(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】発電制御装置
(51)【国際特許分類】
B60W 20/12 20160101AFI20221109BHJP
B60K 6/46 20071001ALI20221109BHJP
B60W 10/06 20060101ALI20221109BHJP
B60W 10/08 20060101ALI20221109BHJP
B60W 10/26 20060101ALI20221109BHJP
B60W 20/13 20160101ALI20221109BHJP
B60L 3/00 20190101ALI20221109BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20221109BHJP
F02D 29/02 20060101ALI20221109BHJP
F02D 29/06 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B60W20/12
B60K6/46 ZHV
B60W10/06 900
B60W10/08 900
B60W10/26 900
B60W20/13
B60L3/00 S
B60L50/60
F02D29/02 L
F02D29/06 D
(21)【出願番号】P 2018129959
(22)【出願日】2018-07-09
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】弁理士法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝井 祐
(72)【発明者】
【氏名】曽布川 靖
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/114486(WO,A1)
【文献】特開2010-132241(JP,A)
【文献】特開2011-038845(JP,A)
【文献】特開2009-044887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 20/12
B60K 6/46
B60W 10/06
B60W 10/08
B60W 10/26
B60W 20/13
B60L 3/00
B60L 50/60
F02D 29/02
F02D 29/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用のモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリに充電する電気を発電する発電機と、前記発電機を駆動する内燃機関と、乗員によって操作される発電スイッチと、乗員の操作によって目的地を設定する目的地設定部とを備えた電動車両の発電制御装置であって、
前記発電スイッチがオンに操作されると、前記内燃機関を駆動して発電を開始する発電制御部と、
前記電動車両の現在地から前記目的地まで前記電動車両が走行することができない場合に、前記発電機の駆動による前記バッテリの充電を促す発電喚起部と、
前記現在地から前記目的地までの走行に要する前記バッテリの蓄電量に基づき、発電量の調整量を前記乗員に報知する発電量調整喚起部と、を備えることを特徴とする発電制御装置。
【請求項2】
走行用のモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリに充電する電気を発電する発電機と、前記発電機を駆動する内燃機関と、乗員によって操作される発電スイッチと、乗員の操作によって目的地を設定する目的地設定部とを備えた電動車両の発電制御装置であって、
前記発電スイッチがオンに操作されると、前記内燃機関を駆動して発電を開始する発電制御部と、
前記電動車両の現在地から前記目的地まで前記電動車両が走行することができない場合に、前記発電機の駆動による前記バッテリの充電を促す発電喚起部と、
前記乗員の操作によって前記発電機の発電量を調整可能な発電量調整部と、
前記現在地から前記目的地までの走行に要する前記バッテリの蓄電量に基づき、前記発電量調整部による発電量の調整量を前記乗員に報知する発電量調整喚起部と、を備えることを特徴とす
る発電制御装置。
【請求項3】
前記発電量調整喚起部は、前記バッテリの充電受入性に基づき、前記調整量を前記乗員に報知する時期を調整することを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載の発電制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エンジン駆動式の発電装置を備えた電気駆動式車両において、発電装置に対して運転要求をするための操作手段として発電スイッチがインストルメントパネルに設けられたものが開示されている。
【0003】
この特許文献1に記載の電気駆動式車両において、発電スイッチがONである場合には発電装置に対する運転要求が有りの状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2011/089726号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の電気駆動式車両にあっては、乗員が発電スイッチをONに操作しなければ発電装置による発電が行われず、その結果、バッテリの蓄電量が低下してしまい、走行不能になるおそれがある。これにより、道路上で電気駆動式車両が停止してしまい、周囲の車両の走行の妨げとなるおそれがあった。
【0006】
