(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】表示制御装置及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20221109BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20221109BHJP
B60W 30/12 20200101ALI20221109BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20221109BHJP
B60W 30/165 20200101ALI20221109BHJP
【FI】
B60W50/14
B60K35/00 A
B60W30/12
B60W60/00
B60W30/165
(21)【出願番号】P 2020079729
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】P 2019146666
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100106149
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】竹森 大祐
(72)【発明者】
【氏名】柳生 明彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 泰博
(72)【発明者】
【氏名】小島 一輝
(72)【発明者】
【氏名】間根山 しおり
【審査官】齊藤 彬
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-103863(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187622(WO,A1)
【文献】特開2018-140714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御装置であって、
前記ヘッドアップディスプレイが表示する画像を生成する画像生成部(102)と、
前記画像生成部が生成した画像を前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる表示制御部(104)と
を備え、
前記画像生成部は、
前記車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が前記車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能
が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成し、
前記車線維持制御機能が前記車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成し、
前記第2の画像コンテンツには、前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツ及び前記前走車を強調する画像コンテンツが含まれ、
前記表示制御部は、
前記第1の画像コンテンツを有する画像及び前記第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させ
、
前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行される場合に、
前記前走車を強調する画像コンテンツを有する画像を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させた後、
前記前走車を強調する画像コンテンツ及び前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツを有する画像を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる、
表示制御装置。
【請求項2】
前記第1の画像コンテンツには、前記車両の走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツ及び前記車両の走行車線の中央を示す画像コンテンツの少なくとも一方が含まれる、請求項
1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は
、走行車線の両側の道路線が検出されない状態が継続し、かつ、前記前走車が存在する場合に、前記第2の画像コンテンツを有する画像を前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる、請求項1
又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記ヘッドアップディスプレイに対し、前記第2の画像コンテンツを表示させる場合、前記第1の画像コンテンツを点滅表示させた後、前記第2の画像コンテンツを表示させる、請求項1~
3のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第1の画像コンテンツ
が走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツであり、前記第2の画像コンテンツが前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツである場合において
、道路線に基づいて実行されている前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されるとき、
前記画像生成部は
、走行車線の道路線に沿って表示される前記第1の画像コンテンツが、前記第2の画像コンテンツが示す前記前走車の走行軌跡の位置まで連続的に移動する遷移画像を生成し、
前記表示制御部は、前記ヘッドアップディスプレイに対し、前記遷移画像を提供して表示させた後、前記前走車の走行軌跡を示す前記第2の画像コンテンツを有する画像を提供して表示させる、請求項
2に記載の表示制御装置。
【請求項6】
車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御装置であって、
前記ヘッドアップディスプレイが表示する画像を生成する画像生成部(102)と、
前記画像生成部が生成した画像を前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる表示制御部(104)と
を備え、
前記画像生成部は、
前記車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が前記車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成し、
前記車線維持制御機能が前記車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成し、
前記第1の画像コンテンツには、前記車両の走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツ及び前記車両の走行車線の中央を示す画像コンテンツの少なくとも一方が含まれ、
前記表示制御部は、
前記第1の画像コンテンツを有する画像及び前記第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させ、
前記第1の画像コンテンツが走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツであり、前記第2の画像コンテンツが前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツであ
り、道路線に基づいて実行されている前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されるとき、
前記画像生成部は、走行車線の道路線に沿って表示される前記第1の画像コンテンツが、前記第2の画像コンテンツが示す前記前走車の走行軌跡の位置まで連続的に移動する遷移画像を生成し、
前記表示制御部は、前記ヘッドアップディスプレイに対し、前記遷移画像を提供して表示させた後、前記前走車の走行軌跡を示す前記第2の画像コンテンツを有する画像を提供して表示させる、
表示制御装置。
【請求項7】
前記第2の画像コンテンツには、前記前走車を強調する画像コンテンツが含まれる、請求項
6に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記第2の画像コンテンツには、前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツが含まれる、請求項
6に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツは、前記前走車の幅方向の両端部及び前記前走車の幅方向の中心位置のいずれか一方から前記車両に向かって延在する画像コンテンツであり
、走行車線の路面に重畳するように表示される、請求項
1~5,8のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記画像生成部は、前記車両の走行速度を制御する車速制御機能が前記前走車を追従する制御を実行している場合に、追従対象となる前記前走車があることを示す第3の画像コンテンツを有する画像を生成し、
前記前走車を強調する画像コンテンツは、前記第3の画像コンテンツと関連する様態である請求項
1~
5,7~9のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項11】
前記車線維持制御機能
が道路線に基づいて実行されている状態から、前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されている状態に遷移予定であるとき、
前記画像生成部は、前記車線維持制御機能によ
る道路線の認識が中断した旨を示す第1の補助コンテンツを前記第1の画像コンテンツとともに有する画像を生成し、
前記表示制御部は、前記第1の画像コンテンツ及び前記第1の補助コンテンツを有する画像を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる、請求項1
~10のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項12】
前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されている状態か
