(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】搬送車
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20221109BHJP
B65G 35/00 20060101ALI20221109BHJP
B61B 13/00 20060101ALI20221109BHJP
B61D 47/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
B65G35/00 B
B61B13/00 A
B61D47/00 A
(21)【出願番号】P 2018228692
(22)【出願日】2018-12-06
【審査請求日】2021-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】小田原 智己
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-34964(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0099811(US,A1)
【文献】特開2004-51319(JP,A)
【文献】実開平3-110028(JP,U)
【文献】特開平11-91908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
B65G 35/00
B61B 13/00
B61D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送車であって、
走行駆動部を有する走行台車と、
前記物品が載せられる載置台であって、平面視で四角形状の載置台と、
前記載置台を、上下方向の軸を中心に回転させる回転装置と、
前記搬送車の動作を制御するコントローラとを備え、
前記コントローラは、
前記載置台に前記物品が載せられる前に、前記回転装置を制御することで、前記載置台を、前記平面視における対角が、前記搬送車における前後方向に並ぶ搬送姿勢にし、
前記載置台に前記物品を載せずに前記搬送車が走行する場合は、前記回転装置を制御することで、前記載置台を、前記平面視における前記載置台の対向する2辺が、前記搬送車における左右方向に並ぶ空荷姿勢にする
搬送車。
【請求項2】
さらに、前記載置台を昇降させる昇降装置を備え、
前記コントローラは、さらに、
前記走行駆動部を制御することで、前記載置台が前記空荷姿勢である状態の前記搬送車を前記物品の下方に移動させ、
前記昇降装置を制御することで、前記物品の下方に位置し、かつ、前記搬送姿勢である前記載置台を上昇させて、前記載置台に前記物品を載せ、
前記走行駆動部を制御することで、前記載置台に前記物品が載せられ、かつ、前記載置台が上昇された状態の前記搬送車を前記前後方向に移動させる
請求項1記載の搬送車。
【請求項3】
前記昇降装置は、昇降駆動部と、前記載置台の下方に配置され、前記昇降駆動部によって昇降する昇降台であって、前記載置台を前記回転装置による回転が可能な状態で支持する昇降台とを有し、
前記昇降台は、前記平面視において、前記載置台が前記空荷姿勢である場合に前記載置台の範囲以内の大きさであり、かつ、前記載置台が前記搬送姿勢である場合に前記載置台の四辺から4つの角部が露出する四角形状である
請求項2記載の搬送車。
【請求項4】
前記コントローラは、さらに、
前記走行駆動部を制御することで、前記走行台車を、前記前後方向に沿った姿勢のまま、前記前後方向に交差する斜め方向に移動させ、
前記走行台車が前記斜め方向に移動する場合、前記回転装置を制御することで、前記載置台を、前記平面視における対角が前記斜め方向に並ぶ平行移動姿勢にする
請求項1~3のいずれか一項に記載の搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、無人で物品を搬送する無人搬送車が開示されている。この無人搬送車は、例えば、ステーションに置かれた物品の下方で載置台を上昇させ、これにより、当該ステーションに置かれた物品を持ち上げ、その状態で走行する。これにより、載置台に載せた物品を、例えば他のステーションに搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の無人搬送車のように、物品を載置する載置台を備える搬送車は、走行中における物品の安定性を確保するため、載置する物品に対して大きな載置台を備えることが有利である。しかしながら、例えば、上記従来の技術のように、物品の下方の空間で停止して載置台の昇降動作を行う搬送車の場合、搬送車は物品を支持するステーションと干渉しない大きさにする必要がある。そのため、載置台を大型化することは困難である。また、載置台を大型化する場合、搬送車の走行路の幅も拡大する必要があり、このことは、例えば複数の物品の保管領域の減少という別の問題も生じさせる。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を考慮し、物品に対して比較的に小さな載置台によって、当該物品を安定して搬送することができる搬送車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するため、本発明の一態様に係る搬送車は、物品を搬送する搬送車であって、走行駆動部を有する走行台車と、前記物品が載せられる載置台であって、平面視で四角形状の載置台と、前記載置台を、上下方向の軸を中心に回転させる回転装置と、前記搬送車の動作を制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記載置台に前記物品が載せられる前に、前記回転装置を制御することで、前記載置台を、前記平面視における対角が、前記搬送車における前後方向に並ぶ搬送姿勢にし、前記載置台に前記物品を載せずに前記搬送車が走行する場合は、前記回転装置を制御することで、前記載置台を、前記平面視における前記載置台の対向する2辺が、前記搬送車における左右方向に並ぶ空荷姿勢にする。
