(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】腓骨の骨材除去及び移入テンプレート
(51)【国際特許分類】
A61B 17/15 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
A61B17/15
(21)【出願番号】P 2018554778
(86)(22)【出願日】2017-05-02
(86)【国際出願番号】 EP2017060432
(87)【国際公開番号】W WO2017191139
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2020-04-07
(31)【優先権主張番号】102016108426.3
(32)【優先日】2016-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】512242697
【氏名又は名称】カール ライビンガー メディツィンテクニック ゲーエムベーハー ウント コー. カーゲー
【氏名又は名称原語表記】Karl Leibinger Medizintechnik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Kolbingerstr. 10 Muhlheim 78570 GERMANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100094318
【氏名又は名称】山田 行一
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツォーク, レベッカ
(72)【発明者】
【氏名】ガーベレ, ローレンツ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/039266(WO,A1)
【文献】特表2015-517326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
17/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央体(115)を備えた中央部(102)を備える腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)において、
前記中央部(102)は、骨ネジを受入れる為の受入れ穴(113)が設けられ、前記中央部の各端部は、骨分離ツール案内部分(104)を有し、少なくとも一つの前記骨分離ツール案内部分(104)は、それが前記
中央体(115)から移動するように装着され、梁部(107)を備える、前記腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)であって、
前記梁部(107)は、前記梁部(107)をその長手方向に沿って囲む案内路内で移動できるように支えられ、前記骨分離ツール案内部分(104)から前記受入れ穴(113)に向かって突出
し、
内部に補助切除ブラケット(112)が挿入可能であり、挿入されるブラケット受入れ装置(108)が設けられる
ことを特徴とする、
腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【請求項2】
前記骨分離ツール案内部分(104)は、2つの表面(105)の間に形成された案内スリット(106)を有し、前記案内スリット(106)は、その前側および後側に開いていることを特徴とする、請求項1に記載の腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【請求項3】
前記案内スリット(106)は、その下側または上側で開くように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【請求項4】
前記梁部(107)を固定する為に設計された固着ネジが前記案内路に突出することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【請求項5】
ロックによって前記補助切除ブラケット(112)に固着されたバネ部分(111)を受け入れる為に準備された穴が、前記ブラケット受入れ装置(108)に設けられることを特徴とする、請求項
4に記載の腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【請求項6】
前記中央部(102)は、2つの受入れ穴(113)が設けられ、これらの間にクリップ(109)が設けられることを特徴とする、請求項
4または5に記載の腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【請求項7】
前記受入れ穴(113)は、前記中央体(115)を受け入れる中央面に対して横に方向付けされている対称軸を有することを特徴とする、請求項
6に記載の腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【請求項8】
補充コンポーネント(114)が、前記2つの骨分離ツール案内部分(104)の一方または各々に存在することを特徴とする、請求項
6に記載の腓骨の骨材除去及び移入テンプレート(101)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央体を備えた中央部を備える腓骨の骨材除去及び移入テンプレートに関し、中央体の各端部は、骨分離ツール案内部分を有する。
【0002】
現状技術から、下顎の切除テンプレートのような鋸引きテンプレートが既に知られている。たとえば、WO 2004/039266 A1は、腓骨または下顎に使用されるように適合された鋸引きテンプレートを開示する。同様の装置は、US 2012/0029646 A1、US 2013/0338779 A1、US 2013/0304075 A1からも知られている。
