(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】遠隔支援装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20221109BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20221109BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/123 A
G08G1/09 V
(21)【出願番号】P 2019178934
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100113549
【氏名又は名称】鈴木 守
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】230121430
【氏名又は名称】安井 友章
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 健吾
(72)【発明者】
【氏名】名倉 徹
(72)【発明者】
【氏名】森 卓也
(72)【発明者】
【氏名】吉永 論史
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-215751(JP,A)
【文献】特開2017-224107(JP,A)
【文献】特開2019-160146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行異常の発生により停車した自動運転車両(30)がオペレータによる自動運転車両への遠隔支援により走行を再開した場合に自動運転車両への遠隔支援の支援内容を記録し前記支援内容は支援地点及び遠隔支援においてオペレータが指示したオペレータ指示内容を含む支援内容記録部(15)と、
前記支援内容記録部に記録された所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両を検出する支援車両検出部(16)と、
前記支援車両検出部によって検出された自動運転車両への遠隔支援の支援方法を前記支援内容記録部に記録された前記所定の支援内容に基づいて決定する支援方法決定部(17)と、
を具備する遠隔支援装置。
【請求項2】
前記支援方法決定部は、前記支援方法を迂回ルートへのリルートに決定する、
請求項1に記載の遠隔支援装置。
【請求項3】
前記支援内容は、遠隔支援に要した支援時間を含み、
前記支援方法決定部は、前記支援内容記録部に記録された前記所定の支援内容に含まれる所定の支援時間よりも前記支援地点を迂回するのに要する迂回時間が短い場合に、前記支援方法を前記迂回ルートへのリルートに決定する、
請求項2に記載の遠隔支援装置。
【請求項4】
前記支援内容は、遠隔支援を実行した支援時刻を含み、
前記支援方法決定部は、前記支援内容記録部に記録された前記所定の支援内容に含まれる所定の支援時刻から所定の解消時間が経過した場合には、前記支援方法を前記迂回ルートへのリルートには決定しない、
請求項2に記載の遠隔支援装置。
【請求項5】
前記支援方法決定部は、前記支援方法を前記所定の支援内容に含まれる所定のオペレータ指示内容の実行に決定する、
請求項1に記載の遠隔支援装置。
【請求項6】
前記支援方法決定部は、前記支援内容記録部に記録された前記所定のオペレータ指示内容が自動運転車両により対応可能である場合には、前記支援方法を前記所定のオペレータ指示内容の実行に決定する、
請求項5に記載の遠隔支援装置。
【請求項7】
前記支援方法決定部は、前記支援方法をオペレータを呼出すためのオペレータ呼出条件の緩和に決定する、
請求項1に記載の遠隔支援装置。
【請求項8】
前記支援方法決定部は、前記支援内容記録部に記録された前記所定の支援内容に含まれる所定のオペレータ指示内容が自動運転車両により対応可能でない場合には、前記支援方法を前記オペレータ呼出条件の緩和に決定する、
請求項7に記載の遠隔支援装置。
【請求項9】
前記支援内容記録部に記録された前記支援内容を更新する支援内容更新部(18)をさらに具備する、
請求項1に記載の遠隔支援装置。
【請求項10】
遠隔支援装置の支援内容記録部により、走行異常の発生により停車した自動運転車両がオペレータによる自動運転車両への遠隔支援により走行を再開した場合に自動運転車両への遠隔支援の支援内容を記録し
、前記支援内容は支援地点及び遠隔支援においてオペレータが指示したオペレータ指示内容を含む
、支援内容記録ステップと、
前記遠隔支援装置の支援車両検出部により、前記支援内容記録ステップで記録された所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両を検出する支援車両検出ステップと、
前記遠隔支援装置の支援方法決定部により、前記支援車両検出ステップによって検出された自動運転車両への遠隔支援の支援方法を前記支援内容記録ステップで記録された前記所定の支援内容に基づいて決定する支援方法決定ステップと、
を具備する遠隔支援方法。
【請求項11】
コンピュータに、