【0007】
この構成によれば、物品が載置台に載せられる前に載置台が搬送姿勢にされる。これにより、載置台が、例えば平面視において前後方向が最大長さとなる姿勢で、物品が載置台に載せられ、その状態で、搬送車は前方または後方に向けて走行する。すなわち、搬送車の加速及び減速により物品に慣性が働く方向の載置台の長さを、載置台の最大長さとすることができる。そのため、平面視において、物品よりも小さな載置台であっても、当該物品を安定して搬送することができる。また、物品を載せていない場合は、載置台は空荷姿勢にされる。これにより、載置台が、例えば平面視において左右方向が最小長さとなる姿勢で搬送車が走行する。そのため、物品を搭載していない搬送車は、比較的に幅が狭い走行路を通過することができる。このように、本態様に係る搬送車によれば、物品に対して比較的に小さな載置台によって、当該物品を安定して搬送することができる。
【0008】
また、本発明の一態様に係る搬送車はさらに、前記載置台を昇降させる昇降装置を備え、前記コントローラは、さらに、前記走行駆動部を制御することで、前記載置台が前記空荷姿勢である状態の前記搬送車を前記物品の下方に移動させ、前記昇降装置を制御することで、前記物品の下方に位置し、かつ、前記搬送姿勢である前記載置台を上昇させて、前記載置台に前記物品を載せ、前記走行駆動部を制御することで、前記載置台に前記物品が載せられ、かつ、前記載置台が上昇された状態の前記搬送車を前記前後方向に移動させる、としてもよい。
【0009】
この構成によれば、例えば、搬送車は、物品の下方の空間に進入し、当該物品を下方から持ち上げて搬送することができる。そのため、例えば物品の載置場所である、複数の支持体を有するステーションの前後左右に、物品の受け渡しのためのスペースを設ける必要がない。また、昇降装置は、上下方向に直動するシャフト等によって載置台を昇降させることができる。そのため、例えば、物品の受け渡しのための構造の小型化が可能である。
【0010】
また、本発明の一態様に係る搬送車において、前記昇降装置は、昇降駆動部と、前記載置台の下方に配置され、前記昇降駆動部によって昇降する昇降台であって、前記載置台を前記回転装置による回転が可能な状態で支持する昇降台とを有し、前記昇降台は、前記平面視において、前記載置台が前記空荷姿勢である場合に前記載置台の範囲以内の大きさであり、かつ、前記載置台が前記搬送姿勢である場合に前記載置台の四辺から4つの角部が露出する四角形状である、としてもよい。
【0011】
この構成によれば、載置台が空荷姿勢である場合、昇降台は載置台からはみ出さない大きさ及び形状であるため、搬送車の走行中に昇降台が他の物体と干渉することはない。また、載置台が搬送姿勢である場合、平面視において載置台が存在しない位置に、昇降台の角部が露出する。そのため、昇降台の角部が、例えば、載置台に載せられた物品の転落防止のための部位として機能することができる。
【0012】
また、本発明の一態様に係る搬送車において、前記コントローラは、さらに、前記走行駆動部を制御することで、前記走行台車を、前記前後方向に沿った姿勢のまま、前記前後方向に交差する斜め方向に移動させ、前記走行台車が前記斜め方向に移動する場合、前記回転装置を制御することで、前記載置台を、前記平面視における対角が前記斜め方向に並ぶ平行移動姿勢にする、としてもよい。
【0013】
この構成によれば、載置台に物品を載せて走行する走行台車が、前後方向を向いたまま斜め方向に移動(平行移動)する場合、載置台の姿勢が、例えば搬送姿勢から、平面視において当該斜め方向が最大長さとなる姿勢である平行移動姿勢に切り替えられる。これにより、搬送車が斜め前方または後方に平行移動する場合であっても、載置台を、搬送車の加速及び減速により物品に慣性が働く方向の載置台の長さが、最大長さとなる姿勢にすることができる。つまり、搬送車が斜め前方または後方に平行移動する場合においても、比較的に小さな載置台によって物品を安定して搬送することができる。
【0014】
また、本発明は、上記いずれかの態様に係る搬送車が実行する特徴的な処理を含む搬送車の制御方法として実現することもできる。また、当該制御方法が含む各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現すること、および、そのプログラムが記録された記録媒体として実現することもできる。そして、そのプログラムをインターネット等の伝送媒体又はDVD等の記録媒体を介して配信することもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、物品に対して比較的に小さな載置台によって、当該物品を安定して搬送することができる搬送車を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施の形態に係る搬送車の構成概要を示す第1の斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る搬送車の構成概要を示す第1の平面図である。
