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特許7172390ケンドン式建具の外れ止め具およびケンドン式建具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】ケンドン式建具の外れ止め具およびケンドン式建具
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/70 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
E06B3/70 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018186058
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020056183
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大畠 幸二
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-019367(JP,U)
【文献】実開昭63-086271(JP,U)
【文献】実開昭59-022875(JP,U)
【文献】特開2000-352257(JP,A)
【文献】特開2014-004332(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 13/00
E06B 3/42-3/46
E06B 3/68-3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝を有する部材に取り付けられるケンドン式建具の外れ止め具であって、
軸方向に移動しないように前記ケンドン式建具に設けられる軸と、
前記軸回りに回転可能に設けられる回転部とを備え、
前記回転部は、前記部材の前記溝に嵌る方向への前記ケンドン式建具の移動を許容する第1位置と、前記溝に嵌る方向への前記ケンドン式建具の移動を規制する第2位置との間で前記軸回りに回転するように構成され、かつ、前記第2位置において前記溝を挟む前記部材の両部位の一方に対して前記溝に嵌る方向において対向するように配置される部分と、前記第2位置において前記溝を挟む前記両部位の他方に対して前記溝に嵌る方向において対向するように配置される部分と、を有する、
ケンドン式建具の外れ止め具。
【請求項2】
前記回転部は前記第1位置において前記第2位置に向かう方向とは反対方向への回転を規制する第1規制部を備える
請求項1に記載のケンドン式建具の外れ止め具。
【請求項3】
前記第1規制部は前記回転部が前記第1位置において前記ケンドン式建具と接触する第1規制面を含む
請求項2に記載のケンドン式建具の外れ止め具。
【請求項4】
前記回転部は前記第2位置において前記第1位置に向かう方向とは反対方向への回転を規制する第2規制部を備える
請求項1~3のいずれか一項に記載のケンドン式建具の外れ止め具。
【請求項5】
前記第2規制部は前記回転部が前記第2位置において前記ケンドン式建具と接触する第2規制面を含む
請求項4に記載のケンドン式建具の外れ止め具。
【請求項6】
ケンドン式建具であって、
建具本体と、前記建具本体から上に突出して前記ケンドン式建具が取り付けられる溝に嵌め込まれるように構成される突出部と、請求項1~5のいずれか一項に記載の外れ止め具とを備え、
前記外れ止め具は、前記突出部の端に隣接するように設けられる、
ケンドン式建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケンドン式建具の外れ止め具およびケンドン式建具に関する。
【背景技術】
【0002】
ケンドン式建具の外れ止め具の一例として、非特許文献1に示されるように、ケンドン式建具にねじによって固定されるスライド式の外れ止め具が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】株式会社LIXIL、“網戸の外し方”、[online]、[平成30年7月30日検索]、〈URL:http://www.lixil.co.jp/support/purpose/fault_diagnosis/sash/case01-24-01.htm〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記外れ止め具では、ケンドン式建具の外れ止め作業を実施する場合、外れ止め具をケンドン式建具に対して移動させた後、ねじを締め付けることによって外れ止め具を固定する。このため、ケンドン式建具の外れ止め作業が煩雑となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関するケンドン式建具の外れ止め具はケンドン式建具に設けられる軸と、前記軸回りに回転可能に設けられる回転部とを備え、前記回転部は溝に嵌る方向への前記ケンドン式建具の移動を許容する第1位置と、前記溝に嵌る方向への前記ケンドン式建具の移動を規制する第2位置との間で前記軸回りに回転する。
