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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】内燃機関の支持構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 5/12 20060101AFI20221109BHJP
   F02F 7/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B60K5/12 E
F02F7/00 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018127838
(22)【出願日】2018-07-04
(65)【公開番号】P2020006761
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】居串 大治郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏明
【審査官】伊藤 秀行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-218920(JP,A)
【文献】特開2010-116020(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0138256(US,A1)
【文献】特開平10-047157(JP,A)
【文献】特開2017-100567(JP,A)
【文献】特開2002-130051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 5/12
F02F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関、前記内燃機関の車両幅方向の側部に配置される車体部材、及び前記内燃機関を前記車体部材に支持するマウントブラケットを有する内燃機関の支持構造であって、
前記内燃機関は、内燃機関本体と、前記内燃機関本体の前記車体部材側に向く接合面に接合されるカバー部材と、を有し、
前記カバー部材は、本体部と、前記本体部よりも前記車体部材側に向けて膨らむ膨出部と、を有し、
前記膨出部は、前記本体部より前記車体部材側に延びる横壁部と、車両上下方向に延び縦壁部と、を有し、
前記横壁部は、上面と、前記上面の下方に位置する下面と、前記膨出部の車両前後方向の一方側に位置し前記上面及び前記下面を連絡する第1側面と、前記膨出部の車両前後方向の他方側に位置し前記上面及び前記下面を連絡する第2側面と、からなり、
前記縦壁部は、前記上面と前記下面と前記第1側面と前記第2側面とにおける前記横壁部の前記車体部材側の端部に連結され、
前記上には、前記上面から下側へ延びる第1ネジ穴部が設けられ、前記マウントブラケットの上部が締結される第1締結部が設けられ、
前記縦壁部は、車両幅方向にて前記第1ネジ穴部の中心軸と隣接する位置に配置され、
前記縦壁部には、前記マウントブラケットの下部が締結される第2締結部が設けられている、内燃機関の支持構造。
【請求項2】
前記カバー部材は、前記カバー部材の外縁部に配置され前記内燃機関本体に締結される複数の第3締結部を有し、
前記複数の第3締結部のうち少なくとも一の第3締結部は、前記接合面から前記縦壁部の近傍に延び、かつ前記横壁部に連結している、請求項1に記載の内燃機関の支持構造。
【請求項3】
前記横壁部は、前記接合面に対して傾斜しつつ前記カバー部材の外縁部から前記縦壁部に向かって延びる傾斜部を有している、請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の支持構造。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記縦壁部から前記膨出部の内側に延び、前記内燃機関本体に締結される第4締結部が設けられており、
前記第4締結部は、締結部材が挿入される第4穴部と、前記第4穴部を囲む第4ボスと、を有し、
前記第4ボスと前記横壁部は、前記膨出部の内側に配置されるリブによって連結されている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の支持構造。
【請求項5】
前記第2締結部は、締結部材が締結される第2ネジ穴部と、前記第2ネジ穴部を囲む第2ボスと、を有し、
前記第2ボスは、前記リブに連結されている、請求項に記載の内燃機関の支持構造。
【請求項6】
前記内燃機関は、直列に配置された複数の気筒を有し、
前記第1ネジ穴部の中心軸と前記接合面の間の距離は、前記各気筒の配置ピッチよりも長い、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の内燃機関の支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関を車体部材に支持する内燃機関の支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関、車体部材、及び内燃機関を車体部材に支持するマウントブラケット有する内燃機関の支持構造が知られている(例えば、特許文献1)。内燃機関は、内燃機関本体と、内燃機関本体の車体部材側の面に接合されるカバー部材と、を備えている。