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、乗員の操作によって発電の実施及び停止を切替可能な車両であっても、車両が走行不能となるまでバッテリの蓄電量が低下してしまうことを防止することができる発電制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、走行用のモータと、前記モータに電力を供給するバッテリと、前記バッテリに充電する電気を発電する発電機と、前記発電機を駆動する内燃機関と、乗員によって操作される発電スイッチと、乗員の操作によって目的地を設定する目的地設定部とを備えた電動車両の発電制御装置であって、前記発電スイッチがオンに操作されると、前記内燃機関を駆動して発電を開始する発電制御部と、前記電動車両の現在地から前記目的地まで前記電動車両が走行することができない場合に、前記発電機の駆動による前記バッテリの充電を促す発電喚起部と、前記現在地から前記目的地までの走行に要する前記バッテリの蓄電量に基づき、発電量の調整量を前記乗員に報知する発電量調整喚起部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乗員の操作によって発電の実施及び停止を切替可能な車両であっても、車両が走行不能となるまでバッテリの蓄電量が低下してしまうことを防止することができる発電制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係る車両の構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係る車両のECUにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施の形態に係る発電制御装置は、走行用のモータと、モータに電力を供給するバッテリと、バッテリに充電する電気を発電する発電機と、発電機を駆動する内燃機関と、乗員によって操作される発電スイッチと、乗員の操作によって目的地を設定する目的地設定部とを備えた電動車両の発電制御装置であって、発電スイッチがオンに操作されると、内燃機関を駆動して発電を開始する発電制御部と、電動車両の現在地から目的地まで電動車両が走行することができない場合に、発電機の駆動によるバッテリの充電を促す発電喚起部と、を備えることを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る発電制御装置は、乗員の操作によって発電の実施及び停止を切替可能な車両であっても、車両が走行不能となるまでバッテリの蓄電量が低下してしまうことを防止することができる。
【実施例】
【0011】
以下、本発明の一実施例に係る発電制御装置について図面を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように、車両10は、内燃機関としてのエンジン20と、発電機30と、車輪12と、車両を走行させる走行用のモータジェネレータ(以下、「MG」という)40と、走行用のバッテリ50と、ECU(Electronic Control Unit)100と、エンジン20を始動する始動装置であるスタータ(図示せず)とを含んで構成される。車両10は、MG40の動力により走行する電動車両である。
【0013】
エンジン20には、複数の気筒が形成されている。本実施例において、エンジン20は、各気筒に対して、吸気行程、圧縮行程、膨張行程および排気行程からなる一連の4行程を行うように構成されている。
【0014】
発電機30は、エンジン20のクランクシャフトとギヤ等の駆動部材を介して連結されており、エンジン20の動力により発電する発電機の機能を有する。
【0015】
MG40は、電動機および発電機の機能を有する回転電機であり、ドライブシャフト11を介して車輪12に連結されている。
【0016】
バッテリ50は、リチウムイオンバッテリ等の二次電池からなり、発電機30、MG40および図示しない電装品等に電力を供給する。また、バッテリ50は、発電機30およびMG40が発電した電力を蓄電する。
【0017】
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
【0018】
このコンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをECU100として機能させるためのプログラムが格納されている。すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、これらのコンピュータユニットは、本実施例におけるECU100として機能する。
【0019】
ECU100には、エンジン20、発電機30、MG40、バッテリセンサ51、アクセル開度センサ60、発電スイッチ70、カーナビゲーション装置80、スタータが接続されている。ECU100は、エンジン20、発電機30およびMG40を制御する。
【0020】
バッテリセンサ51は、バッテリ50の蓄電量、すなわち充電状態(SOC)を検出する。アクセル開度センサ60は、アクセルペダル61の操作量を検出する。これら各センサは、検出結果を示す信号をECU100に出力する。
【0021】
発電スイッチ70は、車両10のインストルメントパネルに設置されており、乗員によって操作されるようになっている。発電スイッチ70は、インストルメントパネルに限らず、例えばカーナビゲーション装置80の表示画面上にタッチアイコンとして設けられていてもよい。また、発電スイッチ70は、車両10を起動するリモコンキーに設けられていてもよいし、スマートフォン等の携帯端末に専用アプリとしてインストールされていてもよい。
【0022】
発電スイッチ70は、エンジン20を駆動して発電機30による発電を開始するために乗員によって操作されるスイッチである。発電スイッチ70がオンに操作されると、ECU100によってエンジン20が駆動されて発電機30による発電が開始される。これにより、バッテリ50が充電される。