【0003】
時には例えば、下顎のような人間の下顎骨は、事故または発癌性改変によって損傷されることがあり、前記骨の一部を除去しなければならない。その後、骨は再建されなければならない。最近、例えば、腓骨から除去された骨部分を、下顎の空所/障害の無い位置に再び挿入し始められてきた。ここでは、下顎の骨と、それに対応した腓骨の両方において、所定方式で高精度な切断が実施することが必要である。
【0004】
このため、通常、腓骨の正確な切断を受け持つ腓骨の骨材除去及び移入テンプレートと同様に、下顎の正確な切断を受け持つ下顎の切除テンプレートが使用され、同時に、下顎の領域における移植の為に切断された骨の正確な移入の為に使用される。
【0005】
先に知られた解決策は、これらを取り扱うのに非常に複雑であるので、十分に正確ではない。また、それらは比較的に費用が増大する。このため、達成されるべき改良が意図されている。
【発明の概要】
【0006】
本書において、本発明は、現状技術の欠点を少なくとも緩和または排除すること、利用可能な腓骨の骨材除去及び移入プレートを作ることを目的とするが、これらは、特に、改善された下顎の切除テンプレートを利用して、下顎の領域において審美的かつ機械的に魅力的な結果を達成する為に使用可能である。
【0007】
場合によっては、特定の患者固有のテンプレートが下顎の為に製造される。これは、非常に費用が増加し、時間を消費するが、本発明の方法は、汎用の下顎の切除テンプレートを利用可能にする点にあり、これは、全ての潜在的患者の群衆の中から代表的な患者に最終的に適合される汎用性の下顎切除テンプレートを利用可能にすることにある。
【0008】
特に、下顎の削除の為の汎用テンプレートであるが、腓骨の主な側面、微小血管腓骨移植体の下顎復元および当該技術に適合した移植体を定着させるためのミニプレートのシステムでは、利用可能にする必要がある。
【0009】
この目的は、少なくとも一つの骨分離ツール案内部分、好ましくは、両方の骨分離ツール案内部分が、中央部から離れて移動可能であること、中央部から離れて移動または中央部に向かって押すように特に装着されることによる一般的な腓骨の骨材除去及び移入テンプレートを用いて達成される。特に、この場合、回転及び旋回ベアリングが適している。骨部分の留め継ぎ部がたとえば下顎の領域に装着する為に当接されるようなベアリングを得ることを目的とする。
【0010】
既に実質的に改良された、この型式の腓骨の骨材除去及び移入テンプレートは、更なる改良が可能である。前記更なる強化は、従属形式請求項で請求されるが、以下、詳細に説明する。
【0011】
したがって、骨分離ツール案内部分が、2つの鉛直表面の間に形成される案内スリットであって、その前側及び後側に開くものを有する場合に有益である。このように、腓骨から骨を除去する場合、骨分離ツールは、撓みから防止される。これが、正確な除去を確実にする。
【0012】
案内スリットが下側および/または上側に開く場合、取扱に有益である。
【0013】
使用中/操作中の調節性及び柔軟性が改善されるのは、長手方向に沿って案内路を包囲する、案内路内で移動できるように支持される梁部が、中央部から分離した骨分離ツール案内部分から突出する場合である。
【0014】
梁部を固定する為に設計された固着ネジが案内路へと突出する場合も便宜である。術中に簡単な変更を行うことができ、又は、少なくとも手術前に準備することができる。
【0015】
中央部のほぼ中間で、クリップのようなブラケット受入れ装置が存在する場合、そこに補助的切除ブラケットが挿入可能または挿入されることは、それ自体が証明されている。次いで、腓骨の骨材除去及び移入テンプレートの個別コンポーネント部品は、常に空間内で互いに固着可能である。
【0016】
ブラケット受入れ装置において、止まり穴または通し穴のような穴が存在し、これが、ロックによって補助的切除ブラケットに固着されたバネ部分を受け入れるように準備されると好都合である。これは、補助的切除ブラケットの素早い挿入および除去を可能にする。
【0017】
同様に証明されたことは、骨ネジの為の受入れ穴がクリップの両側に設けられることである。
【0018】
適した取付け可能性にとって有益なことは、受入れ穴が対称軸を有し、対称軸が横に、好ましくは、中央体を受け入れる中央面に対して垂直に向けられることである。
【0019】
また、柔軟な術的使用にとって有益なことは、2つの分離ツール案内部分の一方または各々において、補充コンポーネントが、中央体から離れて面する側に存在することである。さらに、補充コンポーネントの遠位端部に、他の骨分離ツール案内部分が、補充コンポーネントから変位かつ除去されるように配置されることは有益である。
【0020】
一つの有益な例示的実施形態も、補充コンポーネントの骨分離ツール案内部分が中央体の骨分離ツール案内部分と同一または少なくとも類似することが特徴付けられる。
【0021】
一つの有益な例示的実施形態も、骨分離ツール案内部分において、補充コンポーネントの遠位自由端部に構成が存在するように設計されてもよく、そこには2つの案内ウェブが設けられ、これらが共同案内ブロックにおける別個の開口の中に案内される。
【0022】
上部案内ウェブだけに接触する一つ又は二つ以上の止めネジが案内ブロックに挿入される場合、ロックおよびロック解除の為の簡単にアクセス可能な領域が選択/使用される。好ましくは、止めネジは取り外しできない。
【0023】
横に(好ましくは直角に)一つの案内ウェブまたは両方の案内ウェブの長手方向に延びるリブによって特に前側に、スクリーニング又はノッチが案内ウェブの一方または両方に設けられることは、それ自体が証明される。そのような場合、手術医への触覚フィードバックは、比較的容易に実現できる。
【0024】
補充的コンポーネントに、ロックによって補助的切除ブラケットを受け入れる為のブラケット受入れ装置が存在する場合に有益である。ブラケット上のセグメント画像の概観を改善するため、セグメントには右に「R」、左に「L」の印が付けられている。