【0003】
特許文献1のカバー部材は、本体部と、本体部よりも内燃機関から離れる方向(車体部材に近づく方向)に膨らむ膨出部と、を有する。カバー部材は、膨出部の上面に配置されマウントブラケットの上部が締結される第1締結部と、膨出部の下部の傾斜面に配置されマウントブラケットの下部が締結される第2締結部と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-100567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の第2締結部は、締結部材が挿入される穴部を有するボスを備え、傾斜面から外方に突出している。傾斜面は、膨出部の下側に向かうにつれて車体部材側から離れるように傾斜している。そのため、第2締結部のボスは、膨出部の傾斜面よりも車体部材側に突出している。そのため、第2締結部のボスが車両上下方向に振動し、内燃機関からの振動がマウントブラケットを介して車体部材に伝達し易くなるおそれがあった。
【0006】
また、気筒が車両幅方向に並ぶように横置きに設置される内燃機関にあっては、内燃機関の燃費の向上の観点から気筒を減らしてダウンサイジングを図る場合がある。この際、車体部材と内燃機関の距離が長くなるため、マウントブラケットのカバー部材に対する結合剛性をより高めておかないと、内燃機関からの振動がマウントブラケットを介して車体部材に伝達し易くなるおそれがあった。
【0007】
本発明はかかる事情に鑑み、マウントブラケットの振動を抑制し、内燃機関からの振動が車体部材に伝達し難い内燃機関の支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様に係る内燃機関の支持構造は、内燃機関、車体部材、及び前記内燃機関を前記車体部材に支持するマウントブラケットを有する内燃機関の支持構造であって、前記内燃機関は、内燃機関本体と、前記内燃機関本体の前記車体部材側に向く接合面に接合されるカバー部材と、を有し、前記カバー部材は、本体部と、前記本体部よりも前記車体部材側に向けて膨らむ膨出部と、を有し、前記膨出部は、前記本体部より前記車体部材側に延びる横壁部と、車両上下方向に延び前記横壁部の端部に連結される縦壁部と、を有し、前記横壁部の上部には、前記マウントブラケットの上部が締結される第1締結部が設けられ、前記縦壁部には、前記マウントブラケットの下部が締結される第2締結部が設けられている。
【0009】
カバー部材が本体部と膨出部を有しており、当該膨出部に第1締結部と第2締結部が設けられている。従来の膨出部より大きさが大きく、剛性が高い膨出部に第1締結部と第2締結部を設けることにより、カバー部材とマウントブラケットを強固に連結でき、マウントブラケットの振動を抑制できる。また、膨出部の車体部材側への延出長さを長くし、かつ膨出部の端部に配置され車両上下方向に延びる縦壁部に第2締結部が設けられているため、第2締結部の車両上下方向の振動を抑制できる。よって、内燃機関の支持構造全体の車両上下方向の振動を抑制でき、内燃機関からの振動が車体部材に伝達することを抑制できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マウントブラケットの振動を抑制し、内燃機関からの振動を車体部材に伝達し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る内燃機関の支持構造の平面図である。
図2図2は、図1に示すA矢視におけるカバー部材及びマウントブラケットの後側図である。
図3図3は、実施の形態に係るカバー部材及び第1マウントブラケットの車体部材側から見た外側面図である。
図4図4は、実施の形態に係るカバー部材及び第1マウントブラケットの内燃機関側から見た内側面図である。
図5図5は、実施の形態に係るカバー部材の車両幅方向の外側から見た側面図である。
図6図6は、図3に示す6A-6A断面に沿った断面図である。
図7図7は、図1に示す7A-7A断面に沿った断面図である。
図8図8は、第1マウントブラケットの内燃機関側から見た斜視図である。
図9図9は、第1マウントブラケットの車体部材側から見た斜視図である。
図10図10は、第1マウントブラケットの平面図である。
図11図11は、第1マウントブラケットの内燃機関側から見た側面図である。
図12図12は、図11に示す12A-12A断面に沿った断面図である。
図13図13は、図11に示す13A-13A断面に沿った断面図である。
図14図14は、図10に示す14A-14A断面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0013】
(1)内燃機関の支持構造の全体概略構成
