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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】クレーン
(51)【国際特許分類】
   B66C 13/22 20060101AFI20221109BHJP
   B66C 13/00 20060101ALI20221109BHJP
   B66C 23/88 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B66C13/22 M
B66C13/22 S
B66C13/00 D
B66C23/88 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018131035
(22)【出願日】2018-07-10
(65)【公開番号】P2020007121
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000148759
【氏名又は名称】株式会社タダノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水木 和磨
(72)【発明者】
【氏名】林 洋幸
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/012155(WO,A1)
【文献】特開2007-141179(JP,A)
【文献】特開2015-196403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/22
B66C 13/00
B66C 23/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームと、
前記ブームから垂下するワイヤロープと、
前記ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しによって昇降するフックと、を備え、
前記フックに荷物を吊り下げた状態で当該荷物を運搬するクレーンにおいて、
前記ブームの動作に供する駆動装置と、
前記駆動装置の作動状態を制御する制御装置と、
前記ブームの先端部分から下方を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像を表示する画像表示機と、を具備し、
前記ブームの動作を停止させる場合、
前記制御装置は、前記駆動装置の基本制御信号に対してフィルタをかけてフィルタリング制御信号を作成し、前記フィルタリング制御信号に基づいて前記駆動装置を制御するとともに、前記ブームの制動距離を予測して前記画像表示機に表示し、前記荷物の振れ量を予測して当該荷物の振れ範囲を前記画像表示機に表示する、ことを特徴とするクレーン。
【請求項2】
前記制御装置は、前記荷物が停止する位置を予測して当該荷物の標識を前記画像表示機に表示する、ことを特徴とする請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
ブームと、
前記ブームから垂下するワイヤロープと、
前記ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しによって昇降するフックと、を備え、
前記フックに荷物を吊り下げた状態で当該荷物を運搬するクレーンにおいて、
前記ブームの動作に供する駆動装置と、
前記駆動装置の作動状態を制御する制御装置と、
前記ブームの先端部分から下方を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像を表示する画像表示機と、を具備し、
前記ブームの動作を停止させる場合、
前記制御装置は、前記駆動装置の基本制御信号に対してフィルタをかけてフィルタリング制御信号を作成し、前記フィルタリング制御信号に基づいて前記駆動装置を制御するとともに、前記ブームの制動距離を予測して前記画像表示機に表示し、前記フックの振れ量を予測して当該フックの振れ範囲を前記画像表示機に表示する、ことを特徴とするクレーン。
【請求項4】
前記制御装置は、前記フックが停止する位置を予測して当該フックの標識を前記画像表示機に表示する、ことを特徴とする請求項に記載のクレーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーンに関する。詳しくは、フック或いはフックに吊り下げられた荷物の周囲状況を把握でき、同時に停止操作時の制動距離を把握できるクレーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、代表的な作業車両であるクレーンが知られている。クレーンは、主に走行体と旋回体で構成されている。走行体は、複数の車輪を備え、走行自在に構成されている。旋回体は、ブームのほかにワイヤロープとフックを備え、荷物を運搬自在に構成されている。このようなクレーンにおいては、ブームの動作に供する駆動装置と、駆動装置の作動状態を制御する制御装置と、を具備している。