【0023】
また、発電スイッチ70は、ボタン式又はダイヤル式のスイッチで構成されており、発電量を調整可能に構成されている。具体的には、発電スイッチ70には、乗員の操作によって発電量を調整できる発電量調整部71が設けられている。
【0024】
発電スイッチ70がボタン式の場合の発電量調整部71としては、例えば発電量を増加させる「+」ボタン及び発電量を減少させる「-」ボタンによって構成することができる。この場合、発電スイッチ70のオンオフは、例えば「+」ボタン及び「-」ボタンと別途設けられたオンオフボタンによって切り替えられる。
【0025】
発電スイッチ70がダイヤル式の場合の発電量調整部71としては、例えば回転量によって発電量の増減を調整できるダイヤルによって構成することができる。この場合、発電スイッチ70は、例えば当該ダイヤルと別途設けられたオンオフボタンによってオン又はオフを切り替える構成としてもよいし、当該ダイヤルを初期位置から回転させるとオンに切り替わり、当該ダイヤルを初期位置に戻すとオフに切り替わる構成としてもよい。
【0026】
なお、上述した発電スイッチ70及び発電量調整部71の構成は一例であって、これに限定されるものではなく、発電スイッチ70のオンオフの切替と発電量の増減が調整できる構成であればよい。
【0027】
カーナビゲーション装置80は、地図情報等を表示する表示部、乗員によって目的地等を操作入力するタッチパネル式の入力部、車両10の現在位置を検出する現在位置検出部、車両10の現在位置から目的地までのルートを検索するルート検索部、車両10の現在位置から目的地までの距離を算出する距離算出部、履歴情報等を記憶する記憶部などを備える。カーナビゲーション装置80は、乗員によって入力部を介して操作入力された目的地を車両10の目的地として設定する。本実施例におけるカーナビゲーション装置80は、目的地設定部を構成する。
【0028】
カーナビゲーション装置80は、ECU100と双方向通信可能に接続されており、ECU100から車速等の各種情報を取得可能に構成され、ECU100に対しては例えば距離算出部によって算出した現在位置から目的地までの距離等の情報を送信可能に構成されている。
【0029】
ECU100は、発電スイッチ70がオンに操作されたことを検出すると、エンジン20を駆動して発電機30による発電を開始する発電制御部101としての機能を有する。ECU100は、発電が開始された後、バッテリ50のSOCが所望のSOCに達する等、所定の条件が成立すると、エンジン20の駆動を停止して発電機30による発電を停止する。ECU100は、発電が開始された後、発電スイッチ70がオフに操作されたことを検出した場合にも発電を停止する。
【0030】
ECU100は、車両10の現在位置から目的地まで車両10が走行することができない場合に、発電機30の駆動によるバッテリ50の充電を促す発電喚起部102としての機能を有する。
【0031】
具体的には、ECU100は、現在のバッテリ50のSOCから求めた走行可能距離が、現在位置から目的地までの走行距離よりも短い場合には、現在位置から目的地まで車両10が走行することができないと判定することができる。ECU100は、バッテリ50のSOCとの走行可能距離との関係を示すマップ等を参照することにより、現在のバッテリ50のSOCに応じた走行可能距離を求めることができる。バッテリ50のSOCとの走行可能距離との関係を示すマップは、予め実験的に求めてECU100のROMに記憶されている。
【0032】
ECU100は、現在位置から目的地まで車両10が走行可能か否かを、車両10の走行開始後、例えば所定時間ごと又は所定距離ごとに判定する。ECU100によって車両10の走行開始時に発電を行わなくとも目的地まで車両10が走行可能であると判定された場合であっても、その後の走行条件や目的地までのルートが当初設定したルートと異なるルートに変更された場合などは目的地まで車両10が走行不能となる場合もある。このような場合に、上述したように現在位置から目的地まで車両10が走行可能か否かを定期的に判定することで、目的地まで車両10が走行不能と判定した時点で乗員に対してバッテリ50の充電を促すことができる。このため、ECU100は、早期にバッテリ50の充電を促すことができる。
【0033】
ECU100は、上述のように現在位置から目的地まで車両10が走行することができないと判定した場合には、音声により、又はカーナビゲーション装置80の表示部に表示を行うことにより、バッテリ50の充電を促すことができる。バッテリ50の充電を促す方法としては、前述した方法の他、例えばインストルメントパネルに設けられた警告ランプ等の点灯又は点滅によってバッテリ50の充電を促す方法でもよい。
【0034】
ECU100は、車両10の現在位置から目的地までの走行に要するバッテリ50のSOCに基づき、発電量の調整量を乗員に報知する発電量調整喚起部103としての機能を有する。
【0035】
具体的には、ECU100は、カーナビゲーション装置80によって算出された目的地までの距離を走行するのに必要なバッテリ50のSOCdstを算出する。ECU100は、走行距離とバッテリ50のSOCdstとの関係を示すマップ等を参照することにより、目的地までの距離を走行するのに必要なバッテリ50のSOCdstを算出することができる。走行距離とバッテリ50のSOCdstとの関係を示すマップは、予め実験的に求めてECU100のROMに記憶されている。走行距離とバッテリ50のSOCdstとの関係を示すマップとして、上述したバッテリ50のSOCとの走行可能距離との関係を示すマップを用いてもよい。
【0036】
ECU100は、発電量調整部71を介して乗員によって調整された発電量と、現在地から目的地に到達するまでにかかる時間とに基づき、目的地に到達するまでに発電される発電量の総和を算出する。目的地に到達するまでにかかる時間は、渋滞等を考慮して算出されるのが好ましい。
