IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特許7172412センサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラム
<>
  • 特許-センサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラム 図1
  • 特許-センサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラム 図2
  • 特許-センサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラム 図3
  • 特許-センサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】センサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20221109BHJP
   A43B 13/14 20060101ALI20221109BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
A61B5/11 200
A61B5/11 210
A43B13/14 Z
A63B69/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018193095
(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公開番号】P2020058688
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石濱 孝規
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-217213(JP,A)
【文献】特開2018-011890(JP,A)
【文献】特開2017-124164(JP,A)
【文献】国際公開第2017/065087(WO,A1)
【文献】特開2017-200589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/11
A43B 13/14
A63B 69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行時又は歩行時の何れか一方のユーザーの状態をセンシングするモーションセンサが出力するセンサデータを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記モーションセンサが出力するセンサデータに基づいて、前記ユーザーが走行又は歩行の何れか一方を行っている際の遊脚期を検出する検出手段と、
前記走行時又は歩行時の何れか一方の周期を導出する導出手段と、
前記検出手段による検出結果に応じて、前記ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする所定のセンサの動作を制御する制御手段と、
を備え
前記検出手段は、前記導出手段により導出された前記周期に基づき、前記遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出し、
前記制御手段は、前記検出手段により前記遊脚期の開始が検出されると前記所定のセンサの動作を停止し、前記検出手段により当該遊脚期の終了が検出されると当該遊脚期の終了タイミングの所定時間前のタイミングで前記所定のセンサの動作を開始させる、
ことを特徴とするセンサ制御装置。
【請求項2】
前記所定のセンサは圧力センサである、
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のセンサ制御装置と、
前記所定のセンサと、
を備えたことを特徴とするセンサ装置。
【請求項4】
前記モーションセンサを更に備えたことを特徴とする請求項に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記センサ装置は、靴の内側に配置されるインソール又は靴底に内蔵されている、
ことを特徴とする請求項又はに記載のセンサ装置。
【請求項6】
走行時又は歩行時の何れか一方のユーザーの状態をセンシングするモーションセンサが出力するセンサデータを取得する取得工程と、前記取得工程により取得した前記モーションセンサが出力するセンサデータに基づいて、前記ユーザーが走行又は歩行の何れか一方を行っている際の遊脚期を検出する検出工程と、前記走行時又は歩行時の何れか一方の周期を導出する導出工程と、前記検出工程による検出結果に応じて、前記ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする所定のセンサの動作を制御する制御工程と、を含むセンサ制御装置のセンサ制御方法であって、
前記検出工程は、前記導出工程により導出された前記周期に基づき、前記遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出し、
前記制御工程は、前記検出工程により前記遊脚期の開始が検出されると前記所定のセンサの動作を停止し、前記検出工程により当該遊脚期の終了が検出されると当該遊脚期の終了タイミングの所定時間前のタイミングで前記所定のセンサの動作を開始させる、
ことを特徴とするセンサ制御方法。
【請求項7】
