(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】アイドリングストップ機能を備える船外機
(51)【国際特許分類】
B63H 20/00 20060101AFI20221109BHJP
F02D 29/02 20060101ALI20221109BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B63H20/00 803
F02D29/02 321A
F02D45/00
(21)【出願番号】P 2018229281
(22)【出願日】2018-12-06
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】吉川 幸宏
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0061705(US,A1)
【文献】特開2015-071341(JP,A)
【文献】特開2004-092623(JP,A)
【文献】特開2013-199851(JP,A)
【文献】特開2010-228530(JP,A)
【文献】特開2012-092774(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0112991(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63H 20/00-20/36,21/21
F02D 29/00-29/06,43/00-45/00
H02K 7/00- 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンを始動する電気式の始動装置と、
前記電気式の始動装置の動力源であ
って、船外機のエンジンルーム内に配置されたキャパシタと、
アイドリングストップした後の再始動時に、操船者が直接操作する操作部に連動して前記キャパシタからの電力により前記電気式の始動装置を起動させる再始動スイッチを有する再始動回路と、
前記操作部として、シフトを切替えるためのシフトレバーと、
前記再始動回路を有効にするアイドリングストップモードに切替えるための切替スイッチと、
アイドリングストップモードの場合にアイドリングストップへの移行を制御する制御部と、を有するアイドリングストップ機能を備える船外機であって、
前記再始動スイッチは、前記シフトレバーの動作に連動して前記電気式の始動装置を起動させ、
更に、
エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、
前記回転数検出手段により検出されたエンジン回転数が所定の回転数よりも大きい場合に前記キャパシタから前記電気式の始動装置への通電を遮断する遮断スイッチと、を有することを特徴とする船外機。
【請求項2】
前記再始動スイッチは、前記シフトレバーの動作に応じてシフト装置のクラッチがニュートラル位置から前進ギアまたは後進ギアに係合する係合位置まで移動するときの移動範囲の途中で前記電気式の始動装置を起動させることを特徴とする請求項
1に記載の船外機。
【請求項3】
スロットル開度を検出する開度検出手段を有し、
前記制御部は、
アイドリングストップした後に前記再始動スイッチが操作された場合であっても、前記開度検出手段により検出されたスロットル開度が所定の開度よりも大きい場合には再始動しないように制御することを特徴とする請求項1
または2に記載の船外機。
【請求項4】
手動式の始動装置と、
前記エンジンの運転により発電される電力のみで駆動するエンジン補機と、を備え、
前記エンジン補機は、前記制御部、点火装置および燃料供給装置を含むことを特徴とする請求項1ないし
3の何れか1項に記載の船外機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイドリングストップ機能を備える船外機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小型の船外機にはバッテリを備えていないバッテリレス船外機が存在する。特許文献1には、バッテリを備えずエンジンの駆動により発電された電力によりエンジン補機を駆動させる船外機が開示されている。
近年、環境意識の高まりによりバッテリレス船外機にもアイドリングストップ機能を備えて欲しいというニーズが高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッテリレス船外機にアイドリングストップ機能を備えるには、スタータモータやエンジン制御装置を駆動するための外部電源が必要になってしまう。したがって、船外機に外部電源を備えると船外機が大型化してしまうという問題がある。
また、例えば、船外機を搭載した船舶で釣漁を行う場合、船舶を潮の流れに乗せて移動させながら釣るような流し釣漁を行うことがある。このような流し釣漁を行うときにはアイドリングストップ機能が繰り返し実行させることから簡単な操作で再始動できることが求められる。また、流し釣漁を行うときにエンジンの停止状態から運転状態に移行させる場合には、船体の姿勢を制御するために低負荷の推進力で前進あるいは後進させるだけでよく、このような低負荷の推進力を実現できる操作で再始動できることが望ましい。
