(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】管理システム、管理方法、及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20221109BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221109BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20221109BHJP
H04W 4/44 20180101ALI20221109BHJP
H04W 16/18 20090101ALI20221109BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G08G1/13
G08G1/00 X
H04W4/44
H04W16/18
G08G1/01 A
(21)【出願番号】P 2019196062
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉永 諭史
(72)【発明者】
【氏名】平山 泰弘
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-538647(JP,A)
【文献】国際公開第2018/225365(WO,A1)
【文献】特開2017-021755(JP,A)
【文献】特開2016-071585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転支援センタが自動走行する自動運転車と定期的に通信することで前記自動運転車の車両状態を管理する管理システム(90)であって、
前記自動運転車に設けられ、前記自動運転支援センタとの通信が途絶した場合に、前記管理システムによる管理対象領域内の前記自動運転車が走行可能な各位置における前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否かを決定する車両側決定部(21C)を備えた車両側装置(20)と、
前記自動運転支援センタに設けられ、前記自動運転車との通信が途絶した場合に、前記通信状況情報に基づいて、前記自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定するセンタ側決定部(11D)を備えたセンタ側装置(10)と、
を含
み、
前記車両側決定部は、自身が設けられた前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定する
管理システム。
【請求項2】
前記車両側装置は、
自身が設けられた前記自動運転車の走行位置を示す位置情報を含むプローブ情報を前記センタ側装置に送信する車両側送信部(21A)、を更に備え、
前記センタ側装置は、
前記車両側送信部によって送信されたプローブ情報を受信するセンタ側受信部(11A)と、
前記センタ側受信部によって受信されたプローブ情報に含まれる位置情報を、通信が成功した通信実績情報として管理する管理部(11B)と、
前記管理部によって管理されている前記通信実績情報を、前記車両側装置に送信するセンタ側送信部(11C)と、を更に備え、
前記通信状況情報は、前記通信実績情報を含む、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記センタ側送信部は、前記通信実績情報を送信する際に、当該通信実績情報の送信先となる前記自動運転車の走行位置と走行ルートに基づいて、当該走行ルートの地点で通信が可能と予測される直近の地点情報のみを送信する、
請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記通信状況情報は、前記管理対象領域内における地理的情報から判断可能な前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信が不安定となる領域を示す情報である不安定領域情報を含む、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記車両側決定部は、前記車両側見込み期間が前記予め定められた期間以内であり、かつ、予め定められたセンサによるセンシングの結果に応じて安全に走行可能と判断した場合、自動走行を継続すると決定する、
請求項
1~請求項4の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項6】
前記車両側決定部は、
前記車両側見込み期間が前記予め定められた期間以内である場合に自動走行を継続すると決定することに代えて、自身が設けられた前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧する見込みの地点までの道程で前記自動運転支援センタからの支援が必要になる度合いが予め定められたレベル以下である場合、自動走行を継続すると決定する、
請求項1~請求項
5の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記車両側決定部は、前記道程が、横断歩道がない道程、歩車分離道路である道程、及び乗降地点がない道程、の少なくとも1つの道程である場合、前記支援が必要になる度合いが前記レベル以下であると判断する、
請求項
6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記車両側決定部は、自身が設けられた前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内であり、かつ、前記走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧する見込みの地点までの道程で支援が必要になる度合いが予め定められたレベル以下である場合、自動走行を継続すると決定する、
請求項
1又は請求項
6に記載の管理システム。
【請求項9】
前記車両側装置は、
前記通信が途絶した状態で自動走行を継続している場合で、かつ、当該通信の復旧見込み地点に到達しても当該通信が復旧しない場合、前記自動走行を停止させる停止部(21D)、を更に備える、
請求項1~請求項
8の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項10】
前記センタ側決定部は、通信が途絶した前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間であるセンタ側見込み期間を導出し、導出したセンタ側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、前記支援者に連絡しないと決定する、
請求項1~請求項
9の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項11】
前記センタ側決定部は、前記センタ側見込み期間が経過しても前記自動運転車との通信が復旧しない場合、前記支援者に連絡すると決定する、
請求項
10に記載の管理システム。
【請求項12】
前記センタ側装置は、
前記センタ側決定部が前記支援者に連絡しないと決定した後に前記支援者に連絡すると決定した場合、前記支援者に前記自動運転車との通信が途絶した地点、及び途絶している期間に前記自動運転車が走行したと考えられる経路の少なくとも一方を示す途絶関連情報を連絡する連絡部(11F)、を更に備える、
請求項
11に記載の管理システム。
【請求項13】
前記車両側装置は、
前記自動運転車が、前記自動運転支援センタとの通信が途絶している期間に自動走行を継続する場合、当該期間以前と比較して走行速度を低下させるように制御する速度制御部(21E)、を更に備える、
請求項1~請求項
12の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項14】
前記センタ側装置は、
前記通信が途絶した前記自動運転車との通信が復旧した場合、当該通信が途絶していた期間中の当該自動運転車の走行状態を示す走行状態情報を当該自動運転車に要求する要求部(11E)、を更に備える、
請求項1~請求項
13の何れか1項に記載の管理システム。
【請求項15】
前記センタ側装置は、
前記要求部による要求に応じて前記自動運転車から得られた前記走行状態情報が示す走行状態に異常があるか否かを前記支援者に確認させ、異常がない場合、前記通信が途絶していた期間中に前記自動運転車が走行した区間である通信途絶区間を、前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信が不安定となる領域を示す情報である不安定領域情報に含める設定を行う設定部(11G)、を更に備える、
請求項
14に記載の管理システム。
【請求項16】
前記設定部は、前記通信途絶区間を走行する他の前記自動運転車との通信が途絶しなかった場合、前記不安定領域情報から当該通信途絶区間を除外する設定を行う、
請求項
15に記載の管理システム。
【請求項17】
前記設定部は、前記走行状態に異常があると予測される場合のみ、前記走行状態情報が示す走行状態に異常があるか否かを前記支援者に確認させる、
請求項
15又は請求項
16に記載の管理システム。
【請求項18】
自動運転支援センタが自動走行する自動運転車と定期的に通信することで前記自動運転車の車両状態を管理する管理システムで用いられる管理方法であって、
前記自動運転支援センタと前記自動運転車との通信が途絶した場合に、前記管理システムによる管理対象領域内の前記自動運転車が走行可能な各位置における前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否か、及び、前記自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定
し、
前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定する
管理方法。
【請求項19】
前記車両側見込み期間が前記予め定められた期間以内であり、かつ、予め定められたセンサによるセンシングの結果に応じて安全に走行可能と判断した場合、自動走行を継続すると決定する、
請求項
18に記載の管理方法。
【請求項20】
前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間であるセンタ側見込み期間を導出し、導出したセンタ側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、前記支援者に連絡しないと決定する、
請求項
18に記載の管理方法。
【請求項21】
前記センタ側見込み期間が経過しても前記自動運転車との通信が復旧しない場合、前記支援者に連絡すると決定する、
請求項
20に記載の管理方法。
