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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】昇降装置、メディア支持装置、記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 19/12 20060101AFI20221109BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20221109BHJP
   B41J 15/16 20060101ALI20221109BHJP
   B65H 19/30 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B65H19/12 B
B41J2/01 301
B41J15/16
B65H19/30
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018124078
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020001901
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 洋次
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-166915(JP,A)
【文献】特開平06-340357(JP,A)
【文献】特開2012-149547(JP,A)
【文献】特開平06-115770(JP,A)
【文献】実開平05-003246(JP,U)
【文献】特開2014-144557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00
B65H 18/00
B65H 19/00
B65H 20/00
B41J 2/01
B41J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状メディアの幅方向としての第1方向に延在するレールに取り付け可能であり、前記ロール状メディアを載置可能な昇降装置であって、
前記ロール状メディアを載置可能な載置部と、
前記第1方向と直交する第2方向に延在するシャフトと、
前記シャフトに固定され、前記シャフトを支点として回転するレバーと、
前記シャフトに固定され、前記シャフトを支点として回転し、前記レバーの回転運動を前記第1方向及び前記第2方向と直交する鉛直上方向または鉛直下方向の搖動運動に変換するカムと、
前記カムによって前記鉛直上方向または前記鉛直下方向に昇降し、前記載置部を支持する昇降部と、
前記昇降部を収容する基部と、
を備え、
前記レバーは、前記第2方向と直交する方向に延びることを特徴とする昇降装置。
【請求項2】
請求項1に記載の昇降装置であって、
前記第2方向から見た場合、前記ロール状メディアが載置される前記載置部の載置面は、前記鉛直上方向に凸となるように湾曲していることを特徴とする昇降装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の昇降装置であって、
前記載置部に対して前記第1方向側に位置し、前記鉛直下方向側から前記ロール状メディアを載置可能な第2載置部をさらに有し、
前記第2方向から見た場合、前記ロール状メディアが載置される前記第2載置部の載置面は、前記鉛直上方向に凸となるように湾曲していることを特徴とする昇降装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の昇降装置であって、
前記昇降部は、前記基部の内側に配置される第1昇降部と、前記第1昇降部によって支持され前記載置部を支持する第2昇降部と、を含むことを特徴とする昇降装置。
【請求項5】
請求項4に記載の昇降装置であって、
前記基部と前記第1昇降部との間、及び前記第1昇降部と前記第2昇降部との間には、転動体が設けられていることを特徴とする昇降装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の昇降装置であって、
前記カムは、前記第2方向に沿って複数設けられていることを特徴とする昇降装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の昇降装置であって、
前記レバーを保護する保護カバーをさらに有し、
前記保護カバーの前記鉛直上方向側には、前記基部から遠ざかるに従って前記鉛直下方向に傾斜する傾斜面が設けられていることを特徴とする昇降装置。
【請求項8】
前記第1方向に延在する前記レールと、
前記レールに取付けられ、前記第1方向に移動可能であり、請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の昇降装置と、
前記レールに取付けられ、前記第1方向に移動可能であり、前記ロール状メディアを支持可能な支持部と、
を備えることを特徴とするメディア支持装置。
【請求項9】
請求項8に記載のメディア支持装置であって、
前記昇降装置は、第1昇降装置と、前記第1昇降装置とは独立して前記第1方向に移動可能な第2昇降装置と、を含み、
前記レバーは、前記第1昇降装置が備える第1レバーと、前記第2昇降装置が備える第2レバーと、を含み、
前記第1レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する第1平面に含まれ、
前記第2レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する第2平面に含まれ、
前記第2方向において、前記第1平面は、前記第2平面に対してずれていることを特徴とするメディア支持装置。
【請求項10】
請求項8に記載のメディア支持装置であって、
前記昇降装置は、第1昇降装置と、前記第1昇降装置とは独立して前記第1方向に移動可能な第2昇降装置と、を含み、
前記レバーは、前記第1昇降装置が備える第1レバーと、前記第2昇降装置が備える第2レバーと、を含み、
前記第1レバー及び前記第2レバーは、前記第2方向と直交する方向に延び、
前記第2方向において、前記第1レバーは、前記第2レバーに対してずれていることを特徴とするメディア支持装置。
【請求項11】
メディアに画像を記録する記録部と、
前記メディアをロール状に巻き取り、前記ロール状メディアを支持する請求項8乃至10のうちいずれか1項に記載のメディア支持装置と、
を有することを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降装置、当該昇降装置を備えるメディア支持装置、及び当該メディア支持装置を備える記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、媒体(メディア)がロール状に巻き重ねられたロール媒体(ロール状メディア)からメディアが供給され、記録が終了したメディアをロール状に巻き取って回収する所謂ロール・ツー・ロール方式の大型の印刷装置(記録装置)が知られている。
例えば、特許文献1に記載の記録装置は、ロール状メディアからメディアを巻き解いて送り出す繰り出し手段と、メディアに所望の画像を記録する記録部と、メディアをロール状に巻き取る巻き取り手段と、ロール状メディアを載置可能な昇降装置とを有している。昇降装置は、メディアの幅方向に延設されるガイド部と、ガイド部に対して摺動可能な基体部と、操作レバーと、昇降部とを備えている。ロール状メディアを繰り出し手段に取り付ける場合やロール状メディアを巻き取り手段から取り外す場合において、昇降装置を所定位置に移動させて、ロール状メディアが昇降装置に仮置きされる。
かかる構成によって、ロール状メディアを繰り出し手段に取り付ける場合やロール状メディアを巻き取り手段から取り外す場合において、作業者の負担が軽減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-166915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載の記録装置では、操作レバーがメディアの幅方向と交差する奥行き方向に延びているので、昇降装置及び記録装置における奥行き方向の省スペース化が難しいという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の昇降装置は、第1方向に延在するレールに取り付け可能であり、ロール状メディアを載置可能な昇降装置であって、前記ロール状メディアを載置可能な載置部と、前記第1方向と交差する第2方向に延在するシャフトと、前記シャフトに固定され、前記シャフトを支点として回転するレバーと、前記シャフトに固定され、前記シャフトを支点として回転し、前記レバーの回転運動を鉛直上方向または鉛直下方向の搖動運動に変換するカムと、前記カムによって前記鉛直上方向または前記鉛直下方向に昇降し、前記載置部を支持する昇降部と、前記昇降部を収容する基部と、を備え、前記レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する平面に含まれることを特徴とする。
【0006】
本願の昇降装置では、前記第2方向から見た場合、前記ロール状メディアが載置される前記載置部の載置面は、前記鉛直上方向に凸となるように湾曲していることが好ましい。
【0007】
本願の昇降装置では、前記載置部に対して前記第1方向側に位置し、前記鉛直下方向側から前記ロール状メディアを載置可能な第2載置部をさらに有し、前記第2方向から見た場合、前記ロール状メディアが載置される前記第2載置部の載置面は、前記鉛直上方向に凸となるように湾曲していることが好ましい。
【0008】
本願の昇降装置では、前記昇降部は、前記基部の内側に配置される第1昇降部と、前記第1昇降部によって支持され前記載置部を支持する第2昇降部と、を含むことが好ましい。
【0009】
本願の昇降装置では、前記基部と前記第1昇降部との間、及び前記第1昇降部と前記第2昇降部との間には、転動体が設けられていることが好ましい。