【0025】
一つの有益な例示的実施形態も同様に、補充コンポーネントのブラケット受入れ装置が中央体のブラケット受入れ装置と同一または少なくとも類似するように形成されることで特徴付けられる。
【0026】
2つの補充コンポーネントが、対称軸に対して鏡面対称に形成される場合、それ自体が見いだされるが、対称軸は、中央体を通って中央に伸び、中央体によって鉛直に貫通される。
【0027】
補助的切除ブラケットが少なくとも2つ又は4つの(90°)段部を有する場合に有益である。これは、軟組織の変形を避けるのに役立つ。
【0028】
テンプレートの後側が(人間の)腓骨と接触する為に準備される場合、本発明にとって有益である。
【0029】
中央体における2つの案内スリットが、後側の方向において、約60°+/-5°を囲み、さらに/または、補充コンポーネントの2つの案内スリットが、72°+/-5°のような鋭角を囲むことが望ましい。
【0030】
したがって、ブラケット受入れ装置は、剛性があり/硬直性があり/弾力性のない/寸法的に安定した(スチールコンポーネントに類似した)補助的移植ブラケットであることが有益である。このように、個々の骨片を正しい位置に変位させることができる。
【0031】
補助的移植ブラケットは補助的切除ブラケットと同一または類似するが、補充コンポーネントおよび中央体に押し付けられる位置が互いに異なり、この故に、連結場所で幾何学的に異なる構成を有し、腓骨から切除された骨の、それぞれの隙間をもつ下顎への移入が効率的に実現可能である。
【0032】
さらに、補助的切除ブラケットが補充コンポーネント及び中央体を接合面に押し込み、補助的移植ブラケットが補充コンポーネント及び中央体をU形状および/または下顎の外形と一致している向きに押し込むことが有益である。
【0033】
腓骨の骨材切除及び移入テンプレートは、同様に、腓骨切除テンプレートと呼ばれてもよく、腓骨の平均的形状に適合される。このため、患者特有ではなく、平均的患者に適合される。
【0034】
個々のセグメント及び長さは、下顎の切除テンプレートに適合される。2つのテンプレートの規模は、一様に設計され、互いに適合されるべきである。しかしながら、術前計画を必ずしも考慮する必要はない。
【0035】
個々のセグメントは、取り外せるブラケットによって互いに連結される。ブラケットは、テンプレートを左右の下顎に等しく使用するように、最上部および底部の両方から取り付け可能であることが意図されている。さらに、ブラケットは、この領域が軟らかい組織によってしばしば閉塞されるので、それが更に前方に突出するように、小さな段部を設けなければならない。さらに、取り外し可能なブラケットは、弾力性があるように設計される。すなわち、個々のセグメントは腓骨にきつく嵌め込まれるので、分離する切断/鋸引き切断を、一定の角度で正確に行うことができる。
【0036】
柔軟なスリットをロックする為の止めネジは、テンプレートに対して垂直に配置されることが意図されるのが好ましい。
【0037】
切除を行う為に、往復する鋸が使用される。約1mmの幅の案内スリット/鋸スリットを設計する為に考慮されることは、下方又は上方又は両側が閉じられることである。しかしながら、どの場合でも、鋸引きブレードの側方案内が必要である。
【0038】
テンプレートは、外径約2.0mmを有する標準ネジによって腓骨に固着される。各セグメントにおいて、2つの孔が固着の為に置かれている。
【0039】
テンプレートは、前方からの移植による、切除された下顎セグメントの固定を最良に可能にするべきである。そのため、凹部が各セグメントに設けられている。今のところ、左右セグメントの各々は、約120°の角度で湾曲されたプレートによって、前方セグメントに連結されている。このプレートは、上方から配置される。
【0040】
簡単な移植体固着を可能にし、下顎の平均形状、および腓骨移植体に対応を介して三次元形状まで予備成形された1.0mmのプロファイルを有するミニプレートが試験を受けた。平均下顎と腓骨の外形は、代表的データセットに基づいて生成される。
【0041】
プレートは、異なる形態および構成で利用できるようにされなければならない。それは、できるだけ少ないプレートで一緒になることを目指す。正確な変形例は、依然として確立されなければならない。しかしながら、ウェブを含む4孔プレート及び/又はウェブを含む6孔プレートが想像できる。プレートは、多方向の角度的に安定したプレート孔を有するべきであり、それらは、標準ネジを阻止でき、標準ネジとの相互作用が可能である。必要かつ特定の器具(例えば、ネジドライバ)が、プレートを固着する為に使用されてもよい。
【0042】
本発明は、側面態様において、下顎の切除テンプレートに関するが、これは、下顎の結合セグメントのようなセグメントに取り付けられるように準備される中央コンポーネントを備え、少なくとも2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分が中央コンポーネントに存在し、この改善は、特に、2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分の間で位置決め補助具が設けられ、顎骨に対する下顎の切除テンプレートの、空間的に正確な方向付けが得られることが認識される。このように、下顎の切除テンプレートは、以前より正確かつ簡単に、頭蓋骨に、特に顎骨に、好ましくは特定患者の下顎の骨に留めることができるので、除去されるべき骨部分の高精度切除を実施することができる。前記下顎の切除テンプレートは、腓骨の骨材切除および移入テンプレートから別個に請求可能、すなわち、請求項1の特徴を有することなく請求項可能である。
【0043】
本発明に従う突起の範囲において、下顎および腓骨の切除の為の汎用テンプレートも開発されてきた。微細血管腓骨移植体によって下顎の復元の臨床的介入の著しい容易化および標準化を達成することばかりでなく、患者特有の切除テンプレートに関する費用及び時間の節約を強めることが意図さえてきた。これは、本発明に従う構成によって達成された。