走行異常の発生により停車した自動運転車両がオペレータによる自動運転車両への遠隔支援により走行を再開した場合に自動運転車両への遠隔支援の支援内容を記録し前記支援内容は支援地点及び遠隔支援においてオペレータが指示したオペレータ指示内容を含む支援内容記録機能と、
前記支援内容記録機能で記録された所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両を検出する支援車両検出機能と、
前記支援車両検出機能によって検出された自動運転車両への遠隔支援の支援方法を前記支援内容記録機能で記録された前記所定の支援内容に基づいて決定する支援方法決定機能と、
を実現させる遠隔支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動運転車両を遠隔支援する遠隔支援装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転車両を遠隔支援する様々な遠隔支援システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような遠隔支援システムでは、自動運転車両には運転者は不在であり、自動走行中に走行異常の発生により自動運転車両が停車してしまった場合には、管制室のオペレータから遠隔支援センタを介して自動運転車両に遠隔支援指示がなされ、オペレータからの遠隔支援指示に従って走行異常に対処し、自動走行を再開する。オペレータからの遠隔支援指示によっても走行異常に対処できず、自動走行を再開できない場合には、オペレータは、支援要員に支援を要請して自動運転車両に支援要員を派遣し、支援要員による手動運転により走行異常に対処して、自動走行を再開する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動走行中における自動運転車両の停車時間が増大すると、交通流に悪影響を与えるだけでなく、自動運転車両の乗員に不安感や不信感を与えてしまう。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動走行中における自動運転車両の停車時間を短縮することが可能な遠隔支援装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するために以下の技術的手段を採用する。特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施の形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0007】
本発明の第1実施態様は、自動運転車両(30)への遠隔支援の支援内容を記録し前記支援内容は支援地点を含む支援内容記録部(15)と、前記支援内容記録部に記録された所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両を検出する支援車両検出部(16)と、前記支援車両検出部によって検出された自動運転車両への遠隔支援の支援方法を前記支援内容記録部に記録された前記所定の支援内容に基づいて決定する支援方法決定部(17)と、を具備する遠隔支援装置である。
【0008】
本発明の第2実施態様は、自動運転車両への遠隔支援の支援内容を記録し前記支援内容は支援地点を含む支援内容記録ステップと、前記支援内容記録ステップで記録された所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両を検出する支援車両検出ステップと、前記支援車両検出ステップによって検出された自動運転車両への遠隔支援の支援方法を前記支援内容記録ステップで記録された前記所定の支援内容に基づいて決定する支援方法決定ステップと、を具備する遠隔支援方法である。
【0009】
本発明の第3実施態様は、コンピュータに、自動運転車両への遠隔支援の支援内容を記録し前記支援内容は支援地点を含む支援内容記録機能と、前記支援内容記録機能で記録された所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両を検出する支援車両検出機能と、前記支援車両検出機能によって検出された自動運転車両への遠隔支援の支援方法を前記支援内容記録機能で記録された前記所定の支援内容に基づいて決定する支援方法決定機能と、を実現させる遠隔支援プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、自動走行中における自動運転車両の停車時間を短縮することが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態の遠隔支援システムを示すブロック図。
【
図2】本発明の一実施形態の遠隔支援方法における支援内容記録ステップを示すフロー図。
【
図3】本発明の一実施形態の遠隔支援方法における支援方法決定ステップを示すフロー図。
【
図4】本発明の一実施形態の遠隔支援方法における支援方法実行ステップを示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至
図4を参照して、本発明の一実施形態の遠隔支援システム及び方法について説明する。
