(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】ポリアミド繊維および織編物、並びに、ポリアミド繊維の製造方法
(51)【国際特許分類】
D01F 6/60 20060101AFI20221109BHJP
D01D 5/12 20060101ALI20221109BHJP
D03D 15/283 20210101ALI20221109BHJP
D04B 1/16 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
D01F6/60 331
D01F6/60 301A
D01D5/12
D03D15/283
D04B1/16
(21)【出願番号】P 2019537204
(86)(22)【出願日】2019-04-19
(86)【国際出願番号】 JP2019016797
(87)【国際公開番号】W WO2019208427
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】P 2018084177
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】高矢 和成
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 佳史
(72)【発明者】
【氏名】栗林 隆宏
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/021011(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/104278(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第106702522(CN,A)
【文献】特開2004-91988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01F1/00-9/04
D01D1/00-13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族ポリアミドを主成分として含むポリアミド繊維であって、該脂肪族ポリアミドにおけるアミノ末端基量が7.0×10
-5mol/g以上10.0×10
-5mol/g以下、かつ、ポリアミド繊維において求められる剛直非晶量が40%以上である、ポリアミド繊維。
【請求項2】
酸化チタンを、繊維全体量に対して0.1~10.0重量%含む、請求項1に記載のポリアミド繊維。
【請求項3】
総繊度が5~235dtexである、請求項1または請求項2に記載のポリアミド繊維。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれかに記載のポリアミド繊維を含む衣料用の織編物。
【請求項5】
ポリアミド樹脂原料を溶融し、該ポリアミド樹脂を口金から吐出した後、冷却固化して糸条とし、該糸条は延伸および熱処理された後、巻き取られる、ポリアミド繊維の製造方法であって、
ポリアミド樹脂原料が、脂肪族ポリアミドを含み、該脂肪族ポリアミドにおけるアミノ末端基量が7.0×10
-5mol/g以上10.0×10
-5mol/g以下であり、次の(a)から(d)の工程を含む、ポリアミド繊維の製造方法。
(a)引取速度が、1300m/min~2400m/minである、吐出工程。
(b)糸条が、引き取りローラーと延伸ローラーのドラフト比により延伸され、延伸ローラーの温度が150~190℃、かつ、延伸倍率が1.7~3.0倍である延伸工程。
(c)延伸処理後、糸条が延伸ローラーと巻取ローラーの間で弛緩され、リラックス率が0~2.0%である、弛緩処理工程。
(d)巻取速度が3000~4500m/minの巻取工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発色性、染色堅牢性に優れたポリアミド繊維に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリカプラミドやポリヘキサメチレンアジパミドに代表されるようなポリアミド繊維は、力学特性、耐薬品性、耐熱性に優れていることから、衣料用途や産業資材用途などで幅広く利用されている。特に、その優れた強さ、耐摩耗性等によって、多くの衣料用途に使われている。また、近年ファッションの多様化、用途の拡大が進み、インナーウエア、スポーツウエア、カジュアルウェア等に関しては、性能向上が要求される。特に最近では、発色性、特にマット調の発色性に優れたポリアミド繊維の要求が高まっている。
【0003】