【0003】
ところで、制御装置がフィルタリング制御信号を作成し、このフィルタリング制御信号に基づいて駆動装置を制御するとしたクレーンが提案されている(特許文献1参照)。ここで、フィルタリング制御信号とは、駆動装置の基本制御信号に対して所定の特徴を有するフィルタをかけたものである。例えば、ノッチフィルタは、共振周波数を中心とする任意の範囲で共振周波数に近づく程に減衰率が高くなった特徴を有している。
【0004】
ここで、ブームの旋回動作を止める操作を行い、フック或いはフックに吊り下げられた荷物を停止させる状況について想定する。この場合、オペレータがブームの旋回動作を止める操作を行っても、しばらくの間はブームが減速しつつ旋回動作を続けてしまう。これは、ブームの旋回動作を直ちに止めるのではなく、フィルタリング制御信号に基づいた減速区間を設けることで、荷物の振れを抑えようとしているのである。しかし、ブームの制動距離が長くなると、フック或いはフックに吊り下げられた荷物が建築物等に衝突してしまう可能性が高まることとなる。そのため、フック或いはフックに吊り下げられた荷物の周囲状況を把握でき、同時に停止操作時の制動距離を把握できるクレーンが求められていたのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-151211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フック或いはフックに吊り下げられた荷物の周囲状況を把握でき、同時に停止操作時の制動距離を把握できるクレーンに関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の発明は、
ブームと、
前記ブームから垂下するワイヤロープと、
前記ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しによって昇降するフックと、を備え、
前記フックに荷物を吊り下げた状態で当該荷物を運搬するクレーンにおいて、
前記ブームの動作に供する駆動装置と、
前記駆動装置の作動状態を制御する制御装置と、
前記ブームの先端部分から下方を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像を表示する画像表示機と、を具備し、
前記ブームの動作を停止させる場合、
前記制御装置は、前記駆動装置の基本制御信号に対してフィルタをかけてフィルタリング制御信号を作成し、前記フィルタリング制御信号に基づいて前記駆動装置を制御するとともに、前記ブームの制動距離を予測して前記画像表示機に表示し、前記荷物の振れ量を予測して当該荷物の振れ範囲を前記画像表示機に表示する、ものである。
【0008】
第二の発明は、第一の発明に係るクレーンにおいて、
前記制御装置は、前記荷物が停止する位置を予測して当該荷物の標識を前記画像表示機に表示する、ものである。
【0009】
第三の発明は、
ブームと、
前記ブームから垂下するワイヤロープと、
前記ワイヤロープの巻き入れ及び巻き出しによって昇降するフックと、を備え、
前記フックに荷物を吊り下げた状態で当該荷物を運搬するクレーンにおいて、
前記ブームの動作に供する駆動装置と、
前記駆動装置の作動状態を制御する制御装置と、
前記ブームの先端部分から下方を撮影するカメラと、
前記カメラが撮影した画像を表示する画像表示機と、を具備し、
前記ブームの動作を停止させる場合、
前記制御装置は、前記駆動装置の基本制御信号に対してフィルタをかけてフィルタリング制御信号を作成し、前記フィルタリング制御信号に基づいて前記駆動装置を制御するとともに、前記ブームの制動距離を予測して前記画像表示機に表示し、前記フックの振れ量を予測して当該フックの振れ範囲を前記画像表示機に表示する、ものである。
【0010】
第四の発明は、第の発明に係るクレーンにおいて、
前記制御装置は、前記フックが停止する位置を予測して当該フックの標識を前記画像表示機に表示する、ものである。
【発明の効果】
【0012】
第一の発明に係るクレーンにおいては、ブームの動作に供する駆動装置と、駆動装置の作動状態を制御する制御装置と、ブームの先端部分から下方を撮影するカメラと、カメラが撮影した画像を表示する画像表示機と、を具備している。そして、ブームの動作を停止させる場合、制御装置は、駆動装置の基本制御信号に対してフィルタをかけてフィルタリング制御信号を作成し、フィルタリング制御信号に基づいて駆動装置を制御するとともに、ブームの制動距離を予測して画像表示機に表示する。かかるクレーンによれば、オペレータが画像表示機を見ることで、フック或いはフックに吊り下げた荷物の周囲状況を把握でき、同時にブームの制動距離を把握できる。従って、フック或いはフックに吊り下げられた荷物が建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。 また、制御装置は、荷物の振れ量を予測して荷物の振れ範囲を画像表示機に表示する。かかるクレーンによれば、表示された荷物の振れ範囲から建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、荷物が建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0013】
