130)が、第2の磁場生成デバイス(1140)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1140)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図11C】サンプルが-30°~+30°傾斜しているときに固定位置から見た、
図11A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られたOELの写真を示す図である。
【
図11D】
図11A1に示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図12】光学効果層(OEL)(1210)を基板(1220)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1200)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1200)が、OELを作製するために使用するときに基板(1220)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、直径方向に磁化された円板状の双極磁石(1231-a)を備え、円板状の双極磁石(1231-a)が、直径方向に磁化されたリング状の双極磁石(1231-b)内に入れ子にされ(すなわち、同心円状に配置される)、前記磁石(1231-a、1231-b)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1220)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、前記磁石(1231-a、1231-b)がすべて、同じ方向を指し、支持マトリックス(1250)に埋め込まれる、第1の磁場生成デバイス(1230)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1220)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1240)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1230)が、第2の磁場生成デバイス(1240)上に同軸に配置され、円板状の双極磁石(1231-a)及びリング状の双極磁石(1231-b)の磁軸線の射影並びに円板状の双極磁石(1240)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図13】光学効果層(OEL)(1310)を基板(1320)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1300)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1300)が、OELを作製するために使用するときに基板(1320)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1350)に埋め込まれた2つの入れ子にされたリング状の磁石(1331-a、1131-b)を備え、前記2つ以上の入れ子にされたリング状の磁石(1331-a、1331-b)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1320)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化され、前記2つ以上の入れ子にされたリング状の磁石(1331-a、1331-b)がすべて、同じ方向を指す、第1の磁場生成デバイス(1330)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1320)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1340)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1330)が、第2の磁場生成デバイス(1340)上に同軸に配置され、2つの入れ子にされたリング状の磁石(1331-a、1331-b)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1340)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図14A】│φ’sin(θ)│≧10°という条件(
図14A)又は│φ’sin(θ)│≧15°という条件(
図14B)を満たす天頂偏向角φ’及び方位角θを有する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子配向の範囲を(φ’,θ)グラフに陰影区域として示す図である。
【
図14B】│φ’sin(θ)│≧10°という条件(
図14A)又は│φ’sin(θ)│≧15°という条件(
図14B)を満たす天頂偏向角φ’及び方位角θを有する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子配向の範囲を(φ’,θ)グラフに陰影区域として示す図である。
【
図15A1】光学効果層(OEL)(1510)を基板(1520)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1500)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1500)が、OELを作製するために使用するときに基板(1520)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1550)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1531)の中心に位置合わせされた配置を備え、前記2つの棒状の双極磁石(1531)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有し、2つの棒状の双極磁石(1531)の頂面の中心を交差する支持マトリックス(1550)の直径から特有の角度だけ傾斜している、第1の磁場生成デバイス(1530)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1540)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1530)が、第2の磁場生成デバイス(1540)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った2つの棒状の双極磁石(1531)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1540)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図15A2】旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)の磁軸線の射影と円板状の双極磁石(1540)の磁軸線の射影との間の角度Ωを概略的に示す図である。
【
図15B1】光学効果層(OEL)(1510)を基板(1520)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1500)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1500)が、OELを作製するために使用するときに基板(1520)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1550)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1531)の中心に位置合わせされた配置を備え、前記2つの棒状の双極磁石(1531)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有し、2つの棒状の双極磁石(1531)の頂面の中心を交差する支持マトリックス(1550)の直径から特有の角度だけ傾斜している、第1の磁場生成デバイス(1530)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1540)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1530)が、第2の磁場生成デバイス(1540)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った2つの棒状の双極磁石(1531)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1540)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図15B2】光学効果層(OEL)(1510)を基板(1520)の表面に作製する旋回可能な磁性アセンブリ(1500)を概略的に示し、前記旋回可能な磁性アセンブリ(1500)が、OELを作製するために使用するときに基板(1520)の表面に対して実質上直角である旋回軸線(矢印)を有し、旋回可能な磁性アセンブリが、支持マトリックス(1550)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1531)の中心に位置合わせされた配置を備え、前記2つの棒状の双極磁石(1531)がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線並びに同じ方向を指す磁軸線を有し、2つの棒状の双極磁石(1531)の頂面の中心を交差する支持マトリックス(1550)の直径から特有の角度だけ傾斜している、第1の磁場生成デバイス(1530)と、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行である南北の磁軸線を有し、直径方向に磁化された円板状の双極磁石である第2の磁場生成デバイス(1540)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1530)が、第2の磁場生成デバイス(1540)上に同軸に配置され、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った2つの棒状の双極磁石(1531)の磁軸線の射影及び円板状の双極磁石(1540)の磁軸線の射影が角度(Ω)を形成する、図である。
【
図15C】サンプルが-30°~+30°傾斜しているときに固定位置から見た、
図15A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られたOELの写真を示す図である。
【
図15D】
図15A1に示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された粒子配向を(φ’,θ)グラフに示す図である。
【
図16A】リング状の双極磁石(530)の下面と円板状の双極磁石(540)の上面との間の距離(d)が変更されていること、及び/又はリング状の双極磁石(530)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(500)に面している基板(520)の表面との間の距離(h)が変更されていることを除いて、
図5A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られた前記OELを30°~0°傾斜させることによってOELの写真を示す図である。
【
図16B】リング状の双極磁石(530)の下面と円板状の双極磁石(540)の上面との間の距離(d)が変更されていること、及び/又はリング状の双極磁石(530)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(500)に面している基板(520)の表面との間の距離(h)が変更されていることを除いて、
図5A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られた前記OELを30°~0°傾斜させることによってOELの写真を示す図である。
【
図16C】リング状の双極磁石(530)の下面と円板状の双極磁石(540)の上面との間の距離(d)が変更されていること、及び/又はリング状の双極磁石(530)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(500)に面している基板(520)の表面との間の距離(h)が変更されていることを除いて、
図5A1に示す磁性アセンブリを使用することによって得られた前記OELを30°~0°傾斜させることによってOELの写真を示す図である。
【0019】
[詳細な説明]
定義
[018]以下の定義は、この説明で用いられる用語及び特許請求の範囲に記載の用語の意味に適用される。
【0020】
[019]本明細書では、不定冠詞「a」は、1並びに1以上を示し、必ずしもその指示する名詞を単数に限定するものではない。
【0021】
[020]本明細書では、「約(about)」という用語は、当該の量又は値が、指定された特有の値又はその近傍の何らかの他の値となりうることを意味する。概して、特定の値を示す「約」という用語は、その値の±5%の範囲を示すことを意図したものである。一例として、「約100」という語句は、100±5の範囲、すなわち95~105の範囲を示す。概して、「約」という用語が使用されるとき、記載の値の±5%の範囲内で本発明による類似の結果又は効果を得ることができると予期することができる。
【0022】
[021]「実質上平行」という用語は、平行な位置合わせから10°を超えて逸脱しないことを指し、「実質上直角」という用語は、直角の位置合わせから10°を超えて逸脱しないことを指す。
【0023】
[022]本明細書では、「及び/又は(and/or)」という用語は、この用語によって接続された要素の両方又は一方のみが存在することを指す。たとえば、「A及び/又はB(A and/or B)」は、「Aのみ(only A)、若しくはBのみ(only B)、又はA及びBの両方(both A and B)」を意味するものとする。「Aのみ」の場合、この用語は、Bが不在である可能性、すなわち「Aのみ、Bなし(only A, but not B)」も包含する。
【0024】
[023]本明細書では、「備える、含む(comprising)」という用語は、非排他的でオープンエンドであることを意図したものである。したがって、たとえば化合物Aを含む溶液組成は、A以外に他の化合物を含むこともできる。しかし、「備える、含む」という用語は、その特定の実施形態として、「本質的に~からなる(consisting essentially of)」及び「~からなる(consisting of)」というより制限的な意味も包含し、したがってたとえば、「A、B、及び任意選択でCを含む組成」は、(本質的に)A及びBからなり、又は(本質的に)A、B、及びCからなることがある。
【0025】
[024]組成において、「含有する(containing)」という用語は、非排他的であると解釈されたい。「Aを含有する被覆組成物」は、Aは存在するべきであるが、B、Cなどが存在することも除外しないことを意味する。
【0026】
[025]「被覆組成物」という用語は、被覆、特に本発明の光学効果層(OEL)を固体基板上に形成することが可能であり、好ましいが非排他的に印刷方法によって塗布することができるあらゆる組成物を指す。本発明の被覆組成物は、少なくとも複数の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子及び接着剤を含む。
【0027】
[026]本明細書では、「光学効果層(OEL)」という用語は、少なくとも複数の磁気的に配向された非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子及び接着剤を含む層を示し、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、前記接着剤内の位置及び配向で固定又は凍結される(固定/凍結される)。
【0028】
[027]本開示の文脈では、「顔料粒子」は、インク又は被覆組成物内で不溶性であり、インク又は被覆組成物に確定的スペクトル透過/反射応答を提供する粒状材料を指す。
【0029】
[028]「磁軸線」という用語は、磁石の南北の極面の磁性中心を結んで前記極面を通って伸びる理論上の線を示す。この用語は、いかなる特有の磁場方向も含まない。
【0030】
[029]「磁場方向」という用語は、磁石の外部で北極から南極へ向いている磁力線に沿った磁場ベクトルの方向を示す(Handbook of Physics,Springer 2002、463~464頁参照)。
【0031】
[030]「硬化」という用語は、刺激への反応として被覆組成物の粘性を増大させ、被覆組成物内に含まれる磁性又は磁化可能顔料粒子がその位置及び配向で固定/凍結され、移動又は回転することができなくなる状態(すなわち、硬化、固化、又は固体状態)に被覆組成物を変換するプロセスを示す。
【0032】
[031]本明細書では、「少なくとも(at least)」という用語は、確定的な数量又は前記数量より大きい数量を画定し、たとえば「少なくとも1つ」は、1つ、2つ、又は3つなどを意味する。
【0033】
[032]「セキュリティ文書」という用語は、少なくとも1つのセキュリティ特徴によって偽造又は不正から保護された文書を指す。セキュリティ文書の例には、非限定的に、通貨、有価文書、身分証明書などが含まれる。
【0034】
[033]「セキュリティ特徴」という用語は、そのセキュリティ特徴を保持する文書又は物品の認証に使用することができる公開又は機密の画像、パターン、又はグラフィック要素を示す。
【0035】
[034]本説明が「好ましい」実施形態/特徴に言及した場合、これらの「好ましい」実施形態/特徴の組合せもまた、その「好ましい」実施形態/特徴の組合せが技術的に有意である限り、好ましいとして開示されると考えられるものとする。
【0036】
[035]本発明は、光学効果層(OEL)を提供し、前記OELは、複数の非ランダムに配向された非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含み、前記顔料粒子は、固化した接着材料内に分散される。本明細書に記載するように、配向パターンが回転中心の周りで円対称であるため、本明細書に記載する光学効果層(OEL)は、OELの表面に対する法線が円錐をなぞるように前記OELを傾斜及び回転させたとき、少なくとも1つの円形に動くスポットが前記回転中心の周りを回転するという視覚的印象を提供する。別の実施形態によれば、本明細書に記載する光学効果層(OEL)は、OELの表面に対する法線が円錐をなぞるように前記OELを傾斜及び回転させたとき、少なくとも1つの円形に動く彗星状スポットが回転中心の周りを回転するという視覚的印象を提供する。さらに、本明細書に記載するOELは、前記OELを前後に傾斜させたとき、前記動くスポット又は彗星状の動くスポットが、少なくとも左から右又は右から左に動いているように見え、前記OELを左右に傾斜させたとき、前記動くスポット又は彗星状の動くスポットが、少なくとも前後に動いているように見えるようになっている。前記OELを傾斜させたときに少なくとも1つの円形に動く彗星状スポットが回転中心の周りを回転するという視覚的印象を提供するOELの例が、
図5B~
図8B及び
図9C~
図11Cに示されている。本明細書に記載するOELの反射パターンは、その回転中心の周りで円対称であり、すなわち本明細書に記載するOELに含まれる反射性の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向パターンは、その原点(x11)の周りで円対称である。本発明は、少なくとも1つの円形に動くスポット又は少なくとも1つの彗星状スポットが回転中心の周りを回転するという視覚的印象を提供し、前記スポット又は彗星状スポットは、上述したように、OELが傾斜しているとき、前後(又は上下)に動くだけではなく、左右にも動いている。
【0037】
[036]OEL(x10)が円対称であるため、OELに含まれる非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向パターンは、原点(x11)から生じる半径に応じて十分に説明することができる。2つの角度値(方位θ、傾斜φ)を使用して、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向を表現することができ、したがって、本発明による配向パターンは、OEL(x10)の原点(x11)から生じる半径に沿ってこれらの2つの角度値を示すことによって完全に判定される。以下でさらに説明するように、通例どおりOEL接着剤の屈折率が実質上一定であることを条件として、光学的に測定するのがより容易であるため、粒子の配向を記述するために、φの代わりに天頂偏向角φ’を使用することができる。本明細書に提供される例では、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向は、原点(x11)を交差する選択された直径に沿って測定される。これは、配向パターンを記述するために必要とされる必要最小限の情報の2倍を生じ、実験誤差の範囲内で、パターンが円対称であることを示す。
【0038】
[037]以下、光学効果層内の配向された顔料粒子による空間内の特定の方向への入射光の反射は、ある程度の誘導反射を意味すると理解されるものとし、これは、不純物又は欠陥による不完全な位置合わせ又は散乱のためにある程度の角度的な広がりを入射光ビームに加えることがあるが、ランダムな顔料粒子配置から得られるはずの完全な拡散反射を除外するものとする。
【0039】
[038]
図1Aは、前記OELが4つの照射源によって4つの基本方位(N、E、S、及びW、ここでy軸線は北を指し、x軸線は東を指す)のそれぞれから順次照射されているときに直交観察状態で見た、本発明による光学効果層(OEL)(110)の視覚的外観を、原点0(111)並びに平面内軸線x及びy(112、113)によって概略的に示し、前記OELを傾斜させたとき、少なくとも1つの円形に動く彗星状スポットが回転するという視覚的印象を提供する。スポット若しくは彗星状又は他の形状の図形(I)、(II)、(III)、(IV)(彗星状スポット)が、照射方向に応じて原点(111)の周りを見掛け上回転している。
図1Bは、
図1Aの照射及び観察状態を示す。OELは、一度に単一の光源によって照射され、その形状の図形が、N方向から照射されると位置(I)に、W方向から照射されると位置(II)に、S方向から照射されると位置(III)に、E方向から照射されると位置(IV)に見える。
【0040】
[039]本説明全体にわたって、「配向パターン」という用語は、被覆層(x10)内に複製可能に作製することができる1組の2次元の局所的な顔料粒子配向を指す。本発明によるOEL内の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向パターンは、OEL(x10)の平面に直交する回転軸線に対して円対称である。前記回転軸線とOEL(x10)との交差点を、OELの原点(x11)と呼ぶ。
図2Aは、前記OELの(x,y)平面内の選択された直径(212)に沿って原点(211)から生じる本発明によるOEL内の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の粒子配向パターンを概略的に示す。OELの平面内の選択された直径(x12、
図2A~
図2Bの212)に沿った非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子表面の変動する横方向傾斜は、本発明のOELの特色となる特徴である。
図2Aに示すように、OEL内の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子配向は、原点(211)の周りの回転対称だけでなく、OELの平面内の選択された直径(212)に沿った顔料粒子の変動する横方向傾斜(すなわち、径方向線の周りの回転)も特徴とする。
【0041】
