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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20221109BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20221109BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20221109BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20221109BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B41J29/38 206
B41J29/38 202
B41J29/42 F
B41J21/00 Z
G03G21/00 386
H04N1/00 350
H04N1/00 567K
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019024238
(22)【出願日】2019-02-14
(65)【公開番号】P2020131460
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145908
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信雄
(74)【代理人】
【識別番号】100136711
【弁理士】
【氏名又は名称】益頭 正一
(72)【発明者】
【氏名】内田 悠司
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-052725(JP,A)
【文献】特開2003-233480(JP,A)
【文献】特開2017-228039(JP,A)
【文献】特開2016-112822(JP,A)
【文献】特開2018-081345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/42
B41J 21/00
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体の後段側に配置され、前記画像が形成された前記用紙を断裁する後処理装置とを備える画像形成装置であって、
前記画像形成装置本体は、
前記後処理装置に適用可能な断裁プロファイルを複数表示させる表示部と、
前記表示部により複数表示された前記断裁プロファイルの中から少なくとも1つを選択操作させる操作部と、
を備え、
前記後処理装置は、
前記断裁プロファイルのうち、前記画像形成装置本体の印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ設定と、前記断裁プロファイルに含まれる断裁設定とが整合するものを前記表示部に表示させる、
画像形成装置。
【請求項2】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定に含まれるリピート又は集約設定と、前記断裁設定に含まれる面付け数とが整合するものを前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定に含まれる画像サイズと、前記断裁設定に含まれる仕上がり寸法とが整合するものを前記表示部に表示させる、
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定に含まれる紙サイズと、前記断裁設定に含まれる用紙サイズとが整合するものを前記表示部に表示させる、
請求項1~3の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定に含まれる印刷位置と、前記断裁設定に含まれる断裁位置とが整合するものを前記表示部に表示させる、
請求項1~4の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記後処理装置は、
当該後処理装置の機械状態と、前記断裁設定とが整合するものを前記表示部に表示させる、
請求項1~5の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定と、前記断裁設定とが整合するものがない場合、当該画像形成装置とは異なるネットワーク上の他の前記画像形成装置から他の前記断裁プロファイルを取得する、
請求項1~6の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定に両面印刷が含まれる場合、前記印刷ジョブ設定と前記断裁設定とが整合するものが前記用紙の表面及び裏面の何れに該当するかを前記表示部に表示させる、
請求項1~7の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記後処理装置は、
前記用紙がフェイスダウン通紙であって、前記印刷ジョブ設定に含まれる印刷位置と、前記断裁設定に含まれる断裁位置とが不整合である場合、前記用紙の通紙方向用紙サイズと、通紙方向断裁位置とに基づき、前記断裁設定に含まれる断裁位置を変更する、
請求項1~8の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定と前記断裁設定とが不整合であるものを明示して前記表示部に表示させる、
請求項1~9の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記後処理装置は、
前記印刷ジョブ設定に含まれる複数の項目と、前記断裁設定に含まれる複数の項目との整合数が多い順に前記表示部に表示させる、
請求項1~10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記後処理装置は、
前記用紙にドブ断ちを行う場合、前記印刷ジョブ設定に含まれる画像サイズ及び前記ドブ断ちのドブ幅に基づき定まるサイズと、前記断裁設定に含まれる仕上がり寸法とが整合するものを前記表示部に表示させる、
請求項1~11の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記後処理装置は、
前記断裁設定に含まれる面付け数が印刷面数の約数である場合、前記印刷ジョブ設定に含まれるリピート又は集約と、前記断裁設定に含まれる面付け数とが整合するとみなす、
請求項1~12の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置本体により画像が形成された用紙に後処理を施す後処理装置が利用されている。後処理装置のうち、例えば、1枚の用紙を複数に分割して断裁することで作成物を出力するものがあるが、断裁には複数種類があるため、断裁設定の項目数は多い。よって、断裁設定の各項目につき、印刷ジョブごとに断裁設定を行うと操作に手間がかかる。そこで、後処理装置は、各種断裁設定を断裁プロファイルとして予め複数登録させ、印刷ジョブごとに断裁プロファイルを読み込むことで断裁設定の操作の手間を省かせている。なお、断裁プロファイル自体は印刷ジョブとは独立して登録させることができるが、最終的には印刷ジョブごとに断裁プロファイルをユーザーに選択させる。
【0003】
よって、断裁プロファイルが大量に登録されていれば、登録された一覧の断裁プロファイルの中から印刷ジョブに対応する断裁プロファイルを選択させるのはユーザーにとって手間がかかるものである。従来においては、印刷設定履歴の中から印刷ジョブと同一のドキュメントであって、直近のものを選択的に表示させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、集約設定に応じて効率的な断裁順序を示すものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-081345号公報
【文献】特開2017-058894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1,2に記載のような従来技術は、大量にある断裁プロファイルの中から印刷ジョブと関連付けて表示させるものではない。よって、ユーザーによる断裁プロファイルの選択は手間がかかるままであるため、断裁設定を容易に行うことができない状況である。
【0006】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、断裁設定を容易に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面である画像形成装置は、用紙に画像を形成する画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体の後段側に配置され、前記画像が形成された前記用紙を断裁する後処理装置とを備える画像形成装置であって、前記画像形成装置本体は、前記後処理装置に適用可能な断裁プロファイルを複数表示させる表示部と、前記表示部により複数表示された前記断裁プロファイルの中から少なくとも1つを選択操作させる操作部と、を備え、前記後処理装置は、前記断裁プロファイルのうち、前記画像形成装置本体の印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ設定と、前記断裁プロファイルに含まれる断裁設定とが整合するものを前記表示部に表示させる、ものである。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一側面によれば、断裁設定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態1における画像形成装置1の全体構成例を示す図である。
図2】本開示の実施形態1における画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。
図3】本開示の実施形態1における断裁プロファイルの設定画面の一例を示す図である。
図4】本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの関連性の一例を示す図である。
図5】本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の集約数と後処理装置3の断裁プロファイルの面付け数との整合性判定例を示す図である。
図6】本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の画像サイズと後処理装置3の断裁プロファイルの仕上がり寸法との整合性判定例を示す図である。
図7】本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の印刷位置と後処理装置3の断裁プロファイルの断裁位置との整合性判定例を示す図である。
図8】本開示の実施形態1における後処理装置3の制御例を説明するフローチャートである。
図9】本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。
図10】本開示の実施形態2における後処理装置3の断裁プロファイルの通紙方向に応じた断裁位置の一例を示す図である。
図11】本開示の実施形態2における後処理装置3の制御例を説明するフローチャートである。
図12】本開示の実施形態2における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。
図13】本開示の実施形態3における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。
図14】本開示の実施形態4における後処理装置3の制御例を説明するフローチャートである。
図15】本開示の実施形態4における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。
図16】本開示の実施形態5における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の画像サイズと後処理装置3の断裁プロファイルの仕上がり寸法とのドブ幅設定に応じた整合性判定パターン例を示す図である。
図17】本開示の実施形態6における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の集約数と後処理装置3の断裁プロファイルの面付け数との整合性判定例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。
【0011】
実施形態1.