第二の発明に係るクレーンにおいて、制御装置は、荷物が停止する位置を予測して荷物の標識を画像表示機に表示する。かかるクレーンによれば、表示された荷物の標識から建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、荷物が建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0014】
第三の発明に係るクレーンにおいてブームの動作に供する駆動装置と、駆動装置の作動状態を制御する制御装置と、ブームの先端部分から下方を撮影するカメラと、カメラが撮影した画像を表示する画像表示機と、を具備している。そして、ブームの動作を停止させる場合、制御装置は、駆動装置の基本制御信号に対してフィルタをかけてフィルタリング制御信号を作成し、フィルタリング制御信号に基づいて駆動装置を制御するとともに、ブームの制動距離を予測して画像表示機に表示する。かかるクレーンによれば、オペレータが画像表示機を見ることで、フック或いはフックに吊り下げた荷物の周囲状況を把握でき、同時にブームの制動距離を把握できる。従って、フック或いはフックに吊り下げられた荷物が建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。 また、制御装置は、フックの振れ量を予測してフックの振れ範囲を画像表示機に表示する。かかるクレーンによれば、表示されたフックの振れ範囲から建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、フックが建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0015】
第四の発明に係るクレーンにおいて、制御装置は、フックが停止する位置を予測してフックの標識を画像表示機に表示する。かかるクレーンによれば、表示されたフックの標識から建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、フックが建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】クレーンを示す図。
図2】キャビンの内部を示す図。
図3】操作システムの構成を示す図。
図4】遠隔操作端末を示す図。
図5】ノッチフィルタの周波数特性を示す図。
図6】基本制御信号とフィルタリング制御信号を示す図。
図7】ブームの旋回動作を示す図。
図8】ブームが旋回している状況を示す図。
図9】ブームが旋回している状況の表示態様を示す図。
図10】オペレータが旋回停止操作を行った場合における表示態様を示す図。
図11】オペレータが旋回停止操作を行った場合における表示態様を示す図。
図12】オペレータが旋回停止操作を行った場合における表示態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願に開示する技術的思想は、以下に説明するクレーン1のほか、他のクレーンにも適用できる。
【0019】
まず、図1及び図2を用いて、クレーン1について説明する。
【0020】
クレーン1は、主に走行体2と旋回体3で構成されている。
【0021】
走行体2は、左右一対の前輪4と後輪5を備えている。また、走行体2は、荷物Wの運搬作業を行なう際に接地させて安定を図るアウトリガ6を備えている。なお、走行体2は、駆動装置によって、その上部に支持する旋回体3を旋回自在としている。
【0022】
旋回体3は、その後部から前方へ突き出すようにブーム7を備えている。そのため、ブーム7は、駆動装置によって旋回自在となっている(矢印A参照)。また、ブーム7は、駆動装置によって伸縮自在となっている(矢印B参照)。更に、ブーム7は、駆動装置によって起伏自在となっている(矢印C参照)。加えて、ブーム7には、ワイヤロープ8が架け渡されている。ブーム7の基端側には、ワイヤロープ8を巻き付けたウインチ9が配置され、ブーム7の先端側には、ワイヤロープ8によってフック10が垂下されている。ウインチ9は、駆動装置と一体的に構成されており、ワイヤロープ8の巻き入れ及び巻き出しを可能としている。そのため、フック10は、駆動装置によって昇降自在となっている(矢印D参照)。なお、旋回体3は、ブーム7の側方にキャビン11を備えている。キャビン11の内部には、後述する旋回操作具21や伸縮操作具22、起伏操作具23、巻回操作具24が設けられている。また、後述する画像表示機43が設けられている。
【0023】
次に、図3及び図4を用いて、操作システム12について説明する。但し、本操作システムは、考え得る構成の一例であり、これに限定するものではない。以下では、クレーン1に乗車して操作を行うオペレータを「オペレータOa」とし、クレーン1に乗車せずに操作を行うオペレータを「オペレータOb」として説明する。