【請求項22】
自動運転支援センタが自動走行する自動運転車と定期的に通信することで前記自動運転車の車両状態を管理する管理システムで用いられる管理プログラムであって、
前記自動運転支援センタと前記自動運転車との通信が途絶した場合に、前記管理システムによる管理対象領域内の前記自動運転車が走行可能な各位置における前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否か、及び、前記自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定
し、
前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定する、
処理をコンピュータに実行させるための管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム、管理方法、及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転車と、ネットワークを介して当該自動運転車と通信を行う遠隔監視センタと、から構成される遠隔監視システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この遠隔監視システムでは、自動運転車により、遠隔監視センタとの間の通信が途絶した場合に当該自動運転車を自動停止させ、かつ、カメラ映像を遠隔監視センタに送信し、当該自動停止の後、遠隔監視センタから発進信号を受信した場合、当該自動運転車の走行を再開させる制御を行う。
【0004】
また、この遠隔監視システムでは、遠隔監視センタにより、上記自動運転車が自動停止した場合、受信したカメラ映像に基づいて当該自動運転車の走行を再開させてよいかどうか判断し、当該自動運転車の走行を再開させてよいと判断した場合には、当該自動運転車に発進信号を送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、自動運転車と遠隔監視センタとの間の通信が途絶する度に自動運転車の運行が停止されるため、自動運転支援サービスの継続性が損なわれる、という問題点があった。
【0007】
また、上記特許文献1に開示された技術では、自動運転車と遠隔監視センタとの間の通信が途絶する度に自動運転支援サービスにおいて自動運転車を支援するオペレータや現地スタッフ等の支援者に連絡されるため、当該サービスに費やすコストの上昇を招く、という問題点もあった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、自動運転支援サービスの継続性の低下を抑制し、かつ、自動運転支援サービスに費やすコストの上昇を抑制することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る管理システムは、自動運転支援センタが自動走行する自動運転車と定期的に通信することで前記自動運転車の車両状態を管理する管理システム(90)であって、前記自動運転車に設けられ、前記自動運転支援センタとの通信が途絶した場合に、前記管理システムによる管理対象領域内の前記自動運転車が走行可能な各位置における前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否かを決定する車両側決定部(21C)を備えた車両側装置(20)と、前記自動運転支援センタに設けられ、前記自動運転車との通信が途絶した場合に、前記通信状況情報に基づいて、前記自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定するセンタ側決定部(11D)を備えたセンタ側装置(10)と、を含み、前記車両側決定部が、自身が設けられた前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定することができる。
【0010】
また、本発明に係る管理方法は、自動運転支援センタが自動走行する自動運転車と定期的に通信することで前記自動運転車の車両状態を管理する管理システムで用いられる管理方法であって、前記自動運転支援センタと前記自動運転車との通信が途絶した場合に、前記管理システムによる管理対象領域内の前記自動運転車が走行可能な各位置における前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否か、及び、前記自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定し、前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定する、方法である。
【0011】
また、本発明に係る管理プログラムは、自動運転支援センタが自動走行する自動運転車と定期的に通信することで前記自動運転車の車両状態を管理する管理システムで用いられる管理プログラムであって、前記自動運転支援センタと前記自動運転車との通信が途絶した場合に、前記管理システムによる管理対象領域内の前記自動運転車が走行可能な各位置における前記自動運転支援センタと前記自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否か、及び、前記自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定し、前記自動運転車の走行ルート及び前記通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定する、処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る管理システム、管理方法、及び管理プログラムによれば、自動運転支援サービスの継続性の低下を抑制し、かつ、自動運転支援サービスに費やすコストの上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1~第3実施形態に係る管理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】第1~第3実施形態に係る管理システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る通信状況情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図4】実施形態に係る通信状況情報データベースに含まれる通信実績情報の説明に供する平面図である。
【
図5】実施形態に係る通信状況情報データベースに含まれる不安定領域情報の説明に供する平面図である。
【
図6】実施形態に係る車両側通信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係るセンタ側通信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第1~第3実施形態に係る通信状況情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】第1~第3実施形態に係る通信状況情報受信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1、第3実施形態に係る車両側通信途絶処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る車両側及びセンタ側通信途絶処理の説明に供する平面図である。
【
図12】実施形態に係る車両側及びセンタ側通信途絶処理の説明に供する平面図である。
【
図13】第1、第2、第4実施形態に係るセンタ側通信途絶処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態に係る現地スタッフ提示画面の一例を示す正面図である。
【
図15】第2実施形態に係る車両側通信途絶処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態に係る車両側通信途絶処理の説明に供する平面図である。
【
図17】第3実施形態に係るセンタ側通信途絶処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】第3実施形態に係るセンタ側通信途絶処理の説明に供する平面図である。
【
図19】第4実施形態に係る管理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図20】第4実施形態に係る管理システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図21】第4実施形態に係る通信状況情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】第4実施形態に係る通信状況情報受信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図23】第4実施形態に係る車両側通信途絶処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0015】
[第1実施形態]
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る管理システム90の構成を説明する。本実施形態に係る管理システム90は、自動運転支援センタが自動走行する自動運転車と定期的に通信することで当該自動運転車の車両状態を管理するものである。本実施形態に係る管理システム90は、一例として
図1に示すように、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、センタ側装置10と、複数の車両側装置20と、複数の携帯端末40と、オペレータ装置50と、を含む。なお、センタ側装置10、車両側装置20及びオペレータ装置50の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の汎用の情報処理装置が挙げられる。また、携帯端末40の例としては、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant、携帯情報端末)、ノートブック型パーソナルコンピュータ等の携帯型で、かつ、無線通信可能な端末が挙げられる。
【0016】
本実施形態に係るセンタ側装置10は、管理システム90を運営する自動運転支援センタが管理する装置である。センタ側装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0017】