【0044】
さらに、切除テンプレートに関しても、この技術に特に適合された移植体の固着の為のプレートシステム設計も開発された。移植体の固着または欠損ブリッジングに復元プレートが使用される現状技術に反して、得られた実験に対応するように、1ミリ(1.0mm)のプロファイル厚さを有する実質的に薄いミニプレートが使用され、それらは、材料の除去において著しい利益を伴う。
【0045】
フレームワーク設計を有する場合がある(厚さが1mmより大きく最大で約3.0mmの)復元プレートまたは(厚さが1ミリ以下の)ミニプレートのようなプレートは、下顎の平均的形状に適合され、それぞれが、切除テンプレートの分離切断/鋸引き切断の後に形成する腓骨移植体へと予め成形される。これにより、高度な嵌め込み精度を達成し、移植体の固着を著しく容易にすることができる。
【0046】
非常に重要なことは、下顎の切除テンプレートが、下顎の平均的形状に適合されることである。切除テンプレートは、複数の異なる切除パターンをカバーするように、その調整において可能な限り柔軟であるが、いずれの場合も、三重セグメント切除(右下顎体-前方セグメント-左下顎体)、二重セグメント切除(前方セグメントを含む右下顎体)、二重セグメント切除(前方セグメントを含む左下顎体)、単一セグメント切除が可能である。このように、理論的に可能な全ての切除の約80%がカバーされる。
【0047】
切除テンプレートの後方領域において、長さを適合させることが可能であり、これは、欠損の程度に応じて、案内スリット/鋸スリットをシフトさせることができる。柔軟な案内スリット/鋸スリットは、基底に取り付けられた止めネジによってロックされる。止めネジは、取扱いを容易にし、事故/損失のリスクを低減するために、取外し可能でないことが好ましい。しかしながら、切除テンプレートの状態に関して、個々の部品を容易に取り外すことができ、さらに/または、発生する隙間が非常に大きく、消毒に使用される媒体が単純かつ効率的な洗浄効果を有する場合に有益である。
【0048】
切除を実施するため、往復型鋸を使用することが好ましい。約1ミリ(+/-0.1~0.2mm)の幅で、底部に更に/又は最上部に開いた案内スリット/鋸を設計することが考えられている。鋸刃の側方案内は、いずれの場合に予め決められる。
【0049】
主として、切除テンプレートは、下顎に単体で取付けられることが意図されている。これに加えて、個々のセグメントだけでも下顎に取り付けることができる。プラグ機構または同様の連結配列を介して、右側を含む前方セグメント、または、対応する(resp.)左側を含む前方セグメントは、残部から分離可能に保持される。
【0050】
一体化された孔は、テンプレートが標準ネジ(例えば、2.0mm直径)によって下顎に固着されることを可能にする。
【0051】
前方セグメントに配置された中心マーカは、下顎との切除テンプレートの正確な整列および方向付けに有益な影響を有する。正確な位置決めが容易になる。
【0052】
切除テンプレートの、取り外せるコンポーネントには、右手に対して「R」、左手に対して「L」のようなサイドマーカが追加で設けられている。腫瘍除去およびそれぞれの(resp.)下顎切除は、解剖部位(右手下顎体、骨の癒着、左手下顎体)に応じて実施され、すなわち、腫瘍が、例えば、下顎体の中心に置かれている場合、切除は、下顎の角度で、更に、骨の癒着領域まで行われる。
【0053】
有益な実施形態は、従属形式請求項で請求されるが、以下、詳細に説明する。
【0054】
位置決め補助具が、ノッチとビードの組合せ、ノッチ、孔、プリズム、カラーマーカ、ピン、ネジ、ナビゲーション位置決めであり、さらに/または、骨の癒着セグメントのような、下顎の骨の一部分と接触する為に準備された位置決めフィンとして構成されるときに有益である。
【0055】
位置決め補助具または対応する(resp.)位置決めフィンが、横に突出、好ましくは、中央コンポーネントから直角に突出する場合にも有益である。そのため、下顎の切除テンプレートの方向付けが容易になる。
【0056】
中央コンポーネントがフレーム形態である場合に有用である。そのとき、下顎への視界が改善される。
【0057】
フレームが2つの水平ウェブを有し、これらが2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分を介して互いに遠位端部で連結される場合、取扱い能力が改善される。
【0058】
特定の例示的実施形態は、2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分、2つの水平ウェブが、少なくとも前方投影において長方形の形状をとることを特徴とする。そのとき、個々のコンポーネントの組立が容易になる。
【0059】
2つの水平ウェブおよび2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分が、汎用さらに/または単体/一体、さらに/または、単一材料コンポーネントの形態であり、または、分離ツール案内部分/鋸刃案内部分のうち少なくとも一つが、水平ウェブから取り外せる/移動できる/分離できる変位コンポーネントの、それぞれの部分である場合に有益である。
【0060】
分離ツール案内部分/鋸刃案内部分のうち少なくとも一つが、骨分離ツールを案内するように寸法が定められた案内スリット/鋸スリット(例えば、鋸刃/円形鋸/レーザなど)を有する場合、骨分離ツールは撓み又は傾斜から防止される。
【0061】
特に効率的な案内は、案内スリット/鋸スリットの両側に、それと平行な骨分離ツール接触面が形成されている場合に達成される。
【0062】
したがって、案内スリット/鋸スリットが、それを形成する材料を通って完全に突出し、さらに、その長手方向拡張部の拡張において、片側または両側に開かれるように構成される場合に有益である。
【0063】