【0013】
図1を参照して、本実施形態の遠隔支援システムについて説明する。
以下では、遠隔支援システム全体の概略構成を説明したうえで、当該遠隔支援システムの各種機能を実現する構成について順次説明する。
【0014】
図1に示されるように、遠隔支援システムについては、遠隔支援センタ10、多数の自動運転車両30及び多数の管制室40により形成されている。遠隔支援センタ10はクラウド上に形成されている。自動運転車両30については、運転者は通常時は不在であるが、支援要員の派遣時には支援要員による手動運転が可能である。また、本実施形態では、自動運転車両30については、タクシー、バス等の乗客を運搬する車両である。遠隔支援センタ10と自動運転車両30とはそれらの通信部11,31により互いに通信可能であり、また、遠隔支援センタ10と管制室40とはそれらの通信部11,42により互いに通信可能である。
【0015】
遠隔支援システムは、自動運転車両30の自動走行を実行する機能を有する。
即ち、遠隔支援センタ10では、ルート計算部12は、自動運転車両30の自動走行のルートを算出し、当該ルート情報を自動運転車両30へと送信する。自動運転車両30では、走行情報取得部32は、自動運転車両30の各種センサにより走行情報を取得する。走行情報は、自車両の位置、速度等の自車両の状況を示す自車両状況情報と、自車両周辺のカメラ情報、レーダ情報等の自車両周辺の状況を示す周辺状況情報とを含んでいる。走行制御部33は、遠隔支援センタ10のルート計算部12から受信したルート情報と、走行情報取得部32で取得した走行情報とに基づき、自動運転車両30を制御して自動走行を実行する。
【0016】
遠隔支援システムは、自動走行中に走行異常の発生により自動運転車両30が停車した場合には、自動運転車両30への遠隔支援を実行して自動走行を再開させると共に、実行した遠隔支援の支援内容を記録する機能を有する。
【0017】
即ち、走行情報取得部32は、取得した走行情報を遠隔支援センタ10へと送信する。遠隔支援センタ10では、オペレータ呼出部13は、受信した走行情報に基づいて、オペレータを呼び出すためのオペレータ呼出条件が成立するか否か判断する。オペレータ呼出部13は、オペレータ呼出条件が成立すると判断した場合には、多数の管制室40の内から適宜の管制室40を呼び出すと共に、当該管制室40に走行情報を送信する。
【0018】
管制室40では、オペレータ端末41の表示部43は受信した走行情報を表示する。オペレータは、表示部43に表示された走行情報に基づき、入力部44に遠隔支援指示を入力する。オペレータ端末41は、当該遠隔支援指示が自動運転車両30に対する指示の場合には、遠隔支援指示を遠隔支援センタ10に送信する。遠隔支援センタ10では、遠隔支援部14は、受信した遠隔支援指示を自動運転車両30に送信する。自動運転車両30では、走行制御部33は、受信した遠隔支援指示に従って自動運転車両30を制御し、走行異常に対処して、自動走行を再開する。一方、オペレータ端末41は、遠隔支援指示が図示しない支援要員センタに対する支援要請である場合には、支援要員センタに支援要請を送信すると共に、走行情報を送信する。支援要員センタは、受信した走行情報に基づいて自動運転車両30に支援要員を派遣し、支援要員の手動運転により走行異常に対処して、自動走行を再開させる。オペレータは、自動運転車両30が自動走行を開始した場合には、遠隔支援においてオペレータが判断した判断内容であるオペレータ判断内容を入力部44に入力する。
【0019】
遠隔支援センタ10では、支援内容記録部15は、オペレータによる遠隔支援が実行された場合に、当該遠隔支援の支援内容を記録し、多数の支援内容を蓄積する。支援内容記録部15に記録される支援内容情報には、以下の各種情報が含まれる。支援地点情報は、自動運転車両30への遠隔支援が実行された地点を示す情報である。支援時刻情報は、自動運転車両30への遠隔支援が実行された時刻を示す情報である。支援時間情報は、自動運転車両30の走行異常の発生による停車から自動走行の再開までの時間を示す情報である。走行情報は上述したとおりである。オペレータ呼出理由情報は、オペレータの呼出し理由を示す情報であり、本実施形態では、オペレータ呼出条件の成立を示す情報である。オペレータ指示内容情報は、オペレータによる遠隔支援指示の指示内容を示す情報である。オペレータ判断内容情報は、遠隔支援においてオペレータが判断した判断内容を示す情報であり、走行異常の具体的内容を示す情報を含んでいる。
【0020】
遠隔支援システムは、蓄積された多数の支援内容の内の所定の支援内容に含まれる所定の支援位置を通行予定の自動運転車両30を支援車両として検出し、当該所定の支援内容に基づいて、支援車両として検出した自動運転車両30への遠隔支援の支援方法を決定し、当該支援方法に応じた遠隔支援を実行する機能を有する。
【0021】
