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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】電子時計
(51)【国際特許分類】
   G04R 60/12 20130101AFI20221109BHJP
   G04G 21/04 20130101ALI20221109BHJP
   G04C 9/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G04R60/12
G04G21/04
G04C9/00 301A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018212164
(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公開番号】P2019158861
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2018039611
(32)【優先日】2018-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125689
【弁理士】
【氏名又は名称】大林 章
(74)【代理人】
【識別番号】100128598
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 聖一
(74)【代理人】
【識別番号】100121108
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 太朗
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 利昭
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-080356(JP,A)
【文献】特開2014-062849(JP,A)
【文献】特開2017-037057(JP,A)
【文献】特開2003-152582(JP,A)
【文献】実開平06-041214(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04R 20/00-60/14
G04G 3/00-99/00
G04C 1/00-99/00
H01Q 1/42, 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状のケースと、
前記ケースの開口を覆う裏蓋と、
アンテナと、
前記ケースに固定される地板と、
前記裏蓋から前記地板に向かう方向に、前記アンテナを前記地板に押圧するアンテナ押さえと、を有し、
前記アンテナは、前記裏蓋と対向する面とは反対側に位置し、第1面と前記第1面に対して前記裏蓋に近い第2面からなる第1の段差を有するアンテナ放射面と、前記第1面に設けられた放射エレメントと、を有し、
前記地板は、前記第2面に対応する位置に設けられた第2の段差を有する、
ことを特徴とする電子時計。
【請求項2】
前記ケースは、少なくとも一部が金属製であり、
前記アンテナ押さえは、金属製であり、
前記アンテナ押さえは前記ケースと電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
前記裏蓋と前記アンテナ押さえとは金属製であり、前記アンテナ押さえは前記裏蓋と電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
【請求項4】
前記アンテナと前記裏蓋との間に配置され、前記裏蓋よりも前記アンテナに近い面に設けられた第1接地電極と前記アンテナよりも前記裏蓋に近い面に設けられた第2接地電極と、を有するフレキシブル基板を有し、
前記アンテナは、第3接地電極を有し、
前記第1接地電極と前記第3接地電極とが接続され、
前記第2接地電極と前記裏蓋とが前記アンテナ押さえを介して電気的に接続されることを特徴とする
請求項3に記載の電子時計。
【請求項5】
前記アンテナが実装されるフレキシブル基板と、
前記アンテナを使用した通信を行う回路が設けられ、前記フレキシブル基板と電気的に接続された回路基板と、を有することを特徴とする
請求項1に記載の電子時計。
【請求項6】
前記フレキシブル基板と前記回路基板とは、前記フレキシブル基板に実装された第1給電コネクターと前記回路基板に実装された第2給電コネクターとにより電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載の電子時計。
【請求項7】
前記アンテナ放射面の法線方向に沿った平面視において、前記第1給電コネクターおよび前記第2給電コネクターは、前記アンテナ押さえと重なることを特徴とする請求項6に記載の電子時計。
【請求項8】
前記アンテナ押さえは、前記裏蓋から前記地板に向かう方向に、前記第1給電コネクターを前記第2給電コネクターに押圧することを特徴とする請求項7に記載の電子時計。
【請求項9】
前記フレキシブル基板と前記回路基板とは、前記フレキシブル基板に設けられた第1給電電極と前記回路基板に設けられた第2給電電極とを接触させることにより電気的に接続されることを特徴とする請求項5に記載の電子時計。
【請求項10】
