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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】液面検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/36 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
G01F23/36
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019545125
(86)(22)【出願日】2018-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2018035410
(87)【国際公開番号】W WO2019065615
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】P 2017186858
(32)【優先日】2017-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】坂牧 明
【審査官】羽飼 知佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-139517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0192341(US,A1)
【文献】特開2016-102729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 23/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の液面の高さの変化に伴い回転軸を中心に回動する回動部材と、
前記回動部材を回動可能に支持する支持部材と、
前記回動部材に設けられる複数の電極と、
前記支持部材に設けられ、前記回動部材の回動位置に応じて前記複数の電極のうち摺動接触する電極が切り替わる接点部材と、を備え、
前記回動部材と前記支持部材との少なくとも一方に設けられ、前記複数の電極と前記接点部材とが摺動接触する部分に前記液体を流入させたうえで前記液体を前記支持部材および前記回動部材の外部に流出させて洗浄する流入出部を備え、
前記支持部材は、取付対象に位置決めする位置決め部を備え、
前記位置決め部は、前記複数の電極と前記接点部材とが摺動接触する部分の近傍に配置され、
前記位置決め部は、前記複数の電極と前記接点部材とが摺動接触する部分に連通させて前記流入出部を設け
前記位置決め部は、前記支持部材の表側から裏側に突き出すように配置され、
前記表側は、前記支持部材の前記回動部材と対向する側であり、
前記裏側は、前記支持部材の前記取付対象の側である、
ことを特徴とする液面検出装置。
【請求項2】
前記回動部材は、前記支持部材と対向する側壁面に前記流入出部を設ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
【請求項3】
前記流入出部は、複数の溝及び/または孔で構成される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液面検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液面検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、燃料タンクなどの容器内に貯蔵される液体の液面の高さを検出する液面検出装置が知られている。
例えば、特許文献1に開示されている液面検出装置は、液面の高さの変化に追従するフロートの動きに伴い回動するホルダと、このホルダを回動可能に支持するフレームと、ホルダに設けられる複数の電極を有する電極部と、フレームに設けられ、ホルダの回動位置に応じて電極部の電極のいずれかと摺動接触する接点部を備える端子と、を備える。この液面検出装置では、電極部の電極と端子の接点部とが摺動接触する位置による抵抗値の変化から電気的に液面を検出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-139516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された液面検出装置では、ホルダの電極部の電極とフレームの端子の接点部とが絶えず摺動接触しているため摩耗粉が発生し、摩耗粉が電極と接点部に堆積し、電極間が短絡したり、検出する液体の種類によっては、硫化物が生じ、硫化物の体積によって検出精度や信頼性の低下を招く虞がある。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、検出精度や信頼性の低下を招くことがない液面検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の液面検出装置は、
