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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/08 20060101AFI20221109BHJP
   B65G 15/44 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B65G15/08 Z
B65G15/44
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018156131
(22)【出願日】2018-08-23
(65)【公開番号】P2020029338
(43)【公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001553
【氏名又は名称】アセンド特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】森下 茂
(72)【発明者】
【氏名】後藤 克弥
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-101511(JP,U)
【文献】特開平05-338749(JP,A)
【文献】特開平10-152213(JP,A)
【文献】特公昭49-000590(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/08
B65G 15/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に向かう上昇経路を含む搬送経路に沿って搬送物を搬送する搬送装置であって、
前記搬送経路を走行するベルトと、
前記ベルトの走行方向に配列され、前記ベルトの一方面に固定される複数の仕切部と、
を備え、
前記ベルトのうち前記上昇経路を走行中の部分は、前記仕切部の列の外周に沿って変形して、前記搬送物を包む単一の閉断面形状の筒状部分を形成し、
前記仕切部の各々は、前記筒状部分内の前記搬送物が載置される、非分割の載置面を有し、
前記ベルトは、
前記複数の仕切部に対応して前記一方面に設けられる複数の仕切支持部であって、前記筒状部分において、対応する前記仕切部を各々支持する前記仕切支持部、
を有し、
前記仕切支持部の各々は、対応する前記仕切部が前記ベルトに対して固定された位置から前記ベルトの幅方向に離間した位置に配置されている、搬送装置。
【請求項2】
請求項に記載の搬送装置であって、さらに、
前記ベルトのうち前記一方面を内側にして湾曲する湾曲部分に対し、前記搬送物を投入する投入部と、
前記湾曲部分から露出する前記仕切部の外周部分に沿う外形を有し、前記投入部から前記湾曲部分への前記搬送物の供給量を規制する規制部と、
を備える、搬送装置。
【請求項3】
請求項に記載の搬送装置であって、さらに、
前記上昇経路において、前記筒状部分の一部を開放して前記筒状部分に前記搬送物を投入する投入部、
を備える、搬送装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の搬送装置であって、
前記仕切部の各々は、板状に形成され、前記走行方向と交差し前記載置面を含む主面を有する、搬送装置。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の搬送装置であって、さらに、
前記上昇経路に設けられ、前記筒状部分が内部を走行するガイド管、
を備える、搬送装置。
【請求項6】
請求項に記載の搬送装置であって、
前記ガイド管は、内部を前記筒状部分が走行しているときに気体が注入される、搬送装置。
【請求項7】
請求項又はに記載の搬送装置であって、
前記ガイド管は、単一又は複数の管部材で構成される湾曲部を含む、搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、搬送装置に関し、より詳細には、上方に向かう上昇経路を含む搬送経路に沿って搬送物を搬送する搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
塊状、粒状、又は粉状の搬送物(ばら物)を上方に搬送する装置として、チェーン式バケットエレベータが知られている。チェーン式バケットエレベータは、一般に、複数のバケットと、バケットが取り付けられる無端状のリンクチェーンと、リンクチェーンが巻き掛けられる上下スプロケットと、を備える。バケット、リンクチェーン、及びスプロケットを含む各搬送部品は、粉塵の飛散防止等の観点から、ケーシングに収容される。
【0003】
上記バケットエレベータにおいて、リンクチェーンは、上スプロケットから下スプロケットに向かって懸垂される。バケットエレベータの揚程が大きくなると、ケーシングや、リンクチェーンをガイドするレール等といった各部材の垂直度がリンクチェーンの垂直度に影響を与えやすくなるため、上下スプロケットに対するリンクチェーンの偏りが生じやすくなる。また、各部材を精度よく垂直に据え付けたとしても、揚程が大きい場合、温度、風、又は日射等といったバケットエレベータの周囲の環境の影響で上下スプロケットの軸のずれが生じ、リンクチェーンが上下スプロケットに対して偏る可能性がある。その結果、スプロケット及び/又はリンクチェーンが異常に摩耗し、場合によってはリンクチェーンが破断する。
【0004】
ばら物を上方に搬送する装置として、ベルトコンベヤも知られている。ベルトコンベヤは、上下のプーリにベルトが巻き掛けられる構成を有する。ベルトコンベヤでは、上下プーリの軸の位置が多少ずれたとしても、ベルトの異常摩耗及び破断が発生しにくい。