【0005】
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、アイドリングストップ機能を備える場合であっても船外機を小型化できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る船外機は、エンジンを始動する電気式の始動装置と、前記電気式の始動装置の動力源であって、船外機のエンジンルーム内に配置されたキャパシタと、アイドリングストップした後の再始動時に、操船者が直接操作する操作部に連動して前記キャパシタからの電力により前記電気式の始動装置を起動させる再始動スイッチを有する再始動回路と、前記操作部として、シフトを切替えるためのシフトレバーと、前記再始動回路を有効にするアイドリングストップモードに切替えるための切替スイッチと、アイドリングストップモードの場合にアイドリングストップへの移行を制御する制御部と、を有するアイドリングストップ機能を備える船外機であって、前記再始動スイッチは、前記シフトレバーの動作に連動して前記電気式の始動装置を起動させ、更に、エンジン回転数を検出する回転数検出手段と、前記回転数検出手段により検出されたエンジン回転数が所定の回転数よりも大きい場合に前記キャパシタから前記電気式の始動装置への通電を遮断する遮断スイッチと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アイドリングストップ機能を備える場合であっても船外機を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】操舵ハンドルの構成の一例を示す右側面図である。
【
図3】前側から見た船外機本体の構成の一例を示す図である。
【
図4】ギアケース内の構成の一例を示す断面図である。
【
図6】船外機の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る実施形態は、エンジン18を始動するスタータモータ54と、スタータモータ54の動力源であるキャパシタ55と、アイドリングストップした後の再始動時に、操船者が直接操作するシフトレバー36に連動してキャパシタ55からの電力によりスタータモータ54を起動させる第2始動スイッチ59を有する再始動回路と、再始動回路を有効にするアイドリングストップモードに切替えるための切替スイッチ32と、アイドリングストップモードの場合にアイドリングストップへの移行を制御するエンジン制御装置50と、を有し、キャパシタ55は、船外機10のエンジンルーム17a内に配置される。
本実施形態の船外機10によれば、スタータモータ54の動力源であるキャパシタ55を船外機10のエンジンルーム17a内に配置したことにより、アイドリングストップ機能を備える場合であっても船外機10を小型化することができる。
【0010】
(実施例)
以下、添付図面を参照して、本実施形態に係る実施例について説明する。
図1は、船外機10の構成を示す左側面図である。なお、
図1を含む以下の図面には必要に応じて、船外機10が船体1に取り付けられた状態を基準として、前側を矢印「前」で示し、その逆を後側とする。また、左側を矢印「左」で示し、その逆を右側とする。また、船外機10の上側を矢印「上」で示し、その逆を下側とする。なお、前側とは、船体1が進行する方向と同じ方向とする。
【0011】
図1に示すように、船外機10は船体1のトランサムボード2に対して取り付けられる。船外機10は、左右一対のクランプブラケット11と、クランプブラケット11に対して上下方向にチルト可能なスイベルブラケット12と、船外機本体13とを備える。クランプブラケット11は、トランサムボード2の上端部に固定される。スイベルブラケット12は、上下方向に沿った円筒状の本体部14と、本体部14の上端部から前方に向かって延出される回動部15とを有する。回動部15はチルト軸16を介してクランプブラケット11に軸支される。したがって、船外機本体13はスイベルブラケット12を介してチルト軸16を中心に上下方向にチルトアップ可能である。
【0012】
船外機本体13の上部には、エンジンカバー17内に内燃機関としてバーティカル型のエンジン18が収容される。エンジンカバー17内はエンジンルーム17aとして構成される。エンジン18は下側に配置されたエンジンホルダ19によって保持される。エンジン18の上側には発電機20が配置され、更に発電機20の上側にはリコイルスタータ装置21が配設される。リコイルスタータ装置21は手動式の始動装置の一例である。また、エンジンホルダ19の下側にはドライブシャフトハウジング22が結合される。ドライブシャフトハウジング22は、スイベルブラケット12の本体部14を貫通するように下方向に向かって延設される。スイベルブラケット12の本体部14は、図示しない軸受けを介してドライブシャフトハウジング22を水平方向に回動可能に支持する。
【0013】
ドライブシャフトハウジング22内にはエンジン18から下側に延出するドライブシャフト23が収容される。ドライブシャフトハウジング22の下側にはギアケース24が結合される。ギアケース24には、ベベルギア25、前進ギア26、後進ギア27、プロペラシャフト28、シフト装置等が配設され、ドライブシャフト23の回転をプロペラシャフト28に伝達する。プロペラシャフト28の後端には、プロペラシャフト28と同期して回転するプロペラ29が結合される。
