(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】画像プリントシステム、サーバ装置及び画像プリント装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20221109BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221109BHJP
G07F 17/26 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G06F3/12 367
G06Q50/10
G07F17/26
G06F3/12 372
G06F3/12 387
G06F3/12 303
(21)【出願番号】P 2018095488
(22)【出願日】2018-05-17
【審査請求日】2021-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】廓 健一郎
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-043364(JP,A)
【文献】特開2013-251679(JP,A)
【文献】特開2016-201144(JP,A)
【文献】特開2003-248567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0160997(US,A1)
【文献】特開2004-199606(JP,A)
【文献】特開2007-208625(JP,A)
【文献】特開2016-066210(JP,A)
【文献】特開2016-016558(JP,A)
【文献】特開2012-253416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06Q 50/10
G07F 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザ端末から画像データを受信し、前記画像データを保存する保存領域を識別する識別情報を生成し、前記保存領域にアクセスするための位置情報と前記識別情報とを前記第1ユーザ端末へ送信し、前記位置情報を用いてアクセスしてきた第2ユーザ端末から画像データを受信し、受信した画像データを前記保存領域に保存するサーバ装置と、
前記識別情報の入力を受け付け、入力された前記識別情報を前記サーバ装置に通知する画像プリント装置と、
を備え、
前記サーバ装置は、前記画像プリント装置から前記識別情報が通知されると、前記識別情報に対応する保存領域に保存されている画像データを前記画像プリント装置へ送信し、
前記画像プリント装置は、前記サーバ装置から受信した画像データの一覧を表示し、画像の選択を受け付け、選択された画像のプリント処理を行ってプリント物を出力し、プリントした画像を示す履歴情報を前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、前記履歴情報の受信後に前記画像プリント装置から前記識別情報が通知されると、前記識別情報に対応する保存領域に保存されている画像データと前記履歴情報とを前記画像プリント装置へ送信することを特徴とする画像プリントシステム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、ユーザ端末から画像データを受信する際にユーザ名を取得し、前記画像プリント装置へ前記画像データと共に前記ユーザ名を送信し、
前記画像プリント装置は、前記ユーザ名に基づいて画像を分類して表示し、前記ユーザ名の一覧を表示してユーザ名の選択を受け付け、選択されたユーザ名を前記サーバ装置に通知し、
前記サーバ装置は、前記画像プリント装置から通知されたユーザ名以外のユーザ名に対応するユーザ端末に対し、プリント出力を促すメッセージを送信することを特徴とする請求項1に記載の画像プリントシステム。
【請求項3】
前記画像プリント装置は、前記ユーザ名の一覧とともにアップロード催促ボタンを表示し、前記アップロード催促ボタンが押されると、連絡先情報の入力を受け付け、入力された前記連絡先情報を前記サーバ装置に通知し、
前記サーバ装置は、前記連絡先情報に示される連絡先に画像のアップロードを催促するメッセージを送信することを特徴とする請求項2に記載の画像プリントシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、前記第2ユーザ端末から画像データを受信したことを前記第1ユーザ端末に通知することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像プリントシステム。