図1は、本開示の実施形態1における画像形成装置1の全体構成例を示す図である。図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体2の後段側に後処理装置3が接続された構成を備える。後処理装置3は、後処理部71及び制御部300を備え、画像形成装置本体2から搬送される用紙Pに各種後処理を施す。後処理装置3の詳細については後述する。画像形成装置本体2は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像を形成する装置である。画像形成装置本体2は、YMCKの4色に対応する感光ドラムを中間転写ベルトの走行方向、すなわち鉛直方向に直列配置し、中間転写ベルトに一回の手順で各色トナー像を順次転写させる縦型タンデム方式が採用されている。すなわち、画像形成装置本体2は、感光ドラム上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルトに一次転写し、中間転写ベルト上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙Pに二次転写することにより、画像を形成する。
【0012】
画像形成装置本体2は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60及び制御部200を備える。画像読取部10は、自動原稿給送装置11及び原稿画像走査装置12等を備える。自動原稿給送装置11は、ADF(Auto Document Feeder)と称されている。自動原稿給送装置11は、原稿トレイに載置された原稿を搬送機構により搬送し、原稿画像走査装置12に送り出す。自動原稿給送装置11は、原稿トレイに載置された多数枚の原稿の画像を連続して読み取ることができる。なお、自動原稿給送装置11は、多数枚の原稿の画像を連続して読み取るとき、用紙反転機構により、それぞれの原稿の両面を読み取ることができる。原稿画像走査装置12は、自動原稿給送装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査する。原稿画像走査装置12は、光学的な走査による原稿からの反射光をCCDセンサーの受光面上に結像させることにより、原稿に形成されている原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づき、原稿画像の入力画像データを生成する。入力画像データは、画像処理部30に供給され、画像処理部30が予め設定された画像処理を実行する。
【0013】
操作表示部20は、例えば、タッチパネル付きの液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で実現され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部200から入力される表示制御信号に従い、各種操作画面、画像の状態又は各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー及びスタートキー等の各種操作キーを備える。操作部22は、ユーザーによる各種入力操作を受け付けることにより、操作信号を生成する。操作信号は、制御部200に出力される。
【0014】
画像処理部30は、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を入力画像データに行う回路を備える。画像処理部30は、例えば、制御部200の制御下において、階調補正データが設定されている階調補正テーブルに基づき、入力画像データに階調補正を行う。画像処理部30は、階調補正の他に、色補正及びシェーディング補正等の各種補正処理及び圧縮処理等を入力画像データに行う。このような各種デジタル画像処理が行われた入力画像データに基づき、画像形成部40は各種処理を行う。画像形成部40は、入力画像データに基づき、Y成分、M成分、C成分、及びK成分の各有色トナーによる画像を形成する。画像形成部40は、感光ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置及び中間転写装置を備える。帯電装置のコロナ放電により、感光ドラムの表面は一様に帯電される。露光装置が各色成分の画像に対応するレーザー光を感光ドラムに照射することにより、感光ドラムの表面に各色成分の静電潜像が形成される。現像装置が感光ドラムの表面に各色成分のトナーを供給させることにより、静電潜像は可視化されてトナー像が形成される。トナー像は、中間転写装置により用紙Pに転写される。
【0015】
定着部60は、用紙Pに転写されたトナー像を加熱及び加圧することにより、用紙Pにトナー像を定着させる。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52及び搬送経路部53等を備える。給紙部51は、用紙Pの坪量及びサイズ等に基づいて予め設定された種類ごとに用紙Pが収容される。搬送経路部53は、給紙部51に収容されている用紙P又は表裏の何れか一方に画像が形成された用紙Pを搬送する。なお、排紙部52は、画像が形成された用紙Pを機外に排出する。
【0016】
後処理装置3は、後処理部71及び制御部300に加え、搬送路切替部72、ジャム検知センサー73A、排紙センサー73B1、排紙センサー73B2、排紙センサー73B3、排紙センサー73B4、曲がり検知センサー73C1、曲がり検知センサー73C2、位置決めセンサー73D、カードトレイ74、パージトレイ75、屑箱76、整合部77A、ステアリングローラー77B、レジストローラー77C、搬送路D1、排紙搬送路E1、排紙搬送路E2、排紙搬送路E3及び排紙搬送路E4を備える。後処理部71の上流側には曲がり検知センサー73C1、曲がり検知センサー73C2、位置決めセンサー73D、整合部77A、ステアリングローラー77B、レジストローラー77C及び搬送路D1が配置される。後処理部71の下流側には搬送路切替部72、ジャム検知センサー73A、排紙センサー73B1、排紙センサー73B2、排紙センサー73B3、排紙センサー73B4、排紙搬送路E1、排紙搬送路E2、排紙搬送路E3及び排紙搬送路E4が配置される。後処理部71の上方にはパージトレイ75が配置される。後処理部71の下方には屑箱76が配置される。なお、排紙センサー73B1、排紙センサー73B2、排紙センサー73B3及び排紙センサー73B4を総称する場合、排紙センサー73Bと称する。
