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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】はんだ付け装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/00 20060101AFI20221109BHJP
   B23K 3/04 20060101ALI20221109BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20221109BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B23K1/00 330E
B23K3/04 B
H05K3/34 507D
H01L21/52 H
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019079595
(22)【出願日】2019-04-18
(65)【公開番号】P2020175417
(43)【公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西改 健太
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-253530(JP,A)
【文献】特開平07-235559(JP,A)
【文献】特開昭62-159438(JP,A)
【文献】特開2007-115848(JP,A)
【文献】特開2015-112628(JP,A)
【文献】国際公開第2013/161875(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00 - 3/08、31/02、33/00
H05K 3/32 - 3/34
H01L 21/52、21/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が接続される部分である実装部(11)と、前記実装部に連なる部分であって、前記電子部品が実装されない部分である非実装部(12)と、を含んで構成される被加熱物(10)に塗布されたはんだ(S)を目標温度に加熱するはんだ付け装置であって、
電力が供給されることで発生する熱を放出する放熱面(28)を有する加熱装置(1)と、
前記被加熱物の温度を検出する被加熱物温度センサ(60)と、
前記放熱面の温度を検出するヒータ温度センサ(50)と、
前記放熱面から放出される熱の温度を制御する制御部(100)と、を備え、
前記実装部は、前記放熱面から放出される熱によって加熱される実装加熱面(17)を有し、
前記非実装部は、前記放熱面から放出される熱によって加熱される非実装加熱面(18)を有し、
前記加熱装置は、前記実装加熱面の全部を前記放熱面に非接触で加熱し、前記非実装加熱面の少なくとも一部を前記放熱面に接触させて加熱可能であって、
前記制御部は、前記被加熱物温度センサが検出する前記被加熱物の温度および前記ヒータ温度センサが検出する前記放熱面の温度に基づいて、前記はんだの温度が前記目標温度に近づくように前記放熱面から放出される熱の温度を制御するはんだ付け装置。
【請求項2】
前記加熱装置は、
電力が供給されることで発熱する電気ヒータ(30)と、
前記被加熱物と前記電気ヒータとの間に配置され、且つ、前記実装加熱面に接触しないで前記非実装加熱面を支持する支持部(20)と、を有しており、
前記支持部は、前記非実装加熱面を支持する部分の少なくとも一部が前記放熱面によって構成される請求項1に記載のはんだ付け装置。
【請求項3】
前記加熱装置は、前記支持部に前記電気ヒータを押し当てて当接させる当接部(40)を備えた請求項2に記載のはんだ付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、はんだ付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内部にヒータを備え、リードフレームの表面に塗布されたはんだを加熱することで、リードフレームに電子部品を接続するはんだ付け装置がある(例えば、特許文献1参照)。このはんだ付け装置は、被加熱物であるリードフレームをヒータに押し付けて接触させる押さえ部材を備え、ヒータを被加熱物のはんだが塗布された面の反対側の面に接触させて被加熱物を加熱する。ヒータは、被加熱物に塗布されたはんだの温度が目標温度になるように加熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-112628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、被加熱物のヒータに加熱される面に凹凸や反りがある場合、被加熱物の凹んでいる部分や反っている部分は、ヒータとの間に隙間が生ずる。このため、押さえ部材によって被加熱物をヒータに押し付けたとしても、押さえ部材は、完全に被加熱物をヒータに接触させることができない。この場合、被加熱物のうち、ヒータと非接触の部分に塗布されたはんだは、ヒータと接触する部分に塗布されたはんだに比べて被加熱物から伝わる熱が少なくなるため、ヒータと接触する部分に塗布されたはんだに比べて低い温度になる。すなわち、被加熱物に塗布されたはんだは、電子部品の実装部分ごとに温度がばらつく。これは、電子部品の接続不良などの要因となり、好ましくない。
【0005】
そこで、本発明者は、ヒータを被加熱物に接触させずに、被加熱物を輻射熱で加熱することで、被加熱物に塗布されたはんだの温度のばらつきを抑制しつつ、はんだを加熱することを検討した。しかしながら、被加熱物を所定の発熱量の輻射ヒータで加熱する場合、はんだの温度が目標温度に上昇するまでに必要な時間は、所定の発熱量のヒータを被加熱物に接触させて加熱する場合に比較して長くなる。これは、生産効率の悪化の原因となるため、好ましくない。