前記アンテナ放射面の法線方向に沿った平面視において、前記回路基板と前記アンテナとが重ならないことを特徴とする請求項5に記載の電子時計。
【請求項11】
前記アンテナ放射面に対向するように設けられた文字板を有し、
前記アンテナ放射面と前記文字板との距離が、前記地板における日車の載置面と前記文字板との距離より長いことを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
【請求項12】
前記アンテナは、パッチアンテナであることを特徴とする請求項1に記載の電子時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、平面アンテナを内蔵した電子時計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパッチアンテナを用いたGPS(Global Positioning System)受信機能付き電子時計では、特許文献1に開示されているように回路基板に平面アンテナを実装し、その回路基板を地板に固定することで平面アンテナを配置している。そして、平面アンテナのアンテナ電極が配置されていない露出面に平面的に重なるように、地板の被覆部が配置され、平面アンテナの移動を規制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-80356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電子時計を薄型化しようとすると、地板の被覆部も薄くなり、電子時計が落下した場合などの衝撃により地板が破損するなど、耐衝撃性が低下するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一態様による電子時計は、筒状のケースと、前記ケースの開口を覆う裏蓋と、アンテナと、前記ケースに固定される地板と、前記裏蓋から前記地板に向かう方向に、前記アンテナを前記地板に押圧するアンテナ押さえと、を有し、前記アンテナは、前記裏蓋と対向する面とは反対側に位置するアンテナ放射面に設けられた放射エレメントと、前記アンテナ放射面に設けられた第1の段差とを有し、前記地板は、前記第1の段差に対応する位置に設けられた第2の段差を有することを特徴とする。
【0006】
この電子時計によれば、アンテナ押さえがアンテナを地板側に押圧し、地板の第2の段差にアンテナ放射面に設けられた第1の段差を押圧することによりアンテナの保持が行われる。従って、アンテナの第1の段差の高さ分、地板を厚くすることができる。これにより、耐衝撃性の低下を抑制することができる。
【0007】
他の好ましい態様は、前記ケースは、少なくとも一部が金属製であり、前記アンテナ押さえは、金属製であり、前記アンテナ押さえは前記ケースと電気的に接続されることを特徴とする。
【0008】
この態様によれば、アンテナ押さえを介してアンテナをケースに電気的に接続することができるので、アンテナの動作を安定化することができる。
【0009】
他の好ましい態様は、前記裏蓋と前記アンテナ押さえとは金属製であり、前記アンテナ押さえは前記裏蓋と電気的に接続されることを特徴とする。
【0010】
この態様によれば、アンテナ押さえを介してアンテナを裏蓋に電気的に接続することができるので、アンテナの動作を安定化することができる。
【0011】
他の好ましい態様は、前記アンテナと前記裏蓋との間に配置され、前記裏蓋よりも前記アンテナに近い面に設けられた第1接地電極と前記アンテナよりも前記裏蓋に近い面に設けられた第2接地電極とを有するフレキシブル基板を有し、前記アンテナは第3接地電極を有し、前記第1接地電極と前記第3接地電極とが接続され、前記第2接地電極と前記裏蓋とが前記アンテナ押さえを介して電気的に接続されることを特徴とする。
【0012】
この態様によれば、フレキシブル基板およびアンテナ押さえを介してアンテナの第3接地電極をケースまたは裏蓋に接地することができる。
【0013】
他の好ましい態様は、前記アンテナが実装されるフレキシブル基板と、前記アンテナを使用した通信を行う回路が設けられ前記フレキシブル基板と電気的に接続された回路基板と、を有することを特徴とする。
【0014】
この態様によれば、アンテナを、フレキシブル基板を介して回路基板に接続しているので、アンテナの位置に対して自由に回路基板の位置を変化させることができ、回路基板を含むムーブメントの薄型化を実現することができる。また、アンテナは、フレキシブル基板に実装されているので、アンテナに不具合が生じた場合は、アンテナの実装されたフレキシブル基板を交換すればよく、高価な回路基板を交換する必要がない。従って、コストリスクを減らすことができる。
【0015】
回路基板からアンテナへの給電を実現するための態様には各種の態様がある。好ましい態様において、前記フレキシブル基板と前記回路基板とは、前記フレキシブル基板に実装された第1給電コネクターと前記回路基板に実装された第2給電コネクターとにより電気的に接続される。
【0016】
回路基板からアンテナへの給電を実現するための他の好ましい態様では、前記アンテナ放射面の法線方向に沿った平面視において、前記フレキシブル基板に実装された第1給電コネクターおよび前記回路基板に実装された第2給電コネクターは、前記アンテナ押さえと重なる。アンテナ押さえは、フレキシブル基板に接してもよいし、離れていてもよい。アンテナ押さえがフレキシブル基板から離れている場合、アンテナ押さえとフレキシブル基板との最短距離は短いほど好ましい。