【請求項5】
前記画像プリント装置は、複数の編集アイテムを格納する記憶部、及び前記編集アイテムの選択を受け付け、前記画像データの編集を行う編集部を有し、前記画像データを解析し、おすすめの編集アイテムを選択して表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像プリントシステム。
【請求項6】
前記画像プリント装置は複数台設けられており、各画像プリント装置は、複数の編集アイテムを格納する記憶部、及び前記編集アイテムの選択を受け付け、前記画像データの編集を行う編集部を有し、
第1の画像プリント装置は、前記編集部により編集された編集済み画像データを前記サーバ装置へ送信し、
前記サーバ装置は、第2の画像プリント装置から前記識別情報が通知されると、前記識別情報に対応する保存領域に保存されている画像データと、前記第1の画像プリント装置から受信した前記編集済み画像データとを前記第2の画像プリント装置へ送信することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像プリントシステム。
【請求項7】
前記画像プリント装置は複数台設けられており、各画像プリント装置は、複数の編集アイテムを格納する記憶部、及び前記編集アイテムの選択を受け付け、前記画像データの編集を行う編集部を有し、
複数の画像プリント装置は前記サーバ装置を介して通信し、画像編集画面を共有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像プリントシステム。
【請求項8】
第1ユーザ端末から画像データを受信し、記憶部に前記画像データを保存する保存領域を生成し、前記保存領域に前記画像データを保存する画像受信部と、
前記保存領域を識別する識別情報と、前記保存領域にアクセスするための位置情報を生成する生成部と、
前記識別情報及び前記位置情報を前記第1ユーザ端末へ送信する情報送信部と、
画像プリント装置から通知された識別情報に対応する保存領域を特定する特定部と、
特定した保存領域に保存されている画像データを前記画像プリント装置へ送信する画像送信部と、
を備え、
前記画像受信部は、前記位置情報を用いてアクセスしてきた第2ユーザ端末から画像データを受信し、受信した画像データを前記保存領域に保存し、
前記画像プリント装置からの識別情報の通知が、前記第2ユーザ端末からのアクセス後である場合、前記画像送信部は、前記第1ユーザ端末から受信した画像データ及び前記第2ユーザ端末から受信した画像データを前記画像プリント装置へ送信し、
前記画像プリント装置への画像データの送信後に、前記画像プリント装置から、プリントした画像を示す履歴情報を受信し、前記履歴情報の受信後に前記画像プリント装置から前記識別情報が通知されると、前記識別情報に対応する保存領域に保存されている画像データと前記履歴情報とを前記画像プリント装置へ送信することを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像プリントシステム、サーバ装置及び画像プリント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやスマートフォン等で撮影した画像のデジタルデータを読み込んでプリント出力する画像プリント装置が様々な場所に設置されている。例えば、利用者は、デジタルカメラで撮影した画像データが記憶された記憶媒体を持参し、記憶媒体内の画像データを画像プリント装置に読み込ませる。画像プリント装置は、記憶媒体から読み込んだ画像データを、内部に収容するプリンタからプリント出力する。
【0003】
複数人で旅行へ行った場合、各自のスマートフォンやデジタルカメラに画像が保存されている。各利用者は、自分のスマートフォン等に保存された画像については、上述の画像プリント装置から簡単にプリント出力できる。しかし、他のメンバーのスマートフォン等に保存された画像については、互いにデータを送り合う必要があり、手間がかかっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の実状に鑑みてなされたものであり、複数の利用者が画像を共有し、画像プリント装置から共有画像を簡便にプリント出力できる画像プリントシステム、サーバ装置及び画像プリント装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による画像プリントシステムは、第1ユーザ端末から画像データを受信し、前記画像データを保存する保存領域を識別する識別情報を生成し、前記保存領域にアクセスするための位置情報と前記識別情報とを前記第1ユーザ端末へ送信するサーバ装置と、前記識別情報の入力を受け付け、入力された前記識別情報を前記サーバ装置に通知する画像プリント装置と、を備え、前記サーバ装置は、前記画像プリント装置から前記識別情報が通知されると、前記識別情報に対応する保存領域に保存されている画像データを前記画像プリント装置へ送信し、前記画像プリント装置は、前記サーバ装置から受信した画像データを用いてプリント処理を行い、プリント物を出力するものである。
