(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20221109BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221109BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20221109BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221109BHJP
G10L 17/00 20130101ALI20221109BHJP
G10L 15/28 20130101ALI20221109BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/38 201
B41J29/42 F
G03G21/00 376
G10L17/00 200C
G10L15/28 230K
(21)【出願番号】P 2018235302
(22)【出願日】2018-12-17
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】大竹 俊彦
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-212533(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G10L 15/28-17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声操作を行うことが可能な情報処理装置であって、
入力された条件をジョブとして設定する設定手段と、
音声操作のための音声入力を受け付ける音声入力手段と、
前記音声入力手段に入力される音声に基づいて音声操作の内容を特定し、前記ジョブの設定に該音声操作の内容を反映させる操作反映手段と、
前回の操作が行われてから所定の時間が経過した場合に前記設定手段で設定されたジョブを初期の設定条件に戻すオートリセット手段と、
前記音声入力手段に音声が入力される度に声紋認証を行ってユーザーを特定する声紋認証手段と、
前記声紋認証において前記音声入力手段に入力された音声を発生したユーザーが変更された場合
には、変更されなかった場合
よりも、前記オートリセット手段によって前記ジョブの設定条件が前記初期の設定条件に戻されるまでの時間を
短くするオートリセット制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ログインユーザーによる音声操作が可能なログイン状態へと移行させるログイン制御手段をさらに備え、
前記操作反映手段は、前記ログイン状態において前記ログインユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声に基づいて音声操作の内容を特定し、
前記オートリセット制御手段は、前記ログイン状態において前記音声入力手段に入力された音声に基づく前記声紋認証により、前記ログインユーザーであることが特定された場合
には、前記ログインユーザーであることが特定されなかった場合
よりも、前記オートリセット手段によって前記ジョブの設定条件が前記初期の設定条件に戻されるまでの時間を
長くすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記オートリセット手段は、前記ログイン状態において前記所定の時間が経過した場合に前記ログイン状態からログアウト状態へ移行させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定手段で設定されたジョブの設定条件を表示する表示手段、
を更に備え、
前記オートリセット手段は、前記所定の時間が経過した場合に前記表示手段において表示されるジョブの設定条件を初期の設定条件に戻すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記オートリセット手段は、
前回の操作が行われてからの経過時間をカウントするカウント手段を有し、前記カウント手段によってカウントされる経過時間に基づき前記所定の時間が経過したか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定された場合には前記カウント手段によるカウントをリセットし、現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合には前記カウント手段によるカウントを継続させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により前記音声入力手段に入力された音声を発したユーザーが変更されたと判断された場合は音声入力にかかわらず前記経過時間のカウントを継続し、音声を発したユーザーが変更されていないと判断された場合は音声入力に応じて前記経過時間のカウントをリセットすることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記声紋認証手段は、前記音声入力手段に入力された音声を発したユーザーがログインユーザーから変更されたか否かを判断することを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記オートリセット制御手段は、前記音声入力手段に音声が入力されないとき、前記カウント手段によるカウントを継続させることを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ユーザーの手動操作による入力を受け付ける操作入力手段をさらに備え、
前記操作反映手段は、前記操作入力手段に対して手動操作が行われた場合に前記ジョブの設定条件に該手動操作の内容を反映させ、
前記オートリセット制御手段は、前記操作入力手段に対して手動操作による入力がなされず、且つ、前記音声入力手段に対して音声が入力されないとき、前記カウント手段によるカウントを継続させることを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、ユーザーが使用できる機能を制限することを特徴とする請求項1乃至
10のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、ユーザーがその時点で操作を行っている機能とは異なる機能への切り替えを制限することを特徴とする請求項
11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
外部装置と通信を行う通信手段をさらに備え、
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、前記通信手段を介して前記外部装置と通信が行われることを制限することを特徴とする請求項
11又は
12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、
秘密情報へのアクセスを制限することを特徴とする請求項
11乃至
13のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、前記音声入力手段による音声入力の受け付けを停止させることを特徴とする請求項
11乃至
14のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項16】
音声を出力する音声出力手段をさらに備え、
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、前記音声出力手段を介して警告音を出力することを特徴とする請求項1乃至
15のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記声紋認証手段は、前記音声入力手段に入力される音声の音量レベルが所定レベル以上である場合に前記声紋認証を行うことを特徴とする請求項1乃至
16のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記声紋認証手段は、前記音声入力手段に入力される音声が当該情報処理装置に向けて発せられた音声である場合に前記声紋認証を行うことを特徴とする請求項1乃至
17のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定された場合において、前記操作反映手段により特定される音声操作の内容がその時点で音声操作が行われている機能とは異なる機能に対する操作であるとき、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合と同じ処理を行うことを特徴とする請求項1乃至
18のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記情報処理装置はユーザーによって選択された機能に対応するジョブを実行する画像処理装置であることを特徴とする請求項1乃至
19のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項21】
音声操作のための音声入力を受け付ける音声入力手段を備える情報処理装置において実行されるプログラムであって、