【0017】
この態様によれば、アンテナ押さえとフレキシブル基板とが接する場合、衝撃または振動によって、第1給電コネクターに対して第2給電コネクターから離れる力が加わっても、アンテナ押さえから前述の離れる力に応じた垂直抗力が発生し、第1給電コネクターが第2給電コネクターから外れることを抑制することができる。
また、アンテナ押さえとフレキシブル基板とが離れる場合でも、衝撃または振動によって、アンテナ押さえまたはフレキシブル基板が移動してアンテナ押さえとフレキシブル基板とが接する場合には、第1給電コネクターに対して第2給電コネクターから離れる力が加わっても、アンテナ押さえから前述の離れる力に応じた垂直抗力が発生し、第1給電コネクターが第2給電コネクターから外れることを抑制することができる。
【0018】
回路基板からアンテナへの給電を実現するための他の好ましい態様では、前記アンテナ押さえは、前記裏蓋から前記地板に向かう方向に、前記第1給電コネクターを前記第2給電コネクターに押圧する。
【0019】
この態様では、衝撃または振動によって、第1給電コネクターに対して第2給電コネクターから離れる力が加わるとしても、アンテナ押さえの押圧による垂直応力によって、離れる力が緩和する、または相殺される。従って、アンテナ押さえが押圧しない場合と比較して、第1給電コネクターが第2給電コネクターから外れることをより抑制することができる。
【0020】
回路基板からアンテナへの給電を実現するための他の好ましい態様では、前記フレキシブル基板と前記回路基板とは、前記フレキシブル基板に設けられた第1給電電極と前記回路基板に設けられた第2給電電極とを接触させることにより電気的に接続される。
【0021】
好ましい態様において、前記アンテナ放射面の法線方向に沿った平面視において、前記回路基板と前記アンテナとが重ならないことを特徴とする。
【0022】
この態様によれば、アンテナと回路基板上の受信回路との相互干渉を防止することができる。
【0023】
好ましい態様では、前記アンテナ放射面に対向するように設けられた文字板を有し、前記アンテナ放射面と前記文字板との距離が、前記地板における日車の載置面と前記文字板との距離より長いことを特徴とする。
【0024】
この態様によれば、アンテナを利用して受信を行う受信回路の受信性能を高めることができる。
【0025】
好ましい態様では、アンテナは、パッチアンテナであることを特徴とする。
【0026】
この態様によれば、パッチアンテナを組み込んだ電子時計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態である電子時計の概略構成を示す断面図である。
図2】パッチアンテナの近くの詳細な構成を示す断面図である。
図3】パッチアンテナを回路基板に接続する形態の例を示す図である。
図4】パッチアンテナを回路基板に接続する形態の他の例を示す図である。
図5A】パッチアンテナの接地面を見た平面図である。
図5B】パッチアンテナの側面図である。
図5C】パッチアンテナのアンテナ放射面を見た平面図である。
図6】パッチアンテナを搭載したFPC基板を示す側面図である。
図7】同FPC基板を斜め上方から見た斜視図である。
図8】同FPC基板を斜め下方から見た斜視図である。
図9A】アンテナ押さえの平面図である。
図9B】アンテナ押さえの側面図である。
図10】同アンテナ押さえをパッチアンテナ側から見た斜視図である。
図11】同アンテナ押さえを裏蓋側から見た斜視図である。
図12】同アンテナ押さえを地板に装着する様子を示す組立図である。
図13】第2実施形態におけるパッチアンテナを回路基板に接続する形態の例を示す図である。
図14】第3実施形態におけるFPC基板を斜め下方から見た斜視図である。
図15】アンテナユニットが回路基板に取り付けられる状態の斜視図を示す。
図16】第3実施形態におけるアンテナ押さえが地板に装着済みの例を示す斜視図である。
図17】押圧部の近くの詳細な構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照し、第1実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態である電子時計の概略を示す断面図である。また、図2は同電子時計のパッチアンテナ40の近くの構成を詳細に示す断面図である。なお、以下において、各部位の位置関係を説明する際、「上」または「表」はカバーガラス33側を意味し、「下」または「裏」は裏蓋34側を意味する。
【0029】
この電子時計は、図1に示すように、外装ケース30と、カバーガラス33と、金属製の裏蓋34とを備えている。外装ケース30の二つの開口のうち、表面側の開口は、カバーガラス33で塞がれており、裏面側の開口は裏蓋34で塞がれている。外装ケース30は、少なくとも一部が金属である。
【0030】