【0010】
本願の昇降装置では、前記カムは、前記第2方向に沿って複数設けられていることが好ましい。
【0011】
本願の昇降装置では、前記レバーを保護する保護カバーをさらに有し、前記保護カバーの前記鉛直上方向側には、前記基部から遠ざかるに従って前記鉛直下方向に傾斜する傾斜面が設けられていることが好ましい。
【0012】
本願のメディア支持装置は、前記第1方向に延在する前記レールと、前記レールに取付けられ、前記第1方向に移動可能であり、上記の昇降装置と、前記レールに取付けられ、前記第1方向に移動可能であり、前記ロール状メディアを支持可能な支持部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本願のメディア支持装置では、前記昇降装置は、第1昇降装置と、前記第1昇降装置とは独立して前記第1方向に移動可能な第2昇降装置と、を含み、前記レバーは、前記第1昇降装置が備える第1レバーと、前記第2昇降装置が備える第2レバーと、を含み、前記第1レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する第1平面に含まれ、前記第2レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する第2平面に含まれ、前記第2方向において、前記第1平面は、前記第2平面に対してずれていることが好ましい。
【0014】
本願の記録装置は、メディアに画像を記録する記録部と、前記メディアをロール状に巻き取り、前記ロール状メディアを支持する上記のメディア支持装置と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る記録装置の概略構成を示す断面図。
図2】実施形態に係る記録装置の概略構成を示す正面図。
図3】実施形態に係る巻取部の状態を示す斜視図。
図4】実施形態に係る巻取部の状態を示す斜視図。
図5A】実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図。
図5B】実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図。
図6A】実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図。
図6B】実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図。
図7A】実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図。
図7B】実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図。
図8】実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図。
図9図5AのA-Aに沿った載置部の断面図。
図10図5AのB-Bに沿った載置部の断面図。
図11図5AのB-Bに沿った第2載置部の断面図。
図12】巻取部においてロール状メディアが取り外される場合の状態を示す斜視図。
図13】巻取部においてロール状メディアが取り外される場合の状態を示す斜視図。
図14】巻取部においてロール状メディアが取り外される場合の状態を示す斜視図。
図15】巻取部においてロール状メディアが取り外される場合の状態を示す斜視図。
図16】比較例に係る載置部の断面図。
図17】比較例に係る第2載置部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際と異ならせている。
【0017】
(実施形態)
「記録装置の概要」
図1は、実施形態に係る記録装置の概略構成を示す断面図である。図2は、本実施形態に係る記録装置の概略構成を示す正面図である。
最初に、図1及び図2を参照し、本実施形態に係る記録装置1の概要を説明する。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る記録装置1は、長尺のメディアMを扱うラージフォーマットプリンター(LFP)であり、キャスター15が下端に取り付けられた一対の脚部17と、脚部17上に組み付けられた記録部筐体19とを備えている。さらに、記録装置1では、給送部26と、プレヒーター31と、ローラー対29と、記録部28と、アフターヒーター32と、巻取部35とが、メディアMの搬送方向Fに沿って順に設けられている。
換言すれば、記録装置1は、メディアMに画像を記録する記録部28と、メディアMをロール状に巻き取り、ロール状メディアRを支持する巻取部35(メディア支持装置)とを有する。
【0019】
給送部26は、記録装置1の背面側に設けられ、メディアMが搬送される搬送経路の最も上流側に位置し、保持部24を介して脚部17に支持されている。給送部26は、ロール状メディアRを支持する第1ホルダー部3と媒体昇降部2とを有し、メディアMがロール状に巻き重ねられたロール状メディアRから、メディアMを巻き解いてローラー対29にむけて送り出す。
【0020】
第1ホルダー部3は、向い合わせで一対配設され、ロール状メディアRの両端部を回動可能に保持している。
媒体昇降部2は、二本のガイドレール7と、ガイドレール7に対して摺動可能な基体部8と、操作レバー6と、昇降部16とを備えている。操作レバー6を一方向へ回動することにより、昇降部16が上昇しロール状メディアRを持ち上げることができる。また、操作レバー6を他方向へ回動することにより、昇降部16が下降しロール状メディアRを下げることができる。媒体昇降部2は、梃子の原理に基づいて構成されており、重量が重いロール状メディアRを小さな力で昇降させることができる。
作業者は、媒体昇降部2によってロール状メディアRの位置を調整しながら、ロール状メディアRを第1ホルダー部3に取付ける。
【0021】
ローラー対29は、給送部26に対して搬送方向Fの下流側に位置し、記録部筐体19の内部に設けられている。ローラー対29は、給送部26から送り出されたメディアMを記録部28に向けて搬送する。
記録部28は、ローラー対29に対して搬送方向Fの下流側に位置し、記録部筐体19の内部に設けられている。記録部28は、メディアMの幅方向に延在するキャリッジガイド軸21と、キャリッジ23と、記録ヘッド25と、媒体支持部27とを有している。キャリッジ23は、キャリッジガイド軸21にガイドされながらメディアMの幅方向に往復移動可能に設けられている。記録ヘッド25は、媒体支持部27と対向するようにキャリッジ23に搭載され、往復移動しながら液体としてのインクなどをメディアMに向かって吐出する。媒体支持部27は、メディアMを支持し、メディアMと記録ヘッド25との間の距離を所定の距離に保つ。
【0022】
記録装置1は、ローラー対29がメディアMを搬送方向Fに搬送する動作と、記録ヘッド25がメディアMの幅方向に移動しながらメディアMにインクを吐出する動作とを繰り返すことで、メディアMに所望の画像を記録する。
なお、記録ヘッド25は、キャリッジ23に搭載されメディアMの幅方向に移動しながらインクを吐出するシリアルヘッドであるが、固定された状態でメディアMの幅方向に延在して配置されるラインヘッドであってもよい。
【0023】
プレヒーター31は、記録部筐体19に対して搬送方向Fの上流側に位置し、給送部26とローラー対29との間に配置されている。プレヒーター31は、メディアMに対する記録が実行される前にメディアMを加熱することによって、記録時にメディアMに着弾したインクを乾燥しやすくする。
アフターヒーター32は、記録部筐体19に対して搬送方向Fの下流側に位置し、記録部28と巻取部35との間に配置されている。アフターヒーター32は、メディアMに対する記録が実行された後に、メディアMを加熱する。その結果、メディアMに着弾したインクは、巻取部35によって巻き取られまでの間に乾燥される。
【0024】
巻取部35は、記録装置1の正面側に設けられ、メディアMが搬送される搬送経路の最も下流側に位置し、保持部34を介して脚部17に支持されている。巻取部35は、メディアMをロール状に巻き取りロール状メディアRを形成し、ロール状メディアRを保持する。巻取部35は、メディアMの幅方向に延在するレール36と、支持部37と、支持機構50とを有する。
支持部37は、レール36に支持され、メディアMの幅方向に移動可能であり、ロール状メディアRを支持する。支持機構50は、レール36に支持され、メディアMの幅方向に移動可能であり、ロール状メディアRを支持部37から取り外す際にロール状メディアRを載置する。すなわち、支持機構50は、メディアMの幅方向(X方向)に延在するレール36に取り付け可能であり、ロール状メディアRを載置可能である。
以降の説明では、メディアMの幅方向をX方向とする。X方向に交差する方向をY方向とする。記録装置1の高さ方向をZ方向とする。また、方向を示す矢印の矢印側を(+)方向とし、方向を示す基端側を(-)方向とする。
なお、X(+)方向及びX(-)方向は、「第1方向」の一例であり、以降の説明では、X方向はX(+)方向またはX(-)方向を意味する。Y(+)方向及びY(-)方向は、「第2方向」の一例であり、以降説明では、Y方向はY(+)方向またはY(-)方向を意味する。Z(+)方向は「鉛直上方向」の一例であり、Z(-)方向は「鉛直下方向」の一例である。また、Z(+)方向及びZ(-)方向は鉛直方向である。また、X方向は記録装置1の幅方向であり、Y方向は記録装置1の奥行き方向であり、それぞれ水平面に配置される。
【0025】
「巻取部(メディア支持装置)の概要」
図3は、本実施形態に係る巻取部の状態を示す斜視図である。図3ではロール状メディアRが二点鎖線で図示されている。
次に、図3を参照し、本実施形態に係る巻取部35の概要を説明する。
【0026】