【0017】
搬送路D1には長尺紙搬送路D2が配置される。長尺紙搬送路D2は、長尺紙を搬送する際にバッファとして機能する。長尺紙搬送路D2には複数の整合部77Aが配置される。整合部77Aは、用紙Pの搬送方向と直交する方向に互いに対向する一対のCD整合部材(不図示)と、用紙Pの搬送方向と直交する方向にCD整合部材を往復運動させるCD整合モーター及び駆動機構(何れも不図示)とを備える。整合部77Aは、用紙Pの両側の縁にCD整合部材を突き当てて往復運動させることにより、用紙Pの両側の縁の位置を揃えるものである。なお、整合部77Aは、搬送路D1にも配置される。
【0018】
曲がり検知センサー73C1は、用紙Pの幅方向に配置されている一対の透過型センサーから構成され、それぞれの透過型センサーにより用紙Pの先端2箇所の通過時間を検知する。曲がり検知センサー73C2についても曲がり検知センサー73C1と同様である。なお、曲がり検知センサー73C1及び曲がり検知センサー73C2を総称する場合、曲がり検知センサー73Cと称する。ステアリングローラー77Bは、後処理部71の上流側に、用紙Pの搬送方向と直交方向に沿って配置された一対のものである。具体的には、ステアリングローラー77Bは、用紙Pの幅方向に互いに対向する位置にそれぞれ配置され、曲がり検知センサー73C1の検知結果に基づき、曲がり検知センサー73C1により検知された用紙Pの先端2箇所の通過時間の差異をなくすように、それぞれの回転量が同位相で駆動制御されて搬送速度差を生じさせることで、用紙Pの搬送方向に対する用紙Pの曲がりを調整する。なお、ステアリングローラー77Bは、曲がり検知センサー73C2の検知結果に基づき、用紙Pの搬送方向に対する用紙Pの曲がりをさらに調整する。
【0019】
レジストローラー77Cは、回転駆動が停止している状態で用紙Pの先端が突き当たることにより用紙Pの先端を揃えた後、用紙Pに上下方向の屈曲(ループ)を形成することで、用紙Pの搬送方向に対する用紙Pの曲がりを補正する。位置決めセンサー73Dは、後処理部71の上流側に配置され、後処理部71に搬送される用紙Pを検知する。後処理部71は、位置決めセンサー73Dの検知結果に基づき、用紙Pを断裁するときの用紙Pの位置を決める。具体的には、画像形成装置本体2の排紙部52から搬送路D1に搬送される用紙Pには、成果物又は仕切り紙の画像が印刷されている。後処理部71は、成果物及び仕切り紙の画像を形成する画像形成装置本体2の後段側に配置され、用紙Pを複数に断裁し、成果物及び仕切り紙を形成する。つまり、制御部300は、後処理部71により、用紙Pの一部に形成される成果物と、用紙Pの他の一部に形成される仕切り紙とに、断裁させる。後処理部71は、後処理モジュール71A、後処理モジュール71B、後処理モジュール71C及び後処理モジュール71Dの少なくとも1つを含んでいる。後処理モジュール71A~71Dのそれぞれは、後処理装置3から着脱可能であり、配置順も適宜入替可能に構成されている。例えば、成果物に応じて、後処理モジュール71A~71Dの少なくとも1つを後処理装置3から取り外すことも可能である。
【0020】
後処理モジュール71Aは、用紙Pを搬送方向すなわち副走査方向に断裁するスリッターを備えている。後処理モジュール71Aにより、用紙Pの第1の余白として例えば天地の余白が断裁される。後処理モジュール71Aのスリッターは、天地の余白を断裁する場合には、天地スリッターとして機能する。後処理モジュール71Bは、例えば、後処理モジュール71Aにより断裁された用紙Pに筋入れを行う筋入れ部を備えてもよい。なお、後処理モジュール71Bは、後処理モジュール71Aにより断裁された用紙Pにミシン目を形成するミシン目部を備えてもよい。ただし、後処理モジュール71Bは、筋入れ又はミシン目のような加工を用紙Pにしない場合、搬送路D1に沿ってガイド板だけ設けてあればよい。後処理モジュール71Cは、用紙Pを搬送方向に断裁するスリッターを備えている。後処理モジュール71Cのスリッターが配置される位置は、後処理モジュール71Aのスリッターが配置される位置とは異なる。後処理モジュール71Cにより、用紙Pの第2の余白として例えば成果物間又は仕切り紙間の余白が断裁される。後処理モジュール71Cのスリッターは、成果物間又は仕切り紙間の余白を断裁する場合には、ドブ断ちスリッターとして機能する。後処理モジュール71Dは、後処理モジュール71Cにより断裁された用紙Pを搬送方向と直交する方向すなわち主走査方向に断裁するギロチンカッターを備える。後処理モジュール71Dにより主走査方向に断裁された用紙Pは、成果物、仕切り紙又は切り屑として後続に搬送される。なお、用紙Pを搬送方向と平行に断裁することをFD(Feed Direction)断裁と呼び、用紙Pを搬送方向と直交する方向に断裁することをCD(Cross Direction)断裁と呼ぶ。FD断裁は、後処理モジュール71A,71Cにより行われ、CD断裁は、後処理モジュール71Dにより行われる。
【0021】
搬送路切替部72は、後処理部71を通過した用紙Pの搬送先により排紙搬送路E1~E4の何れかに切り替える。排紙搬送路E1は、カードトレイ74まで成果物又は仕切り紙を搬送する。排紙搬送路E2は、パージトレイ75まで成果物又は仕切り紙を搬送する。排紙搬送路E3は、屑箱76まで切り屑を搬送する。排紙搬送路E4は、後処理装置3の後段側に接続される別の処理装置まで成果物又は仕切り紙を搬送する。ジャム検知センサー73Aは、後処理モジュール71Dと搬送路切替部72との間に配置され、後処理モジュール71Dから出る成果物又は仕切り紙を検知する。予め設定した時間を経過しても、ジャム検知センサー73Aが成果物又は仕切り紙を検知しない場合、制御部300は搬送路D1内でジャムが発生したと判定する。