【0005】
特許文献1には、ドライビングベルト車と、テールベルト車と、これらのベルト車に巻き掛けられるゴムベルトと、を備えるベルトコンベヤが記載されている。当該ベルトコンベヤには、垂直部と、垂直部を挟んで配置される上下の急傾斜部と、各急傾斜部に連続する上下の水平部と、が設けられている。下側の水平部では、ばら物である搬送物と球状の媒体とが交互にゴムベルトに供給される。急傾斜部及び垂直部では、搬送物及び媒体が供給されたゴムベルトが円筒状に変形する。これにより、媒体がゴムベルト内で仕切りとなる。ゴムベルトは、媒体によって搬送物の落下を防止しつつ、搬送物を上方に搬送する。
【0006】
特許文献1のベルトコンベヤでは、上側の水平部で媒体をゴムベルトから回収し、この媒体を下側の水平部で再びゴムベルトに供給する。すなわち、特許文献1のベルトコンベヤでは、搬送物の搬送に加えて、媒体の搬送をその体積分だけ行う必要がある。このため、搬送物について高い搬送効率を確保することはできない。特に、媒体の供給間隔が短く、搬送を要する媒体の総体積が増加する場合、搬送物の搬送効率が低下する。
【0007】
これに対して、特許文献2に記載されるベルトコンベヤでは、ベルト体が円筒状に丸められたときに、複数のひれ状小片によって仕切板が形成される。各ひれ状小片は、ベルト体に固定されている。このため、特許文献2のベルトコンベヤでは、ひれ状小片を搬送する必要はなく、特許文献1のベルトコンベヤのような搬送効率の低下は生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開昭58-036804号公報
【文献】特開平09-328209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2において、ベルト体は、搬送物を受け入れた後、円筒状に変形する。このとき、ベルト体の内部では、隣り合うひれ状小片同士が重なることで仕切板が形成される。円筒状のベルト体が垂直又は急傾斜の状態になるとき、仕切板に搬送物が載置される。しかしながら、各々別体であるひれ状小片で構成される仕切板では、ひれ状小片間に搬送物が噛み込まれることがある。ひれ状小片間に搬送物が噛み込まれた状態で、ベルト体が垂直又は急傾斜の搬送経路を走行した場合、噛み込まれていた搬送物の落下が生じる可能性がある。
【0010】
本開示は、搬送物の落下を抑制することができる搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係る搬送装置は、上方に向かう上昇経路を含む搬送経路に沿って搬送物を搬送する。当該搬送装置は、ベルトと、複数の仕切部と、を備える。ベルトは、搬送経路を走行する。複数の仕切部は、ベルトの走行方向に配列される。複数の仕切部は、ベルトの一方面に固定される。ベルトのうち上昇経路を走行中の部分は、仕切部の列の外周に沿って変形して、筒状部分を形成する。筒状部分は、搬送物を包む。仕切部の各々は、非分割の載置面を有する。載置面には、筒状部分内の搬送物が載置される。
【発明の効果】
【0012】
上記搬送装置によれば、搬送物の落下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、各実施形態に係る搬送装置を使用可能なガス処理システムの概略構成図である。
図2図2は、第1実施形態に係る搬送装置の概略構成図である。
図3図3は、図2に示す搬送装置の下端部の斜視図である。
図4図4は、図2に示す搬送装置の下端部の側面図である。
図5図5は、図2に示す搬送装置の上昇経路の一部分を拡大して示す図である。
図6図6は、図2に示す搬送装置の上端部の斜視図である。
図7図7は、第2実施形態に係る搬送装置の概略構成図である。
図8図8は、図7に示す搬送装置の供給器の周辺部分を拡大して示す図である。
図9図9は、第3実施形態に係る搬送装置の概略構成図である。
図10図10は、各実施形態に係る搬送装置の変形例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態に係る搬送装置は、上方に向かう上昇経路を含む搬送経路に沿って搬送物を搬送する。当該搬送装置は、ベルトと、複数の仕切部と、を備える。ベルトは、搬送経路を走行する。複数の仕切部は、ベルトの走行方向に配列される。複数の仕切部は、ベルトの一方面に固定される。ベルトのうち上昇経路を走行中の部分は、仕切部の列の外周に沿って変形して、筒状部分を形成する。筒状部分は、搬送物を包む。仕切部の各々は、非分割の載置面を有する。載置面には、筒状部分内の搬送物が載置される(第1の構成)。
【0015】
第1の構成において、ベルトは、上昇経路を走行する際、仕切部の列の外周に沿って筒状に変形する。ベルトの内部は、仕切部によって複数の空間に仕切られる。ベルト内の各空間では、重力によって搬送物が仕切部の載置面に載置される。この載置面は、非分割であるため、搬送物がばら物であっても、搬送物を噛み込むことがない。よって、搬送物を上方へ搬送するときに搬送物が落下するのを抑制することができる。
【0016】
上記搬送装置において、ベルトは、複数の仕切支持部を有していてもよい。仕切支持部は、複数の仕切部に対応してベルトの一方面に設けられる。仕切支持部の各々は、ベルトの筒状部分において、対応する仕切部を支持する(第2の構成)。
【0017】
第2の構成によれば、ベルトの筒状部分では、各仕切部が仕切支持部によって支持される。よって、仕切部が搬送物の重量等で垂れ下がるのを抑制することができる。その結果、ベルト内において走行方向で隣り合う2つの仕切部で区画された空間の崩れが生じにくくなる。