前記プログラムは、前記情報処理装置に、
入力された条件をジョブとして設定する設定ステップと、
前記音声入力手段に入力される音声に基づいて音声操作の内容を特定し、前記ジョブの設定に該音声操作の内容を反映させる操作反映ステップと、
前回の操作が行われてから所定の時間が経過した場合に前記設定ステップで設定されたジョブを初期の設定条件に戻すオートリセットステップと、
前記音声入力手段に音声が入力される度に声紋認証を行ってユーザーを特定する声紋認証ステップと、
前記声紋認証において前記音声入力手段に入力された音声を発生したユーザー変更された場合
には、変更されなかった場合
よりも、前記オートリセットステップによって前記ジョブの設定条件が前記初期の設定条件に戻されるまでの時間を
短くするオートリセット制御ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関し、特にユーザーによって設定された設定値をオートリセットするための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスに設置されるMFP(Multifunction Peripherals)などの情報処理装置は、複数のユーザーによって共有される装置である。情報処理装置は、スキャン機能、プリント機能、コピー機能などの複数の機能を備えており、ユーザーによって選択された機能に対応するジョブを実行する。このような情報処理装置は、ユーザーが各種の設定操作を行うための操作パネルを備えている。ユーザーは、操作パネルに対する操作を行うことで、複数の機能のうちから一つの機能を選択したり、選択した機能に対する設定操作を行ったりすることができる。
【0003】
また従来、情報処理装置において表示される操作画面に対し、ユーザーが音声を発することによって音声操作を行えるようにしたシステムが知られている(例えば、特許文献1)。このようなシステムを用いれば、ユーザーは情報処理装置を使用するとき、操作パネルに対する手動操作だけでなく、音声操作も行うことができる。
【0004】
さらに従来、複数の入力装置のうちのいずれかの入力装置を用いて入力操作を行うことが可能な情報処理装置において、ある入力操作が行われてから所定時間内に次の入力操作が行われない場合、それまでにユーザーによって設定された設定値をクリアして初期状態に戻すオートリセット機能を備えたものが知られている(例えば特許文献2)。このようなオートリセット機能は、ユーザーが操作パネルの表示画面を初期画面へ戻すことなく情報処理装置から離れてしまった場合に、所定時間経過後に表示画面を自動的に初期画面へ戻すことができる。そのため、操作パネルにおいて、プレビュー中の画像データや宛先情報などのようなセキュリティの高い情報の表示状態が長期間に亘って継続することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-49705号公報
【文献】特開2004-109352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、音声操作を行うことができる情報処理装置においてもセキュリティの観点から上述のオートリセット機能を搭載することが望まれる。この場合、例えば、特許文献2の従来技術を適用すると、オートリセット機能は、操作パネルに対する手動操作が行われず、しかも音声入力も検知されない状態で所定時間が経過すると、それまでにユーザーによって設定された設定値をクリアして初期状態に戻すことになる。
【0007】
しかし、音声操作を行うことができる情報処理装置は、装置周辺で発せられる音声を検知するため、音声操作を行っているユーザーとは異なるユーザーが装置周辺で音声を発した場合でもその音声を検知して入力する。つまり、情報処理装置は、周囲の雑音を音声として入力するのである。したがって、音声操作を行うことができる情報処理装置では、周囲の雑音の影響などを受けてしまうため、オートリセット機能が有効に作動しないという問題がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、音声操作を行うことができる構成であっても、オートリセット機能を有効に作動させることができる情報処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、音声操作を行うことが可能な情報処理装置であって、入力された条件をジョブとして設定する設定手段と、音声操作のための音声入力を受け付ける音声入力手段と、前記音声入力手段に入力される音声に基づいて音声操作の内容を特定し、前記ジョブの設定に該音声操作の内容を反映させる操作反映手段と、前回の操作が行われてから所定の時間が経過した場合に前記設定手段で設定されたジョブを初期の設定条件に戻すオートリセット手段と、前記音声入力手段に音声が入力される度に声紋認証を行ってユーザーを特定する声紋認証手段と、前記声紋認証において前記音声入力手段に入力された音声を発生したユーザーが変更された場合には、変更されなかった場合よりも、前記オートリセット手段によって前記ジョブの設定条件が前記初期の設定条件に戻されるまでの時間を短くするオートリセット制御手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の情報処理装置において、ログインユーザーによる音声操作が可能なログイン状態へと移行させるログイン制御手段をさらに備え、前記操作反映手段は、前記ログイン状態において前記ログインユーザーによって前記音声入力手段に入力される音声に基づいて音声操作の内容を特定し、前記オートリセット制御手段は、前記ログイン状態において前記音声入力手段に入力された音声に基づく前記声紋認証により、前記ログインユーザーであることが特定された場合には、前記ログインユーザーであることが特定されなかった場合よりも、前記オートリセット手段によって前記ジョブの設定条件が前記初期の設定条件に戻されるまでの時間を長くすることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の情報処理装置において、前記オートリセット手段は、前記ログイン状態において前記所定の時間が経過した場合に前記ログイン状態からログアウト状態へ移行させることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の情報処理装置において、前記設定手段で設定されたジョブの設定条件を表示する表示手段、を更に備え、前記オートリセット手段は、前記所定の時間が経過した場合に前記表示手段において表示されるジョブの設定条件を初期の設定条件に戻すことを特徴とする構成である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の情報処理装置において、前記オートリセット手段は、前回の操作が行われてからの経過時間をカウントするカウント手段を有し、前記カウント手段によってカウントされる経過時間に基づき前記所定の時間が経過したか否かを判定することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定された場合には前記カウント手段によるカウントをリセットし、現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合には前記カウント手段によるカウントを継続させることを特徴とする構成である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項5に記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により前記音声入力手段に入力された音声を発したユーザーが変更されたと判断された場合は音声入力にかかわらず前記経過時間のカウントを継続し、音声を発したユーザーが変更されていないと判断された場合は音声入力に応じて前記経過時間のカウントをリセットすることを特徴とする構成である。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の情報処理装置において、前記声紋認証手段は、前記音声入力手段に入力された音声を発したユーザーがログインユーザーから変更されたか否かを判断することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項5又は6に記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記音声入力手段に音声が入力されないとき、前記カウント手段によるカウントを継続させることを特徴とする構成である。
【0018】