上記ケンドン式建具の外れ止め具によれば、回転部が第1位置の状態でケンドン式建具を溝に嵌めた後、第2位置となるように回転部を回転させることによって、ケンドン式建具が溝から外れることを規制できる。このため、ケンドン式建具の外れ止め作業を容易に実施できる。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載のケンドン式建具の外れ止め具において、前記回転部は前記第1位置において前記第2位置に向かう方向とは反対方向への回転を規制する第1規制部を備える。
このため、第1位置における回転部の位置が安定する。
【0007】
(3)好ましい例では(2)に記載のケンドン式建具の外れ止め具において前記第1規制部は前記回転部が前記第1位置において前記ケンドン式建具と接触する第1規制面を含む。
このため、第1規制部の構成を簡素化できる。
【0008】
(4)好ましい例では(1)~(3)のいずれか一項に記載のケンドン式建具の外れ止め具において、前記回転部は前記第2位置において前記第1位置に向かう方向とは反対方向への回転を規制する第2規制部を備える。
このため、第2位置における回転部の位置が安定する。
【0009】
(5)好ましい例では(4)に記載のケンドン式建具の外れ止め具において前記第2規制部は前記回転部が前記第2位置において前記ケンドン式建具と接触する第2規制面を含む。
このため、第2規制部の構成を簡素化できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に関するケンドン式建具の外れ止め具によれば、ケンドン式建具の外れ止め作業を容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態の外れ止め具を含む間仕切収納システムの第1形態の正面図。
図2図1の間仕切収納システムの第2形態の正面図。
図3図1のD3-D3線に沿う断面図。
図4図1の非開口パネルの正面図。
図5図1の開口パネルの正面図。
図6】外れ止め具が第1位置のときの非開口パネル、開口パネル、および、その周辺の拡大図。
図7図6の平面図。
図8】外れ止め具が第1位置のときの非開口パネルの側面図。
図9】外れ止め具が第1位置のときの開口パネルの側面図。
図10】外れ止め具が第2位置のときの非開口パネル、開口パネル、および、その周辺の拡大図。
図11図10の平面図。
図12】外れ止め具が第2位置のときの非開口パネルの側面図。
図13】外れ止め具が第2位置のときの開口パネルの側面図。
図14】外れ止め具が第1位置のときに溝に深く嵌り込んでいる状態の非開口パネルの側面図。
図15】外れ止め具が第1位置のときに溝に深く嵌り込んでいる状態の開口パネルの側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施形態)
図1を参照して、実施形態のケンドン式建具の外れ止め具100(以下「外れ止め具100」という)を含む間仕切収納システム1について説明する。間仕切収納システム1は建築物200の屋内、または、屋外の床、壁、天井等を有する場所に設置される。建築物200の一例は個別住宅、集合住宅、蔵、納屋、および、車庫である。間仕切収納システム1が建築物200に設けられる室210の中間部に設置される場合、間仕切収納の機能によって室210が区画され、さらには、間仕切収納の壁厚を利用した収納の機能を利用できる。間仕切収納システム1が建築物200に設けられる室210の壁際に設置される場合、間仕切収納の壁厚を利用した収納の機能のみを利用できる。室210の一例はリビング、ダイニング、リビングダイニング、寝室、応接室、書斎、玄関、廊下、階段室、トイレ、洗面所、脱衣所、浴室、物置、および、納戸である。
【0013】
近年では、ユーザの生活スタイルの変化に応じて室210の利用形態を多様に変更できることが望まれている。ユーザの生活スタイルの変化の一例はユーザの家族構成の変化である。間仕切収納システム1は室210の利用形態を多様に変更できるように構成されている。間仕切収納システム1の形態は室210の利用形態に応じてユーザに選択される第1形態(図1参照)、および、第2形態(図2参照)を含む。第1形態は室210を第1空間310および第2空間320(いずれも図3参照)に区画する形態である。第2形態は室210を区画しない形態である。