【0006】
本開示は、被加熱物に塗布されたはんだを加熱する際のはんだの温度のばらつきを抑制しつつ、はんだの温度が目標温度に上昇するまでに必要な時間を短縮可能なはんだ付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、
電子部品が接続される部分である実装部(11)と、実装部に連なる部分であって、電子部品が実装されない部分である非実装部(12)と、を含んで構成される被加熱物(10)に塗布されたはんだ(S)を目標温度に加熱するはんだ付け装置であって、
電力が供給されることで発生する熱を放出する放熱面(28)を有する加熱装置(1)と、
被加熱物の温度を検出する被加熱物温度センサ(60)と、
放熱面の温度を検出するヒータ温度センサ(50)と、
放熱面から放出される熱の温度を制御する制御部(100)と、を備え、
実装部は、放熱面から放出される熱によって加熱される実装加熱面(17)を有し、
非実装部は、放熱面から放出される熱によって加熱される非実装加熱面(18)を有し、
加熱装置は、実装加熱面の全部を放熱面に非接触で加熱し、非実装加熱面の少なくとも一部を放熱面に接触させて加熱可能であって、
制御部は、被加熱物温度センサが検出する被加熱物の温度およびヒータ温度センサが検出する放熱面の温度に基づいて、はんだの温度が目標温度に近づくように放熱面から放出される熱の温度を制御する
【0008】
これによれば、はんだ付け装置は、被加熱物のヒータに加熱される面に凹凸や反りがあっても、輻射熱によって実装部を加熱することで、実装部に塗布されたはんだの温度のばらつきを抑制できる。
【0009】
また、はんだ付け装置は、非実装加熱面の少なくとも一部を放熱面に接触させて直接、加熱することで、輻射熱で加熱される実装部に比較して、ヒータから非実装部に多くの熱を供給することができる。すなわち、はんだ付け装置は、実装部の温度に比較して非実装部の温度を高くすることができる。このため、はんだ付け装置は、非実装部に供給された熱を非実装部に連なる実装部に供給することができる。したがって、はんだ付け装置は、実装部および非実装部を輻射熱だけで加熱する場合に比較して、実装部に塗布されたはんだの温度が目標温度に上昇するまでに必要な時間を短縮することができる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るはんだ付け装置で加熱処理される前のリードフレームの概略図である。
図2】実施形態に係る加熱装置の概略構成図である。
図3】実施形態に係る電気ヒータおよびヒータ温度センサの動作を説明するための図である。
図4】実施形態に係る被加熱物温度センサの動作を説明するための図である。
図5】実施形態に係る加熱装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一実施形態について、図1図5を参照して説明する。はんだ付け装置は、加熱装置1がリードフレーム101や基板などの被加熱物10の表面に塗布されたはんだSを加熱し溶融後、冷却することで、リードフレーム101や基板などに半導体チップ13やチップ抵抗などの電子部品を接続するものである。
【0013】
はんだ付け装置は、図示しない搬送部と、加熱装置1と、図示しない冷却部と、はんだ付け装置の各種機器を制御する制御部100と、を含んで構成されている。また、はんだ付け装置は、塗布されたはんだSの上に電子部品が載せられた状態の被加熱物10を加熱装置1に搬送し、被加熱物10に塗布されたはんだSを溶融させることで、被加熱物10に電子部品を接続可能に構成されている。
【0014】
本実施形態では、はんだ付け装置が、図1に示すリードフレーム101に塗布されたはんだSを溶融することで、リードフレーム101に電子部品である半導体チップ13および接続クリップ14を接続するリフロー工程に適用される例について説明する。
【0015】
なお、本実施形態では、図2などに示す矢印DRudがリードフレーム101をはんだ付け装置に設置した際の上下方向を示している。また、図2などに示す矢印DRwは、リードフレーム101を図面の左側から右側に向けて搬送させる場合の左右方向を示している。
【0016】
リードフレーム101は、表面に半導体チップ13や接続クリップ14などが接続されるものであって、半導体部品の一部を構成するものである。リードフレーム101は、例えば、薄板状の銅合金や鉄合金などの金属材料がプレス機で所望の配線パターンの形状に打ち抜かれることで形成される。
【0017】
なお、リードフレーム101を含んで構成されるIC(Integrated Circuit)やLSI(Large Scale Integration)などの半導体部品は、リードフレーム101の表面に半導体チップ13や接続クリップ14が接続され、樹脂材で封止されることで得られる。
【0018】
リードフレーム101は、半導体部品の配線回路となるリード15と、リードフレーム101の外枠の一部を構成するサイドレール121と、半導体チップ13などの電子部品を載せるためのアイランド111と、を有している。
【0019】
リード15は、リフロー工程において、サイドレール121およびアイランド111を接続するためのものであって、半導体部品として完成した後にアイランド111を外部回路に接続するためのものである。
【0020】