ら、道路線に基づいて実行されている状態に遷移予定であるとき、
前記画像生成部は、前記車線維持制御機能によ
る道路線の認識が再開された旨を示す第2の補助コンテンツを前記第2の画像コンテンツとともに有する画像を生成し、
前記表示制御部は、前記第2の画像コンテンツ及び前記第2の補助コンテンツを有する画像を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる、請求項1
~11のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項13】
車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御プログラムであって、少なくとも1つのプロセッサ(110)に対し、
前記車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が前記車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能
が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S102)、
前記車線維持制御機能が前記車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S107)、
前記第1の画像コンテンツを有する画像及び前記第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示さ
せ(S103,S108)
、
前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行される場合に、
前記前走車を強調する画像コンテンツを有する画像を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させた後、
前記前走車を強調する画像コンテンツ及び前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツを有する画像を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる
ことを含む処理を実行させる、表示制御プログラム。
【請求項14】
車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御プログラムであって、少なくとも1つのプロセッサ(110)に対し、
前記車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が前記車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S102)、
前記車線維持制御機能が前記車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S107)、
前記第1の画像コンテンツには、前記車両の走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツ及び前記車両の走行車線の中央を示す画像コンテンツの少なくとも一方が含まれ、
前記第1の画像コンテンツを有する画像及び前記第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、前記ヘッドアップディスプレイに提供して表示させ(S103,S108)、
前記第1の画像コンテンツが走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツであり、前記第2の画像コンテンツが前記前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツであ
り、道路線に基づいて実行されている前記車線維持制御機能が前記前走車の走行軌跡に基づいて実行されるとき、
走行車線の道路線に沿って表示される前記第1の画像コンテンツが、前記第2の画像コンテンツが示す前記前走車の走行軌跡の位置まで連続的に移動する遷移画像を生成し、
前記ヘッドアップディスプレイに対し、前記遷移画像を提供して表示させた後、前記前走車の走行軌跡を示す前記第2の画像コンテンツを有する画像を提供して表示させる、
ことを含む処理を実行させる、表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘッドアップディスプレイを制御する表示制御装置及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたヘッドアップディスプレイの表示を制御する種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1が開示する車両用表示装置は、自車の走行位置から誘導地点までの経路を示す誘導表示を、運転者の前方視界に重畳表示させることにより、目的地までの経路を運転者に提供することを意図している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両を走行車線内に維持して走行させる車線維持制御機能が実用化されている。車線維持制御機能には、走行車線の道路線に基づいて車両の走行を制御する運転制御モードと、前走車の走行軌跡に基づいて車両の走行を制御する運転制御モードとがある。
【0005】
しかしながら、特許文献1が開示する走行制御装置は、運転者に対して目的地までの経路を提供する技術であるため、車線維持制御機能が走行車線の道路線及び前走車の走行軌跡のいずれに基づいて実行されているのか、運転者に通知することができない。そのため、車線維持制御機能を実行している車両を運転者が利用している場合、車線維持制御機能が走行車線の道路線及び前走車の走行軌跡のいずれに基づいて実行されているのか、運転者が知ることができず、運転者の利便性が低いという問題があった。
【0006】
本開示は、上記問題点を鑑みてされたものであり、ヘッドアップディスプレイが搭載された車両の車線維持制御機能に関する運転者の利便性を向上させることが可能な表示制御装置及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の一態様に係る車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御装置は、ヘッドアップディスプレイが表示する画像を生成する画像生成部(102)と、画像生成部が生成した画像をヘッドアップディスプレイに提供して表示させる表示制御部(104)とを備え、画像生成部は、車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成し、車線維持制御機能が車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成し、第2の画像コンテンツには、前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツ及び前走車を強調する画像コンテンツが含まれ、表示制御部は、第1の画像コンテンツを有する画像及び第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させ、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行される場合に、前走車を強調する画像コンテンツを有する画像を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させた後、前走車を強調する画像コンテンツ及び前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツを有する画像を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させる。
また、本開示の一態様に係る車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御装置であって、ヘッドアップディスプレイが表示する画像を生成する画像生成部(102)と、画像生成部が生成した画像をヘッドアップディスプレイに提供して表示させる表示制御部(104)とを備え、画像生成部は、車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成し、車線維持制御機能が車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成し、第1の画像コンテンツには、車両の走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツ及び車両の走行車線の中央を示す画像コンテンツの少なくとも一方が含まれ、表示制御部は、第1の画像コンテンツを有する画像及び第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させ、第1の画像コンテンツが走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツであり、第2の画像コンテンツが前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツであり、道路線に基づいて実行されている車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されるとき、画像生成部は、走行車線の道路線に沿って表示される第1の画像コンテンツが、第2の画像コンテンツが示す前走車の走行軌跡の位置まで連続的に移動する遷移画像を生成し、表示制御部は、ヘッドアップディスプレイに対し、遷移画像を提供して表示させた後、前走車の走行軌跡を示す第2の画像コンテンツを有する画像を提供して表示させる。
【0008】
また、本開示の一態様に係る車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御プログラムは、少なくとも1つのプロセッサ(110)に対し、車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S102)、車線維持制御機能が車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S107)、第1の画像コンテンツを有する画像及び第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させ(S103,S108)、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行される場合に、前走車を強調する画像コンテンツを有する画像を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させた後、前走車を強調する画像コンテンツ及び前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツを有する画像を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させることを含む処理を実行させる。