【0007】
本発明の一態様による画像プリントシステムにおいて、前記サーバ装置は、前記位置情報を用いてアクセスしてきた第2ユーザ端末から画像データを受信し、受信した画像データを前記保存領域に保存する。
【0008】
本発明の一態様による画像プリントシステムにおいて、前記サーバ装置は、前記第2ユーザ端末から画像データを受信したことを前記第1ユーザ端末に通知する。
【0009】
本発明の一態様による画像プリントシステムにおいて、前記サーバ装置は、ユーザ端末から画像データを受信する際にユーザ名を取得し、前記画像プリント装置へ前記画像データと共に前記ユーザ名を送信し、前記画像プリント装置は、前記ユーザ名に基づいて画像を分類して表示する。
【0010】
本発明の一態様による画像プリントシステムにおいて、前記画像プリント装置は、複数の編集アイテムを格納する記憶部、及び前記編集アイテムの選択を受け付け、前記画像データの編集を行う編集部を有し、前記画像データを解析し、おすすめの編集アイテムを選択して表示する。
【0011】
本発明の一態様による画像プリントシステムにおいて、前記画像プリント装置は複数台設けられており、各画像プリント装置は、複数の編集アイテムを格納する記憶部、及び前記編集アイテムの選択を受け付け、前記画像データの編集を行う編集部を有し、第1の画像プリント装置は、前記編集部により編集された編集済み画像データを前記サーバ装置へ送信し、前記サーバ装置は、第2の画像プリント装置から前記識別情報が通知されると、前記識別情報に対応する保存領域に保存されている画像データと、前記第1の画像プリント装置から受信した前記編集済み画像データとを前記第2の画像プリント装置へ送信する。
【0012】
本発明の一態様による画像プリントシステムにおいて、前記画像プリント装置は複数台設けられており、各画像プリント装置は、複数の編集アイテムを格納する記憶部、及び前記編集アイテムの選択を受け付け、前記画像データの編集を行う編集部を有し、複数の画像プリント装置は前記サーバ装置を介して通信し、画像編集画面を共有する。
【0013】
本発明によるサーバ装置は、第1ユーザ端末から画像データを受信し、記憶部に前記画像データを保存する保存領域を生成し、前記保存領域に前記画像データを保存する画像受信部と、前記保存領域を識別する識別情報と、前記保存領域にアクセスするための位置情報を生成する生成部と、前記識別情報及び前記位置情報を前記第1ユーザ端末へ送信する情報送信部と、画像プリント装置から通知された識別情報に対応する保存領域を特定する特定部と、特定した保存領域に保存されている画像データを前記画像プリント装置へ送信する画像送信部と、を備え、前記画像受信部は、前記位置情報を用いてアクセスしてきた第2ユーザ端末から画像データを受信し、受信した画像データを前記保存領域に保存し、前記画像プリント装置からの識別情報の通知が、前記第2ユーザ端末からのアクセス後である場合、前記画像送信部は、前記第1ユーザ端末から受信した画像データ及び前記第2ユーザ端末から受信した画像データを前記画像プリント装置へ送信するものである。
【0014】
本発明による画像プリント装置は、本発明のサーバ装置と通信可能に接続された画像プリント装置であって、識別情報の入力を受け付ける入力部と、入力された識別情報を前記サーバ装置に通知し、前記サーバ装置から画像データを受信する通信部と、複数の編集アイテムを格納する記憶部と、前記編集アイテムの選択を受け付け、前記画像データの編集を行う編集部と、編集済み画像データを印刷するプリンタと、を備え、前記通信部は、前記前記編集済み画像データを前記識別情報と共に前記サーバ装置へ送信するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数の利用者が画像を共有し、画像プリント装置から共有画像を簡便にプリント出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像プリントシステムの概略構成図である。
【