請求項10に係る発明は、請求項5又は6に記載の情報処理装置において、ユーザーの手動操作による入力を受け付ける操作入力手段をさらに備え、前記操作反映手段は、前記操作入力手段に対して手動操作が行われた場合に前記ジョブの設定条件に該手動操作の内容を反映させ、前記オートリセット制御手段は、前記操作入力手段に対して手動操作による入力がなされず、且つ、前記音声入力手段に対して音声が入力されないとき、前記カウント手段によるカウントを継続させることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項11に係る発明は、請求項1乃至10のいずれかに記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、ユーザーが使用できる機能を制限することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項12に係る発明は、請求項11に記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、ユーザーがその時点で操作を行っている機能とは異なる機能への切り替えを制限することを特徴とする構成である。
【0022】
請求項13に係る発明は、請求項11又は12に記載の情報処理装置において、外部装置と通信を行う通信手段をさらに備え、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、前記通信手段を介して前記外部装置と通信が行われることを制限することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項14に係る発明は、請求項11乃至13のいずれかに記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、秘密情報へのアクセスを制限することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項15に係る発明は、請求項11乃至14のいずれかに記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、前記音声入力手段による音声入力の受け付けを停止させることを特徴とする構成である。
【0025】
請求項16に係る発明は、請求項1乃至15のいずれかに記載の情報処理装置において、音声を出力する音声出力手段をさらに備え、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合、前記音声出力手段を介して警告音を出力することを特徴とする構成である。
【0026】
請求項17に係る発明は、請求項1乃至16のいずれかに記載の情報処理装置において、前記声紋認証手段は、前記音声入力手段に入力される音声の音量レベルが所定レベル以上である場合に前記声紋認証を行うことを特徴とする構成である。
【0027】
請求項18に係る発明は、請求項1乃至17のいずれかに記載の情報処理装置において、前記声紋認証手段は、前記音声入力手段に入力される音声が当該情報処理装置に向けて発せられた音声である場合に前記声紋認証を行うことを特徴とする構成である。
【0028】
請求項19に係る発明は、請求項1乃至18のいずれかに記載の情報処理装置において、前記オートリセット制御手段は、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定された場合において、前記操作反映手段により特定される音声操作の内容がその時点で音声操作が行われている機能とは異なる機能に対する操作であるとき、前記声紋認証により現在音声操作を行っているユーザーであることが特定されなかった場合と同じ処理を行うことを特徴とする構成である。
【0029】
請求項20に係る発明は、請求項1乃至19のいずれかに記載の情報処理装置において、前記情報処理装置はユーザーによって選択された機能に対応するジョブを実行する画像処理装置であることを特徴とする構成である。
【0030】
請求項21に係る発明は、音声操作のための音声入力を受け付ける音声入力手段を備える情報処理装置において実行されるプログラムであって、前記プログラムは、前記情報処理装置に、入力された条件をジョブとして設定する設定ステップと、前記音声入力手段に入力される音声に基づいて音声操作の内容を特定し、前記ジョブの設定に該音声操作の内容を反映させる操作反映ステップと、前回の操作が行われてから所定の時間が経過した場合に前記設定ステップで設定されたジョブを初期の設定条件に戻すオートリセットステップと、前記音声入力手段に音声が入力される度に声紋認証を行ってユーザーを特定する声紋認証ステップと、前記声紋認証において前記音声入力手段に入力された音声を発生したユーザー変更された場合には、変更されなかった場合よりも、前記オートリセットステップによって前記ジョブの設定条件が前記初期の設定条件に戻されるまでの時間を短くするオートリセット制御ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、音声操作を行うことができる構成において仮に周囲の雑音が検知された場合であってもオートリセット機能を有効に作動させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】情報処理装置の外観構成の一例を示す図である。
【
図2】情報処理装置のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】表示部に表示される表示画面の階層構造の例を示す図である。
【
図4】情報処理装置において行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】音声操作反映処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】手動操作反映処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】声紋認証の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態である情報処理装置1の外観構成の一例を示す図である。
図1に示す情報処理装置1は、MFPとして構成される画像処理装置であり、スキャン機能、プリント機能及びコピー機能といった複数の機能を備えており、ユーザーによって選択された機能に対応するジョブを実行する。
【0035】
情報処理装置1は、装置本体1aの上部に、スキャナ部2を有している。スキャナ部2は、自動原稿搬送装置(ADF)2aと、画像読取部2bとを備えている。自動原稿搬送装置2aは、ユーザーによってセットされる原稿を1枚ずつピックアップし、画像読取部2bによる画像読取位置へ自動搬送する。画像読取部2bは、自動原稿搬送装置2aによって搬送される原稿が画像読取位置を通過するときに原稿の画像を光学的に読み取り、その画像に対応する画像データを生成する。
【0036】
また情報処理装置1は、装置本体1aの下部に、プリンタ部3を有している。プリンタ部3は、画像形成部3aと、給紙部3bとを備えている。給紙部3bは、例えば複数の給紙カセットを有し、各給紙カセットに印刷用紙などのシート材をストックしておくことができる。そして給紙部3bは、一つの給紙カセットからシート材を1枚ずつピックアップし、画像形成部3aによる画像転写位置へ自動搬送する。画像形成部3aは、給紙部3bによって搬送されるシート材が画像転写位置を通過するときにシート材に対してトナー像を転写し、その後、シート材に対してトナーの定着処理を施す。そして画像形成部3aは、トナーを定着させたシート材を、装置本体1aの中央に形成された排出口4から排紙トレイ5上へ排出する。
【0037】
また情報処理装置1は、装置本体1aの正面側に、操作パネル6を備えている。操作パネル6は、ユーザーが情報処理装置1に対する操作を行う際のユーザーインタフェースとなるものであり、ユーザーが操作可能な各種操作画面を表示すると共に、各種操作画面に対するユーザーによる操作を受け付ける。例えば、操作パネル6は、ユーザーによる機能選択操作を受け付け、さらにユーザーによって選択された機能に対する詳細なジョブの設定操作を受け付ける。そしてユーザーによる操作に基づいて操作パネル6に表示する画面を逐次更新する。この操作パネル6は、ユーザーによる手動操作を受け付け可能であると共に、ユーザーによる音声操作も受け付け可能である。
【0038】
操作パネル6には、集音機能を有する複数のマイク7a,7bが設けられている。これらのマイク7a,7bは、情報処理装置1に対する音声操作を行うための音声入力部7である。また、複数のマイク7a,7bは、音声の指向性を検知できるようにするため、所定間隔を隔てた位置に設けられることが好ましい。尚、音声の指向性を検知する必要がない場合には、音声入力部7は、1つのマイクで構成されるものであっても構わない。
【0039】
また情報処理装置1は、装置本体1aの正面側に、スピーカーなどで構成される音声出力部8を有している。音声出力部8は、ユーザーに対して様々な警告音を出力するためのものである。
【0040】
図2は、情報処理装置1のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、上述したスキャナ部2、プリンタ部3、操作パネル6及び音声出力部8の他に、制御部10と、記憶部11と、通信インタフェース12とを備えている。
【0041】
また、操作パネル6には、上述した音声入力部7の他に、表示部13と、操作入力部14とが設けられる。表示部13は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示するものである。操作入力部14は、例えば表示部13の表示画面上に配置されるタッチパネルキーなどによって構成され、ユーザーによる手動操作を受け付けるものである。