液体の液面の高さの変化に伴い回転軸を中心に回動する回動部材と、
前記回動部材を回動可能に支持する支持部材と、
前記回動部材に設けられる複数の電極と、
前記支持部材に設けられ、前記回動部材の回動位置に応じて前記複数の電極のうち摺動接触する電極が切り替わる接点部材と、を備え、
前記回動部材と前記支持部材との少なくとも一方に設けられ、前記複数の電極と前記接点部材とが摺動接触する部分に前記液体を流入させたうえで前記液体を前記支持部材および前記回動部材の外部に流出させて洗浄する流入出部を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、検出精度や信頼性の低下を招くことのない液面検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の液面検出装置の一実施の形態に係る概略斜視図である。
図2】本発明の一実施の形態に係る電極と接点部材との接触状態を説明する概略斜視図および回路基板の説明図である。
図3】本発明の一実施の形態に係る反転状態の概略斜視図である。
図4】本発明の一実施の形態に係るフレーム部分のみの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る液面検出装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
液面検出装置1は、図1及び図2に示すように、フロート10と、フロートアーム20と、アームホルダ(回動部材)30と、フレーム(支持部材)40と、回路基板50と、を備える。回路基板50は、複数の電極51,52備え、フレーム40は、電極51,52上を接触しながら摺動する接点部材46を備える。
【0010】
フロート10は、図示しない燃料タンク内の液体の液面に浮くように、 合成樹脂により中空状に形成される。フロート10は液体の液面の高さに応じて変位する。
【0011】
フロートアーム20は、金属により棒状に形成され、フロート10の位置に応じてアームホルダ30を回動させる。
フロートアーム20は、フロート10及びアームホルダ30の間に延びるL字状のアーム本体部21と、アーム本体部21の一端に位置しフロート10が装着される第1の屈曲部22と、アーム本体部21の他端に位置しアームホルダ30に装着する第2の屈曲部23と、を備える。第1の屈曲部22及び第2の屈曲部23は、それぞれL字状のアーム本体部21の平面に対して直角(紙面に直交する方向)に屈曲するように形成される。第2の屈曲部23は、フレーム40に対し回動可能に支持する回転軸Oを構成する。また、アーム本体部21は、液面検出装置1の燃料タンクなどへの取り付け位置によりその形状がL字状に限らず、適宜変更され、液面の高さの変化に応じて変位できる形状とされる。
【0012】
アームホルダ30は、回動部材の一例であり、図1図3に示すように、フロートアーム20を保持しつつ、フロートアーム20とともに回転軸Oを中心にフレーム40に対して回動する。アームホルダ30は、合成樹脂により略四角形と略三角形を一体に組み合わせた略ベース状に形成される。
アームホルダ30は、略三角形状の回動支持部31と、略四角形状の本体部32と、を備え、本体部32は、内側の基板保持部33と、外側のアーム保持部34と、を備える。
【0013】
回動支持部31は、図2および図3に示すように、略三角形の外側面に対し間隔を隔てて三角形の頂点部分を外側から覆うようにコ字状に形成され、コ字状の対向面(内側面)に軸受孔31aが形成されている。回動支持部31の対向するコ字状の部分の間には、後述するフレーム40が配置され、軸受孔31aには、フロートアーム20の第2の屈曲部23が外側から挿入され、回動支持部31の内側に第2の屈曲部23の先端が突出している。第2の屈曲部23の先端には、抜け止め機能を有する固定金具31bが設けられる。
これにより、回動支持部31のコ字状の部分の間に位置するフレーム40からアームホルダ30及びフロートアーム20の第2の屈曲部23が外れることを防止する。
【0014】
四角形状の本体部32の内側は、図2に示すように、基板保持部33が形成されており、アームホルダ30の内側に凹部として形成され、長方形板状をなす回路基板50をその周囲で保持する。基板保持部33は、回路基板50の周囲3辺を係止する係止部33aが一体に形成されており、残りの一辺を凹部側壁面に接触させることで回路基板50を保持する。
【0015】
