(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20221109BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221109BHJP
H05K 5/03 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G03G21/16 133
B41J29/00 T
H05K5/03 A
(21)【出願番号】P 2018169054
(22)【出願日】2018-09-10
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村川 淳二
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-143729(JP,A)
【文献】特開平01-130403(JP,A)
【文献】特開2011-186080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B41J 29/00
H05K 5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体に対して角度変更可能なように、前記装置本体に対してヒンジ部を介して接続された操作パネルと、
前記ヒンジ部を覆う部材の一部として、
前記操作パネルから円弧状に突出するように前記操作パネルに固定された固定カバーと、
前記固定カバーの角度変更に連動して変位しつつ前記ヒンジ部を覆う
円弧状の可動カバーとを備える、画像形成装置。
【請求項2】
前記装置本体に固定されつつ前記ヒンジ部を覆う本体側カバーを備える、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記操作パネルは、前記装置本体に沿って寝かせた第1姿勢と、前記装置本体から立ち上がった第2姿勢とをとりえ、
前記操作パネルが前記第1姿勢にあるときには、前記可動カバーは前記装置本体の内部に収納され、前記操作パネルが前記第2姿勢にあるときには前記可動カバーの少なくとも一部が前記装置本体の外側に突出する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記可動カバーは、前記固定カバーの少なくとも一部を覆うように配置されている、請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記可動カバーは第1係合部を備え、前記固定カバーは、前記第1係合部と係合する第2係合部を備え、前記可動カバーは前記第1係合部を前記第2係合部に係合させた状態で変位する、請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記可動カバーは、前記可動カバーの変位範囲を規制するストッパを備える、請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記可動カバーは、畳むことが可能なように複数の部分に分割されている、請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記操作パネルが前記装置本体から離れる最大角度を規定する線状部材を備え、
前記線状部材の一端は、前記操作パネルまたは前記固定カバーに接続されており、前記線状部材の他端は前記装置本体に固定されており、前記可動カバーは、前記線状部材を内側に収容したまま変位するように配置されている、請求項1から7のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記可動カバーはスナップフィットのための凸部を備え、
前記固定カバーは線状の凹部または溝を備え、前記凸部は前記凹部に対してスナップフィットにより係合されており、前記凸部はスナップフィットされた状態で前記凹部または溝に沿って移動可能である、請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記ヒンジ部は支点を備え、前記支点は、前記装置本体の内側に配置されている、請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記操作パネルは、前後方向に回転可能で、なおかつ、左右方向にも回転可能なように支持されている、請求項1から10のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項12】
装置本体と、
前記装置本体に対して角度変更可能なように、前記装置本体に対してヒンジ部を介して接続された操作パネルと、
前記ヒンジ部を覆う部材の一部として、前記操作パネルに固定された固定カバーと、
前記固定カバーの角度変更に連動して変位しつつ前記ヒンジ部を覆う可動カバーと、
前記操作パネルが前記装置本体から離れる最大角度を規定する線状部材とを備え、