【0018】
上記搬送装置は、さらに、投入部と、規制部と、を備えていてもよい。投入部は、ベルトのうち一方面を内側にして湾曲する湾曲部分に対し、搬送物を投入することができる。規制部は、湾曲部分から露出する仕切部の外周部分に沿う外形を有する。規制部は、投入部から湾曲部分への搬送物の供給量を規制する(第3の構成)。
【0019】
第3の構成に係る搬送装置は、ベルトに対する搬送物の供給量を規制するための規制部を備える。規制部の外形は、仕切部の外周部分に沿うように形成されている。このような形状により、規制部は、ベルトの走行方向で見て仕切部を越える分の搬送物がベルトに供給されるのを防止する。よって、ベルト上の走行方向で隣り合う2つの仕切部の間に位置する空間に対し、適正且つ一定の量の搬送物を供給することができる。
【0020】
上記搬送装置において、投入部は、上昇経路において、筒状部分の一部を開放して筒状部分に搬送物を投入してもよい(第4の構成)。
【0021】
例えば、上述した各特許文献では、搬送経路の水平部分において搬送物をベルトに投入する。これに対し、第4の構成によれば、上昇経路においてベルト内に搬送物を投入するため、搬送物の投入のための水平部分を搬送経路に設ける必要がない。よって、搬送装置をコンパクトにすることができる。
【0022】
上記搬送装置において、仕切部の各々は、板状に形成されていてもよい。この場合、仕切部の各々は、走行方向と交差し載置面を含む主面を有することができる(第5の構成)。
【0023】
第5の構成によれば、各仕切部が板状であり、搬送物を載置するための載置面は仕切部の主面に設けられている。これにより、載置面において搬送物が保持されやすくなり、搬送中における搬送物の落下をより確実に抑制することができる。
【0024】
上記搬送装置は、さらに、ガイド管を備えていてもよい。ガイド管は、上昇経路に設けられる。筒状部分は、ガイド管の内部を走行する(第6の構成)。
【0025】
第6の構成によれば、ベルトの筒状部分の形状をガイド管によって維持することができるため、筒状部分が開いて搬送物が落下するのを抑制することができる。また、筒状部分の形状維持のためのローラ、及びその駆動機構等が不要であるため、搬送装置を簡素化することができる。
【0026】
ガイド管は、その内部を筒状部分が走行しているときに気体が注入されるよう構成されていてもよい(第7の構成)。
【0027】
第7の構成によれば、ベルトの筒状部分に対するガイド管の摩擦抵抗を低減することができる。
【0028】
ガイド管は、単一又は複数の管部材で構成される湾曲部を含むことができる(第8の構成)。
【0029】
第8の構成によれば、ガイド管に湾曲部がある場合、すなわち、ガイド管が設けられる上昇経路に湾曲経路を含む場合、当該湾曲部では、単一又は複数の管部材によってベルトが筒状に維持される。よって、上昇経路の湾曲部において、ベルトを筒状に維持するためのローラ、及びその駆動機構等を排除し、あるいは少なくすることができる。このため、搬送装置を簡素化することができる。
【0030】
以下、本開示の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。各図において同一又は相当の構成については同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
【0031】
<第1実施形態>
[ガス処理システム]
第1実施形態に係る搬送装置は、例えば、ガス処理システムで使用される。図1は、第1実施形態に係る搬送装置を使用可能なガス処理システム100の概略構成図である。
【0032】
ガス処理システム100は、例えば、焼却炉、ボイラ、又は焼結機等といった燃焼設備からの排ガスを処理するシステムである。排ガスには、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)、及びダイオキシン類等の有害物質が含まれる。ガス処理システム100は、排ガスから有害物質を除去するために使用される。
【0033】
図1に示すように、ガス処理システム100は、吸着塔1と、再生塔2と、搬送装置31,32と、を備える。
【0034】
吸着塔1は、脱硝層11と、脱硫層12と、を有する。脱硝層11は、複数の脱硝容器111を含む。脱硫層12は、脱硝層11の下方に配置される。脱硫層12は、複数の脱硫容器121を含む。脱硫容器121は、脱硝容器111に対応して設けられている。脱硫容器121は、それぞれ、対応する脱硝容器111に接続されている。
【0035】
各脱硝容器111及び各脱硫容器121には、粒状の吸着材が充填される。吸着材は、例えば活性炭である。図1において矢印で示すように、脱硫容器121には、排ガスが供給される。排ガスは、脱硫容器121及び脱硝容器111を順に通過する。排ガスが脱硫容器121を通過するとき、排ガス中のSOxが脱硫容器121内の吸着材に接触して吸着される。排ガスが脱硝容器111を通過するとき、排ガス中のNOxが脱硝容器111内の吸着材に接触して分解される。SOx及びNOxが除去された排ガスは、吸着塔1から排出される。
【0036】
ガス処理システム100の稼働中、吸着塔1は、吸着材を排出しつつ受け入れている。吸着材は、吸着塔1の上端部から脱硝容器111内及び脱硫容器121内に供給され、脱硝容器111内及び脱硫容器121内を下方に移動する。吸着材は、排ガス中のSOxを吸着した後、吸着塔1の下端部から排出され、再生塔2に送られる。
【0037】