また、本開示の一態様に係る車両(A)に設置されたヘッドアップディスプレイ(13)の表示を制御する表示制御プログラムは、少なくとも1つのプロセッサ(110)に対し、車両を走行車線内で走行させる車線維持制御機能が車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S102)、車線維持制御機能が車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツを有する画像を生成させ(S107)、第1の画像コンテンツには、車両の走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツ及び車両の走行車線の中央を示す画像コンテンツの少なくとも一方が含まれ、第1の画像コンテンツを有する画像及び第2の画像コンテンツを有する画像のいずれか一方を、ヘッドアップディスプレイに提供して表示させ(S103,S108)、第1の画像コンテンツが走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツであり、第2の画像コンテンツが前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツであり、道路線に基づいて実行されている車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されるとき、走行車線の道路線に沿って表示される第1の画像コンテンツが、第2の画像コンテンツが示す前走車の走行軌跡の位置まで連続的に移動する遷移画像を生成し、ヘッドアップディスプレイに対し、遷移画像を提供して表示させた後、前走車の走行軌跡を示す第2の画像コンテンツを有する画像を提供して表示させることを含む処理を実行させる。
【0009】
これらの態様では、車線維持制御機能が車両の走行車線の道路線に基づいて実行されている場合、車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツが、ヘッドアップディスプレイによって表示される。一方、車線維持制御機能が車両の前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツが、ヘッドアップディスプレイによって表示される。そのため、運転者は、自身の前方に表示された画像を視認することにより、車線維持制御機能が、走行車線の道路線及び前走車の走行軌跡のいずれに基づいて実行されているのか把握することができる。これにより、運転者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】車両に設置されるヘッドアップディスプレイ装置の一例を示す図である。
【
図4】表示制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】表示制御装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】画像生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第1の実施形態に係る第1の運転制御モード時の仮想三次元空間の一例を示す平面図である。
【
図8】第1の実施形態に係る第1の運転制御モード時の表示画像の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る第2の運転制御モード時の仮想三次元空間の別の例を示す平面図である。
【
図10】第1の実施形態に係る第2の運転制御モード時の表示画像の一例を示す図である。
【
図11】第1の実施形態に係る第2の運転制御モード時の表示画像の別の例を示す図である。
【
図12】第1の実施形態に係る第2の運転制御モード時の表示画像の他の例を示す図である。
【
図13】第2の実施形態に係る第1の運転制御モード時の表示画像の一例を示す図である。
【
図14】第2の実施形態に係る第2の運転制御モード時の表示画像の一例を示す図である。
【
図15】第2の実施形態に係る第2の運転制御モード時の表示画像の別の例を示す図である。
【
図16】第2の実施形態に係る第2の運転制御モード時の表示画像の他の例を示す図である。
【
図17】HUD装置の画角とフロントカメラの検出範囲CDAとの関係の一例を説明するための図である。
【
図18】第3の実施形態に係る第1の運転制御モードでの表示画像の一例を示す図である。
【
図19】第1の運転制御モードから第2の運転制御モードへの移行予定を通知する予告通知画像の一例を示す図である。
【
図20】第2の運転制御モードでの表示画像の一例を示す図である。
【
図21】第2の運転制御モードでの表示画像の別の例を示す図である。
【
図22】第2の運転制御モードでの表示画像の別の例を示す図である。
【
図23】第2の運転制御モードから第1の運転制御モードへの移行予定を通知する予告通知画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1の実施形態>
以下、
図1~
図12を参照して、本開示の第1の実施形態について説明する。車載システム1は、HMI(Human Machine Interface)システム10を主体として含む。さらに、車載システム1は、周辺監視装置20と、ロケータ30と、DCM(Data Communication Module)40と、運転支援ECU(Electronic Control Unit)50とを含む。これらのノードは、通信バス60を介して、相互にデータを通信する。これら装置及びECUのうちの特定ノード同士は、相互に直接的に電気接続され、通信バス60を介することなく通信を実施可能であってよい。
【0012】
なお、以下の説明における前後(
図2 前方Ze及び後方Go参照)及び左右(
図2 側方Yo参照)の各方向は、水平面上に静止させた車両Aを基準として規定される。具体的に、前後方向は、車両Aの長手方向(進行方向)に沿って規定される。また左右方向は、車両Aの幅方向に沿って規定される。さらに、上下(
図2 上方Ue及び下方Si参照)の方向は、前後方向及び左右方向を規定した水平面の鉛直方向に沿って規定される。また、記載の簡略化のため、各方向を示す符号の記載を適宜省略する場合がある。
【0013】
周辺監視装置20は、車両Aの周辺環境を監視する装置である。周辺監視装置20は、フロントカメラ21と、ミリ波レーダ22とを含む。フロントカメラ21は、車両Aの前方を撮影して撮影画像を生成し、当該撮影画像を、通信バス60を介して、運転支援ECU50及びHMIシステム10の表示制御装置100に送信する。ミリ波レーダ22は、ミリ波又は準ミリ波を用いて、車両Aの周辺の物体との距離、並びに当該物体の相対速度及び方位を算出し、これらの情報を、通信バス60を介して運転支援ECU50に送信する。
【0014】
ロケータ30は、車両Aの位置情報を生成する装置である。ロケータ30は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信器31と、慣性センサ32と、地図データベース(以下、地
図DBとする)33と、ロケータECU34とを含む。
【0015】
GNSS受信器31は、複数の測位衛星から送信された測位信号を受信する装置である。GNSS受信器31は、GPS、GLONASS、Galileo、IRNSS、QZSS、Beidou等の衛星測位システムを利用することができる。
【0016】
慣性センサ32は、車両Aの加速度及び角速度を検出する装置である。慣性センサ32の具体例として、加速度センサ及びジャイロセンサ等が挙げられる。
【0017】
地
図DB33は、ナビゲーション用の地図情報又は当該地図情報よりも高精度な地図情報(以下、高精度地図情報とする)が記録された記憶装置である。高精度地図情報には、道路の三次元形状を示す情報、道路線の位置情報、レーン数の情報、各レーンの進行方向を示す情報等の運転支援に利用可能な情報が含まれている。
【0018】
ロケータECU34は、プロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インタフェースを含むマイクロコンピュータを備える。ロケータECU34は、車両Aの各輪のハブ部分に設けられた車輪速センサの検出信号に基づいて、車両Aの速度情報を生成することができる。また、ロケータECU34は、GNSS受信器31で受信した測位信号、慣性センサ32の検出結果、及び車両Aの速度情報を用いて、車両Aの位置、進行方向及び姿勢情報(すなわち、ロール、ピッチ、ヨー)を逐次算出することができる。ロケータECU34は、算出した車両Aの速度情報、姿勢情報、位置情報及び方角情報を、通信バス60を通じて、他のノードに提供する。また、ロケータECU34は、地図情報を他のノードに提供することができる。
【0019】
DCM40は、車両Aに搭載される通信モジュールである。DCM40は、LTE(Long Term Evolution)及び5G等の通信規格に準拠した無線通信により、車両Aの周辺の基地局との間でデータを送受信する。DCM40は、最新の地図情報を保有するプローブサーバからインターネットを介して、当該地図情報を取得できる。ロケータECU34は、DCM40が取得した最新の地図情報を用いて、地
図DB33に格納されている地図情報を更新することができる。
【0020】
運転支援ECU50は、運転者の運転操作を支援するECUである。運転支援ECU50は、米国自動車技術会が規定する自動運転レベルにおいて、レベル2以下の部分的な自動走行制御を実現する。運転支援ECU50は、プロセッサ、ROM、RAM、及び入出力インタフェースを含むマイクロコンピュータを備える。プロセッサは、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより、ACC(Adaptive Cruise Control)制御部51及び車線維持制御部52を実現する。
【0021】
ACC制御部51は、車両Aの走行速度を制御可能なACCの機能(車速制御機能)を実現する機能部である。ACC制御部51は、周辺監視装置20が提供した撮影画像及び情報を用いて、運転者が指定した目標車速で車両Aを定速走行させる。加えて、ACC制御部51は、前走車を追従対象に設定し、車両Aと前走車との車間距離を維持しつつ、車両Aを前走車に追従走行させる。