【0014】
また、エンジンホルダ19あるいはドライブシャフトハウジング22には、ハンドルブラケットを介して操舵ハンドル30が取り付けられる。操舵ハンドル30は、前後方向に沿って延出する略バー状である。操船者が操舵ハンドル30を水平方向に旋回することで、ドライブシャフトハウジング22が同方向に旋回し、船外機本体13の操舵角が変更される。
【0015】
図2は、操舵ハンドル30の構成を示す右側面図である。
操舵ハンドル30は、前端にスロットルグリップ31を有する。スロットルグリップ31は、軸線回りに回転可能である。操船者がスロットルグリップ31を回転させることでエンジン18に対する出力の増減を指示することができる。
また、操舵ハンドル30は、スロットルグリップ31に近接した位置であってスロットルグリップ31よりも後側に切替スイッチ32を有する。切替スイッチ32は、アイドリングストップ機能を有効にするアイドリングストップモードと、アイドリングストップ機能を無効にする通常モードとの何れかのモードに設定可能なスイッチである。
【0016】
また、操舵ハンドル30は、スロットルグリップ31および切替スイッチ32に近接した位置であって切替スイッチ32よりも後側に停止スイッチ33を有する。停止スイッチ33はエンジン18の駆動を停止させるためのスイッチである。本実施例の停止スイッチ33は、操船者と繋げられ操船者が船外機本体13から一定距離、離れることでオンになるエマージェンシースイッチを用いている。ただし、停止スイッチ33は操船者が押下することでエンジン18の駆動の停止を指示するスイッチであってもよい。
【0017】
図3は、前側から見た船外機本体13の構成を示す図である。
船外機本体13は、エンジンカバー17の前面から露出する第1始動スイッチ(始動スイッチ)35を有する。第1始動スイッチ35は完全に停止しているエンジン18を始動させるためのスイッチである。
また、船外機本体13は、左右方向の中心に対して左側に偏った位置に上述した操舵ハンドル30が配置され、右側に偏った位置にシフトレバー36が配置される。本実施例では、操舵ハンドル30とシフトレバー36とが略左右対称な位置に配置される。シフトレバー36はシフトの切替えを指示するためのレバーである。本実施例のシフトレバー36は、ニュートラル位置(中立位置)から上下の一方に移動させることでフォワードを指示することができ、ニュートラル位置から上下の他方に移動させることでリバースを指示することができる。シフトレバー36は操船者によって直接操作される操作部の一例である。
【0018】
シフトレバー36は下側に向かって延びるシフトロッド37が接続される(
図1を参照)。シフトロッド37はドライブシャフト23の前側に位置し、ギアケース24内に到るまで延出する。なお、シフトレバー36とシフトロッド37との間には図示しない変換部が設けられる。変換部はシフトレバー36のニュートラル位置から上下への移動を、シフトロッド37の軸線回りの左右の回転に変換する。
【0019】
図4は、ギアケース24内の構成を示す断面図である。
ギアケース24内には前進ギア26および後進ギア27が、プロペラシャフト28と同心かつ遊嵌状態でそれぞれ回転可能に支持される。前進ギア26は後端に被係合部26aを有し、後進ギア27は前端に被係合部27aを有する。前進ギア26および後進ギア27は、ドライブシャフト23の下端に固定されたベベルギア25と常時噛合する。
プロペラシャフト28には一体で回転するドッグラッチ41が設けられる。ドッグラッチ41はシフト装置の一部を構成するクラッチの一例である。ドッグラッチ41は概略中空円筒状を呈し、プロペラシャフト28に対してその軸方向に沿って所定ストロークスライド可能である。ドッグラッチ41は前進ギア26と後進ギア27との間に位置する。ドッグラッチ41は前端に係合部41aを有し、後端に係合部41bを有する。ドッグラッチ41が
図4に示すニュートラル位置から前側にスライドして前側の係合位置まで到達することで、ドッグラッチ41の係合部41aが前進ギア26の被係合部26aに係合する。この場合にはドッグラッチ41が前進ギア26と一体で回転する。一方、ドッグラッチ41が
図4に示すニュートラル位置から後側にスライドして後側の係合位置まで到達することで、ドッグラッチ41の係合部41bが後進ギア27の被係合部27aに係合する。この場合にはドッグラッチ41が後進ギア27と一体で回転する。
【0020】
また、シフトロッド37の下端部には、カムとしての図示しないシフトヨークが一体的に突設されている。シフトロッド37は、シフトヨークを介してプロペラシャフト28と同軸方向に配置されたシフトスライダ42に係合している。シフトロッド37が軸回りに左右に回転することで、シフトヨークがシフトスライダ42を押圧し、シフトスライダ42は前後にスライドする。シフトスライダ42は、プロペラシャフト28内を軸方向に貫通して配置されたコネクタロッド43と、直交する方向に配置された係止ピン44とを介して、ドッグラッチ41に連結されている。
【0021】