【
図3】実施の形態に係る搬送車の構成概要を示す第2の斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る搬送車の構成概要を示す第2の平面図である。
【
図5】実施の形態に係るステーションの構成概要を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態に係るステーションに物品が載置された状態を示す斜視図である。
【
図7】実施の形態に係る搬送車が空荷状態でステーションに向かう状態を示す平面図である。
【
図8】実施の形態に係る搬送車がステーションに置かれた物品の下方に位置している状態を示す平面図である。
【
図9】
図8に対応するステーション及び搬送車の正面図である。
【
図10】実施の形態に係る搬送車が物品の下方で載置台を回転させた状態を示す平面図である。
【
図11】実施の形態に係る搬送車が物品を持ち上げた状態を示す正面図である。
【
図12】実施の形態に係る搬送車が、一列に並べられた複数の物品の下方を通過する状態を示す図である。
【
図13】走行台車が斜め方向に平行移動可能な場合における載置台の姿勢の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施の形態に係る搬送車システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、情報処理の内容及び順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態に係る構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0018】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0019】
(実施の形態)
[1.搬送車の構成概要]
まず、
図1~
図4を用いて、本発明の実施の形態における搬送車10の構成概要を説明する。
【0020】
図1は、実施の形態に係る搬送車10の構成概要を示す第1の斜視図である。
図2は、実施の形態に係る搬送車10の構成概要を示す第1の平面図である。
図3は、実施の形態に係る搬送車10の構成概要を示す第2の斜視図である。
図4は、実施の形態に係る搬送車10の構成概要を示す第2の平面図である。なお、
図1~
図4では、視認できない位置にある構成要素の一部または全部の外形が点線で模式的に示されている。また、点線で表された各構成要素の位置、形状、大きさは一例であり、これらの図によって限定されるものではない。これら補足事項は他の図においても適用される。また、
図4では、昇降台45と載置台60とを識別しやすいように、昇降台45にはドットが付されている。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態に係る搬送車10は、走行駆動部31を有する走行台車30と、物品が載置される載置台60と、載置台60を、上下方向の軸(回転軸A)を中心に回転させる回転装置70と、搬送車10を制御するコントローラ50とを備える。
【0022】
載置台60は、
図2に示すように、平面視(Z軸プラス側から見た場合)で四角形状である。なお、本実施の形態では、載置台60は平面視において正方形の外形を有しており、2組の対角を有している。具体的には、載置台60は、互いに対向する2つの角部61aと、互いに対向する2つの角部61bとを有している。なお、これら角部(61a、61b)は、平面視において直角を形成している必要はなく、丸みを帯びた形状、または、面取りされた形状であってもよい。
【0023】
走行駆動部31は、例えば電気モータを用いて、左右(Y軸方向)に並べられた2つのタイヤのそれぞれを回転駆動することで、搬送車10の前後方向への移動、及び、左右方向への進行方向の変更を行うことができる装置である。なお、本実施の形態では、搬送車10における前後方向は、搬送車10の車体(走行台車30)の前後を結ぶ方向であり、平面視で角丸の長方形状である走行台車30の長手方向と一致する。また、搬送車10を基準とする左右方向は前後方向に直交する方向である。例えば、
図2における左側が搬送車10の前方であり、右側が搬送車10の後方である。この場合、
図2における上側が搬送車10の右方であり、下側が搬送車10の左方である。つまり、
図1等の図においては、前後方向がX軸方向と一致し、上下方向はZ軸方向と一致し、左右方向はY軸方向と一致する。
【0024】
回転装置70は、例えば電気モータまたは油圧装置等の駆動力によって載置台60を回転させる装置である。つまり、回転装置70は、平面視における、載置台60の走行台車30に対する相対的な回転位置を変更することができる。本実施の形態では、回転装置70は、載置台60の平面視における中心を通る回転軸A(仮想軸)を中心に載置台60を回転させる。
【0025】
回転装置70は、
図3及び
図4に示すように、載置台60を、
図1及び
図2に示す初期の姿勢から45°回転させる。なお、