[040]
図2Bは、基板(220)上のOEL(210)を概略的に示し、前記OELは、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化された被覆組成物を含む。非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、配向パターンに応じて局所的に配向され、OEL内に固定/凍結され、前記顔料粒子の前記配向パターンは、OEL(210)の平面に直交して原点(211)でOEL(210)の平面を交差する回転軸線(213)に対して円対称である。本発明によるOELは、原点(211)の外側にある入射点(X)に直交入射する視準光ビーム(295)が、複数の入射点(X)に対して、回転軸線(213)及び前記入射点(X)によって画定される入射平面(214)から実質上外れた方向(296)に反射されることを特徴とする。
【0042】
[041]
図2Cは、本発明のOELに含まれる非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の位置及び配向を記述するために使用される座標系(x,y,z,φ,θ)を概略的に示し、線形の位置座標が(x,y,z)によって与えられ、OELは(x,y)平面内にあり、座標系の原点はOELの原点(211)に一致する。x軸線は、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子配向が測定される選択された直径に一致する。x軸線(212)上の点A及びBは、x軸線の方向を記したOEL上の2点であり、点Aは座標xA<0に位置し、点Bは回転軸線(211)の反対側で位置xB>0に位置する。見やすいように、A及びBは、xA及びxBが回転中心(212)からほぼ等しい距離をあけて位置するように選択した。
図2Cで、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向は、顔料粒子の平面に直交するベクトルの方向(φ,θ)によって画定される(
図2Aに矢印によって示す)。x軸線に沿って任意の位置における非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向は、球座標(φ,θ)に対する数学的慣習に従って記述され、ここでθは、x軸線の方向から測定された軸線zの周りの顔料粒子の方位角であり、φは、顔料表面に直交するベクトルとz軸線との間で測定された顔料粒子の傾斜角である。同等に、この同じ傾斜角φはまた、
図2Dに示すように、顔料表面の平面とOELの平面との間でも測定することができる。これらの定義によれば、φ=0の粒子がOELに平行であり、この粒子に対する方位角θは画定されない。
【0043】
[042]被覆組成物層の屈折率(n)は、見掛け上の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向に影響を与える。本説明全体にわたって、座標(φ,θ)が個々の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向を指すのに対して、座標(φ’,θ)が直交入射下の反射ビームの方向を指すという慣習が適用される。角度θは、これらの条件下で被覆組成物層の屈折率によって影響されないことに留意されたい。
図2Dは、被覆組成物の屈折率nが直交入射で反射ビーム出口角φ’に与える作用を記述し、ここでφは、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の傾斜角である。対応する天頂偏向角φ’は、OELによって反射及び屈折した天頂方向からの直交入射ビームの逸脱を表す。天頂偏向角は、等式φ’=arcsin(n×sin(2φ))によって直交入射で顔料粒子の傾斜角φに関係し、ここでnは被覆組成物の屈折率である。したがって、上式を適用することによって、測定された天頂偏向角φ’を粒子角φまで低減させることができる。ひいては、傾斜角φで位置する粒子はOEL内のその天頂偏向角φ’によって特徴付けることができることが、本明細書によって定義される。角度φのみが屈折及びミラーの作用によって影響され、極座標表現における反射ビームの測定された方位角θは、傾斜した顔料粒子の真方位角である。粒子の天頂偏向角φ’及び粒子の方位角θは、どちらもコノスコープスキャタロメータを使用して明瞭に測定することができるので、OELを特徴付けるために使用される。
【0044】
[043]OELの任意の選択された直径に沿った少なくとも2つ、好ましくは4つの別個の位置x
iにおける本明細書に記載するOELの非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、│φ’sin(θ)│≧10°という条件、好ましくは│φ’sin(θ)│≧15°を満たす位置x
iにおける平均天頂偏向角φ’及び同じ位置x
iにおける選択された直径に対する平均方位角θを有し、したがって点x
iにおける入射光は、前記直径に沿って法線入射平面(x14、
図2Bの214参照)から離れて、それぞれ10°以上、15°以上の角度で反射される。「平均角度」という表現は、位置x
iにおける複数の非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の平均値を指す。「位置x
i」という表現は、直径約1mmの局所的な略円形の区域であると理解されたい。
【0045】
[044]│φ’sin(θ)│≧10°という条件は、
図14Aに陰影区域によって表される入射平面(x14)から離れて法線入射光を10°以上反射するすべての配向を表す。│φ’sin(θ)│≧15°という条件は、
図14Bに陰影区域によって表される入射平面(x14)から離れて法線入射光を15°以上反射するすべての配向を表す。
【0046】
[045]本明細書に開示するOELの配向された顔料粒子の配向パターンを特徴付けるために、コノスコープスキャタロメータ(Eckhartd Optics LLC、5430 Jefferson Ct、White Bear Lake、MN 55110; http://eckop.comから得られる)を使用した。
【0047】
[046]
図4Aは、レンズの後焦点面f’におけるスポット(x
1、x
2、x
3)へのレンズの前焦点面fにおける入射光線方向(χ
1、χ
2、χ
3)をマッピングするレンズ又はレンズ系による焦点面間((470~480)、ここで、(480)は、レンズから距離fをあけて位置するレンズの前焦点面であり、(470)は、レンズから距離f’をあけて位置するレンズの後焦点面である)変換撮像(すなわち、フーリエ変換撮像)に依拠するコノスコープスキャタロメトリの原理を概略的に示す。
図4Bは、前記焦点面間変換撮像を実行する前端光学系(460)と、光源(490)と、光学系を通って直交入射下の平行な光ビーム(481)によって基板(420)上のOEL(410)に小さいスポットを照射する半透明の結合ミラー(491)と、前端光学系の後焦点面(470)におけるスポットパターンの画像を記録するカメラセンサ(493)を備える後端光学系(492)とを具備する完全後方反射コノスコープスキャタロメータ機構を概略的に示す。2つの異なる非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子配向(P1、P2)が示されており、直交入射ビームを2つの異なる光線方向に後方反射し、これらのビームは前端光学系によってその後焦点面(470)で2つの別個のスポットx
1及びx
3に集束される。これらのスポットの画像位置は、後端光学系(492)及びカメラセンサ(493)によって記録される。点x
iに光を向けることによって得られた画像では、角度(φ’,θ)に対応するセンサの画素強度は、OEL上の点x
iにおいて前記角度で配向された非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の数に比例し、画像は、OEL上の位置x
iにおける非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子配向の角分布を表す。
【0048】
[047]その反射特性を測定するために、配向された非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むOELは、直交入射下の直径1mmの平行な光ビーム(LED、520nm)を使用して、その原点0(x11)を通過するOELの選択された直径(x軸線として得た)に沿って、点Aから点Bまで0.5mmごとに評価され、各点で後方反射光の画像が得られた。これらの画像から、コノスコープスキャタロメータの後焦点面で収集された画像データに2次元のガウス分布適合を適用することによって、後方反射光スポットの対応する天頂偏向角及び方位角(φ’,θ)が得られ、(φ’,θ)値はガウス分布の中心に対応した。
【0049】
[048]
図3C、
図3F、
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、及び
図11Dは、本明細書に記載し
図4A~
図4Bに示すコノスコープスキャタロメータによる特徴付け測定の結果を示す。特に、
図3C、
図3F、
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、及び
図11Dは、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子配向に関係する、それぞれの図に示す旋回磁石アセンブリによって得られたOELの原点を通って選択された直径に沿っていくつかの位置x
iで測定された光反射方向を(φ’,θ)グラフに示す。曲線の支点は、円対称OELの原点を通って前記選択された直径に沿ってサンプリングされた位置に対応する。データは、以下でさらに説明するように、コノスコープスキャタロメータ上の直径1mmの520nmのLEDサンプリングビームを使用して、x軸線方向(これらの図の180°~0°の方向に対応する)として得られたOELの原点を通って前記選択された直径に沿って0.5mmごとに点をサンプリングすることによって、垂直入射下で測定された。
図3C、
図3F、
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、
図11D、及び
図15Dの測定結果は、直交入射下で出ていくビームの測定された角度(φ’,θ)の分布の中心である。
【0050】
[049]
図3A及び
図3Dは、従来技術の旋回可能な磁石アセンブリを概略的に示し、
図5A1~
図11A1及び
図12~
図13及び
図15は、本発明による旋回可能な磁石アセンブリを概略的に示す。
図3Aは、ドーム型OEL(
図3B参照)を作製するのに好適な旋回可能な磁石アセンブリ(300A)を概略的に示し、前記旋回可能な磁石(300A)は、基板(320A)の表面に対して実質上直角の旋回軸線(矢印参照)を有し、円板状の双極磁石であり、直径(A1)、厚さ(A2)を有し、その磁軸線は、その直径に対して実質上平行であり且つ基板(320A)の表面に対して実質上平行である。
図3Dは、リング型OEL(
図3E参照)を作製するのに好適な旋回可能な磁石アセンブリ(300D)を概略的に示し、前記旋回可能な磁石アセンブリ(300D)は、基板(320D)の表面に対して実質上直角の旋回軸線(矢印参照)を有し、支持マトリックス(350D)に埋め込まれた3つの同一線上の棒状の双極磁石(331D)の中心に位置合わせされた配置を備え、その南北の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(320D)表面に対して実質上平行であり、磁軸線は同じ方向を指す。従来技術による円対称OELが、
図3A~
図3Fに示されている。
図3Bに示すドーム型OELの原点を通って選択された直径にわたって測定された対応する光反射特性が、
図3Cに示されている。従来技術によるドーム型OELの場合、直交入射下の反射ビーム方向は、OELの回転軸線及び直交サンプリングビームの入射点によって画定される平面内に実質上制限され、
図3Cには、実質的な横方向の偏向は存在しない。
図3Eに示すリング型OELの原点を通って選択された直径にわたって測定された対応する光反射特性が
図3Fに示されており、直交入射下の反射ビーム方向は、OELの回転軸線及び直交サンプリングビームの入射点によって画定される平面内に実質上制限される。反射は前記平面内で前後に小刻みに動いているが、実質的な横方向の偏向はない。
【0051】
[050]本発明は、本明細書に記載する光学効果層(OEL)を基板上に作製する方法、及びその方法によって得られた光学効果層(OEL)も同様に提供する。前記方法は、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物を基板表面に塗布するステップi)を含み、前記放射線硬化性の被覆組成物は、放射線硬化性の被覆組成物内に分散させた非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子が磁場に露出されると自由に可動、回転可能、及び/又は配向可能になるように、放射線硬化性の被覆組成物が濡れている又は十分に柔らかい、第1の状態、すなわち液体又はペースト状の状態である。
【0052】
[051]本明細書に記載するステップi)は、たとえばローラ及び噴霧被覆プロセスなどの被覆プロセス、又は印刷プロセスによって実施することができる。本明細書に記載するステップi)は、好ましくはスクリーン印刷、輪転式グラビア印刷、フレキソグラフ印刷、インクジェット印刷、及び凹版印刷(当技術分野で、銅板刷印刷及び凹刻印刷とも呼ばれる)からなる群から選択され、より好ましくはスクリーン印刷、輪転式グラビア印刷、及びフレキソグラフ印刷からなる群から選択される印刷プロセスによって実施されることが好ましい。
【0053】
[052]本明細書に記載する基板表面への本明細書に記載する放射線硬化性の被覆組成物の塗布(ステップi))の後、部分的に同時、又は同時に、放射線硬化性の被覆組成物を本明細書に記載する旋回磁性アセンブリ(x00)の磁場に露出させることによって、旋回アセンブリによって生成される磁力線に沿って非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を位置合わせするように、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部が配向される(ステップii))。
【0054】
[053]本明細書に記載する磁場を印加することによって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向/位置合わせするステップの後、又は部分的に同時に、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向が固定又は凍結される。したがって、放射線硬化性の被覆組成物は、放射線硬化性の被覆組成物内に分散させた非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子が磁場に露出されると自由に可動、回転可能、及び/又は配向可能になるように、放射線硬化性の被覆組成物が濡れている又は十分に柔らかい、第1の状態、すなわち液体又はペースト状の状態と、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子がそれぞれの位置及び配向で固定又は凍結される第2の硬化(たとえば固体)状態とを有するはずであることに注目すべきである。
【0055】
[054]したがって、光学効果層(OEL)を本明細書に記載する基板上に作製する方法は、ステップii)の放射線硬化性の被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させる第2の状態にし、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を採用された位置及び配向で固定するステップiii)を含む。放射線硬化性の被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)は、本明細書に記載する磁場を印加することによって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向/位置合わせするステップ(ステップii))の後又は部分的に同時に実施することができる。放射線硬化性の被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させるステップiii)は、本明細書に記載する磁場を印加することによって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部を配向/位置合わせするステップ(ステップii))と部分的に同時に実施されることが好ましい。「部分的に同時」とは、両方のステップが部分的に同時に実行されること、すなわちステップのそれぞれを実行する時間が部分的に重複することを意味する。本明細書に記載する文脈で、配向ステップii)と部分的に同時に硬化が実行されるとき、OELの完全又は部分的な硬化又は固化前に顔料粒子が配向されるように、硬化は配向後に有効になることを理解されたい。
【0056】
[055]そのように得られた光学効果層(OEL)は、光学効果層を備える基板の周りで傾斜したとき、少なくとも1つの円形に動くスポット又は少なくとも1つの動く彗星状スポットが前記OELの原点の周りを回転するという印象を観察者に提供する。
【0057】
[056]放射線硬化性の被覆組成物の第1及び第2の状態は、特定のタイプの放射線硬化性の被覆組成物を使用することによって提供される。たとえば、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子以外の放射線硬化性の被覆組成物の成分は、セキュリティの応用例で、たとえば銀行券の印刷に使用されるものなどのインク又は放射線硬化性の被覆組成物の形をとることができる。上述した第1及び第2の状態は、電磁放射への露出に反応して粘性の増大を示す材料を使用することによって提供される。すなわち、流体接着材料が硬化又は凝固されるとき、前記接着材料は第2の状態に変換され、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は現在の位置及び配向で固定され、接着材料内で移動又は回転することができなくなる。
【0058】
[057]当業者には知られているように、基板などの表面へ塗布される放射線硬化性の被覆組成物に含まれる成分、及び前記放射線硬化性の被覆組成物の物性は、放射線硬化性の被覆組成物を基板表面へ伝達するために使用されるプロセスの要件を満たさなければならない。したがって、本明細書に記載する放射線硬化性の被覆組成物に含まれる接着材料は、典型的には、当技術分野では知られているものの中から選択され、放射線硬化性の被覆組成物を塗布するために使用される被覆又は印刷プロセス及び選択された放射線硬化プロセスに依存する。
【0059】
[058]本明細書に記載する光学効果層(OEL)では、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、磁性又は磁化可能顔料粒子の配向を固定/凍結する硬化接着材料を含む固化された放射線硬化性の被覆組成物内で分散させられる。硬化接着材料は、200nm~2500nmに含まれる波長範囲の電磁放射に対して少なくとも部分的に透明である。したがって、接着材料は、少なくとも硬化又は固体状態(本明細書では第2の状態とも呼ぶ)にあり、200nm~2500nmに含まれる波長範囲、すなわち典型的に「光スペクトル」と呼ばれる電磁スペクトルの赤外、可視、及び紫外部分を含む波長範囲内の電磁放射に対して少なくとも部分的に透明であり、したがってその硬化又は固体状態及び配向依存反射性で接着材料内に含有される粒子は、接着材料を通して知覚することができる。硬化接着材料は、好ましくは200nm~800nmに含まれる、より好ましくは400nm~700nmに含まれる波長範囲の電磁放射に対して少なくとも部分的に透明である。本明細書では、「透明」という用語は、OELに存在する硬化接着材料(そのような成分が存在する場合、小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子を含まないが、OELの他のすべての任意選択的な成分を含む)の20μmの層を通した電磁放射の透過が、関連する波長(複数可)で、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、さらにより好ましくは少なくとも70%であることを示す。これはたとえば、十分に確立された試験方法、たとえばDIN5036-3(1979-11)に従って、硬化接着材料(非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含まない)の試験片の透過率を測定することによって判定することができる。OELが機密セキュリティ特徴として働く場合、典型的に、選択された非可視波長を含むそれぞれの照射条件下でOELによって生成される(完全)光学効果を検出するために、技術的手段が必要であり、前記検出は、入射放射の波長が可視範囲外、たとえば近紫外範囲内から選択されることを必要とする。電磁スペクトルの赤外、可視、及び紫外部分は、それぞれ700~2500nm、400~700nm、及び200~400nmの波長範囲にほぼ対応する。
【0060】
[059]上述したように、本明細書に記載する放射線硬化性の被覆組成物は、前記放射線硬化性の被覆組成物を塗布するために使用される被覆又は印刷プロセス及び選択された硬化プロセスに依存する。放射線硬化性の被覆組成物の硬化は、本明細書に記載するOELを備える物品の典型的な使用中に生じうる簡単な温度上昇(たとえば、最高80℃)によって逆にされることのない化学反応を伴うことが好ましい。「硬化」又は「硬化性」という用語は、出発物質より大きい分子量を有する高分子材料にするような、塗布される放射線硬化性の被覆組成物内の少なくとも1つの成分の化学反応、架橋、又は重合を含むプロセスを指す。放射線硬化は、硬化照射への露出後に放射線硬化性の被覆組成物の粘性の瞬時増大をもたらし、したがって顔料粒子のさらなる動きを防止し、その結果、磁性配向ステップ後の情報の損失を防止することが有利である。硬化ステップ(ステップiii))は、好ましくは紫外-可視光の放射線硬化を含む放射線硬化又は電子ビーム放射線硬化によって、より好ましくはUV-Vis光の放射線硬化によって実施される。
【0061】
[060]したがって、本発明にとって好適な放射線硬化性の被覆組成物は、紫外-可視光放射(以下、UV-Vis光放射と呼ぶ)又は電子ビーム放射(以下、EB放射と呼ぶ)によって硬化させることができる放射線硬化性組成物を含む。放射線硬化性組成物は、当技術分野で知られており、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks & Paints」シリーズ、Volume IV、 Formulation、C.Lowe、G.Webster、S.Kessel、及びI.McDonald著、1996年、John Wiley & Sons出版、SITA Technology Limited共同などの標準的な教科書に見ることができる。本発明の1つの特に好ましい実施形態によれば、本明細書に記載する放射線硬化性の被覆組成物は、UV-Vis放射線硬化性の被覆組成物である。したがって、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物は、紫外-可視光放射によって、好ましくはUV-A(315~400nm)又は青色(400~500nm)スペクトル領域内の狭帯域LED光によって、最も好ましくは350nm~450nmのスペクトル領域内で放出し、20nm~50nm範囲の典型的な放出帯域幅を有する高出力LED源によって、好ましくは少なくとも部分的に硬化される。放射線硬化性の被覆組成物の硬化率を増大させるために、水銀蒸気ランプ又はドープ水銀ランプからの紫外放射を使用することもできる。
【0062】