図1は、本実施形態にかかる内燃機関の支持構造の平面図である。図2は、図1に示すA矢視におけるカバー部材及びマウントブラケットの後側図である。図面に示す矢印Xは、車両前後方向を示し、矢印Yは、車両幅方向を示し、Zは、車両上下方向を示す。車両前後方向X、車両幅方向Y、及び車両上下方向Zは、互いに直交している。
【0014】
図1において、車両には、内燃機関としてのエンジン2と、車体部材としての車体フレーム8と、エンジン2を車体フレーム8に支持するマウントブラケット5と、防振装置9と、が設けられている。マウントブラケット5は、エンジン2に締結される第1マウントブラケット20と、第1マウントブラケット20及び防振装置9に締結される第2マウントブラケット30と、を有する。防振装置9は、車体フレーム8に締結され、エンジン2からマウントブラケット5を介して伝達される振動が車体フレーム8に伝達することを抑制する。
【0015】
エンジン2は、複数の気筒4(図7参照)を有するエンジン本体3と、カバー部材10と、を有する。本実施の形態のエンジン本体3は、本発明の内燃機関本体を構成する。エンジン本体3の気筒4は、直列に並んでいる。気筒4の配列方向を気筒列方向とする。本実施の形態における気筒列方向は、車両幅方向Yに沿っている。本発明の構成部品に対し車体フレーム8(車体部材)側が車両幅方向の外側であり、本発明の構成部品に対しエンジン2(内燃機関)側が車両幅方向の内側である。以下、車両幅方向の外側をY1とし、車両幅方向の内側をY2として説明する。本実施の形態における車両上下方向をZとし、本実施の形態の車両前後方向をXとする。
【0016】
(2)カバー部材の詳細構成
次いで、カバー部材10について詳細に説明する。図3は、実施の形態に係るカバー部材10及び第1マウントブラケット20の外側面図である。図3から図5においては、第2マウントブラケット30を示していない。図4は、カバー部材10の内側面図である。図5は、カバー部材10の車両幅方向の外側Y1から見た側面図である。図6は、図3に示す6A-6A断面に沿った断面図である。図7は、図1に示す7A-7A断面に沿った断面図である。図7に示す断面図では、シリンダヘッドの上部を一部省略している。
【0017】
カバー部材10は、エンジン本体3よりも車両幅方向Yの外側Y1に配置されており、エンジン本体3の車両幅方向の外側Y1の接合面3A(図2参照)に接合される。カバー部材10は、エンジン本体3のタイミングチェーン(図示せず)を覆っている。図2及び図3に示すように、カバー部材10は、本体部11と、膨出部12と、を有する。図2は、本体部11と膨出部12の車両上下方向Zの位置関係を示す。
【0018】
カバー部材10の本体部11は、エンジン本体3のシリンダブロックに対応する位置に配置され、接合面3Aから車両幅方向Yの外側Y1への延出量が後述する膨出部12よりも小さい。
【0019】
膨出部12は、エンジン本体3の上部のシリンダヘッドに対応する位置に配置され、本体部11よりも上側に位置する。膨出部12は、本体部11よりも車両幅方向の外側Y1に膨らんでいる。膨出部12は、カバー部材10の上端からカバー部材10の車両上下方向Zの中央近傍にかけて設けられている。膨出部12は、本体部11より車両幅方向の外側Y1に延びる横壁部12Aと、車両上下方向Zに延び、かつ横壁部12Aの車体フレーム8側の端部に連結される縦壁部12Bと、を有する。
【0020】
図5に示すように、横壁部12Aは、カバー部材10の上端縁から車両幅方向の外側Y1に延びる第1上面121Aと、第1上面121Aよりも下側かつ車両幅方向の外側Y1に位置する第2上面122Aと、縦壁部12Bの下端縁から本体部11側に向かって延びる下面12Cと、縦壁部12Bの車両前後方向Xの一方側に配置された第1側面12Dと、縦壁部12Bの車両前後方向Xの他方側に配置された第2側面12Eと、を有する。なお、本実施の形態における上面は、上側に向かって配置された面であり、必ずしも上端に位置してなくてよい。膨出部12の上面は、車両上下方向Zの位置が異なる2つの上面を有し、第1上面121Aと第2上面122Aを有する。
【0021】
膨出部12には、第1カバー締結部18及び第2カバー締結部16が設けられている。第1カバー締結部18は、第1マウントブラケット20の第1ブラケット締結部21と締結され、第2カバー締結部16は、第2ブラケット締結部22と締結される。本実施の形態の第1カバー締結部18は、本発明の第1締結部を構成し、本実施の形態の第2カバー締結部16は、本発明の第2締結部を構成する。
【0022】
図7に示すように、第1カバー締結部18は、第2上面122Aに設けられている。第1カバー締結部18は、第2上面122Aから下側に向かって延びる第1ネジ穴部18Aと、第1ネジ穴部を囲む第1ボス(図示せず)と、を有する。第2上面122Aには、第1マウントブラケット20の上部が締結される。第1マウントブラケット20は、図9に示す第1ブラケット締結部21の第1穴部21Aを通してボルト18Dが第1カバー締結部18の第1ネジ穴部18Aに締結されることでカバー部材10に締結される。
【0023】
