(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】後処理装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20221109BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20221109BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20221109BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20221109BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G03G15/00 430
B65H37/04 Z
B65H29/58 B
G03G21/16 104
B41J29/00 H
(21)【出願番号】P 2018205706
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 旭
【審査官】児玉 由紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-137167(JP,A)
【文献】特開2014-035510(JP,A)
【文献】特開平09-202507(JP,A)
【文献】実開昭52-050740(JP,U)
【文献】特開2009-145418(JP,A)
【文献】特開2010-188607(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 1/00-11/00
23/00-29/06
B65H 29/54-29/70
37/00-37/06
41/00
45/00-47/00
G03G 13/00
15/00
21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体又は他の後処理装置に接続される後処理装置において、
搬送される用紙に後処理を行う後処理ユニットと、
前記後処理ユニットの上流又は下流に配置され、前記用紙を収容可能なスペース経路と、
を備え、
前記後処理ユニットは、前記用紙の一部が前記スペース経路内に収容された状態で、前記後処理を行
い、
前記スペース経路は、前記用紙を迂回するための迂回経路で構成されていることを特徴とする後処理装置。
【請求項2】
前記後処理ユニットは、スリッター処理、ドブスリッター処理、CD断裁処理、クリース処理、FD/CDミシン処理のいずれかの後処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
【請求項3】
前記スペース経路は、前記用紙を反転するための反転経路で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の後処理装置。
【請求項4】
前記反転経路は、前記用紙をパージするためのパージ経路を兼ねることを特徴とする請求項3に記載の後処理装置。
【請求項5】
前記反転経路は、
定型サイズまでの前記用紙を反転するための定型反転経路と、
前記定型サイズを超える長尺サイズの前記用紙を反転するための長尺反転経路と、
を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の後処理装置。
【請求項6】
前記反転経路は、経路内に屈曲経路を有する場合、前記後処理ユニットと前記屈曲経路との間に直線経路が配置されることを特徴とする請求項3~5のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項7】
前記直線経路には、前記用紙の上下動を規制する押さえ部材が配置されることを特徴とする請求項6に記載の後処理装置。
【請求項8】
前記反転経路を介して前記用紙のページ合わせを行う制御部を備えることを特徴とする請求項3~7のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項9】
前記スペース経路は、前記用紙をパージするためのパージ経路で構成されていることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項10】
前記スペース経路は、前記後処理ユニットが装置本体内の上流側にある場合、前記後処理ユニットよりも上流側に配置されることを特徴とする請求項1~
9のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項11】
前記スペース経路は、前記後処理ユニットが装置本体内の下流側にある場合、前記後処理ユニットよりも下流側に配置されることを特徴とする請求項1~1
0のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項12】
前記後処理ユニットは、CD断裁ユニットを含み、
前記CD断裁ユニットにより前記用紙が前記CD断裁ユニットの下流側に配置された搬送ローラー間の長さよりも短いFD長に断裁される場合に、排紙先を専用トレイに切り替える切替部を備えることを特徴とする請求項1~1
1のいずれか一項に記載の後処理装置。
【請求項13】
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により前記画像が形成された用紙に後処理を行う請求項1~1
2のいずれか一項に記載の後処理装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、後処理装置及び当該後処理装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置本体により画像が形成された用紙に対して様々な後処理を行う後処理装置が知られている。例えば、オフラインで1枚の用紙に後処理を行うことが可能な後処理装置が知られている。
