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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】物流機器システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20221109BHJP
   B65G 43/00 20060101ALI20221109BHJP
   B65G 1/00 20060101ALN20221109BHJP
【FI】
B65G1/04 535
B65G43/00 Z
B65G1/00 511J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018194476
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2020063106
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】小川 雄紀
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-157685(JP,A)
【文献】特開2004-206299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 43/00
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物流機器と、
複数の前記物流機器のそれぞれと無線で通信可能に接続され、複数の前記物流機器のそれぞれの動作を制御可能である複数の操作端末と、を備え、
複数の前記物流機器のそれぞれは、第1報知部を有しており、
複数の前記操作端末のそれぞれは、第2報知部を有しており、
一の前記物流機器と一の前記操作端末とが通信可能に接続されている場合、一の前記物流機器の前記第1報知部及び一の前記操作端末の前記第2報知部は、共通の内容の報知を行い、
一の前記操作端末は、制御対象である一の前記物流機器に対して、一の前記操作端末において固有に設定されており且つ他の前記操作端末と異なる固有情報を含む接続要求を送信すると共に、前記第2報知部において前記固有情報に基づく報知を行い、
一の前記物流機器は、一の前記操作端末から送信された前記接続要求に応じて一の前記操作端末との接続を確立すると共に、前記第1報知部において前記固有情報に基づく報知を行う、物流機器システム。
【請求項2】
前記第1報知部及び前記第2報知部のそれぞれは、表示機能を有しており、
前記固有情報には、色に係る色情報が含まれており、
一の前記物流機器の前記第1報知部及び一の前記操作端末の前記第2報知部は、前記色情報が示す前記色を表示する、請求項に記載の物流機器システム。
【請求項3】
前記第1報知部及び前記第2報知部のそれぞれは、表示機能を有しており、
前記固有情報には、図形に係る図形情報が含まれており、
一の前記物流機器の前記第1報知部及び一の前記操作端末の前記第2報知部は、前記図形情報が示す前記図形を表示する、請求項1又は2に記載の物流機器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の物流機器システムとして、例えば、特許文献1に記載されたシステムが知られている。特許文献1に記載の物流機器システムは、物品を搬送する搬送車と、搬送車を手動で操作可能な操作端末と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-132370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
倉庫等には、複数の物流機器(スタッカクレーン、自動搬送車等)が存在している。物流機器を手動で操作することになった場合、当該物流機器と操作端末とを無線通信で接続して、操作端末において物流機器を操作する。操作端末では、操作対象となる物流機器との接続状態を確認し得るが、操作端末と物流機器とが接続されているか否かは、一見して分からない。そのため、作業者が操作しようとする物流機器と、実際に操作端末と通信可能に接続されている物流機器とが異なっているおそれがある。この場合、意図しない物流機器が操作されることになり、作業者が違和感を覚えるおそれがある。
【0005】