記憶部13はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、センタ側通信プログラム13A、通信状況情報送信プログラム13B及びセンタ側通信途絶プログラム13Cが記憶されている。センタ側通信プログラム13A、通信状況情報送信プログラム13B及びセンタ側通信途絶プログラム13Cは、センタ側通信プログラム13A、通信状況情報送信プログラム13B及びセンタ側通信途絶プログラム13Cが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からのセンタ側通信プログラム13A、通信状況情報送信プログラム13B及びセンタ側通信途絶プログラム13Cの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、センタ側通信プログラム13A、通信状況情報送信プログラム13B及びセンタ側通信途絶プログラム13Cを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、センタ側通信プログラム13A、通信状況情報送信プログラム13B及びセンタ側通信途絶プログラム13Cが各々有するプロセスを順次実行する。
【0018】
また、記憶部13には、通信状況情報データベース13Dが記憶される。通信状況情報データベース13Dについては、詳細を後述する。
【0019】
一方、本実施形態に係る車両側装置20は、自動運転支援サービスを利用する自動運転車の各々に搭載されている装置である。車両側装置20は、CPU21、一時記憶領域としてのメモリ22、不揮発性の記憶部23、キーボードとマウス等の入力部24、液晶ディスプレイ等の表示部25、媒体読み書き装置26、無線通信部28及び位置検出部29を備えている。CPU21、メモリ22、記憶部23、入力部24、表示部25、媒体読み書き装置26、無線通信部28及び位置検出部29はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置26は、記録媒体27に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体27への情報の書き込みを行う。
【0020】
記憶部23はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部23には、車両側通信プログラム23A、通信状況情報受信プログラム23B及び車両側通信途絶プログラム23Cが記憶されている。車両側通信プログラム23A、通信状況情報受信プログラム23B及び車両側通信途絶プログラム23Cが書き込まれた記録媒体27が媒体読み書き装置26にセットされ、媒体読み書き装置26が記録媒体27からの車両側通信プログラム23A、通信状況情報受信プログラム23B及び車両側通信途絶プログラム23Cの読み出しを行うことで、記憶部23へ記憶される。CPU21は、車両側通信プログラム23A、通信状況情報受信プログラム23B及び車両側通信途絶プログラム23Cを記憶部23から読み出してメモリ22に展開し、車両側通信プログラム23A、通信状況情報受信プログラム23B及び車両側通信途絶プログラム23Cが有するプロセスを順次実行する。
【0021】
位置検出部29は、搭載している自動運転車の位置を検出するものであり、本実施形態では、GPS(Global Positioning System)装置を適用しているが、これに限るものではない。自身の位置を検出することができるものであれば、如何なるものも位置検出部29として適用することができる。
【0022】
一方、本実施形態に係る携帯端末40は、管理システム90による管理対象領域内の各地に配備された現地スタッフが所持する装置である。携帯端末40は、CPU41、一時記憶領域としてのメモリ42、不揮発性の記憶部43、タッチパネル等の入力部44、液晶ディスプレイ等の表示部45及び無線通信部48を備えている。CPU41、メモリ42、記憶部43、入力部44、表示部45及び無線通信部48はバスB4を介して互いに接続されている。記憶部43は、HDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。
【0023】
更に、本実施形態に係るオペレータ装置50は、自動運転支援サービスにおける各種サービスを実施する要員であるオペレータが操作する装置である。オペレータ装置50は、CPU51、一時記憶領域としてのメモリ52、不揮発性の記憶部53、キーボードとマウス等の入力部54、液晶ディスプレイ等の表示部55及び通信I/F部58を備えている。CPU51、メモリ52、記憶部53、入力部54、表示部55及び通信I/F部58はバスB5を介して互いに接続されている。記憶部53はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。
【0024】
なお、上記現地スタッフ及び上記オペレータは、共に自動運転車に対する支援を行う者であるため、以下では、これらの人を「支援者」と総称する。
【0025】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る管理システム90に含まれる各装置の機能的な構成について説明する。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係るセンタ側装置10は、センタ側受信部11A、管理部11B、センタ側送信部11C、センタ側決定部11D、要求部11E、連絡部11F及び設定部11Gを含む。センタ側装置10のCPU11がセンタ側通信プログラム13A、通信状況情報送信プログラム13B及びセンタ側通信途絶プログラム13Cを実行することで、センタ側受信部11A、管理部11B、センタ側送信部11C、センタ側決定部11D、要求部11E、連絡部11F及び設定部11Gとして機能する。
【0027】
一方、本実施形態に係る車両側装置20は、車両側送信部21A、車両側受信部21B、車両側決定部21C及び停止部21Dを含む。車両側装置20のCPU21が車両側通信プログラム23A、通信状況情報受信プログラム23B及び車両側通信途絶プログラム23Cを実行することで、車両側送信部21A、車両側受信部21B、車両側決定部21C及び停止部21Dとして機能する。
【0028】
本実施形態に係る車両側決定部21Cは、自動運転支援センタとの通信が途絶した場合に、管理システム90による管理対象領域内の自動運転車が走行可能な各位置における自動運転支援センタと自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否かを決定する。
【0029】
これに対し、本実施形態に係るセンタ側決定部11Dは、自動運転車との通信が途絶した場合に、通信状況情報に基づいて、自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定する。
【0030】
なお、本実施形態に係る自動運転支援サービスでは、センタ側装置10と車両側装置20との間の通信を所定期間(一例として、0.5秒)間隔で常時行っており、この所定期間間隔での通信が所定回数(一例として、10回)以上連続して途切れた状態を、通信が途絶した状態としている。但し、この形態に限らず、センタ側装置10と車両側装置20との間の通信は継続的に行われているものの、送信から受信までの時間に所定期間(一例として、3秒)以上の遅延が生じている状態を通信が途絶した状態としてもよいし、受信した情報に欠落が生じている状態を通信が途絶した状態としてもよい。
【0031】
一方、本実施形態に係る車両側送信部21Aは、自身が設けられた自動運転車の走行位置を示す位置情報(本実施形態では、緯度及び経度の各情報)と、その時点の時刻を示す時刻情報とを含むプローブ情報をセンタ側装置10に送信する。なお、本実施形態では、上記位置情報を位置検出部29から取得している。また、本実施形態では、上記時刻情報を、CPU21に内蔵された時計部から取得している。このように、本実施形態では、プローブ情報に位置情報及び時刻情報の双方を含めているが、時刻情報については必ずしもプローブ情報に含める必要はない。
【0032】
これに対し、本実施形態に係るセンタ側受信部11Aは、車両側送信部21Aによって送信されたプローブ情報を受信し、管理部11Bは、センタ側受信部11Aによって受信されたプローブ情報に含まれる位置情報を、通信が成功した通信実績情報として管理する。そして、本実施形態に係るセンタ側送信部11Cは、管理部11Bによって管理されている通信実績情報を、車両側装置20に送信する。
【0033】
本実施形態では、上記通信状況情報が、上記通信実績情報を含むものとしている。従って、車両側決定部21Cは、通信実績情報を用いて自動走行を継続するか否かを決定することができ、センタ側決定部11Dもまた、通信実績情報を用いて支援者に連絡するか否かを決定することができる。
【0034】
また、本実施形態では、通信状況情報が、管理システム90による管理対象領域内における地理的情報から判断可能な、自動運転支援センタと自動運転車との間の通信が不安定となる領域を示す情報である不安定領域情報を含むものとしている。従って、車両側決定部21Cは、不安定領域情報も用いて自動走行を継続するか否かを決定することができ、センタ側決定部11Dもまた、不安定領域情報も用いて支援者に連絡するか否かを決定することができる。
【0035】
ここで、本実施形態に係る車両側決定部21Cは、自身が設けられた自動運転車の走行ルート及び通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間を導出し、導出した車両側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定する。なお、本実施形態では、上記予め定められた期間として、当該期間以内であれば自動走行を継続しても問題が生じない期間として、過去の実績情報から導出した期間を適用しているが、これに限るものではない。例えば、本自動運転支援サービスにおいて現地スタッフに費やすことのできるコストや、本自動運転支援サービスに求められる継続性等に応じて、センタ側装置10の操作者等に上記期間を予め設定させる形態等としてもよい。
【0036】
更に、本実施形態に係る停止部21Dは、センタ側装置10との間の通信が途絶した状態で自動走行を継続している場合で、かつ、当該通信の復旧見込み地点に到達しても当該通信が復旧しない場合、当該自動走行を停止させる。
【0037】
一方、本実施形態に係るセンタ側決定部11Dは、通信が途絶した自動運転車の走行ルート及び通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間であるセンタ側見込み期間を導出し、導出したセンタ側見込み期間が予め定められた期間以内である場合、支援者に連絡しないと決定する。また、本実施形態に係るセンタ側決定部11Dは、センタ側見込み期間が経過しても自動運転車との通信が復旧しない場合、支援者に連絡すると決定する。
【0038】