【0003】
上記のオフラインの後処理装置において行われる後処理がCD断裁の場合、用紙のFD長(搬送方向の長さ)がカットされて短くなるため、以降の搬送ローラーの配置を密にする必要があることから、CD断裁を行うCD断裁ユニットを最下流に配置するようにしている。CD断裁ユニットU1が最下流に配置された後処理装置201の場合、
図8に示すように、用紙P後端をカットする際に、用紙Pの本身部分が機外に出た状態でCD断裁が行われる。このように、オフラインの後処理装置の場合、後処理を行う際に、機外に用紙の先端又は後端の一部が出た状態で行われる。
【0004】
また、他の後処理装置として、用紙へのパンチ加工を施す際に、パンチ処理機の種類及び反転装置の有無に応じて用紙の画像形成を制御することで、所望の位置にパンチ処理を施し、かつ、積載時にページ順となるように用紙を排紙する後処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、インラインの後処理装置202の場合、前後に他の装置(例えば画像形成装置本体101やリレーユニットRU、フィニッシャーFS等)が配置されるため、
図9に示すように、上下流の他の装置(図中では下流のフィニッシャーFS)に用紙Pが跨ることとなり、後処理ユニット(例えばCD断裁ユニットU1)により実施される後処理に応じて上下流の装置との速度合わせや用紙の停止などの制御が必要となる。また、前後に様々な後処理装置(例えば、LS(ラージスタッカー)、SD(中綴じ機)、FS(フィニッシャー)等)が接続されるため、更に各後処理装置側での制御対応が膨大かつ困難となる。
また、特許文献1記載の技術は、画像形成以降の装置構成に応じて画像形成を制御することはできるものの、CD断裁のように、用紙の本身部分が機外に出た状態で後処理が行われる場合には、やはり上下流の他の装置に用紙が跨ることとなるため、上下流の装置と制御を連動させる必要がある。
【0007】
本発明は、インラインで後処理可能な後処理装置において、上下流の装置に影響を及ぼすことなく、後処理を行うことが可能な後処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、
画像形成装置本体又は他の後処理装置に接続される後処理装置において、
搬送される用紙に後処理を行う後処理ユニットと、
前記後処理ユニットの上流又は下流に配置され、前記用紙を収容可能なスペース経路と、
を備え、
前記後処理ユニットは、前記用紙の一部が前記スペース経路内に収容された状態で、前記後処理を行い、
前記スペース経路は、前記用紙を迂回するための迂回経路で構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の後処理装置において、
前記後処理ユニットは、スリッター処理、ドブスリッター処理、CD断裁処理、クリース処理、FD/CDミシン処理のいずれかの後処理を行うことを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の後処理装置において、
前記スペース経路は、前記用紙を反転するための反転経路で構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の後処理装置において、
前記反転経路は、前記用紙をパージするためのパージ経路を兼ねることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の後処理装置において、
前記反転経路は、
定型サイズまでの前記用紙を反転するための定型反転経路と、
前記定型サイズを超える長尺サイズの前記用紙を反転するための長尺反転経路と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項3~5のいずれか一項に記載の後処理装置において、
前記反転経路は、経路内に屈曲経路を有する場合、前記後処理ユニットと前記屈曲経路との間に直線経路が配置されることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の後処理装置において、
前記直線経路には、前記用紙の上下動を規制する押さえ部材が配置されることを特徴とする。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項3~7のいずれか一項に記載の後処理装置において、
前記反転経路を介して前記用紙のページ合わせを行う制御部を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の後処理装置において、
前記スペース経路は、前記用紙をパージするためのパージ経路で構成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の後処理装置において、
前記スペース経路は、前記後処理ユニットが装置本体内の上流側にある場合、前記後処理ユニットよりも上流側に配置されることを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項1~10のいずれか一項に記載の後処理装置において、
前記スペース経路は、前記後処理ユニットが装置本体内の下流側にある場合、前記後処理ユニットよりも下流側に配置されることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の発明は、請求項1~11のいずれか一項に記載の後処理装置において、
前記後処理ユニットは、CD断裁ユニットを含み、