膨出部12の縦壁部12Bは、膨出部12の上面と下面12Cとの間において、車両上下方向Zに延びる面である。縦壁部12Bは、カバー部材10の車両幅方向の外側Y1の面を構成する。図5に示すように、膨出部12の縦壁部12Bには、第2カバー締結部16が設けられている。第2カバー締結部16は、縦壁部12Bから車両幅方向の内側Y2に延びる第2ネジ穴部16Aと、第2ネジ穴部16Aを囲む第2ボス16Bと、を有する。縦壁部12Bには、第1マウントブラケット20の下部が締結される。第1マウントブラケット20は、図9に示す第2ブラケット締結部22の第2穴部22Aを通してボルト16D(図3参照)が第2ネジ穴部16Aに締結されることでカバー部材10に締結される。
【0024】
カバー部材10が本体部11と膨出部12を有しており、膨出部12に第1カバー締結部18と第2カバー締結部16が設けられている。膨出部12を設けることにより、マウントブラケット5における車両幅方向Yの長さを短くでき、マウントブラケット5の剛性を向上させることができる。また、膨出部12を、従来の膨出部よりも大きくしかつ本体部11との結合剛性を向上させたことにより、カバー部材10とマウントブラケット5を強固に連結でき、マウントブラケット5の振動を抑制できる。例えば、本発明の膨出部12は、車両前後方向X、車両幅方向Y、車両上下方向Zの全ての方向において従来の膨出部よりも大きくされ、その外縁部がカバー部材10のうち剛性の高い部分に連結され、かつ縦壁部12Bが第2カバー締結部16を構成する第2ボス16Bの端部に連結されているため、第2ボス16Bの車両上下方向Zの振動を抑制できる。よって、マウントブラケット5の車両上下方向の振動を抑制でき、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することを抑制できる。
【0025】
横壁部12Aを構成する第1側面12Dと第2側面12Eは、車両前後方向Xにおいて縦壁部12Bを挟んで配置されている。本実施の形態の第1側面12Dは、本発明の第2締結部の側方に位置する壁部を構成し、本実施の形態の下面12Cは、第2締結部の下方に位置する壁部を構成し、本実施の形態の第2側面12Eは、本発明の傾斜部を構成する。図6に示すように、第1側面12D及び下面12Cは、車両幅方向Yに略沿っており、接合面3Aと直交する方向に延びる。第2側面12Eは、車両幅方向Y及び車両前後方向Xに対して傾斜している。第2側面12Eは、縦壁部12Bの縁部からカバー部材10の外縁部10Eに到達するように直線状に延びている。実施の形態における外縁部は、外縁を含む一定の範囲を占める部分である。この構成によれば、縦壁部12Bとカバー部材10の外縁部10Eを第1側面12Dと交差する方向に延びる第2側面12Eによって繋ぐことができる。よって、マウントブラケット5からカバー部材10の膨出部12に掛かる車両前後方向Xの力を第2側面12Eによってカバー部材10の外縁部10Eに伝達し、膨出部12の撓みを抑制できる。よって、膨出部12の車両前後方向Xの振動をより抑制できる。
【0026】
図3及び図5に示すように、横壁部12Aは、第2カバー締結部16の下側に位置する下面12Cと、第2カバー締結部16の車両前後方向における両側に位置する第1側面12D及び第2側面12Eと、を有している。この構成によれば、マウントブラケット5からカバー部材10の膨出部12に掛かる力をカバー部材10の前後の外縁部と、前後の外縁部の間隔が狭くなる部位とに伝達し、膨出部12の変形を抑制でき、膨出部12の車両上下方向Zの振動をより抑制できる。
【0027】
膨出部12の下面12Cは、図2に示すように、縦壁部12Bの下端から車両幅方向Yの内側Y2に向かって下側に傾斜している。下面12Cの車両幅方向Yの内端縁は、本体部11に連なっている。
【0028】
図4及び図5に示すように、カバー部材10には、カバー部材10の外縁部10Eにおいてエンジン本体3に対して締結される複数の第3カバー締結部15が形成されている。図6に示すように、第3カバー締結部15は、締結部材としてのボルト15Dが挿入される第3穴部15Aと、第3穴部15Aを囲む第3ボス15Bと、を有する。カバー部材10は、第3穴部15Aを通してボルト15Dがエンジン本体3に形成されたネジ穴部(図示せず)に締結されることでエンジン本体3に締結されている。本実施の形態の第3カバー締結部15は、本発明の第3締結部を構成する。
【0029】
膨出部12は、車両上下方向Zに延びる一対の第3カバー締結部15の間に設けられている。複数の第3カバー締結部15のうち少なくとも一つの第3カバー締結部15は、他の第3カバー締結部15よりも車両幅方向の外側Y1に延びており、横壁部12Aに連結されている。より詳細には、図6に示すように、第3ボス15B及び第3穴部15Aは、接合面3Aよりも車両幅方向の外側Y1に延びている。また、第3ボス15Bは、横壁部12Aを構成する第1側面12Dに連結している。この構成によれば、横壁部12Aと第3カバー締結部15が連結され、当該第3カバー締結部15が縦壁部12B側に延びているため、横壁部12A及び当該横壁部12Aに連なる縦壁部12Bの剛性が高くなり、膨出部12全体の剛性を高め、膨出部12及びマウントブラケット5の振動を抑制できる。よって、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することをより抑制できる。