走行時又は歩行時の何れか一方のユーザーの状態をセンシングするモーションセンサが出力するセンサデータを取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記モーションセンサが出力するセンサデータに基づいて、前記ユーザーが走行又は歩行の何れか一方を行っている際の遊脚期を検出する検出手段と、前記走行時又は歩行時の何れか一方の周期を導出する導出手段と、前記検出手段による検出結果に応じて、前記ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする所定のセンサの動作を制御する制御手段と、を備えるセンサ制御装置のコンピュータを、
前記検出手段に、前記導出手段により導出された前記周期に基づき、前記遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出させ、
前記制御手段に、前記検出手段により前記遊脚期の開始が検出されると前記所定のセンサの動作を停止させ、前記検出手段により当該遊脚期の終了が検出されると当該遊脚期の終了タイミングの所定時間前のタイミングで前記所定のセンサの動作を開始させる、
ことを特徴とするセンサ制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ランナーの靴内に感圧インソールを設けて、ランニング中に感圧インソールの表面に対して加えられる時間依存圧力中心の測定値からランナーの反応性を定量化することのできる装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2014-528752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている装置では、靴内に設けられた電源用の電池で動作するため、電池寿命の問題が発生する。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、電池の寿命を延ばすことができるセンサ制御装置、センサ装置、センサ制御方法及びセンサ制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るセンサ制御装置は、
走行時又は歩行時の何れか一方のユーザーの状態をセンシングするモーションセンサが出力するセンサデータを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記モーションセンサが出力するセンサデータに基づいて、前記ユーザーが走行又は歩行の何れか一方を行っている際の遊脚期を検出する検出手段と、
前記走行時又は歩行時の何れか一方の周期を導出する導出手段と、
前記検出手段による検出結果に応じて、前記ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする所定のセンサの動作を制御する制御手段と、
を備え
前記検出手段は、前記導出手段により導出された前記周期に基づき、前記遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出し、
前記制御手段は、前記検出手段により前記遊脚期の開始が検出されると前記所定のセンサの動作を停止し、前記検出手段により当該遊脚期の終了が検出されると当該遊脚期の終了タイミングの所定時間前のタイミングで前記所定のセンサの動作を開始させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電池の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】センサ装置の機能構成を示すブロック図である。
図2】電源制御回路部の回路構成を示す概略図である。
図3】センサ制御処理を示すフローチャートである。
図4】歩行動作の周期を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
【0010】
≪センサ装置100の概略構成≫
本実施形態のセンサ装置100は、歩行時(走行時を含む)にユーザーの足裏にかかる力を測定するための装置であって、例えば、靴の内側に設けられるインソールや靴底に内蔵して用いられる。
【0011】
図1は、本発明を適用した一実施形態のセンサ装置100の概略構成を示すブロック図である。図2は、電源制御回路部19の回路構成を示す概略図である。
図1に示すように、センサ装置100は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、操作部14と、通信部15と、圧力センサ部16と、モーションセンサ部17と、電源部18と、電源制御回路部19とを備えている。また、センサ装置100の各部は、バスBを介して接続されている。なお、センサ装置100のうちの圧力センサ部16とモーションセンサ部17とを除いた各部により構成される部分をセンサ制御装置10とする。
【0012】
CPU(取得手段、検出手段、制御手段、導出手段)11は、操作部14から入力される制御信号に基づいて、記憶部13に記憶されているシステムプログラムやアプリケーションプログラムといった各種プログラムを読み出し、RAM12のワークエリアに展開し、当該各種プログラムを逐次実行する。
【0013】
RAM12は、例えば、揮発性のメモリであり、CPU11により読み出された各種プログラムやデータを一時的に格納するワークエリアを有する。
【0014】
記憶部13は、例えば、フラッシュメモリなどの不揮発性のメモリにより構成される。記憶部13には、CPU11で実行される各種プログラム(システムプログラムやアプリケーションプログラム)、当該各種プログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
【0015】