前記線状部材の一端は、前記操作パネルまたは前記固定カバーに接続されており、前記線状部材の他端は前記装置本体に固定されており、前記可動カバーは、前記線状部材を内側に収容したまま変位するように配置されている、画像形成装置。
【請求項13】
装置本体と、
前記装置本体に対して角度変更可能なように、前記装置本体に対してヒンジ部を介して接続された操作パネルと、
前記ヒンジ部を覆う部材の一部として、前記操作パネルに固定された固定カバーと、
前記固定カバーの角度変更に連動して変位しつつ前記ヒンジ部を覆う可動カバーとを備え、
前記可動カバーはスナップフィットのための凸部を備え、前記固定カバーは線状の凹部または溝を備え、前記凸部は前記凹部に対してスナップフィットにより係合されており、前記凸部はスナップフィットされた状態で前記凹部または溝に沿って移動可能である、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置においては、ユーザが操作する際の視線位置、入力操作のしやすさを考慮して、装置本体の外装面に対し、操作パネルが所定の角度に傾斜して固定されている。しかし、操作パネルに設けられている表示部に、室内の蛍光灯などが映り込んだり、何らかの反射などによって視認性が低下する場合がある。あるいは操作パネルの操作面が、ユーザの姿勢、視線位置、高さにより、操作しにくい状態となる場合がある。
【0003】
このような問題に対処すべく、操作パネルの表示部、または、操作パネル全体を装置本体に対して角度変更可能なように、角度可変機構(チルト機構)を備える画像形成装置が提案されている。操作パネルが揺動する際に操作パネルのカバー外形が通る軌跡と干渉しないように、装置本体の外装面を逃がすことが必須であり、この逃げがすなわち操作パネルと装置本体外装カバーとの間の隙間となり、設置する操作パネルの角度によっては、隙間が部分的に非常に大きくなる場合があり、外観品質を損なうことが懸念される。また、この隙間から異物、ゴミなどが落下して装置の動作に影響を与えてトラブルを招くことが懸念される。
【0004】
一例として、操作パネルの角度調整装置が、特開2004-198741号公報(特許文献1)に記載されている。操作パネルを自由に変位できるようにしながら、操作パネルの配電線が剥き出しになるのを防ぐ構造が、特開2010-14825号公報(特許文献2)に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-198741号公報
【文献】特開2010-14825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置の操作パネルにおいては、使い勝手を良くするためにチルト方式を採用することが望ましい。さらに、チルト角を大きく設定できる装置を提供することで、誰でも使いやすい角度を提供することが可能となる。しかし、チルト角が大きくなると、設置する操作パネルの角度によっては、隙間が部分的に非常に大きくなる場合があり、隙間ないし開口を完全に塞ぐことができないという状況が発生してしまう。これらの課題を解決することが求められる。
【0007】
特許文献1に記載された角度調整装置では、角度可変幅が小さく、大きな角度変更には対応できなかった。たとえば操作パネルを水平に近い状態から鉛直まで立ち上げることはできなかった。
【0008】
特許文献2に記載された装置では、カバーが大きくなり、装置の小型化には不向きであった。また、外観の印象が煩雑であった。
【0009】
画像形成装置の操作パネルは、ユーザが画像形成装置にアクセスするための入り口であり、ユーザに操作部の存在感を強調して、画像形成装置の入り口を明確にさせることで基本的な操作フローを向上させることが求められる。そこで、操作パネルを画像形成装置本体からフロートさせて、ユーザのタッチポイントを明確化するデザインが考えられる。操作パネルをフロートさせ、チルト角を大きく設定した構成において、操作パネル周りの開口を塞ぎ、操作パネルの配線の傷を防止し、外観品質の低下を防止することが求められる。
【0010】
そこで、本発明は、操作パネルのチルト角を大きく設定し、かつ、操作パネル周りの開口を塞ぐことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に基づく画像形成装置は、装置本体と、上記装置本体に対して角度変更可能なように、上記装置本体に対してヒンジ部を介して接続された操作パネルと、上記ヒンジ部を覆う部材の一部として、上記操作パネルに固定された固定カバーと、上記固定カバーの角度変更に連動して変位しつつ上記ヒンジ部を覆う可動カバーとを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、操作パネルのチルト角を大きく設定し、かつ、操作パネル周りの開口を塞ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の斜視図である。
【
図2】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の一部の部品のみを取り出した状態の斜視図である。