図3に示すように、巻取部35は、「メディア支持装置」の一例であり、X方向に延在するレール36と、X(+)方向側に配置される駆動側支持部38(支持部37)と、X(-)方向側に配置される従動側支持部39(支持部37)と、X(-)方向側に配置される第1支持機構51(支持機構50)と、X(+)方向側に配置される第2支持機構52(支持機構50)とを有している。駆動側支持部38と従動側支持部39と第1支持機構51と第2支持機構52とはレール36に支持され、それぞれX方向に移動可能である。
換言すれば、巻取部35は、X方向に延在するレール36と、レール36に取付けられX方向に移動可能な支持機構50(昇降装置)と、レール36に取付けられロール状メディアRを支持可能な支持部37とを有する。
【0027】
駆動側支持部38は、筐体38aと、嵌合部13と、駆動モーター(図示省略)と、摘み部14とを有している。従動側支持部39は、筐体39aと、嵌合部13と、ハンドル18と、摘み部14とを有している。
駆動側支持部38及び従動側支持部39において、嵌合部13はロール芯11の芯口12の中に嵌り易いように略円錐台形状をなし、嵌合部13の先端側がロール状メディアRのロール芯11の芯口12の中に嵌め込まれている。支持部37(支持部38,39)は、摘み部14を弛めるとレール36に沿って移動可能となり、摘み部14を締めるとレール36に固定される。
【0028】
巻取部35において、作業者がロール芯11を支持部37に取付ける場合、最初に、作業者は、ロール芯11の芯口12の一方を、駆動側支持部38の嵌合部13の先端側に嵌め込む。続いて、作業者は、ロール芯11の芯口12の他方を、従動側支持部39の嵌合部13の先端側に嵌め込み、ハンドル18を回し、従動側支持部39の嵌合部13を駆動側支持部38側に移動させる。すると、ロール芯11の両端が嵌合部13によって押圧された状態になり、ロール芯11が支持部37(支持部38,39)によって回動可能に保持される。
最後に、給送部26に保持されているロール状メディアRから巻き解かれたメディアMの先端を、支持部37に保持されているロール芯に固定すると、巻取部35は、画像が記録されたメディアMをロール状に巻き取り、ロール状メディアRを形成することができる。
【0029】
ロール芯11の両端が支持部38,39の嵌合部13によって保持された状態において、駆動側支持部38の駆動モーターが駆動すると、駆動側支持部38の嵌合部13がメディアMをロール状に巻き取る方向に回転し、従動側支持部39の嵌合部13は、駆動側支持部38の嵌合部13の回転に同期して連れ回りする。すると、巻取部35において、メディアMがロール状に巻き取られ、ロール状メディアRが形成される。
すなわち、所望の画像が記録されたメディアMが記録部28から搬送方向Fに搬送されると、巻取部35において、駆動側支持部38の駆動モーターが駆動され、メディアMがロール状に巻き取られる。
【0030】
「支持機構(昇降装置)の概要」
図4は、図3に対応する図であり、本実施形態に係る巻取部の状態を示す斜視図である。図4では、図3の場合と比べて、幅(X方向寸法)が短いロール状メディアRが支持される巻取部35の状態が図示されている。
図5A乃至図8は、本実施形態に係る第1支持機構の状態を示す斜視図である。図9は、図5AのA-Aに沿った載置部の断面図である。図10は、図5AのB-Bに沿った載置部の断面図である。図11は、図5AのB-Bに沿った第2載置部の断面図である。
図3及び図4ではロール状メディアRが二点鎖線で図示されている。また、図3図4とでは、支持機構50(51,52)の位置が異なる。
図5A図6A図7Aとは、第1支持機構51の状態を示す斜視図である。図5B図6B図7Bとは、図5A図6A図7Aとに対応する図であり、第1支持機構51の構成要素の一部が図示されている。詳しくは、図5B図6B図7Bとは、第1支持機構51の構成要素のうち、第1レバー41とシャフト69とカム66とが実線で図示され、第2昇降部62と載置部56とが二点鎖線で図示されている。
【0031】
図5Aは、載置部56がZ(-)側に位置する場合の第1支持機構51の斜視図であり、以降、図5Aに示す状態を下降状態と称す。図7Aは、図5A及び図6Aと比べて、載置部56がZ(+)方向側に位置する場合の第1支持機構51の斜視図であり、以降、図7Aに示す状態を上昇状態と称す。図6Aは、載置部56が図5Aに示す状態と図7Aに示す状態との間に位置する場合の第1支持機構51の斜視図であり、以降、図6Aに示す状態を中間状態と称す。図8は、下降状態にある第1支持機構51を、裏側(Z(-)方向側)から見た斜視図である。また、図4は、第1支持機構51が下降状態にある場合の巻取部35の斜視図である。
図9乃至図11は、ロール状メディアRが載置部56及び第2載置部58A,58Bに載置される場合の状態が図示されており、ロール状メディアRが二点鎖線で図示されている。また、図9は載置部56をX方向から見た場合の断面図であり、図10及び図11は載置部56または第2載置部58A,58BをX方向と交差するY方向から見た場合の断面図である。
次に、図4乃至図11を参照し、支持機構50の概要を説明する。
【0032】
記録装置1は、幅(X方向の寸法)の異なるメディアMを処理することができる。図3に示されるロール状メディアRの幅と比べて短い幅のロール状メディアRが支持部37に支持される場合、図4に示すように、第1支持機構51をX(+)方向に移動させ、第2支持機構52をX(-)方向に移動させ、第1支持機構51と第2支持機構52との間隔を短くする。
そして、支持機構50は、ロール状メディアRを支持部37から取り外す際にロール状メディアRを一時的に載置する。
【0033】
図4に示すように、「昇降装置」の一例である支持機構50は、レール36に支持され、X(-)方向側に配置される「第1昇降装置」の一例である第1支持機構51と、X(+)方向側に配置される「第2昇降装置」の一例である第2支持機構52とを有する。第1支持機構51及び第2支持機構52は、それぞれレール36に支持され、それぞれ独立してX方向に移動可能である。すなわち、支持機構50は、第1支持機構51と、第1支持機構51とは独立してX方向に移動可能な第2支持機構52とを含む。
第1支持機構51には第1レバー41が設けられ、第2支持機構52には第2レバー42が設けられている。すなわち、本願におけるレバーは、第1支持機構51が備える第1レバー41と、第2支持機構52が備える第2レバー42とを含む。さらに、支持機構50は、ロール状メディアRが載置される載置部56及び第2載置部58A,58Bと、載置部56を昇降させる昇降部60と、昇降部60を収容する基部64とを有する。昇降部60は、基部64の内側に配置されている。
載置部56は、第2載置部58Aと第2載置部58Bとの間に位置し、昇降部60によって支持され、Z方向の位置が変化する。第2載置部58Aは載置部56に対してX(-)方向側に位置し、第2載置部58Bは載置部56に対してX(+)方向側に位置し、それぞれ基部64によって支持され、Z方向の位置が変化しない。
【0034】
第1レバー41及び第2レバー42は、Y方向において基部64の昇降部60に対して反対側(基部64の昇降部60よりもY(+)方向側)に設けられ、第1レバー41及び第2レバー42の長手方向がY方向と交差する。第1レバー41及び第2レバー42は、後述するシャフト69(図8参照)に固定され、シャフト69を支点として回転可能である。以降、第1レバー41、第2レバー42を、それぞれ単にレバー41、レバー42とも呼称する。
本実施形態では、第1支持機構51が下降状態にある場合、レバー41,42の長手方向はZ方向から見てY方向と直交し、レバー41,42の長手方向とY方向とがなす角度は90°である。
【0035】
本実施形態では、第1支持機構51が下降状態にある場合、レバー41,42の長手方向はX方向に延在し、それぞれ一つの棒部材で構成される。なお、レバー41,42は、折り畳み可能な二つの棒部材で構成してもよい。レバー41,42を折り畳み可能な二つの棒部材で構成すると、第1支持機構51が下降状態にある場合、レバー41,42のX方向寸法を短くすることができる。
【0036】
図4に示すように、支持機構50が下降状態にある場合、第1レバー41の長手方向は、図中に実線で示されるようにX方向と平行に配置され、以降、下降状態の第1レバー41と称す。支持機構50が上昇状態にある場合、第1レバー41は、図中に破線で示されるようにX方向に対して傾斜するように配置され、以降、上昇状態の第1レバー41と称す。図4では図示を省略するが、支持機構50が中間状態にある場合、第1レバー41は、図中に実線で示される下降状態の第1レバー41と図中に破線で示される上昇状態の第1レバー41との間に配置される。
すなわち、第1レバー41は、シャフト69を支点として、図中に実線で示される下降状態の第1レバー41と、図中に破線で示される上昇状態の第1レバー41との間を回動可能である。シャフト69を支点として第1レバー41が回動可能な領域が、第1レバー41の回転軌跡T1である。
第1レバー41の回転軌跡T1は、図中に二点鎖線で示されるY方向と直交する第1平面P1に含まれる。
【0037】
支持機構50が下降状態にある場合、第2レバー42の長手方向は、図中に実線で示されるようにX方向と平行に配置され、以降、下降状態の第2レバー42と称す。支持機構50が上昇状態にある場合、第2レバー42は、図中に破線で示されるようにX方向に対して傾斜するように配置され、以降、上昇状態の第2レバー42と称す。図4では図示を省略するが、支持機構50が中間状態にある場合、第2レバー42は、図中に実線で示される下降状態の第2レバー42と図中に破線で示される上昇状態の第2レバー42との間に配置される。
すなわち、第2レバー42は、シャフト69を支点として、図中に実線で示される下降状態の第2レバー42と、図中に破線で示される上昇状態の第2レバー42との間を回動可能である。シャフト69を支点として第2レバー42が回動可能な領域が、第2レバー42の回転軌跡T2である。
第2レバー42の回転軌跡T2は、図中に二点鎖線で示されるY方向と直交する第2平面P2に含まれる。
【0038】
