(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20221109BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20221109BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/48 G
(21)【出願番号】P 2019092427
(22)【出願日】2019-05-15
【審査請求日】2021-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川島 崇功
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-530748(JP,A)
【文献】特開2014-130894(JP,A)
【文献】特開2019-047094(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0063744(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104603948(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/07
H01L 23/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層配置された上側導電板、中間導電板及び下側導電板と、
その全体が前記上側導電板と前記中間導電板との間に位置しており、前記上側導電板と前記中間導電板とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子と、
その全体が前記中間導電板と前記下側導電板との間に位置しており、前記中間導電板と前記下側導電板とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子と、
を備え、
前記上側導電板の面積と前記下側導電板の面積との一方は、前記中間導電板の面積よりも小さく、
前記上側導電板の面積と前記下側導電板の面積との他方は、前記中間導電板の面積よりも大きい、
半導体装置。
【請求項2】
積層配置された上側導電板、中間導電板及び下側導電板と、
前記上側導電板と前記中間導電板との間に位置しており、前記上側導電板と前記中間導電板とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子と、
前記中間導電板と前記下側導電板との間に位置しており、前記中間導電板と前記下側導電板とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子と、
を備え、
前記上側導電板の面積と前記下側導電板の面積との一方は、前記中間導電板の面積よりも小さく、
前記上側導電板の面積と前記下側導電板の面積との他方は、前記中間導電板の面積よりも大きく、
前記上側導電板の面積は、前記中間導電板の面積よりも大きく、前記下側導電板の面積は、前記中間導電板の面積よりも小さい、
半導体装置。
【請求項3】
前記第1半導体素子と前記第2半導体素子の各々は、第1主電極と、前記第1主電極よりも面積の大きい第2主電極とを有し、
前記第1半導体素子は、前記第1主電極において前記上側導電板に接続されているとともに、前記第2主電極において前記中間導電板に接続されており、
前記第2半導体素子は、前記第1主電極において前記中間導電板に接続されているとともに、前記第2主電極において前記下側導電板に接続されている、請求項1
又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記上側導電板の面積は、前記中間導電板の面積よりも小さく、前記下側導電板の面積は、前記中間導電板の面積よりも大きい、請求項
3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記上側導電板の面積は、前記中間導電板の面積よりも大きく、前記下側導電板の面積は、前記中間導電板の面積よりも小さい、請求項
3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1半導体素子及び前記第2半導体素子を封止するとともに、前記上側導電板、前記中間導電板及び前記下側導電板を一体に保持する封止体をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
積層配置された上側導電板、中間導電板及び下側導電板と、
その全体が前記上側導電板と前記中間導電板との間に位置しており、前記上側導電板と前記中間導電板とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子と、
その全体が前記中間導電板と前記下側導電板との間に位置しており、前記中間導電板と前記下側導電板とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子と、
を備え、
前記上側導電板、前記中間導電板及び前記下側導電板をそれらに平行な平面へ投影したときに、当該平面上に少なくとも第1領域、第2領域及び第3領域が画定され、
前記第1領域は、前記上側導電板と、前記中間導電板と、前記下側導電板との三つが投影される領域であり、
前記第2領域は、前記上側導電板と前記下側導電板との一方と、前記中間導電板との二つのみが投影される領域であり、
前記第3領域は、前記上側導電板と前記下側導電板との他方のみが投影される領域である、
半導体装置。
【請求項8】
前記上側導電板、前記中間導電板及び前記下側導電板のうちの少なくとも二つは、面積が互いに等しい、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1半導体素子及び前記第2半導体素子を封止するとともに、前記上側導電板、前記中間導電板及び前記下側導電板を一体に保持する封止体をさらに備える、請求項7又は8に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、半導体装置が開示されている。この半導体装置は、積層配置された上側導電板、中間導電板及び下側導電板と、上側導電板と中間導電板との間に位置する第1半導体素子と、中間導電板と下側導電板との間に位置する第2半導体素子と、第1半導体素子及び第2半導体素子を封止するとともに、上側導電板、中間導電板及び下側導電板を一体に保持する封止体とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した半導体装置を製造するときは、半導体素子を介して三つの導電板を接合する必要がある。このとき、半導体装置を精度よく製造するためには、例えば治具を用いて、三つの導電板を正しく位置決めする必要がある。しかしながら、その後に取り外す必要があることも考えると、積層配置された三つの導電板を、単一の治具で保持することは難しい。従って、二以上に分割可能な治具を用いることが考えられるが、単一の治具と比較して、そのような複数の治具の使用は寸法精度の低下を招くおそれがある。
【0005】
本明細書は、三以上の導電板が積層された半導体装置において、精度よく製造し得る構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する技術は、半導体装置に具現化される。この半導体装置は、積層配置された上側導電板、中間導電板及び下側導電板と、上側導電板と中間導電板との間に位置しており、上側導電板と中間導電板とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子と、中間導電板と下側導電板との間に位置しており、中間導電板と下側導電板とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子とを備える。上側導電板の面積と下側導電板の面積との一方は、中間導電板の面積よりも小さい。上側導電板の面積と下側導電板の面積との他方は、中間導電板の面積よりも大きい。