案内スリット/鋸スリットを収容する材料がブロック形状、好ましくは、互いに対して直角な表面を備えている場合、さらに/または、水平ウェブの一つが長方形梁形状をとり、水平ウェブが、例えば幾何学形状で同一に形成される場合、下顎の切除テンプレートは特に破壊しにくい。
【0064】
位置決めフィンの領域において、位置決め補助具の為のマーカが、例えば中心線マーカ、(貫通/止まり)穴、突起、窪み/凹部、隆起部、溝部、段部、起伏部)の形態で存在する場合に有益である。たとえば、スリットが下顎に導入される場合、隆起部は、そこに容易に挿入可能である。形態閉鎖によって、その後、下顎の切除テンプレートを正確に方向付けできる。しかしながら、他のグラフィカルな中心線マーカも有用である。
【0065】
マーカが、隆起部の形態であり、この隆起部が、フィンの長手方向軸に沿って延び、尖端(たとえば、鋭い又は三角形横断面)を有する場合に有益である。この場合、製造中に欠点が予想されるが、骨に対するテンプレートの方向付けは、そのような構成において、特に迅速かつ傾斜しない方法で可能である。マーカが、たった一つの水平ウェブまたは両方の水平ウェブの前側および/または上側に、さらに/または、位置決めフィンの上側に、さらに/または中央コンポーネントの下側に存在する場合、視界は改善される。
【0066】
隆起部が位置決めフィンの上側に存在することは言及する価値がある。これは、効率的な取扱いを可能にする。
【0067】
位置決めフィンが2つの水平ウェブの一方から、好ましくは、2つの水平ウェブのうち低い水平ウェブのみから垂直に、好ましくは、2つの案内スリット/鋸スリットに対して垂直に、例えば、水平ウェブの一体コンポーネントとして、突出する場合、下顎の切除テンプレートを下から容易に取り付けられる。
【0068】
拡張コンポーネントが、2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分のうちのいずれか又は各々を、中央コンポーネントから離れて面する側に隣接させる場合、それ自体が証明されている。その後、処置される空間は拡張可能である。
【0069】
この状況において役に立つのは、拡張コンポーネントが中央コンポーネントの一体部である場合、あるいは、連結場所に取外し可能に結合されるように適合された別個の拡張コンポーネントである場合である。
【0070】
一つの有益な例示的実施形態は、連結場所が、積極的および/まあは非積極的に相互作用する2つの一致する結合する幾何学形状を利用することを特徴とする。
【0071】
特に、一つの結合する幾何学形状が突起を形成し、他の結合する幾何学形状が一致する凹部を形成する場合、個々のコンポーネントの迅速な差し込みをもたらすことができる。
【0072】
結合する幾何学形状が、ぴったりと適合させる方式で(dovetail manner)相互作用する場合、それ自体が証明されている。
【0073】
また、一つの有益な例示的実施形態は、その長手方向の軸に沿って部分的領域で開く止まり穴として凹部が形成されることを特徴とする。
【0074】
止まり穴の底部は、突起の為の停止部を画定する場合、たとえ張り詰めた状況においてでさえも、下顎のテンプレートの単一部品の正確な組立が容易になる。
【0075】
また、案内スリット/鋸スリットを通って延びる面が、上水平支柱および下水平支柱と共に約10°から約20°、好ましくは約12°+/-5°の角度をとる場合(下顎に面する側から測定される場合)、切除を特に効率的な方式で行うことができる。
【0076】
拡張コンポーネントが円形体を有し、ここから余分の分離ツール案内部分/余分の鋸刃案内部分が遠位に突出、すなわち、自由端で突出、それゆえに、連結場所から遠い側に存在する場合に有益である。
【0077】
基体において、骨ネジを受け入れる為の少なくとも一つの貫通穴が設けられることは、それ自体が証明されている。下顎のテンプレートは、切除中、切除前、切除後に外れることが防止されている。
【0078】
切除テンプレートの骨ネジを下顎にねじ込む場合に適した引張りを強いるため、基体の表面に対して、貫通穴が斜めに、たとえば、傾斜されることが有益である。
【0079】
更に旋回を避けるため、2つの貫通穴が、拡張コンポーネントの長手方向の軸に対して平行に、拡張コンポーネントの外縁部に対して都合良くオフセットされて配置されることが有益である。
【0080】
貫通穴が下外縁部に向かってオフセットされることは、それ自体が証明されている。しかしながら、貫通穴は、拡張コンポーネントの下側の3分の1に配置されるのが好ましい。
【0081】
より正確に言えば、貫通穴が「前方」から「後方」に向かって上昇している場合には有用である。この状況において「前方」とは、患者の外側に配置された領域であり、「後方」は患者の内側に設けられる。「底部」は、「最上部」と同様に、重力によって定義される。
【0082】
貫通穴の中心軸が、実質的に鉛直に方向付けされた前方または後方表面と共に約20°+/-5°の角度を適用する場合、テンプレートは、留めネジがねじ込まれる場合、しっかりと引っ張られ、骨と一致する。余分な分離ツール案内部分/余分な鋸刃案内部分が基体から、たとえば、設定機構を介して除去可能である場合、それ自体が証明される。そのため、使用の柔軟性、それぞれの(resp.)応用の増大がもたらされる。
【0083】
余分の分離ツール案内部分/余分の鋸刃部分が、2つの案内表面の間に貫通スリットを有する場合、そこにでさえ、なされるべき切断の精度を高めることができる。好ましくは、貫通スリットの上端部または下端部を開いたままにしなければならない。
【0084】
余分の分離ツール部分/余分の鋸刃部分が、ブロックから突出し、例えば、開口チャネル又は溝に調整できるように保持されるロッドを含む場合、それ自体が証明される。
【0085】
ネジのようなロック手段を介してロッドをチャネル内部に固定できると有益である。
【0086】
さらに、下顎の担持ブロックが拡張コンポーネントに存在する場合に有益である。
【0087】