即ち、遠隔支援センタ10では、支援車両検出部16は、ルート計算部12により計算されたルート情報と、自動運転車両30から受信した走行情報と、支援内容記録部15に蓄積された支援内容情報とに基づき、支援内容記録部15に蓄積された支援内容の内の所定の支援内容に含まれる所定の支援位置を通行予定の自動運転車両30を支援車両として検出する。支援方法決定部17は、所定の支援内容に基づいて、支援車両への遠隔支援の支援方法を決定する。そして、支援方法決定部17は、遠隔支援の支援方法を示す事前指示情報を予め適宜の構成に送信しておく。遠隔支援システムは、当該支援方法を示す事前指示情報に応じて遠隔支援を実行する。
【0022】
本実施形態では、支援方法決定部17は、支援車両検出部16により検出された自動運転車両30について、ルート計算部12に所定の支援地点を迂回する迂回ルートを計算させ、迂回ルートにリルート可能であり、かつ、所定の支援内容に含まれる所定の支援時間よりも、支援地点を迂回するのに要する迂回時間が短い場合には、支援方法を迂回ルートへのリルートに決定する。但し、支援方法決定部17は、当該所定の支援内容に含まれる所定の支援時刻から、当該所定の支援内容に含まれるオペレータ判断内容に応じた所定の解消時間が経過した場合には、支援方法を迂回ルートへのリルートには決定しない。支援方法決定部17は、支援方法を迂回ルートへのリルートに決定した場合には、事前指示情報としての迂回ルート情報を自動運転車両30に送信する。自動運転車両30では、走行制御部33は、受信した迂回ルート情報に基づき自動運転車両30を制御して自動走行を実行する。
【0023】
支援方法決定部17は、支援内容記録部15に記録された所定の支援内容に含まれる所定の記録されたオペレータ指示内容が自動運転車両30により対応可能であると判断した場合には、支援方法を当該所定の記録されたオペレータ指示内容の実行に決定する。そして、支援方法決定部17は、事前指示情報として、所定の記録されたオペレータ指示内容情報と、所定の支援内容に含まれる所定の記録された周辺状況情報とを予め自動運転車両30に送信しておく。自動運転車両30では、走行制御部33は、事前指示情報として受信した所定の記録されたオペレータ指示内容情報及び所定の記録された周辺状況情報を記憶しておく。走行制御部33は、オペレータ呼出部13により所定の支援地点において走行異常の発生により自動運転車両30が停車したと判断された場合には、周辺状況判断部34に、所定の記録された周辺状況と、走行情報取得部32により取得された周辺状況とが一致するか否か判断させる。そして、走行制御部33は、周辺状況判断部34によって、所定の記録された周辺情報と取得された周辺情報とが一致すると判断された場合には、所定の記録されたオペレータ指示内容に従って自動運転車両30を制御する。
【0024】
一方、支援方法決定部17は、支援内容記録部15に記録された所定の支援内容に含まれる所定の記録されたオペレータ指示内容が自動運転車両30により対応可能でないと判断した場合には、支援方法をオペレータ呼出条件の緩和に決定する。そして、支援方法決定部17は、事前指示情報として、オペレータ呼出条件緩和情報を予めオペレータ呼出部13に送信しておく。オペレータ呼出部13は、事前指示情報として受信したオペレータ呼出条件緩和情報を記憶しておく。そして、オペレータ呼出部13は、所定の支援位置において走行異常の発生により自動運転車両30が停車したと判断した場合には、オペレータ呼出条件緩和情報に基づいてオペレータ呼出条件を緩和し、当該緩和されたオペレータ呼出条件が成立したと判断した場合には、適宜の管制室40を呼び出す。
【0025】
遠隔支援システムは、記録された支援内容を更新する機能を有する。
即ち、遠隔支援センタ10では、支援内容更新部18は、支援車両検出部16により検出された自動運転車両30について、支援方法決定部17により所定の支援地点における遠隔支援の支援内容が決定されたにもかかわらず、オペレータ呼出部13により、所定の支援地点において走行異常の発生により自動運転車両30が停車したと判断されなかった場合には、所定の支援時刻から所定のオペレータ判断内容に応じた消去時間が経過していれば、所定の支援内容を消去する。
【0026】
図2乃至
図4を参照して、本実施形態の遠隔支援方法について説明する。
図2を参照して、本実施形態の遠隔支援方法における支援内容記録ステップを説明する。当該支援内容記録ステップでは、自動走行中に走行異常の発生により自動運転車両30が停車した場合に、自動運転車両30への遠隔支援を実行して自動走行を再開させると共に、実行した遠隔支援の支援内容を記録する。
【0027】
走行情報取得ステップS11
走行情報取得ステップS11では、自動運転車両30の走行情報を取得する。
【0028】
オペレータ呼出条件成立判断ステップS12
オペレータ呼出条件成立判断ステップS12では、走行情報取得ステップS11において取得した自動運転車両30の走行情報に基づいて、オペレータを呼び出すためのオペレータ呼出条件が成立するか否か判断する。オペレータ呼出条件が成立する場合には、オペレータ呼出ステップS13に進行する。一方、オペレータ呼出条件が成立しない場合には、走行情報取得ステップS11に戻る。ここで、オペレータによる自動運転車両30への遠隔支援が必要となるのは、渋滞、路上駐車、事故現場等の走行異常の発生により自動運転車両30が停車し、自動運転車両30単独では自動走行を再開できず、自動運転車両30の停車が継続する場合である。本実施形態では、オペレータ呼出条件として、走行異常の発生による自動運転車両30の停車時間が所定の閾値を超えることが用いられている。