[061]UV-Vis放射線硬化性の被覆組成物は、ラジカル硬化性化合物及びカチオン硬化性化合物からなる群から選択される1つ又は複数の化合物を含むことが好ましい。本明細書に記載するUV-Vis放射線硬化性の被覆組成物は、複合システムとすることができ、1つ又は複数のカチオン硬化性化合物及び1つ又は複数のラジカル硬化性化合物の混合物を含むことができる。カチオン硬化性化合物は、典型的には酸などのカチオン種を遊離させる1つ又は複数の光開始剤の放射による活性化を含むカチオン機構によって硬化され、カチオン種は、硬化を開始してモノマー及び/又はオリゴマーを反応及び/又は架橋させ、以て放射線硬化性の被覆組成物を硬化させる。ラジカル硬化性化合物は、典型的には1つ又は複数の光開始剤の放射による活性化を含むフリーラジカル機構によって硬化され、以てラジカルを生成し、ラジカルは、重合を開始して放射線硬化性の被覆組成物を硬化させる。本明細書に記載するUV-Vis放射線硬化性の被覆組成物に含まれる接着剤を準備するために使用されるモノマー、オリゴマー、又はプレポリマーに応じて、異なる光開始剤を使用することができる。フリーラジカル光開始剤の好適な例は、当業者には知られており、非限定的に、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、α-アミノケトン、α-ヒドロキシケトン、酸化ホスフィン及び酸化ホスフィン誘導体、並びにこれら2つ以上の混合物が含まれる。カチオン光開始剤の好適な例は、当業者には知られており、非限定的に、有機ヨードニウム塩(たとえば、ジアリールヨードニウム塩)、オキソニウム(たとえば、トリアリールオニウム塩)、及びスルホニウム塩(たとえば、トリアリールスルホニウム塩)、並びにこれら2つ以上の混合物などのオニウム塩が含まれる。有用な光開始剤の他の例は、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings, Inks & Paints」、Volume III、「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Polymerization」、第2版、J.V.Crivello及びK.Dietliker著、G.Bradley編、1998年、John Wiley & Sons出版、SITA Technology Limited共同などの標準的な教科書に見ることができる。また、効率的な硬化を実現するために、1つ又は複数の光開始剤とともに増感剤を含むことが有利になりうる。好適な光増感剤の典型的な例には、非限定的に、イソプロピル-チオキサントン(ITX)、1-クロロ-2-プロポキシ-チオキサントン(CPTX)、2-クロロ-チオキサントン(CTX)、及び2,4-ジエチル-チオキサントン(DETX)、並びにこれら2つ以上の混合物が含まれる。UV-Vis放射線硬化性の被覆組成物に含まれる1つ又は複数の光開始剤は、好ましくは約0.1重量%~約20重量%、より好ましくは約1重量%~約15重量%の総量で存在し、重量パーセントは、UV-Vis放射線硬化性の被覆組成物の総重量に基づく。
【0063】
[062]本明細書に記載する放射線硬化性の被覆組成物は、1つ若しくは複数のマーカ物質若しくはタガント、並びに/又は磁性材料(本明細書に記載する小板状の磁性若しくは磁化可能顔料粒子とは異なる)、発光性材料、導電性材料、及び赤外線吸収性材料からなる群から選択される1つ若しくは複数の機械可読材料をさらに含むことができる。本明細書では、「機械可読材料」という用語は、肉眼では知覚することができない少なくとも1つの独特な特性を呈し、その認証のための特定の機器の使用によって層又は層を備える物品を認証する方法を示すように層に含むことができる材料を指す。
【0064】
[063]本明細書に記載する放射線硬化性の被覆組成物は、有機顔料粒子、無機顔料粒子、及び有機染料からなる群から選択される1つ若しくは複数の着色成分、並びに/又は1つ若しくは複数の添加物をさらに含むことができる。添加物には、非限定的に、粘性(たとえば、溶剤、増粘剤、及び界面活性剤)、粘稠性(たとえば、沈降防止剤、充填剤、及び可塑剤)、発泡特性(たとえば、消泡剤)、潤滑特性(ワックス、油)、紫外線安定性(光安定剤)、接着特性、帯電防止特性、貯蔵寿命(重合抑制剤)、グロスなどの放射線硬化性の被覆組成物の物理的、流動学的、及び化学的なパラメータを調整するために使用される化合物及び材料が含まれる。本明細書に記載する添加物は、添加物の寸法のうちの少なくとも1つが1~1000nmの範囲内であるいわゆるナノ材料を含む、当技術分野では知られている量及び形で放射線硬化性の被覆組成物内に存在することができる。
【0065】
[064]本明細書に記載する放射線硬化性の被覆組成物は、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む。非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、好ましくは約2重量%~約40重量%、より好ましくは約4重量%~約30重量%の量で存在し、重量パーセントは、接着材料、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子、及び放射線硬化性の被覆組成物の他の任意選択的な成分を含む放射線硬化性の被覆組成物の総重量に基づく。
【0066】
[065]本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、非球形で扁円の形状のため、硬化又は固化接着材料が少なくとも部分的に透明である入射電磁放射に対して非等方性反射を有すると定義される。本明細書では、「非等方性反射」という用語は、粒子によって反射される第1の角度から特定の(視野)方向(第2の角度)への入射放射の割合が、粒子の配向に応じること、すなわち第1の角度に対する粒子の配向の変化が、視野方向に対して異なる大きさの反射をもたらす可能性があることを示す。本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、好ましくは約200~約2500nm、より好ましくは約400~約700nmのいくつかの部分又は完全な波長範囲内の入射電磁放射に対して非等方性反射を有し、したがって粒子の配向が変化する結果、その粒子による特定の方向への反射も変化する。当業者には知られているように、本明細書に記載する磁性又は磁化可能顔料粒子は、従来の顔料とは異なり、前記従来の顔料粒子は、すべての視野角に対して同じ色を表示し、本明細書に記載する磁性又は磁化可能顔料粒子は、上述した非等方性反射を呈する。
【0067】
[066]本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、好ましくは小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子である。
【0068】
[067]本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の好適な例には、非限定的に、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ガドリニウム(Gd)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択される磁性金属、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、及びこれら2つ以上の混合物の磁性合金、クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、及びこれら2つ以上の混合物の磁性酸化物、並びにこれら2つ以上の混合物を含む顔料粒子が含まれる。金属、合金、及び酸化物を参照する「磁性」という用語は、強磁性又はフェリ磁性金属、合金、及び酸化物を対象とする。クロム、マンガン、コバルト、鉄、ニッケル、又はこれら2つ以上の混合物の磁性酸化物は、純粋又は混合酸化物とすることができる。磁性酸化物の例には、非限定的に、赤鉄鉱(Fe2O3)、磁鉄鉱(Fe3O4)、二酸化クロム(CrO2)、磁性フェライト(MFe2O4)、磁性スピネル(MR2O4)、磁性ヘキサフェライト(MFe12O19)、磁性オルトフェライト(RFeO3)、磁性ガーネットM3R2(AO4)3などの酸化鉄が含まれ、ここでMは2価金属を表し、Rは3価金属を表し、Aは4価金属を表す。
【0069】
[068]本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の例には、非限定的に、コバルト(Co)、鉄(Fe)、ガドリニウム(Gd)、又はニッケル(Ni)などの磁性金属、及び鉄、コバルト、又はニッケルの磁性合金のうちの1つ又は複数から作られた磁性体層Mを含む顔料粒子が含まれ、前記小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子は、1つ又は複数の追加の層を含む多層構造とすることができる。1つ又は複数の追加の層は、好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)などの金属フッ化物、酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、硫化亜鉛(ZnS)、及び酸化アルミニウム(Al2O3)からなる群から選択され、より好ましくは二酸化ケイ素(SiO2)である1つ若しくは複数の材料から独立して作られた層A、又は金属及び金属合金からなる群から選択され、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金からなる群から選択され、より好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、及びニッケル(Ni)からなる群から選択され、さらにより好ましくはアルミニウム(Al)である1つ若しくは複数の材料から独立して作られた層B、又は上述したものなどの1つ若しくは複数の層A及び上述したものなどの1つ若しくは複数の層Bの組合せである。上述した多層構造である小板状の磁性又は磁化可能顔料粒子の典型的な例には、非限定的に、A/M多層構造、A/M/A多層構造、A/M/B多層構造、A/B/M/A多層構造、A/B/M/B多層構造、A/B/M/B/A多層構造、B/M多層構造、B/M/B多層構造、B/A/M/A多層構造、B/A/M/B多層構造、B/A/M/B/A多層構造が含まれ、層A、磁性体層M、及び層Bは、上述したものから選択される。
【0070】
[069]本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子及び/又は光学的に可変でない特性を有する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成することができる。本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成されることが好ましい。支援なしの人間の感覚を使用して、本明細書に記載する非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子を含むインク、放射線硬化性の被覆組成物、被覆、又は層を保持する物品又はセキュリティ文書を、起こりうる偽造から容易に検出、認識、及び/又は区別することを可能にする、非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子の変色特性によって提供される公開セキュリティに加えて、小板状の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子の光学特性は、OELの認識のために機械可読ツールとして使用することもできる。したがって、非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子の光学特性は、顔料粒子の光学(たとえばスペクトル)特性が分析される認証プロセスにおいて、機密又は半機密セキュリティ特徴として同時に使用することができる。放射線硬化性の被覆組成物において非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子を使用してOELを作製すると、そのような材料(すなわち、非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子)は、一般に市販されるのではなく、セキュリティ文書印刷業界のために保留されるため、セキュリティ文書の応用例におけるセキュリティ特徴としてのOELの重大性が高まる。
【0071】
[070]さらに、その磁気特性のため、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は機械可読であり、したがってたとえば特有の磁気検出器によって、それらの顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物を検出することができる。したがって、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物は、セキュリティ文書に対する機密又は半機密セキュリティ要素(認証ツール)として使用することができる。
【0072】
[071]上述したように、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の少なくとも一部は、非球形で扁円の光学的に可変の磁性又は磁化可能顔料粒子によって構成されることが好ましい。これらは、非球形で扁円の磁性薄膜干渉顔料粒子、非球形で扁円の磁性コレステリック液晶顔料粒子、磁性材料を含む非球形で扁円の干渉被覆顔料粒子、及びこれら2つ以上の混合物からなる群から選択することができることがより好ましい。
【0073】
[072]磁性薄膜干渉顔料粒子は、当業者には知られており、たとえば米国特許第4,838,648号、国際公開第2002/073250号、欧州特許第0686675号、国際公開第2003/000801号、米国特許第6,838,166号、国際公開第2007/131833号、欧州特許出願公開第2402401号、及び本明細書に引用した文献に開示されている。磁性薄膜干渉顔料粒子は、5層のファブリ-ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は6層のファブリ-ペロー多層構造を有する顔料粒子、及び/又は7層のファブリ-ペロー多層構造を有する顔料粒子を含むことが好ましい。
【0074】
[073]5層のファブリ-ペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造からなることが好ましく、反射体及び/又は吸収体は磁性体層でもあり、反射体及び/又は吸収体は、ニッケル、鉄、及び/若しくはコバルトを含む磁性体層、並びに/又はニッケル、鉄、及び/若しくはコバルトを含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性酸化物であることが好ましい。
【0075】
[074]6層のファブリ-ペロー多層構造は、吸収体/誘電体/反射体/磁性体/誘電体/吸収体の多層構造からなることが好ましい。
【0076】
[075]7層のファブリ-ペロー多層構造は、米国特許第4,838,648号に開示されているものなど、吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造からなることが好ましい。
【0077】
[076]本明細書に記載する反射体層は、金属及び金属合金からなる群から選択され、好ましくは反射性金属及び反射性金属合金からなる群から選択され、より好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)、スズ(Sn)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択され、さらにより好ましくはアルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの合金からなる群から選択され、さらにより好ましくはアルミニウム(Al)である1つ又は複数の材料から独立して作られることが好ましい。誘電体層は、好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化アルミニウムナトリウム(たとえば、Na3AlF6)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)などの金属フッ化物、及び酸化ケイ素(SiO)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)などの金属酸化物からなる群から選択され、より好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)及び二酸化ケイ素(SiO2)からなる群から選択され、さらにより好ましくはフッ化マグネシウム(MgF2)である1つ又は複数の材料から独立して作られる。吸収体層は、好ましくはアルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ニオブ(Nb)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、これらの金属酸化物、これらの金属硫化物、これらの金属炭化物、及びこれらの金属合金からなる群から選択され、より好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、これらの金属酸化物、及びこれらの金属合金からなる群から選択され、さらにより好ましくはクロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及びこれらの金属合金からなる群から選択される1つ又は複数の材料から独立して作られる。磁性体層は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/又はコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含むことが好ましい。7層のファブリ-ペロー構造を含む磁性薄膜干渉顔料粒子が好ましいとき、磁性薄膜干渉顔料粒子は、Cr/MgF2/Al/M/Al/MgF2/Crの多層構造からなる7層のファブリ-ペローの吸収体/誘電体/反射体/磁性体/反射体/誘電体/吸収体の多層構造を含むことが特に好ましく、Mはニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性合金、並びに/又はニッケル(Ni)、鉄(Fe)、及び/若しくはコバルト(Co)を含む磁性酸化物を含む磁性体層である。
【0078】
[077]本明細書に記載する磁性薄膜干渉顔料粒子は、人間の健康及び環境にとって安全であると考えられ、たとえば5層のファブリ-ペロー多層構造、6層のファブリ-ペロー多層構造、及び7層のファブリ-ペロー多層構造に基づく多層顔料粒子とすることができ、前記顔料粒子は、約40重量%~約90重量%の鉄、約10重量%~約50重量%のクロム、及び約0重量%~約30重量%のアルミニウムを含む実質上ニッケルのない組成物を有する磁性合金を含む1つ又は複数の磁性体層を含む。人間の健康及び環境にとって安全であると考えられる多層顔料粒子の典型的な例は、全体として参照により本明細書に組み込まれている欧州特許出願公開第2402401号に見ることができる。
【0079】
[078]本明細書に記載する磁性薄膜干渉顔料粒子は、典型的に、必要とされる異なる層をウェブへ堆積する確立された技法によって製造される。たとえば物理気相成長(PVD)、化学気相成長(CVD)、又は電解堆積による所望の数の層の堆積後、好適な溶剤内の解放層を溶解することによって、又はウェブから材料をはがすことによって、これらの層のスタックはウェブから除去される。そのように得られた材料は次いで、小板状の顔料粒子に分解され、これらの小板状の顔料粒子は、必要とされるサイズの顔料粒子を得るために、切削、ミリング(たとえば、ジェットミリングプロセスなど)、又は任意の好適な方法によってさらに処理しなければならない。その結果得られる生成物は、壊れた縁部、不規則な形状、及び異なる縦横比を有する平坦な小板状の顔料粒子からなる。好適な小板状の磁性薄膜干渉顔料粒子の準備に関するさらなる情報は、たとえば、参照により本明細書に組み込まれている欧州特許出願公開第1710756号及び欧州特許出願公開第1666546号に見ることができる。
【0080】
[079]光学的に可変の特徴を呈する好適な磁性コレステリック液晶顔料粒子には、非限定的に、磁性単層コレステリック液晶顔料粒子及び磁性多層コレステリック液晶顔料粒子が含まれる。そのような顔料粒子は、たとえば国際公開第2006/063926号、米国特許第6,582,781号、及び米国特許第6,531,221号に開示されている。国際公開第2006/063926号は、高い輝度及び変色特性を有し、磁化性などの追加の特定の特性を有する単層、並びにそこから得られる顔料粒子を開示している。開示されている単層、及び前記単層を砕くことによってそこから得られる顔料粒子は、3次元で架橋されたコレステリック液晶混合物及び磁性ナノ粒子を含む。米国特許第6,582,781号及び米国特許第6,410,130号は、A1/B/A2のシーケンスを含むコレステリック多層顔料粒子を開示しており、A1及びA2は、同一又は異なるものとすることができ、それぞれ少なくとも1つのコレステリック層を含み、Bは、層A1及びA2によって透過される光のすべて又は一部を吸収する中間層であり、この光は前記中間層に磁気特性を与える。米国特許第6,531,221号は、A/B及び任意選択でCのシーケンスを含む小板状のコレステリック多層顔料粒子を開示しており、A及びCは、磁気特性を与える顔料粒子を含む吸収層であり、Bはコレステリック層である。
【0081】
[080]1つ又は複数の磁性材料を含む好適な干渉被覆顔料には、非限定的に、1つ又は複数の層で被覆されたコアからなる群から選択される基板からなる構造が含まれ、コア又は1つ若しくは複数の層のうちの少なくとも1つは、磁気特性を有する。たとえば、好適な干渉被覆顔料は、上述したものなどの磁性材料から作られたコアを含み、前記コアは、1つ若しくは複数の金属酸化物から作られた1つ若しくは複数の層で被覆され、又は好適な干渉被覆顔料は、合成若しくは天然雲母、積層ケイ酸塩(たとえば、タルク、カオリン、及びセリサイト)、ガラス(たとえば、ホウケイ酸塩)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化チタン(TiO2)、グラファイト、並びにこれら2つ以上の混合物から作られたコアからなる構造を有する。さらに、着色層などの1つ又は複数の追加の層が存在することができる。
【0082】
[081]本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子は、放射線硬化性の被覆組成物内で生じうるあらゆる劣化からの保護及び/又は放射線硬化性の被覆組成物内の組込みの促進のために表面処理することができ、典型的には腐食抑制材料及び/又は湿潤剤を使用することができる。
【0083】