【
図3】
図2に示した状態から操作パネル3を鉛直になるまで引き起こした状態の斜視図である。
【
図4】
図3に示したものを斜め後ろから見た斜視図である。
【
図5】
図4に示した状態から一部の部品を取り外した状態の斜視図である。
【
図6】
図5に示した状態からさらに一部の部品を取り外した状態の斜視図である。
【
図7】
図6に示した状態からさらに一部の部品を取り外した状態の斜視図である。
【
図9】
図8に示したものにおいて支持アームを寝かせた状態の側面図である。
【
図10】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置に備わる固定カバーおよび可動カバーを組み合わせたものの斜視図である。
【
図11】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置に備わる固定カバーの斜視図である。
【
図12】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置に備わる可動カバーの第1の向きから見た斜視図である。
【
図13】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置に備わる可動カバーの第2の向きから見た斜視図である。
【
図14】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の操作パネルおよびその近傍の構造物の、操作パネルが第1姿勢にあるときの断面図である。
【
図15】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の操作パネルおよびその近傍の構造物の、操作パネルが第2姿勢にあるときの第1の断面図である。
【
図16】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の操作パネルおよびその近傍の構造物の、操作パネルが第2姿勢にあるときの第2の断面図である。
【
図17】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の変形例に備わる固定カバーおよび可動カバーを組み合わせたものの側面図である。
【
図18】
図17におけるXVIII-XVIII線に関する矢視断面図である。
【
図19】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の変形例に備わる可動カバーの側面図である。
【
図20】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の変形例に備わる可動カバーを第1の向きから見た図である。
【
図21】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の変形例に備わる可動カバーを第2の向きから見た図である。
【
図22】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の変形例に備わる固定カバーの斜視図である。
【
図23】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の変形例に備わる固定カバー第1部分の斜視図である。
【
図24】本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置の変形例に備わる固定カバー第2部分の斜視図である。
【
図25】本発明に基づく実施の形態2における画像形成装置の操作パネルおよびその近傍の構造物の斜視図である。
【
図26】本発明に基づく実施の形態2における画像形成装置の操作パネルおよびその近傍の構造物が左右方向に回転することの説明図である。
【
図27】本発明に基づく実施の形態3における画像形成装置の操作パネルおよびその近傍の構造物の斜視図である。
【
図28】本発明に基づく実施の形態3における画像形成装置の操作パネルおよびその近傍の構造物の、操作パネルを下向きにした状態での斜視図である。
【
図29】
図28から可動カバー第2部分を取り外した状態の斜視図である。
【
図30】
図28から可動カバー第1部分を取り外した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
(構成)
図1~
図16を参照して、本発明に基づく実施の形態1における画像形成装置について説明する。本実施の形態における画像形成装置101の外観を
図1に示す。画像形成装置101は、装置本体50と、操作パネル1とを備える。装置本体50は本体側カバー6を備える。操作パネル1は装置本体50の前側の上部に設置されている。画像形成装置101から操作パネル1および本体側カバー6を取り出したところを
図2に示す。この状態では、操作パネル1は本体側カバー6に沿うように配置されている。操作パネル3を鉛直になるまで引き起こした状態を