図2】同実施形態に係る画像プリント方法の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る画像プリントシステムの概略構成図である。画像プリントシステムは、サーバ装置1と画像プリント装置2とを備える。画像プリントシステムは、複数の利用者が、各自が所有する画像をサーバ装置1にアップロードして画像を共有できるようにし、この共有画像を画像プリント装置2からプリント出力するものである。
図1には1台の画像プリント装置2を示しているが、画像プリント装置2は複数台あってもよい。
【0019】
利用者A,B,Cが画像を共有し、画像プリント装置2からプリント出力する方法を
図2に示すフローに沿って説明する。例えば、利用者A,B,Cは一緒に旅行へ行き、利用者A,Bは、スマートフォンやタブレット端末であるユーザ端末3A,3Bで旅行中に写真を撮影し、利用者Cはデジタルカメラ4で写真を撮影した。利用者Cはデジタルカメラ4の撮影画像データをPC等のユーザ端末3Cへ転送し、保存している。
【0020】
まず、利用者Aが、ユーザ端末3Aを利用してサーバ装置1に画像をアップロードする(ステップS1)。例えば、ユーザ端末3Aにインストールされているアプリ(アプリケーションプログラム)を実行してサーバ装置1にアクセスし、画像保管フォルダの新規作成を指示し、ユーザ端末3A内の画像を選択してアップロードする。
【0021】
サーバ装置1は、画像保管フォルダ(保存領域)を生成し、このフォルダに、ユーザ端末3Aから受信した画像データを保存する(ステップS2)。サーバ装置1は、この画像保管フォルダを識別する識別情報(認証コード)を生成する(ステップS3)。例えば、識別情報は、複数桁の英数字からなる。また、サーバ装置1は、この画像保管フォルダにアクセスするための位置情報(URL:Uniform Resource Locator)も生成する。
【0022】
サーバ装置1は、識別情報及び位置情報をユーザ端末3Aに送信する(ステップS4)。利用者Aは、この識別情報及び位置情報をユーザ端末3B、3Cへ送信する(ステップS5)。ユーザ端末3B、3Cへの識別情報及び位置情報の送信方法はEメールを用いたものでもよいし、メッセージサービスを利用したものでもよい。
【0023】
利用者Bは、ユーザ端末3Bを利用し、受信した位置情報を用いてサーバ装置1の画像保管フォルダにアクセスし、識別情報を入力して認証処理を行った後、ユーザ端末3B内に保存されている画像をアップロードする(ステップS6)。サーバ装置1は、ユーザ端末3Bから受信した画像データをこのフォルダに保存する(ステップS7)。
【0024】
利用者Cは、ユーザ端末3Cを利用し、受信した位置情報を用いてサーバ装置1の画像保管フォルダにアクセスし、識別情報を入力して認証処理を行った後、ユーザ端末3C内に保存されている画像をアップロードする(ステップS8)。サーバ装置1は、ユーザ端末3Cから受信した画像データをこのフォルダに保存する(ステップS9)。これにより、利用者A,B,Cが所有する画像が同一の画像保管フォルダに格納される。
【0025】
利用者Aは、画像プリント装置2を操作し、ステップS4でサーバ装置1から通知された識別情報(認証コード)を画像プリント装置2に入力する(ステップS10)。画像プリント装置2は、入力された識別情報をサーバ装置1へ送信する(ステップS11)。
【0026】
サーバ装置1は、画像プリント装置2から受信した識別情報に対応する画像保管フォルダ内の画像データを画像プリント装置2へ送信する(ステップS12)。画像プリント装置2は、サーバ装置1から受信した画像の一覧画面を表示する(ステップS13)。この一覧画面には、利用者Aがアップロードした画像だけでなく、利用者B,Cがアップロードした画像も含まれている。
【0027】
利用者Aは、画像一覧画面の中から気に入った画像を選択し、画像プリント装置2に貨幣を投入して料金を支払う(ステップS14)。画像プリント装置2は、選択された画像を用紙にプリントして出力する(ステップS15)。利用者Aは、出力されたプリント物を入手する(ステップS16)。
【0028】
利用者B,Cも同様にして画像プリント装置2に識別情報を入力することで、利用者A,B,Cで共有している画像をプリント出力できる。
【0029】
このように、本実施形態によれば、利用者A,B,Cが所有する画像を共有できるようにサーバ装置1で保管し、画像プリント装置2に識別情報を入力することで共有画像の一覧が表示され、好みの画像を簡便にプリント出力できる。
【0030】
例えば、Eメールを利用して互いに画像データを送り合って画像を共有する場合、Eメールサーバで設定されている制限以上のデータは送受信できず、画像を複数のEメールに分けて送信する必要があり手間がかかる。また、スマートフォンやUSBメモリ等に保存した共有画像を画像プリント装置2に転送する手間もかかる。