本体部32の外側のアーム保持部34は、図1に示すように、本体部32の中央部に沿って回動支持部31の三角形の頂点から底辺方向に把持部34aが配置される。把持部34aは、本体部32と一体に形成され、アーム本体部21を把持する。把持部34aは、アーム本体部21の外形に応じた円筒部を備え、円筒部の側方が開口して形成されている。これにより、把持部34aの開口から弾性変形させて、アーム本体部21を押し込んで円筒部に装着することで、アームホルダ30にフロートアーム20が把持され、フロートアーム20の動きと一体にアームホルダ30が回動する。
【0016】
本体部32には、図2に示すように、アームホルダ30の回動範囲を規制するホルダ側ストッパ部35が一体に形成され、後述するフレーム40のストッパ部43と当接することでアームホルダ30の回動範囲を規制する。ホルダ側ストッパ部35は、基板保持部33より内側(フレーム40側、図2では、上方)に突き出して形成された側壁部分が利用され、略四角形状の本体部32の回動支持部31から遠い一方(フロート10に近い方)の直角部分の端面35aと、直角部分に設けた溝部の端面35bがストッパ面とされる。
【0017】
フレーム40は、図3に示すように、略四角形状のフレーム本体部41を備え、フレーム本体部41には、表裏を仕切る仕切部の両側に収容凹部45が形成されている。フレーム本体部41の表側(アームホルダ30と対向する側)に収容凹部45aが形成されている。裏側の収容凹部45b内には、一対の接点部材46が収容されている。また、フレーム40は、アームホルダ30が装着された状態において、フレーム40の収容凹部45b内の接点部材46と、フレーム40に回動可能に取り付けられたアームホルダ30の基板保持部33とが対向するよう配置される。これにより、接点部材46と回路基板50の複数の電極51,52とが摺動接触可能な状態となる。
【0018】
軸受部42は、アームホルダ30を回動可能に支持するためのものであり、フレーム本体部41の側方に突き出した位置に形成される。軸受部42は、貫通孔を備え、アームホルダ30のコ字状の回動支持部31の間に装着され、アームホルダ30の回動支持部31の外側からフロートアーム20の第2の屈曲部23が回転軸Oとして挿入される。これにより、フレーム40に対し、アームホルダ30が回転軸Oを中心として回動可能に支持される。
【0019】
一対の接点部材46は、図2に示すように、アームホルダ30の基板保持部33に保持された回路基板50の複数の電極51,52(図2(b)参照)に向かって平行に延びて配置されている。各接点部材46は、導体、例えば洋白により、略櫛状に形成される。例えば、一対の接点部材46は、フレーム40を構成する合成樹脂にインサート成形される。
各接点部材46は、アームホルダ30の回動位置に応じて、回路基板50の複数の電極51,52の何れかに接触する接点46aと、配線コード47が接続される端子部46bと、を備える。接点46aはアームホルダ30側に近い各接点部材46の一端側(液面検出装置1の内側)に位置し、端子部46bはアームホルダ30から遠い各接点部材46の他端側(液面検出装置1の外側)に位置する。フレーム40に対してアームホルダ30が回転すると、回路基板50上の複数の電極51の一方のうち接点46aが接触する電極51が切り替わる。
端子部46bは、配線コード47を介して図示しない外部装置に接続される。
これにより、液面検出装置1は、フロート10の位置に応じた出力信号を端子部46bに接続された配線コード47を介してこの外部装置に出力する。外部装置は、この出力信号を受けて、フロート10の位置、すなわち液面の高さを認識する。
【0020】
フレーム40側のストッパ部43は、図1および図3に示すように、アームホルダ30のホルダ側ストッパ部35の端面35aと溝部の端面35bとそれぞれ接触することで、アームホルダ30の回動範囲を規制する。
ストッパ部43は、フレーム本体部41の側壁部に回転軸Oを中心とした所定の角度だけ離間する2箇所に配置される。各ストッパ部43は、ホルダ側ストッパ部35の両側の端面35a,35bが接触するストッパ面43aを有する。
【0021】
ストッパ部43は、両側のストッパ面43aで規制する許容回動範囲(回動角度)を超えた場合に、アームホルダ30の離脱を防止する離脱防止部43bを備える。離脱防止部43bは、各ストッパ面43aの外側端部に突き出して形成され、回動範囲を越えて回動するホルダ側ストッパ部35を当てることで回動を規制し、アームホルダ30が乗り越えて離脱することを防止する。
【0022】
取付部44は、フレーム40の表側から裏側に突き出すように配置され、図示しない取付対象(例えば、燃料タンク内の燃料ポンプモジュールなど)に取り付けるためのものである。これにより、フレーム40を介して液面検出装置1を取付対象に設ける図示しない取付板に固定することができる。