サイドレール121は、リードフレーム101の左右方向DRwの一方側および他方側の外枠を構成するものである。また、サイドレール121は、アイランド111への電子部品の実装時やリードフレーム101を樹脂材で封止する際の位置ずれを抑制するためにリード15およびアイランド111を支持する支持部材である。サイドレール121は、リード15およびアイランド111を両側から挟み込み挟持する。
【0021】
サイドレール121は、サイドレール121の上下方向DRudの下側の面が、アイランド111の下側の面に比較して上側の位置に配置されている。また、サイドレール121は、後述する支持部20に設置される際に、支持部20の位置固定ピン27が挿入されるための位置決め穴16があけられている。
【0022】
なお、リード15は、半導体部品の導通部分であって、電流が流れる部分である。また、サイドレール121は、半導体部品の製造時の支持部材であって、半導体部品として何らかの機能を発揮するものでないため、半導体部品の完成時に、リードフレーム101から切り離されるものである。すなわち、本実施形態において、リード15およびサイドレール121は、表面にはんだSが塗布されず、半導体チップ13や接続クリップ14などの電子部品が実装されない非実装部12である。非実装部12は、後述する放熱面28から放出される熱によって加熱される非実装加熱面18を有する。
【0023】
アイランド111は、表面に半導体チップ13や接続クリップ14などの電子部品が実装される部分であって、且つ、アイランド111に電子部品を接続させるためのはんだSが塗布される部分である。すなわち、本実施形態において、アイランド111は、塗布されたはんだSの上に電子部品が実装される実装部11である。本実施形態において、1つのリードフレーム101には、3つのアイランド111が配置されている。実装部11は、後述する放熱面28から放出される熱によって加熱される実装加熱面17を有する。
【0024】
なお、アイランド111の表面に電子部品が実装される際、アイランド111の表面には、はんだSが塗布され、はんだSが塗布された状態のアイランド111の上に半導体チップ13や接続クリップ14が載せられる。そして、アイランド111は、はんだSが加熱され、溶融することで、半導体チップ13や接続クリップ14が接続される。
【0025】
アイランド111に接続された半導体チップ13は、接続クリップ14を介して他の半導体チップ13と接続される。本実施形態において、3つのアイランド111のうち2つのアイランド111は、それぞれに半導体チップ13が接続され、それぞれの半導体チップ13が接続クリップ14によって接続される。また、アイランド111に接続された2つの半導体チップ13のうち、1つの半導体チップ13が接続クリップ14によって半導体チップ13が載らないアイランド111に接続される。リードフレーム101は、搬送部によって搬送される。
【0026】
搬送部は、リードフレーム101を加熱装置1に搬送し、加熱処理が完了したリードフレーム101を加熱装置1から排出するものである。搬送部は、例えば、図示しないローラ機構が連続して並べられたローラコンベヤで構成されている。搬送部は、図示しないモータがローラ機構を回転させることで、支持部20であるパレットに設置された状態のリードフレーム101を搬送可能に構成されている。
【0027】
搬送部は、制御部100に接続されており、制御部100によって支持部20を搬送する位置が制御される。搬送部によって加熱装置1に搬送されるリードフレーム101は、加熱装置1が備える電気ヒータ30によって加熱される。
【0028】
なお、搬送部は、電力によって回転するベルト機構を有するベルトコンベヤで構成されるなど、搬送する被加熱物10などに合わせて、構成を種々変形可能である。
【0029】
加熱装置1は、図2に示すように、リードフレーム101を支持する支持部20と、電力が供給されることで発熱する電気ヒータ30と、電気ヒータ30を支持部20に押し当てる当接部40と、を備えている。また、加熱装置1は、支持部20の温度を検出するヒータ温度センサ50と、被加熱物10の温度を検出する被加熱物温度センサ60と、を備えている。なお、加熱装置1を構成する各種機器は、断熱部材で形成された図示しないケースに収納されている。
【0030】
支持部20は、被加熱物10であるリードフレーム101を支持するためのものであって、空気に比較して熱伝導率が高い材料(例えば、カーボン)で構成されている。また、支持部20は、平板状に形成されており、支持部20の上下方向DRudの上側の面である支持上面部21および下側の面である支持下面部22を含んで構成されている。支持上面部21は、略中央が他の部分に比較して凹んで構成された凹部23および凹部23の周辺に構成される周辺部25を有している。
【0031】
なお、支持部20は、空気に比較して熱伝導率が高い材料であれば金属(例えば、銅やアルミニウム)やその他の材料で構成されていてもよい。
【0032】
周辺部25は、上下方向DRudの上側の面である周辺面26にリードフレーム101を設置するための位置固定ピン27が配置されている。周辺部25は、位置固定ピン27がサイドレール121の位置決め穴16に挿入されることで、リードフレーム101を周辺面26に設置可能に構成されている。
【0033】
凹部23は、位置決め穴16に位置固定ピン27が挿入されてリードフレーム101が設置された場合、支持部20がアイランド111に接触しないように支持部20およびアイランド111の間に隙間を発生させるためのものである。
【0034】
凹部23は、左右方向DRwの大きさがリードフレーム101の左右方向DRwの大きさより小さく、且つ、連なった状態の3つのアイランド111の左右方向DRwの大きさより大きく形成されている。
【0035】