これまで、ポリアミド繊維の染色性を向上させる技術として、各種の提案がなされている。例えば、特許文献1には、染色性がそれぞれ異なる合成繊維からなる多色嵩高糸が提案されており、その一例として、酸性染料によく染まるNH3末端基量の多いポリマーと酸性染料に淡く染まるNH3末端基量の少ないポリマーの組み合わせが記載されている。また、特許文献2には、酸化チタン3~6.5%、アミノ末端基量が4×10-5~8×10-5mol/gのポリアミド繊維が提案されている。
【0004】
ポリアミド繊維は繊維構造中に染料分子とイオン結合を形成することができるアミド結合やアミノ末端基を有することから、イオン結合性の染料(酸性染料など)によって発色性よく染色される。そのため、特許文献1、2に記載のとおり、アミノ末端基が多い程、染料の染着座席が多くなり染色性、発色性が向上する技術が展開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平7-189067号公報
【文献】特開2004-292982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に例示されたポリアミドには、酸性染料によく染まるNH3末端基量の多いポリマーと記載されているものの、具体的なNH3末端基量の開示がないが、発色性は向上すると推察できる。また、カーペット用途向けの多色嵩高加工前のポリアミド繊維は、部分配向糸の為、繊維構造の観点から染色堅牢性が劣る問題があった。なお、配向糸は非晶部が少ないものであるが、部分配向糸とはその配向部が部分的な糸である。
【0007】
染色堅牢性とは、日光,洗濯,汗,摩擦,酸,アイロン等各種の外的条件に対する染色の丈夫さの度合のことである。実用的には、耐光堅牢度および洗濯堅牢度などで示される。また、特許文献2に記載のポリアミド繊維は、衣料用途向けでアミノ末端基量を規定し、発色性は向上するものの、白色顔料である酸化チタン量を多くする程、発色性は低下、繊維配向はルーズになりやすく、繊維構造の観点から染色堅牢性が劣る問題があった。
【0008】
このように特許文献1、2に開示されたポリアミド繊維は、発色性に優れたポリアミド繊維が得られる一方、染色堅牢性基準の厳しい衣料用途向けポリアミド繊維においては、染色堅牢性が劣る課題があった。
【0009】
そこで本発明では、発色性と堅牢性に優れたポリアミド繊維およびを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、下記の構成によって解決することができる。
(1)脂肪族ポリアミドを主成分として含むポリアミド繊維であって、該脂肪族ポリアミドにおけるアミノ末端基量が7.0×10-5mol/g以上10.0×10-5mol/g以下、かつ、ポリアミド繊維において求められる剛直非晶量が40%以上である、ポリアミド繊維。
(2)酸化チタンを、繊維全体量に対して0.1重量%~10.0重量%含む、(1)に記載のポリアミド繊維。
(3)総繊度が5~235dtexで、(1)または(2)のいずれかに記載のポリアミド繊維。
(4)(1)~(3)のいずれかに記載のポリアミド繊維を含む衣料用の編織物。
(5)ポリアミド樹脂原料を溶融し、該ポリアミド樹脂を口金から吐出した後、冷却固化して糸条とし、該糸条は延伸および熱処理された後、巻き取られる、ポリアミド繊維の製造方法であって ポリアミド樹脂原料が、脂肪族ポリアミドを含み、該脂肪族ポリアミド繊維におけるアミノ末端基量が7.0×10-5mol/g以上10.0×10-5mol/g以下であり、次の(a)から(d)の工程を含む、ポリアミド繊維の製造方法。
(a)引取速度が、1300m/min~2400m/minである、吐出工程。
(b)糸条が、引き取りローラーと延伸ローラーのドラフト比により延伸され、延伸ローラーの温度が150~190℃、かつ、延伸倍率が1.7~3.0倍である、延伸工程。
(c)延伸処理後、糸条が延伸ローラーと巻取ローラー間で弛緩され、リラックス率が0~2.0%である、弛緩処理工程。
(d)巻取速度が3000~4500m/minである、巻取工程。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、発色性と染色堅牢性に優れたポリアミド繊維を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明のポリアミド繊維について詳述する。
本発明のポリアミド繊維に用いるポリアミドは、いわゆる炭化水素基が主鎖にアミド結合を介して連結された高分子量体であり、アミノカルボン酸、環状アミドを原料として重縮合反応によって製造してもよく、もしくはジカルボン酸およびジアミンを原料として重縮合反応にて製造してもよい。以下、これらの高分子量体の原料をモノマーという。モノマーとしては、石油由来モノマー、バイオマス由来モノマー、石油由来モノマーとバイオマス由来モノマーの混合物など限定されるものではない。かかるポリアミドとしては、特に限定されるものではないが、一例としてポリカプロアミド、ポリウンデカノラクタム、ポリラウリルラクタムもしくはポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリヘキサメチレンドデカンジアミドなどを挙げることができ、この中でも製糸性、機械特性に優れており、ゲル化し難いことからポリカプロアミドが好ましい。