このように、本実施形態に係る支持機構50は、第1レバー41の回転軌跡T1はY方向と直交する第1平面P1に含まれ、第2レバー42の回転軌跡T2はY方向と直交する第2平面P2に含まれる構成を有する。換言すれば、本実施形態に係る支持機構50は、レバー41,42の長手方向がY方向と交差する構成を有する。
レバー41,42の回転軌跡T1,T2がY方向と直交する平面P1,P2に含まれる構成を有すると、すなわち、レバー41,42がY方向と交差する構成を有すると、レバー41,42がY方向に延在する構成と比べて、支持機構50のY方向寸法を短くし、支持機構50の奥行き方向の寸法を短くすることができる。
従って、Y方向における支持機構50の省スペース化を図ることができる。加えて、支持機構50を有する巻取部35も、Y方向における省スペース化を図ることができる。さらに加えて、巻取部35を有する記録装置1も、Y方向における省スペース化を図ることができる。
【0039】
また、本実施形態に係る巻取部35では、第1平面P1(第1レバー41の回転軌跡T1)のY方向の位置と、第2平面P2(第2レバー42の回転軌跡T2)のY方向の位置とは異なり、Y方向において、第1平面P1は、第2平面P2に対してずれている。すなわち、巻取部35では、第1レバー41のY方向の位置と、第2レバー42のY方向の位置とが異なる。
さらに、本実施形態に係る巻取部35では、シャフト69を支点としてレバー41,42を回動させた場合、第1レバー41と第2レバー42とが干渉しないように、第1レバー41のY方向の位置と第2レバー42のY方向の位置とが設定されている。すると、巻取部35では、第1レバー41及び第2レバー42を回転させた場合に両者が干渉する場合と比べて、第1支持機構51と第2支持機構52との間隔を短くすることができ、第1支持機構51と第2支持機構52との間隔の変更範囲を広くし、支持機構50(支持機構51,52)によって支持可能なロール状メディアRの幅の範囲を広めることができる。
従って、巻取部35を有する記録装置1も、処理可能なロール状メディアRの幅の範囲を広めることができる。
【0040】
さらに、第1レバー41がシャフト69に固定される部分は、保護カバー44によって保護されている。第2レバー42がシャフト69に固定される部分は、保護カバー45によって保護されている。支持機構50において、レバー41,42は基部64の昇降部60と反対側に設けられている。
このように、本実施形態に係る支持機構50は、基部64の昇降部60と反対側に位置し、レバー41,42を保護する保護カバー44,45を有している。さらに、保護カバー44,45のZ(+)方向側には、基部64から遠ざかるに従ってZ(-)方向に傾斜する傾斜面48が設けられている。
【0041】
支持機構50において、第1支持機構51と第2支持機構52とは略同じ構成を有している。
このため、以降の説明では、第1支持機構51を中心に説明し、第2支持機構52の説明を省略する。
図5A乃至図8に示すように、第1支持機構51は、Z(-)方向側からロール状メディアRを載置可能な載置部56及び第2載置部58A,58Bと、X方向と交差するY方向に延在するシャフト69と、シャフト69に固定されシャフト69を支点として回転する第1レバー41と、シャフト69に固定されシャフト69を支点として回転するカム66と、カム66によってZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降し載置部56を支持する昇降部60と、第1レバー41から離れて配置され昇降部60を収容する基部64とを有している。
第2載置部58Aは載置部56に対してX(-)方向側に位置し、第2載置部58Bは載置部56に対してX(+)方向側に位置する。載置部56及び第2載置部58A,58Bは、樹脂の成形品である。
【0042】
図9に示すように、載置部56をX方向から見た場合、載置部56は、中央付近がZ(-)方向に窪み、端部がZ(+)方向に張り出した概略V字形状の断面を有する部材である。中央付近でZ(-)方向に窪んだ部分が底面53である。中央付近でZ(-)方向に窪んだ部分(底面53)とZ(+)方向に張り出した端部との間に配置される斜面が載置面57である。このように、載置部56のY方向に沿った断面を断面視した場合、載置部56のZ(+)方向側には、載置面57と、底面53と、載置面57とが、Y方向に沿って順に配置されている。
ロール状メディアRが載置部56によって支持される場合、ロール状メディアRは、載置面57に接触し載置面57に載置される。
【0043】
ロール状メディアRの断面は円であり、当該円の中心を通る線がロール状メディアRの中心軸である。図10には、ロール状メディアRの輪郭(端)が二点鎖線で図示され、ロール状メディアRの中心軸が一点鎖線で図示されている。
図10に示すように、載置部56をX方向に交差するY方向から見た場合、ロール状メディアRが載置される載置面57は、Z(+)方向に凸となるように湾曲している。換言すれば、載置部56のX方向に沿った断面を断面視した場合、載置部56のZ(+)方向側に配置される載置面57は、Z(+)方向に凸となるように湾曲している。
なお、載置部56のX方向に沿った断面を断面視した場合、載置部56のZ(+)方向側に配置される載置面57は、Z(+)方向に凸となるように湾曲していればよく、例えば図中に一点鎖線で示されるロール状メディアRの中心軸に向かう方向に凸となるように湾曲していてもよく、例えば図中に二点鎖線で示されるロール状メディアRのX方向に沿った端のいずれかにに向かう方向に凸となるように湾曲していてもよく、例えば他の部分に向かう方向に凸となるように湾曲していてもよい。すなわち、X方向における載置部56の中心を通ってZ方向に平行な中心線を考えたとき、Y方向から見て、載置部56の形状が当該中心線に対して図10のように対称になっていなくてもよい。
また、ロール状メディアRがX方向と平行な状態で載置部56によって支持される場合、ロール状メディアRは、Z(+)方向の位置が最も高い載置面57の頂部に接する状態で、載置面57に載置される。さらに、ロール状メディアRが載置面57に載置される場合、ロール状メディアRは、ロール状メディアRの自重または載置面57から付与される力によって変形するので、載置面57の接触領域C1に対して面接触するようになる。
【0044】
図11には、ロール状メディアRの輪郭(端)が二点鎖線で図示され、ロール状メディアRの中心軸が一点鎖線で図示されている。
図11に示すように、第2載置部58A,58BをX方向に交差するY方向から見た場合、ロール状メディアRが載置される載置面59A,59Bは、載置部56と同様にZ(+)方向に凸となるように湾曲している。換言すれば、第2載置部58A,58BのX方向に沿った断面を断面視した場合、第2載置部58A,58BのZ(+)方向側に配置される載置面59A,59Bは、Z(+)方向に凸となるように湾曲している。
なお、第2載置部58A,58BのX方向に沿った断面を断面視した場合、第2載置部58A,58BのZ(+)方向側に配置される載置面59A,59Bは、Z(+)方向に凸となるように湾曲していればよく、例えば図中に一点鎖線で示されるロール状メディアRの中心軸に向かう方向に凸となるように湾曲していてもよく、例えば図中に二点鎖線で示されるロール状メディアRのX方向に沿った端のいずれかに向かう方向に凸となるように湾曲していてもよく、例えば他の部分に向かう方向に凸となるように湾曲していてもよい。すなわち、X方向における第2載置部58A,58Bの中心を通ってZ方向に平行な中心線を考えたとき、Y方向から見て、載置部56の形状が当該中心線に対して図11のように対称になっていなくてもよい。
また、ロール状メディアRがX方向と平行な状態で第2載置部58A,58Bによって支持される場合、ロール状メディアRは、Z(+)方向の位置が最も高い載置面59A,59Bの頂部に接する状態で、載置面59A,59Bに載置される。さらに、ロール状メディアRが載置面59A,59Bに載置される場合、ロール状メディアRは、ロール状メディアRの自重または載置面59A,59Bから付与される力によって変形するので、載置面59A,59Bの接触領域C3に面接触するようになる。
【0045】
第2載置部58A,58Bの載置面59A,59BのX方向寸法は、載置部56の載置面57のX方向寸法よりも短い。さらに、第2載置部58A,58Bの載置面59A,59BのZ方向寸法(高さ)と、載置部56の載置面57のZ方向寸法(高さ)とは、略同じである。
このため、第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bは、載置部56の載置面57よりも、曲線の曲がり具合が大きくなっている。すなわち、X方向に交差するY方向から見た場合、第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bの曲率半径は、載置部56の載置面57の曲率半径よりも小さい。
【0046】
図5A乃至図8に戻って、基部64は、第1支持機構51の外装部材であり、昇降部60を収容する。さらに、基部64は、第2載置部58A,58Bを支持する。基部64のZ方向の位置と、第2載置部58A,58BのZ方向の位置とは、変化せず一定である。
昇降部60は、第1昇降部61と第2昇降部62とを有し、Z(+)方向またはZ(-)方向に昇降する。詳しくは、第1支持機構51のY(+)方向側には、載置部56のY(+)方向端部を支持する第2昇降部62と、第2昇降部62の昇降を案内する第1昇降部61とが設けられている。第1支持機構51のY(-)方向側には、載置部56のY(-)方向端部を支持する第2昇降部62と、第2昇降部62の昇降を案内する第1昇降部61とが設けられている。このように、第2昇降部62はY方向に沿って二つ配置され、第1昇降部61はY方向に沿って二つ配置されている。
第1昇降部61は基部64の内側に配置されている。第1昇降部61は、Z方向から見て両端部がL字形状に曲がった窪みを有し、第2昇降部62を支持する。第2昇降部62は、第1昇降部61の窪んだ部分の内側に配置され、第1昇降部61によって支持されている。すなわち、第2昇降部62は、第1昇降部61の内側に配置され、第1昇降部61によって支持されている。すると、第2昇降部62は、第1昇降部61の窪んだ部分に沿って昇降するようになり、第2昇降部62は安定して昇降するようになる。