図3に示す。操作パネル1の角度はユーザが操作しやすい適当な角度に調整することができる。
【0015】
図3に示した状態で、斜め後ろから見たところを
図4に示す。操作パネル1は、裏面にパネル背面カバー7を備える。パネル背面カバー7は、パネル背面カバー第1部分7aと、パネル背面カバー第2部分7bとを含む。パネル背面カバー7に固定カバー3が接続されている。固定カバー3は操作パネル1に対して相対的には変位しない。操作パネル1が変位するときには、固定カバー3も操作パネル1と一体となって変位する。固定カバー3には可動カバー5が接続されている。
【0016】
本実施の形態における画像形成装置101は、装置本体50と、装置本体50に対して角度変更可能なように、装置本体50に対してヒンジ部2を介して接続された操作パネル1と、ヒンジ部2を覆う部材の一部として、操作パネル10に固定された固定カバー3と、固定カバー3の角度変更に連動して変位しつつヒンジ部2を覆う可動カバー5とを備える。
【0017】
図4に示したものから
可動カバー5を取り除いたところを
図5に示す。開口6aが露出している。固定カバー3には隙間10が設けられている。
【0018】
図5に示したものからパネル背面カバー7を取り除いたところを
図6に示す。固定カバー3は、固定カバー第1部分3aと固定カバー第2部分3bとを含む。固定カバー3の中央に隙間10が見えている。
【0019】
図6に示したものから操作パネル1および固定カバー3を取り除いて斜め前から見たところを
図7に示す。操作パネル1を支持するための支持アーム2bが見えている。本体側カバー6は外装面6bを有する。
図7に示したものを側方から見たところを
図8に示す。ヒンジ部2は、支持部2aと支持アーム2bと支点2cとを含む。支持アーム2bは、支点2cを介して支持部2aに接続されている。支持アーム2bは、支点2cを中心に回転することができ、その結果、支持部2aに対する相対的な角度を変更することができる。
【0020】
図8では、支持アーム2bが鉛直まで立ち上がっていたが、これを外装面6に沿うように寝かせた状態を
図9に示す。
【0021】
固定カバー3および可動カバー5を取り出したところを
図10に示す。
図10では、主に固定カバー3および可動カバー5の内側が見えている。固定カバー第1部分3aと固定カバー第2部分3bとは隙間10を介して隣接している。可動カバー5は爪5aを備える。爪5aが隙間10に入り込んだ状態で、可動カバー5は固定カバー3に対して組み合わせられている。固定カバー3のみを取り出したところを
図11に示す。可動カバー5のみを取り出したところを
図12に示す。
図12における矢印91の向きから可動カバー5を見たところを
図13に示す。爪5aはスナップフィット形状を有する。可動カバー5が固定カバー3に対して変位する際には、爪5aは、
図11に示した隙間10に入り込んだ状態を維持しつつ隙間10に沿って移動する。
【0022】
画像形成装置101のうち操作パネル1およびその近傍の構造物の断面図を
図14に示す。
図14では、操作パネル1は本体側カバー6に沿うように配置されている。可動カバー5は突起5bを備える。本体側カバー6は突起6cを備える。操作パネル1を立ち上げた状態を
図15に示す。可動カバー5が支点2cを中心に回動した結果、可動カバー5の突起5bが本体側カバー6の突起6cに当接し、可動カバー5はこれ以上回動できないようになっている。可動カバー5の回動が規制されても、固定カバー3および操作パネル1はさらに回動可能であるが、実際には固定カバー3および操作パネル1の回動角度は他の手段により規制されている。すなわち、操作パネル1の裏側の1ヶ所と支持部2aの1ヶ所とを結ぶようにワイヤ11が接続されている。
図14ではワイヤ11は図示省略されている。
図15では、ワイヤ11はぴんと張った状態にある。ワイヤ11がこのように接続されていることにより、固定カバー3および操作パネル1は支持部2aから一定以上遠ざかることができないので、回動できる角度が規制され、チルト角の上限がおのずと定まる。
【0023】
図15で切断面を紙面手前側にずらしたときの断面図を
図16に示す。
図15では、固定カバー3として見えている部分は固定カバー第2部分3bであるが、
図16では、固定カバー3として見えている部分は固定カバー第1部分3aである。
図16に示すように、固定カバー3の内側にケーブル12が配置されている。ケーブル12は、装置本体50と操作パネル1との間の通信を行なうためのものである。ワイヤ11は固定カバー第2部分3bの内側に配置されているのに対して、ケーブル12は固定カバー第1部分3aの内側に配置されている。このようにワイヤ11とケーブル12とで配置されている場所が異なるので、両者が絡まることはない。
【0024】
(作用・効果)
本実施の形態では、操作パネル1のチルト角を大きく設定し、かつ、操作パネル1周りの開口を塞ぐことができる。本実施の形態では、操作パネル1は固定カバー3および可動カバー5を介して装置本体50につながっている状態であるので、操作パネル1を装置本体50からフロートさせた状態にすることができる。