したがって、操船者がシフトレバー36をニュートラル位置から上下の一方に移動させるように操作すると、変換部によってシフトロッド37が左右の何れかに回転するように変換され、シフトスライダ42が前後の何れかにスライドする。
シフトスライダ42が後側にスライドする場合にはドッグラッチ41が後進ギア27に係合し、ドライブシャフト23の回転は、ベベルギア25、後進ギア27およびドッグラッチ41を介してプロペラシャフト28の後進する方向の回転に伝達される。
一方、シフトスライダ42が前側にスライドする場合にはドッグラッチ41が前進ギア26に係合し、ドライブシャフト23の回転は、ベベルギア25、前進ギア26およびドッグラッチ41を介してプロペラシャフト28の前進する方向の回転に伝達される。
したがって、シフトレバー36の操作によりプロペラ29が前進する方向または後進する方向への回転にシフトが切替えられる。
【0022】
次に、本実施例の船外機10における回路構成について
図5を参照して説明する。
図5は、船外機10の回路構成を示す図である。なお、上述した構成部品と同一である場合には同一符号を付している。本実施例の船外機10は、エンジン18が完全に停止しているときはもとより、アイドリングストップしているときでも後述するエンジン制御装置50を始めとするエンジン補機に電力を供給するためのバッテリを備えていない、いわゆるバッテリレス船外機である。
【0023】
図5に示すように、船外機10は、エンジン制御装置50、発電機20、レギュレータ・レクチファイア51、クランク角センサ52、スロットル開度センサ53を備える。
エンジン制御装置50は、例えばECM(エンジンコントロールモジュール)であって、船外機10のエンジン18を制御する。具体的に、エンジン制御装置50は操船者の所望する運転状態になるように操船者の指示あるいは自らの判断に基づいて、点火装置、燃料噴射装置、スロットルボディ等を制御する。
また、本実施例のエンジン制御装置50は、切替スイッチ32によりアイドリングストップモードが設定されている場合に、エンジン18を一時的に停止するアイドリングストップへの移行を制御する。すなわち、エンジン制御装置50は、アイドリングストップへ移行するときの条件を満たしているか否かを判定して、条件を満たしている場合に各構成部品をアイドリングストップへ移行するように制御する。エンジン制御装置50は制御部の一例である。
【0024】
発電機20は、エンジン18のクランクシャフトに連結され、クランクシャフトが回転することにより発電する。発電機20はエンジン18が運転している場合にエンジン制御装置50に電力を供給し、エンジン18が停止している場合には発電しない。したがって、エンジン18が停止している場合にはエンジン制御装置50に電力が供給されない。
レギュレータ・レクチファイア51は発電機20により発電された電力を直流への整流を行うと共に電圧調整を行う。
【0025】
クランク角センサ52はエンジン18のエンジン回転数を検出する。クランク角センサ52は回転数検出手段の一例である。クランク角センサ52は検出したエンジン回転数の情報をエンジン制御装置50に送信する。エンジン制御装置50はエンジン回転数の情報を受信することで目標のエンジン回転数になるように制御する。クランク角センサ52は発電機20から電力が供給されることで動作する。
【0026】
スロットル開度センサ53はスロットルボディに配置されたスロットルバルブのスロットル開度を検出する。スロットル開度センサ53は開度検出手段の一例である。スロットル開度センサ53は検出したスロットル開度の情報をエンジン制御装置50に送信する。エンジン制御装置50はスロットル開度の情報を受信することで目標の吸気量になるように制御する。スロットル開度センサ53は発電機20から電力が供給されることで動作する。
【0027】
停止スイッチ33はオンの信号をエンジン制御装置50に送信する。エンジン制御装置50は停止スイッチ33からの信号を受信することで、点火装置による点火および燃料噴射装置による燃料噴射を停止させるように制御する。したがって、停止スイッチ33がオンされることでエンジン18が停止する。エンジン18が停止すると上述したように、発電機20が発電しないためにエンジン制御装置50への電力の供給も停止する。
【0028】
また、船外機10は、スタータモータ54、キャパシタ55、スタータリレー56、遮断リレー57、第1始動スイッチ35、ニュートラルスイッチ58、第2始動スイッチ59、切替スイッチ32を有する。
スタータモータ54は、停止しているエンジン18を始動する。スタータモータ54は電気式の始動装置の一例である。スタータモータ54はエンジン18のクランクシャフトを強制的に回転させる。本実施例の船外機10は電力を供給するバッテリを備えていないために、スタータモータ54がクランクシャフトを回転させることで発電された電力がエンジン制御装置50、点火装置および燃料噴射装置等に供給されることでエンジン18が始動する。なお、スタータモータ54は、エンジン18が完全に停止している状態から始動する場合と、一時的に停止しているアイドリングストップから始動する場合に用いられる。
【0029】