【0047】
シャフト69は、昇降部60に対してZ(-)方向側に位置し、X方向に交差するY方向に延在している。
カム66は、シャフト69と昇降部60との間に配置され、一方向に長い部材である。第1支持機構51のY(+)方向側には、載置部56のY(+)方向端部を支持する第2昇降部62を昇降させるカム66が設けられ、第1支持機構51のY(-)方向側には、載置部56のY(-)方向端部を支持する第2昇降部62を昇降させるカム66が設けられている。このように、カム66は、Y方向に沿って二つ配置されている。すなわち、本実施形態は、カム66がY方向に沿って複数設けられている。
カム66の一方の端はシャフト69に固定され、カム66の他方の端は第2昇降部62に接するように配置されている。カム66は、シャフト69を支点として回転可能であり、第2昇降部62のZ方向における位置を調整する。上述したように、第1レバー41は、シャフト69を支点として回転可能である。カム66は、第1レバー41の回転運動に同期して、シャフト69を支点として回転する。
【0048】
カム66の回転によって、カム66の長手方向がX方向からZ方向に向かうように回転すると、第2昇降部62は、カム66の回転と共にZ(+)方向に上昇する。カム66の回転によって、カム66の長手方向がZ方向からX方向に下降すると、第2昇降部62はカム66の回転と共にZ(-)方向に下降する。載置部56は第2昇降部62によって支持されているので、第2昇降部62(昇降部60)及び載置部56は、カム66の回転によってZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降する。
本実施形態では、Y方向に沿って配置される二つの第2昇降部62が、Y方向に沿って配置される二つのカム66の回転に伴って昇降する。これにより、載置部56を昇降させる力が、載置部56のY方向の両端部に作用し、載置部56が昇降する。例えば、一つの第2昇降部62が一つのカム66の回転によって昇降することによって、載置部56を昇降させる力が、載置部56のY方向の中央部に作用し、載置部56が昇降する構成も考えられる。
載置部56を昇降させる力が載置部56の両端部に作用する構成(本実施形態の構成)は、載置部56を昇降させる力が載置部56の中央部に作用する構成と比べて、載置部56の姿勢が安定し、載置部56は安定して昇降するようになる。
このように、載置部56の姿勢が安定し、載置部56が安定して昇降するためには、載置部56を昇降させる力が載置部56の複数部位に作用する構成が好ましい。従って、載置部56を昇降させる力が載置部56の複数部位に作用するように、カム66をY方向に沿って複数配置することが好ましい。なお、Y方向に沿って配置されるカム66の数は、複数であればよく、例えば二つでもよく、例えば三つ以上であってもよい。
【0049】
また、第1支持機構51では、作業者がシャフト69を支点として第1レバー41を回転させることで、第1レバー41の回転運動がカム66の回転に変換され、第2昇降部62に支持される載置部56がZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降する。
載置部56にロール状メディアRが載置されている場合、作業者の力が作用する第1レバー41の部位は、力点になる。カム66の第2昇降部62に接する部位(接触部68)、すなわち、カム66のロール状メディアRの荷重が作用する部位は、作用点になる。シャフト69の第1レバー41及びカム66を支える部位は、支点となる。すなわち、第1支持機構51には、力点(第1レバー41)と支点(シャフト69)と作用点(カム66)とからなる梃子が設けられている。
作業者は、当該梃子を使用してロール状メディアRをZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降させることができるので、梃子を使用しないでロール状メディアRを昇降させる場合と比べて、作業者の負担が軽くなる。
【0050】
下降状態では、図5Bに示すように、X方向に対するカム66の傾斜は緩く、第2昇降部62及び載置部56はZ(+)方向に上昇していない。
例えば、図15に示すように、下降状態において、X方向と平行な状態でロール状メディアRが支持機構51,52によって支持される場合、ロール状メディアRは、載置部56及び第2載置部58A,58Bによって支持されるように、載置部56及び第2載置部58A,58Bの位置が調整されている。
【0051】
中間状態では、図6Bに示すように、下降状態と比べて、X方向に対するカム66の傾斜が急になり、カム66の第2昇降部62に接する部分がZ(+)方向に上昇する。第1支持機構51が下降状態から中間状態に変化した場合、第2昇降部62は下降状態の位置から距離H1上昇する。そして、第2昇降部62に支持される載置部56も、下降状態の位置から距離H1上昇する。
なお、中間状態では、第1昇降部61はZ(+)方向に上昇していない。
【0052】
中間状態において、第2昇降部62と第1昇降部61とは互いに係合される。このため、第2昇降部62が中間状態の位置からZ(+)方向にさらに上昇しようとすると、第1昇降部61は第2昇降部62と一緒にZ(+)方向に上昇する。
なお、第2昇降部62が中間状態の位置からZ(-)方向に下降する場合、第2昇降部62と第1昇降部61との係合が解除され、第2昇降部62だけがZ(-)方向に下降する。
【0053】
上昇状態では、図7Bに示すように、中間状態と比べて、X方向に対するカム66の傾斜がさらに急になり、第2昇降部62がZ(+)方向にさらに距離H2上昇する。この場合、第1昇降部61は、第2昇降部62と一緒にZ(+)方向に上昇する。
第1支持機構51が中間状態から上昇状態に変化した場合、第1昇降部61は下降状態の位置から距離H2上昇し、第2昇降部62は下降状態の位置から距離(H1+H2)上昇する。そして、第2昇降部62に支持される載置部56も、下降状態の位置から距離(H1+H2)上昇する。
【0054】
このように、本実施形態は、第2昇降部62及び載置部56が2ステップで上昇する構成を有する。
第2昇降部62及び載置部56が2ステップで距離(H1+H2)上昇する構成を有する場合、例えば、第2昇降部62のZ方向の寸法が概略H1であり、第1昇降部61のZ方向の寸法が概略H2であれば、第2昇降部62及び載置部56は初期状態の位置から距離(H1+H2)上昇することができる。
仮に、第1昇降部61が設けられていなく、第2昇降部62及び載置部56が1ステップで距離(H1+H2)上昇する構成では、例えば、第2昇降部62のZ方向の寸法は概略(H1+H2)となる。
このため、本実施形態の構成(第2昇降部62及び載置部56が2ステップで上昇する構成)は、第2昇降部62及び載置部56が1ステップで上昇する構成と比べて、第2昇降部62のZ方向の寸法を短くすることができる。さらに、下降状態では、第2昇降部62は第1昇降部61の内側に配置され、第1昇降部61が付加されることによって、第1支持機構51のZ方向寸法が短くなる。
従って、本実施形態の構成(第2昇降部62及び載置部56が2ステップで上昇する構成)は、第2昇降部62及び載置部56が1ステップで上昇する構成と比べて、下降状態における第1支持機構51のZ方向寸法が短くなり、第1支持機構51を低くすることができる。
【0055】
図5B図6B図7Bとに示すように、カム66は、本体部67と接触部68とを有する。本体部67は金属で構成され、接触部68は樹脂で構成される。
本体部67は、一方向に長い部材であり、第2昇降部62及び載置部56を支持する支柱である。載置部56にロール状メディアRが載置される場合、本体部67にロール状メディアRの荷重が作用する。本体部67が金属で構成されると、本体部67が樹脂で構成される場合と比べて機械的強度が高められ、ロール状メディアRの重量が重い場合であっても、本体部67は適正に載置部56を支持することができる。すなわち、本体部67に大きな荷重が作用しても、変形などの不具合が生じにくい。
【0056】
接触部68は、カム66の第2昇降部62に接する部分、すなわち本体部67と第2昇降部62との間に配置されている。第1支持機構51の状態が、下降状態、中間状態、及び上昇状態のいずれかに変化すると、第2昇降部62がZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降し、カム66と第2昇降部62との間で摺動が生じる。
仮に、カム66の第2昇降部62に接する部分に接触部68が設けられていなく、金属で構成される本体部67が第2昇降部62に直接接触すると、樹脂で構成される第2昇降部62が摩耗し、第2昇降部62は安定して昇降することが難しくなる。
本実施形態では、カム66の第2昇降部62に接する部分に、樹脂で構成される接触部68が設けられているので、樹脂で構成される第2昇降部62が摩耗しにくくなり、第2昇降部62は安定して昇降するようになる。
【0057】
接触部68の構成材料は、耐摩耗性に優れ、且つ摩擦係数が小さい自己潤滑性に優れた樹脂が好ましい。例えば、接触部68の構成材料として、POM(ポリアセタール)を使用することができる。接触部68の構成材料は、POMの他に、自己潤滑性に優れたテフロン(登録商標)を使用することができる。
接触部68を、耐摩耗性及び自己潤滑性に優れた樹脂で構成すると、接触部68(カム66)と第2昇降部62との間の摺動摩擦が小さくなり、接触部68及び第2昇降部62が摩耗しにくくなり、第2昇降部62がZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降しやすくなり、第1支持機構51の長寿命化を図ることができる。
【0058】
第1支持機構51では、基部64と第1昇降部61と間には転動体71が設けられ、第1昇降部61と第2昇降部62との間には転動体72が設けられている。