【0022】
カードトレイ74は、搬送路切替部72により切り替えられた排紙搬送路E1の排紙先であり、成果物及び仕切り紙を収容可能なサイズに形成されていればよい。カードトレイ74は、排紙搬送路E1により搬送された成果物及び仕切り紙が積載可能である。制御部300は、成果物及び仕切り紙を排紙搬送路E1によりカードトレイ74まで搬送させる制御を行う。排紙搬送路E1には、排紙センサー73B1が配置される。よって、制御部300は、排紙センサー73B1の検知結果に基づき、排紙搬送路E1により搬送される成果物又は仕切り紙がカードトレイ74まで確実に排紙されたか否かを検知可能である。
【0023】
パージトレイ75は、搬送路切替部72により切り替えられた排紙搬送路E2の排紙先であり、成果物及び仕切り紙の他に、成果物及び仕切り紙よりも大きいサイズに断裁されたものも積載可能である。制御部300は、成果物及び仕切り紙を排紙搬送路E2によりパージトレイ75まで搬送させる制御を行う。排紙搬送路E2には、排紙センサー73B2が配置される。よって、制御部300は、排紙センサー73B2の検知結果に基づき、排紙搬送路E2により搬送される成果物又は仕切り紙がパージトレイ75まで確実に排紙されたか否かを検知可能である。
【0024】
屑箱76は、搬送路切替部72により切り替えられた排紙搬送路E3の排紙先である。屑箱76には、後処理部71により断裁された第1の余白、第2の余白又は成果物間の余白等の切り屑が収容される。制御部300は、後処理部71により断裁された各種切り屑を排紙搬送路E3により屑箱76まで搬送させる制御を行う。排紙搬送路E3には、排紙センサー73B3が配置される。よって、制御部300は、排紙センサー73B3の検知結果に基づき、排紙搬送路E3により搬送される各種切り屑が屑箱76まで確実に排紙されたか否かを検知可能である。なお、後処理部71の真下に屑箱76が配置される場合、断裁された切り屑が屑箱76に直接落とされるため、排紙搬送路E3が配置されず、排紙センサー73B3も不要である。
【0025】
排紙搬送路E4は、後処理装置3の後段側に処理装置が接続される場合、搬送路切替部72により切り替えられた排紙搬送路E4の排紙先である処理装置に成果物又は仕切り紙を搬送する。排紙搬送路E4には、排紙センサー73B4が配置される。よって、制御部300は、排紙センサー73B4の検知結果に基づき、排紙搬送路E4により搬送される成果物又は仕切り紙が処理装置まで確実に排紙されたか否かを検知可能である。
【0026】
図2は、本開示の実施形態1における画像形成装置1の制御系の主要部を示す図である。図2に示すように、画像形成装置本体2の制御部200は、CPU201、ROM202、RAM203、ストレージ204及び通信インターフェース205を備える。なお、画像形成装置本体2内の自動原稿給送装置11、原稿画像走査装置12、操作表示部20、画像形成部40及び制御部200は、バスを介して接続される。CPU201は、画像形成装置本体2内の自動原稿給送装置11、操作表示部20及び画像形成部40等の動作を制御するプロセッサーとして用いられる。例えば、CPU201は、操作表示部20を介して行われるユーザーの印刷指示に基づき、画像形成部40の画像形成処理を制御する。ROM202は、不揮発性メモリとして用いられ、CPU201が動作するために必要なプログラム又はデータ等を記憶している。RAM203は、揮発性メモリとして用いられ、CPU201が行う各処理に必要なデータを一時的に記憶する。ストレージ204は、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成され、CPU201が画像形成装置本体2を制御するためのプログラム、OS(Operating System)及びデータを記憶している。ストレージ204に記憶されているプログラム及びデータの一部は、ROM202にも記憶されている。ストレージ204は、CPU201により実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。なお、ストレージ204は、HDDに限定されず、例えば、SSD(Solid State Drive)又はブルーレイディスク(登録商標)等の記録媒体であってもよい。通信インターフェース205は、NIC(Network Interface Card)又はモデム等で構成され、複数の後処理装置3又はネットワーク4上の他の画像形成装置1等との接続を確立し、各種データの送受信を実行する。
【0027】
また、図2に示すように、後処理装置3の制御部300は、CPU301、ROM302、RAM303、ストレージ304及び通信インターフェース305を備える。なお、後処理装置3内の後処理部71、搬送路切替部72及び制御部300は、バスを介して接続されている。CPU301は、後処理装置3内の後処理部71及び搬送路切替部72等の動作を制御するプロセッサーとして用いられる。例えば、CPU301は、後処理部71による断裁処理及び断裁した用紙Pの排紙搬送路E1~E4の切替処理等を実行する機能を備える。ROM302は、不揮発性メモリとして用いられ、CPU301が動作するために必要なプログラム又はデータ等を記憶している。RAM303は、揮発性メモリとして用いられ、CPU301が行う各処理に必要なデータを一時的に記憶する。ストレージ304は、例えばHDDで構成され、CPU301が後処理装置3を制御するためのプログラム、OS及びデータを記憶する。ストレージ304に記憶されるプログラム及びデータの一部は、ROM302にも記憶されている。ストレージ304は、CPU301により実行されるプログラムを格納したコンピューター読取可能な非一過性の記録媒体として用いられる。なお、ストレージ304は、HDDに限定されず、例えば、SSD又はブルーレイディスク等の記録媒体であってもよい。通信インターフェース305は、NIC又はモデム等で構成され、画像形成装置本体2及び不図示の外部端末等との接続を確立し、各種データの送受信を実行する。なお、後処理装置3が画像形成装置本体2にインラインで配置されていれば、後処理装置3で実行される各種機能は、画像形成装置本体2のCPU201、ROM202、RAM203及びストレージ204を用いて実行されてもよい。よって、後処理装置3からCPU301、ROM302、RAM303及びストレージ304を除いた構成であってもよい。