本発明の一側面は、物流機器と操作端末との接続状態を容易に確認できる物流機器システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る物流機器システムは、複数の物流機器と、複数の物流機器のそれぞれと無線で通信可能に接続され、複数の物流機器のそれぞれの動作を制御可能である複数の操作端末と、を備え、一の物流機器と一の操作端末とが一対一で通信可能に接続されている場合には、少なくとも一の物流機器において、一の操作端末と通信可能に接続されていることを示す内容が報知される。
【0007】
本発明の一側面に係る物流機器システムでは、一の物流機器と一の操作端末とが一対一で通信可能に接続されている場合には、少なくとも一の物流機器において、一の操作端末と通信可能に接続されていることを示す内容が報知される。これにより、作業者は、操作対象の物流機器と操作端末とが接続されていることを一見して認識できる。したがって、物流機器システムでは、物流機器と操作端末との接続状態を容易に確認できる。
【0008】
一実施形態においては、複数の物流機器のそれぞれは、第1報知部を有しており、複数の操作端末のそれぞれは、第2報知部を有しており、一の物流機器と一の操作端末とが通信可能に接続されている場合、一の物流機器の第1報知部及び一の操作端末の第2報知部は、共通の内容の報知を行ってもよい。この構成では、第1報知部及び第2報知部を確認することにより、作業者が、操作対象の物流機器と操作端末とが接続されていることを確実に認識できる。したがって、物流機器システムでは、物流機器と操作端末との接続状態をより一層容易に確認できる。
【0009】
一実施形態においては、一の操作端末は、制御対象である一の物流機器に対して、一の操作端末において固有に設定されており且つ他の操作端末と異なる固有情報を含む接続要求を送信すると共に、第2報知部において固有情報に基づく報知を行い、一の物流機器は、一の操作端末から送信された接続要求に応じて一の操作端末との接続を確立すると共に、第1報知部において固有情報に基づく報知を行ってもよい。この構成では、固有情報に基づく報知を行うことにより、例えば、2台の物流機器のそれぞれが2台の操作端末で制御される場合、一の物流機器と一の操作端末とが接続されており、他の物流機器と他の操作端末とが接続されていることを区別できる。したがって、作業者は、操作対象の物流機器と操作端末とが接続されていることを確実に認識できる。
【0010】
一実施形態においては、第1報知部及び第2報知部のそれぞれは、表示機能を有しており、固有情報には、色に係る色情報が含まれており、一の物流機器の第1報知部及び一の操作端末の第2報知部は、色情報が示す色を表示してもよい。この構成では、物流機器と操作端末との接続状態をより一層容易に確認できる。
【0011】
一実施形態においては、固有情報には、図形に係る図形情報が含まれており、一の物流機器の第1報知部及び一の操作端末の第2報知部は、図形情報が示す図形を表示してもよい。この構成では、物流機器と操作端末との接続状態をより一層容易に確認できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面によれば、物流機器と操作端末との接続状態を容易に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、一実施形態に係る物流機器システムが適用される自動倉庫のラック装置の概略側断面図である。
図2図2は、ラック装置を示す斜視図である。
図3図3は、物流機器システムの構成を示す図である。
図4図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、操作端末の設定を示す図である。
図5図5は、操作端末に表示される画面の一例を示す図である。
図6図6(a)は、操作端末に表示される画面の一例を示す図であり、図6(b)は、スタッカクレーンの表示器の表示の一例を示す図である。
図7図7は、操作端末に表示される画面の一例を示す図である。
図8図8は、物流機器システムの動作を示すシーケンス図である。
図9図9は、他の実施形態に係る物流機器システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0015】
図1は、物流機器システムが適用される自動倉庫100のラック装置110の概略側断面図である。図中において、「Z方向」は鉛直方向であり、「X方向」は水平方向であり、「Y方向」はX方向及びZ方向に垂直な水平方向である。図1に示されるように、ラック装置110は、複数のラック10と、複数のスタッカクレーン(物流機器)20と、を備えている。
【0016】
