(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】塗布システム、制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B05B 12/00 20180101AFI20221109BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20221109BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20221109BHJP
B05D 1/02 20060101ALI20221109BHJP
B05D 1/26 20060101ALI20221109BHJP
B25J 9/06 20060101ALI20221109BHJP
B25J 9/16 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
B05B12/00 A
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D1/02 B
B05D1/26 Z
B25J9/06 A
B25J9/16
(21)【出願番号】P 2020209445
(22)【出願日】2020-12-17
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(74)【代理人】
【識別番号】100171099
【氏名又は名称】松尾 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100212026
【氏名又は名称】中村 真生
(72)【発明者】
【氏名】菊池 健太
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 毅
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-271888(JP,A)
【文献】特開2005-125134(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B12/00-12/14
13/00-13/06
B05C 5/00- 5/04
7/00-21/00
B05D 1/00- 7/26
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗料を吐出部から吐出する塗布装置と、
前記吐出部からの前記塗料がワークに塗布されるように前記吐出部の位置及び姿勢を変更させる多関節ロボットと、
前記塗布装置及び前記多関節ロボットを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記塗布装置及び前記多関節ロボットの少なくとも一方の動作状態を示す動作状態情報と、前記ワークに対する前記塗料の塗布品質の目標を示す目標品質情報と
、前記ワークに対する前記塗料の塗布品質の実績を示す実績品質情報とに基づいて、前記塗布装置及び前記多関節ロボットを制御するための制御目標値を算出する目標値算出部と、
前記目標値算出部が算出した前記制御目標値に従って、前記塗布装置及び前記多関節ロボットを制御する動作制御部とを有
し、
前記目標値算出部は、前記目標品質情報、前記実績品質情報、及び前記動作状態情報と、前記制御目標値との関係を示すように機械学習により構築された推定モデルを用いて、前記制御目標値を算出する、塗布システム。
【請求項2】
前記動作状態情報は、前記塗布装置及び前記多関節ロボットの少なくとも一方に関する複数の動作状態を示す情報を含む、請求項1に記載の塗布システム。
【請求項3】
前記動作状態情報に基づいて、前記実績品質情報を推定する品質推定部を更に備え、
前記目標値算出部は、前記動作状態情報、前記目標品質情報、及び前記品質推定部が推定した前記実績品質情報に基づいて、前記制御目標値を算出する、請求項
1又は2に記載の塗布システム。
【請求項4】
前記品質推定部は、前記動作状態情報の入力に応じて前記実績品質情報を出力するように構築された推定モデルを用いて、前記動作状態情報に基づく前記実績品質情報を推定する、請求項
3に記載の塗布システム。
【請求項5】
前記ワークに既に塗布された前記塗料の状態を検出する塗布状態検出部と、
前記塗布状態検出部による検出結果から、前記実績品質情報を取得する品質取得部とを更に備え、
前記目標値算出部は、前記動作状態情報、前記目標品質情報、及び前記品質取得部が取得した前記実績品質情報に基づいて、前記制御目標値を算出する、請求項
1又は2に記載の塗布システム。
【請求項6】
前記動作状態情報は、前記吐出部までの流路内の前記塗料の流量、前記流路内の前記塗料の圧力、前記流路内の前記塗料の温度、前記流路内に設けられた開閉バルブの動作状態、前記吐出部に前記塗料を圧送するポンプの動作状態、及び前記多関節ロボットに含まれるアクチュエータの動作状態から成る群から選択される少なくとも1つを示す情報を含む、請求項1~
5のいずれか一項に記載の塗布システム。
【請求項7】
前記ワークに対する前記塗料の塗布品質は、少なくとも前記ワーク上の前記塗料の塗布幅又は前記ワーク上の前記塗料の厚さを含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の塗布システム。
【請求項8】
前記ワークに対する前記塗料の塗布の実行中に、少なくとも前記塗布装置又は前記多関節ロボットから前記動作状態情報を取得する動作情報取得部を更に備え、
前記目標値算出部は、前記動作情報取得部が取得した前記動作状態情報と基準値との乖離レベルが所定の設定レベルを超えた場合に前記制御目標値を算出する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の塗布システム。
【請求項9】
前記乖離レベルと前記設定レベルよりも大きい所定の許容レベルとの比較結果に基づいて、前記塗布装置又は前記多関節ロボットの動作の異常を検知する異常検知部を更に備える、請求項
8に記載の塗布システム。
【請求項10】