【0029】
オペレータ呼出ステップS13
オペレータ呼出ステップS13では、オペレータを呼び出す。
【0030】
遠隔支援実行ステップS14
遠隔支援実行ステップS14では、オペレータ呼出ステップS13において呼び出されたオペレータにより、自動運転車両30への遠隔支援を実行する。オペレータは、自動運転車両30に対する遠隔支援指示により、走行異常を解消して自動走行を再開できると判断した場合には、自動運転車両30に対する遠隔支援指示を行う。自動運転車両30は、オペレータからの遠隔支援指示に従って走行異常に対処する。本実施形態では、走行異常が渋滞の場合には停車継続指示、路上駐車の場合には追越ないし車線変更指示、事故現場の場合には迂回指示等を行う。一方、オペレータは、自動運転車両30に対する遠隔支援指示では、走行異常を解消して自動走行を再開できないと判断した場合には、遠隔支援指示として支援要員センタに対する支援要請を行う。支援要員センタはオペレータからの支援要請に基づいて自動運転車両30に支援要員を派遣し、支援要員は手動運転により走行異常に対処する。
【0031】
自動走行再開判断ステップS15
自動走行再開判断ステップS15では、遠隔支援実行ステップS14におけるオペレータによる自動運転車両30への遠隔支援の実行により、自動運転車両30が自動走行を再開したか否か判断する。自動運転車両30が自動走行を再開したと判断した場合には、支援内容記録ステップS16に進行する。自動運転車両30が自動走行を再開していないと判断した場合には、遠隔支援実行ステップS14に戻り、オペレータによる自動運転車両30への遠隔支援を継続する。
【0032】
支援内容記録ステップS16
支援内容記録ステップS16では、自動走行再開判断ステップS15において自動運転車両30が自動走行を再開したと判断された後に、オペレータによる自動運転車両30への遠隔支援の支援内容を記録する。支援内容には、オペレータにより入力された、遠隔支援においてオペレータが判断した判断内容であるオペレータ判断内容が含まれる。オペレータ判断内容には走行異常の具体的内容が含まれ、本実施形態では、走行異常の具体的内容には渋滞、路上駐車、事故現場等が含まれる。
【0033】
以上述べた支援内容記録ステップを多数の自動運転車両30への多数の遠隔支援について繰り返し実行し、オペレータによる自動運転車両30への遠隔支援の支援内容を多数蓄積していく。
【0034】
図3を参照して、本実施形態の遠隔支援方法における支援方法決定ステップについて説明する。当該支援方法決定ステップでは、蓄積された多数の支援内容の内の所定の支援内容に含まれる所定の支援位置を通行予定の自動運転車両30を支援車両として検出し、所定の支援内容に基づいて自動運転車両への遠隔支援の支援方法を決定する。
【0035】
支援内容取得ステップS21
支援内容取得ステップS21では、蓄積された多数の支援内容の内から所定の支援内容を取得する。
【0036】
支援車両検出ステップS22
支援車両検出ステップS22では、支援内容取得ステップS21において取得された所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両30を支援車両として検出する。
【0037】
リルート可否判断ステップS23
リルート可否判断ステップS23では、支援車両検出ステップS22で検出された自動運転車両30について、所定の支援地点を迂回する迂回ルートにリルート可能であるか否か判断する。迂回ルートにリルート可能であると判断された場合には、迂回時間判断ステップS24に進行する。一方、迂回ルートにリルート可能ではないと判断された場合には、指示内容判断ステップS27に進行する。
【0038】
ここで、自動運転車両30に所定の支援地点を迂回する迂回ルートを自動走行させるようにすることで、所定の支援地点において走行異常の発生により自動運転車両30が停車してしまうことを回避することが可能である。なお、迂回ルートにリルート可能ではない場合とは、迂回ルートが存在せず、迂回ルートを採用することが不可能な場合である。
【0039】
迂回時間判断ステップS24
迂回時間判断ステップS24では、所定の支援内容に含まれる所定の支援時間よりも、所定の支援地点を迂回するのに要する迂回時間が短いか否か判断する。所定の支援時間よりも迂回時間が短いと判断された場合には、解消時間判断ステップS25に進行する。一方、所定の支援時間よりも迂回時間が短くないと判断された場合には、指示内容判断ステップS27に進行する。
【0040】
ここで、所定の支援時間よりも迂回時間が短い場合には、所定の支援地点を通行する本来のルートを遠隔支援を実行して走行するよりも、所定の支援地点を迂回する迂回ルートを自動走行するほうが目的地に早く到達するため、迂回ルートを採用することが好ましい。一方、所定の支援時間よりも迂回時間が短くない場合には、迂回ルートを走行するほうが目的地に遅く到達する。
【0041】
解消時間判断ステップS25