【0042】
記憶部11は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶デバイスである。この記憶部11には、予めプログラム17と、声紋情報18とが記憶される。プログラム17は、コンピュータ読み取り可能なプログラムである。声紋情報18は、情報処理装置1に対して音声操作を行うことが許可されているユーザーごとの声紋の特徴が予め登録されている情報である。
【0043】
通信インタフェース12は、情報処理装置1をLAN(Local Area Network)などのネットワークに接続し、そのネットワークを介して外部装置と通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース12が外部装置と通信を行う形態は、有線通信であっても良いし、無線通信であっても構わない。また、外部装置は、ローカルネットワークに設けられているパーソナルコンピュータ(PC)やサーバーであっても良いし、インターネットなどのクラウド上に設けられているサーバーであっても構わない。
【0044】
制御部10は、例えば図示を省略するCPUとメモリとを備えて構成される。そしてCPUが記憶部11に記憶されているプログラム17を読み出して実行することにより、制御部10は、ログイン制御部20、声紋認証部21、操作反映部22、ジョブ制御部24、オートリセット部25、オートリセット制御部27及び設定部29として機能する。
【0045】
ログイン制御部20は、情報処理装置1の動作状態をログイン状態とログアウト状態との間で移行させる制御を行う。ログアウト状態は、ユーザーが情報処理装置1の各機能を利用することができない状態である。ログアウト状態のとき、ログイン制御部20は、ユーザーによるログイン操作を受け付ける。すなわち、ログアウト状態において操作パネル6に対する手動操作又は音声操作が行われると、ログイン制御部20は、ユーザーを特定するためのユーザー認証を行う。そのユーザー認証において手動操作又は音声操作を行ったユーザーを特定することができると、ログイン制御部20は、特定したユーザーをログインユーザーとし、動作状態をログアウト状態からログイン状態へ移行させる。
【0046】
例えば、ログアウト状態においてユーザーが操作パネル6に対する手動操作を行うと、操作パネル6の操作入力部14がユーザーの手動操作を検知する。ログイン制御部20は、操作入力部14を介してユーザーによって行われた手動操作の内容を示す操作情報を取得し、その操作情報に基づいてユーザー認証を行う。このとき、ログイン制御部20は、操作情報に含まれるユーザーIDやパスワードなどの識別情報が情報処理装置1に予め登録されている図示しないユーザー情報と一致するか否かを判定する。ユーザーが手動操作で入力した識別情報がユーザー情報に一致すると、ログイン制御部20は、ユーザー情報に基づいて操作パネル6を操作しているユーザーを特定することができる。そしてログイン制御部20は、特定したユーザーをログインユーザーと認定して情報処理装置1の動作状態をログアウト状態からログイン状態へと移行させる。
【0047】
また例えば、ログアウト状態においてユーザーが情報処理装置1の近傍で予め定められたログイン用キーワードを音声で発すると、音声入力部7がその音声を検知し、検知した音声に対応する音声情報を出力する。この音声情報は、声紋認証部21へ出力される。声紋認証部21は、音声入力部7から出力される音声情報に基づいて声紋認証を行い、音声を発したユーザーを特定する処理部である。声紋認証部21は、音声情報に基づいて入力音声の声紋を分析し、記憶部11の声紋情報18に登録されている声紋と一致するか否かを判定する。その結果、音声入力を行ったユーザーの声紋が声紋情報18に登録されている声紋の特徴に一致する場合、声紋認証部21は、声紋情報18に基づいて音声入力を行ったユーザーを特定する。そして声紋認証部21は、特定したユーザーに関する情報をログイン制御部20へ通知する。したがって、ユーザーによる音声入力が行われた場合、ログイン制御部20は、声紋認証部21を介して音声入力を行ったユーザーを特定することができる。そしてログイン制御部20は、声紋認証部21によって特定されたユーザーをログインユーザーと認定し、情報処理装置1の動作状態をログアウト状態からログイン状態へと移行させる。
【0048】
またログアウト状態においてユーザーによる手動操作又は音声操作を検知したにもかかわらず、手動操作又は音声操作を行ったユーザーを特定することができなかった場合、ログイン制御部20は、動作状態をログイン状態へ移行させず、ログアウト状態を継続させる。
【0049】
尚、ログアウト状態においてユーザーの音声操作が検知され、その音声操作を行ったユーザーを特定することができた場合であっても、そのユーザーが発した音声が予め定められたログイン用キーワードに一致しなかった場合には、ログイン制御部20は、動作状態をログイン状態へ移行させず、ログアウト状態を継続させるようにしても良い。すなわち、音声操作に基づいてログアウト状態からログイン状態へ移行させる場合、ログイン制御部20は、音声を発したユーザーが情報処理装置1を使用する意図を有しているか否かをログイン用キーワードで判断するのである。これにより、情報処理装置1を使用する意図のないユーザーが情報処理装置1の近傍で音声を発した場合には、情報処理装置1をログイン状態へ移行させることなく、ログアウト状態を維持することができる。
【0050】
また、ログイン制御部20は、ログイン状態へ移行させた後、ログインユーザーによるログアウト操作を検知すると、動作状態をログイン状態からログアウト状態へ移行させる。この場合のログアウト操作は、ログインユーザーによる手動操作及び音声操作のいずれであっても良い。
【0051】
情報処理装置1がログイン状態へ移行すると、ログインユーザーは、情報処理装置1の複数の機能のうちから使用する機能を選択し、その選択した機能に対する詳細な設定操作を行ったうえで、ジョブの実行を指示することができるようになる。このログイン状態では、制御部10において、主として、操作反映部22、ジョブ制御部24、オートリセット部25、オートリセット制御部27及び設定部29が機能する。また、声紋認証部21は、ログアウト状態及びログイン状態の双方において機能し、音声入力部7に音声が入力される度にその音声に基づく声紋認証を行うように構成される。
【0052】
声紋認証部21は、ログイン状態において音声入力部7に音声が入力される度に声紋認証を行い、音声操作を行ったユーザーを特定する。ログイン状態における声紋認証では、ログインユーザーと同じユーザーが特定されるケースと、ログインユーザーとは異なるユーザーが特定されるケースとがある。さらに、ログイン状態における声紋認証では、声紋情報18に登録されているユーザーを特定することができないケースもある。ログイン状態における声紋認証では、上記3つのケースのうちのいずれのケースであるかを判定するのである。そして声紋認証部21は、ログイン状態における声紋認証の結果を、操作反映部22及びオートリセット制御部27のそれぞれに出力する。
【0053】
操作反映部22は、ログイン状態においてユーザーによる手動操作又は音声操作を各部に反映させる処理部である。この操作反映部22は、ログイン状態においてユーザーによる手動操作又は音声操作を設定部29に反映させる。
【0054】
設定部29は、ユーザーによる設定操作に基づいてジョブを実行するときの詳細な条件を設定する処理部である。ジョブの条件には、例えば、シート材の指定や、解像度の指定、カラー/モノクロの指定、レイアウトや部数などの出力態様の指定、などが含まれる。つまり、設定部29は、ログイン状態においてユーザーによる手動操作又は音声操作が検知された場合、操作反映部22からの指示に基づき、ユーザーによって指定された条件をジョブに設定するのである。このようにして、設定部29により設定されるジョブの条件を設定条件と呼ぶことがある。ジョブの設定条件には、デフォルトとして、初期の設定条件が予め定められている。そして設定部29は、ユーザーによって指定された条件に基づいて初期の設定条件を変更することにより、ユーザーの指示に基づくジョブの設定条件を生成し、そのジョブの設定条件を保持する。
【0055】
また操作反映部22は、表示部13の表示画面をユーザーによる手動操作又は音声操作に基づいて更新することも可能である。例えば、情報処理装置1がログイン状態へ移行すると、表示部13には、設定部29において設定されるジョブの設定条件を表示する画面が表示される。操作反映部22は、そのような表示画面を制御する。
【0056】
図3は、表示部13に表示される表示画面の階層構造の例を示す図である。情報処理装置1がログアウト状態であるとき、操作反映部22は、表示部13に初期画面G10を表示させた状態となる。この初期画面G10は、ユーザーに対してログインのための操作を促す画面となっており、手動操作又は音声操作でログインのための情報を入力することを案内する画面である。
【0057】