転動体71は、第1昇降部61に対して回転可能に取り付けられ、転動体71の転動面は基部64に接する。転動体72は、第2昇降部62に対して回転可能に取り付けられ、転動体72の転動面は第1昇降部61に接する。
図6Aに示すように、第2昇降部62がZ(+)方向に上昇する場合、転動体72が回転しながら第2昇降部62が上昇するので、転動体72が設けられていない構成と比べて、第2昇降部62は円滑に上昇することができる。
図7Aに示すように、第1昇降部61がZ(+)方向に上昇する場合、転動体71が回転しながら第1昇降部61が上昇するので、転動体71が設けられていない構成と比べて、第1昇降部61は円滑に上昇することができる。
【0059】
「巻取部におけるロール状メディアの取り外し」
記録装置1では、全てのメディアMが、給送部26から巻き解かれ、巻取部35に巻き取られると、ロール芯11を給送部26から取り外し、新しいロール状メディアRを給送部26に取付け、記録処理がなされたロール状メディアRを巻取部35から取り外し、新しいロール芯11を巻取部35に取付け、記録処理を再開する。
新しいロール状メディアRを給送部26に取付け、記録処理がなされたロール状メディアRを巻取部35から取り外す場合、記録装置1は記録処理を実行できず、記録装置1において記録処理が実行できない停止ロスが発生する。
【0060】
新しいロール状メディアRを給送部26に取付け、次の新しいロール状メディアRを給送部26に取付けるまでの期間を長くすると、すなわち、新しいロール状メディアRを給送部26に取付け、記録処理がなされたロール状メディアRを巻取部35から取り外すまでの期間を長くすると、記録装置1における停止ロスの影響を小さくし、記録装置1の生産性を高めることができる。
例えば、ロール状メディアRに巻かれるメディアMの量を多くすると、新しいロール状メディアRを給送部26に取付け、次の新しいロール状メディアRを給送部26に取付けるまでの期間が長くなる。これは、所謂連続印刷とも呼ばれ、例えば記録装置1に複数のジョブを投入し、記録装置1を長時間無人稼働させることが挙げられる。これにより、ロール状メディアRを給送部26に取付ける頻度を少なくすることができる。ロール状メディアRを給送部26に取付ける間は、記録装置1は記録処理を実行しないので、記録装置1にとって所謂ダウンタイムとなる。ゆえに、連続印刷を行うことでロール状メディアRを給送部26に取付ける頻度を少なくし、ダウンタイムを抑制することで、記録装置1の生産性を高めることができる。
上記理由により、記録装置1の生産性を高めるために、ロール状メディアRに巻かれるメディアMの量が多くなり、ロール状メディアRの重量が重くなる傾向にある。加えて、メディアMの幅が広くなると、ロール状メディアRの重量がさらに重くなり、一人の作業者がロール状メディアRを巻取部35から取り外すことが難しくなる場合がある。例えば、本実施形態に係る記録装置1では、幅が概略64インチであり、直径が概略300mmであり、重量が概略60kgであるロール状メディアRが使用される場合がある。
【0061】
重量が概略60kgであるロール状メディアRが使用される場合、作業者がロール状メディアRを巻取部35から取り外すことが難しくなる。具体的には、巻取部35は記録装置1の下方にあるため、作業者はロール状メディアRを巻取部35から取り外す際に、屈んだ状態になる。このような状態で重量が概略60kgであるロール状メディアRを持ち上げようとすると、作業者の腰等に大きな負担がかかる可能性がある。
本実施形態に係る記録装置1は、巻取部35側に支持機構50を設け、作業者が支持機構50を用いて巻取部35からロール状メディアRを取り外すことによって、巻取部35におけるロール状メディアRを取り外す作業が効率化されるので、以下にその詳細を説明する。
【0062】
図12乃至図15は、図3に対応する図であり、巻取部においてロール状メディアが取り外される場合の状態を示す斜視図である。
次に、図3と、図12乃至図15とを参照し、巻取部35におけるロール状メディアRの取り外し作業の概要を説明する。
【0063】
全てのメディアMが巻取部35に巻き取られると、巻取部35は図3に示す状態にあり、第1支持機構51及び第2支持機構52が下降状態にあり、載置部56及び第2載置部58A,58Bがロール状メディアRから離れて配置される。すなわち、載置部56及び第2載置部58A,58Bがロール状メディアRから離れて配置される状態(図3に示す状態)から、巻取部35におけるロール状メディアRの取り外し作業が開始される。
【0064】
図12に示すように、巻取部35におけるロール状メディアRの取り外し作業では、最初に、作業者は、第1支持機構51を上昇状態とし、従動側支持部39側のロール状メディアRを第1支持機構51によって支持しながら、従動側支持部39をX(-)方向に移動させ、従動側支持部39をロール状メディアRから離間させる。
図12に示す状態では、ロール状メディアRは、上昇状態にある第1支持機構51と、駆動側支持部38とによって支持される。この場合、ロール状メディアRは、X方向と平行な状態になり、上昇状態にある第1支持機構51によって支持される。すると、ロール状メディアRは、第1支持機構51側の載置部56の載置面57の接触領域C1(図10参照)によって支持される。
【0065】
図13に示すように、続いて、作業者は、第1支持機構51を下降状態とする。
図13に示す状態では、ロール状メディアRは、下降状態にある第1支持機構51と、駆動側支持部38とによって支持される。この場合、ロール状メディアRは、Z方向において、第1支持機構51側で低く、駆動側支持部38側で高くなり、X方向に対して交差(傾斜)した状態になる。すると、ロール状メディアRは、第1支持機構51側の第2載置部58Aの載置面59Aの接触領域C3(図11参照)によって支持される。
なお、ロール状メディアRがX方向に対して傾斜している場合、ロール状メディアRがX方向と平行である場合と比べて、第1支持機構51側の第2載置部58Aの載置面59Aにおけるロール状メディアRが支持される領域の位置が変化する。ところが、ロール状メディアRが支持される領域の位置の変化は僅かであるので、実質的に、ロール状メディアRは、第1支持機構51側の第2載置部58Aの載置面59Aの接触領域C3によって支持されるものと見なすことができる。
【0066】
図14に示すように、続いて、作業者は、第2支持機構52を上昇状態とし、駆動側支持部38側のロール状メディアRを第2支持機構52によって支持しながら、駆動側支持部38をX(+)方向に移動させ、駆動側支持部38をロール状メディアRから離間させる。
図14に示す状態では、ロール状メディアRは、下降状態にある第1支持機構51と、上昇状態にある第2支持機構52とで支持される。この場合、ロール状メディアRは、第1支持機構51側で低く、第2支持機構52側で高くなり、X方向に対して交差(傾斜)した状態になる。すると、ロール状メディアRは、第1支持機構51側の第2載置部58Aの載置面59Aの接触領域C3と、第2支持機構52側の載置部56の載置面57の接触領域C1とによって支持される。
なお、ロール状メディアRがX方向に対して傾斜している場合、ロール状メディアRがX方向と平行である場合と比べて、第2支持機構52側の載置部56の載置面57におけるロール状メディアRが支持される領域の位置が変化する。ところが、ロール状メディアRが支持される領域の位置の変化は僅かであるので、実質的に、ロール状メディアRは、第2支持機構52側の載置部56の載置面57の接触領域C1によって支持されるものと見なすことができる。
【0067】
図15に示すように、続いて、作業者は、第2支持機構52を下降状態とする。図15に示す状態では、ロール状メディアRは、下降状態にある第1支持機構51と、下降状態にある第2支持機構52とによって支持される。この場合、ロール状メディアRは、X方向と平行な状態になり、第1支持機構51側の載置部56の載置面57の接触領域C1(図10参照)と、第1支持機構51側の第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bの接触領域C3(図11参照)と、第2支持機構52側の載置部56の載置面57の接触領域C1(図10参照)と、第2支持機構52側の第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bの接触領域C3(図11参照)とによって支持される。
【0068】
図示を省略するが、続いて、作業者は、ロール状メディアRをY(+)方向に押す。ロール状メディアRは円柱形状を有しているので、作業者がロール状メディアRをY(+)方向に押すと、ロール状メディアRは回転しながら保護カバー44,45に向けて移動する。ロール状メディアRが保護カバー44,45に到達すると、ロール状メディアRは、Z(-)方向に作用する重力によって、保護カバー44,45のZ(+)方向側に設けられている傾斜面48に沿って転がり、自動的に巻取部35の外側に排出され、巻取部35の外側に配置されているリフター(図示省略)に載置される。
このように、作業者がロール状メディアRを回転させながら保護カバー44,45に向けて移動させると、ロール状メディアRが巻取部35の外側に自動的に排出されるので、作業者はロール状メディアRを容易にリフターに載置することができる。加えて、ロール状メディアRを持ち運ぶという作業が不要になり、巻取部35からロール状メディアRを取り外す際の作業者の負担を軽くすることができる。
【0069】
以上述べたように、巻取部35におけるロール状メディアRを取り外し作業では、作業者は、第1支持機構51または第2支持機構52を使用して、ロール状メディアRの両端部の一方をZ(+)方向に持ち上げればよく、ロール状メディアRの全体をZ(+)方向に持ち上げる場合と比べて、作業者の負担が軽くなり、巻取部35からロール状メディアRを効率的に取り外すことができる。
【0070】