【0030】
図6に示すように、横壁部12Aに連結される第3カバー締結部15の車両幅方向Yの外側端15Eは、縦壁部12Bの近傍に配置されている。換言すると、第3カバー締結部15の車両幅方向Yの高さ15Yは、横壁部12Aの車両幅方向Yの高さ12AYに対する50%以上、より好ましくは、60%以上である。第3カバー締結部15の車両幅方向の高さ15Yは、第3カバー締結部15の車両幅方向の外側端15Eと接合面3Aとの車両幅方向Yの高さである。横壁部12Aの車両幅方向の高さ12AYは、横壁部12Aの車両幅方向の外側端12AEと接合面3Aとの車両幅方向Yの距離である。このように、第3カバー締結部15の車両幅方向の外側端15Eが縦壁部12Bの近傍に配置されていることにより、膨出部全体の剛性を高める効果をより得やすく、膨出部12及びマウントブラケット5の振動を抑制できる。よって、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することをより抑制できる。
【0031】
図7に示すように、カバー部材10は、縦壁部12Bから車両幅方向Yの内側に延び、エンジン本体3に締結される第4カバー締結部19を有する。第4カバー締結部19は、締結部材としてのボルト19Dが挿入される第4穴部19Aと、第4穴部19Aを囲む第4ボス19Bと、を有する。第4カバー締結部19は、車両幅方向Yに延びている。カバー部材10は、第4穴部19Aを通してボルト19Dがエンジン本体3に形成されたネジ穴部3Bに締結されることでエンジン本体3に締結されている。第4カバー締結部19は、膨出部12の車両上下方向Zの中央に配置されている。そのため、第4カバー締結部19によって膨出部12の車両上下方向Zの剛性を高めることができ、膨出部12の変形を抑制し、振動抑制効果をより得られる。本実施の形態の第4カバー締結部19は、本発明の第4締結部を構成する。
【0032】
第4カバー締結部の第4ボス19Bと、膨出部12の横壁部12Aとは、車両上下方向Zに延びるリブ17によって連結されている。図7において、リブ17に斜線を付して示すとともに、図4にリブ17を示す。リブ17は、膨出部12内に配置されている。リブ17は、カバー部材10の車両幅方向Yの内側の面からエンジン本体3側に向かって延び、複数設けられている。いつくかのリブ17は、第4カバー締結部19を中心として放射状に延びるように配置され、縦壁部12Bの内面から車両幅方向Yの内側に延びている。車両上下方向Zに延びるリブ17によって縦壁部12Bを第4カバー締結部19と横壁部12Aとの両方に連結することにより、膨出部12の変形をより抑制できる。膨出部12及びマウントブラケット5の振動を抑制し、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することをより抑制できる。
【0033】
図4に示すように、リブ17は、第2カバー締結部16と第4カバー締結部19を連結している。具体的には、第2カバー締結部16の第2ボス16Bは、カバー部材10の車両幅方向Yの内側の面において車両幅方向Yの内側に膨らんでいる。この第2ボス16Bと第4ボス19Bは、リブ17によって連結されている。リブ17によって第2カバー締結部16の車両上下方向Zの振動をより抑制できる。よって、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することをより抑制できる。
【0034】
図7に示すように、第1カバー締結部18の第1ネジ穴部18Aの中心軸18CLと接合面3Aとの車両幅方向Yの距離L2は、気筒4の車両幅方向Yの配置ピッチL1よりも長い。距離L2を長くすると、マウントブラケット5を短くでき剛性を高められるが、第1カバー締結部18が車両上下方向Zに振動しやすくなる。しかし、本実施の形態では、上記構造により膨出部の剛性を高めているため、第1カバー締結部18の振動を抑制でき、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することをより抑制できる。
【0035】
(3)マウントブラケットの詳細構成
次いで、マウントブラケット5について、詳細に説明する。マウントブラケット5は、第1マウントブラケット20と第2マウントブラケット30を有する。図8は、第1マウントブラケット20の内燃機関側から見た斜視図であり、図9は、第1マウントブラケットの車体部材側から見た斜視図である。図10は、第1マウントブラケット20の平面図である。図11は、第1マウントブラケットを内燃機関側から見た側面図である。図12は、図11に示す12A-12A断面に沿った断面図である。図13は、図11に示す13A-13A断面に沿った断面図である。図14は、図10に示す14A-14A断面に沿った断面図である。
【0036】