【0014】
図1に示されるように、間仕切収納システム1を構成する主な要素は一対の縦枠10、間仕切収納部材20、および、収納部90である。一対の縦枠10は室210の壁220に固定される。一対の縦枠10は収納部90を支持する。一対の縦枠10を構成する材料は任意に選択できる。一例では、一対の縦枠10を構成する材料は木である。
【0015】
間仕切収納部材20は間仕切収納システム1が第1形態の場合に一対の縦枠10、収納部90、および、室210の床230によって囲まれる開口部400に配置される。間仕切収納部材20を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、間仕切収納部材20はユーザが容易に持ち運べるように軽量な材料によって構成される。その一例は木である。間仕切収納部材20の種類は多種多様である。一例では、間仕切収納部材20は複数の基礎棚板30、複数の非開口パネル40、複数の開口パネル50、複数の引出ユニット60、複数の仕切板70、および、複数の小棚板80を含む。
【0016】
基礎棚板30は一対の縦枠10に接続される。このため、間仕切収納システム1の水平方向、換言すれば、基礎棚板30の短手方向の強度が高められる。基礎棚板30には、非開口パネル40、開口パネル50のフレーム51、および、引出ユニット60のフレーム62が嵌め込まれる複数の溝31(図3参照)が設けられる。複数の溝31は基礎棚板30の長手方向に沿って設けられる。基礎棚板30に設けられる溝31の数は1または複数である。一例では、1枚の基礎棚板30には、4つの溝31が設けられる。
【0017】
図4に示される非開口パネル40はケンドン式建具の一例である。非開口パネル40は間仕切収納システム1が第1形態の場合に上下の基礎棚板30の溝31に嵌め込まれることによって、第1空間310および第2空間320の一方から他方を視認できないように、開口部400を遮蔽する。非開口パネル40は遮蔽部41、および、遮蔽部41から突出する突出部42を含む。遮蔽部41の形状は任意に選択できる。図4等に示される例では遮蔽部41の形状は長方形である。遮蔽部41の一方の長辺41Aは非開口パネル40よりも下側に位置する基礎棚板30の溝31に嵌め込まれる。突出部42は遮蔽部41の他方の長辺41Bから突出する。突出部42は非開口パネル40よりも上側に位置する基礎棚板30の溝31に嵌め込まれる。突出部42の長手方向の寸法は遮蔽部41の長手方向の寸法よりも短い。突出部42の長手方向の端面42A(図6参照)は平面視において、突出部42の長手方向に対して傾斜する面である。
【0018】
図5に示される開口パネル50はケンドン式建具の一例である。開口パネル50は間仕切収納システム1が第1形態の場合に基礎棚板30または小棚板80に置かれた物体を出し入れするために利用される。開口パネル50は基礎棚板30の溝31に嵌め込まれるフレーム51、および、フレーム51に取り付けられる建具52を備える。建具52は例えば、戸である。戸の種類は例えば、両開きの開き戸、片引きの引戸、引違の引戸、引分の引戸、片引きの吊戸、引違の吊戸、引分の吊戸、上開き戸、下開き戸、および、折戸等である。図3等に示される例では、建具52は上開き戸、両開きの開き戸、および、引違の引戸である。図5では、図1に示される開口パネル50のうちの建具52が両開きの開き戸である形態を図示している。
【0019】
フレーム51は建具52を支持する本体51A、本体51Aの上面51AXから突出する第1突出部51B、および、本体51Aの下面51AYから突出する第2突出部51Cを備える。第1突出部51Bは開口パネル50よりも上側に位置する基礎棚板30の溝31に嵌め込まれる。第1突出部51Bの長手方向の寸法は本体51Aの長手方向の寸法よりも短い。第1突出部51Bの長手方向の端面51BX(図6参照)は平面視において、第1突出部51Bの長手方向に対して傾斜する面である。第2突出部51Cは開口パネル50よりも下側に位置する基礎棚板30の溝31に嵌め込まれる。第2突出部51Cの長手方向の寸法は本体51Aの長手方向の寸法と実質的に等しい。
【0020】
図1に示される引出ユニット60は基礎棚板30に載せられる。引出ユニット60は物品を収納可能であるユニット本体61、および、ユニット本体61が一対の縦枠10から飛び出すことを抑制するフレーム62を備える。フレーム62は基礎棚板30の溝31にはめ込まれる。フレーム62の溝31への嵌め込み方式はケンドン式である。
【0021】
複数の仕切板70は一対の縦枠10の長手方向に並べられた基礎棚板30の間の領域を区画する。複数の小棚板80は基礎棚板30の長手方向に沿って並べられた仕切板70のうちの隣り合う仕切板70の間の領域を区画する。