第1支持機構51及び第2支持機構52には、力点(レバー41,42)と支点(シャフト69)と作用点(カム66)とからなる梃子が設けられている。作業者は、当該梃子によってロール状メディアRをZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降させることができるので、梃子を使用しないでロール状メディアRを昇降させる場合と比べて、作業者の負担が軽くなる。
また、ロール状メディアRの両端部の一方をZ(+)方向に持ち上げる場合の作業者の負担は、レバー41,42の長さによって変化する。詳しくは、ロール状メディアRの両端部の一方をZ(+)方向に持ち上げる場合の作業者の負担は、第1レバー41における作業者の力が作用する部位(力点)と、シャフト69における第1レバー41が支持される部位(支点)との間隔によって変化する。そして、レバー41,42の長さが長くなると作業者の負担が軽くなり、レバー41,42の長さが短くなると作業者の負担が重くなる。
本実施形態では、一人の作業者がロール状メディアRの両端部の一方をZ(+)方向に持ち上げることができるように、レバー41,42の長さが設定されている。このため、作業者が巻取部35からロール状メディアRを容易に取り外すことができ、巻取部35からロール状メディアRを取り外す際に、作業者の負担を軽減することができる。
【0071】
図16は、図10に対応する図であり、比較例に係る載置部の断面図である。
本実施形態に係る載置部56の載置面57は、X方向に交差するY方向から見た場合、Z(+)方向に凸となるように湾曲する曲面で構成される。一方、比較例に係る載置部74の載置面75は、X方向に交差するY方向から見た場合、Z(+)方向に凸となるように傾斜した平面(傾斜面76,77)で構成され、湾曲していない。この点が、本実施形態に係る載置部56と比較例に係る載置部74との相違点である。
図17は、図11に対応する図であり、比較例に係る第2載置部の断面図である。
本実施形態に係る第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bは、X方向に交差するY方向から見た場合、Z(+)方向に凸となるように湾曲する曲面で構成される。一方、比較例に係る第2載置部81の載置面82は、X方向に交差するY方向から見た場合、Z(+)方向に凸となるように傾斜した平面(傾斜面83,84)で構成され、湾曲していない。この点が、本実施形態に係る第2載置部58A,58Bと比較例に係る第2載置部81との相違点である。
【0072】
図16に示すように、比較例に係る載置部74の載置面75は、Z(+)方向に凸となるように傾斜した二つの傾斜面76,77で構成されている。傾斜面76はX(+)方向側に配置され、傾斜面77はX(-)方向側に配置されている。
比較例に係る載置部74をY方向から見た場合、載置部74は三角形の断面を有する。載置面75は、当該三角形の頂点であり、Z(+)方向に尖った角部79を有する。角部79は、傾斜面76と傾斜面77との境界に位置し、載置部74の頂部の稜線であり、Y方向に延在している。
【0073】
図17に示すように、比較例に係る第2載置部81の載置面82は、Z(+)方向に凸となるように傾斜した二つの傾斜面83,84で構成されている。傾斜面83はX(+)方向側に配置され、傾斜面84はX(-)方向側に配置されている。
比較例に係る第2載置部81をY方向から見た場合、第2載置部81は三角形の断面を有する。載置面82は、当該三角形の頂点であり、Z(+)方向に尖った角部85を有する。角部85は、傾斜面83と傾斜面84との境界に位置し、第2載置部81の頂部の稜線であり、Y方向に延在している。
さらに、第2載置部81の傾斜面83,84は、載置部74の傾斜面76,77と比べて急傾斜である。このため、第2載置部81の角部85は、載置部74の角部79と比べて、急峻に尖っている。
【0074】
上述したように、巻取部35においてロール状メディアRを取り外す場合、ロール状メディアRは、第1支持機構51側の載置部56の載置面57の接触領域C1、第1支持機構51側の第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bの接触領域C3、第2支持機構52側の載置部56の載置面57の接触領域C1、及び、第2支持機構52側の第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bの接触領域C3などによって支持される。
ロール状メディアRが比較例に係る載置部74によって支持される場合、最初に、Z(+)方向側に尖った角部79(載置面75の接触領域C1の一部)がロール状メディアRに接触する。このため、載置面75の接触領域C1の全体がロール状メディアRに接触する場合と比べて、ロール状メディアRに作用する圧力が強くなり、Z(+)方向側に尖った角部79がロール状メディアR側に食い込み、ロール状メディアRに折り目や傷などの修復困難な不具合が生じやすくなる。
一方、ロール状メディアRが本実施形態に係る載置部56によって支持される場合、載置部56の載置面57は、Z(+)方向に凸となるように湾曲した曲面であり、Z(+)方向に尖った角部を有していない。この場合、載置面57の接触領域C1の全体がロール状メディアRに接触するようになり、載置面57の接触領域C1の一部がロール状メディアRに接触する場合と比べて、ロール状メディアRに作用する圧力が弱くなり、ロール状メディアRに折り目や傷などの修復困難な不具合が生じにくくなる。
【0075】
ロール状メディアRが比較例に係る第2載置部81によって支持される場合、最初に、Z(+)方向側に尖った角部85(載置面82の接触領域C3の一部)がロール状メディアRに接触する。このため、載置面82の接触領域C3の全体がロール状メディアRに接触する場合と比べて、ロール状メディアRに作用する圧力が強くなり、Z(+)方向側に尖った角部85がロール状メディアR側に食い込み、ロール状メディアRに折り目や傷などの修復困難な不具合が生じやすくなる。
一方、ロール状メディアRが本実施形態に係る第2載置部58A,58Bによって支持される場合、第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bは、Z(+)方向に凸となるように湾曲した曲面であり、Z(+)方向に尖った角部を有していない。この場合、載置面59A,59Bの接触領域C3の全体がロール状メディアRに接触するようになり、載置面59A,59Bの接触領域C3の一部がロール状メディアRに接触する場合と比べて、ロール状メディアRに作用する圧力が弱くなり、ロール状メディアRに折り目や傷などの修復困難な不具合が生じにくくなる。
【0076】
このように、巻取部35においてロール状メディアRを取り外す場合、ロール状メディアRが一時的に載置される載置面が、Z(+)方向に凸となるように湾曲する曲面である構成(本実施形態に係る載置部56,58A,58Bの載置面57,59A,59B)は、Z(+)方向に凸となるように傾斜した平面である構成(比較例に係る載置部74,81の載置面75,82)と比べて、ロール状メディアRに折り目や傷などの修復困難な不具合が生じにくくなる。
従って、X方向に交差するY方向から見た場合、ロール状メディアRが載置される載置部56の載置面57及び第2載置部58A,58Bの載置面59A,59Bは、Z(+)方向に凸となるように湾曲していることが好ましい。
【0077】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
【0078】
(変形例1)
上述した実施形態では、支持機構50は、シャフト69と、シャフト69を支点として回転するレバー41,42と、シャフト69を支点としてZ(+)方向またはZ(-)方向に搖動するカム66と、カム66によってZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降する昇降部60と、昇降部60によって支持されZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降する載置部56と、第2載置部58A,58Bと、基部64とを有している。そして、支持機構50では、作業者がレバー41,42に力を加え、レバー41,42の回転運動がカム66のZ(+)方向またはZ(-)方向の搖動運動に変換されることによって、載置部56がZ(+)方向またはZ(-)方向に昇降し、ロール状メディアRを支持することができる。
【0079】
例えば、カム66の搖動運動によって載置部56を昇降させるのでなく、ボールネジによって載置部56を昇降させる構成であってもよく、ジャッキによって載置部56を昇降させる構成であってもよい。
【0080】
(変形例2)
上述した実施形態では、支持機構50は、巻取部35の構成要素であった。
支持機構50は、給送部26の構成要素であってもよい。詳しくは、給送部26における媒体昇降部2が、ガイドレール7とガイドレール7に移動可能に取り付けられる支持機構50とを有し、媒体昇降部2に取付けられた支持機構50がロール状メディアRを支持する構成であってもよい。
【0081】
さらに、支持機構50を、巻取部35または給送部26の構成要素とするのでなく、巻取部35及び給送部26と並ぶ記録装置1の構成要素としてもよい。詳しくは、記録装置1が、巻取部35と、給送部26と、移動可能な支持機構50とを有し、支持機構50は、ロール状メディアRを給送部26に取付ける際にロール状メディアRを支持し、ロール状メディアRを巻取部35から取り外す際にロール状メディアRを支持する構成であってもよい。
【0082】
(変形例3)
支持機構50または巻取部35は、記録装置1に適用される構成に限定されず、ロール状メディアを処理可能な他の電子機器に適用されてもよい。
例えば、ロール体からフィルムを巻き解いて当該フィルムに透明導電膜などの電極を形成する電極製造装置、ロール体からフィルムを巻き解いて当該フィルムに太陽電池などの電子デバイスを形成するデバイス製造装置に、本実施形態に係る支持機構50を適用してもよい。
例えば、重量物を着脱する装置において、重量物の着脱を支援する補助装置として、本実施形態に係る支持機構50を適用してもよい。