図2に示されるように、複数のラック10のそれぞれは、床面に立設されている。図示する例では、6つのラック10が立設されている。複数のラック10は、X方向を長手方向とし、Y方向に間隔をあけて並んでいる。複数のラック10のそれぞれは、Z方向に所定間隔で配置されている複数の棚11と、X方向に沿って所定の間隔で設けられた複数の支柱12と、を有している。
【0017】
スタッカクレーン20は、荷物Lの搬送を行う物流機器の一例である。スタッカクレーン20は、隣接するラック10の間にX方向に沿って床面に延設された走行レールRを走行する。図1に示す例では、5つのスタッカクレーン20が設けられている。スタッカクレーン20は、走行台車21(図1参照)と、走行台車21に立設された一対のマスト22と、一対のマスト22に沿って昇降自在の昇降台23と、を有する。一対のマスト22のそれぞれは、例えば、断面が矩形状を呈する柱状部材である。
【0018】
昇降台23には、移載装置24が設けられている。移載装置24は、荷物Lを載置するための荷台25と、一対のフォーク26と、を有する。スタッカクレーン20を走行レールRに沿って移動させると共に昇降台23を昇降移動させることにより、移載装置24を任意の棚11の前方に移動させることができる。この状態で、一対のフォーク26を奥行方向に沿って進退させることで、移載装置24(荷台25)とラック10(棚11)との間で荷物Lを移載することができる。
【0019】
マスト22には、表示器(第2報知部)27が設けられている。表示器27は、操作端末30(図3参照)が使用可能であるエリアから視認(確認)可能な位置に配置されている。表示器27は、例えば、一方のマスト22の上部及び下部に配置されている。表示器27は、マスト22の側面の全てに配置されていることが好ましい。表示器27は、例えば、色及び図形の表示機能を有するLED表示器である。表示器27は、後述する操作端末30から送信される表示情報に応じた表示を行う。表示器27は、図6(b)に示されるように、複数の色(例えば、赤色、青色、黄色等)の発光が可能であると共に、複数の図形F(例えば、星形、三角形、四角形、円形等)が表示可能である。
【0020】
スタッカクレーン20は、制御装置28を備えている。制御装置28は、スタッカクレーン20の動作を制御する。制御装置28は、自動倉庫100の動作を管理する管理装置(図示省略)から送信される指示情報に基づいて、スタッカクレーン20の動作を制御する。制御装置28は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる電子制御ユニットであって、ROMに格納されているプログラムをRAM上にロードし、CPUで実行することによって、機能的構成要素をソフトウェアで構成する。
【0021】
制御装置28は、通信部28aと、制御部28bと、を含む。通信部28aは、操作端末30と通信を行う。通信部28aは、例えば、無線LANモジュールである。通信部28aは、操作端末30から送信された情報を受信して、制御部28bに出力する。通信部28aは、制御部28bから出力された情報を操作端末30に送信する。
【0022】
制御部28bは、操作端末30から送信された接続情報(接続要求)に基づいて、操作端末30との通信を開始する。制御部28bは、通信を開始すると、接続が確立したことを示す確立情報を通信部28aに出力する。これに応じて、通信部28aは、確立情報を操作端末30に送信する。制御部28bは、操作端末30との通信が確立すると、表示器27を制御する。具体的には、制御部28bは、操作端末30から送信された表示情報に基づいて、表示器27における表示内容を制御する。制御部28bは、表示情報で指定されている色及び図形を表示器27に表示させる。制御部28bは、操作端末30とスタッカクレーン20とが通信可能に接続されている間、表示器27に表示情報に基づく表示をさせる。
【0023】
制御部28bは、操作端末30から送信された解除情報に基づいて、操作端末30との通信を解除(終了)する。制御部28bは、操作端末30との通信を解除すると、表示器27を制御する。具体的には、制御部28bは、表示器27の表示を終了させる。
【0024】
制御部28bは、管理装置から送信された指示情報、及び、操作端末30から送信された指示情報に基づいて、スタッカクレーン20の動作を制御する。制御部28bは、通信部28aから出力された指示情報を受け取ると、当該指示情報に基づいてスタッカクレーン20を制御する。
【0025】