情報処理装置1がログイン状態へ移行すると、操作反映部22は、まず表示部13に機能選択画面G11を表示させる。機能選択画面G11は、ログイン状態におけるトップ画面であり、スキャン機能、プリント機能及びコピー機能といった複数の機能のうちからユーザーが所望の機能を選択するための画面である。
【0058】
表示部13に機能選択画面G11が表示されているときにユーザーがスキャン機能を選択すると、操作反映部22は、表示部13の表示画面をスキャン機能に関する設定操作を行うためのスキャン設定画面G20,G21,G22に遷移させる。これらのスキャン設定画面G20,G21,G22は階層構造となっている。そのため、操作反映部22は、機能選択画面G11から遷移させるときは最初に第1階層のスキャン設定画面G20を表示部13に表示させる。その後、第1階層のスキャン設定画面G20を表示しているときに所定の操作が行われると、操作反映部22は、第2階層のスキャン設定画面G21を表示部13に表示させる。さらに、第2階層のスキャン設定画面G21を表示しているときに所定の操作が行われると、操作反映部22は、第3階層のスキャン設定画面G22を表示部13に表示させる。このような画面遷移を行いつつ、操作反映部22は、ユーザーによって行われるスキャン機能に関する設定操作を表示画面に反映させていく。このようにして表示部13に表示されるスキャン機能に関する画面は、設定部29において設定されるスキャンジョブの設定条件(詳細設定)を反映させた画面となる。
【0059】
また、表示部13に機能選択画面G11が表示されているときにユーザーがプリント機能を選択すると、操作反映部22は、表示部13の表示画面をプリント機能に関する設定操作を行うためのプリント設定画面G30,G31,G32に遷移させる。これらのプリント設定画面G30,G31,G32も階層構造となっている。そのため、操作反映部22は、機能選択画面G11から遷移させるときは最初に第1階層のプリント設定画面G30を表示部13に表示させる。その後、第1階層のプリント設定画面G30を表示しているときに所定の操作が行われると、操作反映部22は、第2階層のプリント設定画面G31を表示部13に表示させる。さらに、第2階層のプリント設定画面G21を表示しているときに所定の操作が行われると、操作反映部22は、第3階層のプリント設定画面G32を表示部13に表示させる。このような画面遷移を行いつつ、操作反映部22は、ユーザーによって行われるプリント機能に関する設定操作を表示画面に反映させていく。このようにして表示部13に表示されるプリント機能に関する画面は、設定部29において設定されるプリントジョブの設定条件(詳細設定)を反映させた画面となる。
【0060】
さらに、表示部13に機能選択画面G11が表示されているときにユーザーがコピー機能を選択すると、操作反映部22は、表示部13の表示画面をコピー機能に関する設定操作を行うためのコピー設定画面G40,G41,G42に遷移させる。これらのコピー設定画面G40,G41,G42も階層構造となっている。そのため、操作反映部22は、機能選択画面G11から遷移させるときは最初に第1階層のコピー設定画面G40を表示部13に表示させる。その後、第1階層のコピー設定画面G40を表示しているときに所定の操作が行われると、操作反映部22は、第2階層のコピー設定画面G41を表示部13に表示させる。さらに、第2階層のコピー設定画面G41を表示しているときに所定の操作が行われると、操作反映部22は、第3階層のコピー設定画面G42を表示部13に表示させる。このような画面遷移を行いつつ、操作反映部22は、ユーザーによって行われるコピー機能に関する設定操作を表示画面に反映させていく。このようにして表示部13に表示されるコピー機能に関する画面は、設定部29において設定されるコピージョブの設定条件(詳細設定)を反映させた画面となる。
【0061】
ログインユーザーによって手動操作が行われた場合、操作反映部22は、手動操作の内容に基づいて上記のような画面遷移を行うことで、手動操作の内容を表示画面に反映させる。また、ログインユーザーによって音声操作が行われた場合、操作反映部22は、まず、その音声操作の内容を特定するための処理を行う。音声操作の内容を特定するために、操作反映部22は、音声認識部23を備えている。
【0062】
音声認識部23は、ログインユーザーによって入力された音声に対応する音声情報を解析し、音声操作の内容を特定する処理部である。すなわち、音声認識部23は、音声情報を解析することにより、ログインユーザーが発したワードを特定する処理を行う。このとき特定されるワードで、音声操作の内容が特定される。言い換えると、ログインユーザーが発したワードを特定することができないときには、音声操作の内容を特定することができない。
【0063】
操作反映部22は、音声認識部23によってログインユーザーが発した音声操作の内容が特定されると、その特定された内容に基づいて表示部13に表示すべき画面を決定する。そして操作反映部22は、決定した画面に音声操作の内容を反映させて表示部13に表示させる。このようにしてログインユーザーの音声操作に基づく表示画面が表示部13に表示されるようになる。
【0064】
また、操作反映部22は、ユーザーによってジョブの実行が指示されると、ジョブ制御部24を動作させる。
【0065】
ジョブ制御部24は、スキャナ部2、プリンタ部3及び通信インタフェース12を動作させることにより、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御するものである。ジョブ制御部24は、ジョブの実行を開始するとき、設定部29によって設定されているジョブの設定条件を取得し、その設定条件を反映させてジョブを実行する。
【0066】
例えば、コピージョブの場合、ジョブ制御部24は、スキャナ部2とプリンタ部3とを駆動し、ユーザーによってセットされた原稿の読み取り動作を制御し、さらに原稿を読み取って生成された画像データに基づく画像形成動作を制御する。また、スキャンジョブの場合、ジョブ制御部24は、原稿を読み取って生成した画像データを記憶部11に保存したり、通信インタフェース12を介して外部装置へ送信したりすることができる。さらにプリントジョブの場合、ジョブ制御部24は、プリント対象となるデータを記憶部11から取得したり、或いは、通信インタフェース12を介して外部装置から取得したりすることが可能である。そしてジョブ制御部24は、プリンタ部3を駆動し、プリント対象となるデータに基づく画像形成動作を制御する。
【0067】
オートリセット部25は、ログイン状態において所定の時間が経過した場合にそれまでにユーザーによって設定された設定条件を自動的にリセットするオートリセットを行う処理部である。すなわち、オートリセット部25は、ログイン状態において所定の時間が経過すると、設定部29において設定されているジョブの設定条件を初期の設定条件に戻す処理を行う。これにより、設定部29で管理されているジョブの設定条件が初期状態に戻る。また、オートリセット部25は、ジョブ設定条件を初期の設定条件に戻すことに伴い、さらに表示部13の表示画面を初期画面G10に戻す処理も行う。
【0068】
このオートリセット部25は、ログインユーザーによる前回の操作が行われてからの経過時間が所定の時間となった場合にオートリセットを行う。そのため、オートリセット部25は、カウント部26を備えている。カウント部26は、ログインユーザーによる前回の操作が行われてからの経過時間をカウントする処理部である。カウント部26には、オートリセットを作動させるまでにカウントする時間が予め定められている。ただし、その所定時間は、変更可能である。カウント部26は、ログイン状態へ移行することに伴ってカウント動作を開始し、ログイン状態の期間中においては常時カウント動作を継続する。そしてオートリセット部25は、カウント部26によるカウント値(計測時間)が所定の時間に達すると、オートリセットを作動させるタイミングであると判断する。
【0069】
オートリセット部25は、オートリセットを行うとき、設定部29に対してジョブの設定条件を初期の設定条件に戻すことを指示する。これにより、設定部29は、ログインユーザーによって指定されたジョブの設定条件をクリアし、初期の設定条件に戻す。また、オートリセット部25は、オートリセットを行うとき、上述した各設定画面においてログインユーザーがそれまでに設定した設定値を全てクリアしてデフォルト値に戻す。また、オートリセット部25は、動作状態をログイン状態からログアウト状態へ自動的に移行させる。したがって、オートリセット部25によるオートリセットが作動すると、ログインユーザーによるログアウト操作がなくても、情報処理装置1は、自動的にログアウト状態へ戻り、表示部13の表示画面が初期画面G10に戻る。
【0070】
オートリセット制御部27は、ログイン状態においてオートリセット部25を制御する処理部である。特にこのオートリセット制御部27は、ログインユーザーが音声操作を行うことができるログイン状態においてオートリセット部25によるオートリセットの機能を有効に作動させるための制御を行う。すなわち、オートリセット制御部27は、ログイン状態において音声入力部7に音声が入力されると、声紋認証部21における声紋認証の結果に基づき、オートリセットが作動するまでの時間を変更することによってオートリセットの機能を有効に作動させるのである。