【0013】
本発明におけるポリアミド繊維には本発明の目的を逸脱しない範囲で、最も含まれるモノマー成分(たとえば、環状アミド、もしくはジカルボン酸およびジアミン)の他に、第2、第3成分を共重合または混合しても良い。共重合成分としては、例えば脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミンから誘導される構造単位を含むことができる。
【0014】
本発明において、「脂肪族ポリアミドを主成分として含むポリアミド繊維」とは、脂肪族ポリアミド成分を主成分とするポリアミド共重合繊維である。ここで、主成分の意味は全ポリアミド成分に占める脂肪族ポリアミドの割合が90重量%以上であることをいう。なお、主となるモノマーと共重合されるモノマーがどちらも脂肪族ポリアミドを生成する場合は、それらを合計して90重量%以上となればよい。
【0015】
本発明におけるポリアミドの粘度は、衣料用繊維を製造するに常識的な範囲の粘度を選択すればよいが、98%硫酸相対粘度が2.0以上4.0以下のポリマーを使用することが好ましい。かかる範囲とすることにより、実用可能な原糸強度が得られる。さらに、最適な延伸および熱セット時の張力が加わるため、ポリアミドの結晶化や配向が進み、剛直非晶量が増加し、適切な値となり、染色堅牢度が向上するため、好ましい。一方、硫酸相対粘度が、4.0以下であると、紡糸に適した溶融粘度で生産可能であり、好ましい。
【0016】
また、本発明のポリアミド繊維には各種の添加剤、たとえば、艶消剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、螢光増白剤、帯電防止剤、吸湿剤(ポリビニルピロリドン等)、抗菌剤(銀ゼオライト、酸化亜鉛等)などを、ポリアミド繊維全体で、0.001~10重量%の間で必要に応じて添加してもよい。
【0017】
本発明のポリアミド繊維のアミノ末端基量は7.0×10-5mol/g以上である。アミノ末端基は染料着座となるため、アミノ末端基量が7.0×10-5mol/g以上であると、衣料用途に適した発色性が得られる。7.0×10-5mol/g未満であると、染料が着座するアミノ末端基が不十分なため、発色性に劣り、衣料用途への展開が難しい。また、アミノ末端基量は大きい程好ましいが、本発明におけるその上限値は、10×10-5mol/g程度である。好ましくは、7.5×10-5mol/g以上、さらに好ましくは8.0×10-5mol/g以上である。
【0018】
剛直非晶(Rigid amorphous)とは、実施例の項で説明する方法によって、その量が求められる非晶のことであり、結晶と可動非晶(Mobile amorphous;従来の完全非晶)の中間状態で、ガラス転移温度(Tg)以上でも分子運動が凍結しており、Tgよりも高い温度で流動状態となる非晶のことである(例えば、十時 稔,「DSC(3)-高分子のガラス転移挙動編-」,繊維学会誌(繊維と工業),Vol.65,No.10(2009))。剛直非晶量(率)は、100%-結晶化度-可動非晶量で表される。
【0019】
本発明において、ポリアミド繊維には、結晶部と剛直非晶部と可動非晶部が含まれる。
【0020】
そして、ポリアミド繊維において求められる剛直非晶量が40%以上である。剛直非晶量が40%以上であると、可動非晶部に配する染料が抑制され、選択的にアミノ末端基に染料が着座するため、発色性に優れ、かつ優れた染色堅牢度を発現する。剛直非晶量が40%未満であると、可動非晶部に多くの染料が配されるため、堅牢度評価において可動非晶部から染料が除され、優れた染色堅牢度が得られない。また、剛直非晶量は大きい程好ましいが、好ましくは、42%以上、さらに好ましくは45%以上である。本発明におけるその上限値は、生産性の観点から、50%程度である。剛直非晶部は、可動非晶部の染料が除されやすいのと比較すると、染料を保持して、優れた染色堅牢度が得られる。
【0021】