前記CD断裁ユニットにより前記用紙が前記CD断裁ユニットの下流側に配置された搬送ローラー間の長さよりも短いFD長に断裁される場合に、排紙先を専用トレイに切り替える切替部を備えることを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、
画像形成装置において、
用紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により前記画像が形成された用紙に後処理を行う請求項1~12のいずれか一項に記載の後処理装置と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、インラインで後処理可能な後処理装置において、上下流の装置に影響を及ぼすことなく、後処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
【
図3】後処理ユニットの下流側に反転経路が配置された構成を示す図である。
【
図4】後処理ユニットの下流側に迂回経路が配置された構成を示す図である。
【
図5】後処理ユニットの下流側にパージ経路が配置された構成を示す図である。
【
図6】後処理ユニットと屈曲経路との間に直線経路が配置された構成を示す図である。
【
図7】排紙先を専用トレイに切り替える切替ゲートが配置された構成を示す図である。
【
図8】従来技術に係るオフラインの後処理装置において、機外に用紙の一部が出た状態で後処理が行われる様子の一例を示す図である。
【
図9】従来技術に係るインラインの後処理装置において、下流の装置に用紙が跨っている様子の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
本実施形態に係る画像形成装置1は、
図1及び
図2に示すように、画像形成装置本体100と、リレーユニットRUと、後処理装置200と、フィニッシャーFSと、を備えて構成されている。本実施形態では、後処理装置200が本発明の「後処理装置」であり、リレーユニットRU及びフィニッシャーFSが本発明の「他の後処理装置」である。
【0026】
画像形成装置本体100は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ、又は、外部装置から受信した画像データに基づいて、電子写真方式によりカラー画像を形成する。
画像形成装置本体100は、
図1及び
図2に示すように、操作部11と、表示部12と、原稿読取ユニット13と、画像形成部14と、給紙部15と、画像形成制御部16と、記憶部17と、コントローラーIF(Inter Face)18と、画像処理部19と、を備えて構成されている。
【0027】
操作部11は、表示部12の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を画像形成制御部16に出力する。
【0028】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)により構成され、画像形成制御部16から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
【0029】
原稿読取ユニット13は、ADF(自動原稿給紙装置)、スキャナー等を備え、原稿の画像を読み取って得られた画像データを画像形成制御部16に出力する。
【0030】
画像形成部14は、画像処理部19により画像処理が行われた画像データに基づいて、給紙部15から供給された用紙上に画像を形成する。
画像形成部14は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する感光体ドラム141Y,141M,141C,141K、中間転写ベルト142、2次転写ローラー143、定着部144、濃度センサー145等を備えて構成されている。
【0031】
感光体ドラム141Yは、一様に帯電された後、イエロー色の画像データに基づいてレーザービームにより走査露光され、静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム141Y上の静電潜像にイエロー色のトナーが付着され、現像が行われる。
感光体ドラム141M,141C,141Kについても、扱う色が異なることを除いて、感光体ドラム141Yと同様であるため、説明を省略する。
【0032】
感光体ドラム141Y,141M,141C,141K上に形成された各色のトナー像は、回転する中間転写ベルト142上に逐次転写される(1次転写)。すなわち、中間転写ベルト142上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
中間転写ベルト142上のカラートナー像は、2次転写ローラー143により、用紙上に一括して転写される(2次転写)。
【0033】
定着部144は、カラートナー像が転写された用紙を加熱する加熱ローラー、当該用紙を加圧する加圧ローラーを備え、加熱・加圧によりカラートナー像を用紙に定着させる。
【0034】
給紙部15は、給紙トレイT11~T13を備え、画像形成部14に用紙を供給する。各給紙トレイT11~T13には、給紙トレイごとに予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
【0035】
画像形成制御部16は、CPU、ROM、メモリーを備えて構成される。
CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムに従って、画像形成装置本体100の各部の動作を集中制御する。また、CPUは、出力された用紙に対して後処理を行う場合には、後処理装置200に所定の後処理を実行する指示を出す。
ROMは、不揮発性の半導体メモリー等により構成され、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶している。