【0071】
オートリセット制御部27は、音声入力部7に音声が入力され、声紋認証部21によって音声を発したユーザーが現在音声操作を行っているログインユーザーであることが特定された場合と、ログインユーザーであることが特定されなかった場合とで、オートリセットが行われる条件が互いに異なる条件となるように変更する。例えば、声紋認証部21によって音声を発したユーザーがログインユーザーであることが特定された場合、オートリセット制御部27は、オートリセットが作動し難い条件に変更する。これに対し、声紋認証部21によって音声を発したユーザーがログインユーザーであることが特定されなかった場合、オートリセット制御部27は、オートリセットが作動し易い条件に変更する。ただし、声紋認証部21によって音声を発したユーザーがログインユーザーであることが特定されなかった場合、オートリセット制御部27は、オートリセットが作動するための条件を変更しないようにしても良い。
【0072】
具体的な例を挙げると、オートリセット部25のカウント部26が所定時間をカウントしているときに音声入力部7に音声が入力され、声紋認証部21によってログインユーザーの発した音声であることが特定された場合、オートリセット制御部27は、カウント部26によるカウントをリセットする。つまり、カウント部26がそれまでにカウントしているカウント値を0に初期化するのである。これにより、オートリセットが作動するまでの時間が延長されることになるため、オートリセットが作動し難い条件に変更される。
【0073】
また、オートリセット制御部27は、音声を発したユーザーがログインユーザーであることが特定された場合、カウント部26がカウントする所定の時間を延長設定するようにしても良い。この場合も、オートリセットが作動するまでの時間が延長されることになるため、オートリセットが作動し難い条件に設定変更することができる。
【0074】
一方、オートリセット部25のカウント部26が所定時間をカウントしているときに音声入力部7に音声が入力され、声紋認証部21によってログインユーザーの発した音声であることが特定されなかった場合、オートリセット制御部27は、カウント部26のカウントをリセットすることなく、そのままカウントを継続させる。これにより、ログインユーザーであることが特定されなかった場合には、ログインユーザーであることが特定された場合よりも、早いタイミングでオートリセットが作動するようになる。
【0075】
また、オートリセット制御部27は、音声を発したユーザーがログインユーザーであることが特定されなかった場合、カウント部26がカウントする所定の時間を短縮設定するようにしても良い。この場合、オートリセットが作動するまでの時間が短縮されることになるため、より早いタイミングでオートリセットが作動するようになる。
【0076】
また、オートリセット制御部27は、表示部13にログインユーザーによる音声操作又は手動操作の内容が反映された画面が表示されている状態において、操作入力部14に対して手動操作による入力がなされず、且つ、音声入力部7に対して音声が入力されないとき、カウント部26によるカウントを継続させる。つまり、オートリセット制御部27は、手動操作及び音声操作の無入力状態が継続するときには、カウント部26によるカウントを継続させるのである。したがって、ログイン状態であるときにログインユーザーによる前回の手動操作又は音声操作が行われてから所定の時間が経過するまでの間に次の手動操作又は音声操作が行われなかった場合は、オートリセット部25によるオートリセットが行われ、ジョブの設定条件が初期の設定条件に戻ると共に、表示部13の表示画面が初期画面G10に戻る。
【0077】
ところで、ログイン状態であるときに声紋認証部21によってログインユーザーの発した音声であることが特定されなかった場合、情報処理装置1の近傍に、ログインユーザー以外のユーザーが存在する可能性がある。ログインユーザー以外のユーザーが情報処理装置1の近傍に存在するときには、そのようなユーザーによって情報処理装置1が不正使用されることを抑制する必要がある。そのため、オートリセット制御部27は、声紋認証部21によってログインユーザーの発した音声であることが特定されなかった場合、それ以降、ログインユーザーが使用できる機能を制限するようにしても良い。すなわち、オートリセット制御部27は、操作反映部22に対して機能制限を指示することにより、操作反映部22にログインユーザーが使用できる機能を制限させるのである。以下に、オートリセット制御部27が機能制限を行う幾つかの例を挙げる。
【0078】
例えば、オートリセット制御部27は、ログインユーザーがその時点で操作を行っている機能とは異なる機能への切り替えを制限する。一例を挙げると、ログインユーザーがスキャン機能を選択して設定操作を行っているときに、ログインユーザーとは異なるユーザーの音声が入力された場合、オートリセット制御部27は、コピー機能やプリント機能への切り替えを制限する。これにより、ログインユーザーとは異なるユーザーによって情報処理装置1の機能が利用されてしまうことを抑制することができる。また、現在使用中の機能については継続的な使用を許可することにより、ログインユーザーは、所望の機能を使用し続けることができる。
【0079】
また例えば、オートリセット制御部27は、通信インタフェース12を介して外部装置との通信が行われることを制限するようにしても良い。一例を挙げると、ログインユーザーがスキャン機能を選択して設定操作を行っているときに、画像データの出力宛先として外部装置が指定されることを禁止するのである。これにより、ログインユーザーとは異なるユーザーの指示によって秘密情報などが流出してしまうことを抑制することができる。
【0080】
また例えば、オートリセット制御部27は、セキュリティの高い情報へのアクセスを制限するようにしても良い。一例を挙げると、ログインユーザーがプリント対象となるデータを通信インタフェース12経由で外部から取得しようとしているとき、オートリセット制御部27は、セキュリティの高い情報が格納されている記憶デバイスへのアクセスを制限するのである。尚、外部の記憶デバイスに限らず、記憶部11に対するアクセスを制限するようにしても良い。このようにセキュリティの高い情報へのアクセスを制限することにより、ログインユーザーとは異なるユーザーの指示によって秘密情報などが流出してしまうことを抑制することができる。
【0081】
また例えば、オートリセット制御部27は、音声入力部7による音声入力の受け付けを停止し、音声操作による使用を制限するようにしても良い。つまり、オートリセット制御部27は、音声操作による情報処理装置1の使用を禁止するのである。これにより、情報処理装置1は、ログインユーザー以外のユーザーが発する音声に基づいて声紋認証などを行う必要がなくなるため、効率的な処理を行うことができるようになる。また、この場合、ログインユーザーは、手動操作のみで情報処理装置1を使用することができる。
【0082】
また例えば、オートリセット制御部27は、ログイン状態において音声が入力された場合において声紋認証部21によりログインユーザーであることが特定されなかったとき、音声出力部8を介して警告音を出力するようにしても良い。この場合の警告音としては、例えば「無効な音声入力が認識されました。」というような音声によるものであっても良い。これにより、ログインユーザーは、自身とは異なるユーザーの音声が認識されたことを把握することができる。また、情報処理装置1の周囲にいるユーザーも、情報処理装置1においてログインユーザーとは異なるユーザーの音声が検知されたことを把握することができる。
【0083】
また上記においては、主として、ログイン状態において行われる声紋認証においてログインユーザーであることが特定されなかった場合に、オートリセット制御部27がログインユーザーの使用できる機能を制限する例を説明した。しかし、これに限られず、オートリセット制御部27は、ログイン状態において行われる声紋認証においてログインユーザーであることが特定された場合であっても、操作反映部22により特定される音声操作の内容がその時点で音声操作が行われている機能とは異なる機能に対する操作であれば、ログインユーザーであることが特定されなかった場合と同様の処理を行うようにしても良い。すなわち、ログイン状態へ移行してからログインユーザーが複数の機能のうちから一の機能を選択する機能選択操作を行った後、別の機能への切り替えを禁止するのである。したがって、ログインユーザーは、別の機能を使用するときには一度ログアウト操作を行ってから再度情報処理装置1にログインすることが必要となる。このような再度のログイン操作を課すことにより、例えばログインユーザーが情報処理装置1から離れているときに、別のユーザーによって情報処理装置1の別の機能が不正に使用されることを抑制することができる。
【0084】
また上記においては、主として、音声入力部7に音声が入力される度に声紋認証部21が声紋認証を行う例を説明した。しかし、これに限られるものではない。例えば声紋認証部21は、音声入力部7に音声が入力された場合、入力音声の音量レベルや指向性などを判定し、所定の条件下で発せられた音声であれば声紋認証を行うようにしても良い。