本発明のポリアミド繊維は、繊維全体量に対して酸化チタンを0.1~10.0重量%含有することが好ましい。酸化チタンは、優れた白色顔料として知られ、艶消し剤として広く合成繊維に使用されている。その白色顔料故に、繊維に含有すると衣料品の外観が白っぽくなり、濃色が得にくい。酸化チタン含有量を多くすれば、白度の高い色(パステル調)になりやすく染色性は低下する。特に本発明のポリアミド繊維は、アミノ末端基量を7×10-5mol/g以上とすることで、酸化チタンを含有しても、アミノ末端基に着座できる染料が多くなるため、染色性が向上し、染色性の効果がより顕著に表れ、好ましい。繊維全体量に対して酸化チタン量は、好ましくは0.3~5.0重量%であり、さらに好ましくは1.5~3.0重量%である。酸化チタンとしては、一般的に白色顔料として使用される不活性のものが好ましく、繊維の物理特性の低下を防ぐために平均粒径1μm以下の酸化チタンが好ましく用いられる。
【0022】
本発明のポリアミド繊維は、引張強度が2.5cN/dtex以上であることが好ましい。より好ましくは3.0cN/dtex以上である。かかる範囲とすることで、主にインナー衣料用途やスポーツ衣料用途である衣料用途において、実使用に耐えうる強度に優れる衣料が提供可能となる。
【0023】
本発明のポリアミド繊維は、伸度が35%以上であることが好ましい。好ましい範囲は35~50%である。かかる範囲とすることで、発色性や染色堅牢度を有し、衣料用途に適した繊維が得られ、好ましい。また、製織、製編、仮撚り等の高次工程での工程通過性が良好となる。
【0024】
本発明のポリアミド繊維は、衣料用長繊維素材として使用することを考慮すると、マルチフィラメントとしての総繊度は5~235デシテックス、フィラメント数は1~144フィラメントが好ましい。単糸繊度を細くすると、柔らかさは得られるものの、光の乱反射により衣料品の外観が白っぽくなり、濃色が得られにくく、さらに非晶部から染料が除され易くなる。衣料品として求められる風合いと発色性、染色堅牢性の観点から、総繊度5~235デシテックスであることが好ましい。特に本発明のポリアミド繊維は、アミノ末端基量を7×10-5mol/g以上、繊維の剛直非晶量が40%以上とすることで、単糸繊度を細くしても、選択的にアミノ末端基に染料が着座し、可動非晶部に配する染料が抑制されることで、発色性と染色堅牢性の効果がより顕著に現れる。より好ましくは総繊度が5~110デシテックスである。
【0025】
本発明のポリアミド繊維の断面形状は円形、三角、扁平、レンズ型(扁平凸型)、ビーンズ型(扁平凹型)、Y型、十字型、星形が好ましい。
【0026】
次に本発明の脂肪族ポリアミド繊維の製造方法について説明する。
本発明のポリアミド繊維に用いるポリアミドポリマーの製造方法は特に限定されない。ポリアミドモノマーに、アミノ末端基量調整剤であるジアミン、および艶消し剤の酸化チタンを添加し、公知の重縮合を行うことで所望のアミノ基量、酸化チタン含有量のポリアミドを製造することができる。ジアミンおよび酸化チタンは原料段階で投入、または重縮合反応の途中で添加することもできる。また、製造したポリアミドポリマーを2種類以上ブレンドすることで所望のアミノ基量、酸化チタン含有量とすることもできる。ブレンド方法は特に限定されず、押出し機等による溶融混合やペレットを混合するドライブレンド等が挙げられる。
【0027】
アミノ末端基調整剤のジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、1,13-ジアミノトリデカン、1,14-ジアミノテトラデカン、1,15-ジアミノペンタデカン、1,16-ジアミノヘキサデカン、1,17-ジアミノヘプタデカン、1,18-ジアミノオクタデカン、1,19-ジアミノノナデカン、1,20-ジアミノエイコサン、2-メチル-1,5-ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス-(4-アミノヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどがある。
【0028】
本発明のポリアミド繊維に用いるポリアミドポリマーの相対粘度は、サンプル濃度0.01g/mLの98%硫酸溶液の25℃における相対粘度として、好ましくは2.0以上であるとよい。さらに好ましくは、2.05~7.0、特に好ましくは2.1~6.5、最も好ましくは2.15~6.0である。相対粘度は2.0以上であればポリアミド繊維の糸強度を発現することができ、8.0以下であれば溶融紡糸性が困難とならず好ましい。
【0029】
本発明のポリアミド繊維に用いるポリアミドポリマーは、さらに分子量調節のために公知の末端封止剤を添加することができる。末端封止剤としては、モノカルボン酸が好ましい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノカルボン酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げることができる。末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α-ナフタレンカルボン酸、β-ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸などを挙げることができる。本発明では、これらのモノカルボン酸を1種以上用いても良い。