そして、本実施形態に係る連絡部11Fは、センタ側決定部11Dが支援者に連絡しないと決定した後に支援者に連絡すると決定した場合、当該支援者に自動運転車との通信が途絶した地点、及び途絶している期間に自動運転車が走行したと考えられる経路の双方を含む途絶関連情報を連絡する。このように、本実施形態では、支援者に連絡する途絶関連情報として、自動運転車との通信が途絶した地点及び途絶している期間に自動運転車が走行したと考えられる経路の双方を含む情報を適用しているが、これに限らない。支援者に連絡する途絶関連情報として、自動運転車との通信が途絶した地点及び途絶している期間に自動運転車が走行したと考えられる経路の何れか一方のみを含む情報を適用する形態としてもよい。
【0039】
一方、本実施形態に係る要求部11Eは、通信が途絶した自動運転車との通信が復旧した場合、当該通信が途絶していた期間中の当該自動運転車の走行状態を示す走行状態情報を当該自動運転車に要求する。この要求に応じて、自動運転車は、走行状態情報をセンタ側装置10に送信する。
【0040】
また、本実施形態に係る設定部11Gは、要求部11Eによる要求に応じて自動運転車から得られた走行状態情報が示す走行状態に異常があるか否かを支援者に確認させ、異常がない場合、通信が途絶していた期間中に当該自動運転車が走行した区間である通信途絶区間を、自動運転支援センタと自動運転車との間の通信が不安定となる領域を示す情報である不安定領域情報に含める設定を行う。
【0041】
一方、本実施形態に係る携帯端末40は処理部41Aを含み、オペレータ装置50は処理部51Aを含む。携帯端末40のCPU41が記憶部43に予め記憶されたプログラムを実行することで処理部41Aとして機能し、オペレータ装置50のCPU51が記憶部53に予め記憶されたプログラムを実行することで処理部51Aとして機能する。
【0042】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る通信状況情報データベース13Dについて説明する。
【0043】
図3に示すように、本実施形態に係る通信状況情報データベース13Dは、管理システム90による管理対象領域内の各位置を示す位置情報毎に、対応する位置情報が示す位置における通信状況を示す通信関連情報が記憶される。本実施形態に係る管理システム90では、管理システム90による管理対象領域を平面視し、当該平面視した管理対象領域を予め定められた形状及びサイズの複数の区分領域にマトリクス状に区分する。そして、本実施形態に係る管理システム90では、各区分領域の位置(本実施形態では、区分領域の平面視中心位置)を示す位置情報に、対応する通信関連情報(本実施形態では、通信日時情報及び地理的通信情報の各情報)を関連付けて記憶する。なお、本実施形態では、上記区分領域の形状として正方形を適用し、上記サイズとして20m×20mを適用しているが、これらの形状及びサイズには限定されないことは言うまでもない。
【0044】
本実施形態に係る管理システム90では、センタ側受信部11Aによって自動運転車から受信されたプローブ情報に含まれる位置情報が示す位置においては自動運転車との通信が良好に行えるものとして、当該プローブ情報に含まれる時刻情報を通信日時情報として、対応する位置情報に関連付けて記憶する。なお、プローブ情報に時刻情報が含まれない場合には、センタ側装置10においてプローブ情報を受信したタイミングでセンタ側装置10のCPU11に内蔵された時計部から、その時点の時刻を示す時刻情報を取得して適用すればよい。
【0045】
従って、この通信日時情報と位置情報との組み合わせを参照することにより、一例として
図4に示すように、自動運転車が走行している状態における、センタ側装置10と車両側装置20との間の通信実績を把握することができる。通信状況情報データベース13Dの位置情報と通信日時情報との組み合わせが上述した通信実績情報に相当する。
【0046】
また、本実施形態に係る管理システム90では、一例として
図5に示すように、トンネルや高架下等といった、センタ側装置10と車両側装置20との間の通信が地理的に不安定となる位置を示す位置情報に関連付けて、通信が地理的に不安定であることを示す情報を地理的通信情報として通信状況情報データベース13Dに記憶する。また、本実施形態に係る管理システム90では、センタ側装置10と車両側装置20との間の通信が地理的に不安定とはならない位置を示す位置情報に関連付けて、通信が地理的に安定していることを示す情報を地理的通信情報として通信状況情報データベース13Dに記憶する。なお、本実施形態では、一例として
図3に示すように、上記通信が地理的に不安定であることを示す情報として「不安定」との情報を適用し、上記通信が地理的に不安定とならないことを示す情報として「普通」との情報を適用しているが、これらの情報に限るものではないことは言うまでもない。
【0047】
従って、この地理的通信情報と位置情報との組み合わせを参照することにより、自動運転車が走行している状態における、センタ側装置10と車両側装置20との間の通信が地理的に安定しているか否かを把握することができる。通信状況情報データベース13Dの位置情報と地理的通信情報との組み合わせが上述した不安定領域情報に相当する。
【0048】
以下では、通信状況情報データベース13Dに登録されている情報を、「通信状況情報」と総称する。
【0049】
次に、
図6~
図14を参照して、本実施形態に係る管理システム90の作用を説明する。なお、錯綜を回避するために、ここでは、通信状況情報データベース13Dにおける位置情報及び地理的通信情報が予め登録されている場合について説明する。
【0050】
まず、
図6を参照して、本実施形態に係る車両側装置20の作用として、車両側通信処理を実行する場合の車両側装置20の作用を説明する。何れかの自動運転車に搭載された車両側装置20のCPU21が車両側通信プログラム23Aを実行することによって、
図6に示す車両側通信処理が実行される。
図6に示す車両側通信処理は、例えば、車両側装置20が搭載された自動運転車による自動走行が開始された場合に実行される。
【0051】
図6のステップ100で、車両側送信部21Aは、所定時間(本実施形態では、0.5秒)が経過するまで待機し、次のステップ102で、車両側送信部21Aは、自車の位置を示す位置情報を位置検出部29から取得する。次のステップ104で、車両側送信部21Aは、その時点の時刻を示す時刻情報を取得し、次のステップ106で、車両側送信部21Aは、取得した位置情報及び時刻情報をプローブ情報に含めて、センタ側装置10に無線通信部28及びネットワーク80を介して送信する。なお、本実施形態では、上述したように、上記時刻情報を、CPU21に内蔵された時計部から取得しているが、これに限らないことは言うまでもない。
【0052】
次のステップ108で、車両側送信部21Aは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ100に戻る一方、肯定判定となった時点で本車両側通信処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、自動運転車のイグニッションオフを検知したタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、センタ側装置10から無線通信部28を介して、車両側通信処理の終了を指示する旨の指示情報を受信したタイミング等を上記終了タイミングとする形態としてもよい。
【0053】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係るセンタ側装置10の作用として、センタ側通信処理を実行する場合のセンタ側装置10の作用を説明する。センタ側装置10のCPU11がセンタ側通信プログラム13Aを実行することによって、
図7に示すセンタ側通信処理が実行される。
図7に示すセンタ側通信処理は、例えば、自動運転支援サービスによるサービスが開始される時刻として予め定められた時刻(一例として、4時)となった場合に実行される。
【0054】
図7のステップ500で、センタ側受信部11Aは、何れかの自動運転車からプローブ情報が受信されるまで待機し、次のステップ502で、管理部11Bは、所定時間(本実施形態では、2秒)経過するまで待機する。次のステップ504で、管理部11Bは、受信したプローブ情報に含まれる時刻情報を、当該プローブ情報に含まれる位置情報に対応する通信日時情報として、通信状況情報データベース13Dの対応する記憶領域に記憶(登録)する。各自動運転車に対して、所定時間間隔でプローブ情報を通信状況情報として登録することで、通信状況情報データベース13Dの容量を低減することができる。
【0055】
次のステップ506で、管理部11Bは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ500に戻る一方、肯定判定となった時点で本センタ側通信処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、自動運転支援サービスによるサービスが終了される時刻として予め定められた時刻(一例として、1時)となったタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、センタ側装置10の管理者によって通信I/F部18を介して、センタ側通信処理の終了を指示する旨の指示情報が入力されたタイミング等を上記終了タイミングとする形態としてもよい。
【0056】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係るセンタ側装置10の作用として、通信状況情報送信処理を実行する場合のセンタ側装置10の作用を説明する。センタ側装置10のCPU11が通信状況情報送信プログラム13Bを実行することによって、
図8に示す通信状況情報送信処理が実行される。
図8に示す通信状況情報送信処理は、例えば、自動運転支援サービスによるサービスが開始される時刻として予め定められた時刻(一例として、4時)となった場合に実行される。
【0057】
図8のステップ600で、センタ側送信部11Cは、通信状況情報を自動運転車に送信するタイミングとして予め定められたタイミングが到来するまで待機する。本実施形態では、上記予め定められたタイミングとして、所定時間(一例として、1分)毎のタイミングを適用しているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
【0058】