第1マウントブラケット20は、カバー部材10と第2マウントブラケット30に締結される。図9及び図12等に示すように、第1マウントブラケット20の車両上下方向Zの中央部は、第1マウントブラケット20の上端部及び下端部よりも車両幅方向の外側Y1に膨らんでいる。なお、本実施の形態における上端部は、上端縁を含む一定の範囲を占める部分であり、下端部は、下端縁を含む一定の範囲を占める部分である。図9に示すように、第1マウントブラケット20において上側に向いて配置された上面24は、車両上下方向Zの位置が異なる2つの上面を有し、第1マウントブラケット20の上端に設けられた第1上面24Aと、第1上面24Aよりも下側かつ車両幅方向の外側Y1に位置する第2上面24Bと、を有する。第2上面24Bは、後述する湾曲部29の途中に設けられている。
【0037】
第1マウントブラケット20は、車両幅方向の外側Y1の面である第1側面26と、車両幅方向の内側Y2の面である第2側面27と、を有する。第1側面26は、第1マウントブラケット20においてエンジン2と反対側に向いて配置された面であり、第2側面27は、第1マウントブラケット20においてエンジン2側に向いて配置された面である。第1側面26と第2側面27は、それぞれ上面24と下面25の間において車両上下方向Zに延びている。
【0038】
第1マウントブラケット20は、カバー部材10の第1カバー締結部18に締結される第1ブラケット締結部21と、カバー部材10の第2カバー締結部16に締結される第2ブラケット締結部22と、第2マウントブラケット30が締結される第3ブラケット締結部23と、を有する。第1ブラケット締結部21は、第1マウントブラケット20の上端部に設けられており、第2ブラケット締結部22は、第1マウントブラケット20の下端部に設けられている。第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部は、車両上下方向Zにおいて間隔を空けて配置されている。
【0039】
第1ブラケット締結部21は、第1マウントブラケット20の第1上面24Aから下側に向かって延びる第1穴部21Aと、第1穴部21Aを囲む第1ボス21Bと、によって構成されている。第1ブラケット締結部21の上面は、第1マウントブラケット20の第1上面24Aに配置されている。第1ブラケット締結部21の下面は、カバー部材10の膨出部12の第2上面(上面)122Aに当接する。第1ブラケット締結部21は、車両前後方向Xに間隔を空けて複数設けられている。複数の第1ブラケット締結部21の車両上下方向Zの位置は、一致している。
【0040】
第2ブラケット締結部22は、車両幅方向Yに延びる第2穴部22Aと、第2穴部22Aを囲む第2ボス22Bと、によって構成されている。第2ブラケット締結部22は、第1側面26から第2側面27まで到達している。第2ブラケット締結部22の車両幅方向の外側Y1の面は、第1側面26に配置されている。第2ブラケット締結部22の車両幅方向の内側Y2の面は、第2側面27に配置されており、膨出部12の縦壁部12Bに当接する。第2ブラケット締結部22は、車両前後方向Xに間隔を空けて複数設けられている。複数の第2ブラケット締結部22の車両上下方向Zの位置は、ずれている。
【0041】
第2締結部は前記第1締結部の下方に配置され、第1ブラケット締結部21の少なくとも一部は、車両上下方向Zにおいて第2ブラケット締結部22に重なっている。第1ブラケット締結部21の少なくとも一部と第2ブラケット締結部22の少なくとも一部とが車両上下方向Zにおいて重なっていればよく、第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部22が全域に亘って重なっていなくてもよい。本実施の形態では、図12に示すように、第1ブラケット締結部21の車両幅方向Yの直径は、第2ブラケット締結部22の車両幅方向Yの長さよりも長く、第1ブラケット締結部21は全体的に第2ブラケット締結部22に重なっている。
【0042】
第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部22が車両上下方向Zに重なる部分を有しているため、第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部22の車両幅方向Yにおける位置のずれを低減できる。第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部22の車両幅方向Yにおける位置のずれが大きいと、車両上下方向の外力が第1マウントブラケット20に作用した場合、第1ブラケット締結部21を第2ブラケット締結部22の周りに回転させるモーメントが増加し、第1マウントブラケット20の車両上下方向Zの振動が大きくなるおそれがある。しかし、第2締結部は前記第1締結部の下方に配置されているため、第1ブラケット締結部21を第2ブラケット締結部22の周りに回転させるモーメントが発生せず、第2ブラケット締結部22及び第1マウントブラケット20の車両上下方向Zの振動を小さくできる。また、第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部22が車両上下方向Zに重なる部分を有しているため、第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部22に荷重を略均等に分散でき、マウントブラケットを安定して支持できる。その結果、エンジン側から伝達された振動を車体フレーム8に伝達し難くできる。