【0030】
本発明のポリアミド繊維は公知の溶融紡糸装置で製造できる。公知の溶融紡糸を例示すると、ポリアミド樹脂のペレット等を溶融し、ギヤポンプにて計量・輸送し、紡糸口金から吐出し、チムニー等の糸条冷却装置によって冷却風を吹き当てることにより糸条を室温まで冷却し、糸条とする。糸条は、給油装置で給油されるとともに集束し、流体交絡ノズル装置で交絡し、引き取りローラー、延伸ローラーを通過する。その際、引き取りローラーと延伸ローラーの周速度の比に従って延伸される。さらに、糸条を延伸ローラーの加熱により熱処理が施され、ワインダー(巻取装置)で巻き取ることでポリアミド繊維を製造することができる。
【0031】
本発明のポリアミド繊維は、溶融紡糸に用いるポリアミドポリマーの硫酸相対粘度を2.0~4.0とし、溶融紡糸の溶融温度をポリアミドの融点に対して20℃より高く、かつ85℃より低くするとともに、口金下の雰囲気温度を高温に保つため、スチームシールのヒーター温度を200℃以上とすること、口金下の吐出孔から出たポリアミドポリマーを徐冷するため、冷却開始距離を30~170mmとし、引き取りローラー速度を1300~2400m/min、延伸倍率を1.7~3.0倍、巻き取り速度を3000m/min以上4500m/min以下の紡糸条件とすることで製造することができる。
【0032】
特に、引き取りローラーを低速度の領域(1300~2400m/min)で引き取ることにより、延伸前の配向緩和が進み、延伸時に適切な配向・結晶化が進む。さらには、延伸ローラーを加熱ローラーとして熱処理を施すことが好ましく、その熱処理温度は150~190℃が好ましい。加熱ローラーとワインダーの間のリラックス率は、0~2.0%にすることが好ましい。かかる範囲で、熱処理時の張力を制御することで適切な配向・結晶化が進み、ポリアミド繊維の剛直非晶量を40%以上に制御することが可能となるためである。
【0033】
また、口金下の吐出孔から出たポリアミドポリマーを徐冷するため、冷却開始距離を30~170mmとし、配向緩和を促すことで、剛直非晶量をより高くすることができる。さらに好ましくは、紡糸口金から糸条冷却装置までの間に加熱筒を設置して筒内の雰囲気温度を100~300℃の範囲とし、配向緩和を促すことで、剛直非晶量をさらに高くすることができる。
【0034】
本発明の織物は、常法によって製織することにより織物とすることができる。経糸用の繊維をクリールに並べて整経をおこないビームに巻き、つづいてビームに巻いた繊維を糊付け・乾燥して経糸の準備をおこなう。つづいて経糸を織機のオサに通し、緯糸を打ち込んで織物を仕立てる。織機はシャトル織機、エアジェットルーム織機、ウオータージェットルーム織機、レピア織機、グリッパシャトル織機などの種類があるがいずれの織機で製造しても良い。また緯糸の打ち込み方により、平組織、斜文組織(ツイル)、朱子組織(サテン)などのいくつかの織組織があるが目的に応じていずれをも選ぶことができる。
【0035】
本発明の編物は、常法によって製編することにより編物とすることができる。編機は横編機、丸編機、経編機などの種類があるがいずれの編機で製造しても良い。 また編成により、丸編み、横編の場合は、平編、リブ編、パール編、インターロック(両面編)、経編の場合は、アトラス組織、デンビー組織、コード組織などのいくつかの編組織があるが目的に応じていずれをも選ぶことができる。
【0036】
さらに、織編物に使用される糸については、本発明のポリアミド繊維を少なくとも一部に用いたものであることが必要である。その他の繊維は天然繊維、化学繊維等特に限定しない。
【0037】
続いて、公知の方法で染色加工が施される。一般的には、精錬、中間セット、染色、仕上げセットを施して仕上げる。染色機には、液流染色機、ジッガー染色機、ビーム染色機、ウインス染色機などの種類があるがいずれの染色機で染色してもよい。ポリアミド染料には、分散染料、酸性染料、錯塩染料、酸性媒染染料、反応性染料などの種類があるが、染色・洗濯・日光・摩擦などの堅牢度全般の観点から、また、均染性の観点から、酸性染料、金属錯塩酸性染料を好ましく用いることができ、90℃ 以上の温度で、30~90分程度処理することにより行われる。また、染色後の色落ちを防ぐため、合成タンニン、タンニン/ 吐酒石などによるフィックス処理を施してもよい。
【0038】
染色後、機能付与を目的とした機能加工を施してもよい。例えば、ダウンジャケット基布の場合は、機能付与として、カレンダー加工、撥水加工を施す。カレンダー加工は片面または両面に施してもよいし、染色加工工程のいかなる段階でも可能であるが、染色加工後に施されることが好ましい。撥水加工は、パラフィン系、フッ素樹脂系、シリコーン系樹脂等の撥水剤を用いて、パッド、コーティング、吸塵、ラミネートなどにより樹脂加工等を施す。