再生塔2は、SOxを吸着した吸着材を受け入れる。吸着材は、再生塔2の上端部から供給され、再生塔2内を下方に移動する。再生塔2は、内部を移動する吸着材を加熱する。これにより、吸着材からSOxが脱離して吸着材が再生される。再生された吸着材は、再生塔2の下端部から排出される。吸着材は、吸着塔1に送られ、再び吸着塔1に供給される。
【0038】
搬送装置31,32は、吸着塔1と再生塔2との間で吸着材を搬送するために使用される。搬送装置31には、吸着塔1の下端部から排出された吸着材が供給される。搬送装置31は、この吸着材を再生塔2の上端部に向かって搬送する。搬送装置32には、再生塔2の下端部から排出された吸着材が供給される。搬送装置32は、この吸着材を吸着塔1の上端部に向かって搬送する。
【0039】
[搬送装置]
以下、搬送装置31,32の構成を詳細に説明する。搬送装置31,32の構成は実質的に同一であるので、特に必要がないときは搬送装置31,32を区別せず、搬送装置3という。
【0040】
図2は、搬送装置3の概略構成図である。搬送装置3は、所定の搬送経路に沿って搬送物を搬送する。本実施形態に係る搬送装置3の搬送物は、粒状の吸着材である。
【0041】
図2に示すように、搬送装置3は、ベルト301と、複数の仕切部302と、ガイド管303と、供給器304と、を備える。搬送装置3は、駆動プーリ305と、従動プーリ306と、複数のベンドプーリ307と、をさらに備える。
【0042】
ベルト301は、無端状の平形ベルトである。ベルト301は、駆動プーリ305と、従動プーリ306とに掛け渡されている。従動プーリ306は、駆動プーリ305よりも下方に配置されている。水平方向における従動プーリ306の位置は、水平方向における駆動プーリ305の位置からずれている。すなわち、従動プーリ306は、駆動プーリ305の斜め下に配置されている。
【0043】
駆動プーリ305及び従動プーリ306は、それぞれベルト301の幅方向に概ね平行な回転軸を有する。駆動プーリ305及び従動プーリ306が回転軸周りに回転することにより、ベルト301が走行する。ベルト301は、従動プーリ306から駆動プーリ305に向かう往路R1、及び駆動プーリ305から従動プーリ306に向かう復路R2を走行する。
【0044】
往路R1において、ベルト301に搬送物が供給され、ベルト301の一部が平坦状から筒状に変形する。搬送物は、ベルト301の筒状部分に包まれ、往路R1に沿って上方に搬送される。本実施形態において、往路R1は、搬送物の搬送経路に相当する。
【0045】
往路R1は、垂直路R11と、湾曲路R12,R13と、を含む。垂直路R11及び湾曲路R12,R13は、搬送物を下方から上方に向かわせる上昇経路を構成する。
【0046】
垂直路R11は、水平面に対して実質的に垂直に延びる。湾曲路R12は、垂直路R11の上端に接続され、垂直路R11の上端からさらに上方に延びる。湾曲路R12は、概ね、上に凸の円弧状をなす。湾曲路R13は、垂直路R11の下方から垂直路R11に向かって延び、垂直路R11の下端に接続される。湾曲路R13は、概ね、下に凸の円弧状をなす。
【0047】
往路R1を走行するベルト301は、駆動プーリ305で折り返して復路R2を走行する。ベルト301は、駆動プーリ305の近傍で筒状から平坦状に戻り、搬送物を排出する。復路R2には、複数のベンドプーリ307が配置されている。ベンドプーリ307は、復路R2におけるベルト301の走行方向を調整する。ベルト301は、駆動プーリ305から下方に向かって復路R2を走行する。ベルト301は、従動プーリ306で折り返して再び往路R1を走行する。
【0048】
ベルト301の材質としては、例えばゴム等、一般的なコンベヤベルトに用いられる種々の材質を採用することができる。搬送装置3をガス処理システム100(図1)に使用する場合、ベルト301の材質は、難燃性又は不燃性を有するものであることが好ましい。
【0049】
複数の仕切部302は、ベルト301の走行方向に配列されている。仕切部302は、ベルト301の一方面に固定されている。より詳細には、仕切部302は、ベルト301が筒状に変形したときに内側となる面に固定されている。仕切部302の材質は、ベルト301の材質と同一とすることができる。
【0050】
ガイド管303は、往路R1に配置されている。より詳細には、ガイド管303は、上昇経路である垂直路R11及び湾曲路R12,R13に配置されている。ガイド管303は、往路R1を走行するベルト301を案内する。ガイド管303として、公知又は市販のパイプを適宜採用することができる。ガイド管303は、摩擦力を低減するため、内面に樹脂ライニング等が施してあることが好ましい。
【0051】
ガイド管303は、垂直部3031と、湾曲部3032,3033と、を有する。垂直部3031及び湾曲部3032,3033は、いずれも筒状をなす。
【0052】
垂直部3031は、垂直路R11に配置されている。垂直部3031は、水平面に対して実質的に垂直に延びる。湾曲部3032,3033は、それぞれ、湾曲路R12,R13に配置されている。湾曲部3032は、垂直部3031の上方に配置されている。湾曲部3032は、概ね、上に凸の円弧状をなす。湾曲部3033は、垂直部3031の下方に配置されている。湾曲部3033は、概ね、下に凸の円弧状をなす。湾曲部3032,3033は、それぞれ、複数の気体注入口3034,3035を有する。
【0053】
供給器304は、往路R1に配置される。供給器304は、ベルト301の走行方向において、ガイド管303の上流側に配置されている。供給器304は、ベルト301に搬送物を供給する。搬送装置31(図1)では、吸着塔1の下端部から排出された吸着材が供給器304を介して供給される。搬送装置32(図1)では、再生塔2の下端部から排出された吸着材が供給器304を介して供給される。