【0022】
車線維持制御部52は、車両Aを走行車線内で走行させる車線維持制御機能を実現する機能部である。当該車線維持制御機能は、LTA(Lane Tracing Assist)及びLTC(Lane Trace Control)として知られている。車線維持制御機能には、少なくとも2つの運転制御モードが存在する。第1の運転制御モードは、走行車線の道路線に基づいて車両Aの走行(操舵操作)を制御する運転制御モードである。第2の運転制御モードは、前走車の走行軌跡に基づいて車両Aの走行(操舵操作)を制御する運転制御モードである。
【0023】
車線維持制御機能の状態には、OFF状態、待機状態及び実行状態の3種類がある。ACC機能が実行状態の場合において、運転者が車線維持制御機能の起動スイッチを押下すると、車線維持制御部52は、フロントカメラ21が提供した撮像画像を解析して、車両Aの前方及び前側方の走行車線の道路線の検出処理を開始する。すなわち、車線維持制御機能がOFF状態から待機状態に遷移する。
【0024】
車線維持制御部52は、車線維持制御機能が待機状態である場合に、車両Aの走行車線の両側の道路線を検出すると、車線維持制御機能が待機状態から実行状態に遷移し、車線維持制御部52は、第1の運転制御モードで車両Aの走行を制御する。すなわち、車線維持制御部52は、検出した両側の道路線に基づき、車両Aの操舵輪の舵角を制御して車両Aを走行車線内で走行させる。
【0025】
車線維持制御部52は、第1の運転制御モードで車両Aの走行を制御している場合に、車両Aの走行車線の両側の道路線を検出できないとき、車両Aの前方を撮影した撮像画像を解析して、前走車が存在するか否か判断する。前走車が存在する場合、車線維持制御部52は、第2の運転制御モードで車両Aの走行を制御する。すなわち、車線維持制御部52は、前走車の走行軌跡に基づき、車両Aの操舵輪の舵角を制御して車両Aを前走車に追従走行させる。
【0026】
車線維持制御部52は、表示制御装置100が前走車の走行軌跡を描画するために必要な情報を表示制御装置100に提供する。具体的には、車線維持制御部52は、前走車の車幅W、車両Aの車幅方向の中心位置CA、及び前走車の車幅方向の中心位置CBを表示制御装置100に提供する。車両Aの中心位置CAは、車両Aの前方端部における車幅方向の中心位置である。中心位置CBは、車両Aの中心位置CAに対する前走車の後方端部における車幅方向の中心位置である。前方道路がカーブしている場合、車線維持制御部52は、さらに当該前方道路によって規定される円の中心点CR、及び当該前方道路の曲率半径Rを表示制御装置100に提供する。車線維持制御部52は、周辺監視装置20が提供する撮影画像及び/又はロケータ30が提供する地図データ等に基づいて、これらの情報を導出することができる。
【0027】
車線維持制御部52は、(1)車線維持制御機能が待機状態から実行状態になった旨のステータス情報、を少なくとも表示制御装置100に提供する。加えて、車線維持制御部52は、(2)車両Aの走行車線の両側の道路線を検出した旨の検出情報、(3)車両Aの走行車線の両側の道路線を検出できなかった旨の非検出情報、及び(4)前走車が存在する旨の検出情報を、表示制御装置100に提供する。
【0028】
詳記すると、車線維持制御部52は、車両Aの走行車線の両側の道路線が検出されている間、走行車線の両側の道路線を検出した旨の検出情報を、各道路線の相対位置及び形状を示す検出情報とともに表示制御装置100に逐次提供する。また、車線維持制御部52は、車両Aの走行車線の両側の道路線が検出できない間、走行車線の両側の道路線を検出できない旨の情報を表示制御装置100に逐次提供する。さらに、車線維持制御部52は、前走車が検出されている間、前走車が存在する旨の検出情報を、前走車の相対位置及びサイズを示す検出情報とともに表示制御装置100に逐次提供する。加えて、車線維持制御部52は、フロントカメラ21の撮像画像の解析によって把握した前走車の走行軌跡を把握し、当該走行軌跡の座標情報を、表示制御装置100に逐次提供する。
【0029】
HMIシステム10は、車両Aと運転者との間のインタフェースを提供するシステムである。HMIシステム10は、DSM(Driver Status Monitor)11と、操作デバイス12と、表示制御装置100と、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display,以下、HUD)装置13とを含む。
【0030】
DSM11は、近赤外光源及び近赤外カメラと、これらを制御する制御部とを含む。DSM11は、運転席に着座した状態の運転者の顔を近赤外光源の近赤外光で照射でき、かつ、近赤外カメラで運転者の顔を撮影可能な位置に設置される。例えば、DSM11は、
図2に示すステアリングコラム部8の上面又はインスツルメントパネル9の上面等に設置することができる。近赤外カメラは、30fpm等の周期で運転者の顔を撮影し、撮像画像を生成する。制御部は、撮像画像を解析して運転者の視点位置EPを算出し、視点位置EPを示す視点位置情報を表示制御装置100に逐次提供する。
【0031】
操作デバイス12は、運転者による操作を受け付け可能な装置である。具体的には、ACCの起動及び停止の切り替えを行う装置、車線維持制御機能の起動及び停止の切り替えを行う装置等が挙げられる。操作デバイス12は、ステアリングホイールのスポーク部に設けられたステアスイッチ等によって実現することができる。
【0032】
表示制御装置100は、HUD装置13が投影する画像を生成し、当該画像をHUD装置13に提供して投影させる装置である。表示制御装置100の具体例としては、HCU(HMI Control Unit)等が挙げられる。表示制御装置100は、少なくとも1以上のプロセッサ110と、ROM等の不揮発性記憶装置120と、RAM等の揮発性記憶装置130と、入出力インタフェース140とを含むマイクロコンピュータを備える。
【0033】
プロセッサ110は、種々のプログラムを実行可能な演算装置である。プロセッサ110は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及びNPU(Neural network Processing Unit)等の少なくとも一つを含む。不揮発性記憶装置120には、本開示に係る表示制御プログラム等の種々のデータが保存される。プロセッサ110は、不揮発性記憶装置120にアクセスし、表示制御プログラムを揮発性記憶装置130に展開して実行することにより、本開示に係る表示制御方法を実行する。プロセッサ110は、入出力インタフェース140を介して、他のノードと種々のデータを通信することができる。
【0034】
HUD装置13は、車両Aの運転者の前方に画像を表示する装置である。
図2に示すように、HUD装置13は、ウィンドシールドWSの下方のインスツルメントパネル9内の収容空間に設置される。HUD装置13は、プロジェクタ14と、拡大光学系15とを備える。
【0035】
プロジェクタ14は、LCD(Liquid Crystal Display)パネル及びバックライトを備える。プロジェクタ14は、LCDパネルの表示面を拡大光学系15に向けた状態で固定される。プロジェクタ14は、表示制御装置100から提供された画像をLCDパネルに表示し、バックライトが当該LCDパネルに光を照射することにより、当該画像を形成する光を拡大光学系15へ射出する。
【0036】
拡大光学系15は、光反射性を有する金属を基材表面に蒸着させた凹面鏡を備える。拡大光学系15は、プロジェクタ14が射出した光を反射させ、ウィンドシールドWSに向かって投影する。ウィンドシールドWSに向かって投影された光は、ウィンドシールドWSの投影領域PAにおいて反射し、その反射光が運転席側へ向かって進み、運転者の瞳に到達する。その結果、運転者は、表示制御装置100が生成した画像の虚像VIを、ウィンドシールドWSの先に視認することができる。
【0037】
次に、
図3を参照して、表示制御装置100の機能について説明する。表示制御装置100は、受信部101と、画像生成部102と、受信回数判定部103と、表示制御部104とを有する。
【0038】
受信部101は、周辺監視装置20、ロケータECU34、DSM11及び運転支援ECU50が提供する情報を受信する機能部である。受信部101は、周辺監視装置20から撮影画像を受信すると、当該撮影画像を揮発性記憶装置130に保存する。受信部101は、ロケータECU34から地図情報、車両Aの位置情報、速度情報及び姿勢情報等の情報を受信すると、これらの情報を揮発性記憶装置130に保存する。受信部101は、DSM11から視点位置情報を受信すると、当該視点位置情報を揮発性記憶装置130に保存する。受信部101は、運転支援ECU50から車線維持制御機能のステータス情報及び種々の検出情報を受信すると、その旨を画像生成部102及び受信回数判定部103に通知する。
【0039】
画像生成部102は、HUD装置13が投影する画像を生成する機能部である。画像生成部102は、
図6に示す画像生成処理を実行し、HUD装置13が投影する画像を生成する。受信回数判定部103は、運転支援ECU50から両側の道路線を検出できなかった旨の非検出情報の受信回数を判定する機能部である。表示制御部104は、画像生成部102が生成した投影対象の画像をHUD装置13に送信して投影させる機能部である。
【0040】
ここで、
図6を参照して、画像生成部102が実行する画像生成処理について説明する。ステップS201では、画像生成部102が、仮想三次元空間の道路モデルを生成するために必要な情報(例えば、地図情報、車両Aの位置情報、撮影画像等)を揮発性記憶装置130から取得し、仮想三次元空間に道路モデルを生成する。ステップS202では、画像生成部102は、仮想オブジェクトVOを仮想三次元空間の道路モデルに描画する。仮想オブジェクトVOは、前景の対象物に関連付けて表示される重畳コンテンツに対応する。
【0041】
車線維持機能が第1の運転制御モードで実行されている場合、画像生成部102は、
図7に示すように、車両Aの走行車線の道路線に対応する仮想道路線VRL1,VRL2に沿って、これらの道路線を強調する仮想オブジェクトVO1,VO2を実線で描画する。画像生成部102は、仮想オブジェクトVO1,VO2を、それぞれ仮想道路線VRL1,VRL2が規定する走行車線の内側に描画することができる。また、画像生成部102は、仮想オブジェクトVO1,VO2を、それぞれ仮想道路線VRL1,VRL2上に描画してもよい。さらに、画像生成部102は、仮想オブジェクトVO1,VO2を、それぞれ当該走行車線の外側に描画してもよい。