操作部14は、例えば、センサ装置100の電源のON/OFFに係る電源ボタン等を備えている。各種ボタンが操作されると、操作部14は、操作されたボタンに応じた操作指示をCPU11に出力する。
【0016】
通信部15は、外部の機器と無線によりデータ通信を行うためのインターフェースである。具体的には、通信部15は、例えば、アンテナ、変復調回路、信号処理回路等により構成されており、Bluetooth(登録商標)等の規格により通信を行う。
【0017】
圧力センサ部16は、圧力センサ(所定のセンサ)16a、アンプ(AMP)16b、ADコンバーター(ADC)16c等により構成される。圧力センサ部16は、図2に示すように、圧力センサ16aによって検出されたアナログのセンサデータをアンプ(AMP)16bで増幅させた後、当該アナログのセンサデータをADコンバーター(ADC)16cでデジタルのセンサデータに変換させ、当該デジタルのセンサデータをCPU11に出力する。
【0018】
モーションセンサ部17は、3軸加速度センサ、ジャイロセンサ、地磁気センサ等のセンサ装置100の動きを検出可能なモーションセンサ、アンプ、ADコンバーター等により構成される。モーションセンサ部17は、モーションセンサによって検出されたアナログのセンサデータをアンプで増幅させた後、当該アナログのセンサデータをADコンバーターでデジタルのセンサデータに変換させ、当該デジタルのセンサデータをCPU11に出力する。
【0019】
電源部18は、例えば、バッテリを備える。電源部18のバッテリとしては、二次電池が用いられている。なお、電源部18のバッテリとしては、二次電池の他にボタン型乾電池などの一次電池を用いるようにしても良い。
【0020】
電源制御回路部19は、例えば、スイッチング素子19aを備える。電源制御回路部19は、図2に示すように、CPU11から出力される電源制御信号に基づいてスイッチング素子19aの状態を切り替えることにより、圧力センサ16a、アンプ16b、ADコンバーター16cのそれぞれへの電力供給を開始したり、当該電力供給を停止する。
【0021】
≪センサ装置100の動作≫
次に、図3及び図4を参照して、CPU11で実行されるセンサ制御処理を説明する。図3は、センサ制御処理を示すフローチャートである。図4は、歩行動作の周期(立脚期及び遊脚期)を示す図である。ここで、立脚期とは、左右の足のうちいずれか一方の足に関して、当該一方の足が支持面に接地した局面を意味し、遊脚期とは、当該一方の足が支持面に接地していない局面を意味する。つまり、左右の足のそれぞれに立脚期と遊脚期がある。
【0022】
図3に示すように、まず、CPU11は、例えば、操作部14を介してユーザーの足裏にかかる力の測定開始指示がなされたことを契機として、圧力センサ部16及びモーションセンサ部17を起動させる(ステップS1)。
【0023】
次いで、CPU11は、モーションセンサ部17から出力されるセンサデータに基づいて、ユーザーの歩行動作又は走行動作の周期を導出する(ステップS2)。具体的には、例えば、ユーザーが歩行動作を行っている場合、ユーザーの進行方向に係る進行方向加速度は、図4に示すように、遊脚初期から蹴り足(図中の白抜きの足)により進行するため、加速度の値が0から強くなり始め、遊脚初期と遊脚中期との間付近で第1のピークの強さとなり、その後、上記の蹴り足とは反対側の足(図中の黒塗りの足)が体に引き付けられ減速することにより減少し、遊脚中期で当該反対側の足が体に引き付けられることにより0となる。続けて、進行方向加速度は、上記の反対側の足が体の前側へ進むため、加速度の値が強くなり始め、遊脚中期と遊脚終期との間付近で第2のピークの強さとなり、その後、当該反対側の足が着地に近づくため減速することにより減少し、遊脚終期で当該反対側の足が着地することにより0となる、という進行方向加速度の特性を利用し、CPU11は、ユーザーの歩行動作の周期として遊脚期を導出するとともに、当該遊脚期以外の期間を立脚期として導出する。なお、上述した歩行動作の周期の導出方法は、一例に過ぎず、他の方法により当該歩行動作の周期を導出するようにしても良い。
【0024】
次いで、CPU11は、ステップS2で導出された歩行動作の周期から遊脚期の開始タイミングが検出されたか否かを判定する(ステップS3)。
【0025】
ステップS3において、遊脚期の開始タイミングが検出されていないと判定された場合(ステップS3;NO)、CPU11は、遊脚期の開始タイミングが検出されるまでの間、ステップS3の判定処理を繰り返し行う。
一方、ステップS3において、遊脚期の開始タイミングが検出されたと判定された場合(ステップS3;YES)、CPU11は、検出された遊脚期の開始タイミングにおいて電源制御回路部19へ電源制御信号を出力し、各スイッチング素子19aを通電不可の状態に切り替えることによって、圧力センサ部16への電力供給を停止させる(ステップS4)。
【0026】
次いで、CPU11は、ステップS2で導出された歩行動作の周期から遊脚期の終了タイミングが検出されたか否かを判定する(ステップS5)。
【0027】
ステップS5において、遊脚期の終了タイミングが検出されていないと判定された場合(ステップS5;NO)、CPU11は、遊脚期の終了タイミングが検出されるまでの間、ステップS5の判定処理を繰り返し行う。
一方、ステップS5において、遊脚期の終了タイミングが検出されたと判定された場合(ステップS5;YES)、CPU11は、検出された遊脚期の終了タイミングの所定時間前において電源制御回路部19へ電源制御信号を出力し、各スイッチング素子19aを通電可の状態に切り替えることによって、圧力センサ部16への電力供給を再開させる(ステップS6)。
【0028】