取付部44は、フレーム40の左右両側及び先端側(フロート10側)に設けた3つのフック部44aと、フレーム40の中央部から突出する先端側と基端側(先端側と反対のフロート10から離れた側)の2つの位置決め部44bとを備えている。フック部44aは、外側に向けて係止爪が形成され、取付対象に固定された取付板に係止される。先端側の位置決め部44bは、接点部材46の接点46aの近傍に配置されており、この位置決め部44bに、後述する流入出部60が形成される。これにより、2つの位置決め部44bで位置決めし、これと交差する両側のフック部44aと先端側のフック部44aの3つで図示しない取付対象に固定された取付板に係止することで、所定の位置に固定することができる。
【0023】
回路基板50は、図2に示すように、硬質のプリント基板からなり、長方形板状に形成されている。回路基板50は、上述したアームホルダ30の基板保持部33の係止部33aによりアームホルダ30の後面に固定されている。回路基板50の後面には、複数の電極51,52が形成されており、複数の電極51,52に抵抗体53が電気的に接続されている。これにより、フレーム40に対するアームホルダ30の回転位置に応じて複数の電極51のうち接点部材46の接点46aが接触する電極51が切り替わる。
【0024】
この液面検出装置1では、アームホルダ(回動部材)30とフレーム(支持部材)40との少なくとも一方に液面の検出対象である液体の流入出部60が設けられる(図2および図3参照)。流入出部60は、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に液体を流入させたうえで液体をフレーム(支持部材)40およびアームホルダ(回動部材)30の外部に流出させて洗浄することで、摩耗粉や液体によって生成される硫化物などによる電気的な接続に対する信頼性を向上するためものである。
流入出部60は、図2および図3に示すように、アームホルダ30のフレーム40と対向する側壁面やフレーム40のアームホルダ30と対向する側壁面、さらに、フレーム40の中間部を仕切る仕切面に形成する。
また、流入出部60は、位置決め部44bに設けることで、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に連通させるようにしても良い。
こうすることで、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に近いことから、流入する液体の流入量を多くでき、摩耗粉等の堆積をより効果的に抑えることができる。
また、流入出部60は、例えば図示した複数の溝で構成する場合に限らず、孔として形成するようにしたり、溝及び孔を組み合わせても良いが、溝とすることで、合成樹脂による金型成形を容易とすることができる。
【0025】
このように構成した液面検出装置1では、次のようにして液面の検出が行われる。
液面検出装置1を、図示しない燃料タンク内の液体に浸漬可能な状態で、図示しない取付板を介してフレーム40の取付部44で固定する。
燃料タンク内の液体の液面の高さが変位することによりフロート10が変位する。このフロート10の変位によりフロートアーム20を介してアームホルダ30が回動する。
すると、回路基板50上の複数の電極51の一方のうち接点46aが接触する電極51が切り替わり、フロート10の位置に応じた出力信号を端子部46bに接続された配線コード47を介して外部装置に出力する。
外部装置は、この出力信号を受けて、フロート10の位置、すなわち液面の高さを認識する。
このようなフロート10の位置が変位すると、アームホルダ30の基板保持部33の回路基板50の複数の電極51,52と、フレーム40の接点部材46との摺動接触が生じ、これによって摩耗粉が発生し、堆積する。また、摺動接触する部分に燃料の種類によっては、硫化物が生成され、堆積することがある。なお、摺動接触は、液面の変位だけでなく、フロート10に加わる車両などからの振動などによっても、同様に生じる。
一方、この液面検出装置1では、アームホルダ(回動部材)30とフレーム(支持部材)40との少なくとも一方に、液面の検出対象である液体の流入出部60が設けてあり、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に液体を流入させたうえで液体をフレーム(支持部材)40およびアームホルダ(回動部材)30の外部に流出させる。
これにより、摩耗粉や液体によって生成される硫化物などを洗い流してアームホルダ30やフレーム40の外部に流出させることができ、堆積物による電気的な接続に対する影響を抑えることができる。
したがって、検出精度や信頼性の低下を招くことがない液面検出装置1を提供することができる。
【0026】
また、流入出部60を、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に近い取付部44の位置決め部44bに形成することで、摺動接触する部分に流入する液体の量を多くすることが可能となり、一層効率的に摩耗粉や硫化物の堆積を防止することができ、検出精度や信頼性の高い液面検出装置1とすることができる。