図3及び
図4では、回転装置70は、載置台60を反時計回りに45°回転させており、これにより、平面視における対角(2つの角部61a)が、前後方向に並ぶ姿勢となる。
【0026】
これら走行駆動部31及び回転装置70は、コントローラ50によって制御される。コントローラ50は、例えば、指揮系統において搬送車10の上位に位置するコンピュータ(上位コンピュータ)からの指示に応じて、走行駆動部31及び回転装置70等を制御することで物品の搬送を行う。コントローラ50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、メモリ等の記憶装置、および情報の入出力のためのインタフェース等を備えたコンピュータを有する。コントローラ50は、例えば、記憶装置に格納された所定のプログラムをCPUが実行することにより、走行駆動部31等の、物品の搬送のための装置の動作を制御する。コントローラ50による具体的な制御の例は、
図7~
図12を用いて後述する。
【0027】
また、搬送車10はさらに、コントローラ50に制御される、物品の搬送のための装置として、昇降装置40を備えている。本実施の形態では、昇降装置40は、載置台60を回転装置70による回転が可能な状態で支持する昇降台45と、昇降台45を昇降させる昇降駆動部41とを備える。
【0028】
昇降台45は、
図1及び
図2に示すように、平面視において、載置台60の範囲以内の大きさの四角形状である。本実施の形態では、昇降台45は載置台60と同じく、平面視において正方形の外形を有している。また、昇降台45には回転装置70が固定されており、昇降台45は、回転装置70とともに載置台60を昇降させることができる。つまり、昇降台45は回転装置70を介して載置台60を支持している。また、本実施の形態では、昇降台45は回転しないため、載置台60が初期の姿勢から45°回転された場合、
図4に示すように、平面視において、昇降台45の4つの角部(2つの角部46a及び2つの角部46b)が、載置台60から露出する。
【0029】
昇降駆動部41は、本実施の形態では、昇降台45を下方から支持するシャフト43と、シャフト43を上下方向に移動させる出退機構42とを有する。出退機構42は走行台車30に内蔵されており、走行台車30の上面から露出したシャフト43が出退機構42によって上下方向に移動する。これにより、昇降台45が昇降する。なお、出退機構42がシャフト43を上下させるための方式に特に限定はないが、例えば油圧駆動方式など、比較的に大きな力で昇降台45を押し上げることができる方式が採用される。
【0030】
また、本実施の形態では、四角形状の昇降台45の4つの角部(2つの角部46a及び2つの角部46b)に対応して配置された4つの昇降駆動部41が、走行台車30に備えられている。これら4つの昇降駆動部41は同期して動作するため、以下で1つの昇降駆動部41の動作等について説明する場合、その説明内容は、他の昇降駆動部41にも適用される。
【0031】
このように構成された搬送車10では、物品を運ばない状態(空荷状態)では、
図1及び
図2に示すように、載置台60は初期の姿勢であり、載置台60の高さ方向の位置も下限位置である。このとき、
図2に示すように、載置台60の左右方向(Y軸方向)の最大幅は、載置台60の一辺の長さと同じWbであり、走行台車30の車幅Waよりも小さい。そのため、走行台車30の幅よりも大きい幅の走行路であれば、搬送車10の通過は可能である。
【0032】
また、搬送車10が、物品を搬送する状態(搬送状態)では、
図3及び
図4に示すように、載置台60は対角(2つの角部61a)が前後方向(X軸方向)に並ぶ姿勢にされる。より詳細には、平面視における載置台60の対角線が前後方向に平行となる姿勢にされる。また、少なくとも、物品の受け渡しの際には、載置台60の高さ方向の位置は下限位置よりも高くされる。このとき、
図4に示すように、載置台60の左右方向(Y軸方向)及び前後方向(X軸方向)の最大幅は、載置台60の対角線の長さと同じWc(本実施の形態では、Wbの約1.4倍)である。これにより、搬送車10は、比較的に大きな物品を安定して搬送することができる。このように、搬送車10は、空荷状態と搬送状態とで、載置台60の姿勢を変更する。
【0033】
[2.ステーションの構成例]
上記のように構成された搬送車10が、物品を搬送する場合、空荷状態の搬送車10が物品の下方で停車し、載置台60を上昇させることで、載置台60に物品を載せる。つまり、本実施の形態では、物品は、下方に搬送車10が進入または通過可能な空間がある状態で、受け台(ステーション)に置かれている。このステーションの構成例について、
図5及び
図6を用いて説明する。
【0034】
図5は、実施の形態に係るステーション100の構成概要を示す斜視図である。
図6は、実施の形態に係るステーション100に物品120が載置された状態を示す斜視図である。
【0035】
本実施の形態に係るステーション100は、4つの支持体101を有する。支持体101は、例えば床面に固定された脚部102と、脚部102の上端に固定された支持面部103とを有する。これら4つの支持体101は、
図6に示すように、平面視で四角形状の物品120を下方から支持する。物品120の種類に特に限定はないが、例えば、