次いで、CPU11は、操作部14を介してユーザーの足裏にかかる力の測定終了指示がなされたか否かを判定する(ステップS7)。
【0029】
ステップS7において、測定終了指示がなされていないと判定された場合(ステップS7;NO)、CPU11は、処理をステップS2へ戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
一方、ステップS7において、測定終了指示がなされたと判定された場合(ステップS7;YES)、CPU11は、圧力センサ部16及びモーションセンサ部17の動作を停止し(ステップS8)、センサ制御処理を終了する。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、センサ装置100(センサ制御装置10)は、走行時又は歩行時のユーザーの一の状態を検出し、検出結果に応じて、ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする圧力センサ部16の動作を制御するので、圧力センサ部16による消費電力を低減することが可能となる。これにより、電源部18の電池の寿命を延ばすことができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、センサ装置100(センサ制御装置10)は、走行時又は歩行時のユーザーの状態をセンシングするモーションセンサ(モーションセンサ部17)が出力するセンサデータを取得し、当該センサデータに基づいて、ユーザーの一の状態を検出するので、当該ユーザーの一の状態を的確に検出することができる。したがって、センサ装置100によれば、ユーザーの一の状態を的確に検出することができるので、圧力センサ部16の動作を好適に制御することができるようになる。
【0032】
また、本実施形態によれば、センサ装置100(センサ制御装置10)は、モーションセンサ部17が出力するセンサデータに基づいて、ユーザーが走行時又は歩行を行っている際の遊脚期を検出し、この検出結果に応じて、ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする圧力センサ部16の動作を制御するので、検出された遊脚期は圧力センサ部16の動作を停止することが可能となる。これにより、ユーザーの足裏にかかる力の測定を行う必要がない遊脚期を活用して圧力センサ部16の動作を停止することができるので、当該測定に影響を及ぼすことなく圧力センサ部16による消費電力を好適に低減することができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、センサ装置100(センサ制御装置10)は、遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出し、遊脚期の開始が検出されると圧力センサ部16の動作を停止し、当該遊脚期の終了が検出されると圧力センサ部16の動作を開始させるので、圧力センサ部16による消費電力を最大限に低減することができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、センサ装置100(センサ制御装置10)は、走行時又は歩行時の周期を導出し、導出された周期に基づき、遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出し、遊脚期の終了が検出された場合、当該遊脚期の終了タイミングの所定時間前のタイミングで圧力センサ部16の動作を開始させるので、遊脚期から立脚期に移行した直後のユーザーの足裏にかかる力の測定を確実に実行することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、センサ装置100は、センサ制御装置10と、モーションセンサ部17と、圧力センサ部16と、を備えているので、圧力センサ部16の動作制御を効率よく行うことができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、センサ装置100は、靴の内側に配置されるインソール又は靴底に内蔵されているので、走行時又は歩行時のユーザーの動作に影響を及ぼし難くすることができる。
【0037】
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0038】
例えば、上記実施形態では、センサ装置100は、圧力センサ部16を備えるようにしたが、圧力センサ部16の代わりに、力覚センサ部を備えるようにしても良い。この力覚センサ部は、力覚センサ、アンプ、ADコンバーター等を備えるようにする。
【0039】
また、上記実施形態では、センサ装置100は、モーションセンサ部17も含めた形で靴の内側に配置されるインソール又は靴底に内蔵されるようにしたが、例えば、モーションセンサ部17を別体として設けるようにしても良い。具体的には、センサ装置100のうち、モーションセンサ部17を除いた各部により構成される部分をセンサ装置本体とし、当該センサ装置本体をインソール又は靴底に内蔵する一方で、モーションセンサ部17と、モーションセンサ部17から出力されるセンサデータを送信可能な通信部とを備えた別体の装置(付属装置)を設けるようにする。そして、この別体の装置は、例えば、ユーザーの腰や膝など当該ユーザーの歩行時の動作をセンシング可能な部位に装着して使用されるようにする。
【0040】