次のステップ602で、センタ側送信部11Cは、通信状況情報データベース13Dから全ての通信状況情報を読み出す。次のステップ604で、センタ側送信部11Cは、読み出した通信状況情報から、送信先の自動運転車の走行位置に対応し、かつ、その時点から遡って所定時間(一例として、10分)前までの情報(以下、「対応通信状況情報」という。)を抽出する。ここで、通信状況情報における地理的通信情報については、時間の概念がないため、送信先の自動運転車の走行位置に対応する全ての情報を抽出する。そして、センタ側送信部11Cは、抽出した対応通信状況情報を当該自動運転車に通信I/F部18及びネットワーク80を介して送信する。なお、本実施形態では、送信先の自動運転車の走行位置に対応する情報として、対応する自動運転車の走行位置の周囲の所定範囲(一例として、半径1km)内に関する情報を適用しているが、これに限らない。例えば、対応通信状況情報として、通信状況情報データベース13Dに登録されている全ての通信状況情報を適用する形態としてもよいし、送信先の自動運転車の走行ルートのみに対応する通信状況情報を適用する形態等としてもよい。
【0059】
次のステップ606で、センタ側送信部11Cは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ600に戻る一方、肯定判定となった時点で本通信状況情報送信処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、自動運転支援サービスによるサービスが終了される時刻として予め定められた時刻(一例として、1時)となったタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、センタ側装置10の管理者によって通信I/F部18を介して、通信状況情報送信処理の終了を指示する旨の指示情報が入力されたタイミング等を上記終了タイミングとする形態としてもよい。
【0060】
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る車両側装置20の作用として、通信状況情報受信処理を実行する場合の車両側装置20の作用を説明する。何れかの自動運転車に搭載された車両側装置20のCPU21が通信状況情報受信プログラム23Bを実行することによって、
図9に示す通信状況情報受信処理が実行される。
図9に示す通信状況情報受信処理は、例えば、車両側装置20が搭載された自動運転車による自動走行が開始された場合に実行される。
【0061】
図9のステップ200で、車両側受信部21Bは、センタ側装置10から対応通信状況情報(以下、単に「通信状況情報」という。)が受信されるまで待機し、次のステップ202で、車両側受信部21Bは、受信した通信状況情報を記憶部23の所定領域に記憶する。
【0062】
次のステップ204で、車両側受信部21Bは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ200に戻る一方、肯定判定となった時点で本通信状況情報受信処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、自動運転車のイグニッションオフを検知したタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、センタ側装置10から無線通信部28を介して、通信状況情報受信処理の終了を指示する旨の指示情報を受信したタイミング等を上記終了タイミングとする形態としてもよい。
【0063】
次に、
図10を参照して、本実施形態に係る車両側装置20の作用として、車両側通信途絶処理を実行する場合の車両側装置20の作用を説明する。何れかの自動運転車に搭載された車両側装置20のCPU21が車両側通信途絶プログラム23Cを実行することによって、
図10に示す車両側通信途絶処理が実行される。
図10に示す車両側通信途絶処理は、例えば、車両側装置20が搭載された自動運転車による自動走行が開始された場合に実行される。
【0064】
図10のステップ300で、車両側決定部21Cは、センタ側装置10との通信が途絶したか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ326に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ302に移行する。
【0065】
ステップ302で、車両側決定部21Cは、上述した通信状況情報受信処理によって記憶された通信状況情報を記憶部23から読み出す。次のステップ304で、車両側決定部21Cは、読み出した通信状況情報を用いて、途絶したセンタ側装置10との通信が復旧する見込みの位置である通信復旧見込み地点を以下のように導出する。
【0066】
即ち、まず、車両側決定部21Cは、その時点の位置を示す位置情報を位置検出部29から取得し、取得した位置情報が示す位置が、センタ側装置10との通信が途絶した地点の位置(以下、「通信途絶開始位置」という。)であるものとする。
【0067】
次に、車両側決定部21Cは、次の条件1及び条件2の各々の条件に合致する位置のうち、通信途絶開始位置に近い方の位置を、通信復旧見込み地点であるものとして導出する。
【0068】
(条件1)通信途絶開始位置から自車の走行方向の道路上の下流側の最寄りに位置し、かつ、通信状況情報の通信実績情報において通信日時情報が記憶されている位置。
【0069】
(条件2)通信途絶開始位置から自車の走行方向の道路上の下流側の最寄りに位置し、かつ、通信状況情報の不安定領域情報において「普通」との情報が記憶されている位置。
【0070】
なお、通信復旧見込み地点の導出方法は、以上の方法に限るものではない。例えば、上記条件1及び条件2の何れか一方の条件に合致する位置を通信復旧見込み地点として適用する形態等としてもよい。
【0071】
次のステップ306で、車両側決定部21Cは、導出した通信復旧見込み地点を用いて、センタ側装置10との通信が復旧する見込みの期間である車両側見込み期間Tcを、次の式(1)を用いて算出する。なお、式(1)におけるDsは通信途絶開始位置から通信復旧見込み地点までの自車の走行距離を表し、Spは自車の走行速度を表す。
【0072】
Tc=Ds/Sp (1)
【0073】
即ち、適用した通信復旧見込み地点が上記条件1に合致した条件で得られたものである場合、一例として
図11に示すように、他の自動運転車等によって得られた通信実績情報を用いて得られた通信復旧見込み地点(一例として
図11における星印の地点)に自車が到達すると見込まれる期間が式(1)によって算出される。
【0074】
また、適用した通信復旧見込み地点が上記条件2に合致した条件で得られたものである場合、一例として
図12に示すように、不安定領域情報を用いて得られた、トンネル等の通信が不安定となる領域から抜けた位置である通信復旧見込み地点(一例として
図12における星印の地点)に自車が到達すると見込まれる期間が式(1)によって算出される。
【0075】
次のステップ308で、車両側決定部21Cは、算出した車両側見込み期間Tcが予め定められた閾値Th1以下であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ324に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ310に移行する。
【0076】
ステップ310で、車両側決定部21Cは、図示しないタイマ(本実施形態では、CPU21に内蔵されたタイマ)に車両側見込み期間Tcをセットする。このタイマへの車両側見込み期間Tcのセットに応じて、当該タイマでは、車両側見込み期間Tcまでのカウントアップが開始される。
【0077】
次のステップ312で、車両側決定部21Cは、自車の走行状態を示す走行状態情報の記憶部23への記憶(登録)を開始する。なお、本実施形態では、上記走行状態情報として、自車の走行速度及び走行位置を示す情報を適用しているが、これに限らず、車載カメラの映像やセンシング結果など、自車の走行状態が特定できる情報であれば、如何なる情報も適用可能である。
【0078】
次のステップ314で、車両側決定部21Cは、センタ側装置10との通信が復旧したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ316に移行する。ステップ316で、車両側送信部21Aは、センタ側装置10から走行状態情報が要求されると、この時点まで記憶された走行状態情報を記憶部23から読み出し、読み出した走行状態情報をセンタ側装置10に無線通信部28及びネットワーク80を介して送信する。次のステップ318で、車両側決定部21Cは、ステップ312の処理によって開始した走行状態情報の記憶を停止し、当該走行状態情報を記憶部23から削除した後に、後述するステップ326に移行する。このように、本実施形態では、走行状態情報の自動運転車からセンタ側装置10への送信を、センタ側装置10からの要求に応じて実行しているが、これに限らない。例えば、センタ側装置10との間の通信の途絶が復旧した時点で、自動的に走行状態情報をセンタ側装置10に送信する形態としてもよい。
【0079】
一方、ステップ314において否定判定となった場合はステップ320に移行し、車両側決定部21Cは、その時点の位置を示す位置情報を位置検出部29から取得する。そして、車両側決定部21Cは、取得した位置情報が示す位置が通信復旧見込み地点に到達したか否かを判定し、肯定判定となった場合は後述するステップ324に移行する一方、否定判定となった場合はステップ322に移行する。
【0080】
ステップ322で、車両側決定部21Cは、上記タイマのカウントアップがセットした車両側見込み期間Tcに達したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ314に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ324に移行する。
【0081】
ステップ324で、停止部21Dは、自車の自動走行を直近の路肩に停車させる制御を行い、その後にステップ326に移行する。
【0082】
ステップ326で、車両側決定部21Cは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ300に戻る一方、肯定判定となった時点で本車両側通信途絶処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、自動運転車のイグニッションオフを検知したタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、センタ側装置10から無線通信部28を介して、車両側通信途絶処理の終了を指示する旨の指示情報を受信したタイミング等を上記終了タイミングとする形態としてもよい。
【0083】
次に、
図13を参照して、本実施形態に係るセンタ側装置10の作用として、センタ側通信途絶処理を実行する場合のセンタ側装置10の作用を説明する。センタ側装置10のCPU11がセンタ側通信途絶プログラム13Cを実行することによって、
図13に示すセンタ側通信途絶処理が実行される。