図6に示すように、パレット121及びパレット121に積載された複数の箱体125が、1つの物品120として扱われる。
【0036】
4つの支持体101の支持面部103の高さ方向の位置は、載置台60が下限位置にある状態(
図1参照)の搬送車10の車高(載置台60の上面の位置)よりも高い。また、4つの支持体101のうちの前後方向(X軸方向)及び左右方向(Y軸方向)で隣り合う2つの支持体101の脚部102の間の距離はWdであり、空荷状態の搬送車10の車幅(つまり、走行台車30の車幅)Waと、
図4に示す載置台60の横幅Wcとの関係は、Wa<Wd<Wcの関係となっている。つまり、搬送車10は、ステーション100に置かれた物品120の下方に位置することができる。なお、脚部102間の距離Wdは、空荷状態の搬送車10の車幅Waより大きければよく、例えば、搬送姿勢における載置台60の横幅Wcよりも大きくてもよい。
【0037】
また、
図5及び
図6には図示していないが、物品120の底面に接触する支持面部103は、当該底面のXY方向の位置を規制する凸部を有してもよい。これら凸部は、物品120がステーション100における正規の位置に置かれるように、物品120をガイドすることができる。
【0038】
このように、ステーション100では、複数の支持体101で物品120を支持することができ、かつ、物品120の下方と、当該下方の外部とを搬送車10が行き来できるように、複数の支持体101がレイアウトされている。本実施の形態では、搬送車10は、ステーション100に対し、4方向(前後方向及び左右方向)からステーション100の下方に進入することができる。
【0039】
[3.搬送車の動作例]
次に、
図7~
図12を用いて、実施の形態に係る搬送車10の動作例(コントローラ50の制御例)について説明する。
【0040】
図7は、実施の形態に係る搬送車10が空荷状態でステーション100に向かう状態を示す平面図である。
図8は、実施の形態に係る搬送車10がステーション100に置かれた物品120の下方に位置している状態を示す平面図である。
図9は、
図8に対応するステーション100及び搬送車10の正面図(X軸マイナス側から見た図)である。
図10は、実施の形態に係る搬送車10が物品120の下方で載置台60を回転させた状態を示す平面図である。
図11は、実施の形態に係る搬送車10が物品120を持ち上げた状態を示す正面図である。
図12は、実施の形態に係る搬送車10が、一列に並べられた複数の物品120の下方を通過する状態を示す図である。
【0041】
なお、
図7、
図8、及び
図10では、ステーション100の支持体101については、搬送車10との干渉が問題となる脚部102のみを点線の矩形で表している。また、
図10及び
図12では、昇降台45の図示は省略している。
【0042】
搬送車10は、例えば上位コンピュータからの指示により物品120の搬送を行う場合、
図7に示すように、コントローラ50が、走行駆動部31を制御することで、空荷状態の搬送車10を、物品120が置かれたステーション100に向かわせる。このとき、平面視における載置台60の姿勢は、対向する2つの辺62aが左右方向に並ぶ姿勢(空荷姿勢)である。載置台60が空荷姿勢である場合、上述のように、載置台60の左右方向の幅は走行台車30の車幅内に収まる。そのため、搬送車10は、比較的に狭い走行路を通過することができ、かつ、ステーション100の2つの脚部102の間を通過することができる。
【0043】
その後、搬送車10は、コントローラ50による走行駆動部31の制御により、2つの脚部102の間を通過して、
図8及び
図9に示すように、ステーション100に置かれた物品120の下方で停車する。なお、搬送車10は、例えば磁気誘導またはレーザー誘導等によって目的地に移動することができる。つまり、コントローラ50は、例えば、走行路に敷設された磁気誘導用の部材または発射したレーザー光の反射光等の検出結果に基づいて走行駆動部31を制御する。これにより、コントローラ50は、搬送車10を物品120の下方まで移動させて停車させることができる。このとき、平面視において載置台60の回転軸A(
図2参照)は、4つの支持体101で形成される四角形の領域の中心に略一致する。
【0044】
その後、載置台60に物品120が載せられる前に、コントローラ50は、回転装置70を制御することで、載置台60を、空荷姿勢から、平面視における対角(
図10における2つの角部61a)が、搬送車10の進行方向に平行な前後方向に並ぶ姿勢(搬送姿勢)に変更する。その結果、載置台60は、
図10に示す状態となる。このとき、載置台60の前後方向及び左右方向の長さはWc(
図4参照)であり、脚部102間の距離Wd(
図5参照)よりも大きい。
【0045】
コントローラ50は、載置台60を搬送姿勢にさせた後に、昇降装置40を制御することで、載置台60を上昇させる。その結果、
図11に示すように、物品120は載置台60載せられ、ステーション100から持ち上げられる。この時、載置台60は、ステーション100の4つの支持体101の上端よりも上方に位置する。従って、搬送車10は、この状態で前進または後退することで、載置台60と1以上の支持体101とを干渉させることなく、物品120を、ステーション100から持ち出すことができる。
【0046】