また、上記実施形態では、センサ装置100は、モーションセンサ部17から出力されるユーザーの進行方向の加速度データに基づいて当該ユーザーの歩行動作の周期を導出するようにしたが、歩行動作の周期の導出方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、センサ装置100は、モーションセンサ部17を構成する各センサから出力されるセンサデータに基づいて、ユーザーの足のグローバル座標を導出して当該ユーザーの足の位置と地面との位置関係から歩行動作の周期を導出するようにしても良い。
【0041】
また、上記実施形態では、センサ装置100は、センサ制御処理(図3参照)を実行することにより、圧力センサ部16への電力供給を停止又は再開させるようにしたが、このセンサ制御処理は一例に過ぎない。例えば、センサ装置100は、センサ制御処理のステップS2において導出された歩行動作の周期と、直近のステップS2において導出された歩行動作の周期との整合率が第1の閾値(例えば、90%)以上の場合は、上記実施形態と同様、ステップS3以降の処理を行い、当該整合率が第2の閾値(例えば、30%)未満の場合は、圧力センサ部16への電力供給を停止させないようにしても良い。また、センサ装置100は、当該整合率が第1の閾値未満、かつ、第2の閾値以上の場合は、圧力センサ部16より出力されるセンサデータのサンプリングレートを通常よりも低く設定し、圧力センサ部16よりセンサデータが出力された際、すなわちユーザーの足裏にかかる圧力が検出された際にサンプリングレートを通常のレートに戻すようにしても良い。
【0042】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲をその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
【0043】
〔付記〕
<請求項1>
走行時又は歩行時のユーザーの一の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に応じて、前記ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする所定のセンサの動作を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするセンサ制御装置。
<請求項2>
走行時又は歩行時のユーザーの状態をセンシングするモーションセンサが出力するセンサデータを取得する取得手段を備え、
前記検出手段は、前記取得手段により取得した前記モーションセンサが出力するセンサデータに基づいて、前記ユーザーの一の状態を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
<請求項3>
前記検出手段は、前記モーションセンサが出力するセンサデータに基づいて、前記ユーザーが走行又は歩行を行っている際の遊脚期を検出する、
ことを特徴とする請求項2に記載のセンサ制御装置。
<請求項4>
前記制御手段は、前記検出手段により遊脚期が検出された場合、前記所定のセンサの動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項3に記載のセンサ制御装置。
<請求項5>
前記検出手段は、前記遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出し、
前記制御手段は、前記検出手段により前記遊脚期の開始が検出されると前記所定のセンサの動作を停止し、前記検出手段により当該遊脚期の終了が検出されると前記所定のセンサの動作を開始させる、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載のセンサ制御装置。
<請求項6>
走行時又は歩行時の周期を導出する導出手段を備え、
前記検出手段は、前記導出手段により導出された前記周期に基づき、前記遊脚期の開始と当該遊脚期の終了を検出し、
前記制御手段は、前記検出手段により前記遊脚期の終了が検出された場合、当該遊脚期の終了タイミングの所定時間前のタイミングで前記所定のセンサの動作を開始させる、
ことを特徴とする請求項5に記載のセンサ制御装置。
<請求項7>
前記所定のセンサは圧力センサである、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサ制御装置。
<請求項8>
請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサ制御装置と、
前記所定のセンサと、
を備えたことを特徴とするセンサ装置。
<請求項9>
前記モーションセンサを更に備えたことを特徴とする請求項8に記載のセンサ装置。
<請求項10>
前記センサ装置は、靴の内側に配置されるインソール又は靴底に内蔵されている、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のセンサ装置。
<請求項11>
走行時又は歩行時のユーザーの一の状態を検出する検出工程と、
前記検出工程による検出結果に応じて、前記ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする所定のセンサの動作を制御する制御工程と、
を含むことを特徴とするセンサ制御方法。
<請求項12>
コンピュータを、
走行時又は歩行時のユーザーの一の状態を検出する検出手段、
前記検出手段による検出結果に応じて、前記ユーザーの足裏にかかる力をセンシングする所定のセンサの動作を制御する制御手段、
として機能させることを特徴とするセンサ制御プログラム。
【符号の説明】
【0044】
100 センサ装置
10 センサ制御装置
11 CPU(取得手段、検出手段、制御手段、導出手段)
16 圧力センサ部
16a 圧力センサ(所定のセンサ)
17 モーションセンサ部
図1
図2
図3
図4