【0031】
これに対し、本実施形態によれば、画像をサーバ装置1へアップロードすればよいため、Eメール等と比較して、送信データサイズを気にする必要性は小さい。また、画像プリント装置2に識別情報を入力するだけで画像プリント装置2がサーバ装置1から共有画像を取得するため、利用者の手間が軽減される。
【0032】
次に、サーバ装置1について説明する。
図3に示すように、サーバ装置1は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ、ハードディスク装置等を含む記憶部10を有したコンピュータであり、記憶部10には画像共有プログラムが格納されている。
【0033】
サーバ装置1のCPUが画像共有プログラムを実行することで、
図3に示すように、画像受信部11、識別情報生成部12、情報送信部13、識別情報受信部14、保管フォルダ特定部15、及び画像送信部16の機能が実現される。
【0034】
画像受信部11は、ユーザ端末からアップロードされた画像を受信する。ユーザ端末から画像保管フォルダの作成が指示された場合、画像受信部11は、記憶部10に画像保管フォルダFを作成し、このフォルダFに受信した画像を保存する。ユーザ端末が、フォルダFを指定する位置情報(URL)を用いてアクセスしてきた場合、画像受信部11は、指定されたフォルダFに、ユーザ端末から受信した画像を保存する。
【0035】
識別情報生成部12は、記憶部10に画像保管フォルダFを作成した場合、このフォルダFを一意に識別する識別情報を生成する。識別情報は、例えば、4~16桁程度の英数字からなる。識別情報生成部12は、フォルダFにアクセスするための位置情報(URL)の生成を行ってもよい。
【0036】
情報送信部13は、記憶部10に画像保管フォルダFを作成した場合、このフォルダFの識別情報と、インターネット等を介してこのフォルダFにアクセスするための位置情報(URL)とを、画像保管フォルダの作成指示を行ったユーザ端末へ送信する。
【0037】
識別情報受信部14は、画像プリント装置2から識別情報を受信する。
【0038】
保管フォルダ特定部15は、画像プリント装置2から受信した識別情報に対応する画像保管フォルダFを特定する。
【0039】
画像送信部16は、保管フォルダ特定部15が特定した画像保管フォルダFに保存されている画像データを画像プリント装置2へ送信する。
【0040】
次に、画像プリント装置2について説明する。
図4は画像プリント装置2のブロック構成図であり、
図5は画像プリント装置2の斜視図である。
図4に示すように、画像プリント装置2は、第1タッチパネル20A、第2タッチパネル20B、データ入力部21、課金部22、プリンタ23、CPU(中央処理部)24、ディスク装置(記憶部)25、メインメモリ26、及び通信部27を有する。
【0041】
図5に示すように、第1タッチパネル20Aは筐体Hの天板2A部分に設けられ、第2タッチパネル20Bは筐体Hの上部に設けられている。第1タッチパネル20Aへの入力操作を行い易いように、天板2A及び第1タッチパネル20Aの画面は、手前側が低く奥側が高くなるようにやや傾斜している。第2タッチパネル20Bのディスプレイ画面は、略垂直に立った状態となっている。
【0042】
第1タッチパネル20A及び第2タッチパネル20Bは、画像を含む情報を表示したり、利用者から各種指示の入力を受け付けたりする。第1タッチパネル20Aは、識別情報入力画面、画像一覧を表示してプリント出力する画像データの選択やプリント枚数指定などを受け付ける注文画面、画像にスタンプ等を合成する編集を行う編集画面、注文内容や請求金額の確認画面等を表示する。タッチパネルの代わりに、タッチ機能のないディスプレイ及びプッシュボタン等を設けてもよい。
【0043】
データ入力部21は、デジタルカメラ等で撮影した画像データが記憶された記憶媒体から画像データを読み取ることで、画像データの入力を受け付ける。データ入力部21は、様々な記憶媒体に対応したデータ読取装置を有している。また、データ入力部21は、赤外線通信又は無線通信により携帯端末から画像データの入力を受け付けることができる。
図5に示すように、データ入力部21は筐体Hの上部、具体的には筐体Hの天板2Aと第2タッチパネル20Bとの間に設けられている。
【0044】
図5に示すように、課金部22は、筐体Hの前面側に設けられた硬貨投入口22A、紙幣投入口22B、釣銭返却口22Cを有し、硬貨投入口22A及び紙幣投入口22Bから投入された貨幣を識別計数し、釣銭を釣銭返却口22Cから放出する。課金部22は、プリント枚数、単価、請求金額、投入金額、釣銭額等をレシートに印字して出力するレシートプリンタを有していてもよい。