【0085】
例えば、声紋認証部21は、音声入力部7によって音声が検知された場合、その音声が情報処理装置1の近傍で発せられた音声であるか否かを音声の音量レベルに基づいて判定する。音声の音量レベルが所定レベル以上であれば、情報処理装置1の近傍で発せられた音声であると判定することができ、反対に音声の音量レベルが所定レベル未満であれば、情報処理装置1から離れた場所で発せられた音声であると判定することができる。そして声紋認証部21は、情報処理装置1の近傍で発せられた音声である場合に、その音声に基づく声紋認証を行うのである。つまり、情報処理装置1から離れた場所で発せられた音声は情報処理装置1に対する音声操作を行うための音声ではないため、声紋認証部21は、そのような音声に基づく声紋認証を省略するのである。これにより、情報処理装置1において声紋認証のための処理負担を軽減することができるという利点がある。
【0086】
また例えば、声紋認証部21は、音声入力部7によって音声が検知された場合、その音声が情報処理装置1に向かって発せられた音声であるか否かを判定する。すなわち、声紋認証部21は、複数のマイク7a,7bのそれぞれが検出する音量レベルに基づいて音声の指向性を分析し、その音声が情報処理装置1に向かって発せられた音声であるか否かを判定するのである。その結果、情報処理装置1に向かって発せられた音声である場合、声紋認証部21は、その音声に基づく声紋認証を行う。つまり、情報処理装置1に向かって発せられていない音声は情報処理装置1に対する音声操作を行うための音声ではないため、声紋認証部21は、そのような音声に基づく声紋認証を省略するのである。これにより、情報処理装置1において声紋認証のための処理負担を軽減することができるという利点がある。尚、音声の指向性の判定は、上述した情報処理装置1の近傍で発せられた音声であるか否かの判定と共に行うようにしても良い。
【0087】
次に、上記のように構成される情報処理装置1の具体的な動作について説明する。
図4乃至
図7は、情報処理装置1において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。これらのフローチャートに示す処理手順は、制御部10のCPUによって行われる処理手順である。情報処理装置1は、この処理を開始すると、まず情報処理装置1を使用しようとするユーザーのログイン操作に基づいてユーザー認証処理を行い(ステップS1)、ユーザー認証に成功したか否かを判断する(ステップS2)。ここで、ユーザー認証においてユーザーを特定することができた場合にはユーザー認証が成功となり、ユーザーを特定することができなかった場合にはユーザー認証が失敗となる。ユーザー認証に失敗した場合(ステップS2でNO)、この処理は終了する。
【0088】
ユーザー認証に成功すると(ステップS2でYES)、情報処理装置1は、ログイン操作を行ったユーザーをログインユーザーと認定し、動作状態をログイン状態へ移行させる(ステップS3)。そして情報処理装置1は、オートリセットのためのカウント動作を開始する(ステップS4)。
【0089】
その後、情報処理装置1は、音声入力を検知したか否かを判断し(ステップS5)、音声入力を検知しなかった場合には(ステップS5でNO)、オートリセットのためのカウント動作を継続させる(ステップS6)。一方、音声入力を検知した場合(ステップS5でYES)、情報処理装置1は、声紋認証を行い(ステップS7)、音声入力を行ったユーザーがログインユーザーであるか否かを判断する(ステップS8)。音声入力を行ったユーザーがログインユーザーでなかった場合(ステップS8でNO)、情報処理装置1は、オートリセットのためのカウント動作を継続させる(ステップS9)。そして情報処理装置1は、機能制限フラグがオフであるか否かを判断し(ステップS11)、オフであれば(ステップS11でYES)、機能制限フラグをオンにする(ステップS12)。このとき、ログインユーザーに対して制限される機能を警告音で報知するようにしても良い。尚、機能制限フラグが既にオン状態であれば、ステップS12の処理はスキップする。
【0090】
また、音声入力を行ったユーザーがログインユーザーであると判断した場合(ステップS8でYES)、情報処理装置1は、音声操作反映処理を実行する(ステップS13)。この音声操作反映処理では、ログインユーザーによる音声操作を情報処理装置1へ反映させる処理が行われる。尚、音声操作反映処理の詳細については後述する。情報処理装置1は、音声操作反映処理を行った後、カウント部26によるカウントをリセットする(ステップS14)。これにより、カウント部26においてそれまでにカウントされているカウント値が0に初期化され、オートリセットが作動するまでの時間が延長される。
【0091】
続いて、情報処理装置1は、操作入力部14に対する手動入力を検知したか否かを判断し(ステップS15)、手動入力を検知しなかった場合には(ステップS15でNO)、オートリセットのためのカウント動作を継続させる(ステップS16)。一方、手動入力を検知した場合(ステップS15でYES)、情報処理装置1は、手動操作反映処理を実行する(ステップS17)。この手動操作反映処理では、ログインユーザーによる手動操作を情報処理装置1へ反映させる処理が行われる。尚、手動操作反映処理の詳細については後述する。情報処理装置1は、手動操作反映処理を行った後、カウント部26によるカウントをリセットする(ステップS18)。これにより、カウント部26においてそれまでにカウントされているカウント値が0に初期化され、オートリセットが作動するまでの時間が延長される。
【0092】
次に、情報処理装置1は、カウント部26において所定の時間のカウントが終了したか否かを判断する(ステップS19)。所定の時間のカウントが終了していない場合(ステップS19でNO)、未だオートリセットを作動させるタイミングではない。そのため、情報処理装置1による処理は、上述したステップS5に戻り、再び音声入力又は手動入力を受け付ける状態となる。
【0093】
これに対し、所定の時間のカウントが終了している場合(ステップS19でYES)、情報処理装置1は、オートリセット処理を行う(ステップS20)。すなわち、情報処理装置1は、設定部29において保持されているジョブの設定条件を初期の設定条件に戻し、さらに表示部13の表示画面を初期画面G10に戻す。そして情報処理装置1は、動作状態をログイン状態からログアウト状態へ自動的に移行させる。したがって、オートリセットが行われる直前に、秘密情報を含む画像や宛先情報などのようなセキュリティの高い情報が表示部13に表示されていたとしても、情報処理装置1においてオートリセットが作動することによりそれらの情報が表示されなくなるので、秘密情報の流出を防止することができる。
【0094】
次に
図5は、音声操作反映処理(
図4のステップS13)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1は、音声操作反映処理を開始すると、入力された音声に基づく音声認識を行い(ステップS30)、音声操作の内容を特定する処理を行う(ステップS31)。このとき、音声操作の内容を特定することができないこともある。音声操作の内容を特定することができないときには、例えば情報処理装置1による処理は、その後、
図4のステップS5に戻る。
【0095】
音声操作の内容を特定することができると、情報処理装置1は、機能制限フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS32)。機能制限フラグがオンである場合(ステップS32でYES)、情報処理装置1は、ステップS31で特定された音声操作の内容が現在選択されている機能に対する操作であるか否かを判断する(ステップS33)。音声操作の内容が現在選択されている機能に対する操作である場合(ステップS33でYES)、情報処理装置1は、音声操作の内容が外部装置と通信を行う操作であるか否かを判断する(ステップS34)。音声操作の内容が外部装置と通信を行う操作でない場合(ステップS34でNO)、情報処理装置1は、セキュリティの高い情報へアクセスする操作であるか否かを更に判断する(ステップS35)。
【0096】
音声操作の内容が現在選択されている機能に対する操作でなかった場合(ステップS33でNO)、情報処理装置1による処理はステップS36へ進む。また、音声操作の内容が外部装置と通信を行う操作であった場合(ステップS34でYES)、又は、音声操作の内容がセキュリティの高い情報へアクセスする操作であった場合(ステップS35でYES)にも、情報処理装置1による処理はステップS36へ進む。そして情報処理装置1は、カウント部26によるカウント動作を継続させる(ステップS36)。このとき、情報処理装置1は、警告音を出力し、使用することが制限された機能に対する操作が行われたことを報知するようにしても良い。
【0097】
そして情報処理装置1は、自動ログアウトさせるか否かを判断する(ステップS37)。例えば、情報処理装置1は、使用制限された機能に対して行われた操作回数を記憶しておき、その操作回数が所定回数を超えた場合に自動ログアウトを行うと判断するようにしても良い。そして自動ログアウトさせる必要がないと判断した場合(ステップS37でNO)、情報処理装置1による処理は、