図3に示されるように、物流機器システム1は、複数のスタッカクレーン20と、複数の操作端末30と、を含んで構成されている。複数のスタッカクレーン20のそれぞれと、複数の操作端末30のそれぞれとは、例えば、無線LAN(Local Area Network)等の無線通信Nを介して情報の送受信が可能である。スタッカクレーン20と操作端末30とは、一対一で接続される。
【0026】
操作端末30は、複数のスタッカクレーン20のそれぞれと無線で通信可能に接続され、複数のスタッカクレーンのそれぞれの動作を制御可能である。操作端末30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末などの汎用の携帯機器である。操作端末30は、スタッカクレーン20を操作するためのアプリケーションプログラム(以下、「操作アプリ」という)を実行することができる。作業者は、操作アプリを実行する操作端末30に対して所定の操作を行うことにより、スタッカクレーン20の動作を制御するための操作指示を、操作端末30を介して制御装置28に対して行うことができる。すなわち、作業者は、操作端末30を用いて、スタッカクレーン20を遠隔操作できる。
【0027】
操作端末30は、通信部31と、制御部32と、タッチパネルディスプレイ(第2報知部)33と、を有している。
【0028】
通信部31は、スタッカクレーン20と通信を行う。通信部31は、例えば、無線LANモジュールである。通信部31は、スタッカクレーン20から送信された情報を受信して、制御部32に出力する。通信部31は、制御部32から出力された情報を、スタッカクレーン20に送信する。
【0029】
制御部32は、操作端末30の動作を制御する。制御部32は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されており、ROMに格納されているプログラムをRAM上にロードし、CPUで実行することによって、各種処理を実行する。
【0030】
制御部32は、タッチパネルディスプレイ33おける作業者の操作に応じて、制御対象となるスタッカクレーン20との通信の接続を要求する接続情報(接続要求)を通信部31に出力する。図5に示されるように、制御部32は、作業者によって操作アプリが実行されると、タッチパネルディスプレイ33に選択画面G1を表示させる。選択画面G1は、接続対象(接続先)のスタッカクレーン20を選択する画面である。選択画面G1には、接続対象のスタッカクレーン20の候補を示す候補画面D1と、スタッカクレーン20との接続との開始を指示する接続開始ボタンB1と、が表示される。
【0031】
具体的には、候補画面D1には、接続対象の候補となるスタッカクレーン20が複数表示される。具体的には、「スタッカクレーン1」、「スタッカクレーン2」、…、「スタッカクレーン5」が表示される。スタッカクレーン1-5は、図1に示されている5台のスタッカクレーン20のそれぞれに対応している。例えば、スタッカクレーン1は、図1においてY方向の最も左側のスタッカクレーン20であり、スタッカクレーン5は、図1においてY方向の最も右側のスタッカクレーン20である。
【0032】
候補画面D1では、タッチパネルディスプレイ33において、候補画面D1の領域で指を上下方向に移動(ドラッグ)させることにより、例えばスタッカクレーン1-5の表示が回転して、スタッカクレーン1-5を選択できる。候補画面D1では、枠内に表示されるスタッカクレーンが選択される。図5では、「スタッカクレーン3」が選択されている状態を示している。スタッカクレーン1-5のいずれかが選択された状態で接続開始ボタンB1が押下されると、制御部32は、選択されたスタッカクレーン20に対する接続情報を、通信部31に出力する。これに応じて、通信部31は、接続情報をスタッカクレーン20に送信する。操作端末30は、通信部31から接続情報をスタッカクレーン20に送信したことに応じて、当該スタッカクレーン20から送信された確立情報を受け取ると、スタッカクレーン20との通信が確立される。
【0033】
制御部32から出力される接続情報には、表示情報が含まれる。表示情報は、スタッカクレーン20の表示器27の表示を指示する情報である。表示情報は、各操作端末30において固有に設定されており且つ他の操作端末30と異なる固有情報である。表示情報には、色に係る色情報、及び、図形に係る図形情報が含まれている。すなわち、表示情報には、表示器27に表示させる色及び図形を指示する情報が含まれている。
【0034】