【0025】
隙間10は、細長い貫通孔であってもよく、溝であってもよい。
本実施の形態で示したように、画像形成装置101は、装置本体50に固定されつつヒンジ部2を覆う本体側カバー6を備えることが好ましい。この構成を採用することにより、装置本体50の操作パネル1近傍の外観をすっきりさせることができる。
【0026】
本実施の形態で示したように、操作パネル1は、装置本体50に沿って寝かせた第1姿勢と、装置本体50から立ち上がった第2姿勢とをとりえ、操作パネル1が前記第1姿勢にあるときには、可動カバー5は装置本体50の内部に収納され、操作パネル1が前記第2姿勢にあるときには可動カバー5の少なくとも一部が装置本体50の外側に突出することが好ましい。この構成を採用することにより、操作パネル1の姿勢変更に応じて可動カバー5が適宜変位するので、チルト角を大きくすることができる。
図14では、操作パネル1が第1姿勢にある状態を示しており、
図15および
図16では、操作パネル1が第2姿勢にある状態を示している。
【0027】
本実施の形態で示したように、可動カバー5は、固定カバー3の少なくとも一部を覆うように配置されていることが好ましい。この構成を採用することにより、固定カバー3が可動カバー5の内側で変位することができ、操作パネル1を寝かせたときには固定カバー3および可動カバー5がコンパクトに収まる。
【0028】
本実施の形態で示したように、可動カバー5は第1係合部を備え、固定カバー3は、前記第1係合部と係合する第2係合部を備え、可動カバー5は前記第1係合部を前記第2係合部に係合させた状態で変位することが好ましい。爪5aが第1係合部に相当する。隙間10が第2係合部に相当する。この構成を採用することにより、可動カバー5は固定カバー3に対して係合状態を維持したまま連続的に変位することができる。
【0029】
本実施の形態で示したように、可動カバー5は、可動カバー5の変位範囲を規制するストッパを備えることが好ましい。本実施の形態では、突起5bがストッパに相当する。このように可動カバー5がストッパを備えることにより、可動カバー5が大きく変位しすぎて外れてしまう事態を防止することができる。
【0030】
本実施の形態で示したように、操作パネル1が装置本体50から離れる最大角度を規定する線状部材を備え、前記線状部材の一端は、操作パネル1または固定カバー3に接続されており、前記線状部材の他端は装置本体50に固定されており、可動カバー5は、前記線状部材を内側に収容したまま変位するように配置されていることが好ましい。この構成を採用することにより、簡単な構造で操作パネルの最大チルト角を適正に規制することができる。本実施の形態では、ワイヤ11が線状部材に相当する。
【0031】
本実施の形態で示したように、可動カバー5はスナップフィットのための凸部を備え、固定カバー3は線状の凹部または溝を備え、前記凸部は前記凹部に対してスナップフィットにより係合されており、前記凸部はスナップフィットされた状態で前記凹部または溝に沿って移動可能であることが好ましい。この構成を採用することにより、可動カバー5と固定カバー3とを適切に組み合わせつつ、操作パネルの角度を柔軟に変更することができる。本実施の形態では、爪5aが前記凸部に相当する。
【0032】
本実施の形態で示したように、ヒンジ部2は支点2cを備え、支点2cは、装置本体50の内側に配置されていることが好ましい。この構成を採用することにより、外観をすっきりさせつつ操作パネル1の角度変更を円滑に行なうことができる。
【0033】
(変形例)
本実施の形態における画像形成装置の変形例について、説明する。この画像形成装置に備わる固定カバー3および可動カバー5を取り出したところを
図17に示す。
図17におけるXVIII-XVIII線に関する矢視断面図を
図18に示す。可動カバー5は爪5aに代えて突起5dを備える。可動カバー5を単独で取り出したところを
図19に示す。可動カバー5を
図19における矢印92の向きに見たところを
図20に示す。この向きで見たとき、突起5dはT字形状を有する。可動カバー5を
図19における矢印93の向きに見たところを
図21に示す。
【0034】
固定カバー3を単独で取り出したところを
図22に示す。固定カバー第1部分3aを単独で取り出したところを
図23に示す。固定カバー第2部分3bを単独で取り出したところを
図24に示す。この変形例では、突起5dが第1係合部に相当し、隙間10が第2係合部に相当する。
【0035】
(実施の形態2)
(構成)
図25~
図26を参照して、本発明に基づく実施の形態2における画像形成装置について説明する。
【0036】
本実施の形態における画像形成装置は、基本的な構成に関しては、実施の形態1で説明した画像形成装置101と同様であるが、以下の点で異なる。本実施の形態における画像形成装置では、操作パネル1は、前後方向に回転可能で、なおかつ、左右方向にも回転可能なように支持されている。操作パネル1およびヒンジ部2を取り出したところを、