なお、搬送車10が物品120を受け取る場合において、載置台60の空荷姿勢から搬送姿勢への変更は、載置台60の上昇中に行われてもよい。このように、載置台60の回転と上昇または下降とを同時に行うことで、物品120の搬送の効率を向上させることができる。
【0047】
搬送車10は、上記一例の動作によって物品120をステーション100から持ち出した場合、例えば、載置台60によって物品120を持ち上げた状態で、他のステーション100に向かい、
図10に示されるような、平面視におけるステーション100の中央位置で停車する。その後、コントローラ50は、昇降装置40を制御することで、上昇した状態の載置台60を降下させ、その結果、当該他のステーション100に物品120が置かれる。なお、搬送車10は、載置台60に物品120を載せた状態で走行する場合、載置台60を下限までのいずれかの高さ位置まで降下させた状態で走行してもよい。つまり、載置台60に載せた物品120をステーション100に移載する場合、搬送車10がそのステーション100に到着するまでに、載置台60を、そのステーション100の1以上の支持体101と干渉しない位置まで上昇させればよい。このように、載置台60を低い位置にして物品120を搬送してもよく、これにより、搬送中における物品120の安定性または安全性がより向上する。
【0048】
上記のように他のステーション100に物品120が載せられた後、コントローラ50は、回転装置70を制御することで、搬送姿勢の載置台60を空荷姿勢に変更させる。これにより、搬送車10の車幅(Wc、
図4参照)は、2つの支持体101の間を通過可能なサイズ(Wa、
図2参照)となり、搬送車10は、2つの支持体101の間を通過して当該他のステーション100から離れる。
【0049】
また、本実施の形態では、搬送車10は、上記のように、ステーション100に置かれた物品120の下方の空間に進入することができる。そのため、搬送車10は、複数の物品120が並んで配置されている場合、ある物品120の下に潜り込んで他の物品120を持ち出すこともできる。
【0050】
例えば、
図12に示すように、X軸方向マイナス側から、ステーション100A、100B、100Cがこの順で並べられ、かつ、それぞれに、物品120A、物品120B、物品120Cが置かれている場合を想定する。この場合、搬送車10は、空荷姿勢の載置台60を下限位置まで降ろした状態で、物品120Aの下方に潜り込む。搬送車10はそのままの姿勢で、物品120Aの下方及び物品120Bの下方を通過し、物品120Cの下方で停車する。その後、搬送車10は、載置台60を搬送姿勢にし、かつ上昇させることで物品120Cをステーション100Cから持ち上げ、そのまま進行する。このように、搬送車10は、平面視において、複数のステーション100の内側の領域を通過して他のステーション100の物品120を持ち出すことができる。
【0051】
また、ステーション100A~100Cの全てに物品120が置かれていない場合を想定する。この場合、載置台60に物品120Cを載せた搬送車10は、平面視において、ステーション100A及び100Bの内側の領域を通過してステーション100Cに物品120Cを置くことができる。つまり、搬送車10は、平面視において、複数のステーション100の内側の領域を通過して他のステーションに物品120を置くことができる。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態に係る搬送車10は、物品120を搬送する搬送車10であって、走行駆動部31を有する走行台車30と、物品120が載せられる載置台60と、載置台60を、上下方向の軸を中心に回転させる回転装置70と、搬送車10の動作を制御するコントローラ50とを備える。載置台60は、平面視で四角形状である。コントローラ50は、載置台60に物品120が載せられる前に、回転装置70を制御することで、載置台60を、平面視において対向する2つの角部61aが、搬送車10の進行方向に平行な前後方向に並ぶ搬送姿勢する。コントローラ50は、載置台60に物品120を載せずに搬送車10が走行する場合は、回転装置70を制御することで、載置台60を、平面視における載置台60の対向する2つの辺62aが左右方向に並ぶ空荷姿勢にする。
【0053】
このように、本実施の形態に係る搬送車10では、物品120が載置台60に載せられる前に載置台60が搬送姿勢にされる。これにより、載置台60が、例えば平面視において前後方向が最大長さとなる姿勢で、物品120が載置台60に載せられ、その状態で、搬送車10は前方または後方に向けて走行する。すなわち、搬送車10の加速及び減速により物品120に慣性が働く方向の載置台60の長さを、載置台60の最大長さとすることができる。そのため、平面視において、物品120よりも小さな載置台60であっても、物品120が安定して搬送される。
【0054】
また、本実施の形態では、載置台60は平面視において正方形状であるため、載置台60が搬送姿勢である場合、載置台60の2組の対角のうちの一方の対角(2つの角部61a)は前後方向に並び、かつ、他方の対角(2つの角部61b)は左右方向に並ぶ。つまり、載置台60が搬送姿勢である場合、載置台60の前後方向の幅だけでなく、左右方向の幅も最大長さとなる。そのため、搬送車10がカーブを曲がる場合等において、載置台60上の物品120に左右方向の慣性が働いた場合であっても、物品120の安定性が確保される。
【0055】