外装ケース30は、金属製の筒状のケース胴35と、その上に載せられた円環状のガラス縁36により構成されている。ガラス縁36の内周には、円環状のダイヤルリング38が配置されている。また、ケース胴35には、地板125が固定されている。この地板125の上面側には、文字板11が配置されている。この文字板11の平面中心に空けられた孔を指針軸29が貫通しており、この指針軸29に秒針21、分針22および時針23が取り付けられている。地板125の上面には日車25が配置されている。文字板11の下面側には、図2に示すようにパネル状の太陽電池80が配置され、その下方には日車25がある。この日車25は地板125の上面に設けられた日車載せ面27の上に載っている。そして、図1に示すように、この日車25は文字板11の下面側の日車押さえ26により押さえられている。
【0031】
地板125には、秒針21、分針22および時針23と日車25を駆動するモーター62や輪列からなる駆動機構が備えられている。図2には、この駆動機構におけるモーター62と、このモーター62を回路基板725と電気的に接続する導通部63が示されている。
回路基板725には、モーター62の駆動制御を行う制御部およびパッチアンテナ40への給電およびパッチアンテナ40を使用した通信を行う回路が搭載されている。この回路はGPS衛星信号を受信する受信回路等が該当する。パッチアンテナ40は平面アンテナの一例である。
【0032】
地板125の下面側には、外部磁界を遮蔽してモーターの誤動作を防止する耐磁板91が配置されている。この耐磁板91は金属製である。回路押さえ726は、この耐磁板91と裏蓋34との間に挟まれている。
【0033】
パッチアンテナ40は、地板125に設けられたスペースに裏蓋34側から挿入されている。このパッチアンテナ40は、地板125の裏蓋34側の面に支持されたアンテナ押さえ140により文字板11側へ押圧されている。言い換えれば、アンテナ押さえ140は、裏蓋34から地板125に向かう方向に、アンテナを地板125に押圧する。
【0034】
さらに詳述すると、図2に示すように、パッチアンテナ40は、フレキシブル基板740に半田実装されている。以下、フレキシブル基板740をFPC(Flexible Printed Circuit)基板740と略称する。このFPC基板740の表面には第1接地電極が設けられ、裏面には第2接地電極が設けられている。FPC基板740の表面とは、裏蓋34よりもパッチアンテナ40に近い面の一例である。同様に、FPC基板740の裏面とは、パッチアンテナ40よりも裏蓋34に近い面の一例である。第1接地電極と第2接地電極とは導通している。パッチアンテナ40は第3接地電極を備える。パッチアンテナ40はFPC基板740に半田実装される際、第3接地電極がFPC基板740の表面の第1接地電極に電気的に接続される。そして、このFPC基板740と裏蓋34との間に金属製のアンテナ押さえ140が挟まれている。この金属製のアンテナ押さえ140がFPC基板740の第2接地電極と裏蓋34とを電気的に接続するとともに、FPC基板740と裏蓋34とを離間させる斥力を発生する。パッチアンテナ40の上面の縁には、第1の段差40Kが設けられている。また、地板125には、このパッチアンテナ40の第1の段差40Kに対応した第2の段差125Kが形成されている。この第1の段差40Kおよび第2の段差125Kがパッチアンテナ40の位置決めを行う。パッチアンテナ40は、アンテナ押さえ140が発生する斥力により、その第1の段差40Kを地板125の第2の段差125Kに押し当て、文字板11から一定距離の位置に固定される。第1実施形態では、図2に示すように、パッチアンテナ40の放射エレメント41があるアンテナ放射面が日車25の載置面である日車載せ面27よりも所定距離だけ文字板11側から離れた位置に位置決めされるように、第1の段差40Kおよび第2の段差125Kの形状が決定されている。
【0035】
第1実施形態において、パッチアンテナ40と回路基板725は、図2に示すように、パッチアンテナ40のアンテナ放射面の法線方向Zに沿った平面視において、互いに重ならない領域にある。これはパッチアンテナ40を利用してGPS衛星信号を受信する回路基板725上の受信回路と、パッチアンテナ40とが相互に干渉するのを防止するためである。
【0036】
図3および図4は、FPC基板740と回路基板725との電気的接続を行うための形態を各々示している。図3に示す形態では、FPC基板740上の電極が給電コネクター49aにより回路基板725上に設けられている給電コネクター49bに接続されている。給電コネクター49aは、第1給電コネクターの一例である。同様に、給電コネクター49bは、第2給電コネクターの一例である。図4に示す形態では、コネクターを用いずにFPC基板740がアンテナ押さえ140により回路基板725上の給電点725Qに圧着されている。また、給電点725Qは第2給電電極であり、接地電極としても機能する。FPC基板740には第1給電電極が形成されている。第1給電電極は接地電極としても機能する。FPC基板740と回路基板725は、各々に形成された第1給電電極と第2給電電極とを接触させることにより電気的に接続される。第1実施形態では、パッチアンテナ40が可撓性のFPC基板740を介して回路基板725に接続される。そのため、パッチアンテナ40のアンテナ放射面の位置に拘わりなく、回路基板725の文字板法線方向の位置を変えることができる。従って、回路基板725を含むムーブメントの薄型化を実現することができる。
【0037】