本実施形態では、操作端末30毎に、色情報及び図形情報が設定されている。図4(a)に示されるように、操作端末30Aは、例えば、色情報が赤色に設定されており、図形情報が星形に設定されている。これにより、例えば、操作端末30Aと接続されたスタッカクレーン20の表示器27は、星形の図形が赤色に発光する。図4(b)に示されるように、操作端末30Bは、例えば、色情報が青色に設定されており、図形情報が三角に設定されている。これにより、例えば、操作端末30Bと接続されたスタッカクレーン20の表示器27は、三角の図形が青色に発光する。図4(c)に示されるように、操作端末30Cは、例えば、色情報が黄色に設定されており、図形情報が四角に設定されている。これにより、例えば、操作端末30Cと接続されたスタッカクレーン20の表示器27は、四角の図形が黄色に発光する。
【0035】
制御部32は、タッチパネルディスプレイ33における作業者の操作に応じて、スタッカクレーン20の動作を指示する指示情報を通信部31に出力する。制御部32は、制御対象であるスタッカクレーン20との通信が確立すると(確立情報を受け取ると)、図6(a)に示されるように、タッチパネルディスプレイ33に選択画面G2を表示させる。選択画面G2は、操作端末30A(図4参照)に表示される一例を示している。選択画面G2には、スタッカクレーン20との接続状態(ペアリング状態)を示す状態表示画面D2及びD3と、スタッカクレーン20の操作内容の候補を示す候補画面D4と、スタッカクレーン20の操作内容を選択する選択ボタンB2と、が表示される。
【0036】
状態表示画面D2には、スタッカクレーン20との通信が確立されている場合、「接続中」のテキストが表示される。状態表示画面D3には、操作端末30毎に設定されている色情報及び図形情報に基づく表示がされる。例えば、操作端末30Aでは、状態表示画面D3に、星形の図形が赤色で表示される。
【0037】
候補画面D4には、スタッカクレーン20に対して指示する操作内容の候補が複数表示される。具体的には、例えば、「操作1」、「操作2」、…、「操作5」が表示される。操作1-5は、スタッカクレーン20の動作内容を示しており、例えば、スタッカクレーン20の移動、昇降台23の制御、移載装置24の制御等である。
【0038】
候補画面D4では、タッチパネルディスプレイ33において、候補画面D4の領域で指を上下方向に移動させることにより、例えば操作1-5の表示が回転して、操作1-5を選択できる。候補画面D4では、枠内に表示される操作が選択される。図6(a)では、「操作3」が選択されている状態を示している。スタッカクレーン1-5のいずれかが選択された状態で接続開始ボタンB1が押下されると、制御部32は、選択された操作に対応する指示情報を、通信部31に出力する。これに応じて、通信部31は、指示情報をスタッカクレーン20に送信する。
【0039】
制御部32は、選択画面G2で操作候補が選択されると、選択された操作に応じて、図7に示されるように、タッチパネルディスプレイ33に操作画面G3を表示させる。操作画面G3には、状態表示画面D2及びD3が表示される。操作画面G3には、例えば、スタッカクレーン20の動作を操作する操作ボタンB3と、テンキーB4と、が表示される。制御部32は、操作ボタンB3又はテンキーB4が押下されると、操作に対応する指示情報を、通信部31に出力する。これに応じて、通信部31は、指示情報をスタッカクレーン20に送信する。なお、テンキーB4によって入力される番号には、スタッカクレーン20の動作が予め設定されている。テンキーB4の操作により制御されるスタッカクレーン20の動作は、操作画面G3に表示されていてもよいし、他の画面に表示されてもよい。
【0040】
制御部32は、タッチパネルディスプレイ33における作業者の操作に応じて、スタッカクレーン20との通信の接続の解除を要求する解除情報を通信部31に出力する。これに応じて、通信部31は、解除情報をスタッカクレーン20に送信する。
【0041】
タッチパネルディスプレイ33は、作業者からの操作を受け付けると共に、画面を表示する。
【0042】
続いて、操作端末30によってスタッカクレーン20を制御する方法について、図8を参照して説明する。以下の説明では、操作端末30A(図4参照)によってスタッカクレーン20を制御する形態を一例に説明する。
【0043】
図8に示されるように、最初に、操作端末30Aにおいてスタッカクレーン20との接続が開始される(ステップS01)。具体的には、操作端末30Aから、接続対象である一のスタッカクレーン20に対して接続方法が送信される。スタッカクレーン20は、接続情報を受信すると、操作端末30Aとの接続を確立する(ステップS02)。スタッカクレーン20は、操作端末30Aとの接続を確立すると、表示器27において表示を開始する(ステップS03)。具体的には、図6(a)に示されるように、表示器27には、星形の図形Fが赤色で表示される。