そのとき、余分の分離ツール部分/余分の鋸刃部分または下顎の担持ブロックが基体の後表面から(ほぼ)鉛直に突出する場合には望ましい。
【0088】
長穴(slotted hole)が下顎のフレーム内に形成され、長穴の長い横軸が下顎の穴の長手方向によって確定される場合、簡単な位置決めが可能になり、同時に、精度が与えられる。
【0089】
また、中央面に対して鏡面対称である2つの拡張コンポーネントが存在し、中央面は隆起部が置かれる面であり、これに対して、水平支柱が鉛直になっている場合には有益である。
【0090】
一つの有益な例示的実施形態は、両端部から突出する拡張コンポーネントを含む中央コンポーネントが、平均的人間の下顎の外形と(等間隔に)追従するような湾曲形状を有することを更に特徴とする。
【0091】
前面のような少なくとも一つの表面で、ロッドが、ロッドの長手方向に対して横に方向付けされた起伏部またはスクリーニングを有することが更に言及される。
【0092】
下顎のテンプレートが、チタン合金のような金属または高分子のようなプラスチック材から(完全に)作られる場合に有益である。
【0093】
この状況において、例えば、ステンレス鋼、チタン合金、ABSプラスチックのようなプラスチック材が想像できる。
【0094】
本発明は、下顎の切除テンプレートまたは腓骨の骨材除去及び移入テンプレートのそれぞれを請求可能な方法にも関する。したがって、下顎で骨部分を除去する為に、下顎の切除テンプレートが使用されること、さらに/または、腓骨から骨を除去および/または、腓骨の骨材除去及び移入テンプレートによって、腓骨から除去された骨を下顎の領域に移入、そこで、その骨を移植する為に、腓骨の骨材除去及び移入テンプレートが使用されることが請求される。
【0095】
当然のことながら、本発明は、下顎の切除テンプレートおよび腓骨の骨材切除及び移入テンプレート、その使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
以下、異なる実施形態が示された図面により、本発明を詳細に説明する。
【
図1】
図1は、本発明に従う下顎の切除プレートを斜視図で示す。
【
図2】
図2は、異なる(前からの)図で下顎と接触する
図1の下顎の切除プレートを示す、僅かな斜視図である。
【
図3】
図3は、異なる(右側からの)図で下顎と接触する
図1の下顎切除プレートを示す、僅かな斜視図である。
【
図4】
図4は、異なる(左側からの)図で下顎と接触する
図1の下顎切除プレートを示す、僅かな斜視図である。
【
図5】
図5は、異なる(上方からの)図で下顎と接触する
図1の下顎切除プレートを示す、僅かな斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に類似する異なる下顎の更なる表示である。
【
図7】
図7は、
図2に類似する異なる下顎の更なる表示である。
【
図8】
図8は、
図4に類似する異なる下顎の更なる表示である。
【
図9】
図9は、
図3に類似する異なる下顎の更なる表示である。
【
図10】
図10は、本発明に従う腓骨の骨材切除及び移入テンプレートの斜視図である。
【
図11】
図11は、後方から、即ち下顎の側から、腓骨の骨材切除及び移入テンプレートを示す。
【
図12】
図12は、下部補助的切除ブラケットを有する腓骨の骨材切除及び移入テンプレートを示す。
【
図13】
図13は、既に実施された切断部と共に、腓骨に隣接した
図12からの腓骨の骨材切除及び移入テンプレートの上面図を示す。
【
図14】
図14は、除去された残りの骨部分、テンプレートに留められる、移植されるべき骨部分と共に、
図13の腓骨の骨材切除及び移送テンプレートを示す。
【
図15】
図15は、
図12に対応し、共同で複数のスリットを受け入れる、より高度な補助的切除ブラケット及びブロックを備える腓骨の骨材切除及び移入テンプレートを示す。
【
図16】
図16は、
図13に対応し、共同で複数のスリットを受け入れる、より高度な補助的切除ブラケット及びブロックを備える腓骨の骨材切除及び移送テンプレートを示す。
【
図17】
図17は、
図14に対応し、共同で複数のスリットを受け入れる、より高度な補助的切除ブラケット及びブロックを備える腓骨の骨材切除及び移送テンプレートを示す。
【
図18】
図18は、移植される骨片が、交換又は修復されるべき下顎の骨形状に移入される移入位置において、本発明に従う腓骨の骨材切除及び移入テンプレートを示す。
【
図19】
図19は、ふくらはぎ骨/腓骨と接触する、本発明に従う腓骨の骨材切除及び移入テンプレートの他の図(正面図)で示す。
【
図20】
図20は、ふくらはぎ骨/腓骨と接触する、本発明に従う腓骨の骨材切除及び移送テンプレートの他の図(側面図)で示す。
【
図21】
図21は、ふくらはぎ骨/腓骨と接触する、本発明に従う腓骨の骨材切除及び移送テンプレートの他の図(斜視図)で示す。
【
図22】
図22は、
図19に対応した表示形態において、腓骨に取り付けられた腓骨の骨材切除及び移入テンプレートの他の図を示す。
【
図23】
図23は、
図20に対応した表示形態において、腓骨に取り付けられた腓骨の骨材切除及び移入テンプレートの他の図を示す。
【
図24】
図24は、
図21に対応した表示形態において、腓骨に取り付けられた腓骨の骨材切除及び移入テンプレートの他の図を示す。
【
図25】
図25は、
図22と比較した表示形態において、取り付けられた腓骨の骨材切除及び移入テンプレートで切除された骨片を示す。
【
図26】
図26は、
図23と比較した表示形態において、取り付けられた腓骨の骨材切除及び移入テンプレートで切除された骨片を示す。
【
図27】
図27は、
図24と比較した表示形態において、取り付けられた腓骨の骨材切除及び移入テンプレートで切除された骨片を示す。
【
図28】
図28は、第1補助的切除ブラケットと相対して幾何学的に修正され、これによって、切除された骨片が、下顎に類似した形状になるので、移植される準備が整う、補助的移植ブラケットを示す。
【
図29】