【0043】
第3ブラケット締結部23は、後述する湾曲部29に設けられている。図9に示すように、第3ブラケット締結部23は、第2上面24Bから下側に向かって延びる第3ネジ穴部23Aと、第3ネジ穴部23Aを囲む第3ボス23Bと、によって構成されている。第3ブラケット締結部23の上面は、第1マウントブラケット20の第2上面24Bに配置されている。第3ブラケット締結部23は、車両前後方向Xに間隔を空けて複数設けられている。複数の第3ブラケット締結部23の車両上下方向Zの位置は、一致している。第2マウントブラケット30は、第3ブラケット締結部23の上面を構成する第2上面24Bに当接した状態で、第1マウントブラケット20に締結されている。図1に示すように、第2マウントブラケット30は、軸方向一端部が第1マウントブラケット20の第3ネジ穴部23Aに締結され、軸方向他端部が第2マウントブラケット30の穴部(図示せず)を通して外方へ延びるスタッドボルト23Dと、その外側に装着されるナット23Eとによって第1マウントブラケット20に締結されている。
【0044】
第1マウントブラケット20は、車両上下方向中央部が第1ブラケット締結部21及び第2ブラケット締結部22よりも車両幅方向の外側Y1に延出した湾曲部29を有する。本実施の形態の湾曲部29は、第1ブラケット締結部21の車両幅方向Yの外側部にて湾曲して下方へ延び、その後車両幅方向Yの内側Y2へ湾曲して第2ブラケット締結部22の上部に連結される。湾曲部29の下端縁は、第2ブラケット締結部22の上端縁と略一致する。湾曲部29の上端縁は、第1マウントブラケット20の第1上面24Aと略一致する。湾曲部29の車両幅方向の外側Y1の端縁は、第1側面26によって構成され、湾曲部29の車両幅方向の内側Y2の端縁は、第2側面27によって構成されている。
【0045】
図12に示すように、湾曲部29の車両幅方向Yの長さ29Yは、湾曲部29の車両上下方向Zの長さ29Zに対する50%未満である。これにより、湾曲部29の車両上下方向Z中間部に配置され、かつ第2マウントブラケット30が締結される第3ブラケット締結部23を、カバー部材10に締結される第1ブラケット締結部21及び第2ブラケット締結部22と、車両幅方向Yにて近い位置に配置できる。湾曲部29の車両上下方向Zの長さに対して湾曲部29が膨らむ長さが短いため、湾曲部29の車両上下方向Zの振動を抑制し易い。よって、第1マウントブラケット20の車両上下方向Zの振動を抑制でき、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することを抑制できる。より好ましくは、湾曲部29の車両幅方向Yの長さ29Yは、湾曲部の上下方向の長さに対する30%以下であってよく、振動を抑制する効果をより得られる。
【0046】
特に、気筒が車両幅方向Yに並ぶように横置きに設置されるエンジン2にあっては、エンジン2の燃費の向上の観点から気筒を減らしてダウンサイジングを図る場合がある。エンジン2の車体に対する搭載位置を変えずにエンジンのダウンサイジングを図る(エンジンの車両幅方向の寸法が小さくなる)と、車体とエンジンの隙間が大きくなり、マウントブラケット5の長さが長くなる。この際、本実施の形態の内燃機関の支持構造は、カバー部材10が従来よりも大きな膨出部12を有しており、マウントブラケット5及びカバー部材10の振動が低減できるため、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することを効果的に抑制できる。
【0047】
湾曲部29には、第1マウントブラケット20の第2上面24Bと、第2上面24Bと第1上面24Aを繋ぎ、かつ車両上下方向Zに延びる縦壁24Cと、が設けられている。第2上面24Bには、第2マウントブラケット30が締結される第3ブラケット締結部23が設けられている。第3ブラケット締結部23は、湾曲部29の車両幅方向Yにて第1ブラケット締結部21と第2ブラケット締結部22の近傍に位置するため、第2マウントブラケット30に対する締結部とカバー部材に対する締結部との車両幅方向Yにおける間隔を短くできる。よって、マウントブラケット5の車両上下方向Zの振動を抑制し、エンジン2からの振動が車体フレーム8に伝達することを抑制できる。
【0048】
湾曲部29は、第3ブラケット締結部23の下側にて車両幅方向Yの内側Y2へ湾曲した後、下方へ湾曲して第2ブラケット締結部22の上部に連結されている。このため、第2上面24Bと第2ブラケット締結部22を繋ぐ部分(湾曲部において第2上面よりも下側かつ第2締結部よりも上側の部分)の断面積を確保できる。そして、第1マウントブラケット20の車両上下方向Zの振動を抑制し、エンジン2からの振動が車体部材に伝達することを抑制できる。