【0039】
本発明のポリアミド繊維および織編物は、その用途を限定されるものではないが、ウィンドブレーカー、ダウンジャケット、ゴルフウエアー、レインウエアなどに代表されるスポーツ、カジュアルウェアや婦人紳士衣料、インナーウエアなどの各種衣料用製品とすることができる。
【実施例】
【0040】
本発明を実施例で詳細に説明する。なお、実施例中の測定方法は以下の方法を用いた。
【0041】
A.硫酸相対粘度
試料0.25gを濃度98重量%の硫酸100mlに対して1gになるように溶解し、オストワルド型粘度計を用いて25℃での流下時間(T1)を測定した。引き続き、濃度98重量%の硫酸のみの流下時間(T2)を測定した。T2に対するT1の比、すなわちT1/T2を硫酸相対粘度とした。
【0042】
B.総繊度
総繊度は、JIS L 1013(2010)8.3.1A法により、所定荷重0.045cN/dtexで正量繊度を測定して、総繊度(dtex)とした。単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で除した値を、単繊維繊度(dtex)とした。
【0043】
試料を枠周1.125mの検尺機にて200回巻カセを作成し、熱風乾燥機にて乾燥後(105±2℃×60分)、天秤にてカセ重量を量り公定水分率を乗じた値から繊度を算出した。測定は4回行い、平均値を繊度とした。また、得られた繊度をフィラメント数で割り返した値を単繊維繊度とした。
【0044】
C.強度および伸度
オリエンテック(株)製“TENSILON”UCT-100を測定機器として用い、JIS L1013(1953年制定、2010年改訂(化学繊維フィラメント糸試験方法)に示される定速伸長条件で測定した。伸度は、引張強さ-伸び曲線における最大強力を示した点の伸びから求めた。また、強度は、最大強力を繊度で除した値を強度とした。測定は10回行い、その平均値を強度および伸度とした。
【0045】
D.剛直非晶量
剛直非晶量は、TA Instruments社製Q1000を測定機器として用いて測定した。示査走査熱量測定(以下、DSCと略す)測定から得られた融解熱量と冷結晶化熱量の差(ΔHm-ΔHc)、温度変調DSC測定から得られた比熱差(ΔCp)、さらに、ポリアミドが100%結晶(完全結晶)の理論値とポリアミドが100%非晶(完全非晶)の理論値を用いる。ここで、ΔHm0は、ポリアミド(完全結晶)の溶融熱量である。また、ΔCp0は、ポリアミド(完全非晶)のガラス転移温度(Tg)前後での比熱差である。
【0046】
式(1)、(2)に基づいて、結晶化度(Xc)、可動非晶量(Xma)を求めた。さらに、式(3)より剛直非晶量(Xra)を算出した。なお、剛直非晶量は、これらを2回測定した平均値より算出した。
(1)Xc(%)=(ΔHm-ΔHc)/ΔHm0×100
(2)Xma(%)=ΔCp/ΔCp0×100
(3)Xra(%)=100-(Xc+Xma) 。
【0047】
DSCおよび温度変調DSCの測定条件を以下に示す。
【0048】
(DSC 測定)
測定装置 :TA Instruments 社製 Q1000
データ処理 :TA Instruments 社製 Universal Analysis 2000
雰囲気 :窒素流(50 mL/min)
試料量 :約10 mg
試料容器 :アルミニウム製標準容器
温度・熱量校正:高純度インジウム(Tm=156.61℃、ΔHm=28.71 J/g)
温度範囲 :約-50~300℃
昇温速度 :10℃/min 1回目の昇温過程(ファーストrun)
(温度変調DSC測定)
装置 :TA Instruments 社製 Q1000
データ処理 :TA Instruments 社製 Universal Analysis 2000
雰囲気 :窒素流(50 mL/min)
試料量 :約5 mg
試料容器 :アルミニウム製標準容器
温度・熱量校正:高純度インジウム(Tm=156.61℃、ΔHm=28.71 J/g)
温度範囲 :約-50~210℃
昇温速度 :2℃/min
E.アミノ末端基量
乾燥処理を行なったポリアミドチップまたは繊維試料1gを精秤し、フェノール・エタノール混合溶媒(83.5:16.5、体積比)25mlに溶解後、0.02N塩酸水溶液を用いて中和滴定した際の滴定からアミノ末端基量を測定した。なお、本明細書中のアミノ末端基量数値は、×10-5mol/gで表す。
【0049】
F.酸化チタン含有量
ルツボを800℃とした電気炉中で空焼きし、冷却後精秤(A1)する。このルツボに絶乾した試料を量りとり(S)、電気炉で加熱しながら試料を炭化させる。試料は、原料チップまたは繊維試料で行う。次いで、該ルツボを電気炉中、800℃で恒温になるまで焼き、冷却精秤(A2)する。このようにして測定した結果より、酸化チタンの含有率は、下記に示す方法で求めた。