【0007】
上記した半導体装置では、三つの導電板の面積が、それらの積層方向に沿って徐々に大きく(又は、小さく)なっている。このような構造によると、半導体装置を製造するときに、積層配置された三つの導電板を、単一の治具によって同じ方向から保持することができる。単一の治具を用いることによって、半導体装置を精度よく製造することができる。
【0008】
ここで、本明細書における導電板の面積(即ち、上側導電板、中間導電板、下側導電板の各面積)とは、当該導電板の垂直視における面積を意味する。言い換えると、導電板の面積とは、当該導電板をそれに平行な平面へ投影したときの投影面積を意味する。
【0009】
本明細書が開示する技術は、次の半導体装置にも具現化される。この半導体装置は、積層配置された上側導電板、中間導電板及び下側導電板と、上側導電板と中間導電板との間に位置しており、上側導電板と中間導電板とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子と、中間導電板と下側導電板との間に位置しており、中間導電板と下側導電板とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子とを備える。この半導体装置では、上側導電板、中間導電板及び下側導電板をそれらに平行な平面へ投影したときに、当該平面上に少なくとも第1領域、第2領域及び第3領域が画定される。第1領域は、上側導電板と、中間導電板と、下側導電板との三つが投影される領域である。第2領域は、上側導電板と下側導電板との一方と、中間導電板との二つのみが投影される領域である。そして、第3領域は、上側導電板と下側導電板との他方のみが投影される領域である。
【0010】
上記した構造においても、半導体装置を製造するときに、積層配置された三つの導電板を、単一の治具によって同じ方向から保持することができる。単一の治具を用いることによって、半導体装置を精度よく製造することができる。この場合、三つの導電板の面積は、互い同じであってもよいし、互いに異なってもよい。例えば、半導体装置内の予想される温度分布を考慮して、各々の導電板の面積を適宜定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】
図1中のII-II線における断面図を示す。
【
図3】
図1中のIII-III線における断面図を示す。
【
図5】三つの導電板16、20、18をそれらに平行な平面に投影した投影領域P16、P20、P18を示す。図中の投影領域P16は上側導電板16の投影領域を示し、投影領域P20は中間導電板20の投影領域を示し、投影領域P18は下側導電板18の投影領域を示す。
【
図6】半導体素子12、14を介して積層配置された三つの導電板16、20、18を単一の治具90によって保持する様子を示す。
【
図7】成形型92を用いて封止体30を成形する様子を示す図。
【
図8】一変形例の半導体装置10Aの構成を模式的に示す断面図であって、
図2に示す断面図に対応する。
【
図9】一変形例の半導体装置10Bの構成を模式的に示す断面図であって、
図2に示す断面図に対応する。
【
図10】
図9に示す半導体装置10Bに採用された三つの導電板16、18、20の形状を示す。
図10(a)は、上側導電板16を垂直視(平面視)した図であり、
図10(b)は、中間導電板20を垂直視(平面視)した図であり、
図10(c)は、下側導電板18を垂直視(平面視)した図である。
【
図11】
図9に示す半導体装置10Bに関して、三つの導電板16、20、18をそれらに平行な平面に投影した投影領域P16、P20、P18を示す。図中の投影領域P16は上側導電板16の投影領域を示し、投影領域P20は中間導電板20の投影領域を示し、投影領域P18は下側導電板18の投影領域を示す。
【
図12】
図9に示す半導体装置10Bに関して、半導体素子12、14を介して積層配置された三つの導電板16、20、18を単一の治具90によって保持する様子を示す。
【
図13】一変形例の半導体装置10Cの構成を模式的に示す断面図であって、
図2に示す断面図に対応する。
【
図14】関連技術の参考例1の半導体装置100の外観を示す。
【
図17】参考例1の半導体装置100の回路構造を示す。
【
図18】参考例1の半導体装置100の特性をコンピュータシミュレーションで計算した結果を示す。
【
図19】参考例1に関する一変形例の半導体装置100Aの構成を模式的に示す断面図である。
【
図20】参考例1に関する他の一変形例の半導体装置100Bの構成を模式的に示す断面図である。
【
図21】参考例1に関する一変形例の半導体装置100Cの構成を模式的に示す断面図である。
【
図22】関連技術の参考例2の半導体装置200の外観を示す。
【
図23】
図22中のXXIII-XXIII線における断面図を示す。
【
図24】
図22中のXXIV-XXIV線における断面図を示す。
【
図25】参考例2の半導体装置200の回路構造を示す。
【
図26】参考例2に関する一変形例の半導体装置200Aの構成を模式的に示す断面図である。
【
図27】参考例2に関する一変形例の半導体装置200Bの構成を模式的に示す断面図である。
【
図28】参考例2に関する一変形例の半導体装置200Cの構成を模式的に示す断面図である。
【
図29】参考例2に関する一変形例の半導体装置200Dの構成を模式的に示す断面図である。
【
図30】参考例2に関する一変形例の半導体装置200Eの構成を模式的に示す断面図である。
【
図31】関連技術の参考例3の半導体装置300の外観を示す。
【
図32】
図31中のXXXII-XXXII線における断面図を示す。
【
図33】
図31中のXXXIII-XXXIII線における断面図を示す。
【
図34】参考例3の半導体装置300の回路構造を示す。
【
図35】参考例3に関する一変形例の半導体装置300’の構成を模式的に示す断面図である。
【
図36】参考例3に関する一変形例の半導体装置300’’の構成を模式的に示す断面図である。
【
図37】参考例3に関する他の一変形例の半導体装置300Aの構成を模式的に示す断面図であって、
図32の断面図に対応する。
【
図38】参考例3に関する前記他の変形例の半導体装置300Aの構成を模式的に示す断面図であって、
図33の断面図に対応する。
【
図39】
図37、38に示す変形例の半導体装置300Aの回路構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本技術の一実施形態において、第1半導体素子と第2半導体素子の各々は、第1主電極と、第1主電極よりも面積の大きい第2主電極とを有してもよい。第1半導体素子は、第1主電極において上側導電板に接続されているとともに、第2主電極において中間導電板に接続されていてもよい。そして、第2半導体素子は、第1主電極において中間導電板に接続されているとともに、第2主電極において下側導電板に接続されていてもよい。即ち、第1半導体素子と第2半導体素子の各々において、第1主電極は、第2主電極に対して反対側に位置してもよい。
【0013】
第2主電極の面積が、第1主電極の面積よりも大きい場合、各々の半導体素子では、第1主電極よりも第2主電極を介して、より多く熱が放出される。従って、第2主電極に接続される導電板の面積を、第1主電極に接続される導電板の面積よりも大きくして、第2主電極に接続される導電板の放熱性を高めることが考えられる。この観点に基づいて、上記した実施形態では、上側導電板の面積が、中間導電板の面積よりも小さくてもよく、下側導電板の面積が、中間導電板の面積よりも大きくてもよい。
【0014】