図25に示す。
【0037】
ヒンジ部2の支持部2aに丸穴15が設けられている。
図26に示すように、丸穴15に段付ネジ16が挿入されて、支持部2aが装置本体50に固定される。こうすることにより、支持部2aを矢印94に示すように左右方向に回転させることが可能となっている。実施の形態1で既に説明した構造により操作パネル1は前後方向に回転可能であり、さらに、段付ネジ16によって左右方向に回転可能である。
【0038】
(作用・効果)
本実施の形態では、操作パネル1が前後方向にも左右方向にも回転可能であり、ユーザは操作パネル1を最適な姿勢に調整することが容易にできるので、使い勝手の良い画像形成装置とすることができる。
【0039】
(実施の形態3)
(構成)
図27~
図30を参照して、本発明に基づく実施の形態3における画像形成装置について説明する。
【0040】
本実施の形態における画像形成装置は、基本的な構成に関しては、実施の形態1で説明した画像形成装置101と同様であるが、以下の点で異なる。本実施の形態における画像形成装置では、可動カバー5は、畳むことが可能なように複数の部分に分割されている。本実施の形態では、可動カバー5は、可動カバー第1部分5eと、可動カバー第2部分5fとを含む。操作パネル1の裏側には、固定カバー3と、可動カバー第1部分5eと、可動カバー第2部分5fとが連なる構造となっている。実施の形態1において、固定カバー3と可動カバー5との間の係合関係として説明した構造が、本実施の形態においては、固定カバー3と可動カバー第1部分5eとの間の係合関係として採用されている。さらに、可動カバー第1部分5eと可動カバー第2部分5fとの間においても、同様の係合関係が採用されている。
【0041】
(作用・効果)
本実施の形態においても、実施の形態1で説明した効果を得ることができる。さらに、本実施の形態では、操作パネル1の裏側に、固定カバー3と、可動カバー第1部分5eと、可動カバー第2部分5fという3つの部材が連なる構造となっているので、最大チルト角を大きく確保することができる。たとえば
図28に示すように、操作パネル1を鉛直方向よりさらに傾けて下向きにすることも可能となる。たとえば鉛直方向より20°下向きにすることが可能である。
【0042】
図28に示した状態から可動カバー第2部分5fを取り外した状態を
図29に示す。可動カバー第1部分5eは隙間17を有する。
図28に示した状態から可動カバー第1部分5eを取り外した状態を
図30に示す。可動カバー第2部分5fに設けられた突起18が隙間17に挿入されている。可動カバー第1部分5eが可動カバー第2部分5fに対して相対的に変位するときには、突起18が隙間17に沿って摺動する。
【0043】
隙間17は、細長い貫通孔であってもよく、溝であってもよい。
ここでは、可動カバー5が2つの部分の接続によって構成されている例を示したが、3以上の部分の接続によって構成されていてもよい。
【0044】
なお、上記実施の形態のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
以上説明した構成により、操作パネルの角度変更が可能なヒンジ構成で、ヒンジの操作パネル側固定面を操作パネルのほぼ中央に固定し、ヒンジの操作パネル側に固定されるヒンジのアームが通常時と鉛直時に本体の外装開口を通して操作パネル側に飛び出した形状で、ヒンジの支点位置が操作パネルの外側で、本体外装の内側で装置本体の手前側近傍にすることで、操作パネルを画像形成装置の本体からフロートさせることができ、ユーザが画像形成装置にアクセスするための入り口である操作パネルの存在感が強調でき、操作部のタッチポイントが明確化できて、操作性に優れた画像形成装置の提供が可能となる。
【0045】
また、角度可変機構、すなわちチルト機構を備えた操作パネルのヒンジ部を固定カバーと可動カバーとで覆い、固定カバーはケーブルのガイドと角度規制用ワイヤのガイドとを兼ねることで、簡単な構成でチルト角を大きく設定した装置でも、ヒンジ周りの開口を完全に塞ぐことが可能である。さらに、配線の傷防止、チルト時の配線またはワイヤの噛みこみの防止が可能で、操作性と信頼性に優れた装置を提供することができる。
【0046】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0047】
1 操作パネル、2 ヒンジ部、2a 支持部、2b 支持アーム、2c 支点、3 固定カバー、3a 固定カバー第1部分、3b 固定カバー第2部分、5 可動カバー、5e 可動カバー第1部分、5f 可動カバー第2部分、5a 爪、5b 突起、5d 突起、6 本体側カバー、6a 開口、6b 外装面、6c 突起、7 パネル背面カバー、7a パネル背面カバー第1部分、7b パネル背面カバー第2部分、10,17 隙間、11 ワイヤ、12 ケーブル、15 丸穴、16 段付ネジ、18 突起、50 装置本体、91,92,93,94 矢印、101 画像形成装置。