【0042】
車線維持機能が第2の運転制御モードで実行されている場合、画像生成部102は、
図9に示すように、仮想三次元空間において前走車Bの仮想モデルBOを配置し、前走車Bの走行軌跡を示す仮想オブジェクトVO3,VO4を描画する。具体的には、画像生成部102は、前走車Bの仮想モデルBOの中心位置CBから車両Aの中心位置CAへ延びる線を描画し、この線を、車幅方向の双方向に前走車Bの車幅Wの2分の1に相当する距離だけシフトさせる。これにより、画像生成部102は、前走車Bの仮想モデルBOの車幅方向の両端部から車両Aに向かって延在する仮想オブジェクトVO3,VO4を描画することができる。
【0043】
また、車線維持機能が第2の運転制御モードで実行されている場合において、前方道路がカーブしているとき、画像生成部102は、湾曲した前方道路に沿って仮想オブジェクトVO3,VO4を描画することができる。具体的には、画像生成部102は、前方道路の曲率半径Rに前走車Bの車幅Wの2分の1を加算した曲率半径(=R+1/2・W)の円弧を、前方道路によって規定される円の中心点CRを基点にして描画する。また、画像生成部102は、前方道路の曲率半径Rから前走車Bの車幅Wの2分の1を減算した曲率半径(=R-1/2・W)の円弧を、中心点CRを基点にして描画する。これにより、画像生成部102は、前方道路に沿ってカーブする仮想オブジェクトVO3,VO4を描画することができる。
【0044】
ステップS203では、画像生成部102は、揮発性記憶装置130から視点位置情報を取得し、当該視点位置情報に基づく仮想視点位置VEPを仮想三次元空間に設定する。仮想視点位置VEPは、車両Aの運転者の視点位置EPに対応する。
【0045】
ステップS204では、画像生成部102は、仮想三次元空間において、仮想視点位置VEP、画角AoV及び車両Aの姿勢情報によって規定される仮想結像領域VIAの画像を生成する。仮想結像領域VIAは、HUD装置13が現実の三次元空間において虚像VIを結像する結像領域IAに対応する。結像領域IAは、
図2に示すように、視点位置EPから画角AoVで延在する仮想線によって規定される。同様に、仮想結像領域VIAは、仮想視点位置VEPから画角AoVで延在する仮想線によって規定される。画像生成部102が生成した仮想結像領域VIAの画像が、現実の三次元空間の結像領域IAにおいて虚像VIとして結像される。なお、本実施形態では、画角AoVとして、水平画角AoVhが10度、垂直画角AoVvが4度の画角を採用することができる。水平画角AoVhは例えば10~12°程度とされ、垂直画角AoVvは例えば4~5°程度とされる。
【0046】
図7に示す例では、仮想オブジェクトVO1,VO2が仮想領域VAに描画されている。仮想領域VAは、仮想視点位置VEP、画角AoV及び車両Aの姿勢情報によって規定される道路モデル上の領域である。仮想領域VAは、視点位置EPから見たとき結像領域IAと重なる前方範囲(例えば十数m~100m程度の範囲)に相当する領域である。画像生成部102は、
図7に示す仮想領域VA内に描画された仮想オブジェクトVO1,VO2を透視投影変換することにより、仮想結像領域VIAの画像を生成することができる。HUD装置13が、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影すると、結像領域IAには、
図8に示すような画像コンテンツCT1,CT2が結像される。画像コンテンツCT1,CT2は、それぞれ仮想オブジェクトVO1,VO2に対応する重畳コンテンツであり、道路線RL1,RL2に関連付けて表示される。車両Aの運転者からは、画像コンテンツCT1,CT2が道路線RL1,RL2に沿って表示されているように見える。
【0047】
図9に示す例では、仮想オブジェクトVO3,VO4が仮想領域VAに描画されている。画像生成部102が、
図9に示す仮想領域VA内に描画された仮想オブジェクトVO3,VO4を透視投影変換することにより、仮想結像領域VIAの画像を生成することができる。HUD装置13が、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影すると、結像領域IAには、
図10に示すような画像コンテンツCT3,CT4が結像される。画像コンテンツCT3,CT4は、前走車Bの走行軌跡を示す重畳コンテンツであり、それぞれ仮想オブジェクトVO3,VO4に対応する。画像コンテンツCT3,CT4は、それぞれ前走車Bの幅方向の両端部に関連付けて表示される。車両Aの運転者からは、前走車Bの幅方向の両端部から車両Aに向かって連続する画像コンテンツCT3,CT4が表示されているように見える。なお、画像コンテンツCT3,CT4の表示色は、画像コンテンツCT1,CT2と同じでも、異なっていてもよい。
【0048】
また、画像生成部102は、ステップS204において生成した画像と、
図11に示すような前走車Bを強調する画像コンテンツCT5を描画した画像とを合成して、合成画像を生成してもよい。表示制御部104が、当該合成画像をHUD装置13に提供すると、HUD装置13は、当該合成画像をウィンドシールドWSに向かって投影する。その結果、結像領域IAには、
図11に示すような画像コンテンツCT5が結像される。画像コンテンツCT5は、前走車Bを囲むように表示される画像コンテンツである。画像コンテンツCT5の表示位置は、仮想領域VAにおける前走車の仮想モデルBOの位置座標に基づいて決定することができる。なお、
図11に示す例では、画像コンテンツCT5の形状は、四角形であるが、前走車Bを囲むことが可能な他の様々な形状とすることができる。
【0049】
さらに、画像生成部102は、ステップS204において生成した画像と、
図12に示すような前走車Bを強調する画像コンテンツCT6を描画した画像とを合成して、合成画像を生成してもよい。表示制御部104が、当該合成画像をHUD装置13に提供すると、HUD装置13は、当該合成画像をウィンドシールドWSに向かって投影する。結像領域IAには、
図12に示すような画像コンテンツCT6が結像される。画像コンテンツCT6は、前走車Bの下方に表示される画像コンテンツである。画像コンテンツCT6の表示位置は、仮想三次元空間の仮想領域VAにおける前走車Bの仮想モデルBOの位置座標に基づいて決定することができる。
【0050】
次に、
図4を参照して、表示制御装置100が実行する処理の一例について説明する。ステップS101では、表示制御装置100の受信部101が、運転支援ECU50から車線維持制御機能が実行状態になった旨のステータス情報を受信したか否か判断する。当該ステータス情報を受信していない場合(NO)、ステップS101の処理が再び実行される。一方、当該ステータス情報を受信した場合(YES)、ステップS102に処理が分岐する。
【0051】
ステップS102では、画像生成部102が、画像生成処理を実行して画像を生成する。ステップS102の画像生成処理では、画像生成部102は、
図7に示すような道路線を強調する仮想オブジェクトVO1,VO2が描画された画像を生成する。ステップS103では、表示制御部104は、ステップS102の画像生成処理で生成された画像をHUD装置13に送信する。HUD装置13は、当該画像を受信すると、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影する。その結果、結像領域IAには、
図8に示すような道路線を強調する画像コンテンツCT1,CT2が結像される。
【0052】
ステップS104では、受信部101は、運転支援ECU50から車両Aの走行車線の両側の道路線を検出できなかった旨の非検出情報を受信したか否か判断する。非検出情報を受信していない場合(NO)、ステップS102に処理が戻る。一方、非検出情報を受信した場合(YES)、ステップS105に処理が分岐する。
【0053】
ステップS105では、受信回数判定部103が、非検出情報の受信回数が閾値を超えたか否か判断する。当該閾値は、一定期間、両側の道路線が検出できなかった場合に、運転支援ECU50から受信する非検出情報の受信回数に対応する値とすることができる。一定期間は、例えば、2~5秒程度とすることができる。非検出情報が閾値を超えていない場合(NO)、ステップS102に処理が戻る。一方、非検出情報が閾値を超えた場合(YES)、ステップS106に処理が分岐する。なお、非検出情報が閾値を超えた場合には、受信回数は0で初期化される。
【0054】
ステップS106では、受信部101が、運転支援ECU50から前走車が存在する旨の検出情報を受信したか否か判断する。当該検出情報を受信していない場合(NO)、
図4の処理は終了する。一方、当該検出情報を受信した場合(YES)、
図5のステップS107に処理が分岐する。
【0055】
ステップS107では、画像生成部102が、画像生成処理を実行して画像を生成する。ステップS107の画像生成処理では、画像生成部102は、
図9に示すような前走車Bの走行軌跡を示す仮想オブジェクトが描画された画像が生成される。ステップS108では、表示制御部104は、ステップS107の画像生成処理で生成された画像をHUD装置13に送信する。HUD装置13は、当該画像を受信すると、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影する。その結果、結像領域IAには、
図10に示すような前走車Bの走行軌跡を示す画像コンテンツCT3,CT4が結像される。
【0056】
ステップS109では、受信部101は、運転支援ECU50から車両Aの走行車線の両側の道路線を検出した旨の検出情報を受信したか否か判断する。当該検出情報を受信した場合(YES)、
図4のステップS102に処理が戻る。一方、当該検出情報を受信していない場合(NO)、ステップS110に処理が分岐する。
【0057】
ステップS110では、受信部101は、運転支援ECU50から前走車が存在する旨の検出情報を受信したか否か判断する。当該検出情報を受信した場合(YES)、ステップS107に処理が戻る。一方、当該検出情報を受信していない場合(NO)、
図5の処理は終了する。
【0058】
(第1の実施形態の効果)
画像生成部102は、車線維持制御機能が走行車線の道路線に基づいて実行されている場合、すなわち、第1の運転制御モードで実行されている場合、その旨を示す第1の画像コンテンツCT1,CT2を有する画像を生成する。一方、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている場合、第2の運転制御モードで実行されている場合、その旨を示す第2の画像コンテンツCT3,CT4,CT5,CT6を有する画像を生成する。表示制御部104は、第1の画像コンテンツ及び第2の画像コンテンツのいずれか一方を含む画像を、HUD装置13に提供して表示させる。