【0083】
以下に、上述した実施形態から導き出される内容を記載する。
【0084】
本願の昇降装置は、第1方向に延在するレールに取り付け可能であり、ロール状メディアを載置可能な昇降装置であって、前記ロール状メディアを載置可能な載置部と、前記第1方向と交差する第2方向に延在するシャフトと、前記シャフトに固定され、前記シャフトを支点として回転するレバーと、前記シャフトに固定され、前記シャフトを支点として回転し、前記レバーの回転運動を鉛直上方向または鉛直下方向の搖動運動に変換するカムと、前記カムによって前記鉛直上方向または前記鉛直下方向に昇降し、前記載置部を支持する昇降部と、前記昇降部を収容する基部と、を備え、前記レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する平面に含まれることを特徴とする。
【0085】
本願の昇降装置では、レバーの回転軌跡が第2方向と直交する平面に含まれるように、レバーが第2方向と直交(交差)するように配置されている。レバーが第2方向と交差して配置されると、例えば、レバーが第2方向と平行に配置される場合と比べて、昇降装置の第2方向の寸法を短くすることができる。
例えば、第1方向をロール状メディアの幅方向とし、第2方向をロール状メディアの幅方向に交差する奥行き方向とすると、昇降装置の奥行き方向の省スペース化を図ることができる。
【0086】
さらに、本願の昇降装置では、ロール状メディアが載置部に載置された状態で作業者がレバーに力を加えると、レバーの作業者の力が作用する部位が力点になり、カムのロール状メディアの荷重が作用する部位が作用点になり、シャフトのレバー及びカムを支持する部位が支点になる。作業者は、力点(レバー)と支点(シャフト)と作用点(カム)とで構成される梃子を利用してロール状メディアを支持することができるので、梃子を利用しないでロール状メディアを支持する場合と比べて、作業者の負担が軽くなる。
【0087】
本願の昇降装置では、前記第2方向から見た場合、前記ロール状メディアが載置される前記載置部の載置面は、前記鉛直上方向に凸となるように湾曲していることが好ましい。
【0088】
昇降装置がロール状メディアを支持し、仮に、ロール状メディアが載置される載置面が尖った角を有している場合、当該角がロール状メディアに食い込み、ロール状メディアに修復困難な不具合(折り目、傷など)が生じやすい。本願の昇降装置では、ロール状メディアが鉛直上方向に凸となるように湾曲した載置面に載置されるので、ロール状メディアが載置面に載置される場合、ロール状メディアが湾曲した載置面に沿って変形し、載置面の特定部位がロール状メディアに食い込みにくくなり、ロール状メディアに修復困難な不具合が生じにくい。
従って、本願の昇降装置は、ロール状メディアに修復困難な不具合が生じにくい状態で、ロール状メディアを支持することができる。
【0089】
本願の昇降装置では、前記載置部に対して前記第1方向側に位置し、前記鉛直下方向側から前記ロール状メディアを載置可能な第2載置部をさらに有し、前記第2方向から見た場合、前記ロール状メディアが載置される前記第2載置部の載置面は、前記鉛直上方向に凸となるように湾曲していることが好ましい。
【0090】
本願の昇降装置では、ロール状メディアは載置部と第2載置部とで支持されるので、載置部だけで支持される場合と比べて、載置部及び第2載置部におけるロール状メディアが支持される領域の面積が広くなる。すると、ロール状メディアが支持される領域の面積が狭い場合と比べて、ロール状メディアに作用する圧力が弱くなり、ロール状メディアに過剰な力が作用しにくくなり、当該過剰な力に起因する修復困難な不具合(折り目、傷など)がロール状メディアに生じにくくなる。
【0091】
本願の昇降装置では、前記昇降部は、前記基部の内側に配置される第1昇降部と、前記第1昇降部によって支持され前記載置部を支持する第2昇降部と、を含むことが好ましい。
【0092】
例えば、第2昇降部だけで載置部を昇降させる構成では、載置部を長さH昇降させる場合、第2昇降部の鉛直方向の長さは、少なくとも長さH必要になる。
本願の記録装置では、最初に第2昇降部を長さH1昇降させるステップと、次に第2昇降部及び第1昇降部を長さH2昇降させるステップとによって、載置部を長さH昇降させることができる。例えば、長さH1及び長さH2が長さHの半分である場合、第1昇降部及び第2昇降部の鉛直方向の長さは長さHの半分でよく、第2昇降部だけで載置部を昇降させる構成と比べて、昇降部(第1昇降部、第2昇降部)の鉛直方向の長さを短くすることができる。
よって、昇降部が第1昇降部と第2昇降部とを有する場合、昇降部が第2昇降部だけを有する場合と比べて、昇降部の鉛直方向の長さを短くすることができる。従って、鉛直方向における昇降装置の省スペース化を図ることができる。
【0093】
本願の昇降装置では、前記基部と前記第1昇降部との間、及び前記第1昇降部と前記第2昇降部との間には、転動体が設けられていることが好ましい。
【0094】
基部と第1昇降部との間に設けられた転動体を回転させながら、基部に対して第1昇降部を昇降させると、第1昇降部を円滑に昇降させることができる。第1昇降部と第2昇降部との間に設けられた転動体を回転させながら、第1昇降部に対して第2昇降部を昇降させると、第2昇降部を円滑に昇降させることができる。
【0095】
本願の昇降装置では、前記カムは、前記第2方向に沿って複数設けられていることが好ましい。
【0096】
カムは、レバーの回転運動を鉛直上方向または鉛直下方向の搖動運動に変換し、載置部が鉛直上方向または鉛直下方向に昇降する力を、載置部に付与する。
カムが複数設けられていると、カムが単数設けられる場合と比べて、載置部において載置部が昇降する力が作用する領域の数が多くなり、載置部を昇降させる場合に載置部の姿勢が安定し、載置部は安定して昇降するようになる。
【0097】
本願の昇降装置では、前記レバーを保護する保護カバーをさらに有し、前記保護カバーの前記鉛直上方向側には、前記基部から遠ざかるに従って前記鉛直下方向に傾斜する傾斜面が設けられていることが好ましい。
【0098】
例えば、作業者が、載置部に支持されたロール状メディアを保護カバー側に押し、ロール状メディアを回転させながら、保護カバーに向けて移動させると、保護カバーの鉛直方向上側の部位に到達したロール状メディアは、鉛直下方向に作用する重力によって保護カバーの鉛直上方向側に設けられた傾斜面に沿って転がり、自動的に保護カバー(昇降装置)の外側に排出される。
【0099】
本願のメディア支持装置は、前記第1方向に延在する前記レールと、前記レールに取付けられ、前記第1方向に移動可能であり、上記の昇降装置と、前記レールに取付けられ、前記第1方向に移動可能であり、前記ロール状メディアを支持可能な支持部と、を備えることを特徴とする。
【0100】
本願の昇降装置は奥行き方向における省スペース化が図られているので、本願の昇降装置を有するメディア支持装置も、奥行き方向における省スペース化が図られる。さらに、本願の昇降装置を使用してロール状メディアを支持すると、作業者の負担が軽くなるので、本願の昇降装置を有するメディア支持装置においてロール状メディアを支持する場合も、作業者の負担が軽くなる。
【0101】
本願のメディア支持装置では、前記昇降装置は、第1昇降装置と、前記第1昇降装置とは独立して前記第1方向に移動可能な第2昇降装置と、を含み、前記レバーは、前記第1昇降装置が備える第1レバーと、前記第2昇降装置が備える第2レバーと、を含み、前記第1レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する第1平面に含まれ、前記第2レバーの回転軌跡は、前記第2方向と直交する第2平面に含まれ、前記第2方向において、前記第1平面は、前記第2平面に対してずれていることが好ましい。
【0102】
本願のメディア支持装置では、第2方向において、第1レバーの回転軌跡が含まれる第2方向と直交する第1平面は、第2レバーの回転軌跡が含まれる第2方向と直交する第2平面に対してずれている。よって、第1レバーの第2方向の位置と、第2レバーの第2方向の位置とは異なっている。
第1レバーの第2方向の位置と、第2レバーの第2方向の位置とを異ならせると、シャフトを支点として第1レバー及び第2レバーを回転させる場合に両者が干渉しないように第1レバー及び第2レバーを配置し、両者が干渉する場合と比べて、第1レバーを第2レバーの近くに配置することができる。よって、第1昇降装置を第2昇降装置の近くに配置し、第1昇降装置と第2昇降装置との間隔を短くすることができる。
すると、本願のメディア支持装置では、第1昇降装置及び第2昇降装置によって支持可能なロール状メディアの第1方向寸法の範囲を広くし、多様なロール状メディアを支持することができる。
【0103】
本願の記録装置は、メディアに画像を記録する記録部と、前記メディアをロール状に巻き取り、前記ロール状メディアを支持する上記のメディア支持装置と、を有することを特徴とする。
【0104】
本願のメディア支持装置は奥行き方向における省スペース化が図られているので、本願のメディア支持装置を有する記録装置も、奥行き方向における省スペース化が図られる。さらに、本願のメディア支持装置を使用してロール状メディアを支持する場合に、作業者の負担が軽くなるので、本願のメディア支持装置を有する記録装置においてロール状メディアを支持する場合も、作業者の負担が軽くなる。
【符号の説明】
【0105】
1…記録装置、26…給送部、28…記録部、35…巻取部、36…レール、37…支持部、38…駆動側支持部、39…従動側支持部、41…第1レバー、42…第2レバー、44,45…保護カバー、48…傾斜面、50…支持機構、51…第1支持機構、52…第2支持機構、56…載置部、57…載置面、60…昇降部、61…第1昇降部、62…第2昇降部、64…基部、66…カム、69…シャフト、71,72…転動体。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17