図5A図5B、および図5Cは第1実施形態におけるパッチアンテナ40の構成例を示す図である。パッチアンテナ40は、接地面とアンテナ放射面とを有する正方形板状のアンテナである。接地面は、裏蓋34と対向する面の一例である。アンテナ放射面は、文字板11と対向する面であり、接地面とは反対側の面の一例である。図5Aは接地面を見た平面図、図5Cはアンテナ放射面を見た平面図、図5Bは側面図である。図5Aに示すように、接地面では、一辺の中央には正方形状の放射エレメント給電電極41Qが形成されている。そして、放射エレメント給電電極41Qを一定の距離をおいて3方から囲むように接地電極42が形成されている。パッチアンテナ40のFPC基板740への半田実装の際には、この接地電極42がFPC基板740の接地電極に電気的に接続されるともに、放射エレメント給電電極41QがFPC基板740の放射エレメント給電電極41Qに対向する位置に設けられた給電電極に電気的に接続される。また、図5Cに示すように、アンテナ放射面では、その4辺から内側に所定距離だけ退行した正方形の電極パターンに対し、その一辺の中央から外側に出っ張った凸部を加えた形状の放射エレメント41が形成されている。ここで、放射エレメント41の凸部は、放射エレメント給電電極41Qと対向しており、両者は電磁結合している。放射エレメント41により受信されるGPS衛星信号は、放射エレメント41の凸部および放射エレメント給電電極41Q間の電磁結合と、FPC基板740上の給電パターンを介して回路基板725上の受信回路に供給される。パッチアンテナ40において放射エレメント41が設けられた面がアンテナ放射面である。
【0038】
第1実施形態では、図5Cに示すように、パッチアンテナ40のアンテナ放射面の4辺のうち放射エレメント41の凸部に臨む一辺を除いた3辺、すなわち、3カ所に、第1の段差40Kが形成されている。この第1の段差40Kが図2に示すように地板125の第2の段差125Kに押し当てられ、パッチアンテナ40の位置決めが行われる。図2に示すように、法線方向Zに沿った平面視において、第1の段差40Kと第2の段差125Kとは、互いに重なる。
【0039】
図6はパッチアンテナ40をFPC基板740に搭載したアンテナユニットの側面図、図7が同アンテナユニットを斜め上方から見た斜視図、図8は同アンテナユニットを斜め下方から見た斜視図である。第1実施形態では、図6図8に示すアンテナユニットが半田実装により予め製造され、電子時計に組み込まれる。
【0040】
図6図8に示すように、FPC基板740において、パッチアンテナ40が実装された面に給電コネクター49aが配置されるとともに、ねじ固定するための孔48が開口している。この例では、地板125に立設されたねじピンに、孔48を通じてネジを締結することにより給電コネクター49aが回路基板725に設けられた給電コネクター49bに押し当てられる。このねじピンは、内径に螺旋を有するため、雌ねじである。このねじピンの図示は省略する。図8に示すように、FPC基板740の裏面には接地電極740Gが形成されており、接地電極740GはFPC基板740の表面に形成された接地電極と導通している。この接地電極の図示を省略する。FPC基板740の表面の接地電極にパッチアンテナ40の接地電極42が接続され、FPC基板740の裏面の接地電極740Gがアンテナ押さえ140を介してケースに電気的に接続されている。電子時計の製造後、パッチアンテナ40に不具合が生じた場合には、アンテナユニットの交換を行えばよい。高価な回路基板725の交換は不要である。
【0041】
図9Aはアンテナ押さえ140の平面図、図9Bは同アンテナ押さえ140の側面図である。図10は同アンテナ押さえ140のパッチアンテナ40と対面する側の面を見た斜視図である。また、図11は同アンテナ押さえ140の裏蓋34と対面する側の面を見た斜視図である。
【0042】
これらの図に示すように、アンテナ押さえ140は、パッチアンテナ40に押し当てられる部位である中央支持部143と、この中央支持部143の一端において中央支持部143の幅方向両側に折れ曲がりつつ延びた1対の脚部1441および1442と、中央支持部143の他端において中央支持部143の幅方向両側に延びた1対の脚部1451および1452とを有する。
【0043】
中央支持部143には、パッチアンテナ40との対向方向に突出した突起部141が中央1カ所、周囲4カ所の計5か所に設けられている。脚部1441の先端は、丸みを持った接続端部1441Tである。この接続端部1441Tには固定用孔142aと位置決め用孔142bが形成されている。脚部1442の先端は、丸みを持った接続端部1442Tである。この接続端部1442Tにも固定用孔142aと位置決め用孔142bが形成されている。接続端部1441Tおよび1442Tは、地板125への接続を行うための接続端部である。脚部1441および1442は、接続端部1441Tおよび1442Tが回路基板725と面接触するように折り曲げられている。
【0044】
脚部1451および1452は、図9Bに示すように同じ方向に折り曲げられている。この脚部1451および1452の折り曲げ方向が裏蓋34の方向となる。脚部1451および1452の先端は、折り曲げられて接続端部1451Tおよび1452Tとなっている。これらの接続端部1451Tおよび1452Tは、裏蓋34に押し当てられる部位である。
【0045】