【0059】
これにより、車線維持制御機能が第1の運転制御モードで実行されている場合、車線維持制御機能が走行車線の道路線に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツが、HUD装置13によって表示される。一方、車線維持制御機能が第2の運転制御モードで実行されている場合、車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツが表示される。そのため、運転者は、自身の前方に表示された画像を視認することにより、車線維持制御機能が走行車線の道路線及び前走車の走行軌跡のいずれに基づいて実行されているのか把握することができ、運転者の利便性を向上させることができる。
【0060】
また、第2の画像コンテンツには、前走車Bの走行軌跡を示す画像コンテンツCT3,CT4が含まれる。表示制御部104は、画像コンテンツCT3,CT4を有する画像を、HUD装置13に提供して表示させる。これにより、前走車Bを強調する画像コンテンツCT3,CT4が、HUD装置13によって表示される。そのため、運転者が、前走車Bの走行軌跡を視認することができ、前走車の走行軌跡に基づいて車線維持制御機能が実行されていることを運転者が把握することができる。
【0061】
さらに、前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツCT3,CT4は、前走車Bの幅方向の両端部から車両Aに向かって延在する画像コンテンツであり、走行車線の路面に重畳するように表示される。表示制御部104は、これらの画像コンテンツを有する画像を、HUD装置13に提供して表示させる。これにより、前走車Bの幅方向の両端部に存在する前走車Bのタイヤと走行車線の路面との接触位置から車両Aに向かって延在する画像コンテンツが、HUD装置13によって表示される。そのため、運転者が、これらの画像コンテンツが前走車Bの走行軌跡であることを認識し易くなり、前走車の走行軌跡に基づいて車線維持制御機能が実行されていることを把握し易くなる。
【0062】
さらに、第2の画像コンテンツには、前走車Bを強調する画像コンテンツCT5,CT6が含まれる。表示制御部104は、画像コンテンツCT5,CT6を有する画像を、HUD装置13に提供して表示させる。これにより、前走車Bを強調する画像コンテンツCT5,CT6が、HUD装置13によって表示される。そのため、運転者の意識を前走車Bに向けさせることができ、運転者が、前走車の走行軌跡に基づいて車線維持制御機能が実行されていることを認識し易くすることができる。
【0063】
さらに、第1の画像コンテンツには、車両Aの走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツCT1,CT2が含まれる。表示制御部104は、画像コンテンツCT1,CT2を有する画像を、HUD装置13に提供して表示させる。これにより、車両Aの走行車線の道路線に関連付けられた画像コンテンツCT1,CT2が、HUD装置13によって表示される。そのため、運転者の意識を走行車線又は道路線に向けさせることができ、走行車線の道路線に基づいて車線維持制御機能が実行されていることを運転者に認識させることができる。
【0064】
さらに、表示制御部104は、車両Aの走行車線の両側の道路線が検出されない状態が継続し、かつ、前走車Bが存在する場合に、第2の画像コンテンツを有する画像をHUD装置13に提供して表示させる。これにより、第1の画像コンテンツが表示されている場合において、走行車線の両側の道路線が検出されない状態が継続し、かつ、前走車Bが存在するときにのみ、第2の画像コンテンツが表示される。このため、走行車線の両側の道路線を瞬間的に検出できなかった場合には、前走車Bが存在するときでも、第2の画像コンテンツが表示されず、第1の画像コンテンツが表示され続ける。これにより、第1の画像コンテンツと第2の画像コンテンツの表示が、短時間に切り替わることを防止でき、運転者に煩わしさを与えないようにできる。
【0065】
<第2の実施形態>
以下、
図13~
図16を参照して、本開示の第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0066】
第2の実施形態では、車線維持制御機能が第1の運転制御モードで実行されている場合、画像生成部102は、仮想三次元空間において仮想道路線VRL1,VRL2が規定する走行車線の中心位置に仮想オブジェクトVO7を描画する。この仮想オブジェクトVO7は、車両Aの走行車線に沿って延在する。次いで、画像生成部102は、仮想結像領域VIAの画像を生成し、表示制御部104が、当該画像をHUD装置13に提供する。そして、HUD装置13が、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影すると、
図13に示すような画像コンテンツCT7が、結像領域IAに結像される。画像コンテンツCT7は、道路線RL1,RL2の中心位置に表示される重畳コンテンツである。車両Aの運転者からは、走行車線の道路面上に画像コンテンツCT7が表示されているように見える。
【0067】
車線維持制御機能が第2の運転制御モードで実行されている場合、画像生成部102は、仮想三次元空間において前走車Bの走行軌跡を示す仮想オブジェクトVO8を、前走車Bの仮想モデルBOの中心位置から車両Aに向かって延在するように描画する。次いで、画像生成部102は、仮想結像領域VIAの画像を生成し、表示制御部104が、当該画像をHUD装置13に提供する。そして、HUD装置13が、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影すると、
図14に示すような画像コンテンツCT8が、結像領域IAに結像される。画像コンテンツCT8は、前走車Bの中心位置から車両Aに向かって延在する前走車Bの走行軌跡を示す重畳コンテンツである。車両Aの運転者からは、走行車線の道路面上に画像コンテンツCT8が表示されているように見える。なお、仮想オブジェクトVO8の幅は、前走車Bの仮想モデルBOの幅以下の任意の値とすることができる。
【0068】
また、画像生成部102は、
図14に示す画像コンテンツCT8と、
図11に示す前走車Bを強調する画像コンテンツCT5とを有する画像を生成してもよい。表示制御部104が、当該画像をHUD装置13に提供すると、HUD装置13は、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影する。その結果、
図15に示すような画像コンテンツCT5,CT8が、結像領域IAに結像される。
【0069】
さらに、画像生成部102は、
図14に示す画像コンテンツCT8と、
図12に示す前走車Bを強調する画像コンテンツCT6とを有する画像を生成してもよい。表示制御部104が、当該画像をHUD装置13に提供すると、HUD装置13は、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影する。その結果、
図16に示すような画像コンテンツCT6,CT8が、結像領域IAに結像される。
【0070】
(第2の実施形態の効果)
前走車の走行軌跡を示す画像コンテンツCT8は、前走車Bの幅方向の中心位置から車両Aに向かって延在する画像コンテンツである。表示制御部104は、当該画像コンテンツを有する画像を、HUD装置13に提供して表示させる。これにより、前走車Bから車両Aに向かって延在する画像コンテンツが、HUD装置13によって表示される。そのため、当該画像コンテンツが前走車Bの走行軌跡であることを運転者に認識させることができ、運転者が、前走車の走行軌跡に基づいて車線維持制御機能が実行されていることを把握し易くなる。
【0071】
また、画像生成部102は、車両Aの走行車線の中央を示す画像コンテンツCT7を有する画像を生成する。表示制御部104は、画像コンテンツCT7を含む画像を、HUD装置13に提供して表示させる。これにより、画像コンテンツCT7が、HUD装置13によって表示される。そのため、運転者の意識を走行車線に向けさせることができ、走行車線の道路線に基づいて車線維持制御機能が実行されていることを運転者に認識させることができる。なお、画像生成部102は、第1の画像コンテンツとして、車両Aの走行車線の道路線に沿って表示される画像コンテンツCT1,CT2及び車両Aの走行車線の中央を示す画像コンテンツCT7の双方を含む画像を生成してもよい。
【0072】
<第3の実施形態>
以下、
図4,
図5,
図17~
図24を参照し、本開示の第3の実施形態について、第1,第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0073】
第3の実施形態において、
図17に示すフロントカメラ21の検出範囲CDAは、視点位置EPから見たときに結像領域IAと重なる前方範囲よりも、自車から遠い領域を含んでいる。車線維持制御部52は、HUD装置13の画角AoV内よりも遠方の範囲について、道路線RL1,RL2及び前走車の検出可否を把握し、これらの検出情報及び非検出情報を表示制御装置100に提供する。
【0074】
第3の実施形態のステップS102では、画像生成部102が画像生成処理を実行し、
図18に示すような画像を生成する。ステップS103では、表示制御部104が、ステップS102の画像生成処理で生成された画像をHUD装置13に送信する。HUD装置13は、当該画像を受信すると、当該画像をウィンドシールドWSに向かって投影する。その結果、結像領域IAには、
図18に示すような画像コンテンツCT21が結像される。
【0075】
画像コンテンツCT21は、車線維持制御機能の実行状態を示すLTAコンテンツである。画像コンテンツCT21は、車線維持制御機能が道路線RL1,RL2に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が道路線RL1,RL2に基づいて実行されている旨を示す第1の画像コンテンツに相当する。画像コンテンツCT21は、走行車線内の中央、言い替えれば、左右両側の道路線RL1,RL2から概ね等距離となる路面位置に重畳される重畳コンテンツである。画像コンテンツCT21は、走行車線の延伸方向に沿って延びる点線状(破線状)に描画される。こうした描画形状により、道路に対する重畳コンテンツのずれが運転者に認識され難くされている。画像コンテンツCT21は、点滅表示により、所定の周期で表示状態と非表示状態とを繰り返す。一例として、画像コンテンツCT21は、表示状態を5秒間継続した後、非表示状態を5秒間継続して、再び表示状態となる。非表示状態の期間は、表示状態の期間より短くてもよく、又は長くてもよい。