メモリーは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、プログラムや各種画像処理に係る画像データ等の各種データを一時的に記憶する。
【0036】
記憶部17は、プログラムや画像データ等の各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリー等の不揮発性の記憶装置である。記憶部17には、プログラムデータや各種設定データ等のデータを画像形成制御部16から読み書き可能に記憶する。
【0037】
コントローラーIF18は、外部装置から入力される画像データを受信する。
【0038】
画像処理部19は、記憶部17に記憶された画像データ、原稿読取ユニット13により原稿から画像を読み取って得られた画像データ、外部装置から入力された画像データに必要な画像処理を行い、画像処理後の画像データを画像形成部14に送信する。画像処理には、階調処理、中間調処理、色変換処理等が含まれる。階調処理は、画像データの各画素の階調値を、用紙上に形成された画像の濃度特性が目標の濃度特性と一致するように補正された階調値に変換する処理である。中間調処理は、誤差拡散処理、組織的ディザ法を用いたスクリーン処理等である。色変換処理は、RGBの各階調値をCMYKの各階調値に変換する処理である。
【0039】
リレーユニットRUは、画像形成装置本体100と後処理装置200との間に設置され、画像形成装置本体100から搬送されてくる用紙の搬送スピードと同期をとる機能を備える。
【0040】
後処理装置200は、リレーユニットRUから出力された用紙に、必要に応じて後処理を行う装置である。後処理としては、例えば、スリッター処理、ドブスリッター処理、CD断裁処理、クリース処理、FD/CDミシン処理等が挙げられる。後処理は必須ではなく、後処理装置200は、画像形成装置本体100から指示された場合のみ実行する。後処理がない場合、後処理装置200は搬送された用紙をそのままフィニッシャーFSに搬送する。
【0041】
後処理装置200は、
図1及び
図2に示すように、搬送部210と、後処理モジュール(後処理ユニット)M1~M4と、後処理装置200からパージする用紙を排紙するパージトレイT1と、後処理装置200で名刺/カードのサイズに断裁された用紙を排紙するカードトレイT2と、後処理制御部220と、を備えて構成されている。
【0042】
搬送部210は、リレーユニットRUから搬送された用紙を後処理モジュールM1~M4に搬送し、後処理モジュールM1~M4で後処理が行われた用紙を各種トレイ(パージトレイT1、カードトレイT2)又はフィニッシャーFSに搬送する。
【0043】
搬送部210は、後処理モジュールM1に搬送する用紙の曲がりを補正する曲がり補正機能を有するストレート搬送経路211と、後処理モジュールM1に搬送する長尺紙を迂回させてCD方向(用紙幅方向)の整合を行うCD整合機能を有する長尺ユニット212と、後処理モジュールM1~M4による後処理後に用紙(定型サイズまでの用紙)を反転してフィニッシャーFSに排紙する反転排紙経路213と、用紙をパージトレイT1に排紙する排紙経路と用紙(定型サイズまでの用紙)を反転する反転経路とを兼ねる兼用経路214と、後処理モジュールM1~M4による後処理後に長尺紙を反転する反転経路としての長尺ユニット215と、を備えて構成されている。
【0044】
すなわち、反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215は、後処理モジュールM1~M4の上流又は下流に配置され、用紙を収容可能な本発明のスペース経路として機能する。本実施形態では、後処理ユニット(ここでは特に後処理モジュールM4)が装置本体内の下流側にあるため、上記の各スペース経路(反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215)は、後処理モジュールM4よりも下流側に配置されている。
また、反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215は、用紙を反転するための本発明の反転経路として機能する。
また、兼用経路214は、用紙をパージするための本発明のパージ経路として機能する。
【0045】
また、反転排紙経路213及び兼用経路214は、定型サイズまでの用紙を反転するための定型反転経路として機能する。
また、長尺ユニット215は、定型サイズを超える長尺サイズの用紙を反転するための長尺反転経路として機能する。
【0046】
後処理モジュールM1~M4は、搬送されてきた用紙に後処理を行う。後処理モジュールM1~M4は、用紙の一部がスペース経路(反転排紙経路213、兼用経路214又は長尺ユニット215)内に収容された状態で、後処理を行う。
本実施形態において、最上流の後処理モジュールM1は、天地スリッターであり、最下流の後処理モジュールM4は、CD断裁用のCDカッター(CD断裁ユニット)である。後処理モジュールM2、M3は、サービスマンにより手動で選択可能であり、例えば、用紙をCD方向(用紙幅方向)中央部で断裁(ドブ断ち)するためのドブ断ちスリッター、用紙にクリース(筋付)処理を行うためのクリーサー(下凸)又はクリーサー(上凸)、用紙にミシン目を付けるFD/CDミシン処理を行うためのFDミシン目又はCDミシン目、のいずれかのユニットから選択される。
【0047】
後処理制御部220は、CPU、ROM、メモリーを備えて構成される。
CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出し、当該プログラムに従って、後処理装置200の各部の動作を集中制御する。