解消時間判断ステップS25では、所定の支援内容に含まれる所定の支援時刻から、所定の支援内容に含まれる所定のオペレータ判断内容に応じた所定の解消時間が経過しているか否か判断する。所定の支援時刻から所定の解消時間が経過していないと判断された場合には、リルート決定ステップS26に進行する。一方、所定の支援時刻から所定の解消時間が経過していると判断された場合には、指示内容判断ステップS27に進行する。
【0042】
ここで、所定の支援地点において遠隔支援が実行された所定の支援時刻から、オペレータ判断内容に応じた所定の解消時間が経過している場合には、当該所定の支援地点における走行異常は解消している可能性がある。このため、所定の支援時刻から所定の解消時間が経過している場合には、迂回ルートへのリルートは実行せず、所定の支援地点を通行する本来のルートを採用する。所定の支援地点における走行異常が解消している場合には、自動運転車両30は所定の支援地点を通行する本来のルートを遠隔支援を受けることなく自動走行できる。なお、走行異常が解消するまでの解消時間については、渋滞、路上駐車、事故現場等の走行異常の具体的内容に依存するため、所定の解消時間については、走行異常の具体的内容を含むオペレータ判断内容に応じて決定されている。
【0043】
リルート決定ステップS26
リルート決定ステップS26では、自動運転車両30への遠隔支援の支援方法を、所定の支援地点を迂回する迂回ルートへのリルートに決定する。
【0044】
指示内容判断ステップS27
指示内容判断ステップS27では、自動運転車両30により、所定の支援内容に含まれる所定の記録されたオペレータ指示内容に対応可能であるか否か判断する。自動運転車両30により所定の記録されたオペレータ指示内容に対応可能であると判断された場合には、指示内容実行決定ステップS28に進行する。一方、自動運転車両30により所定の記録されたオペレータ指示内容に対応可能でないと判断された場合には、呼出条件緩和決定ステップS29に進行する。
【0045】
ここで、本実施形態では、自動運転車両30により所定の記録されたオペレータ指示内容に対応可能である場合とは、遠隔支援指示が自動運転車両30に対する指示等であって、自動運転車両30自体により当該オペレータ指示内容に従って走行異常に対処することが可能な場合である。一方、自動運転車両30により所定の記録されたオペレータ指示内容に対応可能でない場合とは、遠隔支援指示が支援要員センタに対する支援要請等であって、自動運転車両30自体では当該オペレータ指示内容に従って走行異常に対処することが困難である場合である。このような場合には、オペレータによる自動運転車両30への遠隔支援が必要となるため、オペレータを迅速に呼び出せるように、オペレータ呼出条件を緩和することが好ましい。
【0046】
指示内容実行決定ステップS28
指示内容実行決定ステップS28では、自動運転車両30への遠隔支援の支援方法を所定の記録されたオペレータ指示内容の実行に決定する。
【0047】
呼出条件緩和決定ステップS29
呼出条件緩和決定ステップS29では、自動運転車両30への遠隔支援の支援方法をオペレータ呼出条件の緩和に決定する。
【0048】
図4を参照して、本実施形態の遠隔支援方法における支援方法実行ステップについて説明する。当該支援方法実行ステップでは、支援方法決定ステップで決定された支援方法に応じた遠隔支援を実行する。
【0049】
支援方法決定済判断ステップS31
支援方法決定済判断ステップS31では、遠隔支援の支援方法が決定済みか否か判断する。遠隔支援の支援方法が決定済みであると判断した場合には、リルート決定判断ステップS32に進行する。一方、遠隔支援の支援方法が決定済みでないと判断した場合には、
図2に示される支援内容記録ステップの走行情報取得ステップS11に進行する。
【0050】
リルート決定判断ステップS32
リルート決定判断ステップS32では、遠隔支援の支援方法が迂回ルートへのリルートであるか否か判断する。遠隔支援の支援方法が迂回ルートへのリルートである場合には、リルート実行ステップS33に進行する。一方、遠隔支援の支援方法が迂回ルートへのリルートでない場合には、走行異常判断ステップS34に進行する。
【0051】
リルート実行ステップS33
リルート実行ステップS33では、自動運転車両30にリルートされた迂回ルートを自動走行させる。ここで、迂回ルートは所定の支援地点を迂回しているため、所定の支援地点において走行異常の発生により自動運転車両30が停車してしまうことが回避される。また、所定の支援時間よりも迂回時間が短くなっているため、所定の支援地点を通行する本来のルートを遠隔支援を実行して走行するよりも、目的地に早く到達することができる。
【0052】
走行異常判断ステップS34
走行異常判断ステップS34では、所定の支援地点において自動運転車両30が走行異常の発生により停車したか否か判断する。所定の支援地点において自動運転車両30が走行異常の発生により停車したと判断した場合には、指示内容実行決定判断ステップS35に進行する。一方、所定の支援地点において自動運転車両30が走行異常の発生により停車していないと判断した場合には、支援内容更新ステップS42に進行する。