【0076】
ステップS104及びステップS105にて道路線RL1,RL2のロスト(非検出)を把握し、S106にて前走車Bの検出を把握すると、ステップS107にて、画像生成部102が、前走車追従への移行予定を通知する予告通知画像を生成する。ステップS107では、画像コンテンツCT21の点滅が中断される。これにより、画像コンテンツCT21は、自車車線の前方路面の中央に重畳表示された状態に固定される。
【0077】
さらに、ステップS107では、画像生成部102が、画像コンテンツCT21とともに、画像コンテンツCT22,CT23を含む画像を生成する。前走車Bの少なくとも一部が画角AoV内に視認される場合、画像コンテンツCT21は、前走車Bと重ならないように、画像コンテンツCT21を自車側に短縮させる。以上により、画像コンテンツCT21は、前走車Bの幅方向の中央と自車の幅方向の中央とを繋ぐ形状に結像される。
【0078】
画像コンテンツCT22,CT23は、車線維持制御機能が第1の運転制御モードから、第2の運転制御モードに遷移予定であるとき、車線維持制御機能による道路線RL1,RL2の認識が中断した旨を示す第1の補助コンテンツに相当する。ステップS108では、表示制御部104が、画像コンテンツCT21~CT23を有する画像を、HUD装置13に提供して、運転者の前景に表示させる。
【0079】
画像コンテンツCT22,CT23は、非検出となる道路線RL1,RL2を強調する重畳コンテンツである。画像コンテンツCT22,CT23は、画像コンテンツCT21とは異なる様態、例えば実線状に描画され、左右の道路線RL1,RL2が非検出となるロスト位置UDPよりも自車側の路面に重畳表示される。画像コンテンツCT22は、進行方向にて途切れが検知された一方の道路線RL2の内側に重畳され、当該道路線RL2に沿って細帯状に延伸する。同様に、画像コンテンツCT23は、進行方向にて途切れが検知された他方の道路線RL1の内側に重畳され、当該道路線RL1に沿って細帯状に延伸する。画像生成部102は、画像コンテンツCT21を非点滅表示させる一方で、画像コンテンツCT22,CT23を点滅表示させる。画像生成部102は、ロスト位置UDPが画角AoV外に移動するタイミングで、画像コンテンツCT22,CT23の表示を終了させる。
【0080】
ここで、道路線RL1,RL2を強調する画像コンテンツCT22,CT23の表示は、実施されなくてもよい。すなわち、画像コンテンツCT21の点滅表示から継続表示への移行が、前走車追従への移行予定を通知する予告画像として用いられてもよい。なお、
図19以降では、説明を分かり易くするため、道路線RL1,RL2それぞれの非検出となる(消失する)区間を2点鎖線で示す。
【0081】
画像生成部102は、車線維持制御機能の制御モードが第1の運転制御モードから第2の運転制御モードに遷移すると、画像生成処理により、
図20に示すような画像を生成する。その結果、結像領域IAには、HUD装置13によって
図20に示すような画像コンテンツCT26,CT28が結像される。
【0082】
画像コンテンツCT26,CT28は、車線維持制御機能の実行状態を示すLTAコンテンツである。画像コンテンツCT26,CT28は、車線維持制御機能が前走車Bの走行軌跡に基づいて実行されている場合に、車線維持制御機能が前走車Bの走行軌跡に基づいて実行されている旨を示す第2の画像コンテンツに相当する。
【0083】
画像コンテンツCT26は、前走車Bの下方に重畳され、前走車Bを強調する重畳コンテンツである。画像コンテンツCT26は、例えば部分円弧状の描画形状とされる。画角AoV内における画像コンテンツCT26の表示位置は、受信部101によって取得される前走車Bの相対位置を示す情報に基づき、前走車を追従するように、逐次補正される。加えて、画像コンテンツCT26の表示サイズ(横幅)は、受信部101によって取得される前走車Bの相対位置及びサイズを示す情報に基づき、運転者の見た目上での前走車Bの幅と概ね一致するように、逐次補正される。
【0084】
ここで、画像生成部102は、ACC制御部51が前走車を追従する制御を実行している場合に、追従対象となる前走車があることを示すACCコンテンツ(第3の画像コンテンツ)を有する画像を生成する。ACCコンテンツは、画像コンテンツCT26と同様に、前走車を強調する重畳コンテンツである。そのため、ACCコンテンツ及び画像コンテンツCT26は、互いに関連する様態とされる。一例として、ACCコンテンツは、前走車の下方に重畳される部分円弧状とされる。
【0085】
こうした関連する様態の一例として、ACCコンテンツ及び画像コンテンツCT26は、互いに実質同一の基準形状とされる。基準形状が同一であるとは、前走車Bの相対位置及びサイズが同一の場合、ACCコンテンツ及び画像コンテンツCT26が実質同一の形状となることを示している。この場合、表示輝度及び表示色は、同一であってもよく、又は異なっていてもよい。
【0086】
また、関連する様態の別の一例として、ACCコンテンツ及び画像コンテンツCT26は、基準形状が相似となる画像であってもよく、又は基準形状のアスペクト比が異なる画像であってもよい。さらに、ACCコンテンツ及び画像コンテンツCT26の一方に、他方の画像要素が含まれていてもよい。以上のように、ACCコンテンツ及び画像コンテンツCT26には、形状及び色に、運転者に同じものと認識される程度の類似性が確保されている。
【0087】
画像コンテンツCT28は、画像コンテンツCT21(
図18参照)と実質同一の様態で表示されるLTAコンテンツである。画像コンテンツCT28は、車線維持制御部52によって把握された前走車Bの走行軌跡(走行履歴)に沿って、自車前方の路面中央に重畳表示される。そのため、第2の運転制御モードにおいて、画像コンテンツCT28は、自車の予定走行軌跡を示す画像コンテンツとなる。
【0088】
画像コンテンツCT28は、走行車線の中央に重畳表示される。画像コンテンツCT28は、画像コンテンツCT26と連続しており、画像コンテンツCT26の中央から、自車の中央へ向けて、点線状に延伸している。画像コンテンツCT28は、画像コンテンツCT26と実質同一の表示輝度及び表示色で結像される。画像コンテンツCT26,CT28は、点滅されずに表示を継続される。
【0089】
ここで、車線維持制御部52は、画角AoV外の前走車Bを制御対象として、第2の運転制御モードによる車線維持制御を実行可能である。そのため、画像生成部102は、画角AoVの上方に前走車Bが見切れていても、
図21及び
図22に示すように、画像コンテンツCT26,CT28を表示させる。この場合、前走車Bを強調する画像コンテンツCT26の上下方向の表示位置は、画角AoVの上縁近傍に固定される。一方で、画像コンテンツCTの左右方向の表示位置は、横方向における前走車Bの相対位置に応じて調整される。また、走行車線がカーブしている場合、画像生成部102は、
図22に示すように、前走車Bの走行軌跡(走行履歴)に基づき、カーブ形状に沿って湾曲した形状の画像コンテンツCT28を表示させる。
【0090】
ステップS109にて、受信部101が道路線RL1,RL2の検出再開を示す検出情報を受信したと判断すると、ステップS102にて、画像生成部102が、
図23に示すような白線追従への移行予定を通知する予告通知画像を生成する。その結果、結像領域IAには、HUD装置13により、
図23に示すように、画像コンテンツCT26,CT28に加えて、画像コンテンツCT24,CT25が結像される。
【0091】
画像コンテンツCT24,CT25は、車線維持制御機能が第2の運転制御モードから、第1の運転制御モードに遷移予定であるとき、車線維持制御機能による道路線RL1,RL2の認識が再開された旨を示す第2の補助コンテンツに相当する。画像コンテンツCT24,CT25は、検出が再開された道路線RL1,RL2を強調する重畳コンテンツである。画像コンテンツCT24,CT25は、画像コンテンツCT26,CT28とは異なる様態、例えば実線状に描画され、左右の道路線RL1,RL2が再検出される検出位置DPよりも奥側の路面に重畳表示される。画像コンテンツCT24は、再検出された一方の道路線RL2の内側に重畳され、当該道路線RL2に沿って細帯状に延伸する。同様に、画像コンテンツCT25は、再検出された他方の道路線RL1の内側に重畳され、当該道路線RL1に沿って細帯状に延伸する。画像生成部102は、画像コンテンツCT24,CT25を点滅表示させてもよく、又は非点滅表示させてもよい。
【0092】
画像生成部102は、車線維持制御機能の制御モードが第2の運転制御モードから第1の運転制御モードに遷移すると、画像コンテンツCT24,CT25の表示を終了させる。加えて、画像生成部102は、第1の運転制御モードへの移行に合わせて、画像コンテンツCT26,CT28の表示を終了し、
図18に示すように、画像コンテンツCT21の表示を再開させる。
【0093】
また、画像生成部102は、道路線RL1,RL2の検出が再開された後のステップS102の画像生成処理において、
図24に示すような画像コンテンツCT34,CT35を含む予告通知画像を生成してもよい。画像コンテンツCT34,CT35は、画像コンテンツCT24,CT25(
図23参照)と同様に、検出が再開された道路線RL1,RL2を強調する重畳コンテンツである。画像コンテンツCT34,CT35は、点線状に描画され、左右の道路線RL1,RL2の検出位置DPよりも自車側の路面に重畳される仮想線表示である。画像コンテンツCT34は、左側の道路線RL2を自車側に延長した仮想道路線の内側に重畳される。同様に、画像コンテンツCT35は、右側の道路線RL1を自車側に延長した仮想道路線の内側に重畳される。画像生成部102は、検出位置DPが画角AoV外に移動すると、画像コンテンツCT34,CT35の表示を終了させる。
【0094】
なお、消失する道路線RL1,RL2を強調する画像コンテンツCT22,CT23と同様に、再検出される道路線RL1,RL2を強調する画像コンテンツCT24,CT25,CT34,CT35の表示も、実施されなくてもよい。
【0095】
(第3の実施形態の効果)
車線維持制御機能が道路線に基づいて実行されている状態(第1の運転制御モード)から、前走車の走行軌跡に基づいて実行されている状態(第2の運転制御モード)に遷移予定であるとき、画像生成部102は、予告通知画像を生成する。この予告通知画像は、車線維持制御機能による道路線の認識が中断した旨を示す画像コンテンツCT22,CT23を、画像コンテンツCT21とともに有する。そして、表示制御部104は、これら画像コンテンツCT21~CT23を有する予告通知画像を、HUD装置13に提供して表示させる。