図29は、第1補助的切除ブラケットと相対して幾何学的に修正され、これによって、切除された骨片が、下顎に類似した形状になるので、移植される準備が整う、補助的移植ブラケットを示す。
【
図30】
図30は、第1補助的切除ブラケットと相対して幾何学的に修正され、これによって、切除された骨片が、下顎に類似した形状になるので、移植される準備が整う、補助的移植ブラケットを示す。
【
図31】
図31は、残りの下顎に挿入された状態の位置に導かれた腓骨の骨片を上面図で示す。
【
図32】
図32は、残りの下顎に挿入された状態の位置に導かれた腓骨片を正面図で示す。
【
図33】
図33は、残りの下顎に挿入された状態の位置に導かれた腓骨片を斜視図で示す。
【
図34】
図34は、異なる空間表示で(上方から)下顎の領域に移植された骨を示す。
【
図35】
図35は、異なる空間表示で(正面から)下顎領域に移植された骨を示す。
【
図36】
図36は、異なる空間表示で(正面からの斜視で)下顎領域に移植された骨を示す。
【
図37】
図37は、異なる空間表示で(右側斜視で)下顎領域に移植された骨を示す。
【
図38】
図38は、異なる空間表示で(左側斜視で)下顎領域に移植された骨を示す。
【詳細な説明】
【0097】
図面は、単に概略的であり、発明の理解に役立つにすぎない。同一の要素には、同一の参照符合が付けられる。個々の例示的実施形態の特徴は、互いに取り替えられてもよい。
【0098】
図1は、本発明に従う下顎の切除テンプレート1である。下顎の切除テンプレート1は、中央部/中央コンポーネント2を有する。前記中央コンポーネント2は、下顎の結合セグメントに移入されるように準備される。中央コンポーネント2は、両方の外端部に2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分3を含むが、これらの端部は、長手方向軸を画成する。2つの分離ツール案内部分/鋸刃案内部分3の間には、位置決めフィン4が存在する。分離ツール案内部分は、分離ツールと接触する必要はないが、それと比較して、鋸刃案内部分は、ミリングカッタ、鋸刃、任意の他の金属機械加工ツールのような分離ツールと物理的に確かに接触するように設けられる。位置決め補助具は、必ずしも骨と物理的に接触する必要はなく、骨に当接する必要もないが、たとえば、方向付けの為に光学的手段だけ使用してもよい。しかしながら、位置決め補助具を位置決めフィンとして構成する場合、骨の物理的接触が望ましい。前記位置決め補助具/位置決めフィン4は、本発明の特定の実施形態にとって、必ずしも必要なものではない。
【0099】
いずれの場合でも位置決めフィン4は、下顎の方向において、水平ウェブ5から中央コンポーネント2を横切る平面に垂直に突出する。そこには、上水平ウェブ6および下水平ウェブ7がある。位置決めフィン4は、下水平ウェブ7から突出する。この例示的実施形態において、それは、板形状であるが、たとえば、円形、楕円、多角形横断面を有するピン形状でもよい。
【0100】
水平ウェブ5の遠位端部8において、分離ツール案内部分/鋸刃案内部分3は、単体で、ブロック9の形態で一つの材料で配置される。ブロック9には、案内スリット/鋸スリット10が設けられる。各々の分離ツール案内部分/鋸刃案内部分3に対して、一つの案内スリット/鋸スリット10が設けられている。案内スリット/鋸スリット10は、2つの鉛直に整列された骨分離ツール接触面11の間に置かれ、互いに平行に伸びている。
【0101】
下水平ウェブ7の底部および/または前部には、中心線マーカとして、ちょうど上水平ウェブ6の最上部でおよび/または前部と同様に、マーカ12が形成されている。
【0102】
中心線マーカの代わりに、上水平ウェブ6に面する位置決めフィン4の表面13に、位置決めフィン13の長手方向、即ち、下水平ウェブ7から下顎に向かって延びる隆起部(図示せず)を取り付けることができる。前記隆起部は、その後、骨に導入されるノッチに係合し、位置決めするように作用してもよい。
【0103】
一つの拡張コンポーネント14は、中央コンポーネント2の両側から突出する。2つの拡張コンポーネント14は、ここでは、中央コンポーネント2の一体部として設計されている。しかしながら、一つの拡張コンポーネント14又は両方の拡張コンポーネント14は、中央コンポーネント2に、即ち、各ブロック9の外側で、取り外せるように結合されてもよい。このため、突起、凹部のような結合する幾何学形状を有する適した連結場所を、たとえば、ぴったりと適合させる構成形態で、たとえば、底部および停止部を形成しながら設計することができる。
【0104】
いずれの場合も、各拡張コンポーネント14は、基体15を含み、その各端部に、余分の鋸刃案内部分16が存在する。設定機構17は、余分の分離ツール案内部分/余分の鋸刃案内部分16の、基体15からの更なるブロックの形態での変位可能性を保護する為に使用される。ブロック型式の余分の分離ツール案内部分/余分の鋸刃案内部分16においても同様に、複数の貫通スリット18が存在し、これらは、分離ツール案内部分/鋸刃案内部分3におけるスリット/鋸スリットと類似または同一に構成されている。
【0105】
長穴を有する下顎の担持ブロック19は、基体15の端部から、例えば、設定機構17の領域内で、または、その他に、余分の分離ツール案内部分/余分の鋸刃案内部分16から突出する。長穴は、示されていない。その代わり、ここに提示された例示的実施形態には、スリット拡張部20が示されている。そのため、長穴は、スリット拡張部20と置き換えられてもよく、貫通穴として構成された長穴の長手方向軸は、スリット拡張部20のスリットの方向に方向付けされるのが好ましい。
【0106】
設定機構は、前面/前表面22にロッド21を含み、そこに起伏部23が設けられている。ロッド21は、開口設計のチャネル24に係合し、止めネジ形態で、ロック手段25によって所定位置に取り外せるように保持されている。各拡張コンポーネントにおいて、ネジによって下顎の切除テンプレート1を下顎(図示せず)に固定する為に少なくとも2つの貫通穴26が存在する。