酸化チタン含有率(%)=(A2-A1)/S×100 。
【0050】
G.布帛作製 (H.項およびI.項の測定における試料の製作)
英光産業(株)製筒編み機NE450Wを用い、2本給糸で筒編み地を作成した。得られた筒編み地を精練後、170℃×1分の条件で中間セットし、含金染料(lanasyn black M-DL 170 5%owf)にて100℃×30分の条件で染色・Fix処理を施した後、160℃×1分の条件で仕上げセットを行なった。
【0051】
H.発色性
上記G項で得られた布帛を、スガ試験機(株)製カラーメーターSM-Tを用いて、L値を3回測定した平均値より算出した。L値とは、光学パラメータの明度に関するもので、L値が大きいほど白色となる。濃色の発色性の評価は、L値が小さいほうが好ましい。
【0052】
L値の結果判定については、下記に示す範囲を基準とし、C以上を合格とした。
【0053】
A:13未満
B:13以上~16未満
C:16以上~19未満
D:19以上 。
【0054】
I.堅牢性
上記G項で得られた布帛を、JIS L0844(洗濯堅牢度試験方法)に示されるA-2法で測定し、変退色について級判定を実施した。結果判定については、3級以上を合格とした。
【0055】
(実施例1)
ポリアミドとして、アミノ末端基量が9.0×10-5mol/gになるように調整し、容量200リットルの重合反応装置にε-カプロラクタムの85%水溶液を175kg、ヘキサメチレンジアミンを460g、酸化チタンの20%水溶液を12.5kg仕込み溶解させ、均一な溶液にした。重合反応装置内を窒素シールした後、反応装置の内圧が0.98MPaになるまで1時間で昇温させ、この圧力を維持したまま250℃まで昇温を続けた。250℃到達後、40分かけて大気圧になるまで放圧を行った。その後大気圧で、250℃で50分保持した後、ポリマーを吐出して冷却/カッティングし、ペレット状にした。このペレット中の未反応成分をペレットに対して20倍量の98℃の熱水で抽出し、真空乾燥機で乾燥した。得られたポリアミドチップの硫酸相対粘度(ηrと略する)は2.6、アミノ末端基量は9.0×10-5mol/g、酸化チタン含有量は1.85重量%であった。
上記のとおり得られたポリアミドチップを、紡糸温度260℃にて溶融し、吐出孔径0.20mm、孔長0.50mmの丸孔を68ホール有する紡糸口金から吐出させた。紡糸口金から糸条冷却装置までの間に長さ50mmの加熱筒を配して冷却開始距離を169mmに設定し、上層300℃、下層150℃に設定した筒内を通過させた糸条を、冷却装置にて冷風を吹き付けて冷却固化させ、給油装置により給油した後、交絡ノズル装置で交絡を付与し、引き取りローラーと表面温度155℃の延伸ローラー間の延伸倍率2.1倍にて延伸、延伸ローラーとワインダー間のリラックス率を1.0%として、巻取速度が4000m/minのワインダーで巻き取り、44dtex-34フィラメントのポリアミド繊維を得た。
得られたポリアミド繊維について、強度、伸度、剛直非晶量、アミノ末端基量、酸化チタン量を測定し、筒編地にて、染色性、堅牢性の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0056】
(実施例2)
ポリアミドのアミノ末端基量を7.7mol/gとなるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法でポリアミドチップを得た。
【0057】
上記のとおり得られたポリアミドチップを、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表1に示す。
【0058】
(実施例3)
ポリアミドのηrを3.3、アミノ末端基量を7.9mol/gとなるようにヘキサメチレンジアミン量および重合時間を調整した以外は実施例1と同様の製造方法でポリアミドチップを得た。
【0059】
上記のとおり得られたポリアミドチップを、延伸倍率2.0倍、リラックス率1.6%としたこと以外は、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表1に示す。
【0060】
(実施例4)
ポリアミドのアミノ末端基量を7.0mol/gとなるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法でポリアミドチップを得た。
上記のとおり得られたポリアミドチップを、延伸倍率1.9倍、リラックス率0.8%としたこと以外は、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表1に示す。
【0061】
(実施例5)