【0044】
続いて、操作端末30Aは、スタッカクレーン20に接続情報を送信したことに応じて、スタッカクレーン20から送信された確立情報を受信してスタッカクレーン20との接続状態を確認すると(ステップS04)、タッチパネルディスプレイ33にペアリング状態を表示する(ステップS05)。具体的には、操作端末30Aは、図6(a)に示されるように、タッチパネルディスプレイ33に、「接続中」を示す状態表示画面D2と、星形の図形Fを示す状態表示画面D3を表示する。
【0045】
続いて、操作端末30Aは、作業者からの操作を受け付けて、スタッカクレーン20の制御を指示する指示情報をスタッカクレーン20に対して送信する(ステップS06)。スタッカクレーン20は、操作端末30から送信された指示情報(指令内容)に基づいて操作を実施する(ステップS07)。
【0046】
操作端末30Aは、作業者からの操作を受け付けて、スタッカクレーン20との接続を解除する解除情報をスタッカクレーン20に対して送信する(ステップS08)。スタッカクレーン20は、解除情報を受信すると、操作端末30Aとの接続を解除する(ステップS09)。スタッカクレーン20は、操作端末30Aとの接続を解除すると、表示器27における表示を終了する(ステップS10)。操作端末30Aでは、タッチパネルディスプレイ33の状態表示画面D2において「接続中」が表示されず、状態表示画面D3において星形の図形Fが表示されない。これにより、作業者は、スタッカクレーン20との接続が確実に解除されたことを確認できる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態に係る物流機器システム1では、一のスタッカクレーン20と一の操作端末30とが一対一で通信可能に接続されている場合には、一のスタッカクレーン20と一の操作端末30とのそれぞれにおいて共通の内容の報知がされる。これにより、作業者は、操作対象のスタッカクレーン20と操作端末30とが接続されていることを一見して認識できる。したがって、物流機器システム1では、スタッカクレーン20と操作端末30との接続状態を容易に確認できる。
【0048】
また、物流機器システム1では、スタッカクレーン20において操作端末30と接続されていることを示すことが報知されているため、操作端末30を操作する作業者以外の他の作業者も、スタッカクレーン20が手動で操作されていることを認識できる。スタッカクレーン20が手動で操作される場合、通常とは異なる動作を行うことがあり、スタッカクレーン20が他の作業者の意図しない動作をすることがある。物流機器システム1では、スタッカクレーン20が手動で操作されていることを他の作業者が認識できるため、他の作業者がスタッカクレーン20に近づく等といったことを回避できる。したがって、物流機器システム1では、作業者の安全を確保できる。
【0049】
本実施形態に係る物流機器システム1では、複数のスタッカクレーン20のそれぞれは、表示器27を有している。複数の操作端末30のそれぞれは、タッチパネルディスプレイ33を有している。一のスタッカクレーン20と一の操作端末30とが通信可能に接続されている場合、一のスタッカクレーン20の表示器27及び一の操作端末30のタッチパネルディスプレイ33は、共通の内容の報知を行う。この構成では、表示器27及びタッチパネルディスプレイ33を確認することにより、作業者が、操作対象のスタッカクレーン20と操作端末30とが接続されていることを確実に認識できる。したがって、物流機器システム1では、スタッカクレーン20と操作端末30との接続状態をより一層容易に確認できる。
【0050】
本実施形態に係る物流機器システム1では、一の操作端末30は、制御対象である一のスタッカクレーン20に対して、一の操作端末30において固有に設定されており且つ他の操作端末30と異なる表示情報(固有情報)を含む接続要求を送信すると共に、タッチパネルディスプレイ33において表示情報に基づく報知を行う。一のスタッカクレーン20は、一の操作端末30から送信された接続要求に応じて一の操作端末30との接続を確立すると共に、表示器27において表示情報に基づく報知を行う。この構成では、表示情報に基づく報知を行うことにより、例えば、2台のスタッカクレーン20のそれぞれが2台の操作端末30で制御される場合、一のスタッカクレーン20と一の操作端末30とが接続されており、他のスタッカクレーン20と他の操作端末30とが接続されていることを区別できる。したがって、作業者は、操作対象のスタッカクレーン20と操作端末30とが接続されていることを確実に認識できる。