すなわち、凹部23は、位置決め穴16に位置固定ピン27が挿入されてリードフレーム101が設置された場合、全てのアイランド111が凹部23の左右方向DRwの一端側から他端側の間におさまるように構成されている。換言すれば、支持部20は、実装加熱面17を有するアイランド111に接触しないで、非実装加熱面18を有するサイドレール121を支持可能に構成されている。
【0036】
また、凹部23は、リードフレーム101が周辺面26に設置された場合に実装加熱面17に対向する面である凹部面24が略水平であって、凹部面24および全てのアイランド111の間の距離が略一定になるように形成されている。また、凹部23は、凹部面24および支持下面部22の間の距離が略一定になるように形成されている。
【0037】
なお、凹部23は、凹部面24および実装加熱面17の間の空間における熱伝導性を良くするため、凹部面24および実装加熱面17の間の距離が、接触しない範囲で可能な限り小さくなるように形成されるのが望ましい。具体的には、凹部23は、実装加熱面17の形状を問わず、凹部面24および実装加熱面17の間の距離が3mm以下、さらにいえば、1mm以下になるように形成されるのが望ましい。
【0038】
支持部20は、リードフレーム101が周辺面26に設置された状態で搬送部によって加熱装置1のケース内部に搬送される。加熱装置1のケース内部に搬送されたリードフレーム101は、電気ヒータ30によって加熱される。
【0039】
電気ヒータ30は、被加熱物10であるリードフレーム101を加熱することで、リードフレーム101に塗布されたはんだSを目標温度まで加熱し、溶融させるものである。電気ヒータ30は、はんだSを溶融させるためにはんだSの温度を目標温度に加熱可能に構成されている。
【0040】
目標温度は、はんだSを溶融する際に、電子部品の種類やはんだSの種類によって予め定められる温度であって、はんだSの状態を変化させるために必要な温度である。目標温度は、例えば、はんだ内部のフラックスを除去する温度(例えば、130℃)やはんだSが溶融する温度(例えば、290℃)で定められるものである。
【0041】
電気ヒータ30は、図示しない電源装置から電力が供給されることで発熱可能に構成されている。また、電気ヒータ30は、略平板状に形成されており、電気ヒータ30の上下方向DRudの上側の面であって、熱を放つ加熱面31および下側の面であるヒータ下面32を含んで構成されている。
【0042】
また、電気ヒータ30は、加熱面31の温度を設定温度に調整可能に構成されている。設定温度は、予め加熱装置1に設定される温度であって、はんだSの温度を目標温度にするために、目標温度より高い温度で設定される。例えば、目標温度がはんだSの溶融温度である290℃の場合、設定温度は、290℃より高い300℃などで設定される。
【0043】
電力供給源の電源装置は、制御部100に接続されている。電気ヒータ30は、制御部100によって電源装置からの供給電力が制御されることで、加熱面31の温度が設定温度に近づくように制御される。加熱面31の温度は、後述するヒータ温度センサ50が支持部20の温度を検出することによって間接的に検出される。電気ヒータ30は、ヒータ温度センサ50が検出する支持部20の温度に基づいて、加熱面31の温度が制御される。
【0044】
電気ヒータ30は、支持部20の上下方向DRudの下側に配置されており、支持部20を介して、支持部20の上に設置されたリードフレーム101を加熱可能に構成されている。具体的には、電気ヒータ30によって支持下面部22が加熱された支持部20は、支持上面部21から熱を放出し、リードフレーム101を加熱可能に構成されている。
【0045】
すなわち、本実施形態において、支持上面部21は、電力が供給されることで発生する熱を放出する放熱面28である。具体的には、放熱面28である支持上面部21は、放熱面28の一部を構成する周辺面26から放出する熱によって非実装加熱面18を加熱し、放熱面28の一部を構成する凹部面24から放出する熱によって実装加熱面17を加熱可能に構成されている。
【0046】
また、電気ヒータ30のヒータ下面32は、当接部40に保持されている。このため、電気ヒータ30は、上下に移動可能な当接部40の移動に伴って、上下に移動する。
【0047】
当接部40は、上下に移動することで、当接部40の上に配置された電気ヒータ30を支持部20に対して当接または離隔させるものである。当接部40は、上下に移動可能な当接支持台41と、電気ヒータ30を保持するヒータ保持部42と、当接支持台41にヒータ保持部42を接続するための当接接続部43と、伸縮可能な当接ばね部材44と、を含んで構成されている。
【0048】
当接支持台41は、ヒータ保持部42を上下に移動させるものであって、図示しないアクチュエータによって、駆動される。このアクチュエータは、制御部100に接続されており、制御部100から送信される信号に基づいて制御される。
【0049】
当接接続部43は、当接支持台41にヒータ保持部42を接続するための支柱部であって、上下方向DRudに伸びる略円柱形状で形成されている。当接接続部43は、当接支持台41に上下方向DRudに貫通して配置されており、当接支持台41に対して摺動可能に構成されている。本実施形態において、当接支持台41に複数の当接接続部43が配置されており、それぞれの当接接続部43の上下方向DRudの上側には、ヒータ保持部42が接続されている。
【0050】
ヒータ保持部42は、上下方向DRudの上側に電気ヒータ30を保持するものであって、当接接続部43に比較して直径が大きな略円柱形状で形成されている。
【0051】
当接ばね部材44は、円筒状のコイルばねであって、複数の当接接続部43のそれぞれの外周部に配置されている。また、当接ばね部材44は、一端側が当接支持台41の上下方向DRudの上側に接続され、他端側がヒータ保持部42の下側に接続されている。