【0096】
以上のように、前走車追従への切り替わり予定を報知する予告通知画像が表示されれば、運転者は、予告通知画像を視認することにより、車線維持制御機能の運転制御モードの遷移予定を、実際の遷移実施に先立って把握できる。その結果、運転者の利便性がさらに向上する。
【0097】
車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されている第2の運転制御モードから、道路線に基づいて実行されている第1の運転制御モードに遷移予定であるとき、画像生成部102は、予定通知画像を生成する。この予告通知画像は、車線維持制御機能による道路線の認識が再開された旨を示す画像コンテンツCT24,CT25(又は画像コンテンツCT34,CT35)を,画像コンテンツCT26,CT28とともに有する。そして、表示制御部104は、これらの画像コンテンツCT24,CT25,CT26,CT28を有する予告通知画像を、HUD装置13に提供して表示させる。
【0098】
以上のように、白線追従への切り替わり予定を報知する予告通知画像が表示されれば、運転者は、予告通知画像を視認することにより、車線維持制御機能の運転制御モードの遷移予定を、実際の遷移実施に先立って把握できる。その結果、運転者の利便性がさらに向上する。
【0099】
画像生成部102は、車両Aの走行速度を制御するACC機能が前走車を追従する制御を実行している場合に、追従対象となる前走車があることを示すACCコンテンツ(第3の画像コンテンツ)を有する画像を生成する。そして、第2の運転制御モードによる操舵制御が実施される期間にて、前走車を強調する画像コンテンツCT26は、ACCコンテンツと関連する態様である。以上のように、複数の運転支援機能の作動中において、関連する様態の画像コンテンツが表示されれば、複数の運転支援機能が車両Aに搭載されていても、運転者によるコンテンツの意味理解が容易となる。したがって、運転者の利便性が向上する。
【0100】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について、上述した実施形態との相違点を中心に説明する。第4の実施形態では、自車(車両A)が走行車線の中心線からオフセットして走行している場合に、前走車Bの走行軌跡をオフセットさせて表示する。
【0101】
車線維持制御部52は、表示制御装置100が前走車の走行軌跡を描画するために必要な情報として、走行車線の中心線に対する車両Aの車幅方向のずれを示すオフセット値を表示制御装置100にさらに提供する。
【0102】
画像生成部102は、前走車Bの仮想モデルBOの中心位置CBの幅方向の座標値にオフセット値を加算して、中心位置CBをオフセットさせる。次いで、画像生成部102は、オフセット後の仮想モデルBOの中心位置CBから車両Aの中心位置CAへ延びる線を描画する。そして、画像生成部102は、この描画した線を、車幅方向の双方向に前走車Bの車幅Wの2分の1に相当する距離だけシフトさせることにより、オフセットした仮想オブジェクトVO3,VO4を仮想領域VA内に描画する。画像生成部102は、この仮想領域VA内の仮想オブジェクトVO3,VO4を透視投影変換することにより、仮想結像領域VIAの画像を生成することができる。この画像には、オフセットした仮想オブジェクトVO3,VO4に対応する画像コンテンツが含まれる。
【0103】
表示制御部104は、オフセットした仮想オブジェクトVO3,VO4に対応する画像コンテンツを含む画像を、HUD装置13に提供して表示させる。これにより、車両Aが走行車線の中心線からオフセットして走行している場合、そのオフセットに応じた前走車Bの走行軌跡を示す画像コンテンツが、走行車線の路面上に重畳されているように表示される。
【0104】
これにより、車線維持制御機能が第2の運転制御モードで実行されている場合において、車両Aがオフセットして走行しているときでも、オフセットに応じた前走車の走行軌跡が表示される。そのため、運転者は、走行車線維持制御機能が前走車の走行軌跡に基づいて実行されていることを認識できるとともに、自車が走行車線の中心線からオフセットして走行していることを認識できるため、運転者の利便性を高めることができる。
【0105】
<その他の実施形態>
本開示は、上述した実施形態に限定されることなく、様々に変更して実施することができる。例えば、車線維持制御機能が前走車Bの走行軌跡に基づいて実行される場合、表示制御装置100は、前走車Bを強調する画像コンテンツCT5,CT6を表示させた後、前走車Bの走行軌跡を示す画像コンテンツCT3,CT4を表示させてもよい。この場合、表示制御部104は、画像コンテンツCT5,CT6を有する画像を、HUD装置13に提供して表示させた後、画像コンテンツCT5,CT6及び画像コンテンツCT3,CT4を有する画像を、HUD装置13に提供して表示させる。
【0106】
その結果、前走車Bを強調する画像コンテンツCT5,CT6が表示された後、前走車Bの走行軌跡を示す画像コンテンツCT3,CT4が表示される。これにより、運転者の意識を前走車Bに向けさせた後、前走車Bの走行軌跡を示す画像コンテンツを表示することができる。そのため、運転者が、前走車の走行軌跡に基づいて車線維持制御機能が実行されていることを把握し易くなる。
【0107】
また、車線維持制御機能の制御モードが第1の運転制御モードから第2の運転制御モードに遷移する場合、表示制御部104は、HUD装置13に対し、第1の画像コンテンツを点滅表示させた後、第2の画像コンテンツを表示させてもよい。これにより、車線維持制御機能の運転制御モードが第1の運転制御モードから第2の運転制御モードに切り替わることを、運転者が把握し易くなり、運転者の利便性を向上させることができる。
【0108】
さらに、車線維持制御機能の制御モードが第1の運転制御モードから第2の運転制御モードに遷移する場合、画像生成部102は、遷移画像(予告通知画像)を生成する。こうした遷移画像の一例では、第2の画像コンテンツCT3,CT4,CT8によって示される前走車Bの走行軌跡の位置まで、第1の画像コンテンツCT1,CT2が連続的に移動する。そして、表示制御部104は、当該遷移画像をHUD装置13に提供して表示させた後、第2の画像コンテンツCT3,CT4又は第2の画像コンテンツCT8を有する画像を提供して表示させる。
【0109】
これにより、第1の画像コンテンツCT1,CT2が移動して第2の画像コンテンツCT3,CT4,CT8になる。そのため、第1の画像コンテンツから第2の画像コンテンツへの切り替え表示を滑らかにすることができる。また、運転者が前方から瞬間的に目を逸らした場合でも、第1の画像コンテンツCT1,CT2が移動して第2の画像コンテンツCT3,CT4,CT8に切り替わる。これにより、車線維持制御機能の制御モードが第1の運転制御モードから第2の運転制御モードに遷移したことを、運転者が認識し易くなり、運転者の利便性が向上する。
【0110】
さらに、走行車線の中心位置を示す画像コンテンツCT7(
図13)の表示色と、前走車Bの走行軌跡を示す画像コンテンツCT8(
図14等)の表示色は、異なる色とすることができる。画像生成部102は、車線維持制御機能の制御モードが第1の運転制御モードから第2の運転制御モードに変わる場合、画像コンテンツCT7の表示色が、徐々に画像コンテンツCT8の色に変化するように、仮想結像領域VIAの画像を生成することができる。
【0111】
さらに、運転支援ECU50の車線維持制御部52は、ロケータ30から車両Aの現在位置を示す情報と、地図情報を取得し、車両Aが走行している道路が、両側の道路線が継続的に検出される可能性の高い特定の道路であるか否か判断できる。特定の道路は、例えば、高速道路(高速自動車国道や自動車専用道路)及び国道等である。車線維持制御部52は、車線維持制御機能が第2の運転制御モードで実行されている場合において、車両Aが走行している道路が当該特定の道路であると判断すると、第2の運転制御モードから第1の運転制御モードに切り替えることができる。このとき、車線維持制御部52は、車線維持制御機能の制御モードを第2の運転制御モードから第1の運転制御モードに切り替えた旨を示す情報を表示制御装置100に提供する。表示制御装置100は、車線維持制御部52から当該情報を受信した場合、第1の画像コンテンツを有する画像を生成し、当該画像をHUD装置13に提供して表示させることができる。
【0112】
さらに、他の実施形態において、画像生成部102は、第2の運転制御モードでの車線維持制御中に前走車Bを強調する画像コンテンツCT26を、前走車Bと重なるように結像される。こうした実施形態では、画像コンテンツCT26と類似した様態とされるACCコンテンツも、前走車と重なる形状で表示されてよい。
【0113】
また、他の実施形態において、フロントカメラの検出範囲は、HUD装置の画角と重なる前方範囲よりもより狭くされる。こうした実施形態では、第1の運転制御モード及び第2の運転制御モードの切り替わり予定を報知する予告通知画像の表示は、省略されてよい。
【0114】
本開示に記載された機能部及び方法は、コンピュータプログラムに実装される1以上の特定の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成することによって製造された専用コンピュータにより、実現することができる。また、本開示に記載された装置及び方法は、専用のハードウェア論理回路によって実現してもよい。ハードウェア論理回路は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)及びASIC(Application Specific Integrated Circuits)等を有する回路である。さらに、本開示に記載された装置及び方法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサを構成することによって製造された1以上の専用コンピュータと、1以上のハードウェア論理回路との組み合わせよって実現してもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータによって実行される命令として、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に保存することができる。
【符号の説明】
【0115】
100 表示制御装置、 102 画像生成部、 104 表示制御部、 110 プロセッサ、 13 HUD装置(ヘッドアップディスプレイ)、 A 車両