【0051】
本実施形態に係る物流機器システム1では、操作端末30からスタッカクレーン20に対して送信される表示情報には、色に係る色情報、及び、図形に係る図形情報が含まれている。スタッカクレーン20の表示器27及び操作端末30のタッチパネルディスプレイ33のそれぞれは、色情報が示す色及び図形情報が示す図形を表示する。この構成では、スタッカクレーン20と操作端末30との接続状態をより一層容易に確認できる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0053】
上記実施形態では、物流機器としてスタッカクレーン20を一例に説明した。しかし、物流機器は、例えば、搬送台車(有軌道の搬送台車、無軌道の搬送台車)であってもよい。
【0054】
上記実施形態では、操作端末30がスマートフォン、タブレット端末などの汎用の携帯機器である形態を一例に説明した。しかし、操作端末30は、その他の機器であってもよい。操作端末30は、スタッカクレーン20と無線通信が可能な機器であればよい。
【0055】
上記実施形態では、スタッカクレーン20が第1報知部として表示器27を備え、操作端末30が第2報知部としてタッチパネルディスプレイ33を備える形態を一例に説明した。しかし、第1報知部及び第2報知部は、他の形態であってもよい。例えば、第1報知部及び第2報知部は、ブザー、スピーカー等であってもよい。この構成では、第1報知部及び第2報知部は、共通の音、音楽を報知する。また、第1報知部及び第2報知部は、ランプであってもよい。この構成では、第1報知部及び第2報知部は、共通の色、共通の点灯(点滅)形態で報知する。
【0056】
上記実施形態では、操作端末30毎に色情報及び図形情報が設定されている形態を一例に説明した。しかし、各操作端末30では、色情報及び図形情報の少なくとも一方が設定されていればよい。
【0057】
上記実施形態では、操作端末30において、図6(a)に示される選択画面G2の状態表示画面D3に、星形の図形が赤色で表示される形態を一例に説明した。しかし、選択画面G2の全体が赤色となってもよい。
【0058】
上記実施形態では、操作端末30毎に色情報及び図形情報が固有に設定されている形態を一例に説明した。しかし、色情報及び/又は図形情報は、作業者によって任意に設定(選択)されてもよい。この場合、操作端末30において、色情報及び/又は図形情報を選択する画面を表示して、作業者が色情報及び/又は図形情報を選択する。
【0059】
上記実施形態では、一のスタッカクレーン20と一の操作端末30とのそれぞれにおいて共通の内容を報知する形態を一例に説明した。しかし、一のスタッカクレーン20と一の操作端末30とが一対一で通信可能に接続されている場合に、少なくとも一のスタッカクレーン20において、一の操作端末30と通信可能に接続されていることを示す内容が報知されてもよい。例えば、一の操作端末30に被せられているカバーの色に、スタッカクレーン20の表示器27が発光する。具体的には、一の操作端末30に赤色のカバーが被せられている場合には、一の操作端末30と通信可能に接続された一のスタッカクレーン20の表示器27が赤色に発光する。これにより、作業者は、操作対象のスタッカクレーン20と操作端末30とが接続されていることを一見して認識できる。
【0060】
上記実施形態では、スタッカクレーン20と操作端末30とが無線LANによって直接的に接続される形態を一例に説明した。しかし、図9に示されるように、スタッカクレーン20と操作端末30とは、管理装置40を介して通信可能に接続されてもよい。
【0061】
管理装置40を備える構成において、色情報及び/又は図形情報は、作業者によって任意に設定(選択)される場合には、管理装置40は、操作端末30で使用可能な色情報及び/又は図形情報を規制してもよい。例えば、管理装置40は、一の操作端末30において、赤色・星形の表示情報を使用している場合、他の操作端末において赤色・星形の表示情報が使用できないように規制する。これにより、一の操作端末30と他の操作端末30とにおいて、同じ表示情報が使用されないため、作業者が操作対象のスタッカクレーン20を誤って認識することを回避できる。
【符号の説明】
【0062】
1…物流機器システム、20…スタッカクレーン(物流機器)、30…操作端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9