【0037】
ECU100は、上述のように算出した発電量の総和分の発電が行われるとした場合に得られるバッテリ50のSOCreqが、上述のバッテリ50のSOCdstに対して過大か、過少かを判定する。
【0038】
ECU100は、バッテリ50の充電受入性に基づき、発電量の調整量を乗員に報知する時期を調整する。充電受入性とは、所定の条件下におけるバッテリの充電効率を示すものである。バッテリ50のSOCが高い領域では充電受入性が低く充電効率が低い、バッテリ50のSOCが低い領域では充電受入性が高く充電効率が高い。
【0039】
したがって、ECU100は、バッテリ50の充電受入性が高くなったタイミング、すなわち充電効率が高くなったタイミングで発電量の調整量を乗員に報知する。これにより、バッテリ50が効率よく充電されるうえに、発電機30を駆動するエンジン20の燃料消費を抑制することができる。
【0040】
カーナビゲーション装置80は、ECU100から送信される現在のバッテリ50のSOCに基づき、発電を行わずに当該SOCのみで目的地に到達できるルートがあれば、そのルートを複数選定される目的地までのルートに含めるのが好ましい。
【0041】
また、カーナビゲーション装置80は、上記に加えて、発電機30による発電を行いつつも走行時間の短縮が可能となるルートや、目的地までの走行に要する費用を抑えることのできるルートも併せて選定するのが好ましい。走行に要する費用には、例えばエンジン20で消費される燃料にかかる費用などが含まれる。
【0042】
次に、
図2を参照して、本実施例のECU100による処理の流れについて説明する。
【0043】
ECU100は、乗員の操作入力に基づきカーナビゲーション装置80によって目的地が設定されると(ステップS1)、目的地まで走行するのに発電が必要か否かを判定する(ステップS2)。
【0044】
具体的には、ECU100は、現在のバッテリ50のSOCに基づき現在位置から目的地まで車両10が走行することができるか否かを判断することにより、発電が必要か否かを判定する。
【0045】
ECU100は、目的地まで走行するのに発電が必要であると判定した場合には、乗員に対してバッテリ50の充電を促す発電喚起を行う(ステップS3)。ECU100は、音声により、又はカーナビゲーション装置80の表示部に表示を行うことにより発電喚起を行う。ECU100は、目的地まで走行するのに発電が必要でないと判定した場合には、ステップS3の発電喚起を行うことなくステップS4に処理を移す。
【0046】
次いで、ECU100は、乗員によって発電量調整部71が操作されたか否かを判定する(ステップS4)。ECU100は、乗員によって発電量調整部71が操作されていないと判定した場合には、
図2に示す処理を終了する。
【0047】
ECU100は、乗員によって発電量調整部71が操作されたと判定した場合には、発電量の調整が必要か否かを判定する(ステップS5)。具体的には、ECU100は、バッテリ50のSOCreqがSOCdstに対して過大か、過少かを判定する。
【0048】
ECU100は、発電量の調整が必要でない、すなわちSOCreqがSOCdstに対して過大でも過少でもなく、例えばSOCreqがSOCdstを含む一定範囲のSOC領域に含まれると判定した場合には、ステップS6の発電量調整喚起を行うことなく
図2に示す処理を終了する。
【0049】
ECU100は、発電量の調整が必要である、すなわちSOCreqがSOCdstに対して過大又は過少であると判定した場合には、発電量の調整量を乗員に報知する発電量調整喚起を行って(ステップS6)、
図2に示す処理を終了する。ECU100は、発電喚起と同様の報知方法により発電量調整喚起を行う。
【0050】
以上のように、本実施例に係る発電制御装置は、車両10の現在位置から目的地まで車両10が走行することができない場合に、発電機30の駆動によるバッテリ50の充電を促す発電喚起を行うので、車両10が走行不能となるまでバッテリ50のSOCが低下してしまうことを防止することができる。したがって、走行用のバッテリ50のSOCが不足することにより車両10が道路上に停止してしまうことが防止される。
【0051】
また、本実施例に係る発電制御装置は、走行用のバッテリ50が過放電の状態となってしまうことを防止でき、走行用のバッテリ50の故障を未然に防ぐことができる。
【0052】
また、本実施例に係る発電制御装置は、車両10の現在位置から目的地までの距離を走行するのに必要なバッテリ50のSOCdstに基づき、発電量の調整量を乗員に報知する発電量調整喚起を行うので、適切な発電量を設定するように乗員に促すことができる。これにより、本実施例に係る発電制御装置は、発電機30を駆動するエンジン20の燃料消費を抑制したり、バッテリ50が電欠状態に陥ったりすることを防止できる。
【0053】
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。例えば、発電機30とエンジン20の始動装置であるスタータとを別個に設けることとしたが、発電機30を、発電機とスタータとの機能を共に有するスタータジェネレータとしてもよい。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0054】
10 車両(電動車両)
20 エンジン(内燃機関)
30 発電機
40 モータジェネレータ(モータ)
50 バッテリ
51 バッテリセンサ(蓄電量検出部)
60 アクセル開度センサ
61 アクセルペダル
70 発電スイッチ
71 発電量調整部
80 カーナビゲーション装置(目的地設定部)
100 ECU(制御部)
101 発電制御部
102 発電喚起部
103 発電量調整喚起部