【0052】
このように構成される当接部40は、当接支持台41が上下方向DRudの上側に移動することで、電気ヒータ30の加熱面31を支持部20の支持下面部22に当接させることが可能になっている。また、当接部40は、当接支持台41が当接ばね部材44を押圧し、収縮させることによって、当接ばね部材44が電気ヒータ30を支持部20に押し付けることが可能になっている。また、当接支持台41には、ヒータ温度センサ50が配置されている。
【0053】
ヒータ温度センサ50は、支持部20の上下方向DRudの下側に配置されており、支持部20の温度を検出することで、間接的に電気ヒータ30の加熱面31の温度を検出する温度センサである。ヒータ温度センサ50は、支持部20に接触することで、支持部20の温度を検出可能に構成されている。
【0054】
また、ヒータ温度センサ50は、温度を検出するヒータ温度検出部51と、当接支持台41にヒータ温度検出部51を接続するためのヒータ検出接続部52と、伸縮可能なヒータセンサばね部材53と、を含んで構成されている。
【0055】
ヒータ検出接続部52は、当接支持台41にヒータ温度検出部51を接続するための支柱部であって、上下方向DRudに伸びる略円柱形状で形成されている。ヒータ検出接続部52は、当接支持台41に上下方向DRudに貫通して配置されており、当接支持台41に対して摺動可能に構成されている。
【0056】
ヒータ温度検出部51は、熱電対を含んで構成されており、支持部20の支持下面部22に接触することで支持下面部22の温度を検出するものである。ヒータ温度検出部51は、ヒータ検出接続部52の上下方向DRudの上側に配置されている。
【0057】
ヒータセンサばね部材53は、円筒状のコイルばねであって、ヒータ検出接続部52の外周部に配置されている。また、ヒータセンサばね部材53は、一端側が当接支持台41の上下方向DRudの上側に接続され、他端側がヒータ温度検出部51の下側に接続されている。
【0058】
このように構成されるヒータ温度センサ50は、当接支持台41が上下方向DRudの上側に移動することで、ヒータセンサばね部材53を介してヒータ温度検出部51を支持部20の支持下面部22に当接させることが可能になっている。また、ヒータセンサばね部材53は、当接支持台41およびヒータ温度検出部51に挟まれて収縮することによって、ヒータ温度検出部51が支持部20を押圧する力に対する支持部20からの反発力を吸収可能に構成されている。
【0059】
ヒータ温度センサ50は、制御部100に接続されており、検出した温度情報を制御部100に出力可能に構成されている。
【0060】
なお、加熱装置1には、被加熱物10の一部であるリードフレーム101の温度を検出するための被加熱物温度センサ60が配置されている。
【0061】
被加熱物温度センサ60は、支持部20の上下方向DRudの上側に配置されており、支持部20の上に配置された被加熱物10の温度を検出する温度センサである。本実施形態において、被加熱物温度センサ60は、被加熱物10の一部であるサイドレール121に接触することでサイドレール121温度を検出可能に構成されている。
【0062】
ここで、被加熱物10の一部であるアイランド111は、サイドレール121の温度が上昇すると、それに伴って昇温する。このように、アイランド111の温度とサイドレール121の温度との間には、相関性がある。このため、被加熱物温度センサ60は、サイドレール121の温度を検出することによって間接的にアイランド111の温度を検出可能になっている。なお、本実施形態において、被加熱物温度センサ60は、2つ配置されており、左右方向DRwの両側に配置された2つのサイドレール121のそれぞれの温度を検出可能に構成されている。
【0063】
被加熱物温度センサ60は、上下に移動可能な被加熱検出支持台61と、温度を検出する被加熱温度検出部62と、を含んで構成されている。また、被加熱物温度センサ60は、被加熱検出支持台61に被加熱温度検出部62を接続するための被加熱検出接続部63と、伸縮可能な被加熱ばね部材64と、を含んで構成されている。
【0064】
被加熱検出支持台61は、被加熱温度検出部62を上下に移動させるものであって、図示しないアクチュエータによって、駆動される。このアクチュエータは、制御部100に接続されており、制御部100から送信される信号に基づいて制御される。
【0065】
被加熱検出接続部63は、被加熱検出支持台61に被加熱温度検出部62を接続するための支柱部であって、上下方向DRudに伸びる略円柱形状で形成されている。被加熱検出接続部63は、被加熱検出支持台61の上下方向DRudに貫通して配置されており、被加熱検出支持台61に対して摺動可能に構成されている。
【0066】
被加熱温度検出部62は、熱電対を含んで構成されており、サイドレール121に接触することでサイドレール121の温度を検出するものである。被加熱温度検出部62は、被加熱検出接続部63の上下方向DRudの下側に配置されている。
【0067】
被加熱ばね部材64は、円筒状のコイルばねであって、被加熱検出接続部63の外周部に配置されている。また、被加熱ばね部材64は、一端側が被加熱検出支持台61の上下方向DRudの下側に接続され、他端側が被加熱温度検出部62の上側に接続されている。
【0068】
このように構成される被加熱物温度センサ60は、被加熱検出支持台61が上下方向DRudの下側に移動することで、被加熱ばね部材64を介して被加熱温度検出部62をサイドレール121に当接させることが可能になっている。また、被加熱ばね部材64は、被加熱検出支持台61および被加熱温度検出部62に挟まれて収縮することによって、被加熱温度検出部62がサイドレール121を押圧する力に対するサイドレール121からの反発力を吸収可能に構成されている。