【0028】
なお、図1では図示を省略したが、後処理装置3は、側面規制部77Dを備えてもよい。側面規制部77Dは、後処理部71の上流側であって、搬送路D1及び長尺紙搬送路D2に配置されるものである。側面規制部77Dは、側面規制板と、斜行ベルトと、吸引ダクトとを備える(何れも不図示)。側面規制部77Dは、吸引ダクトにより斜行ベルトに用紙Pを吸着させ、斜行ベルトにより用紙Pの側端側を側面規制板に当接させながら用紙Pを斜め方向に送り出すことにより用紙Pの側端側の位置を一定に揃えるものである。また、整合部77A、ステアリングローラー77B、レジストローラー77C及び側面規制部77Dを総称する場合、補正部77と称する。
【0029】
図3は、本開示の実施形態1における断裁プロファイルの設定画面の一例を示す図である。図3に示すように、断裁プロファイルは、用紙サイズ及び断裁種類を含む設定情報並びに断裁設定が設定される。断裁設定は、例えば、仕上がり寸法、面付け数及びドブ断ち幅等を含む。よって、断裁プロファイルは多くの項目を設定可能であるので、大量に登録されている場合、ユーザーは断裁プロファイルの一覧の中から選択するのは手間がかかる。
【0030】
そこで、印刷ジョブ設定と、断裁プロファイルに含まれる断裁設定との整合性を確認し、整合が取れている設定のみをユーザーに示すとユーザーに選択の手間を省かせることができる。図4は、本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの関連性の一例を示す図である。図4に示すように、印刷ジョブ設定と、断裁設定との整合性判定で「OK」(整合)となったものと、印刷ジョブ設定と、断裁設定との整合性判定で「NG」(不整合)となったものと、が存在する。次に、各種整合性判定の一例を図5図7を用いて説明する。なお、図4において、機械状態と、断裁設定とは、断裁機の刃として機能する後処理部71に配置されるものと、断裁設定との整合性を判定するパラメーターとして利用される。
【0031】
図5は、本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の集約数と後処理装置3の断裁プロファイルの面付け数との整合性判定例を示す図である。図5(a)は、印刷ジョブ設定8in1と、断裁設定の面付け数8断裁との整合性判定がOKの例である。図5(b)は、印刷ジョブ設定8in1と、断裁設定の面付け数が4の断裁との整合性判定がNGの例である。図6は、本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の画像サイズと後処理装置3の断裁プロファイルの仕上がり寸法との整合性判定例を示す図である。図6(a)は、印刷ジョブ設定の画像サイズ≦断裁設定の仕上がり寸法により画像欠損なく断裁されるOKの例である。図6(b)は、印刷ジョブ設定の画像サイズ>断裁設定の仕上がり寸法により断裁で画像が欠損されるNGの例である。図7は、本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の印刷位置と後処理装置3の断裁プロファイルの断裁位置との整合性判定例を示す図である。図7(a)は、印刷ジョブ設定がセンタリングONであり、断裁設定の断裁位置が中央相当であるOKの例である。図7(b)は、印刷ジョブ設定がセンタリングON且つシフトがあり、断裁設定の断裁位置が中央相当であるNGの例である。つまり、断裁位置に問題があるNGの例である。
【0032】
図8は、本開示の実施形態1における後処理装置3の制御例を説明するフローチャートである。ステップS11において、制御部300は、整合性確認済みプロファイル数iに0を設定し、ステップS12の処理に移行する。ステップS12において、制御部300は、断裁プロファイル番号nに1を設定し、ステップS13の処理に移行する。ステップS13において、制御部300は、リピート又は集約設定が面付け数と整合するか否かを判定する。制御部300は、リピート又は集約設定が面付け数と整合すると判定する場合(ステップS13;Y)、ステップS14の処理に移行する。制御部300は、リピート又は集約設定が面付け数と整合しないと判定する場合(ステップS13;N)、ステップS21の処理に移行する。
【0033】
ステップS14において、制御部300は、画像サイズが仕上がり寸法と整合するか否かを判定する。制御部300は、画像サイズが仕上がり寸法と整合すると判定する場合(ステップS14;Y)、ステップS15の処理に移行する。制御部300は、画像サイズが仕上がり寸法と整合しないと判定する場合(ステップS14;N)、ステップS21の処理に移行する。ステップS15において、制御部300は、紙サイズが用紙サイズと整合するか否かを判定する。制御部300は、紙サイズが用紙サイズと整合すると判定する場合(ステップS15;Y)、ステップS16の処理に移行する。制御部300は、紙サイズが用紙サイズと整合しないと判定する場合(ステップS15;N)、ステップS21の処理に移行する。
【0034】
ステップS16において、制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合するか否かを判定する。制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合すると判定する場合(ステップS16;Y)、ステップS17の処理に移行する。制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合しないと判定する場合(ステップS16;N)、ステップS21の処理に移行する。ステップS17において、制御部300は、機械状態が断裁設定と整合するか否かを判定する。制御部300は、機械状態が断裁設定と整合すると判定する場合(ステップS17;Y)、ステップS18の処理に移行する。制御部300は、機械状態が断裁設定と整合しないと判定する場合(ステップS18;N)、ステップS21の処理に移行する。