キャパシタ55は、スタータモータ54に接続され、スタータモータ54を起動する動力源として機能する。キャパシタ55は発電機20により発電された電力により充電される。ここで、キャパシタ55は、エンジン制御装置50を始めとするエンジン補機を駆動する動力源として用いず、スタータモータ54を起動する電力を供給するだけに用いるために、小さい蓄電容量であって小型なものである。キャパシタ55は、薄いフィルム状の箔を積層して形成されることから、形状の自由度が大きい。
このようにキャパシタ55は小型であるために、エンジンカバー17により囲まれたエンジンルーム17a内に配置される。具体的には、
図1に示すように側方から見て、キャパシタ55はエンジン18と重なり合うようにエンジンルーム17a内に配置される。更に、
図3に示すように前方から見て、キャパシタ55はエンジンカバー17の内面に沿った形状に形成される。
【0030】
スタータリレー56および遮断リレー57は、スタータモータ54とキャパシタ55との間に電気的に接続される。
スタータリレー56は、コイル56aと常開(ノーマルオープン)のスイッチ56bとを有する。スタータリレー56は、スイッチ56bがスタータモータ54とキャパシタ55との間のキャパシタ55側で直列に接続されるように配置される。
遮断リレー57はコイル57aと、常閉(ノーマルクローズ)のスイッチ57bとを有する。遮断リレー57は、スイッチ57bがスタータモータ54とキャパシタ55との間のスタータモータ54側で直列に接続されるように配置される。遮断リレー57のスイッチ57bは遮断スイッチの一例である。
【0031】
ここで、スタータリレー56のスイッチ56bが常開であり、遮断リレー57のスイッチ57bが常閉であることから、スタータリレー56のコイル56aに電流が流れることでスイッチ56bが閉成してキャパシタ55からスタータモータ54まで通電される。したがって、キャパシタ55からスタータモータ54に電力が供給され、スタータモータ54が起動する。一方、遮断リレー57のコイル57aは、エンジン制御装置50に接続されている。したがって、エンジン制御装置50から遮断リレー57のコイル57aに電流が流れることでスイッチ57bが開成され、キャパシタ55からスタータモータ54まで通電が遮断される。
【0032】
第1始動スイッチ35は、完全に停止しているエンジン18を操船者が始動させるときに操作することで閉成する(オンになる)。
ニュートラルスイッチ58は、シフトレバー36がニュートラル位置の場合に閉成する。
第1始動スイッチ35およびニュートラルスイッチ58は第1の回路に直列に配置される。ここで、第1の回路とは、キャパシタ55から分岐点A、分岐点B、切替スイッチ32、ニュートラルスイッチ58、第1始動スイッチ35、分岐点C、スタータリレー56のコイル56a、分岐点Dを経由してアース60に到るまでの回路をいう。
【0033】
第2始動スイッチ59は、アイドリングストップしているエンジン18を操船者が再始動させるときに操作することで閉成する(オンになる)。第2始動スイッチ59は再始動スイッチの一例である。第2始動スイッチ59は、操船者が直接操作する操作部としてのシフトレバー36の動作に連動する。具体的に、第2始動スイッチ59は、シフトレバー36がニュートラル位置からフォワードあるいはリバースにシフトが切替えられる途中で閉成する。より詳しくは、第2始動スイッチ59は、シフトレバー36が操作されることでドッグラッチ41がニュートラル位置から係合位置まで移動するときの移動範囲の途中で閉成する。すなわちドッグラッチ41がシフトレバー36の動作に伴ってニュートラル位置からスライドして、係合部41aが前進ギア26の被係合部26aに係合する前、または、係合部41bが後進ギア27の被係合部27aに係合する前に第2始動スイッチ59が閉成する。
なお、第2始動スイッチ59はシフトレバー36が完全にフォワードあるいはリバースにシフトが切替えられることで再び開成する。より詳しくは、第2始動スイッチ59はドッグラッチ41が係合位置まで完全に移動した場合には再び開成する。
例えば、シフトレバー36の動作に連動するカムが、シフトレバー36が移動する途中で第2始動スイッチ59をオンするような構造にすることで実現できる。
第2始動スイッチ59は第2の回路に直列に配置される。第2の回路は再始動回路の一例である。ここで、第2の回路とは、キャパシタ55から分岐点A、分岐点B、切替スイッチ32、第2始動スイッチ59、分岐点C、スタータリレー56のコイル56a、分岐点Dを経由してアース60に到るまでの回路をいう。
【0034】
切替スイッチ32は、第1の回路または第2の回路の何れかを有効にするために第1の回路または第2の回路の何れかに接続される。
具体的には、操船者が切替スイッチ32を通常モードに切替えた場合には切替スイッチ32は第1の回路中の接点Eに接続される。一方、操船者が切替スイッチ32をアイドリングストップモードに切替えた場合には切替スイッチ32は第2の回路中の接点Fに接続されると共に、エンジン制御装置50に直接繋がる回路中の接点Gにも接続される。