【0069】
また、被加熱物温度センサ60は、サイドレール121を上下方向DRudの下方向に向けて押圧することで、サイドレール121を介して支持部20を押圧可能に構成されている。すなわち、被加熱物温度センサ60は、当接部40が電気ヒータ30を介して支持部20を上下方向DRudの上方向に押圧することによって支持部20の位置が変更されることを抑制可能に構成されている。
【0070】
被加熱物温度センサ60は、制御部100に接続されており、検出した温度情報を制御部100に出力可能に構成されている。なお、電気ヒータ30によって加熱されたリードフレーム101は、図示しない冷却部によって冷却される。
【0071】
冷却部は、電気ヒータ30によって加熱されたリードフレーム101に接することでリードフレーム101に供給された熱を奪い、リードフレーム101に塗布されたはんだSを固化させるものである。冷却部は、内部に冷媒が流通可能な冷媒配管を有しており、リードフレーム101に接触可能に構成されている。加熱されたリードフレーム101より温度が低い冷却部は、リードフレーム101に接触することで冷媒を介して、リードフレーム101から熱を吸収可能に構成されている。冷却部は、制御部100に接続されており、制御部100から送信される信号に基づいて動作が制御可能に構成されている。
【0072】
続いて、制御部100について説明すると、制御部100は、プロセッサおよびメモリ等を含むマイクロコンピュータと、その周辺回路とで構成されている。制御部100は、メモリに記憶されたプログラムおよび入力側に接続された各種機器から入力される情報に基づいて各種演算処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御可能に構成されている。
【0073】
具体的には、制御部100は、入力側に、ヒータ温度センサ50、被加熱物温度センサ60、はんだ付け装置の動作を操作するための図示しない操作部などが接続されている。また、制御部100は、出力側に、搬送部、電気ヒータ30、当接支持台41のアクチュエータ、被加熱検出支持台61のアクチュエータ、冷却部などが接続されている。
【0074】
制御部100は、例えば、ヒータ温度センサ50から送信される支持下面部22の温度情報に基づいて、支持下面部22に当接する電気ヒータ30の加熱面31の温度を算出可能に構成されている。また、制御部100は、例えば、被加熱物温度センサ60から送信されるサイドレール121の温度情報に基づいて、サイドレール121に連なるアイランド111の温度を算出可能に構成されている。具体的には、制御部100は、サイドレール121の温度とアイランド111の温度との相関関係が規定された温度マップを参照し、サイドレール121の温度情報に基づいて、サイドレール121に連なるアイランド111の温度を算出可能に構成されている。
【0075】
制御部100は、ヒータ温度センサ50および被加熱物温度センサ60の一方で得られた温度情報を用いて電気ヒータ30の温度を制御する。例えば、制御部100は、ヒータ温度センサ50から送信される支持下面部22の温度情報に基づいて、電気ヒータ30が接続された電源装置の出力電力を調整し、加熱面31の温度が設定温度に近づくように制御する。
【0076】
また、制御部100は、被加熱物温度センサ60から送信されるサイドレール121の温度情報に基づいて、電気ヒータ30が接続された電源装置の出力電力を調整し、サイドレール121を加熱する放熱面28の温度を制御する。すなわち、制御部100は、アイランド111に塗布されたはんだSの温度が目標温度に近づくように放熱面28から放出される熱の温度を制御する。
【0077】
また、制御部100は、入力側に、半田付け装置の加熱処理の開始信号などを作業者が入力するための図示しない操作部が接続されている。制御部100は、作業者の操作によって操作部に加熱処理の開始信号が入力されると、加熱処理の処理順序に基づいて、搬送部、電気ヒータ30、当接支持台41のアクチュエータ、被加熱検出支持台61のアクチュエータ、冷却部などの動作を制御する。
【0078】
続いて、はんだ付け装置の作動について図3図5を参照して説明する。
【0079】
はんだ付け装置の操作部が操作されることによって加熱処理の開始信号が入力されると、はんだ付け装置は、最初に、搬送部がリードフレーム101が設置された状態の支持部20を加熱装置1のケース内部に搬送する。なお、リードフレーム101は、サイドレール121の位置固定ピン27が支持部20の位置決め穴16に挿入されて支持され、アイランド111が凹部面24の上下方向DRudの上側に配置された状態で搬送される。
【0080】
支持部20が所定の加熱処理の位置まで搬送されると、図3に示すように、制御部100は、加熱面31およびヒータ温度検出部51が支持下面部22に当接するように当接支持台41を上下方向DRudの上側に移動させる。加熱面31が支持下面部22を所定の圧力で押圧する位置まで当接支持台41が移動すると、制御部100は、当接支持台41の移動を停止する。
【0081】
そして、図4に示すように、制御部100は、被加熱温度検出部62がサイドレール121に接触するように被加熱検出支持台61を上下方向DRudの下側に移動させる。制御部100は、図5に示す被加熱温度検出部62がサイドレール121に接触する位置まで被加熱検出支持台61を移動させると、被加熱検出支持台61の移動を停止する。
【0082】
続いて、制御部100は、電気ヒータ30の動作を開始させ、電気ヒータ30の加熱面31が設定温度に近づくように、電源装置の出力電力を制御する。具体的には、制御部100は、ヒータ温度センサ50から送信される支持下面部22の温度情報に基づいて、電気ヒータ30の加熱面31の温度を算出し、加熱面31の温度が設定温度に近づくように加熱面31の温度を制御する。