[082]本明細書に記載する基板は、好ましくは、紙、又はセルロース、紙含有材料、ガラス、金属、セラミック、プラスチック、及びポリマー、金属化プラスチック若しくはポリマー、複合材料、並びにこれらの混合物若しくは組合せなどの他の繊維性材料からなる群から選択される。典型的な紙、紙状、又は他の繊維性材料は、非限定的にマニア麻、綿、リネン、木材パルプ、及びこれらの混紡物を含む様々な繊維から作られる。当業者にはよく知られているように、綿及び綿/リネンの混紡物は銀行券に好ましく、木材パルプは銀行券以外のセキュリティ文書で一般に使用される。プラスチック及びポリマーの典型的な例には、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリアミド、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(1,4-ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレン2,6-ナフトエート)(PEN)などのポリエステル、並びにポリビニル塩化物(PVC)が含まれる。また、タイベック(Tyvek)(登録商標)の商標で販売されているものなどのスパンボンドオレフィン繊維を基板として使用することもできる。金属化プラスチック又はポリマーの典型的な例には、表面に金属が連続的又は断続的に配置された上述したプラスチック又はポリマー材料が含まれる。金属の典型的な例には、非限定的に、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、金(Au)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、これらの組合せ、又は上述した金属のうちの2つ以上の合金が含まれる。上述したプラスチック又はポリマー材料の金属化は、電着プロセス、高真空被覆プロセス、又はスパッタリングプロセスによって行うことができる。複合材料の典型的な例には、非限定的に、上述したものなどの紙及び少なくとも1つのプラスチック又はポリマー材料、並びに上述したものなどの紙状又は繊維性材料に組み込まれたプラスチック及び/又はポリマー繊維の多層構造又は積層体が含まれる。当然ながら、基板は、のり剤、漂白剤、加工助剤、補強又は湿潤増強剤などの当業者には知られているさらなる添加物を含むことができる。本明細書に記載する基板は、ウェブ(たとえば、上述した材料の連続シート)又はシートの形で提供することができる。本発明によって作製されるOELがセキュリティ文書である場合、セキュリティレベル並びに前記セキュリティ文書の偽造及び違法複製に対する抵抗をさらに増大させる目的で、基板は、印刷、被覆、又はレーザマーク若しくはレーザ穿孔された印、透かし、セキュリティスレッド、繊維、プランセット、発光性化合物、窓、箔、図案、及びこれら2つ以上の組合せを含むことができる。セキュリティレベル並びにセキュリティ文書の偽造及び違法複製に対する抵抗をさらに増大させるという同じ目的で、基板は、1つ又は複数のマーカ物質若しくはタガント及び/又は機械可読物質(たとえば、発光性物質、紫外/可視/赤外吸収物質、磁性物質、及びこれらの組合せ)を含むことができる。
【0084】
[083]旋回可能な磁性アセンブリ(x00)、及び本明細書に記載する旋回磁性アセンブリ(x00)を使用して本明細書に記載するものなどのOEL(x10)を本明細書に記載する基板(x20)に作製する処理もまた、本明細書に記載され、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む前記OELは、本明細書に記載するものなどの硬化された放射線硬化性の被覆組成物内に配向される。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、OEL(x10)の作製により、前記OELを傾斜させたときに少なくとも1つの円形に動くスポット又は少なくとも1つの円形に動く彗星状スポットが回転するという光学的印象を提供することを可能にし、前記旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を配向して本明細書に記載するOELを作製するように旋回する。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、少なくとも、相互に斜めの磁軸線を有するa)第1の磁場生成デバイス(x30)及びb)第2の磁場生成デバイス(x40)の相互作用に基づく。典型的には、本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、アセンブリ(x00)を旋回させるときにOELの平面に実質上直交するように配向された旋回軸線を有する支持体に固定され、前記第1の磁石の磁軸線及び前記第2の磁石の磁軸線は、互いに対して斜めである。
【0085】
[084]旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)及び本明細書に記載する第2の磁場生成デバイス(x40)を備え、本明細書に記載する前記第1及び第2の磁場生成デバイスは、ともに随伴して旋回することが可能である。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)の旋回軸線は、OEL及び基板(x20)の表面に対して実質上直角である。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)の旋回軸線は、本明細書に記載するOELの円対称配向パターンの中心に対応する。動作中、磁性アセンブリ(x00)は、必要とされる周波数で旋回している。本明細書に記載する磁性アセンブリ(x00)及び方法の一実施形態では、磁性アセンブリ(x00)の中心旋回軸線は、露出中に基板の一部分を直交して通過する。
【0086】
[085]本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)及び本明細書に記載する第2の磁場生成デバイス(x40)を随伴して旋回させる電気モータを備えることが好ましい。好ましい電気モータは、国際公開第2016/026896号に開示されている。
【0087】
[086]第1の磁場生成デバイス(x30)及び第2の磁場生成デバイス(x40)の磁軸線はどちらも、旋回軸線に対して実質上直角であり、すなわちOELの平面に対して実質上平行(基板(x20)の表面に対して実質上平行)である。本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)及び第2の磁場生成デバイス(x40)は積層され、前記第1のデバイスの磁軸線及び前記第2のデバイスの磁軸線は、旋回軸線に対して直角、すなわちOEL/基板(x20)の表面の平面に対して実質上平行の平面に、旋回軸線に沿って射影されるとき、これらの射影が、約15°~約175°又は約-15°~約-175°、好ましくは約15°~約165°又は約-15°~約-165°の角度(Ω)にまで及ぶように配置される。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)の第1の磁場生成デバイス(x30)は、旋回軸線上にその質量中心を有し、第2の磁場生成デバイス(x40)は、旋回軸線上にその質量中心を有することが好ましい。
【0088】
[087]上述した旋回可能な磁性アセンブリ(x00)の第1の磁場生成デバイス(x30)及び第2の磁場生成デバイス(x40)は、独立して単一片の磁石又は2つ以上の磁石の組合せ(すなわち、2つ、3つなどの磁石の組合せ)とすることができる。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)の構成要素(複数可)及び/又は第2の磁場生成デバイス(x40)の構成要素(複数可)をともに保持する1つ又は複数の支持マトリックス(x50)をさらに備えることができる。
【0089】
[088]本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)の第1の磁場生成デバイス(x30)及び第2の磁場生成デバイス(x40)は、長方形、円筒形、球形、又は任意の複雑な形状など、任意の幾何学的な形態又は形状を有することができる。本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)の第1の磁場生成デバイス(x30)及び第2の磁場生成デバイス(x40)は、棒磁石(立方体又は直方体)、円板状の磁石(円板又は筒体)、リング状の磁石(リング又は中空筒体)、及びこれらの組合せからなる群から独立して選択されることが好ましい。
【0090】
[089]本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)のさらに2つ以上の棒状の双極磁石のうちの3つ以上、すなわち3つ、4つなどが使用されるとき、前記さらに3つ以上の棒状の双極磁石は、同一線上の配置で配置されることが好ましい。
【0091】
[090]特に好ましいアセンブリは、旋回可能な磁性アセンブリ(x00)であり、旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、
a)第1の磁場生成デバイス(x30)であって、i)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石、ii)2つ以上の棒状の双極磁石であり、前記2つ以上の棒状の双極磁石がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の棒状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有する、2つ以上の棒状の双極磁石、iii)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有するループ状、好ましくはリング状の双極磁石、iv)ループ状、好ましくはリング状の双極磁石内に入れ子にされた円板状の双極磁石であり、円板状の双極磁石及びループ状、好ましくはリング状の双極磁石がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有し、円板状の双極磁石及びループ状、好ましくはリング状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有する、円板状の双極磁石、又はv)2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石であり、前記2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石がそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石がすべて、同じ磁場方向を有する、2つ以上の入れ子にされたループ状、好ましくは2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石を備える、第1の磁場生成デバイス(x30)と、
b)第2の磁場生成デバイス(x40)であって、i)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石、ii)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有するループ状、好ましくはリング状の双極磁石、又はiii)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石である、第2の磁場生成デバイス(x40)とを具備する。
図5A1及び
図6A1に示すように、第1の磁場生成デバイス(x30)を第2の磁場生成デバイス(x40)上に配置することができ(
図5A1参照)、又は別法として、第2の磁場生成デバイス(x40)を第1の磁場生成デバイス(x30)上に配置することができる(
図6A1参照)。
【0092】
[091]
図5A1~
図12A1に示すように、第1の磁場生成デバイス(x30)及び第2の磁場生成デバイス(x40)は、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(x30)の磁軸線の射影が、同じ平面内で旋回軸線に沿った第2の磁場生成デバイス(x30)の磁軸線の射影とともに、約5°~約175°又は約-5°~約-175°、好ましくは約15°~約165°又は約-15°~約-165°の値を有する角度(Ω)を形成するように配置される。
【0093】
[092]本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、第1の磁場生成デバイス(x30)及び第2の磁場生成デバイス(x40)を備え、前記第1の磁場生成デバイス(x30)及び/又は前記第2の磁場生成デバイス(x40)は、本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)の構成要素(複数可)及び/又は第2の磁場生成デバイス(x40)の構成要素(複数可)をともに保持する1つ又は複数の支持マトリックス(x50)をさらに備えることができる。
【0094】
[093]本明細書に記載する1つ又は複数の支持マトリックス(x50)は、1つ又は複数の非磁性材料から独立して作られる。非磁性材料は、たとえばエンジニアリングプラスチック及びポリマー、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、及びオーステナイト鋼(すなわち、非磁性鋼)などの低導電性材料、非導電性材料、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。エンジニアリングプラスチック及びポリマーには、非限定的に、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)及びその誘導体、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)、並びにポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、コポリエーテルエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)共重合体、フッ化及びペルフッ化ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、並びに液晶ポリマーが含まれる。好ましい材料としては、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、POM(ポリオキシメチレン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ナイロン(登録商標)(ポリアミド)、及びPPSが挙げられる。
【0095】
[094]本明細書に記載する1つ又は複数の支持マトリックス(x50)は、本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)の構成要素(複数可)及び/又は第2の磁場生成デバイス(x40)の構成要素(複数可)を保持する1つ又は複数の凹部、空隙、くぼみ、及び/又は空間を独立して備える。
【0096】
[095]一実施形態によれば、
図9A1に示すように、第1の磁場生成デバイス(x30)は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石(x31)である。第1の磁場生成デバイス(x30)の棒状の双極磁石は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込まれることが好ましい。
【0097】
[096]別の実施形態によれば、
図10A1及び
図15A1に示すように、第1の磁場生成デバイス(x30)は、2つ以上の棒状の双極磁石からなり、前記2つ以上の棒状の双極磁石はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の棒状の双極磁石はすべて、同じ磁場方向を有する。第1の磁場生成デバイス(x30)の2つ以上の棒状の双極磁石は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込まれることが好ましい。
図10A1に示す一実施形態によれば、第1の磁場生成デバイス(x30)の2つ以上の棒状の双極磁石は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込まれており、同じ方向を指す磁軸線を有する2つ以上の磁石は、支持マトリックス(x50)の対称軸線に対して実質上平行、特に円板状の支持マトリックス(x50)である支持マトリックス(x50)の直径に対して実質上平行の磁軸線を有することができ、又は
図15A1に示すように、同じ方向を指す磁軸線を有する2つ以上の磁石は、支持マトリックス(x50)の対称軸線に対して特有の角度だけ傾斜した、特に支持マトリックス(x50)の直径に対して実質上傾斜した磁軸線を有することができる。
【0098】
[097]別の実施形態によれば、
図5A1~
図8A1に示すように、第1の磁場生成デバイス(x30)は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有するリング状の双極磁石である。第1の磁場生成デバイス(x30)のリング状の双極磁石は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込むことができる。
【0099】
[098]別の実施形態によれば、
図12に示すように、第1の磁場生成デバイス(x30)は、リング状の双極磁石(x10-b)内に入れ子にされた円板状の双極磁石(x31-a)を備え、円板状の双極磁石及びリング状の双極磁石はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線及び同じ磁場方向を有する。第1の磁場生成デバイス(x30)の円板状の双極磁石(x31-a)及びリング状の双極磁石(x31-b)は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込むことができる。
【0100】
[099]別の実施形態によれば、
図13に示すように、第1の磁場生成デバイス(x30)は、2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石(x31-a、x31-b)を備え、前記2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有し、前記2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石(x31-a、x31-b)はすべて、同じ磁場方向を有する。第1の磁場生成デバイス(x30)の2つ以上の入れ子にされたリング状の双極磁石(x31-a、x31-b)は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込むことができる。
【0101】
[0100]本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)に加えて、本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリ(x00)は、本明細書に記載する第2の磁場生成デバイス(x40)を備え、前記第2の磁場生成デバイス(x40)は、
i)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石、ii)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有するループ状、好ましくはリング状の双極磁石、又は
iii)旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石とすることができる。
【0102】
[0101]一実施形態によれば、
図5A1、
図6A1、
図9A1、
図10A1、
図11A1、
図12、
図13、及び
図15に示すように、第2の磁場生成デバイス(x40)は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する円板状の双極磁石である。第2の磁場生成デバイス(x40)の円板状の双極磁石は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込むことができる。
【0103】
[0102]別の実施形態によれば、
図7A1及び
図8A1に示すように、第2の磁場生成デバイス(x40)は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有するリング状の双極磁石である。第2の磁場生成デバイス(x40)のリング状の双極磁石は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込むことができる。
【0104】
[0103]別の実施形態によれば、第2の磁場生成デバイス(x40)は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(x20)の表面に対して実質上平行)の南北の磁軸線を有する棒状の双極磁石である。第2の磁場生成デバイス(x40)の棒状の双極磁石は、本明細書に記載する支持マトリックス(x50)に少なくとも部分的又は完全に埋め込むことができる。
【0105】
[0104]第1の磁場生成デバイス(x30)の棒状の双極磁石(複数可)、第1の磁場生成デバイス(x30)のループ状、好ましくはリング状の双極磁石(複数可)、第2の磁場生成デバイス(x40)の円板状の双極磁石、第2の磁場生成デバイス(x40)のループ状、好ましくはリング状の双極磁石、及び第2の磁場生成デバイス(x40)の棒状の双極磁石は、高保磁力材料(強磁性材料とも呼ぶ)から独立して作られることが好ましい。好適な高保磁力材料は、少なくとも20kJ/m3、好ましくは少なくとも50kJ/m3、より好ましくは少なくとも100kJ/m3、さらにより好ましくは少なくとも200kJ/m3の最大エネルギー積(BH)maxの値を有する材料である。好適な高保磁力材料は、たとえばアルニコ5(R1-1-1)、アルニコ5DG(R1-1-2)、アルニコ5-7(R1-1-3)、アルニコ6(R1-1-4)、アルニコ8(R1-1-5)、アルニコ8HC(R1-1-7)、及びアルニコ9(R1-1-6)などのアルニコからなる群から選択される1つ又は複数の焼結又はポリマー結合磁性材料、式MFe12019のヘキサフェライト(たとえば、ストロンチウムヘキサフェライト(SrO*6Fe203)又はバリウムヘキサフェライト(BaO*6Fe203))、式MFe204の硬質フェライト(たとえば、コバルトフェライト(CoFe204)又は磁鉄鉱(Fe3O4)、Mは2価金属イオンである)、セラミック8(SI-1-5)、RECo5(RE=Sm又はPr)、RE2TM17(RE=Sm、TM=Fe、Cu、Co、Zr、Hf)、RE2TM14B(RE=Nd、Pr、Dy、TM=Fe、Co)を含む群から選択される希土類磁性材料、FeCrCoの異方性合金、PtCo、MnAlC、REコバルト5/16、REコバルト14の群から選択される材料から作られることが好ましい。棒磁石の高保磁力材料は、好ましくは希土類磁性材料からなる群から、より好ましくはNd2Fe14B及びSmCo5からなる群から選択される。プラスチック又はゴム型のマトリックスにストロンチウム-ヘキサフェライト(SrFe12O19)又はネオジム-鉄-ホウ素(Nd2Fe14B)の粉末などの永久磁性充填剤を含む容易に実行可能な永久磁性複合材料が、特に好ましい。
【0106】
[0105]本明細書に記載する本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)と第2の磁場生成デバイス(x40)との間の距離(d)は、好ましくは約0~約10mm、より好ましくは約0mm~約5mm、さらにより好ましくは0である。
【0107】
[0106]本明細書に記載する第1の磁場生成デバイス(x30)又は第2の磁場生成デバイス(x40)の最上面と、第1の磁場生成デバイス(x30)又は第2の磁場生成デバイス(x40)に面している基板(x20)の下面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0108】
[0107]第1の磁場生成デバイス(x30)の棒状の双極磁石(複数可)、第1の磁場生成デバイス(x30)のループ状、好ましくはリング状の双極磁石(複数可)、第2の磁場生成デバイス(x40)の円板状の双極磁石、第2の磁場生成デバイス(x40)のループ状、好ましくはリング状の双極磁石、及び第2の磁場生成デバイス(x40)の棒状の双極磁石の材料、並びに距離(d)、(h)は、旋回磁性アセンブリ(x00)の第1及び第2の磁場生成デバイス(x30及びx40)によってもたらされる磁場の相互作用に起因する磁場が、本明細書に記載する光学効果層を作製するのに好適になるように選択される。旋回磁性アセンブリ(x00)の第1及び第2の磁場生成デバイス(x30及びx40)によってもたらされる磁場は相互作用し、その結果生じる装置の磁場は、装置の磁場内に配置された基板のまだ硬化していない放射線硬化性の被覆組成物内に位置する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を配向させて、前記OELを傾斜させたときに少なくとも1つの円形に動くスポット又は少なくとも1つの円形に動く彗星状スポットが回転中心の周りを回転するという光学的印象をもたらすことが可能である。
【0109】
[0108]