【0054】
以下、図3から図6を参照して、搬送装置3の各構成をさらに詳しく説明する。
【0055】
図3は、搬送装置3の下端部の斜視図である。図4は、搬送装置3の下端部の側面図である。まず、図3を参照して、上述したように、ベルト301の一方面には、複数の仕切部302が固定されている。仕切部302は、ベルト301の走行方向に沿って並んでいる。仕切部302は、ベルト301の全長にわたって、一定間隔で配置されている。仕切部302の列は、ベルト301の幅方向の中央部分に形成されている。
【0056】
仕切部302の各々は、概ね円板状である。仕切部302は、仕切部本体3021と、リブ3022と、を含む。仕切部本体3021は、円板の外周側の一部を、円板の表面に対して垂直に切り落とした形状を有する。したがって、仕切部本体3021の外周縁は、その一部が直線状であり、残部が円弧状である。仕切部本体3021の外周縁のうち直線状の部分が、ベルト301に固定されている。仕切部本体3021の両面は、それぞれ、リブ3022によって支持される。リブ3022は、仕切部本体3021に固定されている。リブ3022は、ベルト301には固定されないことが好ましい。リブ3022をベルト301に固定すると、ベルト301が駆動プーリ305又は従動プーリ306に巻きつく際、ベルト301の外周面(仕切部302が設けられた面)が引き伸ばされることにより、リブ3022がちぎれる可能性があるためである。
【0057】
ベルト301において、仕切部302が設けられている面には、仕切支持部3011が形成されている。仕切支持部3011は、仕切部302に対応して複数設けられ、ベルト301の走行方向に沿って並んでいる。仕切支持部3011は、ベルト301が筒状に変形したときに、対応する仕切部302を支持する。
【0058】
仕切支持部3011は、例えば、ベルト301に形成された凹部である。この場合、ベルト301が仕切部302の列に巻きつけられて筒状に変形すると、各仕切支持部3011内に仕切部本体3021の外周縁の一部が収まる。これにより、仕切部302は、ベルト301の走行方向に対してほぼ垂直な姿勢に維持される。ただし、仕切支持部3011の構成は、これに限定されるものではない。仕切支持部3011は、仕切部302の一部を載置可能な凸部や、仕切部302の一部を挟持可能な凸部等であってもよい。
【0059】
搬送装置3の下端部において、ベルト301は、復路R2を概ね水平に走行する。ベルト301のうち復路R2を走行中の部分は、平坦状に維持される。搬送装置3の下端部において、ベルト301は、仕切部302が設けられた面が下側になるように復路R2を走行する。このベルト301の下面は、複数のリターンローラ309によって支持される。リターンローラ309は、ベルト301の走行方向に並んでいる。
【0060】
ベルト301は、復路R2を走行した後、従動プーリ306で折り返されて往路R1を走行する。ベルト301は、従動プーリ306で折り返されることにより、仕切部302が設けられた面を上側にして往路R1を走行し始める。ベルト301の走行方向において従動プーリ306の下流側且つガイド管303の上流側には、それぞれ複数のガイドローラ311,312,313,314,315が配置される。
【0061】
ガイドローラ311,312,313,314,315は、ベルト301の走行方向の上流側から下流側に向かって、この順で配置されている。ガイドローラ311,312,313,314,315は、ベルト301のうち往路R1の走行を開始した部分をガイドして、平坦状から筒状に変形させる。ベルト301は、仕切部302の列の外周に沿って筒状に変形する。上述した通り、仕切部302が概ね円板状であることから、ベルト301は、実質円筒状に変形する。
【0062】
ガイドローラ311は、ベルト301の湾曲を開始させる。ガイドローラ311は、湾曲するベルト301の外面に接触しながらベルト301を通過させる。
【0063】
ガイドローラ312は、ガイドローラ311によって湾曲したベルト301をさらに深く湾曲させる。ガイドローラ312は、ベルト301の外面に接触しながらベルト301を通過させる。ベルト301は、ガイドローラ312を通過することで、概略U字状に成形される。
【0064】
ガイドローラ313,314は、概略U字状に成形されたベルト301の形状を維持する。ガイドローラ313は、ベルト301の外面に接触しながらベルト301を通過させる。ガイドローラ314は、ベルト301の内面に接触しながらベルト301を通過させる。
【0065】
複数のガイドローラ315は、ベルト301の走行方向に垂直な面に沿って環状に並べられている。複数のガイドローラ315は、ベルト301の外面に接触しながらベルト301を通過させ、概略U字状から筒状に変形させる。
【0066】
ガイドローラ311,312,313,314,315によってベルト301が変形する間に、供給器304からベルト301に対して搬送物が供給される。供給器304は、ガイドローラ312とガイドローラ314との間に配置されている。供給器304は、ガイドローラ312,313,314によって概略U字状に湾曲させられたベルト301の湾曲部分301aに対し、搬送物を供給する。
【0067】
図3に示すように、供給器304は、投入部3041と、規制部3042と、を含む。規制部3042は、投入部3041の下端に接続されている。投入部3041及び規制部3042は、それぞれ、実質的に筒状をなす。本実施形態では、投入部3041は、上下方向を軸方向とする角筒状である。規制部3042も、上下方向を軸とする角筒状である。