【0035】
ステップS18において、制御部300は、整合性確認済みプロファイル番号Piに断裁プロファイル番号nを設定し、ステップS19の処理に移行する。ステップS19において、制御部300は、整合性確認済みプロファイル数iを+1歩進し、ステップS20の処理に移行する。ステップS20において、制御部300は、断裁プロファイル番号nが断裁プロファイル総数Nに到達したか否かを判定する。制御部300は、断裁プロファイル番号nが断裁プロファイル総数Nに到達したと判定する場合(ステップS20;Y)、ステップS22の処理に移行する。制御部300は、断裁プロファイル番号nが断裁プロファイル総数Nに到達していないと判定する場合(ステップS20;N)、ステップS21の処理に移行する。ステップS21において、制御部300は、断裁プロファイル番号nを+1歩進し、ステップS13の処理に戻る。ステップS22において、制御部300は、整合性確認済みプロファイル番号Piに応じて検索結果を表示させ、処理を終了する。
【0036】
図9は、本開示の実施形態1における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。図9の一例は、3つの断裁プロファイルに絞られたものである。また、片面印刷及び両面印刷の何れであっても、断裁機として機能する後処理部71の動作は同じであるが、両面印刷の場合、表面に対する断裁としてはOKであっても、裏面に対する断裁としてはNGとなることもある。よって、両面印刷の場合、制御部300は、裏面に対しても整合性判定を実行する。ただし、表面と裏面とで整合性判定結果が異なる場合、そもそも表裏の画像位置が合っていない。よって、印刷設定に誤りがあると予想される。したがって、印刷設定の修正を想定し、図9に示すように、検索結果表示において面ごとのOK/NGが識別できるように表示させる。
【0037】
なお、断裁プロファイルは、画像形成装置1、特に後処理装置3ごとに設定されるため、1台の後処理装置3に未設定であるとしても、他の後処理装置3に設定されている場合が想定される。そこで、整合性の取れる断裁プロファイルがなかったとしても、ネットワーク上の他の後処理装置3に設定されている断裁プロファイルを検索することで、後処理装置3間の断裁設定の差異を吸収することができる。
【0038】
以上の説明から、実施形態1において、後処理装置3は、断裁プロファイルのうち、画像形成装置本体2の印刷ジョブに含まれる印刷ジョブ設定と、断裁プロファイルに含まれる断裁設定とが整合するものを表示部21に表示させる。よって、印刷ジョブに合わせて当たりをつけて絞り込んだものが表示される。したがって、断裁設定を容易に行うことができる。
【0039】
また、実施形態1において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定に含まれるリピート又は集約設定と、断裁設定に含まれる面付け数とが整合するものを表示部21に表示させる。よって、印刷ジョブ設定に応じた面付け数が設定された断裁プロファイルが選択される。したがって、断裁プロファイルに当たりをつけて絞り込んだものを表示させることができる。
【0040】
また、実施形態1において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定に含まれる画像サイズと、断裁設定に含まれる仕上がり寸法とが整合するものを表示部21に表示させる。よって、印刷ジョブ設定に応じた仕上がり寸法が設定された断裁プロファイルが選択される。したがって、断裁プロファイルに当たりをつけて絞り込んだものを表示させることができる。
【0041】
また、実施形態1において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定に含まれる紙サイズと、断裁設定に含まれる用紙サイズとが整合するものを表示部21に表示させる。よって、印刷ジョブ設定に応じた用紙サイズが設定された断裁プロファイルが選択される。したがって、断裁プロファイルに当たりをつけて絞り込んだものを表示させることができる。
【0042】
また、実施形態1において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定に含まれる印刷位置と、断裁設定に含まれる断裁位置とが整合するものを表示部21に表示させる。よって、印刷ジョブ設定に応じた断裁位置が設定された断裁プロファイルが選択される。したがって、断裁プロファイルに当たりをつけて絞り込んだものを表示させることができる。
【0043】
また、実施形態1において、後処理装置3は、後処理装置3の機械状態と、断裁設定とが整合するものを表示部21に表示させる。よって、後処理装置3のハードウェア設定とソフトウェア設定とが整合する断裁プロファイルが選択される。したがって、後処理装置3のハードウェア設定にないものを除外できる。
【0044】
また、実施形態1において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定と、断裁設定とが整合するものがない場合、ネットワーク4上の他の画像形成装置1から他の断裁プロファイルを取得する。よって、画像形成装置1間で断裁プロファイルを共有化することができる。したがって、ネットワーク4上のソフトウェア資源を有効活用することができる。
【0045】
また、実施形態1において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定に両面印刷が含まれる場合、印刷ジョブ設定と断裁設定とが整合するものが用紙Pの表面及び裏面の何れに該当するかを表示部21に表示させる。よって、両面印刷であっても、印刷ジョブ設定に応じた断裁プロファイルであるか否かが明示される。したがって、ユーザーに適切な判断を促すことができる。
【0046】
実施形態2.