図5A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(510)を基板(520)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(500)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(500)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(530)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(540)とを備える。
【0110】
[0109]第1の磁場生成デバイス(530)のリング状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(520)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。第2の磁場生成デバイス(540)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(520)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0111】
[0110]リング状の双極磁石(530)は、円板状の双極磁石(540)上に配置され、すなわちリング状の双極磁石(530)は、円板状の双極磁石(540)と基板(520)との間に配置される。
【0112】
[0111]
図5A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(530)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(540)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-30°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0113】
[0112]リング状の双極磁石(530)及び円板状の双極磁石(540)を備える旋回可能な磁性アセンブリ(500)は、基板(520)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0114】
[0113]リング状の双極磁石(530)の下面と円板状の双極磁石(540)の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~約10mm、より好ましくは約0~約5mmであり、さらにより好ましくは約0であり、すなわちリング状の双極磁石(530)及び円板状の双極磁石(540)は直接接触している。
【0115】
[0114]
図5Cは、
図5Bに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(520)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。
【0116】
[0115]リング状の双極磁石(530)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(500)に面している基板(520)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0117】
[0116]その結果、
図5A1に示す旋回磁性アセンブリ(500)によって作製されたOELは、基板(520)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図5Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。その結果、
図5A1に示す旋回磁性アセンブリ(500)によって作製されたOELは、距離(d)及び/又は(h)を変動させて、
図16A~
図16Cに示されている。
【0118】
[0117]
図6A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(610)を基板(620)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(600)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(600)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(630)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(640)とを備える。
【0119】
[0118]第1の磁場生成デバイス(630)のリング状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(620)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。第2の磁場生成デバイス(640)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(620)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0120】
[0119]円板状の双極磁石(640)は、リング状の双極磁石(630)上に配置され、すなわち円板状の双極磁石(640)は、基板(620)とリング状の双極磁石(630)との間に配置される。
【0121】
[0120]
図6A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(630)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(640)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約+45°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0122】
[0121]
図6Cは、
図6Bに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(620)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。リング状の双極磁石(630)及び円板状の双極磁石(640)を備える旋回可能な磁性アセンブリ(600)は、基板(620)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0123】
[0122]円板状の双極磁石(640)の下面とリング状の双極磁石(630)の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~約10mm、より好ましくは約0~約5mmであり、さらにより好ましくは約0mmであり、すなわちリング状の双極磁石(630)及び円板状の双極磁石(640)は直接接触している。
【0124】
[0123]円板状の双極磁石(640)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(600)に面している基板(620)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0125】
[0124]その結果、
図6A1に示す旋回磁性アセンブリ(600)によって作製されたOELは、基板(620)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図6Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0126】
[0125]
図7A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(710)を基板(720)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(700)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(700)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(730)と、リング状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(740)とを備える。
【0127】
[0126]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(720)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(720)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0128】
[0127]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石は、第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石上に配置され、すなわち第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石は、基板(720)と第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石との間に配置される。
【0129】
[0128]
図7A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石の磁軸線及び第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石の磁軸線は、約-90°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0130】
[0129]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石及び第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(700)は、基板(720)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0131】
[0130]
図7Cは、
図7Bに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(720)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。
【0132】
[0131]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~約10mmであり、より好ましくは約0mmであり、すなわちリング状の双極磁石(730)及び円板状の双極磁石(740)は直接接触している。
【0133】
[0132]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(700)に面している基板(720)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0134】
[0133]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石及び第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(700)は、基板(720)の表面に対して直角の軸線の周りを旋回することが可能である。
【0135】
[0134]その結果、
図7A1に示す旋回磁性アセンブリ(700)によって作製されたOELは、基板(720)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図7Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0136】
[0135]
図8A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(810)を基板(820)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(800)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(800)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(830)と、リング状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(840)とを備える。
【0137】
[0136]第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(820)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(820)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0138】
[0137]第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石は、第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石上に配置され、すなわち第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石は、基板(820)と第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石との間に配置される。
【0139】
[0138]
図8A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石の磁軸線及び第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石の磁軸線は、約90°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0140】
[0139]第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石及び第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(800)は、基板(820)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0141】
[0140]
図8Cは、
図8Bに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(820)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。
【0142】
[0141]第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~約10mmであり、より好ましくは約0mmであり、すなわちリング状の双極磁石(830)及び円板状の双極磁石(840)は直接接触している。
【0143】
[0142]第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(800)に面している基板(820)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0144】
[0143]その結果、
図8A1に示す旋回磁性アセンブリ(800)によって作製されたOELは、基板(820)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図8Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0145】
[0144]
図9A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(910)を基板(920)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(900)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(900)は、棒状の双極磁石(931)からなる第1の磁場生成デバイス(930)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(940)とを備える。
【0146】
[0145]第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(920)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)は、円板状の支持マトリックス(950)に埋め込まれており、前記円板状の支持マトリックスは、棒状の双極磁石と同じ形状を有する空隙を含む。第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)の頂面及び下面は、支持マトリックス(950)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0147】
[0146]第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(920)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0148】
[0147]第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)を備える支持マトリックス(950)は、第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石上に配置され、すなわち第1の磁場生成デバイス(930)は、基板(920)と第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石との間に配置される。
【0149】
[0148]
図9A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-60°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0150】
[0149]第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)及び第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(900)は、基板(920)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0151】
[0150]
図9Dは、
図9Bに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(920)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。
【0152】
[0151]第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)の下面と第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~5mmであり、より好ましくは約0mmであり、すなわち第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)及び円板状の双極磁石(940)は直接接触している。
【0153】
[0152]第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(900)に面している基板(920)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0154】
[0153]その結果、
図9A1に示す旋回磁性アセンブリ(900)によって作製されたOELは、基板(920)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図9Cに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0155】
[0154]
図10A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(1010)を基板(1020)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(1000)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(1000)は、2つ以上、特に2つの棒状の双極磁石(1031)からなる第1の磁場生成デバイス(1030)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(1040)とを備える。
【0156】
[0155]第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1020)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)は、同じ方向を指す磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)は、円板状の支持マトリックス(1050)に埋め込まれており、前記円板状の支持マトリックスは、棒状の双極磁石と同じ形状を有する2つの空隙を含む。第1の磁場生成デバイス(1030)の棒状の双極磁石(1031)の頂面及び下面は、支持マトリックス(1050)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0157】
[0156]第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1020)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0158】
[0157]第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)を備える支持マトリックス(1050)は、第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石上に配置され、すなわち第1の磁場生成デバイス(1030)は、基板(1020)と第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石との間に配置される。
【0159】
[0158]
図10A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-30°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0160】
[0159]第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)及び第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(1000)は、基板(1020)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0161】
[0160]
図10Dは、
図10Bに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(1020)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。
【0162】
[0161]第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)の下面と第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~約5mmであり、より好ましくは約0mmであり、すなわち第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)及び円板状の双極磁石(1040)は直接接触している。
【0163】
[0162]第1の磁場生成デバイス(1030)2つの棒状の双極磁石(1031)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(1000)に面している基板(1020)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0164】