【0024】
操作システム12は、主に制御装置20で構成されている。制御装置20には、各種操作具21~24が接続されている。また、制御装置20には、各種バルブ25~28が接続されている。更に、制御装置20には、重量センサ29が接続されている。なお、重量センサ29は、荷物Wの重さを検出できる。そのため、制御装置20は、荷物Wの重さを認識することができる。
【0025】
前述したように、ブーム7は、駆動装置によって旋回自在となっている(図1における矢印A参照)。本願においては、かかる駆動装置を旋回用油圧モータ31と定義する。旋回用油圧モータ31は、方向制御弁である旋回用バルブ25によって適宜に稼動される。つまり、旋回用油圧モータ31は、旋回用バルブ25が作動油の流動方向を切り替えることで適宜に稼動される。なお、旋回用バルブ25は、オペレータOaによる旋回操作具21の操作に基づいて稼動される。また、ブーム7の旋回角度や旋回速度は、図示しないセンサによって検出される。そのため、制御装置20は、ブーム7の旋回角度や旋回速度を認識することができる。
【0026】
また、前述したように、ブーム7は、駆動装置によって伸縮自在となっている(図1における矢印B参照)。本願においては、かかる駆動装置を伸縮用油圧シリンダ32と定義する。伸縮用油圧シリンダ32は、方向制御弁である伸縮用バルブ26によって適宜に稼動される。つまり、伸縮用油圧シリンダ32は、伸縮用バルブ26が作動油の流動方向を切り替えることで適宜に稼動される。なお、伸縮用バルブ26は、オペレータOaによる伸縮操作具22の操作に基づいて稼動される。また、ブーム7の伸縮長さや伸縮速度は、図示しないセンサによって検出される。そのため、制御装置20は、ブーム7の伸縮長さや伸縮速度を認識することができる。
【0027】
更に、前述したように、ブーム7は、駆動装置によって起伏自在となっている(図1における矢印C参照)。本願においては、かかる駆動装置を起伏用油圧シリンダ33と定義する。起伏用油圧シリンダ33は、方向制御弁である起伏用バルブ27によって適宜に稼動される。つまり、起伏用油圧シリンダ33は、起伏用バルブ27が作動油の流動方向を切り替えることで適宜に稼動される。なお、起伏用バルブ27は、オペレータOaによる起伏操作具23の操作に基づいて稼動される。また、ブーム7の起伏角度や起伏速度は、図示しないセンサによって検出される。そのため、制御装置20は、ブーム7の起伏角度や起伏速度を認識することができる。
【0028】
加えて、前述したように、フック10は、駆動装置によって昇降自在となっている(図1における矢印D参照)。本願においては、かかる駆動装置を巻回用油圧モータ34と定義する。巻回用油圧モータ34は、方向制御弁である巻回用バルブ28によって適宜に稼動される。つまり、巻回用油圧モータ34は、巻回用バルブ28が作動油の流動方向を切り替えたり作動油の流量を調節したりすることで適宜に稼動される。なお、巻回用バルブ28は、オペレータOaによる巻回操作具24の操作に基づいて稼動される。また、フック10の吊下長さL(図1参照)や昇降速度は、図示しないセンサによって検出される。そのため、制御装置20は、フック10の吊下長さLや昇降速度を認識することができる。
【0029】
更に加えて、本操作システム12は、カメラ41と情報中継機42と画像表示機43を有している。但し、情報中継機42は、遠隔操作端末13が有線式の場合に不要となる。
【0030】
カメラ41は、画像を撮影するものである。カメラ41は、フック10或いはフック10に吊り下げられた荷物Wを上方から撮影すべく、ブーム7の先端部分に取り付けられている(図1参照)。なお、カメラ41は、情報中継機42に接続されている。
【0031】
情報中継機42は、電波信号に変換された情報を送受信するものである。情報中継機42は、地物等による電波への影響を低減すべく、少なくともアンテナがブーム7の先端部分に取り付けられている。なお、情報中継機42は、制御装置20のほか、後述する遠隔操作端末13の制御装置60に接続されている。そのため、情報中継機42は、制御装置20から制御装置60へ情報を伝達することができる。また、情報中継機42は、制御装置60から制御装置20へ情報を伝達することもできる。更に、カメラ51が撮影した画像を制御装置20と制御装置60へ伝達することもできる。
【0032】
画像表示機43は、様々な画像を表示するものである。画像表示機43は、オペレータOaが各種操作具21~24を操作しながら視認できるよう、キャビン11の内部における前方側に取り付けられている。なお、画像表示機43は、制御装置20に接続されている。そのため、制御装置20は、画像表示機43を通じ、オペレータOaへ情報を提供することができる。
【0033】
更に加えて、本操作システム12は、遠隔操作端末13を有している。遠隔操作端末13は、制御装置60を備えている。また、遠隔操作端末13は、図示しない送信機と受信機を備えている。なお、本願における遠隔操作端末13は、遠隔操作端末の一例であり、これに限定するものではない。