ここで、切替スイッチ32が通常モードの場合(切替スイッチ32が第1の回路に接続されている場合)であって、エンジン18が完全に停止している場合を想定する。この場合、操船者が第1始動スイッチ35を操作することでキャパシタ55から第1の回路を経由してスタータリレー56のコイル56aに電流が流れる。コイル56aに電流が流れることでスタータリレー56のスイッチ56bが閉成し、キャパシタ55からスタータモータ54に電力が供給されてスタータモータ54が起動する。なお、切替スイッチ32が通常モードの場合には、シフトレバー36を操作して第2始動スイッチ59を閉成しても、第2の回路は切替スイッチ32により切断されていることから、コイル56aに電流が流れず、スタータモータ54は起動しない。
【0035】
一方、切替スイッチ32がアイドリングストップモードの場合(切替スイッチ32が第2の回路に接続されている場合)であって、アイドリングストップしている場合を想定する。この場合、操船者がシフトレバー36をニュートラル位置から操作して第2始動スイッチ59を閉成することで、キャパシタ55から第2の回路を経由してスタータリレー56のコイル56aに電流が流れる。コイル56aに電流が流れることでスタータリレー56のスイッチ56bが閉成し、キャパシタ55からスタータモータ54に電力が供給されてスタータモータ54が起動する。なお、切替スイッチ32がアイドリングストップモードの場合には、第1始動スイッチ35を操作しても、第1の回路は切替スイッチ32により切断されていることから、コイル56aに電流が流れず、スタータモータ54は起動しない。また、切替スイッチ32がアイドリングストップモードの場合には、切替スイッチ32がエンジン制御装置50に直接繋がる回路(接点G)にも接続されることから、エンジン制御装置50はアイドルリングストップモードに切替えられたことを検出できる。
【0036】
次に、アイドリングストップ機能を中心とした船外機10の動作について
図6のフローチャートを参照して説明する。
図6のフローチャートは、エンジン18が完全に停止しており、切替スイッチ32が通常モードに設定されていると共に、シフトレバー36がニュートラル位置でありニュートラルスイッチ58が閉成している状態で開始する。また、
図6のフローチャートのうちエンジン制御装置50による処理は、例えば、エンジン制御装置50のメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
なお、上述したように、船外機10はエンジン制御装置50を始めとするエンジン補機に電力を供給するためのバッテリを備えていない。また、キャパシタ55は前回の運転で蓄電された状態を維持している。
【0037】
S10では、第1始動スイッチ35が操船者により操作されたか否かを判定する。第1始動スイッチ35が操作された場合にはS11に進み、操作されていない場合には操作を待機する。
S11では、第1始動スイッチ35を操作することで、上述したようにキャパシタ55からスタータモータ54に電力が供給されてスタータモータ54が起動する。したがって、スタータモータ54がクランクシャフトを回転させることで発電機20が駆動して、発電された電力がエンジン制御装置50、点火装置および燃料噴射装置等に供給される。エンジン制御装置50は点火装置による点火および燃料噴射装置による燃料噴射を開始する。
【0038】
S12では、エンジン制御装置50はエンジン18を始動し、通常モードによる運転を行う。なお、エンジン制御装置50、点火装置および燃料噴射装置等は、発電機20により発電された電力のみによって駆動される。また、キャパシタ55は発電された電力により充電される。
S13では、切替スイッチ32がアイドリングストップモードに切替えられたか否かを判定する。アイドリングストップモードに切替えられた場合にはS15に進み、通常モードのままの場合にはS14に進む。
【0039】
S14では、エンジン制御装置50は通常モードによる運転を継続し、アイドリングストップ機能に関する処理を終了する。
S15では、切替スイッチ32がアイドリングストップモードに切替えられることで、切替スイッチ32が第2の回路の接点Fおよび接点Gに接続され、エンジン制御装置50はアイドリングストップモードに移行する。
S16では、エンジン制御装置50はクランク角センサ52からエンジン回転数の情報を受信して、エンジン回転数が所定の回転数よりも大きいか否かを判定する。ここで、所定の回転数は、例えばアイドリング時の回転数であり、エンジン制御装置50のメモリに予め記憶されている。エンジン回転数が所定の回転数よりも大きい場合にはS17に進み、大きくない場合にはS18に進む。
【0040】
S17では、エンジン制御装置50は遮断リレー57のコイル57aに電流を流して、スイッチ57bを開成させて、キャパシタ55からスタータモータ54まで通電を遮断するように制御する。切替スイッチ32がアイドリングストップモードの場合では、切替スイッチ32は第2の回路に接続される。この場合、操船者がシフトレバー36をニュートラル位置から操作すると第2始動スイッチ59が閉成することで、キャパシタ55から第2の回路を経由してスタータリレー56のコイル56aに電流が流れる。したがって、エンジン18が始動しているにも関わらず、スタータリレー56のスイッチ56bが閉成し、キャパシタ55からスタータモータ54に電力が供給されてスタータモータ54が起動してしまう。そのため、キャパシタ55からスタータモータ54まで通電を遮断することで、シフトレバー36をニュートラル位置から操作される度にスタータモータ54が起動してしまうことを防止する。