図13に示すセンタ側通信途絶処理は、例えば、自動運転支援サービスによるサービスが開始される時刻として予め定められた時刻(一例として、4時)となった場合に実行される。
【0084】
図13のステップ700で、センタ側決定部11Dは、何れかの車両側装置20との通信が途絶したか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ724に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ702に移行する。なお、以下では、通信が途絶した自動運転車を「処理対象車」という。
【0085】
ステップ702で、センタ側決定部11Dは、通信状況情報データベース13Dから通信状況情報を読み出す。次のステップ704で、センタ側決定部11Dは、読み出した通信状況情報を用いて、処理対象車の車両側装置20との通信が復旧する見込みの位置である通信復旧見込み地点を以下のように導出する。
【0086】
即ち、まず、センタ側決定部11Dは、上述したセンタ側通信処理によって直近に処理対象車から受信したプローブ情報に含まれる位置情報が示す位置が、処理対象車との通信が途絶した地点の位置である通信途絶開始位置であるものとする。
【0087】
次に、センタ側決定部11Dは、次の条件3及び条件4の各々の条件に合致する位置のうち、通信途絶開始位置に近い方の位置を、通信復旧見込み地点であるものとして導出する。
【0088】
(条件3)通信途絶開始位置から処理対象車の走行方向の道路上の下流側の最寄りに位置し、かつ、通信状況情報の通信実績情報において通信日時情報が記憶されている位置。
【0089】
(条件4)通信途絶開始位置から処理対象車の走行方向の道路上の下流側の最寄りに位置し、かつ、通信状況情報の不安定領域情報において「普通」との情報が記憶されている位置。
【0090】
なお、通信復旧見込み地点の導出方法は、以上の方法に限るものではない。例えば、上記条件3及び条件4の何れか一方の条件に合致する位置を通信復旧見込み地点として適用する形態等としてもよい。
【0091】
次のステップ706で、センタ側決定部11Dは、導出した通信復旧見込み地点を用いて、処理対象車との通信が復旧する見込みの期間であるセンタ側見込み期間Tsを、次の式(2)を用いて算出する。なお、式(2)におけるDsは通信途絶開始位置から通信復旧見込み地点までの処理対象車の走行距離を表し、Spは処理対象車の走行速度を表す。ここで、走行速度Spは、センタ側通信処理によって受信されているプローブ情報に含まれる位置情報が示す走行位置の単位時間当たりの変化量から得ることができる。
【0092】
Ts=Ds/Sp (2)
【0093】
即ち、適用した通信復旧見込み地点が上記条件3に合致した条件で得られたものである場合、一例として
図11に示すように、他の自動運転車等によって得られた通信実績情報を用いて得られた通信復旧見込み地点(一例として
図11における星印の地点)に処理対象車が到達すると見込まれる期間が式(2)によって算出される。
【0094】
また、適用した通信復旧見込み地点が上記条件4に合致した条件で得られたものである場合、一例として
図12に示すように、不安定領域情報を用いて得られた、トンネル等の通信が不安定となる領域から抜けた位置である通信復旧見込み地点(一例として
図12における星印の地点)に処理対象車が到達すると見込まれる期間が式(2)によって算出される。
【0095】
次のステップ708で、センタ側決定部11Dは、算出したセンタ側見込み期間Tsが予め定められた閾値Th2以下であるか否かを判定し、否定判定となった場合は後述するステップ722に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ710に移行する。
【0096】
ステップ710で、センタ側決定部11Dは、図示しないタイマ(本実施形態では、CPU11に内蔵されたタイマ)にセンタ側見込み期間Tsをセットする。このタイマへのセンタ側見込み期間Tsのセットに応じて、当該タイマでは、センタ側見込み期間Tsまでのカウントアップが開始される。
【0097】
次のステップ712で、センタ側決定部11Dは、処理対象車との通信が復旧したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ714に移行する。ステップ714で、要求部11Eは、通信が途絶していた期間中の処理対象車の走行状態を示す走行状態情報を処理対象車に要求する。この要求部11Eによる要求に応じて、処理対象車は、上述したように走行状態情報をセンタ側装置10に送信する。
【0098】
そこで、次のステップ716で、設定部11Gは、処理対象車から受信した走行状態情報が示す走行状態に異常があるか否かをオペレータに確認させるべく、当該走行状態情報、及び当該走行状態情報の確認を指示する確認指示情報をオペレータ装置50に対して通信I/F部18及びネットワーク80を介して送信する。走行状態情報及び確認指示情報を受信すると、オペレータ装置50の処理部51Aは、受信した走行状態情報を表示するように表示部55を制御する。オペレータ装置50のオペレータは、表示部55に表示された走行状態情報の内容に問題があるか否かを確認し、確認結果を示す確認結果情報を、入力部54を介して入力する。処理部51Aは、入力された確認結果情報を、通信I/F部58及びネットワーク80を介してセンタ側装置10に送信する。
【0099】
そこで、次のステップ718で、設定部11Gは、オペレータ装置50から確認結果情報を受信し、受信した確認結果情報が、異常がないことを示す情報であった場合、通信が途絶していた期間中に処理対象車が走行した区間を通信が不安定になる可能性がある領域として不安定領域情報に含めるべく、通信状況情報データベース13Dを更新する処理である更新処理を実行し、その後に後述するステップ724に移行する。
【0100】
一方、ステップ712において否定判定となった場合はステップ720に移行し、センタ側決定部11Dは、上記タイマのカウントアップがセットしたセンタ側見込み期間Tsに達したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ712に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ722に移行する。
【0101】
ステップ722で、連絡部11Fは、通信が途絶した地点及び時刻、通信が途絶している期間に処理対象車が走行したと考えられる経路、及び通信復旧見込み地点の各情報を含む情報を上述した途絶関連情報として導出する。そして、連絡部11Fは、導出した途絶関連情報、及び通信が途絶した処理対象車の支援を指示する支援指示情報を処理対象車に最寄りの現地スタッフが所持する携帯端末40に対して通信I/F部18及びネットワーク80を介して送信した後、ステップ724に移行する。
【0102】
途絶関連情報及び支援指示情報を受信すると、携帯端末40の処理部41Aは、一例として
図14に示す現地スタッフ提示画面を表示部45に表示させる。
図14に示す現地スタッフ提示画面では、通信が途絶した地点(
図14では「通信途絶地点」と表記しており、以下「通信途絶地点」という。)、及び通信復旧見込み地点(
図14では「復旧見込み地点」と表記しており、以下「復旧見込み地点」という。)が表示される。また、
図14に示す現地スタッフ提示画面では、通信が途絶した時刻(
図14では「通信途絶発生時刻」と表記。)、及び通信が途絶している期間に処理対象車が走行したと考えられる経路が表示される。
【0103】
図14に示す現地スタッフ提示画面を参照した現地スタッフは、通信途絶地点から復旧見込み地点までの範囲を捜索することで、センタ側見込み期間Tsが経過しても通信が復旧しない処理対象車、即ち支援対象とする処理対象車の発見を容易に行うことができる。
【0104】
ステップ724で、センタ側決定部11Dは、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ700に戻る一方、肯定判定となった時点で本センタ側通信途絶処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、自動運転支援サービスによるサービスが終了される時刻として予め定められた時刻(一例として、1時)となったタイミングを適用しているが、これに限らない。例えば、センタ側装置10の管理者によって通信I/F部18を介して、センタ側通信途絶処理の終了を指示する旨の指示情報が入力されたタイミング等を上記終了タイミングとする形態としてもよい。
【0105】
以上説明したように、本実施形態によれば、自動運転支援センタと自動運転車との通信が途絶した場合に、管理システム90による管理対象領域内の自動運転車が走行可能な各位置における自動運転支援センタと自動運転車との間の通信の状況を示す情報である通信状況情報に基づいて、自動走行を継続するか否か、及び、自動運転車に対する支援を行う支援者に連絡するか否かを決定している。従って、自動運転支援サービスの継続性の低下を抑制し、かつ、自動運転支援サービスに費やすコストの上昇を抑制することができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、車両側決定部21Cにより、自身が設けられた自動運転車の走行ルート及び通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間である車両側見込み期間Tcを導出し、導出した車両側見込み期間Tcが予め定められた期間以内である場合、自動走行を継続すると決定している。従って、上記予め定められた期間を適切に設定することにより、より適切に、自動運転支援サービスの継続性の低下を抑制することができる。
【0107】
また、本実施形態によれば、センタ側決定部11Dにより、通信が途絶した自動運転車の走行ルート及び通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧すると見込まれる期間であるセンタ側見込み期間Tsを導出し、導出したセンタ側見込み期間Tsが予め定められた期間以内である場合、支援者に連絡しないと決定している。従って、上記予め定められた期間を適切に設定することにより、より適切に、自動運転支援サービスに費やすコストの上昇を抑制することができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、センタ側決定部11Dにより、センタ側見込み期間Tsが経過しても自動運転車との通信が復旧しない場合、支援者に連絡すると決定している。従って、自動運転支援サービスの安全性や安心感を維持したままに、自動運転支援サービスに費やすコストの上昇を抑制することができる。
【0109】
[第2実施形態]