【0068】
搬送物は、投入部3041から投入され、規制部3042を介してベルト301の湾曲部分301aに供給される。搬送物は、投入部3041から連続的に投入することができる。規制部3042は、ベルト301の湾曲部分301aに供給された搬送物のうち、余分な搬送物の通過を規制する。
【0069】
図4を参照して、規制部3042は、それぞれ一対の側壁3042a,3042bを含む。一対の側壁3042aは、ベルト301の走行方向と概ね平行に配置され、互いに対向する。一対の側壁3042bは、ベルト301の幅方向と概ね平行に配置され、互いに対向する。
【0070】
規制部3042は、ベルト301の湾曲部分301aの内面と、湾曲部分301aから露出する仕切部302の外周部分とに沿う外形を有する。規制部3042のうち、側壁3042aは、それぞれ、概略U字状の湾曲部分301aの内面に接触する。側壁3042bの下縁3042cは、仕切部302の外周部分に沿うように形成されている。
【0071】
湾曲部分301aは、ベルト301のうち、仕切部302の列の外周に沿って湾曲し、且つ上側が開口した部分である。湾曲部分301aの開口からは、仕切部本体3021の外周縁の一部が露出する。側壁3042bの下縁3042cは、仕切部本体3021の外周縁のうち湾曲部分301aから露出する部分に沿った形状を有する。本実施形態では、下縁3042cは円弧状をなす。
【0072】
規制部3042と仕切部302のとの間の隙間は、搬送物の通過を妨げる大きさに設定されることが好ましい。例えば、ベルト301の走行方向及び幅方向に対して垂直な方向(本実施形態では上下方向)において、下縁3042cから仕切部本体3021までの最大距離を、搬送物の平均粒子径の好ましくは3倍未満、より好ましくは1倍未満とすることができる。
【0073】
ベルト301の湾曲部分301aは、供給器304から搬送物が供給され、下流に送られる。湾曲部分301aに対し、側壁部3042bの下縁3042cを越える高さまで搬送物が供給された場合、下縁3042cを超えた分の搬送物は、側壁部3042bによって下流への移動が妨げられる。よって、ベルト301上の仕切部302間に適切な量の搬送物が供給された状態で、ベルト301が走行する。
【0074】
図3を再び参照して、ベルト301の湾曲部分301aは、ガイドローラ315によって筒状部分に変化する。ベルト301の筒状部分は、ガイド管303の湾曲部3033に導入される。湾曲部3033には、気体注入口3035から気体が注入される。この気体は、例えば、窒素等の不活性ガスである。筒状部分は、ガイド管303に沿って上昇経路を走行する。
【0075】
図5は、搬送装置3の上昇経路の一部を拡大して示す図である。図5に示すように、ベルト301の筒状部分301bの内部空間は、ベルト301の走行方向に沿って複数に仕切られる。ベルト301の筒状部分301b内には、仕切部302によって隔てられた複数の空間Sが形成される。
【0076】
各空間Sには、搬送物(図示略)が収容されている。特に限定されるものではないが、空間Sにおける搬送物の充填率は、80%程度であることが好ましい。各空間S内の搬送物は、仕切部302の載置面302aに載置される。載置面302aは、円板状の仕切部302の主面に設けられる。仕切部302の両面のうち、ベルト301の走行方向において下流側に配置される面を主面、上流側に配置される面を裏面と定義する。言い換えると、垂直路R11を走行中の筒状部分301bにおいて、仕切部302の上面が主面となる。本実施形態において、載置面302aは、ほぼ円形状の面である。
【0077】
各載置面302aは、非分割である。すなわち、各載置面302aは、複数の面の集合ではなく、単一の面である。各載置面302aの面積は、ベルト301の筒状部分301b(空間S)の横断面積とほぼ等しい。ただし、載置面302aと筒状部分301bとの間には、搬送物が実質的に通過しない程度の隙間が存在していてもよい。載置面302aと筒状部分301bとの間の隙間は、例えば、搬送物の平均粒子径の好ましくは3倍未満、より好ましくは1倍未満とすることができる。
【0078】
図6は、搬送装置3の上端部の斜視図である。図6に示すように、ベルト301のうち、上昇経路を走行しガイド管303の湾曲部3032から排出された部分は、筒状から平坦状に変形する。ベルト301の走行方向においてガイド管303の下流側には、複数のガイドローラ316が配置される。ガイドローラ316は、ベルト301が筒状から平坦状に緩やかに変形するように、ベルト301をガイドする。なお、湾曲部3032には、湾曲部3033と同様、気体注入口3034から窒素等の不活性ガスが注入される。
【0079】
搬送装置3の上端部において、平坦状に戻ったベルト301は、駆動プーリ305で折り返されて復路R2を走行する。ベルト301は、仕切部302が設けられた面が下側になるように復路R2を走行する。搬送装置3の下端部と同様、ベルト301の下面は、複数のリターンローラ309によって支持される。
【0080】
[効果]
第1実施形態に係る搬送装置3において、ベルト301は、上昇経路を走行する際、仕切部302の列の外周に沿って変形し、筒状部分301bを形成する。筒状部分301b内では、各仕切部302の載置面302aに搬送物が載置される。第1実施形態における搬送物は、粒状の吸着材であるが、各載置面302aは、非分割であるため、搬送物を噛み込むことがない。よって、搬送中における搬送物の落下を抑制することができる。
【0081】