実施形態2において、実施形態1と同様の構成及び機能の説明は省略する。実施形態2はフェイスアップ通紙及びフェイスダウン通紙を含めた処理について説明する。図10は、本開示の実施形態2における後処理装置3の断裁プロファイルの通紙方向に応じた断裁位置の一例を示す図である。図10(a)は、フェイスアップ通紙の一例を示す。図10(b)は、フェイスダウン通紙の一例を示す。図10(a)に示すようにフェイスアップでは断裁プロファイルがOKだとしても、図10(b)に示すようにフェイスダウンでは断裁プロファイルがNGになる場合がある。そこで、図10(b)に示すように、フェイスダウン読み替えを行う。フェイスアップとフェイスダウンとの読み替えは、読み替え後通紙方向断裁位置=通紙方向用紙サイズ-通紙方向断裁位置で実現可能である。
【0047】
図11は、本開示の実施形態2における後処理装置3の制御例を説明するフローチャートである。ステップS41~ステップS45の処理は、ステップS11~ステップS15の処理と同様であるので、その説明については省略する。ステップS51~ステップS54の処理は、ステップS18~ステップS21の処理と同様であるので、その説明については省略する。
【0048】
ステップS46において、制御部300は、機械状態が断裁設定と整合するか否かを判定する。制御部300は、機械状態が断裁設定と整合すると判定する場合(ステップS46;Y)、ステップS47の処理に移行する。制御部300は、機械状態が断裁設定と整合しないと判定する場合(ステップS46;N)、ステップS54の処理に移行する。ステップS47において、制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合するか否かを判定する。制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合すると判定する場合(ステップS47;Y)、ステップS48の処理に移行する。制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合しないと判定する場合(ステップS47;N)、ステップS49の処理に移行する。ステップS48において、制御部300は、フェイスダウン読み替えフラグFiを0に設定し、ステップS51の処理に移行する。ステップS49において、制御部300は、印刷位置が排紙方向変更時断裁位置と整合するか否かを判定する。制御部300は、印刷位置が排紙方向変更時断裁位置と整合すると判定する場合(ステップS49;Y)、ステップS50の処理に移行する。制御部300は、印刷位置が排紙方向変更時断裁位置と整合しないと判定する場合(ステップS49;N)、ステップS54の処理に移行する。ステップS50において、制御部300は、フェイスダウン読み替えフラグFiを1に設定し、ステップS51の処理に移行する。ステップS55において、制御部300は、整合性確認すみプロファイル番号Piと、フェイスダウン読み替えフラグFiとに応じて検索結果を表示し、処理を終了する。なお、排紙方向変更時断裁位置は、上記で説明した読み替え後通紙方向断裁位置、すなわち、通紙方向断裁位置である。
【0049】
図12は、本開示の実施形態2における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。図10に示すようにフェイスダウン時は読み替えることで整合が取れるものであれば、図12に示すように警告表示を行う。なお、図12ではアイコン表示としているが、色や文字などで表示してもよい。
【0050】
以上の説明から、実施形態2において、後処理装置3は、用紙Pがフェイスダウン通紙であって、印刷位置と、断裁位置とが不整合である場合、用紙Pの通紙方向用紙サイズと、通紙方向断裁位置とに基づき、断裁位置を変更する。よって、通紙方向に合わせて断裁プロファイルを更新することができる。したがって、断裁プロファイルをより使いやすくすることができる。
【0051】
実施形態3.
実施形態3において、実施形態1,2と同様の構成及び機能の説明は省略する。実施形態3は、不整合のものを非表示にするのではなく、不整合であることを明示して表示させる処理である。図13は、本開示の実施形態3における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。図13に示すように、断裁プロファイルのうち、不整合であるものは、整合とは異なる表示をさせることで、不整合であるものを明示させる。不整合であっても表示されるので、不整合のものを編集することにより新規に断裁プロファイルを登録することができる。
【0052】
以上の説明から、実施形態3において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定と断裁設定とが不整合であるものを明示して表示部21に表示させる。よって、整合するものがない場合であっても断裁プロファイルは表示される。したがって、断裁プロファイルの一部の項目を編集して新規に断裁プロファイルを登録させる作業をユーザーに容易に行わせることができる。
【0053】
実施形態4.