【0027】
また、流入出部60は、溝及び/または孔(溝及び孔の組み合わせ、溝のみ、あるいは孔のみ)で構成することができ、合成樹脂の金型成形で形成することができ、特に溝で構成する場合には、金型設計が容易となる。
このような溝及び/または孔で流入出部60を設けることで、簡単に、摺動接触する部分に液体を流入させて、摩耗粉や硫化物の堆積を防止することができ、検出精度や信頼性の高い液面検出装置1とすることができる。
【0028】
以上、実施の形態と共に、具体的に説明したように、本発明の液面検出装置1によれば、液体の液面の高さの変化に伴い回転軸Oを中心に回動するアームホルダ(回動部材)30と、アームホルダ30を回動可能に支持するフレーム(支持部材)40と、アームホルダ30に設けられる複数の電極51,52と、フレーム40に設けられ、アームホルダ30の回動位置に応じて複数の電極51,52のうち摺動接触する電極51が切り替わる接点部材46と、を備え、アームホルダ30とフレーム40との少なくとも一方に設けられ、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に液体を流入させたうえで液体をフレーム40およびアームホルダ30の外部に流出させて洗浄する流入出部60を備えているので、流入出部60から流入する液体で摩耗粉や液体によって生成される硫化物などを洗い流すことができ、洗い流した摩耗紛や硫化物を流入出部60からアームホルダ30やフレーム40の外部に流出させることができる。なお、燃料タンク内に残る摩耗粉や硫化物は、フィルタで分離され、燃料計への混入は防止される。
これにより、堆積物による電気的な接続に対する影響を除去し、検出精度や信頼性を向上することができる。
【0029】
本発明の液面検出装置1によれば、フレーム(支持部材)40は、取付対象部に位置決めする位置決め部44bを備え、位置決め部44bには、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に連通させて流入出部60を設けたので、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動接触する部分に近い位置決め部44bに流入出部60を形成することで、摺動接触する部分に流入する液体の量を多くすることが可能となる。
これにより、一層効率的に摩耗粉や硫化物の堆積を防止することができ、検出精度や信頼性の高い液面検出装置1とすることができる。
【0030】
本発明の液面検出装置1によれば、流入出部60は、複数の溝及び/または孔で構成されることで、簡単に、摺動接触する部分に液体を流入させて、摩耗粉や硫化物の堆積を防止することができ、特に溝で構成する場合には、金型設計が容易となる。
【0031】
なお、本発明の液面検出装置1は、上記実施の形態に限定するものではなく、これを適宜変更して実施するようにしても良い。
【0032】
上記実施の形態においては、アームホルダ30とフレーム40とが対向する側壁面に流入出部60を形成するようにしたが、これに限らず、アームホルダ30やフレーム40の表裏方向に貫通する流入出部60を形成しても良く、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動する部分に液体を流入させ、その後流出させることができるものであればよい。
また、液面検出装置1を取り付けるための図示しない取付板に流入出部60を形成することで、複数の電極51,52と接点部材46とが摺動する部分に液体を流入させ、その後流出させて洗浄するようにすることもできる。
さらに、流入出部60は、少なくとも1個形成すれば良く、形成位置もアームホルダ30のみ、フレーム40のみ、あるいは位置決め部44bのみとしたり、複数形成する場合には、形成位置は、これらを組み合わせて形成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 液面検出装置
10 フロート
20 フロートアーム
21 アーム本体部
22 第1の屈曲部
23 第2の屈曲部
30 アームホルダ(回動部材)
31 回動支持部
31a 軸受孔
31b 固定金具
32 本体部
33 基板保持部
33a 係止部
34 アーム保持部
34a 把持部
35 ホルダ側ストッパ部
35a 端面
35b 溝部の端面
40 フレーム(支持部材)
41 フレーム本体部
42 軸受部
43 ストッパ部
43a ストッパ面
43b 離脱防止部
44 取付部
44a フック部
44b 位置決め部
45 収容凹部
45a 表側の収容凹部
45b 裏側の収容凹部
46 接点部材
46a 接点
46b 端子部
47 配線コード
50 回路基板
51 電極
52 電極
53 抵抗体
60 流入出部
O 回転軸
図1
図2
図3
図4