【0034】
遠隔操作端末13には、旋回操作具61が設けられている。旋回操作具61は、制御装置60に接続されている。そして、制御装置60は、電波信号を介して前述した制御装置20に接続されている。そのため、オペレータObが旋回操作具61を任意の方向へ倒すと(図4における矢印E参照)、前述した旋回操作具21を任意の方向に倒したのと同様にブーム7の旋回動作が行われる。つまり、オペレータObが旋回操作具61を任意の方向へ倒すと、適宜に旋回用油圧モータ31が稼働し、ブーム7が左旋回或いは右旋回するのである。
【0035】
また、遠隔操作端末13には、伸縮操作具62が設けられている。伸縮操作具62は、制御装置60に接続されている。そして、制御装置60は、電波信号を介して前述した制御装置20に接続されている。そのため、オペレータObが伸縮操作具62を任意の方向へ倒すと(図4における矢印F参照)、前述した伸縮操作具22を任意の方向に倒したのと同様にブーム7の伸縮動作が行われる。つまり、オペレータObが伸縮操作具62を任意の方向へ倒すと、適宜に伸縮用油圧シリンダ32が稼働し、ブーム7が伸長或いは収縮するのである。
【0036】
更に、遠隔操作端末13には、起伏操作具63が設けられている。起伏操作具63は、制御装置60に接続されている。そして、制御装置60は、電波信号を介して前述した制御装置20に接続されている。そのため、オペレータObが起伏操作具63を任意の方向へ倒すと(図4における矢印G参照)、前述した起伏操作具23を任意の方向に倒したのと同様にブーム7の起伏動作が行われる。つまり、オペレータObが起伏操作具63を任意の方向へ倒すと、適宜に起伏用油圧シリンダ33が稼働し、ブーム7が起立或いは倒伏するのである。
【0037】
加えて、遠隔操作端末13には、巻回操作具64が設けられている。巻回操作具64は、制御装置60に接続されている。そして、制御装置60は、電波信号を介して前述した制御装置20に接続されている。そのため、オペレータObが巻回操作具64を任意の方向へ倒すと(図4における矢印H参照)、前述した巻回操作具24を任意の方向に倒したのと同様にフック10の昇降動作が行われる。つまり、オペレータObが巻回操作具64を任意の方向へ倒すと、適宜に巻回用油圧モータ34が稼働し、フック10が上昇或いは降下するのである。
【0038】
更に加えて、遠隔操作端末13には、画像表示機65が設けられている。画像表示機65は、制御装置60に接続されている。そして、制御装置60は、電波信号を介して前述した制御装置20に接続されている。そのため、制御装置20は、画像表示機65を通じ、オペレータObへ情報を提供することができる。他方で、画像表示機65は、いわゆるタッチパネルであることから、オペレータObの入力機器であるともいえる。そのため、オペレータObは、画像表示機65を通じ、制御装置20へ情報を提供することもできる。なお、画像表示機65は、オペレータObが各種操作具61~64を操作しながら視認できるよう、遠隔操作端末13の正面に取り付けられている。
【0039】
このように、遠隔操作端末13は、制御装置20を通じて各駆動装置(31~34)を稼動させることができる。なお、制御装置20は、基本制御信号作成部20aと共振周波数算出部20bとフィルタ係数算出部20cとフィルタリング制御信号作成部20dを有している。
【0040】
基本制御信号作成部20aは、各駆動装置(31~34)の速度指令である基本制御信号Sを作成するものである(図6参照)。基本制御信号作成部20aは、オペレータによる各種操作具21~24・61~64の操作量や操作速度を認識し、状況毎に基本制御信号Sを作成する。具体的に説明すると、基本制御信号作成部20aは、旋回操作具21・61の操作量や操作速度に応じた基本制御信号S、伸縮操作具22・62の操作量や操作速度に応じた基本制御信号S、起伏操作具23・63の操作量や操作速度に応じた基本制御信号S、巻回操作具24・64の操作量や操作速度に応じた基本制御信号Sを作成する。
【0041】
共振周波数算出部20bは、各駆動装置(31~34)が作動することによって生じる荷物Wの振れの周波数である共振周波数ωを算出するものである。共振周波数算出部20bは、ブーム7の姿勢やワイヤロープ8の巻き出し量に基づいてフック10の吊下長さLを認識し、状況毎に共振周波数ωを算出する。具体的に説明すると、共振周波数算出部20bは、フック10の吊下長さLと重力加速度gを用いた下記の数式に基づいて共振周波数ωを算出する。
【0042】
【数1】
【0043】
フィルタ係数算出部20cは、後述するノッチフィルタFが有している伝達係数H(s)の中心周波数係数ωのほか、ノッチ幅係数ζやノッチ深さ係数δを算出するものである。フィルタ係数算出部20cは、共振周波数算出部20bが算出した共振周波数ωを中心として対応する中心周波数係数ωを算出する。また、フィルタ係数算出部20cは、それぞれの基本制御信号Sに対応するノッチ幅係数ζやノッチ深さ係数δを算出する。なお、伝達係数H(s)は、中心周波数係数ωやノッチ幅係数ζやノッチ深さ係数δを用いた下記の数式で表される。