図12はアンテナ押さえ140を地板125に装着する様子を示す組立図である。図12に示すように、地板125の周辺部におけるパッチアンテナ40の収容スペースの両側には、1対の固定用ねじピン741と、1対の位置決め用突起742が立設されている。固定用ねじピン741は、内径に螺旋を有するため、雌ねじである。第1実施形態では、図12に示すように、地板125の1対の固定用ねじピン741をアンテナ押さえ140の1対の固定用孔142aに通し、地板125の1対の位置決め用突起742をアンテナ押さえ140の1対の位置決め用孔142bに通す。そして、1対の固定用孔142aにねじ745を通して締結する。
【0046】
このように金属製のアンテナ押さえ140を地板125に固定すると、アンテナ押さえ140のバネ性によりアンテナ押さえ140の中央支持部143の突起部141が、パッチアンテナ40が搭載されたFPC基板740の下面の接地電極740Gに押し当てられる。そして、ケース胴35の下側の開口を裏蓋34により塞ぐと、アンテナ押さえ140のバネ性により、アンテナ押さえ140の接続端部1451Tおよび1452Tが裏蓋34に押し当てられる。この結果、FPC基板740の接地電極がアンテナ押さえ140の突起部141、アンテナ押さえ140、アンテナ押さえ140の接続端部1451Tおよび1452Tを介して裏蓋34に電気的に接続され、FPC基板740の接地電極の接地が行われる。ここで、裏蓋34は金属製のケース胴35と電気的に接続されている。従って、裏蓋34およびケース胴35からなるケース全体が接地電位となる。アンテナ押さえ140は金属製であるので、ケースと電気的に接続されることにより、パッチアンテナ40の動作を安定化することができる。
以上が第1実施形態による電子時計の詳細である。
【0047】
第1実施形態によれば、パッチアンテナ40のアンテナ放射面の放射エレメント41の外側の一部を地板125に押し当てることで、文字板面近傍の太陽電池80、日車25および駆動機構との位置関係が固定される。ここで、受信性能向上のために、パッチアンテナ40のアンテナ放射面をできるだけ文字板11側に配置することが好ましい。
仮に、回路基板725にパッチアンテナ40を実装すると、文字板11を基準としたアンテナ放射面の位置のばらつきは、地板厚ばらつき等で定まる回路基板725の位置ばらつき、アンテナ厚ばらつき、およびアンテナ実装高さばらつきを加えたものとなる。この結果、受信性能が大きくばらついてしまう。これに対して、第1実施形態では、上述したようにパッチアンテナ40を地板125に押し当てるので、アンテナ放射面の位置のばらつきを低減できる。この結果、第1実施形態によれば受信性能のばらつきを低減できる。
また、受信性能向上のために、パッチアンテナ40のアンテナ放射面をできるだけ文字板11側に配置することが好ましい。その場合、地板125に設けるパッチアンテナ40の受け面をなす突起部が薄くなり、電子時計の落下等の際にムーブメントから受ける衝撃に対応できない。しかしながら、第1実施形態では、パッチアンテナ40に第1の段差40Kを設け、これを地板125の第2の段差125Kに当てることで、パッチアンテナ40のアンテナ放射面を可能な限り文字板11側に配置しつつ、落下衝撃にも耐えうる地板厚みを確保することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、パッチアンテナ40をFPC基板740に実装してアンテナユニットを構成し、FPC基板740を回路基板725に接続した。仮に回路基板725にパッチアンテナ40を実装すると、回路基板725の高さがパッチアンテナ40の厚みで定まることになる。さらに回路基板725の裏蓋側には回路押さえ726などの部品が積層されるので、ムーブメントの厚みが増大し、商品性を損なうことになりかねない。
この構成によれば、回路基板725の高さが、アンテナユニットのアンテナの高さに左右されないので、ムーブメントの薄型化が可能である。また、FPC基板740の高さを自由に変更可能なので、コネクターを用いたアンテナへの給電やFPC基板740を回路基板725に直接接触させることによるアンテナへの給電などの給電形態を自由に選択することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、部品の寸法ばらつきによりパッチアンテナ40の給電部の高さが変化した場合、あるいは衝撃または振動によりパッチアンテナ40の給電部の高さが変化した場合、FPC基板740がその変化を吸収するので、給電接続部の信頼性が向上するという利点がある。
【0050】
また、第1実施形態によれば、パッチアンテナ40に不具合が生じた場合、アンテナユニットの交換を行えばよく、時計駆動の制御ICや受信機能をコントロールするための受信モジュールが実装された高価な回路基板725の交換は不要である。よって、第1実施形態によればコストリスクを低減することができる。
また、第1実施形態によれば、アンテナユニットに不具合が生じた場合、ねじ745を緩めて外すのみで、アンテナユニットを交換することが可能である。これにより、アンテナユニットを交換するために、高価な回路基板725の分解を必要とせず、メンテナンス性が向上し、時計性能が低下するというリスクを低減することができる。
【0051】
以上、第1実施形態について説明したが、他の実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