[0163]その結果、
図10A1に示す旋回磁性アセンブリ(1000)によって作製されたOELは、基板(1020)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図10Cに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0165】
[0164]
図11A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(1110)を基板(1120)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(1100)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(1100)は、2つ以上、特に3つの棒状の双極磁石(1131)からなる第1の磁場生成デバイス(1130)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(1140)とを備える。第1の磁場生成デバイス(1130)は、支持マトリックス(1150)に埋め込まれた3つの同一線上の棒状の双極磁石(1131)の中心に位置合わせされた配置を備える。
【0166】
[0165]第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1120)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)は、同じ方向を指す磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)は、円板状の支持マトリックス(1150)に埋め込まれており、前記円板状の支持マトリックスは、棒状の双極磁石と同じ形状を有する3つの空隙を含む。第1の磁場生成デバイス(1130)の棒状の双極磁石(1131)の頂面及び下面は、支持マトリックス(1150)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0167】
[0166]第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1120)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0168】
[0167]第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)を備える支持マトリックス(1150)は、第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石上に配置され、すなわち第1の磁場生成デバイス(1130)は、基板(1120)と第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石との間に配置される。
【0169】
[0168]
図11A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの同一線上の棒状の双極磁石(1131)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-120°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0170】
[0169]第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)及び第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(1100)は、基板(1120)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0171】
[0170]
図11Dは、
図11Bに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(1120)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。
【0172】
[0171]第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)の下面と第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~約5mmであり、より好ましくは約0mmであり、すなわち第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)及び円板状の双極磁石(1140)は直接接触している。
【0173】
[0172]第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(1100)に面している基板(1120)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0174】
[0173]その結果、
図11A1に示す旋回磁性アセンブリ(1100)によって作製されたOELは、基板(1120)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図11Cに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに2周円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転する光学的印象を提供する。
【0175】
[0174]
図15A1は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(1510)を基板(1520)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(1500)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(1500)は、2つ以上、特に2つの棒状の双極磁石(1531)からなる第1の磁場生成デバイス(1530)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(1540)とを備える。
【0176】
[0175]第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1520)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)は、同じ方向を指す磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)は、2つの棒状の双極磁石(1531)の頂面の中心を交差する支持マトリックス(1550)の直径から特有の角度、特に約30°の角度β(
図15B1に示す)だけ傾斜した磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)は、円板状の支持マトリックス(1550)に埋め込まれており、前記円板状の支持マトリックスは、棒状の双極磁石と同じ形状を有する2つ以上、特に2つの空隙を含む。第1の磁場生成デバイス(1530)の棒状の双極磁石(1531)の頂面及び下面は、支持マトリックス(1550)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0177】
[0176]第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1520)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0178】
[0177]第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)を備える支持マトリックス(1550)は、第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石上に配置され、すなわち第1の磁場生成デバイス(1530)は、基板(1520)と第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石との間に配置される。
【0179】
[0178]
図15A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約150°の値を有する角度(Ω)を形成する。
【0180】
[0179]第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)及び第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(1500)は、基板(1520)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0181】
[0180]
図15Dは、
図15Cに示すOELの直径に沿って法線入射で基板(1520)の表面に当たるコノスコープスキャタロメータの光ビームの球面極座標における偏向角を表す。
【0182】
[0181]第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)の下面と第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、好ましくは約0~約5mmであり、より好ましくは約0mmであり、すなわち第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)及び円板状の双極磁石(1540)は直接接触している。
【0183】
[0182]第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)の上面と旋回可能な磁性アセンブリ(1500)に面している基板(1020)の表面との間の距離(h)は、好ましくは約0.5mm~約10mm、より好ましくは約0.5mm~約7mm、さらにより好ましくは約1mm~7mmである。
【0184】
[0183]その結果、
図15A1に示す旋回磁性アセンブリ(1500)によって作製されたOELは、基板(1520)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図15Cに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0185】
[0184]
図12は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(1210)を基板(1220)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(1200)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(1200)は、リング状の双極磁石(1231-b)内に入れ子にされた円板状の双極磁石(1231-a)からなる第1の磁場生成デバイス(1230)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(1240)とを備える。
【0186】
[0185]第1の磁場生成デバイス(1230)のリング状の双極磁石(1231-b)内に入れ子にされた円板状の双極磁石(1231-a)はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1220)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化され、どちらも同じ方向を指す磁軸線を有する。円板状の双極磁石(1231-a)及びリング状の双極磁石(1231-b)は、中心に位置合わせされる。第1の磁場生成デバイス(1230)のリング状の双極磁石(1231-b)内に入れ子にされた円板状の双極磁石(1231-a)は、円板状の支持マトリックス(1250)に埋め込まれており、前記円板状の支持マトリックスは、円板状の双極磁石(1231-a)及びリング状の双極磁石(1231-b)と同じ外形を有する2つの円形の空隙又はくぼみを含む。
【0187】
[0186]第2の磁場生成デバイス(1240)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1220)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0188】
[0187]第1の磁場生成デバイス(1230)のリング状の双極磁石(1231-b)内に入れ子にされた円板状の双極磁石(1231-a)を備える支持マトリックス(1250)は、第2の磁場生成デバイス(1240)の円板状の双極磁石上に配置され、すなわち第1の磁場生成デバイス(1230)は、基板(1220)と第2の磁場生成デバイス(1240)の円板状の双極磁石との間に配置される。第1の磁場生成デバイス(1130)のリング状の双極磁石(1231-b)内に入れ子にされた円板状の双極磁石(1231-a)及び第2の磁場生成デバイス(1240)の円板状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(1200)は、基板(1220)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0189】
[0188]その結果、
図12に示す旋回磁性アセンブリ(1200)によって作製されたOELは、基板(1220)を-30°~+30°傾斜させることによって異なる視野角で円形に動く2重の彗星状スポットになるはずであり、すなわち
図11Cに示すOELに類似しているOELになるはずである。
【0190】
[0189]
図13は、本発明によって非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む光学効果層(OEL)(1310)を基板(1320)に作製するのに好適な旋回可能な磁性アセンブリ(1300)の一例を示す。旋回可能な磁性アセンブリ(1300)は、2つ以上、特に2つの入れ子にされたリング状の双極磁石(1331-a、1331-b)からなる第1の磁場生成デバイス(1330)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(1340)とを備える。
【0191】
[0190]第1の磁場生成デバイス(1330)の2つの入れ子にされたリング状の双極磁石(1331-a、1331-b)はそれぞれ、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1320)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化され、どちらも同じ方向を指す磁軸線を有する。第1の磁場生成デバイス(1330)の2つの入れ子にされたリング状の双極磁石(1331-a、1331-b)は、中心に位置合わせされる。第1の磁場生成デバイス(1330)の2つの入れ子にされたリング状の磁石(1331-a、1331-b)は、円板状の支持マトリックス(1350)に埋め込まれており、前記円板状の支持マトリックスは、2つの入れ子にされたリング状の双極磁石(1331-a、1331-b)と同じ形状を有する2つの円形の空隙又はくぼみを含む。第1の磁場生成デバイス(1330)の2つの入れ子にされたリング状の双極磁石(1331-a、1331-b)の頂面及び下面は、支持マトリックス(1350)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0192】
[0191]第2の磁場生成デバイス(1340)の円板状の双極磁石は、旋回軸線に対して実質上直角(すなわち、基板(1320)の表面に対して実質上平行)の磁軸線を有し、直径方向に磁化される。
【0193】
[0192]第1の磁場生成デバイス(1330)の2つの入れ子にされたリング状の双極磁石(1331-a、1331-b)は、第2の磁場生成デバイス(1340)の円板状の双極磁石上に配置される。第1の磁場生成デバイス(1330)の2つの入れ子にされたリング状の双極磁石(1331-a、1331-b)及び第2の磁場生成デバイス(1340)の円板状の双極磁石を備える旋回可能な磁性アセンブリ(1300)は、基板(1320)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回することが可能である。
【0194】
[0193]その結果、
図13に示す旋回磁性アセンブリ(1300)によって作製されたOELは、基板(1320)を-30°~+30°傾斜させることによって異なる視野角で円形に動く2重の彗星状スポットになるはずであり、すなわち
図11Cに示すOELに類似しているOELになるはずである。
【0195】
[0194]本発明は、回転磁性筒体、及び回転磁性筒体の円周方向又は軸線方向の溝に取り付けられた本明細書に記載する1つ又は複数の旋回可能な磁性アセンブリ(x00)と、平床式印刷ユニット、及び平床式印刷ユニットの凹部に取り付けられた本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリの1つ又は複数を備える印刷アセンブリとを備える印刷装置をさらに提供する。
【0196】
[0195]回転磁性筒体とは、印刷若しくは被覆機器内で使用され、又は印刷若しくは被覆機器とともに使用され、又は印刷若しくは被覆機器の一部であり、本明細書に記載する1つ又は複数の旋回可能な磁性アセンブリを保持することを意味する。一実施形態では、回転磁性筒体は、速い印刷速度で連続して動作する回転式、シート供給式、又はウェブ供給式の産業用印刷プレスの一部である。
【0197】
[0196]平床式印刷ユニットとは、印刷若しくは被覆機器内で使用され、又は印刷若しくは被覆機器とともに使用される、又は印刷若しくは被覆機器の一部であり、本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリの1つ又は複数を保持することを意味する。一実施形態では、平床式印刷ユニットは、断続的に動作するシート供給式の産業用印刷プレスの一部である。
【0198】
[0197]本明細書に記載する回転磁性筒体又は本明細書に記載する平床式印刷ユニットを備える印刷装置は、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の層を有する本明細書に記載するものなどの基板を供給する基板フィーダを含むことができ、したがって磁性アセンブリは、光学効果層(OEL)を形成するように顔料粒子に作用して配向させる磁場を生成する。本明細書に記載する回転磁性筒体を備える印刷装置の一実施形態では、基板は、シート又はウェブの形で基板フィーダによって供給される。本明細書に記載する平床式印刷ユニットを備える印刷装置の一実施形態では、基板は、シートの形で供給される。本明細書に記載する回転磁性筒体又は本明細書に記載する平床式印刷ユニットを備える印刷装置は、本明細書に記載する非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物を本明細書に記載する基板上に塗布する被覆又は印刷ユニットを含むことができ、放射線硬化性の被覆組成物は、光学効果層(OEL)を形成するように本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリによって生成される磁場によって配向される非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む。本明細書に記載する回転磁性筒体を備える印刷装置の一実施形態では、被覆又は印刷ユニットは、連続的な回転プロセスに応じて動作する。本明細書に記載する平床式印刷ユニットを備える印刷装置の一実施形態では、被覆又は印刷ユニットは、断続的な線形プロセスに応じて動作する。
【0199】
[0198]本明細書に記載する回転磁性筒体又は本明細書に記載する平床式印刷ユニットを備える印刷装置は、本明細書に記載する旋回可能な磁性アセンブリによって磁気的に配向された非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子を含む放射線硬化性の被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させ、以て非球形で扁円の磁性又は磁化可能顔料粒子の配向及び位置を固定して光学効果層(OEL)を作製する硬化ユニットを含むことができる。
【0200】
[0199]本明細書に記載するOELは、基板上に直接設けることができ、基板上に恒久的に残るものとする(銀行券の応用例など)。別法として、OELは、作製の目的で一時基板上に設けることもでき、OELはその後除去される。これはたとえば、特に接着材料がまだその流体状態にあるときでも、OELの作製を容易にすることができる。その後、OELの作製のために被覆組成物を少なくとも部分的に硬化させた後、一時基板をOELから除去することができる。
【0201】
[0200]別法として、接着剤層がOEL上に存在することができ、又は光学効果層(OEL)を備える基板上に存在することができ、前記接着剤層は、OELが設けられる側とは基板の反対側又はOELと同じ側でOEL上にある。したがって、光学効果層(OEL)又は基板に接着剤層を塗布することができる。そのような物品は、機械及びさらに高い労力を伴う印刷又は他のプロセスなしに、あらゆる種類の文書又は他の物品若しくは品目に取り付けることができる。別法として、本明細書に記載するOELを備える本明細書に記載する基板は、別個の転写ステップで文書又は物品に取り付けることができる転写箔の形態とすることができる。この目的で、基板は剥離被覆を含み、その上にOELが本明細書に記載するように作製される。1つ又は複数の接着剤層は、そのように作製されたOELの上に塗布することができる。
【0202】
[0201]本明細書に記載するプロセスによって得られる2つ以上、すなわち2つ、3つ、4つなどの光学効果層(OEL)を備える本明細書に記載するものなどの基板もまた、本明細書に記載される。
【0203】
[0202]本発明によって作製された光学効果層(OEL)を備える物品、特にセキュリティ文書、装飾要素又は物体もまた、本明細書に記載される。物品、特にセキュリティ文書、装飾要素又は物体は、本発明によって作製された2つ以上(たとえば、2つ、3つなど)のOELを備えることができる。
【0204】
[0203]本明細書に記載したように、本発明によって作製された光学効果層(OEL)は、装飾の目的で、並びにセキュリティ文書を保護及び認証するために使用することができる。装飾要素又は物体の典型的な例には、非限定的に、贅沢品、化粧品の包装、自動車部品、電子/電気機器、家具、及びマニキュアが含まれる。
【0205】
[0204]セキュリティ文書には、非限定的に、有価文書及び有価市販品が含まれる。有価文書の典型的な例には、非限定的に、銀行券、捺印証書、伝票、小切手、証明書、収入印紙、及び税標識、合意書など、パスポートなどの身分証明書、IDカード、ビザ、運転免許証、バンクカード、クレジットカード、トランザクションカード、アクセス文書又はカード、入場チケット、公共交通切符又はタイトルなど、好ましくは銀行券、身分証明書、権利付与文書、運転免許証、及びクレジットカードが含まれる。「有価市販品」という用語は、特に化粧品、機能性食品、医薬品、アルコール、タバコ物品、飲料又は食品、電気/電子物品、衣料品又は宝石類、すなわちたとえば本物の薬剤のような包装の中身を保証するために偽造及び/又は違法複製から保護されるべき物品に対する包装材料を指す。これらの包装材料の例には、非限定的に、認証ブランドラベル、改ざん証拠ラベル、及びシールなどのラベルが含まれる。開示された基板、有価文書、及び有価市販品は、例示のみを目的として与えられたものであり、本発明の範囲を制限しないことが指摘される。
【0206】
[0205]別法として、光学効果層(OEL)は、たとえばセキュリティスレッド、セキュリティストリップ、箔、図案、窓、又はラベルなどの補助基板上に作製することができ、したがって別個のステップでセキュリティ文書へ伝達することができる。
【実施例】
【0207】
[0206]
図5A~