【0045】
プリンタ23は、昇華型又はインクジェット型などの高解像度カラープリンタであり、注文内容に基づいて、画像データをプリントして出力する。プリンタ23は筐体H内に収容されている。プリンタ23は複数台設置されていてもよい。
図5に示すように、筐体Hの前面側には、透明な開閉扉Dが開閉自在に設けられている。開閉扉Dの裏面側には、プリンタ23がプリント出力したプリント物が集積される集積部(図示せず)が設けられており、開閉扉Dを開けると集積部に集積されたプリント物を取り出せるようになっている。
【0046】
ディスク装置25(記憶部)は、制御プログラム、及び画像データに対して合成可能な複数の編集アイテムを格納する。ディスク装置25は例えばハードディスクドライブである。
【0047】
CPU24は、ディスク装置25内の制御プログラムをメインメモリ26にロードし、制御プログラムを実行することで、第1タッチパネル20A、第2タッチパネル20B、課金部22、プリンタ23、通信部27等を制御する制御部として機能する。
【0048】
制御部は、第1タッチパネル20Aに識別情報入力画面を表示する。利用者が識別情報入力画面を操作して識別情報を入力すると、通信部27が識別情報をサーバ装置1へ送信する。
【0049】
通信部27が、識別情報に対応する画像データをサーバ装置1から受信すると、制御部は受信した画像を縮小したサムネイル画像の一覧を含む注文画面を第1タッチパネル20Aに表示する。注文画面には画像毎にプリント枚数増減ボタンが設けられており、このボタンを押下することで、各画像のプリント枚数を指定し、印刷注文を入力することができる。
【0050】
また、注文画面には画像毎に編集ボタンが設けられている。編集ボタンを押下すると、第1タッチパネル10Aの表示が、この画像を編集する編集画面に切り替わる。編集画面を操作し、スタンプ等の編集アイテムを画像に合成したり、文字を入力したりする。制御部は、画像の編集加工を行う編集部としての機能を有する。
【0051】
プリント注文が完了すると、制御部は、利用者からの注文内容に基づく請求金額を第1タッチパネル20Aに表示する。利用者が貨幣を投入すると、課金部22は投入された貨幣を計数し、釣銭の出金やレシートの印字等を行う。
【0052】
このようなサーバ装置1及び画像プリント装置2を有する画像プリントシステムを用いることで、複数の利用者がサーバ装置1に画像をアップロードして画像が共有できるようになる。利用者が画像プリント装置2に識別情報を入力すると、画像プリント装置2が対応する共有画像をサーバ装置1から取得し、画像一覧を表示する。利用者は、画像一覧から好みの画像を選択してプリント出力できる。
【0053】
上記実施形態において、サーバ装置1は、識別情報を示す二次元コード画像を作成してユーザ端末へ送信してもよい。画像プリント装置2には、二次元コードを読み取る読取機が設けられ、利用者によって提示された二次元コードを読み取って識別情報を取得する。
【0054】
サーバ装置1は、所定の保管期限経過後に、画像保管フォルダF内の画像を消去してもよい。
【0055】
サーバ装置1は、アップロードした利用者毎に画像を分類し、画像プリント装置2へ画像を送信する際に、分類情報もあわせて送信してもよい。画像プリント装置2は、分類情報に基づいて画像をアップロードした利用者別に画像を表示してもよい。
【0056】
例えば、サーバ装置1は、ユーザ端末3Aからアップロードされた画像については撮影者I、ユーザ端末3Bからアップロードされた画像については撮影者II、ユーザ端末3Cからアップロードされた画像については撮影者IIIという分類情報を付与する。画像プリント装置2は、撮影者I、II、III毎にグループ化して画像を表示する。
【0057】
画像プリント装置2は、利用者からの操作により、タッチパネル20Aとタッチパネル20Bとにグループ化した画像を分割して表示してもよい。例えば、画像プリント装置2を操作している利用者Aは、自身がアップロードした画像(撮影者Iの画像)をタッチパネル20Bに表示し、利用者B,Cがアップロードした画像(撮影者II、IIIの画像)をタッチパネル20Aに表示する。
【0058】
この場合、利用者Aは撮影者Iが自分であることは分かるが、撮影者II、IIIが利用者B、Cのどちらか分からない。そのため、ユーザ端末3A~3Cからサーバ装置1に画像をアップロードする際に、自分の名前(ニックネーム等)を入力できるようにしてもよい。入力された名前が分類情報として利用される。
【0059】