【0052】
第2実施形態では、図3に示す形態において、アンテナ押さえ140が、裏蓋34から地板125に向かう方向に、給電コネクター49aを給電コネクター49bに押圧する。以下、第2実施形態について説明する。なお、以下に例示する各形態および各変形例において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0053】
図13は、第2実施形態におけるパッチアンテナ40を回路基板725に接続する形態の例を示す図である。図13に示す形態では、図3に示す形態と同様に、FPC基板740上の電極が給電コネクター49aにより給電コネクター49bに接続される。さらに、アンテナ押さえ140が、裏蓋34から地板125に向かう方向に、給電コネクター49aを給電コネクター49bに押圧する。第2実施形態において、法線方向Zに沿った平面視において、給電コネクター49aおよび給電コネクター49bは、アンテナ押さえ140と重なる。ここで、給電コネクター49aおよび給電コネクター49bの一部がアンテナ押さえ140と重なってもよいし、給電コネクター49aおよび給電コネクター49bの全部がアンテナ押さえ140と重なってもよい。
以上が第2実施形態による電子時計の詳細である。
【0054】
第2実施形態によれば、アンテナ押さえ140が、裏蓋34から地板125に向かう方向に、給電コネクター49aを給電コネクター49bに押圧する構成を有する。この構成では、電子時計に対する衝撃または振動によって、給電コネクター49aに対して給電コネクター49bから離れる力が加わるとしても、アンテナ押さえ140の押圧による垂直応力によって、離れる力が緩和する、または相殺される。従って、給電コネクター49aが給電コネクター49bから外れることを抑制することができる。
また、電子時計に対する衝撃または振動によって、FPC基板740がパッチアンテナ40側に引っ張られる場合がある。この場合、給電コネクター49aには、法線方向Zに垂直な力が加わる。第2実施形態では、アンテナ押さえ140の押圧による垂直応力に比例する摩擦力が発生するので、法線方向Zに垂直な力が加わっても、給電コネクター49aが給電コネクター49bから外れることを抑制することができる。
【0055】
第3実施形態は、FPC基板740と回路基板725との導通を確認できる構成である。以下、第3実施形態について説明する。なお、以下に例示する各形態および各変形例において作用または機能が第2実施形態と同様である要素については、第2実施形態で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0056】
図14は、第3実施形態におけるFPC基板740を斜め下方から見た斜視図である。図14に示すように、FPC基板740の裏面には接地電極740Gと、導通チェック用端子740Cとが形成されている。
【0057】
図15は、アンテナユニットが回路基板725に取り付けられる状態の斜視図を示す。図15に示すように、回路基板725には、導通チェック用端子725Cが形成されている。
【0058】
図16は、第3実施形態におけるアンテナ押さえ140aが地板125に装着済みの例を示す斜視図である。以下、アンテナ押さえ140aについて、図9に示すアンテナ押さえ140との差異のみを説明する。アンテナ押さえ140aは、中央支持部143の中心部において中央支持部143の幅方向両側に延びた1対の脚部1453および1454を有する。
【0059】
アンテナ押さえ140aの中央支持部143には、パッチアンテナ40との対向方向に突出した突起部141が、端部4か所に設けられている。脚部1441の先端は、接続端部1441Taである。接続端部1441Taには、脚部1441から脚部1451に向かう方向に延びた押圧部1441Pが形成されている。接続端部1441Taは、裏蓋34の方向に折り曲げられている。接続端部1441Taにおける脚部1451に向かう方向の先端は、折り曲げられて押圧部1441Pとなっている。押圧部1441Pは、FPC基板740に押し当てられる部位である。
【0060】
図17は、押圧部1441Pの近くの詳細な構成を示す断面図である。図17に示すように、押圧部1441Pは、裏蓋34から地板125に向かう方向に、給電コネクター49bに給電コネクター49aを押圧する。
以上が第3実施形態による電子時計の詳細である。
【0061】
第3実施形態によれば、導通チェック用端子725Cと導通チェック用端子740Cとの導通を確認することにより、給電コネクター49bに給電コネクター49aとの接続を確認することができる。例えば、電子時計の組み立て時または電子時計のメンテナンス時に、導通を確認しようとする者は、テスターの一方のリード棒の先端を、導通チェック用端子725Cに接触させ、他方のリード棒の先端を導通チェック用端子740Cに接触させる。導通を確認しようとする者は、テスターに表示される値を確認することにより、給電コネクター49bに給電コネクター49aが接続されているか否かを判断することができる。
導通チェック用端子725Cにテスターのリード棒の先端を接触しやすくするため、図16に示すように、法線方向Zに沿った平面視において、導通チェック用端子725Cは、FPC基板740およびアンテナ押さえ140と重ならないことが好ましい。同様に、導通チェック用端子740Cは、法線方向Zに沿った平面視において、アンテナ押さえ140と重ならないことが好ましい。