あるいは、第2主電極の面積が、第1主電極の面積よりも大きい場合、第1主電極における放熱性は、第2主電極における放熱性よりも劣るとも言える。従って、各々の半導体素子が通電によって発熱したときに、第1主電極における温度が、第2主電極における温度よりも高くなり得る。このような温度差を抑制するためには、第1主電極に接続される導電板の面積を、第2主電極に接続される導電板の面積よりも大きくして、第1主電極に接続される導電板の放熱性を高めることが考えられる。この観点に基づくと、上記した実施形態では、上側導電板の面積が、中間導電板の面積よりも大きくてもよく、下側導電板の面積が、中間導電板の面積よりも小さくてもよい。
【0015】
本技術の一実施形態において、第1半導体素子と第2半導体素子の各々は、第1主電極の周縁に沿って枠状に設けられた保護膜をさらに有してもよい。このような構成であると、保護膜の近辺では、線膨張係数が異なる複数の異種材料が集まることで、熱変形に起因する歪が局所的に増大しやすい。このような歪の増大を抑制するためには、第1主電極の温度上昇を抑制することが有効であり、そのためには、第1主電極に接続される導電板の放熱性を高めることが考えられる。この点に関して、上側導電板の面積が中間導電板の面積よりも大きく、下側導電板の面積が中間導電板の面積よりも小さいと、第1主電極の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0016】
本技術の一実施形態において、上側導電板と下側導電板との間では、面積の小さい方の厚みが、面積の大きい方の厚みよりも大きくてもよい。このような構成によると、上側導電板と下側導電板との間で熱容量の差が小さくなり、第1半導体素子と第2半導体素子の間で生じ得る温度差を低減することができる。
【0017】
本技術の一実施形態において、半導体装置は、第1半導体素子及び第2半導体素子を封止するとともに、上側導電板、中間導電板及び下側導電板を一体に保持する封止体をさらに備えてもよい。
【実施例】
【0018】
図1-
図5を参照して、実施例の半導体装置10を説明する。本実施例の半導体装置10は、例えば電気自動車の電力制御装置に採用され、コンバータやインバータといった電力変換回路の一部を構成することができる。なお、本明細書における電気自動車は、車輪を駆動するモータを有する自動車を広く意味し、例えば、外部の電力によって充電される電気自動車、モータに加えてエンジンを有するハイブリッド車、及び燃料電池を電源とする燃料電池車等を含む。
【0019】
半導体装置10は、複数の半導体素子12、14と、複数の導電板16、18、20と、封止体30とを備える。封止体30は、複数の半導体素子12、14を封止するとともに、複数の導電板16、18、20を一体に保持している。封止体30は、絶縁性の材料で構成されている。特に限定されないが、本実施例における封止体30は、例えばエポキシ樹脂といった、封止用の樹脂材料で構成されている。
【0020】
封止体30は、概して板形状を有しており、上面30a、下面30b、第1端面30c、第2端面30d、第1側面30e及び第2側面30fを有する。上面30aと下面30bは、互いに反対側に位置しており、第1端面30c、第2端面30d、第1側面30e及び第2側面30fの各々は、上面30aと下面30bとの間に広がっている。そして、第1端面30cと第2端面30dとが互いに反対側に位置し、第1側面30eと第2側面30fとが互いに反対側に位置する。
【0021】
複数の半導体素子12、14は、第1半導体素子12と、第2半導体素子14とを含む。第1半導体素子12と第2半導体素子14は、パワー半導体素子であって、互いに同一の構造を有する。各々の半導体素子12、14は、半導体基板12a、14a、第1主電極12b、14b、第2主電極12c、14c及び複数の信号電極12d、14dを備える。半導体基板12a、14aは、特に限定されないが、シリコン基板、炭化シリコン基板又は窒化物半導体基板であってもよい。
【0022】
第1主電極12b、14bは、半導体基板12a、14aの表面に位置しており、第2主電極12c、14cは、半導体基板12a、14aの裏面に位置している。第1主電極12b、14bと第2主電極12c、14cは、半導体基板12a、14aを介して互いに電気的に接続される。特に限定されないが、各々の半導体素子12、14は、スイッチング素子であり、第1主電極12b、14bと第2主電極12c、14cとの間を、選択的に導通及び遮断することができる。複数の信号電極12d、14dは、第1主電極12b、14bと同じく、半導体基板12a、14aの第1の表面に位置している。各々の信号電極12d、14dは、第1主電極12b、14b及び第2主電極12c、14cよりも十分に小さい。但し、半導体基板12a、14aの表面には、第1主電極12b、14bと複数の信号電極12d、14dとの両者が位置するので、第1主電極12b、14bの面積は、第2主電極12c、14cの面積よりも小さい。第1主電極12b、14b、第2主電極12c、14c及び信号電極12d、14dは、アルミニウム、ニッケル又は金といった、一又は複数種類の金属を用いて構成されることができる。
【0023】
一例ではあるが、
図4に示すように、本実施例における各々の半導体素子12、14は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)とダイオードとが一体化されたRC(Reverse Conducting)-IGBTである。第1主電極12b、14bは、IGBTのエミッタ及びダイオードのアノードに接続されており、第2主電極12c、14cは、IGBTのコレクタ及びダイオードのカソードに接続されている。そして、複数の信号電極12d、14dの一つは、IGBTのゲートに接続されている。なお、他の実施形態として、第1半導体素子12及び/又は第2半導体素子14は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)であってもよい。この場合、第1主電極12b、14bは、MOSFETのソースに接続され、第2主電極12c、14cは、MOSFETのドレインに接続される。そして、複数の信号電極12d、14dの一つは、MOSFETのゲートに接続される。
【0024】
複数の導電板16、18、20は、上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18を含む。各々の導電板16、20、18は、少なくとも部分的に導電性を有する板状の部材である。三つの導電板16、20、18は積層配置されており、それらの間に複数の半導体素子12、14が配置されている。即ち、第1半導体素子12は、上側導電板16と中間導電板20との間に位置しており、上側導電板16と中間導電板20とのそれぞれに電気的に接続されている。第2半導体素子14は、中間導電板20と下側導電板18との間に位置しており、中間導電板20と下側導電板18とのそれぞれに電気的に接続されている。なお、上側導電板16と中間導電板20との間には、二以上の第1半導体素子12が設けられてもよい。この場合、二以上の第1半導体素子12は、同じ種類(即ち、同じ構造)の半導体素子であってもよいし、互いに異なる種類(即ち、異なる構造)の半導体素子であってもよい。同様に、中間導電板20と下側導電板18との間には、二以上の同じ種類又は異なる種類の第2半導体素子14が設けられてもよい。
【0025】
上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18は、導電性を有する板状部材であり、少なくとも一部が導体で構成されている。一例ではあるが、本実施例における各々の導電板16、20、18は、金属板であって、銅で構成されている。上側導電板16は、第1導体スペーサ13を介して、第1半導体素子12の第1主電極12bと電気的に接続されている。中間導電板20は、第1半導体素子12の第2主電極12cと電気的に接続されている。特に限定されないが、上側導電板16と第1導体スペーサ13との間、第1導体スペーサ13と第1半導体素子12の第1主電極12bとの間、及び、第1半導体素子12の第2主電極12cと中間導電板20との間は、導電性を有する接合層50、52、54(例えば、はんだ層)を介して互いに接合されている。