【0044】
【数2】
【0045】
フィルタリング制御信号作成部20dは、ノッチフィルタFを作成するとともに、基本制御信号Sに対してノッチフィルタFをかけてフィルタリング制御信号Sfを作成するものである(図6参照)。フィルタリング制御信号作成部20dは、フィルタ係数算出部20cから各種係数ω・ζ・δを取得してノッチフィルタFを作成する。また、フィルタリング制御信号作成部20dは、基本制御信号作成部20aから基本制御信号Sを取得し、この基本制御信号Sに対してノッチフィルタFをかけてフィルタリング制御信号Sfを作成する。具体的に説明すると、フィルタリング制御信号作成部20dは、旋回操作具21・61の操作量等に応じた基本制御信号SとノッチフィルタFからフィルタリング制御信号Sf、伸縮操作具22・62の操作量等に応じた基本制御信号SとノッチフィルタFからフィルタリング制御信号Sf、起伏操作具23・63の操作量等に応じた基本制御信号SとノッチフィルタFからフィルタリング制御信号Sf、巻回操作具24・64の操作量等に応じた基本制御信号SとノッチフィルタFからフィルタリング制御信号Sfを作成する。
【0046】
このような構成により、制御装置20は、フィルタリング制御信号Sfに基づいて各種バルブ25~28を制御できる。ひいては、フィルタリング制御信号Sfに基づいて各駆動装置(31~34)を制御できる。
【0047】
次に、図5及び図6を用いて、ノッチフィルタFとフィルタリング制御信号Sfについて説明する。
【0048】
ノッチフィルタFは、共振周波数ωを中心とする任意の範囲で共振周波数ωに近づく程に減衰率が高くなった特徴を有している。共振周波数ωを中心とする任意の範囲は、ノッチ幅Bnとして表され、ノッチ幅Bnにおける減衰量の差異は、ノッチ深さDnとして表される。このため、ノッチフィルタFは、共振周波数ωとノッチ幅Bnとノッチ深さDnで特定される。なお、ノッチ深さDnは、ノッチ深さ係数δに基づいて定まるものである。従って、ノッチ深さ係数δ=0の場合は、共振周波数ωにおけるゲイン特性が-∞dBとなり、ノッチ深さ係数δ=1の場合は、共振周波数ωにおけるゲイン特性が0dBとなる。
【0049】
フィルタリング制御信号Sfは、各駆動装置(31~34)に伝達される速度指令である。ブーム7の加速に係るフィルタリング制御信号Sfは、基本制御信号Sよりも加速が穏やかであり、一時的に減速させてから再び加速していくような特徴を有している(図6におけるI部参照)。ここで、一時的に減速させるのは、加速時における荷物Wの振れを抑えるためである。また、ブーム7の減速に係るフィルタリング制御信号Sfは、基本制御信号Sよりも減速が穏やか又は同程度であり、一時的に増速させてから再び減速していくような特徴を有している(図6におけるJ部参照)。ここで、一時的に増速させるのは、減速時における荷物Wの振れを抑えるためである。なお、制御装置20は、オペレータOa・Obが停止操作を行ってから速度指令が0となるまでの時間Kを算出することができる。そのため、制御装置20は、この時間Kと速度推移、共振周波数ω等を利用してブーム7の制動距離を予測することができる。但し、時間Kを利用せず、他の数学的方法によって制動距離を予測することも可能である。
【0050】
次に、図7から図9を用いて、画像表示機43・65の表示態様について説明する。ここでは、ブーム7が旋回している状況に着目して説明する。
【0051】
まず、本願における前提について簡単に説明しておく。
【0052】
制御装置20は、遠隔操作端末13の位置を認識できる。これは、情報中継機42のアンテナが指向特性を有することで実現できる。また、前述したように、制御装置20は、ブーム7の旋回角度や伸縮長さ、起伏角度を認識できる。そのため、制御装置20は、カメラ41に対する遠隔操作端末13の位置方向を認識できる。従って、制御装置20は、ブーム7によるカメラ41の支持方向とカメラ41に対する遠隔操作端末13の位置方向のなす角度α(図8参照)を認識できる。なお、「ブーム7によるカメラ41の支持方向」とは、上方から見たときにブーム7の旋回中心Mとカメラ41を結んだ仮想線V1(図8参照)に沿う方向である。また、「カメラ41に対する遠隔操作端末13の位置方向」とは、上方から見たときにカメラ41と遠隔操作端末13を結んだ仮想線V2(図8参照)に沿う方向である。加えて、制御装置20は、図示しない方位計と接続されており、方位を認識できるものとする。本願における方位については、図8に方位記号で表す。
【0053】
前述したように、ブーム7は、オペレータOaによる旋回操作具21の操作或いはオペレータObによる旋回操作具61の操作に応じて旋回する。このとき、カメラ41は、ブーム7とともに旋回する。すると、カメラ41の狙点Pもブーム7とともに旋回することととなり(図7における矢印N参照)、ひいては狙点Pを中心とする画像領域R1・R2も旋回することとなる。
【0054】