【0049】
図14に示すように、湾曲部29における第1側面26及び第2側面27は、いずれも車両幅方向Yの外側に向かって膨らんでいる。第2ブラケット締結部22の車両幅方向の外側Y1の端縁を通り、かつ車両上下方向Zに延びる仮想面FLと、第2側面27と、の交点CPは、車両上下方向Zで第2ブラケット締結部22よりも第3ブラケット締結部23に配置されている。換言すると、交点CPから第3ブラケット締結部23までの距離G23は、交点CPから第2ブラケット締結部22までの距離G22よりも短い。交点CPが第2ブラケット締結部22よりも第3ブラケット締結部23側に近い位置にあるため、湾曲部29における第2ブラケット締結部22の上端から交点CPまでの部分の長さを確保でき、湾曲部29における第2ブラケット締結部22と第3ブラケット締結部23とを連絡する区間の仮想面FLに沿った断面積をより大きくできる。このため、湾曲部29における第2ブラケット締結部22と第3ブラケット締結部23とを連絡する部分の剛性を高め、第1マウントブラケット20の振動をより抑制し、エンジンからの振動が車体フレーム8に伝達することを効果的に抑制できる。
【0050】
本実施の形態の第1マウントブラケット20の交点CPは、車両上下方向Zにおいて第2ブラケット締結部22の上面と第3ブラケット締結部23の上面との間に配置されている。また、第3ブラケット締結部23の車両幅方向の内側Y2に交点CPが配置されている。よって、湾曲部29における第2ブラケット締結部22の上面と第3ブラケット締結部23の上面との間を連絡する部分の仮想面FLに沿った断面積をより大きくし、第1マウントブラケット20の振動をより抑制できる。
【0051】
図8に示すように、第1マウントブラケット20の湾曲部29には、車両幅方向Yに凹む凹部29Aが形成されている。より詳細には、湾曲部29には、第2側面27から第1側面26側に凹む凹部29Aが形成されている。凹部29Aは、車両前後方向Xに間隔を空けて複数形成されている。湾曲部29に凹部29Aが形成されているため、第1マウントブラケット20の軽量化を図ることができる。
【0052】
図14に示すように、凹部29Aは、第3ブラケット締結部23の第3ボス23Bより車両幅方向の内側Y2に配置されている。第1側面26は、車両幅方向の内側Y2に湾曲されてその上側の壁が第3ボス23Bの下端に連結されている。このため、第3ボス23Bの支持剛性を高め、第1マウントブラケット20の車両上下方向Zの振動を抑制できる。凹部29Aと第3ブラケット締結部23が隣接しているため、第1マウントブラケット20の軽量化を図りつつ第1マウントブラケット20の振動を抑制できる。
【0053】
本実施の形態の凹部29Aは、第2側面27から第1側面26側に向かって凹んでいる。また、第3ブラケット締結部23は、凹部29Aよりも車両幅方向の外側Y1に設けられている。しかし、凹部29Aは第1側面26から第2側面27側に向かって凹む形状であってもよい。また、凹部29Aは、少なくとも1つ設けられていればよく、複数設けられていなくてもよい。
【0054】
第2ブラケット締結部22は、車両上下方向Zの位置が異なる複数の第2ブラケット締結部22を有する。具体的には、第2ブラケット締結部22は、第3ボス23Bの下側近傍に配置される上側締結部222と、第1マウントブラケット20の最下部に配置される下側締結部221を有する。湾曲部29の下縁は、上側締結部222の下部と、下側締結部221の下部と、の外周を囲む形状に形成されている。上側締結部222は、第1側面26と第2側面27とを連絡する壁222Aに連結されている。湾曲部29の車両上下方向Zで第3ボス23Bと下側締結部221との間に上側締結部222及び壁222Aが設けられているため、湾曲部29の車両上下方向Zで第3ボス23Bより下側の領域の剛性が高められる。よって、湾曲部29の車両上下方向Zの振動を抑制し、第1マウントブラケット20の振動をより抑制できる。
【0055】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0056】
2 :エンジン(内燃機関)
3 :エンジン本体(内燃機関本体)
4 :気筒
8 :車体フレーム(車体部材)
10 :カバー部材
11 :本体部
12 :膨出部
15 :第3カバー締結部(第3締結部)
16 :第2カバー締結部(第2締結部)
17 :リブ
18 :第1カバー締結部(第1締結部)
19 :第4カバー締結部(第4締結部)
20 :第1マウントブラケット
21 :第1ブラケット締結部
22 :第2ブラケット締結部
221 :下側締結部
222 :上側締結部
23 :第3ブラケット締結部
23A :第3ネジ穴部
23B :第3ボス
23D :スタッドボルト
26 :第1側面
27 :第2側面
29 :湾曲部
30 :第2マウントブラケット
X :車両前後方向
Y :車両幅方向
Z :車両上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14