【0026】
中間導電板20はさらに、第2導体スペーサ15を介して、第2半導体素子14の第1主電極14bとも電気的に接続されている。そして、下側導電板18は、第2半導体素子14の第2主電極14cと電気的に接続されている。特に限定されないが、中間導電板20と第2導体スペーサ15との間、第2導体スペーサ15と第2半導体素子14の第1主電極14bとの間、及び、第2半導体素子14の第2主電極14cと下側導電板18との間は、導電性を有する接合層60、62、64(例えば、はんだ層)を介して互いに接合されている。
【0027】
上側導電板16は、封止体30の上面30aにおいて外部に露出されている。これにより、上側導電板16は、半導体装置10において電気回路の一部を構成するだけでなく、半導体素子12、14の熱を外部へ放出する放熱板としても機能する。同様に、下側導電板18は、封止体30の下面30bにおいて外部に露出されている。従って、下側導電板18もまた、半導体装置10において電気回路の一部を構成するだけでなく、半導体素子12、14の熱を外部へ放出する放熱板としても機能する。
【0028】
半導体装置10は、複数の電力端子32、34、36と、複数の信号端子40、42とを備える。これらの端子32、34、36、40、42は、特に限定されないが、銅といった金属で構成されている。複数の電力端子32、34、36は、封止体30の第2端面30dから突出している。複数の信号端子40、42は、封止体30の第1端面30cから突出している。但し、これらの端子32、34、36、40、42の位置や形状といった具体的な構造は、特に限定されない。
【0029】
複数の電力端子32、34、36には、第1電力端子32、第2電力端子34及び第3電力端子36が含まれる。第1電力端子32は、封止体30の内部において、上側導電板16と電気的に接続されている。これにより、第1半導体素子12の第1主電極12bは、上側導電板16を介して第1電力端子32と電気的に接続されている。特に限定されないが、第1電力端子32は、上側導電板16と一体に形成されてもよい。
【0030】
第2電力端子34は、封止体30の内部において、中間導電板20と電気的に接続されている。これにより、第1半導体素子12の第2主電極12c、及び、第2半導体素子14の第1主電極12bは、中間導電板20を介して第2電力端子34と電気的に接続されている。特に限定されないが、第2電力端子34は、中間導電板20と一体に形成されてもよい。第3電力端子36は、封止体30の内部において、下側導電板18と電気的に接続されている。これにより、第2半導体素子14の第2主電極14cは、下側導電板18を介して第3電力端子36と電気的に接続されている。特に限定されないが、第3電力端子36は、下側導電板18と一体に形成されてもよい。
【0031】
複数の信号端子40、42には、複数の第1信号端子40と複数の第2信号端子42が含まれる。複数の第1信号端子40は、封止体30の内部において、第1半導体素子12の複数の信号電極12dとそれぞれ電気的に接続されている。特に限定されないが、第1信号端子40と信号電極12dとの間は、導電性を有する接合層56(例えば、はんだ層)を介して互いに接合されている。同様に、複数の第2信号端子42は、封止体30の内部において、第2半導体素子14の複数の信号電極14dとそれぞれ電気的に接続されている。特に限定されないが、第2信号端子42と信号電極14dとの間は、導電性を有する接合層66(例えば、はんだ層)を介して互いに接合されている。
【0032】
本実施例の半導体装置10を製造するときは、半導体素子12、14を介して、三つの導電板16、20、18を接合する必要がある。このとき、半導体装置10を精度よく製造するためには、三つの導電板16、20、18を正しく位置決めする必要がある。しかしながら、その後に取り外す必要があることも考えると、積層配置された三つの導電板16、20、18を、単一の治具で保持することは難しい。従って、二以上に分割可能な治具を用いることが考えられるが、単一の治具と比較して、そのような複数の治具の使用は寸法精度の低下を招くおそれがある。
【0033】
この問題に関して、本実施例の半導体装置10では、上側導電板16の面積が、中間導電板20の面積よりも小さくなっており、下側導電板18の面積が、中間導電板20の面積よりも大きくなっている。即ち、三つの導電板16、20、18の面積が、それらの積層方向に沿って、徐々に大きく(又は、小さく)なっている。従って、
図5に示すように、三つの導電板16、20、18をそれらに平行な平面へ投影すると、当該平面上には第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3が画定される。第1領域R1は、上側導電板16と、中間導電板20と、下側導電板18との三つが投影される領域である。第2領域R2は、下側導電板18と中間導電板20との二つのみが投影される領域である。そして、第3領域R3は、下側導電板18のみが投影される領域である。
【0034】
上記した構造によると、
図6に示すように、積層配置された三つの導電板16、20、18を、単一の治具90によって同じ方向から保持することができる。単一の治具90を用いることによって、半導体装置10を精度よく製造することができる。加えて、
図7に示すように、半導体装置10を製造するときは、成形型92を用いて封止体30の成形(インサート成形)が行われる。このとき、三つの導電板16、20、18の面積が、それらの積層方向に沿って徐々に大きく(又は、小さく)なっていると、封止体30の材料(例えば、樹脂)が成形型92内をスームズに流動しやすく、ボイドといった欠陥の発生を抑制することができる。
【0035】
本実施例の半導体装置10では、各々の半導体素子12、14が第1主電極12b、14bと第2主電極12c、14cとを有し、第2主電極12c、14cの面積が、第1主電極12b、14bの面積よりも大きい。第2主電極12c、14cの面積が、第1主電極12b、14bの面積よりも大きいと、各々の半導体素子12、14では、第1主電極12b、14bよりも第2主電極12c、14cを介して、より多く熱が放出される。従って、第2主電極12c、14cに接続される導電板18、20の面積を、第1主電極12b、14bに接続される導電板16、20の面積よりも大きくして、第2主電極12c、14cに接続される導電板18、20の放熱性を高めることが考えられる。この観点に基づいて、本実施例の半導体装置10では、上側導電板16の面積が、中間導電板20の面積よりも小さく、かつ、下側導電板18の面積が、中間導電板20の面積よりも大きくなっている。
【0036】
図8は、一変形例の半導体装置10Aを示す。
図8に示すように、この半導体装置10Aでは、下側導電板18の面積が、中間導電板20の面積よりも小さく、上側導電板16の面積が、中間導電板20の面積よりも大きい。この変形例においても、三つの導電板16、20、18の面積が、それらの積層方向に沿って徐々に大きく(又は、小さく)なっている。従って、この半導体装置10Aを製造するときも、積層配置された三つの導電板16、20、18を、単一の治具90によって同じ方向から保持し易く、半導体装置10Aを精度よく製造することができる。
【0037】
各々の半導体素子12、14では、第2主電極12c、14cの面積が、第1主電極12b、14bの面積よりも大きいので、第1主電極12b、14bにおける放熱性は、第2主電極12c、14cにおける放熱性よりも劣る。従って、各々の半導体素子12、14が通電によって発熱したときに、第1主電極12b、14bにおける温度は、第2主電極12c、14cにおける温度よりも高くなり得る。このような温度差を抑制するためには、第1主電極12b、14bに接続される導電板16、20の面積を、第2主電極12c、14cに接続される導電板20、18の面積よりも大きくして、第1主電極12b、14bに接続される導電板16、20の放熱性を高めることが考えられる。この観点に基づいて、本変形例の半導体装置10Aでは、上側導電板16の面積が、中間導電板20の面積よりも大きくなっており、下側導電板18の面積が、中間導電板20の面積よりも小さくなっている。