ブーム7が旋回している状況において、画像領域R1の内側には、地上に置かれた荷物Qが含まれているものとする(図8参照)。画像領域R1は、キャビン11の内部に設けられた画像表示機43に表示される(図9の(A)参照)。画像領域R1は、カメラ41の撮影範囲に内接した矩形状となっている。これは、フック10或いはフック10に吊り下げられた荷物Wの周囲状況を広く見渡せるように考慮したものである。
【0055】
同時に、ブーム7が旋回している状況において、画像領域R2の内側にも、地上に置かれた荷物Qが含まれているものとする(図8参照)。画像領域R2は、遠隔操作端末13の上面に設けられた画像表示機65に表示される(図9の(B)参照)。画像領域R2は、画像領域R1に内接した円形状となっている。これは、画像を転回させても欠落(画像の部分的な欠け)が生じない点に加え、オペレータObに画像が転回して表示されている旨を改めて認識させることができる点を考慮したものである。なお、かかる画像は、なす角度αに基づいて転回される。このようにするのは、オペレータObにとって最も方向を認識しやすい画像となるからである。
【0056】
加えて、画像領域R1・R2には、フック10或いはフック10に吊り下げられた荷物Wの移動方向が矢印型の画像Tにて表示される(図9の(A)及び(B)参照)。フック10或いはフック10に吊り下げられた荷物Wがブーム7の先端部分における鉛直下方にあることを考慮すると、かかる移動方向は、ブーム7の先端部分が移動する方向に等しいといえる。なお、画像Tの長さは、移動速度の速さに応じて適宜に調節される。また、画像Tの色彩を加減速に合わせて変更するとしてもよい。更に、画像Tを点滅させる等の態様を加減速に合わせて変更するとしてもよい。
【0057】
更に加えて、画像領域R1・R2には、走行体2の位置方向を表す標識U1が表示される。また、画像領域R1・R2には、遠隔操作端末13の位置方向を表す標識U2が表示される。そして、画像領域R1・R2には、方位を表す標識U3が表示される。
【0058】
ところで、オペレータOa・Obが旋回停止操作を行った場合におけるブーム7の制動距離は、以下のように算出される。ここでは、ブーム7の制動距離をΔΦとして説明する。
【0059】
ブーム7の制動距離ΔΦは、下記の数式によって表される。このとき、「Φ'」はブーム7の旋回速度であり、「T」は荷振れ周期である。また、「Pnf」は荷振れ低減率であり、「Dcc」は減速度制限である。なお、ブーム7の旋回速度Φ'は、センサによって検出される(図6参照)。荷振れ周期Tと荷振れ低減率Pnfと減速度制限Dccについては後述する。
【0060】
【数3】
【0061】
荷振れ周期Tは、共振周波数ωを用いて表すことができる。そのため、荷振れ周期Tは、下記の数式によって表される。また、荷振れ低減率Pnfは、ノッチ幅係数ζやノッチ深さ係数δを用いた関数によって定まる値である。更に、減速度制限Dccは、旋回用油圧モータ31の回転速度を低下させる際の制限値である。荷振れ低減率Pnfと減速度制限Dccは、機種毎に定められた値とすることもできる。
【0062】
【数4】
【0063】
更に、荷物Wの振れ量は、下記の数式によって算出される。ここでは、荷物Wの振れ量(振幅)をΔΨとして説明する。また、フック10と荷物Wを一の剛体とみなし、その復元力をF、重量をMとする。但し、フック10に荷物Wを吊り下げていない状況においては、フック10の復元力をF、フック10の重量をMとする。なお、フック10と荷物Wを一の剛体とみなさず、二重振り子として算出するとしてもよい。
【0064】
【数5】
【0065】
次に、図10から図12を用いて、オペレータOa・Obが旋回停止操作を行った場合における表示態様について説明する。
【0066】
図10に示すように、画像領域R1・R2には、ブーム7の制動距離が表示される(X部参照)。具体的に説明すると、画像領域R1・R2には、矢印型の画像Tが延びているので、この画像Tの延長線上にブーム7の制動距離が表示される(X部参照)。フック10或いはフック10に吊り下げられた荷物Wがブーム7の先端部分における鉛直下方にあることを考慮すると、ブーム7の制動距離は、フック10或いはフック10に吊り下げられた荷物Wの制動距離に等しいといえる。なお、制動距離の値は、速度推移や時間推移に連関して連続的に変化する。本願においては、ブーム7が旋回している状況について説明したが、ブーム7が伸縮及び起伏している状況についても適用できる。また、ブーム7の旋回等に加え、フック10が昇降している状況についても適用できる。
【0067】
このように、本願に係るクレーン1においては、ブーム7の動作に供する駆動装置(31~34)と、駆動装置(31~34)の作動状態を制御する制御装置20と、ブーム7の先端部分から下方を撮影するカメラ41と、カメラ41が撮影した画像を表示する画像表示機43・65と、を具備している。そして、ブーム7の動作を停止させる場合、制御装置20は、駆動装置(31~34)の基本制御信号Sに対してフィルタFをかけてフィルタリング制御信号Sfを作成し、フィルタリング制御信号Sfに基づいて駆動装置20を制御するとともに、ブーム7の制動距離を予測して画像表示機43・65に表示する。かかるクレーン1によれば、オペレータOa・Obが画像表示機43・65を見ることで、フック10或いはフック10に吊り下げた荷物Wの周囲状況を把握でき、同時にブーム7の制動距離を把握できる。従って、フック10或いはフック10に吊り下げられた荷物Wが建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0068】