【0041】
S18では、エンジン制御装置50はアイドリングストップへの移行の条件を満たしたか否かを判定する。具体的には、エンジン制御装置50はシフトレバー36がニュートラル位置の状態で所定時間が経過したか否かを判定する。なお、所定時間は例えば、エンジン制御装置50のメモリに予め記憶されている。所定時間が経過した場合にはS19に進み、経過していない場合にはS16に戻る。
S19では、エンジン制御装置50は点火装置による点火および燃料噴射装置による燃料噴射を停止することでエンジン18を一時的に停止するアイドリングストップへ移行する。アイドリングストップしている場合には、エンジン18が停止していることから発電機20により発電されない。更に、船外機10はエンジン制御装置50を始めとするエンジン補機に電力を供給するためのバッテリを備えていないことにより、エンジン制御装置50には電力が供給されない。したがって、アイドリングストップしているときの電力消費を削減あるいはなくすことができる。
【0042】
S20では、シフトレバー36が操船者によりニュートラル位置から操作されたか、すなわちシフトレバー36に連動する第2始動スイッチ59が操作されたか否かを判定する。第2始動スイッチ59が操作された場合にはS21に進み、操作されていない場合にはアイドリングストップを継続して第2始動スイッチ59の操作を待機する。
【0043】
S21では、第2始動スイッチ59を操作することで、上述したようにキャパシタ55からスタータモータ54に電力が供給されてスタータモータ54が起動する。したがって、スタータモータ54がクランクシャフトを回転させることで発電機20が駆動して、発電された電力がエンジン制御装置50、点火装置および燃料噴射装置等に供給される。このとき、上述したように第2始動スイッチ59は、ドッグラッチ41がニュートラル位置から係合位置まで移動するときの移動範囲の途中で閉成する。なお、ドッグラッチ41が係合位置まで移動したときに第2始動スイッチ59が閉成すると、クランクシャフトを回転させるのにプロペラ29による抵抗が付加されてしまう。したがって、第2始動スイッチ59は、ドッグラッチ41がニュートラル位置から係合位置まで移動するときの移動範囲の途中で閉成することで、スタータモータ54を起動するときの消費電力を削減することができる。
【0044】
S22では、エンジン制御装置50はスロットル開度センサ53からスロットル開度の情報を受信して、スロットル開度が所定の開度よりも大きいか否かを判定する。ここで、所定の開度は、例えばアイドリング時のスロットル開度(最小開度)であり、エンジン制御装置50のメモリに予め記憶されている。なお、この時点で、エンジン制御装置50は点火装置による点火および燃料噴射装置による燃料噴射を開始していない。したがって、エンジン制御装置50およびスロットル開度センサ53は、S21においてスタータモータ54がクランクシャフトを回転したときに発電された電力のみを用いて動作する。スロットル開度が所定の開度よりも大きい場合には後述するS26に進む。すなわち、エンジン制御装置50は所定のスロットル開度よりも大きい場合には不意な飛び出しを防止するために、エンジン18を始動しないように制御する。一方、スロットル開度が所定の開度よりも大きくない場合にはS23に進む。
【0045】
S23では、エンジン制御装置50は点火装置による点火および燃料噴射装置による燃料噴射を開始する。
S24では、エンジン制御装置50はエンジン18を再始動する。このように、アイドリングストップしてからエンジン18を再始動するには、操船者は第1始動スイッチ35を操作することなく、シフトレバー36の操作に連動してエンジン18が再始動する。したがって、シフトレバー36を操作するだけでエンジン18を再始動できることから、エンジン18を再始動するときの操作性を向上させることができる。
【0046】
S25では、エンジン制御装置50は操船者により停止スイッチ33が操作されたか否かを判定する。停止スイッチ33が操作された場合にはS26に進み、操作されていない場合にはS16に戻る。
S26では、エンジン制御装置50は点火装置による点火および燃料噴射装置による燃料噴射を停止することでエンジン18が完全に停止する。
【0047】
以上のように、本実施例の船外機10は、エンジン補機に電力を供給するためのバッテリを備えず、スタータモータ54を起動する電力を供給するだけに用いるキャパシタ55を備えることから、バッテリを備える場合に比べてスタータモータ54の動力源を小型化することができる。したがって、本実施例の船外機10では、アイドリングストップ機能を備えていても、エンジンルーム17a内にキャパシタ55を配置することで船外機10のサイズを小型化することができる。
【0048】
また、本実施例では、アイドリングストップされた後の再始動時に、操船者が直接操作する、シフトを切替えるためのシフトレバー36に連動してスタータモータ54を起動させる。アイドリングストップ後の再始動時に、操船者が最初に操作する操作部がシフトレバー36であることから、シフトレバー36に連動してスタータモータ54を起動させることで操作性を向上させることができると共に、迅速に船外機10を駆動させることができる。