【0038】
図8に示す変形例の半導体装置10Aでは、第1半導体素子12と第2半導体素子14の各々が、第1主電極12b、14bの周縁に沿って枠状に設けられた保護膜(図示省略)をさらに有してもよい。このような構成であると、保護膜の近辺では、線膨張係数が異なる複数の異種材料が集まることによって、熱変形に起因する歪が局所的に増大しやすいことが知られている。このような歪の増大を抑制するためには、第1主電極12b、14bの温度上昇を抑制することが有効であり、そのためには、第1主電極12b、14bに接続される導電板16、20の放熱性を高めることが考えられる。この点に関して、上側導電板16の面積が中間導電板20の面積よりも大きく、下側導電板18の面積が中間導電板20の面積よりも小さいと、第1主電極12b、14bの温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0039】
図9、
図10は、他の一変形例の半導体装置10Bを示す。
図9に示すように、この半導体装置10Bでは、三つの導電板16、20、18の面積が、ほぼ等しくなっている。しかしながら、
図10に示すように、三つの導電板16、20、18は、互いに異なる形状を有している。即ち、上側導電板16は、概して矩形状を有しているが、四つの角は面取りされている。中間導電板20も、概して矩形状を有しているが、対角に位置する二つの角のみが面取りされている。そして、下側導電板18は、概して矩形状を有しており、その角部は面取りされていない。
【0040】
上記した構造においても、
図11に示すように、三つの導電板16、20、18をそれらに平行な平面へ投影すると、当該平面上には第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3が画定される。第1領域R1は、上側導電板16と、中間導電板20と、下側導電板18との三つが投影される領域である。第2領域R2は、下側導電板18と中間導電板20との二つのみが投影される領域である。そして、第3領域R3は、下側導電板18のみが投影される領域である。従って、本変形例の構造においても、
図12に示すように、積層配置された三つの導電板16、20、18を、単一の治具90によって同じ方向から保持することができる。単一の治具90を用いることによって、半導体装置10を精度よく製造することができる。
【0041】
なお、下側導電板18を単一の治具90で安定して保持するためには、第3領域R3内に位置する三つの点を頂点として、下側導電板18の重心位置を取り囲む三角形が描けるとよい。同様に、中間導電板20を単一の治具90で安定して保持するためには、第2領域R2内に位置する三つの点を頂点として、中間導電板20の重心位置を取り囲む三角形が描けるとよい。但し、治具90は、例えば吸着機構やクランプ機構を有してもよく、この場合、そのような限定は必ずしも必要とされない。
【0042】
図13は、他の一変形例の半導体装置10Cを示す。
図12に示すように、この半導体装置10Cでは、面積の小さい上側導電板16の厚みが、面積の大きい下側導電板18の厚みよりも大きくなっている。このように、上側導電板16と下側導電板18との間で、面積の小さい方の厚みが、面積の大きい方の厚みよりも大きいと、上側導電板16と下側導電板18との間で熱容量の差が小さくなる。これにより、二つの導電板16、18の間で放熱性の差も小さくなるので、例えば、第1半導体素子12と第2半導体素子14との間で生じ得る温度差を低減することができる。
【0043】
(関連技術の参考例1)
図14-
図21を参照して、関連技術の参考例1について説明する。なお、上述した実施例の半導体装置10と共通又は対応する構成要素については、同一の符号を付すことによって重複する説明を適宜省略する。
図14-
図17に示すように、参考例1の半導体装置100もまた、積層配置された上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18と、上側導電板16と中間導電板20との間に位置しており、上側導電板16と中間導電板20とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子12と、中間導電板20と下側導電板18との間に位置しており、中間導電板20と下側導電板18とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子14と、第1半導体素子12及び第2半導体素子14を封止するとともに、上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18を一体に保持する封止体30と、を備える。
【0044】
参考例1の半導体装置100は、上述した実施例の半導体装置10と同様に、コンバータやインバータといった電力変換回路に組み込まれ、電流を導通及び遮断するスイッチング回路を構成することができる。第1半導体素子12及び第2半導体素子14に電流が流れると、第1半導体素子12及び第2半導体素子14がそれぞれ発熱する。第1半導体素子12及び第2半導体素子14が発熱すると、それらに隣接する三つの導電板16、18、20の温度も上昇して、各々の導電板16、18、20には熱膨張が生じる。特に、第1半導体素子12と第2半導体素子14との間に位置する中間導電板20は、上側導電板16及び下側導電板18よりも高温となりやすい。この場合、中間導電板20には、上側導電板16及び下側導電板18よりも大きな熱膨張が生じこととなり、その結果、半導体装置100内に生じる歪を局所的に増大させるおそれがある。
【0045】
そのことから、参考例1の半導体装置100では、中間導電板20の厚みT20が、上側導電板16の厚みT16及び下側導電板18の厚みT18よりも、小さくなっている(
図15参照)。中間導電板20の厚みT20が比較的に小さいことにより、中間導電板20に生じ得る熱膨張力は比較的に小さくなる。前述したように、中間導電板20の熱膨張力とは、中間導電板20が熱膨張するときに、中間導電板20から他の部材(例えば、隣接する接合層54、60)に作用する力を意味する。中間導電板20に生じる熱膨張力が小さいことから、中間導電板20の熱膨張は、隣接する他の部材(例えば、封止体30)によって有意に抑制される。これにより、半導体装置100の内部(特に、接合層54、60)で生じる局所的な歪を低減することができる。
【0046】
加えて、中間導電板20の厚みT20が小さいほど、第1半導体素子12から下側導電板18までの距離は短くなる。これにより、第1半導体素子12から下側導電板18までの熱抵抗が小さくなって、第1半導体素子12の熱が下側導電板18からも効果的に放熱される。同様に、中間導電板20の厚みT20が小さいほど、第2半導体素子14から上側導電板16までの距離は短くなる。これにより、第2半導体素子14から上側導電板16までの熱抵抗が小さくなって、第2半導体素子14の熱が上側導電板16からも効果的に放熱される。従って、中間導電板20の厚みT20が小さいほど、第1半導体素子12及び第2半導体素子14の温度上昇が抑制される。
【0047】
参考例1の半導体装置100では、特に限定されないが、上側導電板16の厚みT16が、下側導電板18の厚みT18よりも大きい。この点に関して、各々の半導体素子12、14では、第2主電極12c、14cの面積が、第1主電極12b、14bの面積よりも大きい。従って、各々の半導体素子12、14では、第1主電極12b、14bよりも第2主電極12c、14cを介して、より多く熱が放出される。言い換えると、第1主電極12b、14bにおける放熱性は、第2主電極12c、14cにおける放熱性よりも劣る。この不均等な放熱性を改善するためには、第1主電極12bに接続された上側導電板16の厚みT16を、第2主電極12cに接続された下側導電板18の厚みT18よりも大きくすることが有効である。このような構成によると、上側導電板16が比較的に大きな熱容量を有することで、第1主電極12bからの放熱が促進されることになり、第1主電極12bにおける放熱性が改善される。