例えば、一般的な円筒コンベヤにおいて、筒状に変形したベルトの走行方向を水平方向から垂直方向へ、あるいは垂直方向から水平方向へ変化させる場合、ベルトを筒状に変形した状態で屈曲させる。ベルトの屈曲部分では、内周側と比較して外周側でベルトに作用する張力が大きくなる。このため、ベルトが内周側に寄ってしまい、ベルトの筒状部分の横断面の潰れ、ベルトの捩れ、又はベルトの回転等が生じることがある。これらの現象は、ベルト内に搬送物が存在しない場合、あるいはベルト内の搬送物の量が少ない場合に特に生じやすい。通常は、屈曲部分の曲率半径を大きくすることで、ベルトの横断面の潰れ等を防止する。
【0082】
これに対して、第1実施形態に係る搬送装置3では、ベルト301を筒状に変形させる際、ベルト301に固定された仕切部302の列にベルト301を巻きつける。この仕切部302の列により、ベルト301内の搬送物の量が不十分である場合にも、ベルト301の形状を筒状に保持することができる。このため、ベルト301の走行方向を変化させる湾曲路R12,R13においても、ベルト301の筒状の断面が潰れにくい。よって、湾曲路R12,R13の曲率半径を小さくすることができ、搬送装置3全体をコンパクトにすることができる。また、ベルト301の筒状の断面が潰れにくいため、ベルト301から搬送物がこぼれ落ちるのを抑制することもできる。
【0083】
第1実施形態において、ベルト301の筒状部分301bでは、各仕切部302が、対応する仕切支持部3011によって支持される。このため、搬送物の重量等で仕切部302が垂れ下がって、筒状部分301b内の空間Sが崩れるのを抑制することができる。その結果、筒状部分301b内における搬送物の落下が抑制され、搬送物を安定して搬送することができる。
【0084】
第1実施形態に係る搬送装置3において、ベルト301に搬送物を供給する供給器304には、規制部3042が設けられている。規制部3042の外形は、仕切部302の外周部分に沿うように形成されている。より詳細には、規制部3042の側壁3042bの下縁3042cが、仕切部302の外周部分に沿う円弧状を有する。このような構成により、ベルト301の走行方向で見て、湾曲部分301aに対し、側壁部3042bの下縁3042cを越える量の搬送物が供給された場合、下縁3042cを超えた分の搬送物を、側壁部3042bによってせき止めることができる。よって、ベルト301の走行方向で見て仕切部302から実質的にはみ出す量の搬送物が仕切部302間に供給されるのを抑制することができ、ほぼ一定且つ適正な量の搬送物を仕切部302間に供給することができる。
【0085】
第1実施形態において、規制部3042の側壁3042aは、湾曲部分301aに内接する。このため、供給器304からベルト301に搬送物を供給する際、搬送物がベルト301の外にこぼれ落ちるのを防止することができる。また、供給器304の周辺における発塵を抑制することができる。
【0086】
第1実施形態では、円板状の仕切部302の主面が、搬送物が載置される載置面302aとして機能する。この載置面302aにより、搬送物を安定して保持することができ、搬送中の搬送物の落下をより確実に抑制することができる。
【0087】
一般的なひれ付きベルトでは、ベルトの幅方向全体にわたってひれが設けられているため、ベルトクリーナをかけにくく、ベルトへの付着物を除去することが難しい。これに対して、第1実施形態では、ベルト301の幅方向において、中央部分だけに仕切部302が設けられている。このため、ベルト301への付着物をベルトクリーナによって容易に除去することができる。
【0088】
第1実施形態では、ベルト301の筒状部分301bは、ガイド管303内を走行する。これにより、筒状部分301bが開いて搬送物が落下するのを抑制することができる。また、ガイド管303によって筒状部分301bの形状を維持することができるため、形状維持のためのローラ、及びその駆動機構等を搬送装置3に設ける必要がない。よって、搬送装置3の構成を簡素化することができる。
【0089】
第1実施形態において、ガイド管303の湾曲部3032,3033には、ベルト301の走行中、窒素等の気体が注入されている。これにより、湾曲部3032,3033の内面の摩擦抵抗を低減することができる。
【0090】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係る搬送装置3Aの概略構成を示す図である。搬送装置3Aは、第1実施形態で説明したガス処理システム100(図1)において使用することができる。搬送装置3Aは、主に供給器304Aの配置及び構成において、第1実施形態に係る搬送装置3と異なる。
【0091】
図7に示すように、搬送装置3Aにおいて、供給器304Aは、上昇経路に設けられる。より詳細には、供給器304Aは、上昇経路の垂直路R11に配置される。搬送装置3Aでは、供給器304Aを垂直路R11に配置したことにより、第1実施形態のガイド管303(図2)と異なる構成のガイド管303Aが用いられる。
【0092】
ガイド管303Aは、ベルト301の筒状部分を通過させる。ガイド管303Aは、垂直部3031Aa,3031Abと、湾曲部3032とを有する。垂直部3031Aaは、供給器304Aの上方に配置される。垂直部3031Abは、供給器304Aの下方に配置される。ベルト301の筒状部分は、垂直部3031Aa,3031Ab間を走行するときに開放され、湾曲部分に変化する。すなわち、筒状部分のうち垂直部3031Aa,3031Ab間を走行する部分は、重なり合っていた側縁部同士が離れ、仕切部302を露出させる。
【0093】