この点、本クレーン1は、ブーム7の制動距離から荷物Wが停止する位置を予測することができるので、かかる位置に荷物Wの標識Yを表示するとしてもよい。標識Yは、カメラ41が撮影した荷物Wの画像を切り出したものであるが、これに限定するものではない。例えば、円形や矩形等の簡単な図形であってもよい。
【0069】
このように、本願に係るクレーン1において、制御装置20は、荷物Wが停止する位置を予測して荷物Wの標識Yを画像表示機43・65に表示する。かかるクレーン1によれば、表示された荷物Wの標識Yから建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、荷物Wが建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0070】
加えて、本クレーン1は、ブーム7の減速度やフック10の吊下長さLから荷物Wの振れ量(振幅)を予測することができるので、かかる振れ量を考慮した荷物Wの振れ範囲Yrを表示するとしてもよい。振れ範囲Yrは、荷物Wの移動方向に大きい楕円形状(荷物Wの移動方向に長軸が沿う楕円形状)となっているが、これに限定するものではない。例えば、範囲を示す直線等であってもよい。
【0071】
このように、本願に係るクレーン1において、制御装置20は、荷物Wの振れ量を予測して荷物Wの振れ範囲Yrを画像表示機43・65に表示する。かかるクレーン1によれば、表示された荷物Wの振れ範囲Yrから建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、荷物Wが建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0072】
ところで、前述した技術的思想は、荷物Wを吊り下げていない状況においても適用できる。
【0073】
即ち、本クレーン1は、ブーム7の制動距離からフック10が停止する位置を予測することができるので、かかる位置にフック10の標識Zを表示するとしてもよい。標識Zは、カメラ41が撮影したフック10の画像を切り出したものであるが、これに限定するものではない。例えば、円形や矩形等の簡単な図形であってもよい。
【0074】
このように、本願に係るクレーン1において、制御装置20は、フック10が停止する位置を予測してフック10の標識Zを画像表示機43・65に表示する。かかるクレーン1によれば、表示されたフック10の標識Zから建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、フック10が建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0075】
加えて、本クレーン1は、ブーム7の減速度やフック10の吊下長さLからフック10の振れ量(振幅)を予測することができるので、かかる振れ量を考慮したフック10の振れ範囲Zrを表示するとしてもよい。振れ範囲Zrは、フック10の移動方向に大きい楕円形状(フック10の移動方向に長軸が沿う楕円形状)となっているが、これに限定するものではない。例えば、範囲を示す直線等であってもよい。
【0076】
このように、本願に係るクレーン1において、制御装置20は、フック10の振れ量を予測してフック10の振れ範囲Zrを画像表示機43・65に表示する。かかるクレーン1によれば、表示されたフック10の振れ範囲Zrから建築物等に衝突するか否かを容易に判断することができる。従って、フック10が建築物等に衝突する前に回避操作を行うことが可能となる。
【0077】
最後に、本願においては、フィルタリング制御信号Sfを作成するフィルタとしてノッチフィルタFを用いているが、これに限定するものではない。つまり、特定の周波数域だけ減衰又は削減できるバンドストップフィルタであればよい。例えば、バンドリミットフィルタやバンドエリミネーションフィルタ等である。
【符号の説明】
【0078】
1 クレーン
2 走行体
3 旋回体
7 ブーム
8 ワイヤロープ
9 ウインチ
10 フック
12 操作システム
13 遠隔操作端末
20 制御装置
31 旋回用油圧モータ(駆動装置)
32 伸縮用油圧シリンダ(駆動装置)
33 起伏用油圧シリンダ(駆動装置)
34 巻回用油圧モータ(駆動装置)
41 カメラ
44 画像表示機
65 画像表示機
F ノッチフィルタ(フィルタ)
S 基本制御信号
Sf フィルタリング制御信号
W 荷物
X ブームの制動距離
Y 荷物の標識
Z フックの標識
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12