また、搬送車10では、物品120を載せていない場合は、載置台60が空荷姿勢にされる。これにより、載置台60が、例えば平面視において左右方向が最小長さとなる姿勢で搬送車10が走行する。そのため、物品120を搭載していない搬送車10は、比較的に幅が狭い走行路を通過することができる。このように、本実施の形態に係る搬送車10によれば、平面視で四角形状の載置台60の回転位置を切り替えることで、載置台60に対して大きな物品120の安定的な搬送と、物品120を搬送していないときの車幅の小型化とを両立させている。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態に係る搬送車10によれば、物品120に対して比較的に小さな載置台60によって、物品120を安定して搬送することができる。
【0057】
なお、空荷状態の搬送車10の車幅が、搬送状態の搬送車10の車幅よりも小さいため、搬送車10が物品120を搬送する場合に走行する走行路とは別に、空荷用の走行路を設けることも可能である。これにより、例えば複数の搬送車10を用いて複数の物品120の搬送作業を行う場合、搬送状態の1以上の搬送車10と、空荷状態の1以上の搬送車10との走行路を分けることができ、その結果、搬送作業の効率を向上させることができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る搬送車10は、載置台60を昇降させる昇降装置40を備えている。コントローラ50は、走行駆動部31を制御することで、載置台60が空荷姿勢である状態の搬送車10を物品120の下方に移動させる。コントローラ50は、昇降装置40を制御することで、物品120の下方に位置し、かつ、搬送姿勢である載置台60を上昇させて、載置台60に物品120を載せる。コントローラ50は、走行駆動部31を制御することで、載置台60に物品120が載せられ、かつ、載置台60が上昇された状態の搬送車10を前後方向に移動させる。
【0059】
このように、本実施の形態に係る搬送車10は、物品120の下方の空間に進入し、物品120を下方から持ち上げて搬送することができる。そのため、例えば物品120の載置場所である、複数の支持体101を有するステーション100の前後左右に、物品120の受け渡しのためのスペースを設ける必要がない。また、昇降装置40は、上下方向に直動するシャフト等によって載置台60を昇降させることができる。そのため、例えば、物品120の受け渡しのための構造の小型化が可能である。また、昇降装置40が、物品120を載せた状態の載置台60の安定化に寄与することもできる。
【0060】
また、本実施の形態では、昇降装置40は、昇降駆動部41と、載置台60の下方に配置され、昇降駆動部41によって昇降する昇降台45であって、載置台60を回転装置70による回転が可能な状態で支持する昇降台45とを有する。昇降台45は、平面視において、載置台60が空荷姿勢である場合に載置台60の範囲以内の大きさであり、かつ、載置台60が搬送姿勢である場合に載置台60の四辺(2つの辺62a及び2つの辺62b、
図2参照)から4つの角部(2つの角部46a及び2つの角部46b、
図4参照)が露出する四角形状である。
【0061】
この構成によれば、載置台60が空荷姿勢である場合、昇降台45は載置台60からはみ出さない大きさ及び形状であるため、搬送車10の走行中に昇降台45が他の物体と干渉することはない。また、載置台60が搬送姿勢である場合、平面視において載置台60が存在しない位置に、昇降台45の角部46a及び46bが露出する。そのため、昇降台45の角部46a及び46bが、例えば、載置台60に載せられた物品120の転落防止のための部位として機能することができる。
【0062】
(他の実施の形態)
以上、本発明に係る搬送車について、実施の形態及に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0063】
例えば、載置台60は、平面視において正方形(角丸である場合、または、角が面取りされている場合も含む)としたが、載置台60の平面視形状は他の形状であってもよい。例えば、載置台の平面視形状は、ひし形または長方形であってもよい。例えば、載置台60が、平面視において長方形である場合、長手方向を前後方向に平行にすることで空荷姿勢にし、対角線を前後方向に平行にすることで搬送姿勢にしてもよい。また、載置台60が、平面視においてひし形である場合、平行な2辺を前後方向に平行な姿勢にすることで空荷姿勢にし、2つの対角線のうちの長い方を前後方向に平行にすることで搬送姿勢にしてもよい。いずれの場合であっても、搬送姿勢において、載置台60の前後方向の長さを最大にし、かつ、空荷姿勢において、載置台60の左右方向の長さを最小にすることができる。なお、搬送時における載置台60上の物品120の左右のバランスを考慮すると、載置台60の平面視形状は、正方形またはひし形であることが好ましい。
【0064】
また、載置台60の空荷姿勢は、例えば
図2に示す姿勢と完全に一致する必要はない。例えば、載置台60の姿勢が、例えば
図2に示す姿勢からずれている場合であっても、平面視において、載置台60が走行台車30の範囲内に収まっていれば、搬送車10の走行中に、載置台60と他の物体とを干渉させないことができる。
【0065】
また、載置台60の搬送姿勢は、例えば
図4に示す姿勢と完全に一致する必要はない。載置台60の姿勢が、例えば