図8は、図7に示す搬送装置3Aにおいて、供給器304Aの周辺部分を拡大して示す図である。図8に示すように、供給器304Aは、投入部3041Aと、規制部3042Aと、を含む。
【0094】
規制部3042Aは、仕切部302の列に巻きつけられたベルト301の内側に位置するように設けられる。規制部3042Aは、複数の仕切部302にわたって垂直方向に延びている。規制部3042Aは、仕切部302の外周に沿う形状を有する。本実施形態において、規制部3042Aの横断面は円弧状をなす。
【0095】
投入部3041Aは、規制部3042Aに接続されている。投入部3041Aは、規制部3042Aの上下方向の中間位置から斜め上方に延びている。投入部3041Aの上端部は、ベルト301の外側に配置されている。投入部3041Aは、筒状をなし、ベルト301の湾曲部分内と連通している。搬送物は、投入部3041Aの上端開口から投入され、自重により移動し、ベルト301の湾曲部分に供給される。このようにして、ベルト301の隣り合う仕切部302の間に形成される空間Sに搬送物が供給される。
【0096】
第2実施形態に係る搬送装置3Aにおいても、ほぼ一定且つ適正な量の搬送物を仕切部302間に供給することができる。搬送物の供給量は、供給器304Aの規制部3042Aによって規制される。すなわち、投入部3041Aから多量の搬送物が投入されたとしても、規制部3042Aが仕切部23の外周に沿う形状であることから、仕切部302間には、仕切部302の外周側にはみ出す量の搬送物が供給されることはない。よって、規制部3042Aにより、仕切部302間の空間Sには、搬送物が定量的に供給されることになる。
【0097】
第1実施形態に係る搬送装置3では、搬送装置3の下端部に供給器304を設置するための水平路を設けている。一方、第2実施形態に係る搬送装置3Aでは、供給器304Aを上昇経路に設置したことにより、下端部の水平路が不要となる。よって、第2実施形態によれば、搬送装置3Aの平面レイアウトをコンパクトにすることができる。
【0098】
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る搬送装置3Bの概略構成を示す図である。搬送装置3Bは、第1実施形態で説明したガス処理システム100(図1)において使用することができる。搬送装置3Bは、復路R2における構成を除き、第2実施形態に係る搬送装置3Aと同じ構成を有する。
【0099】
図9に示すように、搬送装置3Bにおいて、ベルト301は、往路R1の上端部で筒状から平坦状に変形し、駆動プーリ305で折り返す。その後、ベルト301は、平坦状から筒状に変形して復路R2を走行する。ベルト301は、従動プーリ306の近傍で筒状から平坦状に変形する。
【0100】
本実施形態では、第1及び第2実施形態と異なり、ベルト301のうち復路R2を走行する部分が筒状に形成される。このため、復路R2にも、ガイド管303Bが設けられる。ガイド管303Bは、垂直部3031Bと、湾曲部3032Bと、を有する。垂直部3031Bは、往路R1におけるガイド管303Aの垂直部3031Aa,3031Abと異なり、分割されていない。復路R2において、ベルト301の筒状部分は、湾曲部3032B及び垂直部3031B内を走行する。
【0101】
以上、本開示に係る実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0102】
上記各実施形態では、仕切部302が円板状に形成されている。しかしながら、仕切部302の形状はこれに限定されるものではない。仕切部302は、多角形の面を有する板状であってもよいし、板状(扁平状)でなくてもよい。
【0103】
上記各実施形態では、ガイド管303,303A,303Bにおいて、往路R1の上部に位置する湾曲部3032が単一の管部材で構成されている。しかしながら、図10に示すように、ガイド管の湾曲部3032Cは、複数の管部材3032Caによって構成されていてもよい。管部材3032Caは、互いに間を空けて配置される。この構成によれば、ベルト301の形状を維持するためのローラを湾曲路全体に設ける必要はなく、管部材3032Caの間だけにローラを設ければよい。よって、搬送装置を簡素化することができる。
【0104】
図示を省略するが、第1実施形態のガイド管303において、往路R1の下部に設けられる湾曲部3033も、複数の管部材で構成することができる。
【0105】
上記各実施形態に係る搬送装置3,3A,3B,3Cは、搬送物を垂直方向に搬送しているが、搬送物の搬送方向はこれに限定されるものではない。例えば、搬送物を斜め上方に向かって搬送することもできる。すなわち、搬送経路に含まれる上昇経路には、上記各実施形態のような垂直路R11が設けられていてもよいし、垂直路R11に代えて、下方から上方へ向かう傾斜路が設けられていてもよい。湾曲路R12,R13は、必要に応じて上昇経路から排除することができる。
【0106】
上記各実施形態では、搬送装置3,3A,3Bをガス処理システム100に使用している。しかしながら、本開示に係る搬送装置は、搬送物の上方搬送が発生する、あらゆる設備に使用することができる。本開示に係る搬送装置は、ばら物の搬送に特に適している。
【符号の説明】
【0107】
3,31,32,3A,3B:搬送装置
301:ベルト
3011:仕切支持部
302:仕切部
302a:載置面
3041,3041A:投入部
3042,3042A:規制部
303,303A,303B,303C:ガイド管
3032Ca:管部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10