図11Aに示す旋回可能な磁性アセンブリを使用して、表1に記載の紫外線硬化性スクリーン印刷インクの印刷層において非球形で扁円の光学的に可変の磁性顔料粒子を配向し、
図5B~
図8B及び
図9C~
図11Cに示す光学効果層(OEL)を作製した。紫外線硬化性スクリーン印刷インクを黒色の市販の用紙(Gascogne Laminates M-cote120)に塗布し、前記塗布は、T90スクリーンを使用して手動スクリーン印刷によって実施し、約20μmの厚さを有する被覆層を形成した。紫外線硬化性スクリーン印刷インクの塗布層を保持する基板を、旋回磁石アセンブリに配置した。実施例E1~E7及びC1~C2の旋回可能な磁性アセンブリは、国際公開第2016/026896号の
図2に記載されているモータを使用することによって、30Hzの周波数で約5秒間旋回した。小板状の光学的に可変の顔料粒子のそのように得られた磁性配向パターンは、次いで、配向ステップと部分的に同時に(すなわち、紫外線硬化性スクリーン印刷インクの塗布層を保持する基板がまだ磁性アセンブリの旋回磁場内に位置する間に)、Phoseonからの紫外LEDランプ(Type FireFlex 50×75mm、395nm、8W/cm
2)を使用して、顔料粒子を含む塗布層を紫外線硬化させる約0.5秒間の露出によって固定された。
【0208】
【0209】
顔料粒子配向の測定(
図4)
[0207]Eckhardt Optics LLC(Eckhardt Optics LLC、5430 Jefferson Ct、White Bear Lake、MN 55110、http://eckop.com)からのコノスコープスキャタロメータ上で、OELの直径に沿った非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターンの測定を実施した。
【0210】
[0208]コノスコープスキャタロメータの前焦点面内の手動xyテーブルに、被覆層(x10)を保持する基板(x20)を平坦に独立して連続的に配置した。xyテーブルは、両軸線において0~26mmで調整可能であった。光学系の下で、OELの中心(OELの円対称及び配向パターンの円対称の結果としてゼロの天頂角を有する顔料粒子の配向によって特定可能)が光学系の中心に面するように、OELを有する基板を保持するxyテーブルを手動で調整した。x軸線の原点は、xyテーブルの両軸線に沿って13mmに任意に設定した(走査範囲の中央)。
【0211】
[0209]直径1mmの平行な緑色光ビーム(520nm)によって、配向された非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子を含む被覆層を、光学系を介して直交入射で照射した。サンプルによって反射される光ビーム偏向角の測定をOELの直径に沿って0.5mmごとに行い、
図3C、
図3F、
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、及び
図11Dの球面極座標で報告した。したがって、
図3C、
図3F、
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、及び
図11Dは、x方向に沿ってOELの直径に沿った方位角θ及び天頂偏向角φ’の変動を示す。直径に沿った走査方向が、グラフの一端の負のx値及び他端の正のx値から0.5mm刻みで関連グラフに示されている。
比較例C1(
図3A~
図3C)
【0212】
[0210]国際公開第2016/026896号、
図1及び
図13の実施例E1に従って、比較例C1(
図3A~
図3C)を準備した。
【0213】
[0211]C1を準備するために使用された磁性アセンブリ(300A)は、円板状の双極磁石(300A)を備えた。円板状の双極磁石(300A)は、直径方向に磁化され、約30mmの直径(A1)及び約3mmの厚さ(A2)を有した。円板状の双極磁石(300A)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(320A)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0214】
[0212]円板状の双極磁石(300A)の上面と双極磁石に面している基板(320A)の表面との間の距離(h)は、約5mmであった。
【0215】
[0213]磁性アセンブリ(300A)は、基板(320A)の表面に対して直角の旋回軸線の周りを約30Hzの速度で旋回した。
【0216】
[0214]その結果、
図3Aに示す磁性アセンブリ(300A)によって作製されたOELが
図3Bに示されている。そのように得られたOELは、ドームの光学的印象を提供する。
【0217】
[0215]
図3Bに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターンの測定を可能にし、その結果得られたグラフが
図3Cに示されている。x方向に沿って-9.7mm(A)~+9.3mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約55°の値に及び、方位角θは、負のx分枝において約180°で、対称的にxが正の位置において約360°で、実質上一定のままである。
【0218】
比較例C2(
図3D~
図3F)
[0216]国際公開第2016/026896号の実施例E2に類似している磁性デバイスによって、比較例C2(
図3D~
図3F)を準備した。
【0219】
[0217]C2を準備するために使用された磁性アセンブリ(300D)は、支持マトリックス(350D)に埋め込まれた3つの同一線上の棒状の双極磁石(331D)の中心に位置合わせされた配置からなった。
【0220】
[0218]3つの棒状の双極磁石(331D)はそれぞれ、約5mmの長さ(A3)を有する立方体ブロックであった。3つの棒状の双極磁石(331D)は、支持マトリックス(350D)の中心の周りに、支持マトリックス(350D)の直径に沿って互いから約5mmの距離(A4)をあけて対称に配置された。3つの棒状の双極磁石(331D)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(320D)の表面に対して実質上平行であり、前記3つの棒状の双極磁石(331D)の北極は同じ方向を指した。3つの棒状の双極磁石(331D)は、NdFeB N45から作られた。
【0221】
[0219]3つの棒状の双極磁石(331D)は、棒状の双極磁石(331D)と同じ形状を有する3つの空隙を含む支持マトリックス(350D)に埋め込まれた。支持マトリックス(350D)は、約30mmの直径(A1)及び約5mmの厚さ(A2)を有した。支持マトリックス(350D)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた。3つの棒状の双極磁石(331D)の頂面及び下面は、支持マトリックス(350D)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0222】
[0220]支持マトリックス(350D)に埋め込まれた3つの棒状の双極磁石(331D)の上面と3つの棒状の双極磁石(331D)に面している基板(320D)の表面との間の距離(h)は、約5mmであった。
【0223】
[0221]磁性アセンブリ(300D)は、基板(320D)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを約30Hzの速度で旋回した。
【0224】
[0222]その結果、
図3Dに示す磁性アセンブリによって作製されたOELが
図3Eに示されている。そのように得られたOELは、複数のリングの中心に入れ子にされた突起の光学的印象を提供する。
【0225】
[0223]
図3Eに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターンの測定を可能にし、その結果得られたグラフが
図3Fに示されている。x方向に沿ってある距離にわたって、天頂偏向角φ’及び方位角θは大幅に変動したが、0°-180°軸線に近接した角位置に拘束されたままであった。この文脈で、0°-180°軸線に近接とは、偏向角が入射平面(x14、
図2Bの214)の10°~15°の範囲内に留まることを意味する。
【0226】
実施例1、E1(
図5)
[0224]実施例1の光学効果層(510)を基板(520)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(500)が、
図5A1に示されている。
【0227】
[0225]磁性アセンブリ(500)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(530)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(540)とを備え、第1の磁場生成デバイス(530)は、第2の磁場生成デバイス(540)上に配置された。
【0228】
[0226]第1の磁場生成デバイス(530)のリング状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの外径(A1)、約14mmの内径(A2)、及び約2mmの厚さ(A3)を有した。リング状の双極磁石(530)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(520)の表面に対して実質上平行であった。リング状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0229】
[0227]第2の磁場生成デバイス(540)の円板状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの直径(A4)及び約2mmの厚さ(A5)を有した。円板状の双極磁石の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(520)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0230】
[0228]
図5Bに示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(530)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(540)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-30°の角度(Ω)を形成した。
【0231】
[0229]第1の磁場生成デバイス(530)のリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイス(540)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわちリング状の双極磁石及び円板状の双極磁石は直接接触していた。第1の磁場生成デバイス(530)のリング状の双極磁石の上面とリング状の双極磁石に面している基板(520)の表面との間の距離(h)は、約4.5mmであった。
【0232】
[0230]第1の磁場生成デバイス(530)及び第2の磁場生成デバイス(540)を備える磁性アセンブリ(500)は、基板(520)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0233】
[0231]その結果、
図5Aに示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(520)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図5Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0234】
[0232]
図5Bに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図5C参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-7.7mm(A)~+7.8mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約60°の値の範囲に及び、方位角θは、負のx分枝において約135°~約75°、対称的にxが正の位置において約255°~約315°の値の範囲に及ぶ。
【0235】
実施例2、E2(
図6)
[0233]実施例2の光学効果層(610)を基板(620)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(600)が、
図6A1に示されている。
【0236】
[0234]磁性アセンブリ(600)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(630)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(640)とを備え、第2の磁場生成デバイス(640)は、第1の磁場生成デバイス(640)上に配置された。
【0237】
[0235]第1の磁場生成デバイス(630)のリング状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの外径(A3)、約10mmの内径(A4)、及び約3mmの厚さ(A5)を有した。リング状の双極磁石の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(620)の表面に対して実質上平行であった。リング状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0238】
[0236]第2の磁場生成デバイス(640)の円板状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの外径(A1)及び約2mmの厚さ(A2)を有した。円板状の双極磁石(640)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(620)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0239】
[0237]
図6Bに示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(630)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(640)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約+45°の角度(Ω)を形成した。
【0240】
[0238]第2の磁場生成デバイス(640)の円板状の双極磁石の下面と第1の磁場生成デバイス(640)のリング状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわちリング状の双極磁石及び円板状の双極磁石は直接接触していた。第2の磁場生成デバイス(640)の円板状の双極磁石の上面と円板状の双極磁石に面している基板(620)の表面との間の距離(h)は、約1.5mmであった。
【0241】
[0239]第1の磁場生成デバイス(630)及び第2の磁場生成デバイス(640)を備える磁性アセンブリ(600)は、基板(620)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0242】
[0240]その結果、
図6A1に示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(620)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図6Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0243】
[0241]
図6Bに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図6C参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-8.4mm(A)~+8.1mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約70°の値の範囲に及び、方位角θは、負のx分枝において約195°~約315°、対称的にxが正の位置において約135°~約15°の値の範囲に及ぶ。
実施例3、E3(
図7)
[0242]実施例3の光学効果層(710)を基板(720)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(700)が、
図7A1に示されている。
【0244】
[0243]磁性アセンブリ(700)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(730)と、リング状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(640)とを備え、第1の磁場生成デバイス(730)は、第2の磁場生成デバイス(740)上に配置された。
【0245】
[0244]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの外径(A1)、約16mmの内径(A2)、及び約2mmの厚さ(A3)を有した。リング状の双極磁石の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720)の表面に対して実質上平行であった。リング状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0246】
[0245]第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの外径(A4)、約10mmの内径(A5)、及び約2mmの厚さ(A6)を有した。リング状の双極磁石(740)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(720)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0247】
[0246]
図7Bに示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-90°の角度(Ω)を形成した。
【0248】
[0247]第1の磁場生成デバイス(730)のリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイス(740)のリング状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわち両方のリング状の双極磁石は直接接触していた。第1の磁場生成デバイス(730)の円板状の双極磁石の上面とリング状の双極磁石に面している基板(720)の表面との間の距離(h)は、約5.5mmであった。
【0249】
[0248]第1の磁場生成デバイス(730)及び第2の磁場生成デバイス(740)を備える磁性アセンブリ(700)は、基板(720)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0250】
[0249]その結果、
図7A1に示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(720)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図6Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0251】
[0250]
図7Bに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図7C参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-7.9mm(A)~+8.1mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約60°の値の範囲に及び、方位角θは、負のx分枝において約135°~60°、対称的にxが正の位置において約240°~約315°の値の範囲に及ぶ。
実施例4、E4(
図8)
[0251]実施例4の光学効果層(810)を基板(820)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(800)が、
図8A1に示されている。
【0252】
[0252]磁性アセンブリ(800)は、リング状の双極磁石からなる第1の磁場生成デバイス(830)と、リング状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(640)とを備え、第1の磁場生成デバイス(830)は、第2の磁場生成デバイス(840)上に配置された。
【0253】
[0253]第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの外径(A1)、約16mmの内径(A2)、及び約2mmの厚さ(A3)を有した。リング状の双極磁石の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(820)の表面に対して実質上平行であった。リング状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0254】
[0254]第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの外径(A4)、約10mmの内径(A5)、及び約2mmの厚さ(A6)を有した。リング状の双極磁石(840)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(820)の表面に対して実質上平行であった。リング状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0255】
[0255]
図8Bに示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(840)のリング状の双極磁石の磁軸線の射影は、約+90°の角度(Ω)を形成した。
【0256】
[0256]第1の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイス(830)のリング状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわち両方のリング状の磁石は直接接触していた。第1の磁場生成デバイス(830)の円板状の双極磁石の上面と円板状の双極磁石に面している基板(820)の表面との間の距離(h)は、約5.5mmであった。
【0257】
[0257]第1の磁場生成デバイス(830)及び第2の磁場生成デバイス(840)を備える磁性アセンブリ(800)は、基板(820)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0258】
[0258]その結果、
図8A1に示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(820)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図6Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0259】
[0259]
図8Bに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図8C参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-7.1mm(A)~+7.9mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約60°の値の範囲に及び、方位角θは、負のx分枝において約60°~95°、xが正の位置において約285°~約240°の値の範囲に及ぶ。
【0260】
実施例5、E5(
図9)
[0260]実施例5の光学効果層(910)を基板(920)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(900)が、