【0053】
なお、所定の支援時刻から所定の解消時間が経過しており、迂回ルートへのリルートを実行せず、所定の支援地点を通行する本来のルートを採用した場合には、所定の支援地点において走行異常が解消しており、所定の支援地点において自動運転車両30が走行異常の発生により停車しない可能性がある。
【0054】
指示内容実行決定判断ステップS35
指示内容実行決定判断ステップS35では、遠隔支援の支援方法が所定の記録されたオペレータ指示内容の実行であるか否か判断する。遠隔支援の支援方法が所定の記録されたオペレータ指示内容の実行であると判断された場合には、周辺状況判断ステップS36に進行する。一方、遠隔支援の支援方法が所定の記録されたオペレータ指示内容の実行でないと判断された場合には、呼出条件緩和ステップS39に進行する。
【0055】
周辺状況判断ステップS36
周辺状況判断ステップS36では、所定の支援内容に含まれる所定の記録された周辺状況と自動運転車両30で取得された周辺状況とが一致するか否か判断する。所定の記録された周辺状況と取得された周辺状況とが一致する場合には、指示内容実行ステップS37に進行する。一方、所定の記録された周辺状況と取得された周辺状況とが一致しない場合には、呼出条件判断ステップS40に進行する。
【0056】
ここで、所定の記録された周辺状況と取得された周辺状況とが一致する場合には、所定の記録されたオペレータ指示内容に従って自動運転車両30を制御することにより、所定の支援内容の遠隔支援を実行したときと同様に、自動運転車両30が走行異常に適切に対処して、自動走行を再開できる可能性が高い。このため、所定の記録されたオペレータ指示内容を実行することが好ましい。一方、所定の記録された周辺状況と取得された周辺状況とが一致しない場合には、所定の記録されたオペレータ指示内容に従って自動運転車両30を制御しても、自動運転車両30が走行異常に適切に対処できない可能性が高く、自動走行を再開できる可能性は低い。
【0057】
指示内容実行ステップS37
指示内容実行ステップS37では、所定の支援地点において、自動運転車両30に所定の記録されたオペレータ指示内容を実行させる。
【0058】
自動走行再開判断ステップS38
自動走行再開判断ステップS38では、自動運転車両30が自動運転を再開したか否か判断する。自動運転車両30が自動運転を再開したと判断された場合には、支援方法実行ステップを終了する。自動運転車両30が自動運転を再開していないと判断された場合には、オペレータ呼出ステップS41に進行する。
【0059】
ここで、所定の記録されたオペレータ指示内容については、所定の支援地点を含む所定の支援内容に含まれ、自動運転車両30により対応可能であり、また、所定の記録された周辺状況と自動運転車両30で取得された周辺状況とが一致しているのであるから、自動運転車両30は所定の支援内容の遠隔支援を実行したときと同様に、走行異常に適切に対処して、自動走行を早期に再開できる可能性が高い。
【0060】
呼出条件緩和ステップS39
呼出条件緩和ステップS39では、オペレータ呼出条件を緩和する。本実施形態では、オペレータを呼び出すための自動運転車両30の停車時間の閾値を充分に減少させて、走行異常の発生による自動運転車両30の停車の直後に、オペレータを呼び出すようにする。
【0061】
呼出条件成立判断ステップS40
呼出条件成立判断ステップS40では、オペレータ呼出条件が成立したか否か判断し、オペレータ呼出条件が成立した場合には、オペレータ呼出ステップS41に進行する。
【0062】
オペレータ呼出ステップS41
オペレータ呼出ステップS41では、オペレータを呼び出し、
図2に示される支援内容記録ステップの遠隔支援実行ステップS14に進行する。
【0063】
支援内容更新ステップS42
支援内容更新ステップS42では、走行異常判断ステップS34において、所定の支援地点において自動運転車両30が走行異常の発生により停車していないと判断された場合には、所定の支援時刻から所定のオペレータ判断内容に応じた消去時間が経過していれば、当該所定の支援内容を消去する。
【0064】
ここで、所定の支援地点において、走行異常が発生せず、自動運転車両30が停車しなかった場合には、現時刻において走行異常は解消していることになり、所定の支援時刻から、オペレータ判断内容に応じた所定の消去時間が経過している場合には、所定の支援地点における走行異常は完全に解消したとして、所定の支援地点を含む所定の支援内容を消去する。走行異常が完全に解消するまでの消去時間については、渋滞、路上駐車、事故現場等の走行異常の具体的内容に依存しているため、所定の消去時間としては、走行異常の具体的内容を含むオペレータ判断内容に応じて決定している。
【0065】
本実施形態の遠隔支援システム及び方法については、以下の効果を奏する。
本実施形態の遠隔支援システム及び方法では、自動運転車両30への遠隔支援の支援内容を記録しておき、所定の支援内容に含まれる所定の支援地点を通行予定の自動運転車両30を支援車両として検出して、当該自動運転車両30への遠隔支援の支援方法を所定の記録された支援内容に基づいて決定している。このため、自動運転車両30への遠隔支援を的確に実行することができ、自動走行中の自動運転車両30の停車時間を短縮することが可能となっている。