【0048】
図18は、上記の知見を確認するために、本発明者らによって実施されたコンピュータシミュレーションの結果である。このコンピュータシミュレーションでは、三つの導電板16、20、18の各厚みT16、T20、T18を、それぞれ0.5mm~2.0mmの間で変更しながら、各サンプルについて(即ち、厚みT16、T20、T18の各組合せについて)、半導体装置100の熱抵抗(℃/W)と最大歪を計算した。その結果、
図5に示すように、中間導電板20の厚みT20が0.5mmであり、上側導電板16の厚みT16が2.0mmであり、下側導電板18の厚みT18が1.5mmのときに、半導体装置100内に生じる最大歪が最小となることが確認された。また、中間導電板20の厚みT20が0.5±0.1mmであり、上側導電板16の厚みT16が2.0mmであり、下側導電板18の厚みT18が1.5±0.1mmの範囲内であると、半導体装置100内に生じる最大歪が十分に低減されることが確認された。
【0049】
図19は、一変形例の半導体装置100Aを示す。
図19に示すように、上側導電板16の厚みT16と、下側導電板18の厚みT18は、互いに等しくてもよい。この変形例においても、中間導電板20の厚みT20が、上側導電板16の厚みT16及び下側導電板18の厚みT18よりも小さいことから、中間導電板20の熱膨張が抑制されることによって、半導体装置100A内の局所的な歪が低減される。
【0050】
図20は、一変形例の半導体装置100Bを示す。
図20に示すように、中間導電板20の面積は、上側導電板16の面積及び下側導電板18の面積よりも小さくてもよい。第1半導体素子12及び第2半導体素子14の熱は、上側導電板16及び下側導電板18を介して外部へ放出される。これに対して、第1半導体素子12と第2半導体素子14との間に位置する中間導電板20は、封止体30の内部に位置しており、そこには第1半導体素子12及び第2半導体素子14の熱が蓄積されやすい。そのことから、上側導電板16の面積及び下側導電板18の面積を大きくし、中間導電板20の面積を小さくすることで、第1半導体素子12及び第2半導体素子14の温度上昇を効果的に抑制することができる。
【0051】
図21は、一変形例の半導体装置100Cを示す。
図21に示すように、中間導電板20の面積は、上側導電板16の面積及び/又は下側導電板18の面積よりも大きくてもよい。このような構成によると、上側導電板16と下側導電板18の間に位置する中間導電板20が、上側導電板16と下側導電板18との間から部分的に突出する。従って、例えば半導体装置100Cを製造するときに、中間導電板20を上側導電板16及び/又は下側導電板18と共に、共通の治具によって支持しやすい。なお、上側導電板16の面積と下側導電板18の面積は、互いに等しくてもよいし、互いに異なってもよい。
【0052】
(関連技術の参考例2)
図22-
図30を参照して、関連技術の参考例2について説明する。なお、上述した実施例の半導体装置10と共通又は対応する構成要素については、同一の符号を付すことによって重複する説明を適宜省略する。
図22-
図25に示すように、参考例2の半導体装置200もまた、積層配置された上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18と、上側導電板16と中間導電板20との間に位置しており、上側導電板16と中間導電板20とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子12と、中間導電板20と下側導電板18との間に位置しており、中間導電板20と下側導電板18とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子14と、第1半導体素子12及び第2半導体素子14を封止するとともに、上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18を一体に保持する封止体30と、を備える。
【0053】
参考例2の半導体装置200では、上側導電板16及び下側導電板18と同様に、中間導電板20も封止体30の側面30e、30fにおいて外部に露出されており、放熱板として機能することができる。
図23に示すように、中間導電板20は、封止体30の内部で第1半導体素子12及び第2半導体素子14に接合された本体部20aと、封止体30の側面30e、30fから外部に露出された露出部20bとを有する。そして、中間導電板20の露出部20bにおける厚みTbは、中間導電板20の本体部20aにおける厚みTaと等しいか、それよりも大きい。
【0054】
参考例2の半導体装置200もまた、コンバータやインバータといった電力変換回路に組み込まれ、電流を導通及び遮断するスイッチング回路を構成することができる。第1半導体素子12及び第2半導体素子14に電流が流れると、第1半導体素子12及び第2半導体素子14がそれぞれ発熱する。第1半導体素子12及び第2半導体素子14が発熱すると、それらに隣接する三つの導電板16、18、20の温度も上昇して、各々の導電板16、18、20には熱膨張が生じる。特に、第1半導体素子12と第2半導体素子14との間に位置する中間導電板20は、上側導電板16及び下側導電板18よりも高温となりやすい。
【0055】
そのことから、参考例2の半導体装置200では、中間導電板20が封止体30の側面30e、30fにおいて外部に露出されており、中間導電板20の熱が外部へ放出されやすい。これにより、中間導電板20の温度上昇が有意に抑制される。特に、中間導電板20の露出部20bに接するよう冷却器を配置することで、中間導電板20の温度上昇が抑制するとともに、第1半導体素子12及び第2半導体素子14の両者を効率的に冷却することができる。
【0056】
図26は、参考例2に係る一変形例の半導体装置200Aを示す。
図26に示すように、中間導電板20の露出部20bにおける厚みTbは、中間導電板20の本体部20aにおける厚みTaよりも、十分に大きくしてもよい。この場合、露出部20bにおける厚みTbは、本体部20aにおける厚みTaの二倍以上であってもよい。このような構成によると、中間導電板20の温度上昇をさらに抑制することができる。加えて、中間導電板20の形状は、三つの導電板16、18、20の積層方向(
図5の上下方向)において対称であってもよい。このような構成によると、第1半導体素子12と第2半導体素子14との温度差を小さくすることができる。中間導電板20の温度上昇をさらに抑制することができる。
【0057】
図27は、参考例2に係る他の一変形例の半導体装置200Bを示す。
図27に示すように、中間導電板20の露出部20bは、封止体30の上面30a(又は下面30b)において外部に露出されてもよい。即ち、中間導電板20の露出部20bは、上側導電板16及び/又は下側導電板18と共に、封止体30の同じ表面から露出されていてもよい。このような構成によると、封止体30の上面30a又は下面30bに沿って冷却器を配置することにより、中間導電板20と上側導電板16/又は下側導電板18とを同時に冷却することができる。
【0058】
図28は、参考例2に係る他の一変形例の半導体装置200Cを示す。
図28に示すように、中間導電板20の露出部20bは、封止体30の上面30a及び下面30bの両方において外部に露出されてもよい。このような構成によると、封止体30の上面30a及び下面30bのそれぞれに冷却器を配置することにより、中間導電板20を二つの冷却器によって効率よく冷却することができる。
【0059】