【0062】
以上、第1実施形態から第3実施形態までについて説明したが、他の実施形態が考えられる。例えば次の通りである。
【0063】
(1)上記各実施形態では、第1の段差40Kをパッチアンテナ40の放射エレメント41の周囲の3カ所に設けたが、これは一例であり、第1の段差40Kは2箇所以上に設ければよい。
【0064】
(2)上記各実施形態では、指針および文字板11を有するアナログ電子時計に適用したが、この発明は、平面アンテナを利用するアナログ電子時計以外の電子機器、例えば時刻表示機能を有するウェアラブル機器にも適用可能である。
【0065】
(3)上記各実施形態では、ケース胴35は金属製であったが、全部が金属製に限定されるものではなく、一部が金属製であってもよい。例えば、ケース胴35を構成する部品の一部にプラスチックを用いてもよい。
【0066】
(4)上記各実施形態では、パッチアンテナ40がアンテナの一例であるが、これに限らない。例えば、アンテナは、リングアンテナまたは板状逆F型アンテナでもよい。リングアンテナは、環状のアンテナである。環状には、円形や略四角形が含まれる。板状逆F型アンテナは、接地電極と、放射エレメントと、接地電極と放射エレメントとを短絡する短絡部とを有する。
【0067】
(5)上記各実施形態では、アンテナ押さえ140は金属製であったが、アンテナ押さえ140と裏蓋34との間の接触抵抗を低減させるために、アンテナ押さえ140に金メッキ等の表面処理を施してもよい。また、図9Aおよび図9Bなどに示すように、アンテナ押さえ140は、裏蓋34の方向に折り曲げられた脚部1451および1452を有するが、図16に示すアンテナ押さえ140aのように、裏蓋34の方向に折り曲げられた脚部を、2より多く有してもよい。裏蓋34の方向に折り曲げられた脚部の数が多いほど、アンテナ押さえ140と裏蓋34との間の接触抵抗を低減させることができる。
【0068】
(6)上記の第2実施形態および第3実施形態では、アンテナ押さえ140が、裏蓋34から地板125に向かう方向に、給電コネクター49aを給電コネクター49bに押圧するが、これに限らない。具体的には、法線方向Zに沿った平面視において、給電コネクター49bおよび給電コネクター49bが、アンテナ押さえ140と重なるという構成を有すればよく、アンテナ押さえ140が給電コネクター49aを押圧しなくてもよい。例えば、アンテナ押さえ140は、FPC基板740に接してもよい。または、アンテナ押さえ140は、FPC基板740から離れていてもよい。アンテナ押さえ140がFPC基板740から離れる場合、アンテナ押さえ140とFPC基板740との最短距離は短いほど好ましい。
上述の構成によれば、アンテナ押さえ140とFPC基板740とが接する場合、電子時計に対する衝撃または振動によって、給電コネクター49aに対して給電コネクター49bから離れる力が加わっても、アンテナ押さえ140から前述の離れる力に応じた垂直抗力が発生し、給電コネクター49aが給電コネクター49bから外れることを抑制することができる。
また、アンテナ押さえ140とFPC基板740とが離れる場合でも、アンテナ押さえ140とFPC基板740との間の距離が短ければ、電子時計に対する衝撃または振動によって、アンテナ押さえ140またはFPC基板740が移動してアンテナ押さえ140とFPC基板740とが接する場合がある。この場合、給電コネクター49aに対して給電コネクター49bから離れる力が加わっても、アンテナ押さえ140から前述の離れる力に応じた垂直抗力が発生し、給電コネクター49aが給電コネクター49bから外れることを抑制することができる。
ただし、第2実施形態に示すように、アンテナ押さえ140が、裏蓋34から地板125に向かう方向に、給電コネクター49bに給電コネクター49aを押圧することにより、アンテナ押さえ140の押圧による垂直応力によって、離れる力が緩和する、または相殺される。従って、アンテナ押さえ140が押圧しない場合と比較して、給電コネクター49aが給電コネクター49bから外れることをより抑制することができる。
【符号の説明】
【0069】
30…外装ケース、33…カバーガラス、34…裏蓋、38…ダイヤルリング、36…ガラス縁、35…ケース胴、125…地板、11…文字板、29…指針軸、21…秒針、22…分針、23…時針、25…日車、80…太陽電池、27…日車載せ面、62…モーター、63…導通部、91…耐磁板、726…回路押さえ、40…パッチアンテナ、740…FPC基板、740…導通チェック用端子、140,140a…アンテナ押さえ、40K…第1段差部、125K…第2段差部、49…給電用コネクター、725C…導通チェック用端子、725Q…給電点、41Q…放射エレメント給電電極、42…接地電極、48…孔、143…中央支持部、1441,1442,1451,1452…脚部、141…突起部、1441T,1442T,1451T,1452T…接続端部、1441P…押圧部、142a…固定用孔、142b…位置決め用孔、741…固定用ねじピン、742…位置決め用突起、745…ねじ。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17