例えば、CPUは、画像形成装置本体100の画像形成制御部16と情報の伝達を行う。また、CPUは、反転経路(反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215)を介して用紙のページ合わせを行う本発明の制御部として機能する。具体的には、CPUは、用紙の反転に伴うページ順の入れ替わりを補正する指示を画像形成装置本体100の画像形成制御部16に送信し、画像形成制御部16によるページ順の補正制御を行わせることで、用紙のページ合わせを行う。
【0048】
フィニッシャーFSは、画像形成後の用紙に対して、ホチキス留めや紙折り、穴あけ等を行う機能を備えている。
【0049】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置1の後処理装置200は、搬送される用紙に後処理を行う後処理ユニット(後処理モジュールM1~M4)と、後処理ユニットの上流又は下流に配置され、用紙を収容可能なスペース経路(反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215)と、を備える。また、後処理ユニットは、用紙の一部がスペース経路内に収容された状態で、後処理を行う。
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、後処理のための搬送停止時にインラインで接続される他の装置(画像形成装置本体100、他の後処理装置(リレーユニットRU及びフィニッシャーFS))の搬送動作を停止させる(搬送を制御する)必要がなくなるため、上下流の装置に影響を及ぼすことなく、後処理を行うことができる。
【0050】
また、本実施形態に係る後処理装置200によれば、後処理ユニットは、スリッター処理、ドブスリッター処理、CD断裁処理、クリース処理、FD/CDミシン処理のいずれかの後処理を行う。
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、上下流の装置に影響を及ぼすことなく、様々な後処理を行うことができる。特に、用紙の搬送を停止して行う処理(例えばCD断裁、クリース、CDミシン)の場合に、より効果的である。
【0051】
また、本実施形態に係る後処理装置200によれば、スペース経路は、用紙を反転するための反転経路(反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215)で構成されている
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、機械幅を狭くすることができるので、装置の大型化を抑制することができる。また、インラインの後処理装置200であることから、画像形成装置本体100による制御によりページ順を補正することができるため、反転時にページが入れ替わる反転経路を用いても、ページ順を正しく補正することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る後処理装置200によれば、反転経路は、用紙をパージするためのパージ経路(兼用経路214)を兼ねる。
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、他の経路(パージ経路)と同じ経路を流用することで反転経路のスペースを更に簡略化して機械幅を狭くすることができるので、装置の大型化を更に抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る後処理装置200によれば、反転経路は、定型サイズまでの用紙を反転するための定型反転経路(反転排紙経路213及び兼用経路214)と、定型サイズを超える長尺サイズの用紙を反転するための長尺反転経路(長尺ユニット215)と、を備える。
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、用紙長の長い長尺紙を通紙する長尺反転経路を、定型紙を通紙する定型反転経路と分けることで、長尺反転経路の搬送ローラー間の長さ(ピッチ)を広くすることができるので、装置構成を簡略化することができる。また、用紙のサイズに拠らず、反転時に用紙の一部を機外に出すことがないため、用紙反転時の用紙の損傷を防止することができる。
【0054】
また、本実施形態に係る後処理装置200によれば、反転経路を介して用紙のページ合わせを行う制御部(後処理制御部220)を備える。
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、用紙の反転に伴うページ順の入れ替わりを補正する指示を画像形成装置本体100の画像形成制御部16に送信し、画像形成制御部16によるページ順の補正制御を行わせることができるので、反転時にページが入れ替わる反転経路を用いても、ページ順を正しく補正することができる。
【0055】
また、本実施形態に係る後処理装置200によれば、スペース経路は、用紙をパージするためのパージ経路(兼用経路214)で構成されている。
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、機械幅を狭くすることができるので、装置の大型化を抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る後処理装置200によれば、スペース経路は、後処理ユニットが装置本体内の下流側にある場合、後処理ユニットよりも下流側に配置される。
したがって、本実施形態に係る後処理装置200によれば、機械幅を狭くすることができるので、装置の大型化を抑制することができる。また、後処理のための搬送停止時にインラインで接続される他の装置(画像形成装置本体100、他の後処理装置(リレーユニットRU及びフィニッシャーFS))の搬送動作を停止させる(搬送を制御する)必要がなくなるため、上下流の装置に影響を及ぼすことなく、後処理を行うことができる。