本第2実施形態では、途絶した通信が復旧する見込みの地点(通信復旧見込み地点)までの道程で支援者による支援が必要になる度合いが予め定められたレベル以下である場合、自動走行を継続する場合の形態例について説明する。なお、本実施形態に係る管理システム90の構成は、上記第1実施形態に係る構成(
図1、
図2参照。)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0110】
本第2実施形態に係る車両側決定部21Cは、自身が設けられた自動運転車の走行ルート及び通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧する見込みの地点までの道程で支援が必要になる度合いが予め定められたレベル以下である場合、自動走行を継続すると決定する点が上記第1実施形態と異なっている。
【0111】
より具体的には、本第2実施形態に係る車両側決定部21Cは、上記道程が、横断歩道がない道程、歩車分離道路である道程、及び自動運転車がバス、タクシー等の乗り降りを伴う車両である場合において乗客の乗降地点がない道程、のすべての条件が成立する道程である場合、上記支援が必要になる度合いが上記レベル以下であると判断する。このため、本第2実施形態に係る車両側装置20の記憶部23には、管理システム90による管理対象領域内における、横断歩道がない道程を示す情報、歩車分離道路である道程を示す情報、及び乗降地点がない道程を示す情報の各情報(以下、「道程関連情報」という。)が予め登録されている。
【0112】
次に、
図15を参照して、本第2実施形態に係る車両側装置20の作用として、車両側通信途絶処理を実行する場合の車両側装置20の作用を説明する。なお、
図15に示す車両側通信途絶処理における、
図10に示す車両側通信途絶処理と同一の処理を実行するステップについては
図10と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0113】
図15に示す車両側通信途絶処理と
図10に示す車両側通信途絶処理とでは、ステップ306及びステップ308の処理が、各々、ステップ307及びステップ309の処理に置き換わると共に、ステップ310及びステップ322の処理が削除されている点が異なっている。
【0114】
即ち、
図15のステップ307で、車両側決定部21Cは、道程関連情報を記憶部23から読み出し、当該道程関連情報及びステップ304の処理によって導出した通信復旧見込み地点を用いて、当該通信復旧見込み地点までの道程で支援者による支援が必要になる度合いを示す自動運転リスク値Rを、次の式(3)を用いて算出する。なお、式(3)におけるCpは、上述した通信途絶開始位置から通信復旧見込み地点までの間(以下、「リスク対象区間」という。)において横断歩道が存在する場合に「1」が代入され、横断歩道が存在しない場合に「0」が代入される変数を表す。また、式(3)におけるDpは、リスク対象区間が歩車分離道路でない場合に「1」が代入され、歩車分離道路である場合に「0」が代入される変数を表す。更に、式(3)におけるEpは、自動運転車がバス、タクシー等の乗り降りを伴う車両である場合において、リスク対象区間に、乗客の乗降地点がある場合に「1」が代入され、乗降地点がない場合に「0」が代入される変数を表す。なお、自動運転車がバス、タクシー等の乗り降りを伴う車両でない場合、変数Epには「0」が代入される。
【0115】
R=Cp+Dp+Ep (3)
【0116】
即ち、一例として
図16に示すように、リスク対象区間において、横断歩道が存在せず、リスク対象区間が歩車分離道路であり、自動運転車がバス、タクシー等の乗り降りを伴う車両である場合の乗客の乗降地点がない場合のみ、自動運転リスク値Rとして「0」が式(3)によって算出される。
【0117】
そこで、次のステップ309で、車両側決定部21Cは、算出した自動運転リスク値Rが予め定められた閾値Th3(本実施形態では、0)以下であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ324に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ312に移行する。
【0118】
以上説明したように、本実施形態によれば、車両側決定部21Cにより、自身が設けられた自動運転車の走行ルート及び通信状況情報に基づいて、途絶した通信が復旧する見込みの地点までの道程で支援者による支援が必要になる度合い(自動運転リスク値R)が予め定められたレベル(閾値Th3)以下である場合、自動走行を継続すると決定している。従って、自動運転リスク値Rを用いない場合に比較して、より適切に、自動運転支援サービスの継続性の低下を抑制することができる。
【0119】
なお、上記第1実施形態では、車両側見込み期間Tcが予め定められた期間以内である場合(以下、「第1条件」という。)に自動走行を継続し、本第2実施形態では、途絶した通信が復旧する見込みの地点までの道程で支援者による支援が必要になる度合いが予め定められたレベル以下である場合(以下、「第2条件」という。)に自動走行を継続する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、これらの2つの条件を組み合わせて、第1条件と第2条件の双方が成立する場合に自動走行を継続する形態としてもよい。これにより、上記第1実施形態及び第2実施形態に比較して、自動走行の安全性を向上させることができる。
【0120】
[第3実施形態]
本第3実施形態では、主として、通信状況情報を効果的に用いることにより、現地スタッフへの連絡を迅速に行うことができるようにする場合等の形態例について説明する。なお、本実施形態に係る管理システム90の構成は、上記第1実施形態に係る構成(
図1、
図2参照。)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0121】
本第3実施形態に係るセンタ側決定部11Dは、主として、最新の通信状況情報を用いて、支援者に連絡するか否かを決定する点が上記第1実施形態と異なっている。
【0122】
次に、
図17を参照して、本第3実施形態に係るセンタ側装置10の作用として、センタ側通信途絶処理を実行する場合のセンタ側装置10の作用を説明する。なお、
図17に示すセンタ側通信途絶処理における、
図13に示すセンタ側通信途絶処理と同一の処理を実行するステップについては
図13と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0123】
図17に示すセンタ側通信途絶処理と
図13に示すセンタ側通信途絶処理とでは、ステップ710の処理が削除され、ステップ715の処理が追加されると共に、ステップ720の処理が、ステップ719及びステップ721の処理に置き換わる点が異なっている。
【0124】
即ち、
図17のステップ715で、設定部11Gは、自動運転車から受信した走行状態情報が示す走行状態に異常があると予測されるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ716に移行する一方、否定判定となった場合は、ステップ716及びステップ718の処理を実行することなく、ステップ724に移行する。本実施形態では、上記走行状態に異常があると予測されるか否かの判定を、受信した走行状態情報から算出される加速度の絶対値が所定の閾値以上であるか否かや、当該走行状態情報が示す走行位置が不安定であるか否か等を判定することにより行っているが、これらに限るものでないことは言うまでもない。
【0125】
一方、ステップ719で、センタ側決定部11Dは、自動運転車との通信が途絶した時刻にステップ706の処理によって算出したセンタ側見込み期間Tsを加算した時刻(以下、「通信復旧見込み時刻」という。)が現在の時刻より前であるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ722に移行する一方、否定判定となった場合はステップ721に移行する。
【0126】
ステップ721で、センタ側決定部11Dは、通信状況情報がステップ702で読み出したものに対して更新されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ702に戻る一方、否定判定となった場合はステップ712に戻る。
【0127】
一例として
図18の左図に示すように、例えば、通信が途絶した時刻が12時34分丁度であり、当初のセンタ側見込み期間Tsが2分間である場合を考える。この場合、上記現在の時刻が通信復旧見込み時刻に達するまではステップ719の処理が否定判定となるため、現地スタッフへの連絡を行う処理(ステップ722の処理)を実行することなくステップ721に移行し、通信状況情報が更新されるまでステップ712、719、721の処理が繰り返し実行されることになる。そして、この繰り返し処理を実行している間に通信状況情報が更新された場合には、ステップ721の処理からステップ702の処理に戻り、更新後の通信状況情報を用いてセンタ側見込み期間Tsが再度算出されることになる。
【0128】
従って、一例として
図18の右図に示すように、再度算出されたセンタ側見込み期間Tsが30秒となり、かつ上記現在の時刻が、通信が途絶してから1分後であった場合には、ステップ719の処理が肯定判定となって直ちに現地スタッフに連絡を行うことになる。なお、
図18に示すように、通信実績が有る領域を走行していると考えられるのに通信が復旧しない場合は、通信機が故障しているものと予測する形態としてもよい。
【0129】
以上説明したように、本実施形態によれば、センタ側決定部11Dにより、通信状況情報が更新される度にセンタ側見込み期間Tsを再計算している。従って、現地スタッフへの連絡を、より迅速に行うことができる。
【0130】
また、本実施形態によれば、設定部11Gにより、処理対象車の走行状態に異常があると予測される場合のみ、走行状態情報が示す走行状態に異常があるか否かを支援者に確認させている。従って、支援者に費やすコストを、より抑制することができる。
【0131】
[第4実施形態]
本第4実施形態では、主として、通信が途絶している状況で自動走行を継続する場合に自動運転車の走行速度を通常より低下させる場合等の形態例について説明する。まず、
図19を参照して、本第4実施形態に係る管理システム90のハードウェア構成について説明する。なお、
図19における
図1と同一の構成要素については
図1と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0132】
図19に示すように、本第4実施形態に係る管理システム90と、上記第1実施形態に係る管理システム90とでは、車両側装置20に外界センサ60が備えられている点のみが異なっている。外界センサ60は、自動運転車の前方方向を撮影するカメラ及び障害物までの距離を測定するLiDARとされており、CPU21は、当該撮影によって得られた画像情報及び測距データを取得することができる。