リラックス率1.5%としたこと以外は、実施例1と同様の条件にて、同様の測定、評価を行った結果を表1に示す。
【0062】
(実施例6)
リラックス率2.0%としたこと以外は、実施例1と同様の条件にて、同様の測定、評価を行った結果を表1に示す。
【0063】
(実施例7)
ポリアミドの酸化チタン含有量を0.40重量%となるように酸化チタン添加量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で得たポリカプロアミドを、延伸倍率1.8倍としたこと以外は、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表2に示す。
【0064】
(実施例8)
ポリアミドの酸化チタン含有量を5.00重量%となるように酸化チタン添加量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で得たポリカプロアミドを、延伸倍率2.5倍としたこと以外は、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表2に示す。
【0065】
(実施例9)
ポリアミドの酸化チタン含有量を0.10重量%となるように酸化チタン添加量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で得たポリカプロアミドを、延伸倍率1.7倍としたこと以外は、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表2に示す。
【0066】
(実施例10)
ポリアミドの酸化チタン含有量を9.00重量%となるように酸化チタン添加量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で得たポリカプロアミドを、延伸倍率2.8倍としたこと以外は、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表2に示す。
【0067】
(実施例11)
容量200リットルの重合反応装置にアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩の50%水溶液を300kg、ヘキサメチレンジアミンを575g、酸化チタンの20%水溶液を12.5kg仕込み溶解させ、均一な溶液にした。重合反応装置内を窒素シールした後、反応装置の内圧を0.2MPaを維持し、溶液中の水分が85wt%となるまで濃縮した。その後、反応装置の内圧が1.7MPaになるまで1時間で昇温させ、この圧力を維持したまま255℃まで昇温を続けた。255℃到達後、60分かけて大気圧になるまで放圧を行った。その後缶内圧力を-13kPaまで減じ30分間維持して重縮合反応を終了した。ポリマーを吐出して冷却/カッティングし、ペレット状にした。得られたポリアミドチップのηrは2.7、アミノ末端基量は9.0×10-5mol/g、酸化チタン含有量は1.85重量%であった。
上記のとおり得られたポリアミドチップを、紡糸温度290℃にて溶融したこと以外は、実施例1と同様の紡糸条件にて得られたポリアミド繊維を、同様の測定、評価を行った結果を表2に示す。
【0068】
(比較例1)
延伸倍率2.4倍、リラックス率3.0%としたこと以外は、実施例1と同様の条件にて、同様の測定、評価を行った結果を表3に示す。
【0069】
(比較例2)
ポリアミドのアミノ末端基量を5.1×10-5mol/gとなるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法で得た。ポリカプロアミドを、実施例1と同様の条件にて、同様の測定、評価を行った結果を表3に示す。
【0070】
(比較例3)
引き取りローラー速度が4545m/min、延伸倍率1.0倍、延伸ローラーの加熱なし、リラックス率1.0%、巻取速度4500m/minとしたこと以外は、実施例1と同様の条件にて、同様の測定、評価を行った結果を表3に示す。
【0071】
(比較例4)
ポリアミドのアミノ末端基量を7.5×10-5mol/gmol/gとなるようにヘキサメチレンジアミン量を調整した以外は実施例1と同様の製造方法でポリアミドチップを得た。ポリカプロアミドを、引き取りローラー速度が3550m/min、延伸倍率1.3倍、リラックス率2.5%、巻取速度4500m/minとしたこと以外は、実施例1と同様の条件にて、同様の測定、評価を行った結果を表3に示す。
【0072】
【0073】
【0074】
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明のポリアミド繊維は発色性が良く、且つ、堅牢性に優れているので、スポーツ、カジュアルウェアや婦人紳士衣料、インナーウエアなどの各種衣料用製品とすることができる。