図4のステップS5に戻る。また、自動ログアウトを行うと判断すると(ステップS37でYES)、情報処理装置1は、機能制限フラグを初期状態であるオフに戻す(ステップS38)。その後、情報処理装置1による処理は、
図4のステップS20へ進み、オートリセット処理が行われる。
【0098】
一方、機能制限フラグがオフであった場合(ステップS32でNO)、情報処理装置1による処理はステップS40へ進む。また、機能制限フラグがオンであっても、音声操作の内容が現在選択されている機能に対する操作であり(ステップS33でYES)、外部装置と通信を行う操作ではなく(ステップS34でNO)、さらにセキュリティの高い情報へアクセスする操作でもない場合(ステップS35でNO)、情報処理装置1による処理は同様にステップS40へ進む。そして情報処理装置1は、ステップS31で特定された音声操作を情報処理装置1へ反映させることを許可し(ステップS40)、ログインユーザーによって行われた音声操作の内容をジョブの設定条件に反映させる処理を実行する(ステップS41)。このとき、表示部13の表示画面にも音声操作の内容を反映させる処理が行われる。これにより、情報処理装置1において、ログインユーザーによる音声操作に基づく設定内容がジョブの設定条件として反映されるのである。以上で、音声操作反映処理が終了する。
【0099】
次に
図6は、手動操作反映処理(
図4のステップS17)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。情報処理装置1は、手動操作反映処理を開始すると、操作入力部14に対して行われた手動操作の内容を特定する(ステップS50)。音声操作の場合と異なり、手動操作の場合は操作入力部14に対するユーザーのタッチ位置などに基づいて手動操作の内容を確実に特定することができる。情報処理装置1は、手動操作の内容を特定すると、その手動操作を許可し(ステップS51)、特定した手動操作の内容をジョブの設定条件に反映させる処理を実行する(ステップS52)。以上で、手動操作反映処理が終了する。
【0100】
尚、
図6では、手動操作が行われた場合に機能制限フラグがオンであってもその手動操作の内容を情報処理装置1に反映させる例を説明した。しかし、ログインユーザーが情報処理装置1を使用した後にログアウト操作を行うことなく情報処理装置1から離れてしまっていることも考えられる。そのような場合には、手動操作を常に許可すると、ログインユーザーとは異なるユーザーによって情報処理装置1が不正に使用される可能性がある。そのため、手動操作が行われた場合にも、音声操作の場合と同様に、機能制限フラグがオンであれば、ユーザーが使用できる機能を制限するようにしても良い。
【0101】
次に、情報処理装置1が声紋認証を行うとき、入力音声の音量レベルと指向性とを判定して声紋認証を行う場合の動作について説明する。
図7は、声紋認証の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7のフローチャートに基づく処理は、例えば
図4のステップS7の処理と置き換えることもできる。情報処理装置1は、声紋認証のための処理を開始すると、まず入力された音声の音量レベルを判定し(ステップS60)、その音量レベルが所定レベル以上であるか否かを判断する(ステップS61)。入力された音声の音料レベルが所定レベル未満である場合(ステップS61でNO)、情報処理装置1は、さらに音声の指向性を判定し(ステップS62)、情報処理装置1に向かって発せられた音声であるか否かを判断する(ステップS63)。
【0102】
そして情報処理装置1は、入力された音声の音量レベルが所定レベル以上である場合(ステップS61でYES)、又は、入力された音声が情報処理装置1に向かって発せられた音声である場合(ステップS63でYES)、入力された音声に基づく声紋認証を行う(ステップS64)。そして情報処理装置1は、声紋認証の結果に基づき、音声を発したユーザーがログインユーザーであるか否かを判断する(ステップS65)。その結果、ログインユーザーである場合(ステップS65でYES)、情報処理装置1は、音声操作を行ったユーザーがログインユーザーであると特定する(ステップS66)。また、音声を発したユーザーがログインユーザーでない場合(ステップS65でNO)、情報処理装置1は、音声操作を行ったユーザーがログインユーザーではないことを特定する(ステップS67)。
【0103】
また、情報処理装置1は、入力された音声の音量レベルが所定レベル未満であり(ステップS61でNO)、且つ、入力された音声が情報処理装置1に向かって発せられた音声でない場合(ステップS63でNO)、声紋認証を行うことなく、音声操作を行ったユーザーがログインユーザーではないことを特定する(ステップS67)。したがって、情報処理装置1から離れた場所で発せられた音声や、情報処理装置1に向かって発せられていない音声が、情報処理装置1に対する有効な音声操作として処理されることはない。
【0104】
以上のように本実施形態の情報処理装置1は、ログインユーザーが使用可能なログイン状態において所定の時間が経過した場合にログイン状態からログアウト状態へ自動的に移行させることによってオートリセットを行う構成であり、そのようなオートリセット機能を制御するためのオートリセット制御部27を備えている。そしてオートリセット制御部27は、ログイン状態において音声入力部7に入力された音声に基づく声紋認証により、ログインユーザーであることが特定された場合と、ログインユーザーであることが特定されなかった場合とで、オートリセットが作動するまでの時間を変更するようにしている。そのため、情報処理装置1は、装置周辺で発せられる雑音を検知したとしても、そのような雑音をログインユーザーが発する音声と区別してオートリセット機能を制御することが可能であり、オートリセット機能を有効に作動させることができるという利点がある。
【0105】
またオートリセット制御部27は、ログイン状態において行われる声紋認証により現在音声操作を行っているログインユーザーであることが特定されなかった場合、ユーザーが使用できる機能を制限するようにしている。そのため、ログインユーザーとは異なるユーザーによって情報処理装置1が不正に使用されてしまうことを防止することができる。
【0106】
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0107】
例えば上記実施形態では、情報処理装置1がMFPとして構成される画像処理装置である場合を例示したが、それに限られるものではない。すなわち、情報処理装置1は、画像処理装置以外の他の情報機器であっても構わない。
【0108】
また上記実施形態では、情報処理装置1が表示部13を備えており、音声操作に基づいて表示部13の表示画面が更新される場合を例示した。しかし、情報処理装置1は、表示部13を備えていないものであっても構わない。すなわち、オートリセット部25は、オートリセットを作動させることにより、設定部29において設定されているジョブの設定条件だけをリセットするものであっても構わない。
【0109】
また上記実施形態では、情報処理装置1がユーザーによる手動操作と音声操作との双方を受け付けることが可能である場合を例示したが、それに限られるものでもない。すなわち、情報処理装置1は、音声操作のみを受け付け可能な装置であっても構わない。
【0110】
また上記実施形態では、ユーザーが情報処理装置1を使用するときには、情報処理装置1がユーザー認証を行ってログイン状態へ移行させた後に、ログインユーザーによる音声操作を受け付ける場合を例示した。しかし、これに限られるものでもない。すなわち、情報処理装置1は、ログイン状態へ移行させることなく、ユーザーによる音声操作を受け付けるものであっても構わない。
【0111】
また上記実施形態では、制御部10のCPUによって実行されるプログラム17が予め記憶部11に格納されている場合を例示した。しかし、プログラム17は、例えば通信インタフェース12などを介して情報処理装置1にインストールされるものであっても構わない。この場合、プログラム17は、インターネットなどを介してダウンロード可能な態様で提供されるものであっても良いし、また、CD-ROMやUSBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された態様で提供されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0112】
1 情報処理装置(画像処理装置)
6 操作パネル
7 音声入力部(音声入力手段)
8 音声出力部(音声出力手段)
10 制御部
12 通信インタフェース(通信手段)
13 表示部(表示手段)
14 操作入力部(操作入力手段)
17 プログラム
20 ログイン制御部
21 声紋認証部(声紋認証手段)
22 操作反映部(操作反映手段)
24 ジョブ制御部
25 オートリセット部(オートリセット手段)
26 カウント部(カウント手段)
27 オートリセット制御部(オートリセット制御手段)
29 設定部(設定手段)