実施形態4において、実施形態1~3と同様の構成及び機能の説明は省略する。実施形態4は、整合性判定につき、一致する項目数が多い方から順に表示させることで断裁プロファイルの検索性をさらに向上させる処理である。図14は、本開示の実施形態4における後処理装置3の制御例を説明するフローチャートである。ステップS71及びステップS72の処理は、ステップS11及びステップS12の処理と同様であるので、その説明は省略する。ステップS83~ステップS85の処理は、ステップS19~ステップS21の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0054】
ステップS73において、制御部300は、リピート又は集約設定が面付け数と整合するか否かを判定する。制御部300は、リピート又は集約設定が面付け数と整合すると判定する場合(ステップS73;Y)、ステップS75の処理に移行する。制御部300は、リピート又は集約設定が面付け数と整合しないと判定する場合(ステップS73;N)、ステップS74の処理に移行し、ステップS74において、不整合数NPiを+1歩進し、ステップS75の処理に移行する。
【0055】
ステップS75において、制御部300は、画像サイズが仕上がり寸法と整合するか否かを判定する。制御部300は、画像サイズが仕上がり寸法と整合すると判定する場合(ステップS75;Y)、ステップS77の処理に移行する。制御部300は、画像サイズが仕上がり寸法と整合しないと判定する場合(ステップS75;N)、ステップS76の処理に移行し、ステップS76において、不整合数NPiを+1歩進し、ステップS77の処理に移行する。
【0056】
ステップS77において、制御部300は、紙サイズが用紙サイズと整合するか否かを判定する。制御部300は、紙サイズが用紙サイズと整合すると判定する場合(ステップS77;Y)、ステップS79の処理に移行する。制御部300は、紙サイズが用紙サイズと整合しないと判定する場合(ステップS77;N)、ステップS78の処理に移行し、ステップS78において、不整合数NPiを+1歩進し、ステップS79の処理に移行する。
【0057】
ステップS79において、制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合するか否かを判定する。制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合すると判定する場合(ステップS79;Y)、ステップS81の処理に移行する。制御部300は、印刷位置が断裁位置と整合しないと判定する場合(ステップS79;N)、ステップS80の処理に移行し、ステップS80において、不整合数NPiを+1歩進し、ステップS81の処理に移行する。
【0058】
ステップS81において、制御部300は、機械状態が断裁設定と整合するか否かを判定する。制御部300は、機械状態が断裁設定と整合すると判定する場合(ステップS81;Y)、ステップS83の処理に移行する。制御部300は、機械状態が断裁設定と整合すると判定しない場合(ステップS81;N)、ステップS82の処理に移行し、ステップS82において、不整合数NPiを+1歩進し、ステップS83の処理に移行する。
【0059】
ステップS86において、制御部300は、不整合数NPiに応じてソートした検索結果を表示させ、処理を終了する。
【0060】
図15は、本開示の実施形態4における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定と後処理装置3の断裁プロファイルとの整合性判定結果表示例を示す図である。図15に示すように、不整合数NPiに応じてソートされた結果が表示される。
【0061】
以上の説明から、実施形態4において、後処理装置3は、印刷ジョブ設定に含まれる複数の項目と、断裁設定に含まれる複数の項目との整合数が多い順に表示部21に表示させる。よって、整合数に応じた断裁プロファイルの選択ができる。したがって、ユーザーの使い勝手をさらに向上させることができる。
【0062】
実施形態5.
実施形態5において、実施形態1~4と同様の構成及び機能の説明は省略する。実施形態5は、ドブ幅設定をさらに加えた場合の処理である。図16は、本開示の実施形態5における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の画像サイズと後処理装置3の断裁プロファイルの仕上がり寸法とのドブ幅設定に応じた整合性判定パターン例を示す図である。図16に示すように、ドブ幅設定がある場合、印刷ジョブ設定に含まれる画像サイズ-ドブ幅×2=仕上がり寸法が成立すれば、OK(整合)となる。
【0063】
以上の説明から、実施形態5において、後処理装置3は、用紙Pにドブ断ちを行う場合、印刷ジョブ設定に含まれる画像サイズ及びドブ断ちのドブ幅に基づき定まるサイズと、断裁設定に含まれる仕上がり寸法とが整合するものを表示部21に表示させる。よって、断裁プロファイルにドブ断ちの項目を含めることができる。したがって、ユーザーの使い勝手をさらに向上させることができる。
【0064】
実施形態6.
実施形態6において、実施形態1~5と同様の構成及び機能の説明は省略する。実施形態6は、面付け数のバリエーションを増やした処理である。図17は、本開示の実施形態6における画像形成装置本体2の印刷ジョブ設定の集約数と後処理装置3の断裁プロファイルの面付け数との整合性判定例を示す図である。図17(a)は、6in1から2in1×3シートであって、断裁後のシートが3枚とも一致する一例を示す。図17(b)は、6in1から4in1+2in1であって、断裁後のシートの1枚目と2枚目とが異なる一例を示す。図17(a)及び図17(b)に示すように、面付け数が印刷面数の約数になっている場合も整合性を満たす。
【0065】
以上の説明から、実施形態6において、後処理装置3は、断裁設定に含まれる面付け数が印刷面数の約数である場合、印刷ジョブ設定に含まれるリピート又は集約設定と、断裁設定に含まれる面付け数とが整合するとみなす。よって、面付け数と、印刷面数とが一致しない場合も想定できる。例えば、8in1であれば通常は印刷面数は8シートが想定されるが、実際には1シートに2in1を4つ配置し(印刷ジョブ設定としては8in1)、4つに断裁して出力物を4枚得るような使い方も可能となる(断裁後出力物1枚当たり2in1となる)。したがって、ユーザーの使い勝手をさらに向上させることができる。なお、図17(b)の一例は、6面付けから3画像を2シート得る場合である。
【0066】
以上、本開示に係る画像形成装置1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。例えば、本実施形態においては、画像形成装置1が、画像形成装置本体2と、後処理装置3とを備えている一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置1は、画像形成装置本体2及び後処理装置3に加え、給紙装置、画像読取装置又は中継装置等をさらに備えてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 画像形成装置
2 画像形成装置本体、10 画像読取部、11 自動原稿給送装置
12 原稿画像走査装置、20 操作表示部、21 表示部、22 操作部
30 画像処理部、40 画像形成部、50 用紙搬送部
51 給紙部、52 排紙部、53 搬送経路部、60 定着部
200 制御部、201 CPU、202 ROM、203 RAM
204 ストレージ、205 通信インターフェース
3 後処理装置、300 制御部、301 CPU、302 ROM
303 RAM、304 ストレージ、305 通信インターフェース
4 ネットワーク
71 後処理部、71A,71B,71C,71D 後処理モジュール
72 搬送路切替部、73A ジャム検知センサー
73B,73B1,73B2,73B3,73B4 排紙センサー
73C,73C1,73C2 曲がり検知センサー、73D 位置決めセンサー
74 カードトレイ、75 パージトレイ、76 屑箱
77 補正部
77A 整合部、77B ステアリングローラー
77C レジストローラー、77D 側面規制部
D1 搬送路、D2 長尺紙搬送路、E1~E4 排紙搬送路
P 用紙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17