【0022】
収納部90は室210の壁220および天井240に固定される。収納部90は一対の縦枠10と天井240との間に設けられ、一対の縦枠10の端部に支持される。換言すれば、収納部90は一対の縦枠10の上方に設置される。このため、間仕切収納の機能が不要である場合に、一対の縦枠10の間をユーザが容易に通過できる。収納部90は第2形態の間仕切収納システム1において、間仕切収納部材20を収納できるように構成された箱である。
【0023】
図4または図5に示される各パネル40、50には、基礎棚板30の溝31に嵌め込まれた状態において各パネル40、50に振動が加わった場合であっても、各パネル40、50が基礎棚板30から外れないように外れ止め具100が取り付けられている。外れ止め具100を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、外れ止め具100は成形しやすい材料によって構成される。その一例は木である。外れ止め具100を構成する主な要素は軸110および回転部120である。
【0024】
軸110は非開口パネル40および開口パネル50に対して回転不能、かつ、回転部120の回転の中心となるように設けられる。一例では、軸110は各パネル40、50に設けられる穴(図示略)に圧入される。図4に示されるように、外れ止め具100が非開口パネル40に設けられる場合、軸110は上面41BXの長手方向の両方の端部に設けられる。図5に示されるように、外れ止め具100が開口パネル50に設けられる場合、軸110は上面51AXの長手方向の両方の端部に設けられる。
【0025】
回転部120は軸110回りに回転可能に設けられる。回転部120の形状は任意に選択できる。図6等に示される第1例では、回転部120は上面120Aおよび底面(図示略)が平行四辺形である四角柱である。第2例では、回転部120は上面120Aおよび底面が三角形、正方形、長方形、または、五角形以上の多角形である角柱である。
【0026】
回転部120は基礎棚板30の溝31に嵌る方向への各パネル40、50の移動を許容する第1位置(図6参照)と、基礎棚板30の溝31に嵌る方向への各パネル40、50の移動を規制する第2位置(図10参照)との間で軸110回りに回転する。以下では、回転部120の第1位置から第2位置への軸110回りの回転方向をロック方向RAと称し、ロック方向RAと反対の回転方向をロック解除方向RBと称する。なお、基礎棚板30の溝31に嵌る方向は各パネル40、50が上側の基礎棚板30に接近する方向である。
【0027】
回転部120は図6に示される第1位置においてロック解除方向RBへの回転を規制する第1規制部131、および、図10に示される第2位置においてロック方向RAへの回転を規制する第2規制部132を備える。各規制部131、132の構成は任意に選択できる。図6等に示される第1例では、各規制部131、132は回転部120の規制面121、122を含む。各規制面121、122は回転部120の側面である。第2例では、各規制部131、132は回転部120、および、各パネル40、50の少なくとも一方に設けられ、回転部120のロック方向RAまたはロック解除方向RBへの回転を規制するストッパを含む。
【0028】
図6は回転部120が第1位置の場合における基礎棚板30の長手方向において隣り合う開口パネル50および非開口パネル40、ならびにその周辺の拡大図である。図7図6の平面図である。なお、図6および図7においては、基礎棚板30の一部または全部の図示を省略している。
【0029】
図7に示されるように、外れ止め具100が非開口パネル40に設けられる場合、回転部120が第1位置において、第1規制面121は突出部42の端面42Aと接触する。図8に示されるように、回転部120が第1位置の場合、回転部120の最大の幅XAは基礎棚板30の溝31の幅XBよりも若干狭い。このため、回転部120が第1位置の場合、非開口パネル40の基礎棚板30の溝31に嵌る方向への移動が許容される。
【0030】
図6に示されるように、外れ止め具100が開口パネル50に設けられている場合、回転部120が第1位置において第1規制面121は第1突出部51Bの端面51BXと接触する。図9に示されるように、回転部120が第1位置の場合、回転部120の最大の幅XAは基礎棚板30の溝31の幅XBよりも若干狭い。このため、回転部120が第1位置の場合、開口パネル50の基礎棚板30の溝31に嵌る方向への移動が許容される。
【0031】
図7に示されるように、回転部120が第1位置の場合、隣り合う外れ止め具100の回転部120同士に所定の隙間LAが形成される。隙間LAにユーザの指または物体を挿入することができるため、回転部120を第1位置から第2位置に容易に回転させることができる。