【0133】
次に、
図20を参照して、本第4実施形態に係る管理システム90に含まれる各装置の機能的な構成について説明する。なお、
図20における
図2と同様の処理を行うブロックについては
図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0134】
図20に示すように、本第4実施形態に係る管理システム90は、第1実施形態に係る管理システム90に対して、車両側装置20に、自動運転支援センタとの通信が途絶している期間に自動走行を継続する場合に当該期間以前と比較して走行速度を低下させるように制御する速度制御部21Eが新たに設けられている点が異なっている。また、本第4実施形態に係る管理システム90は、第1実施形態に係る管理システム90に対して、センタ側送信部11Cが、通信実績情報を送信する際に、当該通信実績情報の送信先となる自動運転車の走行位置と走行ルートに基づいて、当該走行ルートの地点で通信が可能と予測される直近の地点情報(以下、「通信可能予測地点」という。)のみを送信する点が異なっている。更に、本第4実施形態に係る管理システム90は、第1実施形態に係る管理システム90に対して、車両側決定部21Cが、車両側見込み期間Tcが予め定められた期間以内であり、かつ、予め定められたセンサ(本実施形態では、外界センサ60を構成するカメラ及びLiDAR)によるセンシングの結果に応じて安全に走行可能と判断した場合、自動走行を継続すると決定する点が異なっている。
【0135】
次に、
図21を参照して、本第4実施形態に係るセンタ側装置10の作用として、通信状況情報送信処理を実行する場合のセンタ側装置10の作用を説明する。なお、
図21に示す通信状況情報送信処理における、
図8に示す通信状況情報送信処理と同一の処理を実行するステップについては
図8と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0136】
図21に示す通信状況情報送信処理と
図8に示す通信状況情報送信処理とでは、ステップ604の処理に代えて、ステップ603及びステップ605の処理が適用されている点が異なっている。
【0137】
即ち、
図21のステップ603で、センタ側送信部11Cは、ステップ602の処理によって読み出した通信状況情報を用いて、
図13に示すセンタ側通信途絶処理のステップ704の処理で導出した通信復旧見込み地点と同様の方法により、通信可能予測地点を導出する。次のステップ605で、センタ側送信部11Cは、導出した通信可能予測地点を示す情報を、送信先の自動運転車に通信I/F部18及びネットワーク80を介して送信する。
【0138】
次に、
図22を参照して、本第4実施形態に係る車両側装置20の作用として、通信状況情報受信処理を実行する場合の車両側装置20の作用を説明する。なお、
図22に示す通信状況情報受信処理における、
図9に示す通信状況情報受信処理と同一の処理を実行するステップについては
図9と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0139】
図22に示す通信状況情報受信処理と
図9に示す通信状況情報受信処理とでは、ステップ200及びステップ202の処理に代えて、各々ステップ201及びステップ203の処理が適用されている点が異なっている。
【0140】
即ち、
図22のステップ201で、車両側受信部21Bは、センタ側装置10から通信可能予測地点を示す情報が受信されるまで待機し、次のステップ203で、車両側受信部21Bは、受信した通信可能予測地点を示す情報を記憶部23の所定領域に記憶する。
【0141】
次に、
図23を参照して、本第4実施形態に係る車両側装置20の作用として、車両側通信途絶処理を実行する場合の車両側装置20の作用を説明する。なお、
図23に示す車両側通信途絶処理における、
図10に示す車両側通信途絶処理と同一の処理を実行するステップについては
図10と同一のステップ番号を付して、その説明を省略する。
【0142】
図23に示す車両側通信途絶処理と
図10に示す車両側通信途絶処理とでは、ステップ302、ステップ304、ステップ306の処理に代えて、各々ステップ303、ステップ305、ステップ307の処理が適用されている点が異なっている。また、
図23に示す車両側通信途絶処理と
図10に示す車両側通信途絶処理とでは、ステップ309及びステップ315の処理が新たに含まれている点が異なっている。
【0143】
即ち、
図23のステップ303で、車両側決定部21Cは、上述した通信状況情報受信処理によって記憶された通信可能予測地点を示す情報を記憶部23から読み出す。次のステップ305で、速度制御部21Eは、自車の走行速度を、それまでより所定速度(一例として、10km/h)低下させるように制御する。次のステップ307で、車両側決定部21Cは、読み出した情報によって示される通信可能予測地点を上述した通信復旧見込み地点とし、かつ、ステップ305の処理によって低下された後の走行速度を走行速度Spとして、上記第1実施形態と同様に、式(1)を用いて車両側見込み期間Tcを算出する。なお、この場合はセンタ側装置10も同様に、処理対象車の走行速度が通信途絶以前より所定速度低下したものとして、センタ側見込み期間Tsを算出する。
【0144】
また、ステップ309で、車両側決定部21Cは、外界センサ60によるセンシング結果に基づいて、自車の前方に自車の走行を妨げる障害物等が存在するか否かを判定することにより、外界センサ60によるセンシング結果に問題があるか否か、つまり通信復旧見込み地点までの道程を自動運転により安全に通過できるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ310に移行する一方、否定判定となった場合はステップ324に移行する。
【0145】
更に、ステップ315で、速度制御部21Eは、ステップ305の処理によって低下させた自車の走行速度を元の速度に復帰させる制御を行う。
【0146】
以上説明したように、本実施形態によれば、センタ側送信部11Cにより、通信実績情報を送信する際に、当該通信実績情報の送信先となる自動運転車の走行位置と走行ルートに基づいて、当該走行ルートの地点で通信が可能と予測される直近の地点情報のみを送信している。従って、通信実績情報そのものを送信する場合に比較して、より効率的に通信実績に関する情報を送信することができる。
【0147】
また、本実施形態によれば、車両側決定部21Cにより、車両側見込み期間Tcが予め定められた期間以内であり、かつ、予め定められたセンサによるセンシングの結果に応じて安全に走行可能と判断した場合、自動走行を継続すると決定している。従って、より適切に自動走行の継続を行うことができる。
【0148】
また、本実施形態によれば、速度制御部21Eにより、自動運転車において自動運転支援センタとの通信が途絶している期間に自動走行を継続する場合、当該期間以前と比較して走行速度を低下させるように制御している。従って、自動走行の安全性を向上させることができる。
【0149】
なお、上記各実施形態では、管理部11B、センタ側決定部11D、要求部11E、連絡部11F及び設定部11Gをセンタ側装置10に設け、車両側決定部21C、停止部21D及び速度制御部21Eを車両側装置20に設けた場合について説明したが、これに限定されない。例えば、これらの各部は、対応する機能の実行が可能な範囲内において、センタ側装置10及び車両側装置20の何れに設けてもよい。
【0150】
また、上記各実施形態では言及しなかったが、センタ側通信途絶処理(
図13参照。)のステップ718の処理により、設定部11Gによって不安定領域情報として設定した通信途絶区間を、当該設定部11Gにより、当該通信途絶区間を走行する他の自動運転車との通信が途絶しなかった場合に、不安定領域情報から除外する設定を行う形態としてもよい。これにより、不要な判定の発生を低減することができる。
【0151】
また、上記各実施形態に係る式(1)~式(3)の各数式は一例であり、各数式ともに種々の変形を加えることができる。例えば、式(3)では、変数Cp、変数Dp、及び変数Epの各変数の値を加算するものとされているが、これらの各変数の値を乗算することで、自動運転リスク値Rを算出する形態とすることもできる。また、上記各実施形態に係る各装置の構成は一例であり、各装置ともに本発明の主旨を逸脱しない範囲内で構成を変更することができる。例えば、上記各実施形態では、センタ側装置10及び車両側装置20として入力部及び表示部を有するものを例示したが、各装置とも、これらの部位を有しない構成とすることもできる。
【0152】
また、上記各実施形態において、例えば、センタ側受信部11A、管理部11B、センタ側送信部11C、センタ側決定部11D、要求部11E、連絡部11F、設定部11G、車両側送信部21A、車両側受信部21B、車両側決定部21C、停止部21D、速度制御部21Eの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0153】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0154】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0155】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0156】
10 センタ側装置、11 CPU、11A センタ側受信部、11B 管理部、
11C センタ側送信部、11D センタ側決定部、11E 要求部、11F 連絡部、
11G 設定部、12 メモリ、13 記憶部、13A センタ側通信プログラム、
13B 通信状況情報送信プログラム、13C センタ側通信途絶プログラム、
13D 通信状況情報データベース、14 入力部、15 表示部、
16 媒体読み書き装置、17 記録媒体、18 通信I/F部、20 車両側装置、
21 CPU、21A 車両側送信部、21B 車両側受信部、21C 車両側決定部、
21D 停止部、21E 速度制御部、22 メモリ、23 記憶部、
23A 車両側通信プログラム、23B 通信状況情報受信プログラム、
23C 車両側通信途絶プログラム、24 入力部、25 表示部、
26 媒体読み書き装置、27 記録媒体、28 無線通信部、29 位置検出部、
40 携帯端末、41 CPU、41A 処理部、42 メモリ、43 記憶部、
44 入力部、45 表示部、48 無線通信部、50 オペレータ装置、
51 CPU、52 メモリ、53 記憶部、54 入力部、55 表示部、
58 通信I/F部、60 外界センサ、80 ネットワーク、90 管理システム