【0083】
また、加熱面31の温度が設定温度になると、制御部100は、アイランド111の温度が予め定められる目標温度に近づくように、電源装置の出力電力を制御する。具体的には、制御部100は、被加熱物温度センサ60から送信されるサイドレール121の温度情報に基づいて、アイランド111の温度を算出する。そして、制御部100は、アイランド111に塗布されたはんだSの温度が目標温度に近づくように放熱面28から放出される熱の温度を制御する。
【0084】
すなわち、はんだ付け装置は、ヒータ温度センサ50および被加熱物温度センサ60から送信される温度情報に基づいて、アイランド111に塗布されたはんだSの温度が目標温度に近づくようにリードフレーム101を加熱する。
【0085】
ここで、リードフレーム101は、支持部20の放熱面28から放出される熱によって加熱されるところ、サイドレール121のみが支持部20に支持されており、アイランド111が支持部20に支持されていない。換言すると、リードフレーム101は、サイドレール121が放熱面28に接触しており、アイランド111が放熱面28に接触していない。このため、リードフレーム101は、放熱面28に接触しているサイドレール121が支持部20から直接伝えられる熱によって加熱され、放熱面28に接触していないアイランド111が凹部面24から放射される輻射熱によって加熱される。
【0086】
この場合、電気ヒータ30からリードフレーム101に供給される熱は、サイドレール121において支持部20を介して供給され、アイランド111において支持部20および支持部20に比較して熱伝導率の低い空気を介して供給される。したがって、サイドレール121は、アイランド111に比較して、電気ヒータ30から多くの熱が供給されるため、アイランド111の温度に比較して高い温度になる。このため、サイドレール121の温度に比較してアイランド111の温度が低い状態のとき、サイドレール121は、供給された熱の一部をアイランド111に供給する。
【0087】
そして、サイドレール121からアイランド111への熱の供給は、アイランド111の温度が目標温度になり、サイドレール121およびアイランド111の温度が同じ温度になると停止される。
【0088】
また、アイランド111の温度が目標温度になり、アイランド111に塗布されたはんだSが溶融するために必要な時間が経過すると、制御部100は、電気ヒータ30の動作を停止し、冷却部の動作を開始する。冷却部によってアイランド111が冷却され、アイランド111上のはんだSが固化されると、制御部100は、当接支持台41および被加熱検出支持台61を加熱処理が開始する前の初期位置に移動させる。そして、制御部100は、リードフレーム101が設置された状態の支持部20を搬送部によって加熱装置1のケース外部に搬送させる。
【0089】
これにより、はんだ付け装置は、リードフレーム101の電気ヒータ30に加熱される面である実装加熱面17に凹凸や反りがあっても、実装加熱面17に放熱面28を接触することなく、輻射熱によって実装部11を加熱することできる。このため、はんだ付け装置は、実装加熱面17の形状に起因するリードフレーム101に供給される熱のばらつきを抑制しつつ実装部11を加熱することで、実装部11に塗布されたはんだSの温度のばらつきを抑制することができる。なお、本実施形態において、凹部23は、凹部面24および実装部11の間の距離が略一定になるように形成されているため、はんだ付け装置は、該距離が一定でない場合に比較して、実装部11に塗布されたはんだSの温度のばらつきをさらに抑制できる。
【0090】
また、はんだ付け装置は、非実装加熱面18に接触して直接、加熱することで、輻射熱で加熱する実装部11に比較して、電気ヒータ30から非実装部12に多くの熱を供給することができる。すなわち、はんだ付け装置は、実装部11の温度に比較して非実装部12の温度を高くし易い。
【0091】
このため、はんだ付け装置は、非実装部12に供給された熱を非実装部12に連なる実装部11に供給することができる。したがって、はんだ付け装置は、実装部11および非実装部12を輻射熱だけで加熱する場合に比較して、実装部11に塗布されたはんだSの温度が目標温度に上昇するまでに必要な時間を短縮することができる。
【0092】
また、はんだ付け装置は、被加熱物10の形状が異なる場合であっても、異なる形状の被加熱物10に対応した支持部20を用意することで、実装部11に塗布されたはんだSの温度のばらつきを抑制しつつ、実装部11を加熱することができる。
【0093】
また、はんだ付け装置は、加熱装置1に当接部40が備えられていない場合に比較して、確実に電気ヒータ30を支持部20に当接させることで、電気ヒータ30から供給される熱を被加熱物10に伝え易くできる。
【0094】
なお、電気ヒータ30から被加熱物10に供給される熱は、被加熱物10を介して被加熱物10に塗布されたはんだSに供給される。このため、被加熱物10に塗布されたはんだSの温度は、被加熱物10と略同じ温度になる。したがって、はんだ付け装置は、被加熱物温度センサ60によって、被加熱物10の温度を検出することで、実装部11に塗布されるはんだSの温度を間接的に検出することができる。このため、はんだ付け装置は、被加熱物温度センサ60が備えられていない場合に比較して、実装部11に塗布されたはんだSの温度を目標温度に近づけ易くできる。
【0095】
さらに、本実施形態において、はんだ付け装置は、被加熱物温度センサ60が、非実装部12であるサイドレール121の温度を検出可能に構成されている。このため、はんだ付け装置は、はんだSが塗布されるアイランド111の温度を直接検出できないような場合であっても、サイドレール121の温度を検出することで、間接的にアイランド111の温度を検出することができる。