図9A1に示されている。
【0261】
[0261]磁性アセンブリ(900)は、支持マトリックス(950)に埋め込まれた棒状の双極磁石(931)からなる第1の磁場生成デバイス(930)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(940)とを備え、第1の磁場生成デバイス(930)は、第2の磁場生成デバイス(940)上に配置された。
【0262】
[0262]第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)は、約18mmの長さ(A3)、約3mmの幅(A4)、及び約3mmの厚さ(A5)を有した。棒状の双極磁石(931)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行であった。棒状の双極磁石(531)は、NdFeB N45から作られた。
【0263】
[0263]棒状の双極磁石(931)は、棒状の双極磁石と同じ形状を有する空隙(931)を含む支持マトリックス(950)に埋め込まれた。支持マトリックス(950)は、約25mmの直径(A1)及び約3mmの厚さ(A2)を有した。支持マトリックス(950)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた。第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)の頂面及び下面は、支持マトリックス(950)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0264】
[0264]第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの直径(A6)及び約2mmの厚さ(A7)を有した。円板状の双極磁石(940)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(920)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0265】
[0265]
図9A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(930)の棒状の双極磁石(931)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-60°の角度(Ω)を形成した。
【0266】
[0266]第1の磁場生成デバイス(930)の支持マトリックスの下面と第2の磁場生成デバイス(940)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわち支持マトリックス及び円板状の双極磁石は直接接触している。第1の磁場生成デバイス(930)の支持マトリックス(950)の上面と支持マトリックス磁石に面している基板(920)の表面との間の距離(h)は、約2.5mmであった。
【0267】
[0267]第1の磁場生成デバイス(930)及び第2の磁場生成デバイス(940)を備える磁性アセンブリ(900)は、基板(920)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0268】
[0268]その結果、
図9A1に示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(920)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図9Cに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0269】
[0269]
図9Cに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図9D参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-6.2mm(A)~+6.3mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約65°の値に及び、方位角θは、負のx分枝において約210°~315°、対称的にxが正の位置において約135°~約45°の値の範囲に及ぶ。
【0270】
実施例6、E6(
図10)
[0270]実施例6の光学効果層(1010)を基板(1020)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(1000)が、
図10A1に示されている。
【0271】
[0271]磁性アセンブリ(1000)は、支持マトリックス(1050)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1031)からなる第1の磁場生成デバイス(1030)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(640)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1030)は、第2の磁場生成デバイス(1040)上に配置された。
【0272】
[0272]第1の磁場生成デバイス(1030)の2つの棒状の双極磁石(1031)はそれぞれ、約6mmの長さ(A3)、約3mmの幅(A4)、及び約3mmの厚さ(A2)を有した。2つの棒状の双極磁石(1031)は、支持マトリックス(1050)の中心の周りに、支持マトリックス(1050)の直径に沿って互いから約9mmの距離(A7)をあけて対称的に配置された。2つの棒状の双極磁石(1031)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行であり、前記2つの棒状の双極磁石(1031)の北極は同じ方向を指した。2つの棒状の双極磁石(1031)は、NdFeB N45から作られた。
【0273】
[0273]2つの棒状の双極磁石(1031)は、棒状の双極磁石(1031)と同じ形状を有する2つの空隙を含む支持マトリックス(1050)に埋め込まれた。支持マトリックス(1050)は、25mmの直径(A1)及び3mmの厚さ(A2)を有した。支持マトリックス(1050)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた。第1の磁場生成デバイス(1030)の棒状の双極磁石(1031)の頂面及び下面は、支持マトリックス(1050)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0274】
[0274]第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石は、25mmの直径(A5)及び2mmの厚さ(A6)を有した。円板状の双極磁石(1040)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1020)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0275】
[0275]
図10Bに示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1030)2つの棒状の双極磁石(1031)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-30°の角度(Ω)を形成した。
【0276】
[0276]第1の磁場生成デバイス(1030)の支持マトリックス(1050)の下面と第2の磁場生成デバイス(1040)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわち支持マトリックス及び円板状の双極磁石は直接接触していた。第1の磁場生成デバイス(1030)の支持マトリックス(1050)の上面と支持マトリックス磁石に面している基板(1020)の表面との間の距離(h)は、約3.5mmであった。
【0277】
[0277]第1の磁場生成デバイス(1030)及び第2の磁場生成デバイス(1040)を備える磁性アセンブリ(1000)は、基板(1020)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0278】
[0278]その結果、
図10A1に示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(1020)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図6Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0279】
[0279]
図10Bに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図10D参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-7.0mm(A)~+6.0mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約60°の値の範囲に及び、方位角θは、負のx分枝において約150°~約75°、対称的にxが正の位置において約255°~約330°の値の範囲に及ぶ。
実施例7、E7(
図11)
[0280]実施例7の光学効果層(1110)を基板(1120)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(1100)が、
図11A1に示されている。
【0280】
[0281]磁性アセンブリ(1100)は、支持マトリックス(1150)に埋め込まれた3つの同一線上の棒状の双極磁石(1131)の中心に位置合わせされた配置からなる第1の磁場生成デバイス(1130)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(1140)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1130)は、第2の磁場生成デバイス(1140)上に配置された。
【0281】
[0282]第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)はそれぞれ、約3mmの長さ(A3)を有する立方体ブロックであった。
【0282】
[0283]3つの棒状の双極磁石(1131)は、支持マトリックス(1150)の中心の周りに、支持マトリックス(1050)の直径に沿って互いから約2mmの距離(A4)をあけて対称的に配置された。3つの棒状の双極磁石(1131)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行であり、前記3つの棒状の双極磁石(1131)の北極は同じ方向を指した。2つの棒状の双極磁石(1131)は、NdFeB N45から作られた。
【0283】
[0284]3つの棒状の双極磁石(1131)は、棒状の双極磁石(1131)と同じ形状を有する3つの空隙を含む支持マトリックス(1150)に埋め込まれた。支持マトリックス(1150)は、約25mmの直径(A1)及び約3mmの厚さ(A2)を有した。支持マトリックス(1150)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた。第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)の頂面及び下面は、支持マトリックス(1150)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0284】
[0285]第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石は、直径方向に磁化され、約25mmの直径(A5)及び約2mmの厚さ(A6)を有した。円板状の双極磁石(1140)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1120)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0285】
[0286]
図11Bに示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1130)の3つの棒状の双極磁石(1131)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約-120°の角度(Ω)を形成した。
【0286】
[0287]第1の磁場生成デバイス(1130)の支持マトリックス(1150)の下面と第2の磁場生成デバイス(1140)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわち支持マトリックス及び円板状の双極磁石は直接接触していた。第1の磁場生成デバイス(1130)の支持マトリックス(1150)の上面と支持マトリックス磁石に面している基板(1120)の表面との間の距離(h)は、約2.5mmであった。
【0287】
[0288]第1の磁場生成デバイス(1130)及び第2の磁場生成デバイス(1140)を備える磁性アセンブリ(1100)は、基板(1120)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0288】
[0289]その結果、
図11A1に示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(1120)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図6Bに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに2周円形に動く彗星状スポット(すなわち、2つの円形に動く彗星)が反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0289】
[0290]
図11Cに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図3A、実施例7参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-5.5mm(A)~+5.0mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約60°の値の範囲に及び、方位角θは、負のx分枝において約180°~約270°、対称的にxが正の位置において約90°~360°の値の範囲に及ぶ。
【0290】
実施例8、E8(
図15)
[0291]実施例8の光学効果層(1510)を基板(1520)に準備するために使用された旋回可能な磁性アセンブリ(1500)が、
図15A1に示されている。
【0291】
[0292]磁性アセンブリ(1500)は、支持マトリックス(1550)に埋め込まれた2つの棒状の双極磁石(1531)からなる第1の磁場生成デバイス(1530)と、円板状の双極磁石からなる第2の磁場生成デバイス(1540)とを備え、第1の磁場生成デバイス(1530)は、第2の磁場生成デバイス(1540)上に配置された。
【0292】
[0293]第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)はそれぞれ、約3mmの長さ(A3)を有する立方体ブロックであった。2つの棒状の双極磁石(1531)のそれぞれの中心は、支持マトリックス(1550)の中心の周りに、支持マトリックス(1550)の直径に沿って2つの棒状の双極磁石(1531)の頂面の中心間に約6mmの距離(A4)をあけて対称的に配置された。2つの棒状の双極磁石(1531)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行であり、前記2つの棒状の双極磁石(1531)の北極は同じ方向を指した。第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)は、互いに対して平行の磁軸線を有し、2つの棒状の双極磁石(1531)の頂面の中心を交差する支持マトリックス(1550)の直径から約30°(
図15B1)の角度βだけ傾斜していた。2つの棒状の双極磁石(1531)は、NdFeB N45から作られた。
【0293】
[0294]2つの棒状の双極磁石(1531)は、棒状の双極磁石(1531)と同じ形状を有する2つの空隙を含む支持マトリックス(1550)に埋め込まれた。支持マトリックス(1550)は、約25mmの直径(A1)及び約3mmの厚さ(A2)を有した。支持マトリックス(1550)は、POM(ポリオキシメチレン)から作られた。第1の磁場生成デバイス(1530)の棒状の双極磁石(1531)の頂面及び下面は、支持マトリックス(1550)の頂面及び下面とそれぞれ同一平面であった。
【0294】
[0295]第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石は、25mmの直径(A5)及び3mmの厚さ(A6)を有した。円板状の双極磁石(1540)の磁軸線は、旋回軸線に対して実質上直角であり且つ基板(1520)の表面に対して実質上平行であった。円板状の双極磁石は、NdFeB N40から作られた。
【0295】
[0296]
図15A2に示すように、旋回軸線に対して直角の平面への旋回軸線に沿った第1の磁場生成デバイス(1530)の2つの棒状の双極磁石(1531)の磁軸線の射影及び第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石の磁軸線の射影は、約150°の角度(Ω)を形成した。
【0296】
[0297]第1の磁場生成デバイス(1530)の支持マトリックス(1550)の下面と第2の磁場生成デバイス(1540)の円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は0mmであり、すなわち支持マトリックス及び円板状の双極磁石は直接接触していた。第1の磁場生成デバイス(1530)の支持マトリックス(1550)の上面と支持マトリックス磁石に面している基板(1520)の表面との間の距離(h)は、約2.5mmであった。
【0297】
[0298]第1の磁場生成デバイス(1530)及び第2の磁場生成デバイス(1540)を備える磁性アセンブリ(1500)は、基板(1520)の表面に対して実質上直角の旋回軸線の周りを旋回した。
【0298】
[0299]その結果、
図15A1に示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、基板(1520)を-30°~+30°傾斜させることによって、異なる視野角で
図15Cに示されている。そのように得られたOELは、前記OELを傾斜させたときに円形に動く彗星状スポットが反時計回りに回転するという光学的印象を提供する。
【0299】
[0300]
図15Cに示すOELのコノスコープスキャタロメトリは、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子の配向パターン(
図15D参照)の測定を可能にした。x方向に沿って-6.9mm(A)~+7.1mm(B)の範囲の距離にわたって、天頂偏向角φ’は、0°~約60°の値の範囲に及び、方位角θは、負のx分枝において約60°~約165°、対称的にxが正の位置において約345°~約250°の値の範囲に及ぶ。
実施例9~11、E9~11(
図16A~
図16C)
【0300】
[0301]実施例E9~E11の光学効果層は、以下の点を除いて、
図5A1の旋回可能な磁性アセンブリを使用することによって独立して準備された。
a)実施例9(E9)の場合、第1の磁場生成デバイスのリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイスの円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、約4mmであった。
b)実施例10(E10)の場合、第1の磁場生成デバイスのリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイスの円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、約7mmであり、第1の磁場生成デバイスのリング状の双極磁石の上面とリング状の双極磁石に面している基板の表面との間の距離(h)は、約9.5mmであった。
c)実施例11(E11)の場合、第1の磁場生成デバイスのリング状の双極磁石の下面と第2の磁場生成デバイスの円板状の双極磁石の上面との間の距離(d)は、約4mmであり、第1の磁場生成デバイスのリング状の双極磁石の上面とリング状の双極磁石に面している基板の表面との間の距離(h)は、約8mmであった。
【0301】
[0302]その結果、上記に提供した距離(d)及び(h)で
図5Aに示す磁性アセンブリによって作製されたOELは、異なる2つの視野角で
図16A~
図16Cに示されている(A:E9、B:E10、C:E11)。
【0302】
[0303]
図3C及び
図3Fは、従来技術の円対称OELの非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子配向特性を示し、配向された粒子は、OELの選択された直径(x12、
図2A~
図2Bの212)に沿って本質的にすべての位置x
iにおいて、実質上入射平面(x14、
図2Bの214)内で入射光を偏向させた。
【0303】
[0304]
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、
図11D、及び
図15Dは、本発明のOELの特徴付け特性を示し、対応するOEL内の配向された非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子は、円対称パターンに応じて配向され、実質上入射平面(x14、
図2Bの214)から離れる方へ入射光を偏向させる。OELの選択された直径(x12、
図2A~
図2Bの212)に沿って複数の位置x
iで、位置x
iにおける複数の粒子は、以下の条件を満たすx
iによって、選択された直径(x12、
図2A~
図2Bの212)に対して平均天頂偏向角φ’及び平均方位角θを有する。
│φ’・sin(θ)│≧10°、好ましくは│φ’・sin(θ)│≧15°
したがって点x
iにおける入射光は、それぞれ10°以上、好ましくは15°以上の角度だけ、入射法平面(x14)から離れる方へ反射される。
【0304】
【0305】
b)したがって、OELが│φ’・sin(θ)│≧10°、好ましくは│φ’・sin(θ)│≧15°という前記特徴付け条件を満たす直径に沿った距離は、それぞれ
図14A及び
図14Bに示す陰影区域に入るグラフ上の点の数を数えることによって判定することができる。
【0306】
c)本明細書に記載するすべての例示的な実施形態では、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子は、選択された直径の各辺に沿って2.5mmの距離(
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、
図11D、及び
図15Dの4つ以上の点)にわたって、│φ’・sin(θ)│≧15°という条件を満たす。
【0307】
d)実施例1、2、3、4、5、及び6として本明細書に記載する例示的な実施形態では、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子は、選択された直径の各辺に沿って少なくとも5mmの距離(
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図9D、
図10D、及び
図15Dの9つ以上の点)にわたって、│φ’・sin(θ)│≧15°という条件を満たす。
【0308】
e)実施例1、2、3、4、及び6として記載する例示的な実施形態では、非球形で小板状の光学的に可変の磁性顔料粒子は、選択された直径の各辺に沿って少なくとも6.5mmの距離(
図5C、
図6C、
図7C、
図8C、
図10D、及び
図15Dの12個以上の点)にわたって、│φ’・sin(θ)│≧15°という条件を満たす。