図4に示す姿勢からずれている状態であっても、平面視において、載置台60の前後方向の長さは空荷姿勢の場合よりも長くなる。これにより、搬送車10が物品120を搬送する際の物品120の安定性は向上する。
【0066】
また、搬送車10が直進する場合の進行方向は、平面視で角丸の長方形状である走行台車30の長手方向と一致していなくてもよい。例えば当該進行方向が走行台車30の短手方向と一致していてもよい。この場合、走行台車30の短手方向が前後方向である。
【0067】
また、例えば、走行台車30が有する駆動輪及び非駆動輪の全てが転舵可能である場合など、走行台車30が、前後方向を向いた姿勢(例えば長手方向が前後方向に平行な姿勢)で、前後方向に対して斜めの方向に移動可能な場合を想定する。つまり、走行台車30が斜め方向に平行移動可能な場合を想定する。この場合、コントローラ50は、その移動の向きに合わせて、載置台60を回転させてもよい。
【0068】
図13は、走行台車30が斜め方向に平行移動可能な場合における載置台60の姿勢の一例を示す図である。なお、
図13では、搬送車10の状態を明確にするために、物品120はその外形が点線の矩形で表されており、移動後の搬送車10の各構成要素も点線で表されている。また、昇降台45にはドットが付されている。
【0069】
図13に示すように、コントローラ50は、走行駆動部31を制御することで、走行台車30を、前後方向に沿った姿勢のまま、前後方向に交差する斜め方向に移動させてもよい。また、コントローラ50は、走行台車30が当該斜め方向に移動する場合、回転装置70を制御することで、載置台60を、平面視において対向する2つの角部61aが当該斜め方向に並ぶ平行移動姿勢にしてもよい。
【0070】
つまり、載置台60に物品120を載せて走行する走行台車30が、前後方向を向いたまま斜め方向に移動(平行移動)する場合、載置台60の姿勢が、例えば搬送姿勢から、平面視において当該斜め方向が最大長さとなる姿勢である平行移動姿勢に切り替えられる。これにより、搬送車10が斜め前方または後方に平行移動する場合であっても、載置台60を、搬送車10の加速及び減速により物品120に慣性が働く方向の載置台60の長さが、最大長さとなる姿勢にすることができる。つまり、搬送車10が斜め前方または後方に平行移動する場合においても、比較的に小さな載置台60によって物品120を安定的に搬送することができる。
【0071】
また、回転装置70は、昇降台45に固定されるとしたが、載置台60を回転させる回転装置は、例えば、走行台車30に固定されてもよい。回転装置が走行台車30に固定される場合、例えば、昇降台45の中央に設けられた貫通孔に軸体を貫通させて軸体の先端に載置台60を固定する。また、当該軸体を、回転装置による回転駆動力によって回転軸A回りに回転し、かつ、昇降台45に支持される載置台60の昇降に伴って上下または伸縮するように構成する。これにより、走行台車30に固定された回転装置によって載置台60を回転させることが可能である。
【0072】
また、走行台車30に固定された昇降装置が回転装置としての機能を備えてもよい。例えば、昇降装置が、上下方向に移動し、かつ、回転軸A回りに回転する軸体を備えている場合、軸体の先端に載置台60を固定する。これにより、載置台60の空荷姿勢と搬送姿勢との間の切り替え、及び、物品120の受け渡しの際の載置台60の昇降が、1つの装置で実行される。また、この場合、昇降台45は不要である。
【0073】
また、搬送車10が昇降装置40を備えることは必須ではない。例えば、ステーション100が、物品120の移載装置を備える場合、移載装置よって、ステーション100と搬送車10の載置台60との間の物品120の受け渡しが行われてもよい。
【0074】
また、ステーション100が4つの支持体101を備えることは必須ではない。例えば、物品120の底面に載置台60が当接可能な空間を開けた状態で物品120を支持する、片持ち式の一対の腕部を有する1つの支持体のみがステーション100に備えられてもよい。
【0075】
また、搬送車10の動作を制御するコントローラ50は、搬送車10とともに移動する必要はない。例えば、無線信号により走行駆動部31等を制御する機能を有するコントローラ50が、搬送車10が走行する領域内に固定されたコンピュータによって実現されてもよい。すなわち、搬送車10において、走行台車30及び走行台車30とともに移動する載置台60等の移動部と、移動部を遠隔で制御する制御部(コントローラ50)とが、分離されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明に係る搬送車は、物品に対して比較的に小さな載置台によって、当該物品を安定して搬送することができる搬送車である。従って、工場および物流倉庫等で物品の搬送を行う搬送車として有用である。
【符号の説明】
【0077】
10 搬送車
30 走行台車
31 走行駆動部
40 昇降装置
41 昇降駆動部
42 出退機構
43 シャフト
45 昇降台
46a、46b、61a、61b 角部
50 コントローラ
60 載置台
62a、62b 辺
70 回転装置
100、100A、100B、100C ステーション
101 支持体
102 脚部
103 支持面部
120、120A、120B、120C 物品
121 パレット
125 箱体