図29は、参考例2に係る他の一変形例の半導体装置200Dを示す。
図29に示すように、中間導電板20の露出部20bは、封止体30の側面30e、30f、上面30a及び下面30bのそれぞれにおいて外部に露出されてもよい。このような構成によると、中間導電板20が広く外部へ露出されるので、中間導電板20からより多くの熱を外部へ放出することができる。
【0060】
図30は、参考例2に係る他の一変形例の半導体装置200Eを示す。
図30に示すように、封止体30は、中間導電板20によって、第1封止体30Xと第2封止体30Yとに分割されていてもよい。第1封止体30Xは、上側導電板16と中間導電板20との間に充填されており、第1半導体素子12を封止している。第2封止体30Yは、中間導電板20と下側導電板18との間に充填されており、第2半導体素子14を封止している。この半導体装置200Eにおいても、中間導電板20は、封止体30の内部で第1半導体素子12及び第2半導体素子14に接合された本体部20aと、封止体30の表面から外部に露出された露出部20bを有している。そして、中間導電板20の露出部20bにおける厚みTbは、中間導電板20の本体部20aにおける厚みTaと等しいか、又は当該厚みTaよりも大きくなっている。
【0061】
(関連技術の参考例3)
図31-
図39を参照して、関連技術の参考例3について説明する。なお、上述した実施例の半導体装置10と共通又は対応する構成要素については、同一の符号を付すことによって重複する説明を適宜省略する。
図31-
図34に示すように、参考例2の半導体装置300もまた、積層配置された上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18と、上側導電板16と中間導電板20との間に位置しており、上側導電板16と中間導電板20とのそれぞれに電気的に接続された第1半導体素子12と、中間導電板20と下側導電板18との間に位置しており、中間導電板20と下側導電板18とのそれぞれに電気的に接続された第2半導体素子14と、第1半導体素子12及び第2半導体素子14を封止するとともに、上側導電板16、中間導電板20及び下側導電板18を一体に保持する封止体30と、を備える。
【0062】
上側導電板16と下側導電板18は金属板であり、例えば銅といった金属で構成されている。上側導電板16は、接合層52を介して、第1半導体素子12の第2主電極12cに接合されている。接合層52は、例えばはんだ層であって、上側導電板16と第1半導体素子12との間を電気的に、かつ熱的に接続する。上側導電板16は、封止体30の上面30aに露出している。従って、上側導電板16は、第1半導体素子12に接続された電気回路の一部を構成するだけでなく、第1半導体素子12の熱を外部へ放出する放熱板としても機能する。下側導電板18は、接合層62を介して、第2半導体素子14の第2主電極14cに接合されている。この接合層62も、例えばはんだ層であって、下側導電板18と第2半導体素子14との間を電気的に、かつ熱的に接続する。下側導電板18は、封止体30の下面30bに露出している。従って、下側導電板18は、第2半導体素子14に接続された電気回路の一部を構成するだけでなく、第2半導体素子14の熱を外部へ放出する放熱板としても機能する。
【0063】
中間導電板20は、絶縁体基板22と、第1金属層24と、第2金属層26とを含む積層構造を有する。絶縁体基板22は、絶縁体で構成された基板であり、例えばセラミック基板であってもよい。第1金属層24は、例えば銅といった金属で構成されており、絶縁体基板22の上面に設けられている。第2金属層26も、例えば銅といった金属で構成されており、絶縁体基板22の下面に設けられている。第1金属層24は、第1半導体素子12と電気的に接続されており、第2金属層26は、第2半導体素子14と電気的に接続されている。中間導電板20は、特に限定されないが、DBC(Direct Bonded Cupper)基板、DBA(Direct Bonded Aluminum)、AMC(Active Metal Brazed Cupper)基板であってもよい。
【0064】
中間導電板20の第1金属層24は、第1主回路部24aと、複数の第1信号回路部24bとを有する。第1主回路部24aと複数の第1信号回路部24bは、互いに分離されており、互いに電気的に絶縁されている。第1主回路部24aは、接合層50を介して、第1半導体素子12の第1主電極12bに接合されている。接合層50は、例えばはんだ層であって、第1主回路部24aと第1半導体素子12の第1主電極12bとの間を電気的に、かつ熱的に接続している。複数の第1信号回路部24bは、接合層54を介して、第1半導体素子12の複数の信号電極12dにそれぞれ接合されている。これらの接合層54も、例えばはんだ層であって、複数の第1信号回路部24bと第1半導体素子12の複数の信号電極12dとの間を電気的に、かつ熱的に接続している。
【0065】
同様に、中間導電板20の第2金属層26は、第2主回路部26aと、複数の第2信号回路部26bとを有する。第2主回路部26aと複数の第2信号回路部26bは、互いに分離されており、互いに電気的に絶縁されている。を有する第2主回路部26aは、接合層60を介して、第2半導体素子14の第1主電極14bに接合されている。接合層60は、例えばはんだ層であって、第2主回路部26aと第2半導体素子14の第1主電極14bとの間を電気的に、かつ熱的に接続している。複数の第2信号回路部26bは、接合層64を介して、第1半導体素子12の複数の信号電極12dにそれぞれ接合されている。これらの接合層64も、例えばはんだ層であって、複数の第2信号回路部26bと第2半導体素子14の複数の信号電極14dとの間を電気的に、かつ熱的に接続している。
【0066】
半導体装置300は、複数の電力端子32、34、36、38と、複数の信号端子40、42とを備える。これらの端子32、34、36、38、40、42は、特に限定されないが、銅といった金属で構成されている。複数の電力端子32、34、36、38は、封止体30の第2端面30dから突出している。複数の信号端子40、42は、封止体30の第1端面30cから突出している。但し、これらの端子32、34、36、38、40、42の位置や形状といった具体的な構造は、特に限定されない。
【0067】
複数の電力端子32、34、36、38には、第1電力端子32、第2電力端子34、第3電力端子36及び第4電力端子38が含まれる。第1電力端子32は、封止体30の内部において、上側導電板16と電気的に接続されている。これにより、第1半導体素子12の第2主電極12cは、上側導電板16を介して第1電力端子32と電気的に接続されている。特に限定されないが、第1電力端子32は、上側導電板16と一体に形成されてもよい。第2電力端子34は、封止体30の内部において、中間導電板20の第1金属層24の第1主回路部24aと電気的に接続されている。これにより、第1半導体素子12の第1主電極12bは、中間導電板20の第1主回路部24aを介して、第2電力端子34と電気的に接続されている。特に限定されないが、第2電力端子34は、例えばはんだ層といった接合層56を介して、第1主回路部24aに接合されてもよい。
【0068】
第3電力端子36は、封止体30の内部において、中間導電板20の第2金属層26の第2主回路部26aと電気的に接続されている。これにより、第2半導体素子14の第1主電極14bは、中間導電板20の第2主回路部26aを介して、第3電力端子36と電気的に接続されている。特に限定されないが、第3電力端子36は、例えばはんだ層といった接合層66を介して、第2主回路部26aに接合されてもよい。第4電力端子38は、封止体30の内部において、下側導電板18と電気的に接続されている。これにより、第2半導体素子14の第2主電極14cは、下側導電板18を介して第4電力端子38と電気的に接続されている。特に限定されないが、第4電力端子38は、下側導電板18と一体に形成されてもよい。