画像プリント装置2は、画像解析を行い、画像におすすめの編集アイテムを提案してもよい。例えば、タッチパネル20Aに表示するサムネイル画像の一覧から利用者が選択した画像の解析を行い、おすすめの編集アイテムをタッチパネル20Bに表示する。例えば、画像が集合写真の場合、おすすめのフレームを提案したり、子供が写っている場合、おすすめの色味を提案したりする。
【0060】
利用者が画像プリント装置2で編集加工した編集済みの画像を画像プリント装置2がサーバ装置1へ送信し、同じ画像保管フォルダFに保存してもよい。例えば、利用者Aが画像プリント装置2で編集加工した編集加工後の画像が識別情報と共にサーバ装置1へ送信される。サーバ装置1は、識別情報に対応する画像保管フォルダFに編集加工した画像を保存する。その後、利用者Bが画像プリント装置2に識別情報を入力した際、利用者A~Cがアップロードした画像に加えて、利用者Aが編集加工した画像もサーバ装置1から画像プリント装置2へ送信され、一覧画面に表示される。利用者Bは、利用者Aによる編集済みの画像を楽しむことができる。
【0061】
利用者Aがどの画像をプリントしたかの履歴情報を画像プリント装置2からサーバ装置1へ送信してもよい。利用者Bが画像プリント装置2に識別情報を入力した際、この履歴情報もサーバ装置1から画像プリント装置2へ送信される。利用者Bは、利用者Aがどの画像をプリントしたかを知ることができる。
【0062】
画像プリント装置2は、プリント処理後、利用者から、この利用者に相当する分類情報(上述の撮影者I、II、IIIや、名前)の選択を受け付け、サーバ装置1に通知してもよい。サーバ装置1は、画像プリント装置2から通知された分類情報から、まだプリント出力を行っていない利用者に対してプリント出力を促すメッセージを送信してもよい。
【0063】
例えば、利用者Aは、画像プリント装置2でのプリント処理後、画像をアップロードした人のニックネーム一覧から自分のニックネームを選択する。画像プリント装置2は、選択されたニックネームをサーバ装置1に通知する。サーバ装置1は、このニックネーム以外の利用者(利用者B、C)のユーザ端末(3B、3C)へプリント出力を促すメッセージを送信する。
【0064】
画像プリント装置2は、サーバ装置1から、画像データと画像をアップロードした利用者のニックネームとを受信し、タッチパネル20Aに表示する際に、アップロード催促ボタンを表示してもよい。例えば、利用者Aは、画像をアップロードした利用者のニックネームを確認し、利用者Bが未だ画像をアップロードしていないことが分かると、アップロード催促ボタンを押し、利用者Bの連絡先(Eメールアドレス等)を入力する。画像プリント装置2は、入力された連絡先をサーバ装置1に通知する。サーバ装置1は、この連絡先に画像のアップロードを催促するメッセージ(Eメール等)を送信する。
【0065】
サーバ装置1は、画像のアップロードがあったことを利用者に通知してもよい。例えば、まず、利用者Aが画像保管フォルダの作成を指示し、画像をアップロードする。利用者Aは、識別情報及び位置情報を利用者B,Cに通知する。利用者B又はCが位置情報を用いて画像保管フォルダにアクセスし、画像をアップロードすると、サーバ装置1は画像のアップロードがあったことを利用者Aに通知する。利用者Aはこの通知を受け取った後、画像プリント装置2を操作し、画像のプリント出力を行う。これにより、利用者Aが画像プリント装置2を操作する際に、利用者A以外の人が誰も未だ画像をアップロードしていないという状況になることを防止できる。
【0066】
画像プリント装置2にチャット機能を持たせ、複数の画像プリント装置2でリアルタイムに画像編集を行えるようにしてもよい。例えば、利用者Aが第1画像プリント装置に識別情報を入力し、サーバ装置1から共有画像を取得し、画像の編集を行う。この時、利用者Bが第2画像プリント装置に同じ識別情報を入力し、第2画像プリント装置が識別情報をサーバ装置1へ送信すると、サーバ装置1は、第1画像プリント装置及び第2画像プリント装置に対し、チャット機能を使用するか問い合わせる。両方の画像プリント装置からチャット機能の使用許諾があると、両方の画像プリント装置に共通の編集画面を表示させ、第1画像プリント装置と第2画像プリント装置とがサーバ装置1を介して通信することで、利用者A、Bが共同で編集作業を行うことができるようになる。2台でなく、3台以上の画像プリント装置で同時リアルタイム編集を行ってもよい。
【0067】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 サーバ装置
2 画像プリント装置
3A,3B,3C ユーザ端末
4 デジタルカメラ