【0057】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0058】
例えば、上記実施形態では、本発明の後処理装置200が、本発明の「他の後処理装置」であるリレーユニットRU及びフィニッシャーFSと接続された構成を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、後処理装置200が、リレーユニットRUのみと接続される構成であってもよいし、後処理装置200が、画像形成装置本体100及びフィニッシャーFSと接続される構成であってもよい。また、後処理装置200が、画像形成装置本体100のみと接続される構成であってもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、本発明のスペース経路として、反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215を例示して説明しているが、これに限定されるものではない。
例えば、
図3に示すように、スペース経路として、反転経路216のみを備える構成としてもよい。
また、
図4に示すように、スペース経路として、用紙を迂回するための迂回経路217のみを備える構成としてもよい。上記のように、スペース経路を、用紙を迂回するための迂回経路217で構成することで、機械幅を狭くすることができるので、装置の大型化を抑制することができる。
また、
図5に示すように、スペース経路として、パージ経路218のみを備える構成としてもよい。
【0060】
また、
図6に示すように、スペース経路としての反転経路216内に、屈曲経路216aを有する場合、後処理ユニット(後処理モジュールM4)と屈曲経路216aとの間に、直線経路216bを配置するようにしてもよい。
このとき、
図6に示すように、直線経路216bに、用紙の上下動を規制する押さえ部材(図中では2対の搬送ローラー)R1を配置するようにしてもよい。なお、押さえ部材R1としては、少なくとも用紙のばたつきを押さえることが可能な一以上の部材であれば、いかなる部材であってもよい。
上記のように、反転経路216を、経路内に屈曲経路216aを有する場合、後処理ユニットと屈曲経路216aとの間に直線経路216bを配置することで、用紙のばたつきを押さえて姿勢を安定させることができるので、後処理の精度を確保することができる。
また、直線経路216bに、用紙の上下動を規制する押さえ部材R1を配置することで、より確実に用紙姿勢を安定させることができるので、後処理の精度を向上させることができる。
【0061】
また、上記実施形態では、後処理ユニット(後処理モジュールM4)が装置本体内の下流側にあるため、スペース経路(反転排紙経路213、兼用経路214及び長尺ユニット215)を、後処理モジュールM4よりも下流側に配置するようにしているが、これに限定されるものではない。例えば、後処理ユニットが装置本体内の上流側にある場合、スペース経路を、後処理ユニットよりも上流側に配置するようにしてもよい。
上記のように、後処理ユニットが装置本体内の上流側にある場合、スペース経路を後処理ユニットよりも上流側に配置することで、機械幅を狭くすることができるので、装置の大型化を抑制することができる。また、後処理のための搬送停止時にインラインで接続される他の装置(画像形成装置本体100、他の後処理装置(リレーユニットRU及びフィニッシャーFS))の搬送動作を停止させる(搬送を制御する)必要がなくなるため、上下流の装置に影響を及ぼすことなく、後処理を行うことができる。
【0062】
また、例えば、長尺紙の先端をCD断裁する場合、CD断裁ユニットの上流側にスペース経路を設けることが好ましい。したがって、後処理ユニットが装置本体内の下流側にある場合であっても、スペース経路を、後処理ユニットよりも上流側に配置するようにしてもよい。同様に、後処理ユニットが装置本体内の上流側にある場合であっても、スペース経路を、後処理ユニットよりも下流側に配置するようにしてもよい。
【0063】
また、
図7に示すように、CD断裁ユニット(後処理モジュールM4)により用紙がCD断裁ユニットの下流側に配置された搬送ローラー間の長さ(ピッチ)よりも短いFD長に断裁される場合に、排紙先を専用トレイ(カードトレイT2)に切り替える切替ゲート(切替部)G1を備えるようにしてもよい。
上記のように、CD断裁ユニットにより用紙がCD断裁ユニットの下流側に配置された搬送ローラー間の長さよりも短いFD長に断裁される場合に、排紙先を専用トレイ(カードトレイT2)に切り替える切替ゲート(切替部)G1を備えることで、短いFD長の用紙に合わせて搬送ローラーを密に配置する必要がなくなるので、装置構成を簡略化することができる。
【0064】
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
100 画像形成装置本体
11 操作部
12 表示部
13 原稿読取ユニット
14 画像形成部
15 給紙部
16 画像形成制御部
17 記憶部
18 コントローラーIF
19 画像処理部
200 後処理装置
210 搬送部
211 ストレート搬送経路
212 長尺ユニット
213 反転排紙経路(スペース経路、反転経路、定型反転経路)
214 兼用経路(スペース経路、反転経路、パージ経路、定型反転経路)
215 長尺ユニット(スペース経路、反転経路、長尺反転経路)
216 反転経路
216a 屈曲経路
216b 直線経路
217 迂回経路
218 パージ経路
220 後処理制御部(制御部)
M1~M4 後処理モジュール
T1 パージトレイ
T2 カードトレイ
R1 押さえ部材
G1 切替ゲート(切替部)
RU リレーユニット
FS フィニッシャー