【0069】
複数の信号端子40、42には、複数の第1信号端子40と複数の第2信号端子42が含まれる。複数の第1信号端子40は、封止体30の内部において、中間導電板20の第1金属層24の複数の第1信号回路部24bとそれぞれ電気的に接続されている。これにより、第1半導体素子12の各々の信号電極12dは、第1信号回路部24bを介して、対応する一つの第1信号端子40と電気的に接続されている。特に限定されないが、複数の第1信号端子40は、例えばはんだ層といった接合層58を介して、複数の第1信号回路部24bとそれぞれ接合されてもよい。同様に、複数の第2信号端子42は、封止体30の内部において、中間導電板20の第2金属層26の複数の第2信号回路部26bとそれぞれ電気的に接続されている。これにより、第2半導体素子14の各々の信号電極14dは、第2信号回路部26bを介して、対応する一つの第2信号端子42と電気的に接続されている。特に限定されないが、複数の第2信号端子42についても、例えばはんだ層といった接合層68を介して、複数の第2信号回路部26bとそれぞれ接合されてもよい。
【0070】
以上の構成により、参考例3の半導体装置300は、コンバータやインバータといった電力変換回路に組み込まれ、電流を導通及び遮断するスイッチング回路を構成することができる。このとき、第2電力端子34と第4電力端子38とを互いに接続すると、第1半導体素子12と第2半導体素子14とを直列に接続することができる。あるいは、第1電力端子32と第4電力端子38とを互いに接続するとともに、第2電力端子34と第3電力端子36とを互いに接続すると、第1半導体素子12と第2半導体素子14とを並列に接続することができる。
【0071】
第1半導体素子12及び第2半導体素子14に電流が流れると、第1半導体素子12及び第2半導体素子14がそれぞれ発熱する。第1半導体素子12及び第2半導体素子14が発熱すると、それらに隣接する三つの導電板16、18、20の温度も上昇して、各々の導電板16、18、20には熱膨張が生じる。特に、第1半導体素子12と第2半導体素子14との間に位置する中間導電板20は、上側導電板16及び下側導電板18よりも高温となりやすい。
【0072】
そのことから、参考例3の半導体装置300では、上側導電板16及び下側導電板18が金属板であるのに対して、中間導電板20は絶縁体基板22を含む積層構造を有している。絶縁体基板22は例えばセラミック基板であり、絶縁体基板22を構成する材料は、第1金属層24を構成する材料や第2金属層26を構成する材料よりも線膨張係数が小さい。これにより、中間導電板20の面内方向における線膨張係数は、上側導電板16の面内方向における線膨張係数及び下側導電板18の面内方向における線膨張係数よりも小さくなっている。従って、中間導電板20の温度が、上側導電板16の温度及び下側導電板18の温度よりも高温となったときでも、三つの導電板16、18、20に不均一な熱膨張が生じることが抑制される。
【0073】
ここで、中間導電板20は、絶縁体基板22を含む積層構造に限定されず、その構造や材料は適宜変更することができる。上側導電板16及び下側導電板18もまた、金属板に限定されず、その構造や材料は適宜変更することができる。中間導電板20の面内方向における線膨張係数が、上側導電板16の面内方向における線膨張係数及び下側導電板18の面内方向における線膨張係数よりも小さくなる限りにおいて、三つの導電板16、18、20の構造や材料は、様々に変更することができる。
【0074】
参考例3の半導体装置300では、中間導電板20の面積が、上側導電板16の面積及び下側導電板18の面積よりも小さい。言い換えると、上側導電板16の面積及び下側導電板18の面積は、中間導電板20の面積より大きい。前述したように、上側導電板16及び下側導電板18は、封止体30の上面30a又は下面30bに露出しており、放熱板として機能する。そのことから、上側導電板16の面積及び下側導電板18の面積が大きいと、各々の半導体素子12、14の熱が、上側導電板16及び下側導電板18を介して半導体装置300の外部へ効率よく放出される。しかしながら、
図300に示すように、参考例3に係る一変形例の半導体装置300’では、中間導電板20の面積が、上側導電板16の面積及び下側導電板18の面積よりも大きくてもよい。このような構成によると、中間導電板20の熱容量が大きくなるので、中間導電板20の温度上昇を抑制することができる。
【0075】
参考例3の半導体装置300では、第1半導体素子12と第2半導体素子14との両方が、第1主電極12b、14bにおいて、中間導電板20と電気的に接続されており、第2主電極12c、14cにおいて、上側導電板16又は下側導電板18と電気的に接続されている。前述したように、第2主電極12c、14cの面積は、第1主電極12b、14bの面積よりも大きい。従って、各々の半導体素子12、14は、第1主電極12b、14bよりも第2主電極12c、14cを介して、より多く熱を外部へ放出する。そして、中間導電板20は、第1半導体素子12と第2半導体素子14との両者から熱を受け取るので、その温度が上昇し易い。そのことから、第1半導体素子12と第2半導体素子14との両方が、放熱量の少ない第1主電極12b、14bにおいて中間導電板20に接続されていると、中間導電板20の温度上昇を抑制することができる。なお、
図36に示す他の一変形例の半導体装置300’’のように、第2半導体素子14(又は第1半導体素子12)のみが、第1主電極12b、14bにおいて中間導電板20に接続されていてもよい。
【0076】
図37-
図39を参照して、参考例3に係る一変形例の半導体装置300Aを説明する。この変形例の半導体装置300Aは、二つの継手部材70をさらに備えており、この点において上述した参考例3の半導体装置300と相違する。また、本変形例の半導体装置300Aは、第2電力端子34を有しておらず、この点においても参考例3の半導体装置300と相違する。本変形例の半導体装置300Aの他の構成については、参考例3の半導体装置300と共通又は対応している。従って、
図37-
図39では、参考例3の半導体装置300と共通又は対応する構成に同一の符号が付されており、ここでは重複する説明を省略する。
【0077】
各々の継手部材70は、封止体30の内部に位置しており、金属といった導電体で構成されている。継手部材70の一端は、中間導電板20の第1金属層24の第1主回路部24aに接続されている。継手部材70の他端は、下側導電板18に接続されている。これにより、中間導電板20の第1主回路部24aが、各々の継手部材70を介して、下側導電板18に電気的に接続されている。このような構成によると、
図39に示すように、第1半導体素子12と第2半導体素子14を、封止体30の内部で直列に接続することができる。従って、第2電力端子34が省略されている。なお、第2電力端子34に代えて、第4電力端子38を省略してもよい。
【0078】
本変形例の半導体装置300Aは、二つの継手部材70を備えるが、継手部材70の数は二つに限定されない。半導体装置300Aは、単一の、又は三つ以上の継手部材70を備えてもよい。また、継手部材70による接続箇所を変更することによって、第1半導体素子12と第2半導体素子14を、封止体30の内部で並列に接続してもよい。
【0079】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書、又は、図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。本明細書又は図面に例示した技術は、複数の目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0080】
10:半導体装置
12:第1半導体素子
14:第2半導体素子
16:上側導電板
18:下側導電板
20;中間導電板
30:封止体
32、34、36:電力端子
40、42:信号端子
90:治具
92:成形型