【0066】
本実施形態では、遠隔支援の支援方法を所定の支援地点を迂回する迂回ルートへのリルートに決定し、自動運転車両30に迂回ルートを自動走行させている。このため、所定の支援地点において走行異常の発生により自動運転車両30が停車してしまうことが回避され、自動走行中の自動運転車両30の停車時間の発生を防止することが可能となっている。さらに、所定の支援内容に含まれる所定の支援時間よりも迂回時間が短い場合に、遠隔支援の支援方法を迂回ルートへのリルートに決定している。このため、所定の支援地点を通行する本来のルートを遠隔支援を実行して走行するよりも、目的地に早く到達することが可能となっている。加えて、所定の支援内容に含まれる所定の支援時刻から、オペレータ判断内容に応じた解消時刻が経過している場合には、遠隔支援の支援方法を迂回ルートへのリルートに決定しないようにしている。このため、所定の支援地点における走行異常が解消している場合には、自動運転車両30は遠隔支援を受けることなく所定の支援地点を通行して本来のルートを自動走行することが可能となっている。
【0067】
本実施形態では、遠隔支援の支援方法を所定の支援内容に含まれる所定の記録されたオペレータ指示内容の実行に決定し、所定の支援地点において自動運転車両30に所定の記録されたオペレータ指示内容を実行させている。このため、所定の支援内容の遠隔支援を実行したときと同様に、走行異常に適切に対処して、自動走行を早期に再開することができ、自動走行中の自動運転車両30の停車時間を短縮することが可能となっている。特に、自動運転車両30が実行する所定のオペレータ指示内容が自動運転車両30により対応可能であり、また、所定の記録された周辺状況と自動運転車両30で取得された周辺状況とが一致している場合に、遠隔支援の支援方法を所定の記録されたオペレータ指示内容の実行に決定しているため、所定の支援内容の遠隔支援を実行したときと同様に、走行異常に充分に適切に対処して、自動走行を充分に早期に再開することが可能となってる。
【0068】
本実施形態では、遠隔支援の支援方法をオペレータ呼出条件の緩和に決定し、オペレータ呼出条件を緩和するようにしている。このため、オペレータを迅速に呼び出すことができ、自動走行中の自動運転車両30の停車時間を短縮することが可能となっている。特に、所定の記録されたオペレータ指示内容について自動運転車両30により対応可能でなく、自動運転車両30自体では当該オペレータ指示内容に従って走行異常に対処することが困難であり、オペレータによる自動運転車両30への遠隔支援が必要となる場合に、遠隔支援の支援方法をオペレータ呼出条件の緩和に決定している。このため、特にオペレータの呼出が必要な場合に、オペレータを迅速に呼び出すことが可能となっている。
【0069】
本実施形態では、記録された支援内容を適宜更新しているため、適切な支援内容を保持することが可能となっている。特に、所定の支援地点において自動運転車両30に走行異常が発生せず、自動運転車両30が停車しなかった場合には、現時刻において走行異常は解消していることになり、さらに所定の支援時刻から所定の消去時間が経過している場合には、所定の支援地点における走行異常は完全に解消したとして、所定の支援地点を含む所定の支援内容を消去している。このため、不要な支援内容を消去することが可能となっている。
【0070】
なお、本実施形態では、遠隔支援センタ10に、オペレータ呼出条件が成立したか否か判断しオペレータを呼び出すオペレータ呼出部13を設けている。代わって、自動運転車両30に、オペレータ呼出部13と同様の機能を有する呼出部を設けるようにしてもよい。特に、自動運転車両30の走行情報取得の程度が低く、クラウド上でオペレータ呼出条件が成立するか否かを判断するまでもない場合には、自動運転車両30に呼出部を設けることが適切である。
【0071】
本変形例では、遠隔支援センタ10のオペレータ呼出部13は、自動運転車両30の呼出部からオペレータ呼出情報を受信した場合に、適宜の管制室40を呼び出す。そして、支援方法決定部17は、遠隔支援の支援方法を決定した場合には、当該遠隔支援の支援方法を示す事前指示情報を予め自動運転車両30に送信しておく。当該事前指示情報については、上述した実施形態と同様に、遠隔支援の支援方法が迂回ルートへのリルート、所定の記録されたオペレータ指示内容の実行、あるいは、オペレータ呼出条件の緩和である場合には、夫々、迂回ルート情報、所定の記録されたオペレータ指示内容及び所定の記録された周辺情報、あるいは、オペレータ呼出条件緩和情報となる。
【0072】
以上の各実施形態では、遠隔支援システム及び方法について述べたが、コンピュータに当該システムの各機能を実現させるプログラム、又は、コンピュータに当該方法の各ステップを実行させるプログラムについても、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
15…支援内容記録部 16…支援車両検出部 17…支援方法決定部
18…支援内容更新部 30…自動運転車両