【0107】
図2~
図9において、本発明に従う下顎の切除テンプレートは、下顎27に異なる位置で示されている。
【0108】
図10~
図38において、本発明に従う腓骨の骨材切除および移入テンプレートに、それぞれ、腓骨側の骨から切除された骨に、下顎に移植される骨片に、ますます注意が引かれる。
【0109】
たとえば、
図10には、本発明に従う腓骨の骨材切除および移入テンプレート101が図示されている。前記腓骨の骨材切除および移入テンプレート101は、中央部102を含む。その遠位端部の各々において、骨分離ツール案内部分104が存在する。前記骨分離ツール案内部分104は、顎またはブロックの形態にあり、いずれかが、中央部と、対応する中央部102の基体と一体的に連結されてもよく、或いは、そこで移動できるように結合されてもよい。少なくとも一つの骨ツール案内部分104は、それが移動可能であり、押されて閉じられるように装着されるべきである。
【0110】
各々の骨分離ツール案内部分104は、2つの鉛直面105の間に案内スリット106を含む。前記案内スリット106は、前側および後側に開き/浸透性を有する。各案内スリット106は、前側および後側の細長い開口を除いて、材料で完全に取り囲まれている。しかしながら、案内スリット106は、底部で、さらに/または、最上部で開口してもよい。
【0111】
骨分離ツール案内部分104の変位可能性のため、それは、梁部107を設けるのに適している。梁部107は、それを包囲する案内路内で、移動できるように支持されている。固着ネジは、梁部107を固定する為に使用されてもよい。
【0112】
中央部102の中間には、ブラケット受入れ装置108が置かれる。ブラケット受入れ装置108は、ここではクリップ109であり、貫通穴110を有し、そこに、補助的切除ブラケット112の凸型バネ部分111が係合する。それぞれが貫通穴110を受け入れるクリップ109の左側および右側には、骨ネジを受け入れる為の、それぞれの受入れ穴113が設けられ、これにより、腓骨の骨への取付けを実行することができる。受入れ穴113は、孔の形態で構成される。
【0113】
中央部102の両側には、それぞれの補充的なコンポーネント114が隣接する。そのため、補充的なコンポーネント114の間には、中央部102の中央体115が配置される。
【0114】
補充的なコンポーネント114の各々は、更なる骨分離ツール案内部分104を含む。そのとき、補充的なコンポーネント114の前記骨分離ツール案内部分104は、変位機構116を介して変位できるように維持される。したがって、2つのそれぞれの案内ウェブ117が使用され、これらの両方が、スクリーニング119を形成するように、それらの前側にリブ、ノッチ、停止部を有する。次に、クリップ109の形態のブラケット受入れ装置108が設けられ、そこに、補助的切除ブラケット112の両端部が係合する。補助的切除ブラケット112およびクリップ109の間の連結は、前述されたものと類似または同一になるように構成される。
【0115】
補充的コンポーネント114の各々において、同様に、貫通穴110が設けられ、ネジを介して骨への固定を可能にする補助的切除ブラケット112は、テンプレートを固着する為に取り外せる。止めネジ120は、柔軟スリットを固着する為に使用される。
【0116】
図10において、腓骨の骨材切除および移入テンプレートが、前から実質的に示されているが、
図11には、それが後から、すなわち、腓骨の骨から見たときが、実質的に表示されている。このため、後側が見える。補充的コンポーネント114の長さは、45.2mm~66.2mmで変化すべきであるのが好ましい。中央部102の連続した長さは、30mmであるのが好ましいが、固着されてもよい。
【0117】
図12および
図15において、
図13,
図14,
図16,
図17におけるように、腓骨の骨122の部分に対する固定を得るために、既に骨ネジ121が挿入される。
図18において、補助的移植ブラケット123が使用されるが、これは、補助的切除ブラケット112とは幾何学形状が僅かに異なる。そのとき、腓骨の骨122の個々の部分は、下顎の切除テンプレート1によって予め画定されたように類似の空間位置に、好ましくは同一の空間位置に、完全に新たに配置される。遠位最外骨分離ツール案内部分104が除去されている。これは、中央部102の骨分離ツール案内部分104にも当てはまる。鋸スリットまたは対応する案内スリット106は、セグメントが「当接するように」設定できるように除去されている。
【0118】
取付け、切断、切除、後の組立の作業は、
図19~
図38から明らかに推測することができる。
【0119】
【参照符合の説明】
【0120】
1…下顎の切除テンプレート、2…中央部/中央コンポーネント、3…分離ツール案内部分/鋸刃案内部分、4…位置決め補助具/位置決めフィン、5…水平ウェブ、6…上水平ウェブ、7…下水平ウェブ、8…水平ウェブの遠位端、9…ブロック、10…鋸スリット、11…分離ツール接触面、12…マーカ、13…位置決めフィンの表面、14…拡張コンポーネント、15…基体、16…余分の分離ツール案内部分/余分の鋸刃案内部分、17…設定機構、18…通りスリット、19…下顎の担持ブロック、20…スリット拡張部、21…ロッド、22…前表面、23…起伏部、24…チャネル、25…ロック手段、26…通り穴、27…下顎、101…腓骨の骨材除去及び移入テンプレート、102…中央部、103…端部、104…骨分離ツール案内部分、105…鉛直面、106…案内スリット、107…梁部、108…ブラケット受入れ装置、109…クリップ、110…通り穴、111…バネ部分、112…補助的切除ブラケット、113…受入れ穴、114…補充コンポーネント、115…中央体、116…変位機構、117…案内ウェブ、118…前側、119…スクリーニング、120…止めネジ、121…骨ネジ、122…腓骨側の骨、123…補助的移植ブラケット。