また、通常モードであれば、船外機10を駆動するまで、第1始動スイッチ35の操作、シフトレバー36の操作、スロットルグリップ31の回転の3つの操作が必要である。一方、アイドリングストップモードであれば、船外機10を駆動するまで、シフトレバー36の操作、スロットルグリップ31の回転の2つの操作でよいために迅速に船外機10を再び駆動させることができる。特に、流し釣漁を行う場合には、スロットルグリップ31を回転させずにシフトレバー36の操作のみで船外機10を極低速の低負荷で駆動させて、船体1を目的の方向に推進させることが多い。したがって、シフトレバー36に連動してスタータモータ54を起動させることで、低負荷の推進力を実現できる操作で再始動でき、操作性を向上させることができる。
【0049】
また、本実施例では、エンジン回転数が所定の回転数よりも大きい場合にキャパシタ55からスタータモータ54への通電を遮断する遮断リレー57のスイッチ57bを有する。遮断リレー57のスイッチ57bがキャパシタ55からスタータモータ54への通電を遮断することで、アイドリングストップモードの場合に、エンジン18が始動しているにも関わらず、シフトレバー36をニュートラル位置から操作される度にスタータモータ54が起動してしまうことを防止できる。したがって、不要な電力の消費を防止できると共に、スタータモータ54の故障を防止することができる。
【0050】
また、本実施例では、第2始動スイッチ59は、シフトレバー36の動作に応じてシフト装置のドッグラッチ41がニュートラル位置から前進ギア26または後進ギア27に係合する係合位置まで移動するときの移動範囲の途中でスタータモータ54を起動させる。
したがって、プロペラ29による抵抗が付加される前までに、スタータモータ54はクランクシャフトを回転させることができるので、スタータモータ54を起動するときの消費電力を削減することができると共に、確実な再始動を実現することができる。
【0051】
また、本実施例では、エンジン制御装置50は、アイドリングストップ後に第2始動スイッチ59が操作された場合であっても、スロットル開度が所定の開度よりも大きい場合には再始動しないように制御する。スロットル開度が所定の開度よりも大きい場合に再始動してしまうとエンジン18の急加速によって船体1の不意な飛び出しが生じる虞がある。したがって、スロットル開度が所定の開度よりも大きい場合には再始動しないように制御することで、船体1の不意な飛び出しを防止することができる。
【0052】
また、本実施例では、手動式の始動装置と、エンジン18の運転により発電される電力のみで駆動するエンジン補機とを備える。エンジン補機には、エンジン制御装置50、点火装置および燃料供給装置を含む。したがって、エンジン18の始動時以外では電力を必要としないためにキャパシタ55の消費電力を更に削減することができる。このように、キャパシタ55の消費電力を削減できることからキャパシタ55を小型化することができる。そのため、キャパシタ55を船外機本体13のエンジンルーム17a内にコンパクトに配置できることから船外機10のサイズを小型にすることができる。
【0053】
また、キャパシタ55は、バッテリと比較して充電速度が速く、例えば充電時間が数秒から数分である。したがって、キャパシタ55は、頻繁に充放電を繰り返すアイドリングストップ機能のための動力源として最適である。なお、キャパシタは、従来から始動装置の動力源として用いられているが、制御装置の電源も兼ねている構造であるために、アイドリングストップに移行したときにキャパシタに充電した電力が制御装置に供給されてしまう。一方、本実施例では、アイドリングストップ後では、エンジン制御装置50を含むエンジン補機を待機状態にして電力を供給する必要がない。したがって、アイドリングストップしているときに、エンジン制御装置50を含むエンジン補機に電力を供給する必要がないために、キャパシタ55の電力の管理が不要である。
【0054】
以上、本発明に係る実施例について説明したが、本発明は上述した実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、上述した実施例では、動力源としてキャパシタ55を用いる場合について説明したが、この場合に限られず、補助電源としてバッテリと組み合わせてもよい。
また、上述した実施例では、操船者が直接操作する操作部がシフトレバー36である場合について説明したが、この場合に限られず、スロットルグリップ31であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1:船体 10:船外機 21:リコイルスタータ装置(手動式の始動装置) 26:前側ギア 27:後側ギア 32:切替スイッチ 35:第1始動スイッチ 36:シフトレバー(操作部) 41:ドッグラッチ(クラッチ) 50:エンジン制御装置(制御部) 52:クランク角センサ(回転数検出手段) 53:スロットル開度センサ(開度検出手段) 54:スタータモータ(電気式の始動装置) 55:キャパシタ 57b:スイッチ(遮断スイッチ) 59:第2始動スイッチ(再始動スイッチ)