【0032】
図10は回転部120が第2位置の場合における基礎棚板30の長手方向において隣り合う開口パネル50および非開口パネル40、ならびにその周辺の拡大図である。図11図10の平面図である。なお、図10および図11においては、基礎棚板30の一部または全部の図示を省略している。
【0033】
図10に示されるように、外れ止め具100が非開口パネル40に設けられている場合、回転部120が第2位置において、第2規制面122は突出部42の端部42Bと接触する。図12に示されるように、回転部120が第2位置の場合、回転部120の最大の幅XAは基礎棚板30の溝31の幅XBよりも広い。このため、回転部120が第2位置の場合、非開口パネル40の基礎棚板30の溝31に嵌る方向への移動が規制される。
【0034】
図10に示されるように、外れ止め具100が開口パネル50に設けられている場合、回転部120が第1位置において、第2規制面122は第1突出部51Bの端部51BYと接触する。図13に示されるように、回転部120が第2位置の場合、回転部120の最大の幅XAは基礎棚板30の溝31の幅XBよりも広い。このため、回転部120が第2位置の場合、開口パネル50の基礎棚板30の溝31に嵌る方向への移動が規制される。
【0035】
図11に示されるように、回転部120が第2位置の場合、第2規制面122と反対側の側面123は仕切板70の側面71と接触するため、外れ止め具100と仕切板70との間に隙間が形成されない。このため、図3に示される第1空間310および第2空間320の一方から他方を視認できないように遮蔽される。
【0036】
外れ止め具100の使用方法の一例について説明する。
非開口パネル40および開口パネル50を基礎棚板30の溝31に嵌め込む場合、図6に示されるように、外れ止め具100を第1位置に設定する。図14および図15に示されるように、外れ止め具100が第1位置においては、回転部120の最大の幅XA(図8および図9参照)が溝31の幅XBよりも若干狭いため、非開口パネル40の突出部42、および、開口パネル50の第1突出部51Bを上側の基礎棚板30の溝31に深く嵌め込むことができる。その後、非開口パネル40の長辺41A、および、開口パネル50の第2突出部51Cを下側の基礎棚板30の溝31に嵌め込むように各パネル40、50を降下させる。このため、外れ止め具100が溝31の外に位置する。その後、外れ止め具100を図10図13に示されるように第2位置に設定する。
【0037】
非開口パネル40および開口パネル50を基礎棚板30から取り外す場合、図6に示されるように、外れ止め具100を第1位置に設定する。非開口パネル40の突出部42、および、開口パネル50の第1突出部51Bを上側の基礎棚板30の溝31に深く嵌め込むことによって、非開口パネル40の長辺41A、および、開口パネル50の第2突出部51Cが下側の基礎棚板30の溝31から抜かれる。その後、非開口パネル40の突出部42、および、開口パネル50の第1突出部51Bが上側の基礎棚板30の溝31から抜かれる。
【0038】
外れ止め具100の作用および効果について説明する。
回転部120が第1位置の状態で各パネル40、50を基礎棚板30の溝31に嵌めた後、第2位置となるように回転部120を回転させることによって、各パネル40、50が溝31から外れることを規制できる。このため、各パネル40、50の外れ止め作業を容易に実施できる。
【0039】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関するケンドン式建具の外れ止め具が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関するケンドン式建具の外れ止め具は実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0040】
・軸110と各パネル40、50との結合方法は任意に変更できる。第1変形例の外れ止め具100の軸110は非開口パネル40または開口パネル50と一体的に設けられる。第2変形例の外れ止め具100の軸110は非開口パネル40または開口パネル50と接着される。
【符号の説明】
【0041】
31:溝
40:非開口パネル(ケンドン式建具)
50:開口パネル(ケンドン式建具)
100:外れ止め具
110:軸
120:回転部
121:第1規制面
122:第2規制面
131:第1規制部
132:第2規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15