【0096】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0097】
上述の実施形態では、はんだ付け装置が、被加熱物10であるリードフレーム101に電子部品である半導体チップ13を接続する例について説明したが、これに限定されない。例えば、被加熱物10は、プリント配線板など、リードフレーム101以外でもよい。また、電子部品は、抵抗チップやパワーカードなど、半導体チップ13以外でもよい。
【0098】
また、上述の実施形態では、加熱装置1が被加熱物10を支持する支持部20を備えている例について説明したが、これに限定されない。例えば、加熱装置1は、支持部20を備えておらず、被加熱物10が電気ヒータ30の加熱面31に支持されるように構成されていてもよい。この場合、電気ヒータ30は、加熱面31に被加熱物10が設置された際に、加熱面31が実装部11に接触しないように加熱面31および実装部11の間に隙間が発生するように形成される。
【0099】
また、上述の実施形態では、支持部20の支持上面部21の略中央が他の部分に比較して凹んで構成された凹部23を有している例について説明したが、これに限定されない。例えば、支持部20の略中央は、支持上面部21から支持下面部22まで貫通した穴が形成されていてもよい。また、支持部20は、支持上面部21の略中央が他の部分に比較して突出して構成された凸部を有しており、凸部によって非実装部12を支持可能に構成されていてもよい。
【0100】
また、上述の実施形態では、加熱装置1が当接部40を備えている例について説明したが、これに限定されない。例えば、加熱装置1は、当接部40を備えておらず、支持部20が所定の加熱処理の位置まで搬送されたときに支持部20に当接するように電気ヒータ30が配置されている構成であってもよい。
【0101】
また、上述の実施形態では、被加熱物温度センサ60が被加熱物10の一部である非実装部12の温度を検出する例について説明したが、これに限定されない。例えば、被加熱物温度センサ60は、被加熱物10の一部である実装部11の温度を検出可能に構成されていてもよい。
【0102】
また、上述の実施形態では、加熱装置1が非実装部12の温度を検出する被加熱物温度センサ60を備えている例について説明したが、これに限定されない。例えば、加熱装置1は、被加熱物温度センサ60を備えていない構成であってもよい。
【0103】
また、上述の実施形態では、ヒータ温度センサ50および被加熱物温度センサ60が検出対象物に接触して温度を検出する熱電対で構成されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ヒータ温度センサ50および被加熱物温度センサ60は、熱電対以外の構成で検出対象物の温度を検出可能に構成されていてもよい。また、ヒータ温度センサ50および被加熱物温度センサ60は、検出対象物に非接触で検出対象物の温度を検出可能に構成されていてもよい。
【0104】
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、はんだ付け装置は、電子部品が接続される部分である実装部と、実装部に連なる部分であって、電子部品が実装されない部分である非実装部と、を含んで構成される被加熱物に塗布されたはんだを目標温度に加熱するものである。はんだ付け装置は、電力が供給されることで発生する熱を放出する放熱面を有する加熱装置を備えている。実装部は、放熱面から放出される熱によって加熱される実装加熱面を有している。非実装部は、放熱面から放出される熱によって加熱される非実装加熱面を有している。加熱装置は、実装加熱面の全部を放熱面に非接触で加熱し、非実装加熱面の少なくとも一部を放熱面に接触させて加熱可能に構成されている。
【0105】
第2の観点によれば、加熱装置は、電力が供給されることで発熱する電気ヒータと、被加熱物と電気ヒータとの間に配置され、且つ、実装加熱面に接触しないで非実装加熱面を支持する支持部と、を有している。支持部は、非実装加熱面を支持する部分の少なくとも一部が放熱面によって構成されている。
【0106】
これによると、被加熱物の形状が異なる場合であっても、異なる形状の被加熱物に対応した支持部を用意することで、実装部に塗布されたはんだの温度のばらつきを抑制しつつ、実装部11を加熱することができる。
【0107】
第3の観点によれば、加熱装置は、支持部に電気ヒータを押し当てる当接部を備えている。
【0108】
これによると、はんだ付け装置は、加熱装置に当接部が備えられていない場合に比較して、確実に電気ヒータを支持部に当接させることで、電気ヒータから供給される熱を被加熱物に伝え易くできる。
【0109】
第4の観点によれば、はんだ付け装置は、被加熱物の温度を検出するための被加熱物温度センサと、放熱面から放出される熱の温度を制御する制御部と、を備えている。制御部は、被加熱物温度センサが検出する被加熱物の温度に基づいて、はんだの温度が目標温度に近づくように放熱面から放出される熱の温度を制御する。
【0110】
これによると、はんだ付け装置は、被加熱物の温度を検出することで、実装部に塗布されるはんだの温度を間接的に検出することができる。このため、はんだ付け装置は、被加熱物温度センサが備えられていない場合に比較して、実装部に塗布されたはんだの温度を目標温度に近づけ易くできる。
【符号の説明】
【0111】
1 加熱装置
10 被加熱物
11 実装部
12 非実装部
17 実装加熱面
18 非実装加熱面
28 放熱面
S はんだ
図1
図2
図3
図4
図5