塗料を吐出部から吐出する塗布装置と、前記吐出部からの前記塗料がワークに塗布されるように前記吐出部の位置及び姿勢を変更させる多関節ロボットとの少なくとも一方の動作状態を示す動作状態情報と、前記ワークに対する前記塗料の塗布品質の目標を示す目標品質情報と
、前記ワークに対する前記塗料の塗布品質の実績を示す実績品質情報とに基づいて、前記塗布装置及び前記多関節ロボットを制御するための制御目標値を算出する目標値算出部と、
前記目標値算出部が算出した前記制御目標値に従って、前記塗布装置及び前記多関節ロボットを制御する動作制御部と、を備え
、
前記目標値算出部は、前記目標品質情報、前記実績品質情報、及び前記動作状態情報と、前記制御目標値との関係を示すように機械学習により構築された推定モデルを用いて、前記制御目標値を算出する、制御装置。
【請求項11】
塗料を吐出部から吐出する塗布装置と、前記吐出部からの前記塗料がワークに塗布されるように前記吐出部の位置及び姿勢を変更させる多関節ロボットとの少なくとも一方の動作状態を示す動作状態情報と、前記ワークに対する前記塗料の塗布品質の目標を示す目標品質情報と
、前記ワークに対する前記塗料の塗布品質の実績を示す実績品質情報とに基づいて、前記塗布装置及び前記多関節ロボットを制御するための制御目標値を算出することと、
算出された前記制御目標値に従って、前記塗布装置及び前記多関節ロボットを制御することと、を含
み、
前記制御目標値を算出することは、前記目標品質情報、前記実績品質情報、及び前記動作状態情報と、前記制御目標値との関係を示すように機械学習により構築された推定モデルを用いて、前記制御目標値を算出することを含む、制御方法。
【請求項12】
請求項
11に記載の制御方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗布システム、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、粘性材料を被塗布物へ塗布する塗布装置が開示されている。この塗布装置は、ノズルから粘性材料を上記被塗布物上に吐出するノズル装置と、ノズル装置を被塗布物に対して移動させる移動手段と、を備える。上記移動手段は、多関節ロボットであって、各関節の動作によりノズル装置を被塗布物に対して移動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、品質の安定化に有用な塗布システム、制御装置、制御方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る塗布システムは、塗料を吐出部から吐出する塗布装置と、吐出部からの塗料がワークに塗布されるように吐出部の位置及び姿勢を変更させる多関節ロボットと、塗布装置及び多関節ロボットを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、塗布装置及び多関節ロボットの少なくとも一方の動作状態を示す動作状態情報と、ワークに対する塗料の塗布品質の目標を示す目標品質情報とに基づいて、塗布装置及び多関節ロボットを制御するための制御目標値を算出する目標値算出部と、目標値算出部が算出した制御目標値に従って、塗布装置及び多関節ロボットを制御する動作制御部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、品質の安定化に有用な塗布システム、制御装置、制御方法、及びプログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、塗布システムの構成の一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、塗布装置の構成の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、ワーク上に塗布された塗料の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、塗布システムの制御方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して一実施形態について説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
[塗布システム]
図1に示される塗布システム1は、塗布対象物(以下、「ワークW」という。)に対する塗料の塗布作業の少なくとも一部を自動で実行するためのシステムである。ワークWは、例えば、自動車の車体(ボティ)の一部である。ワークWの一例として、自動車のフロアパネル、ルーフパネル、及びドアパネル等が挙げられる。ワークWに対して塗布される塗料は、例えば、シール材又は振動を抑えるための制振材(防音のための部材)である。制振材には、粘性及び弾性を有する材料(樹脂)が含まれてもよい。例えば、制振材には、常温において液だれせずに固化するまでに塗布形状を維持できる程度の粘性を有する材料が含まる。塗布システム1は、多関節ロボット10と、塗布装置40と、制御装置100とを備える。
【0010】
(多関節ロボット)
多関節ロボット10は、例えば6軸の垂直多関節ロボットであり、基部11と、旋回部12と、第1アーム13と、第2アーム14と、手首部15と、アクチュエータ31,32,33,34,35,36とを有する。
【0011】
基部11は、床面又は直動機構を有する台座等に固定されている。旋回部12は基部11上に設けられており、鉛直な軸線Ax1まわりに回転可能である。すなわち多関節ロボット10は、軸線Ax1まわりに旋回部12を回転可能とする関節21を有する。
【0012】
第1アーム13は、旋回部12から延出しており、軸線Ax1に交差(例えば直交)する軸線Ax2まわりに回転可能である。すなわち多関節ロボット10は、軸線Ax2まわりに第1アーム13を回転可能とする関節22を有する。なお、ここでの交差は、所謂立体交差のように互いにねじれの関係にある状態での交差を含む。以下においても同様である。
【0013】
第2アーム14は、第1アーム13の先端部から延出しており、軸線Ax1に交差(例えば直交)する軸線Ax3まわりに回転可能である。すなわち多関節ロボット10は、軸線Ax3まわりに第2アーム14を回転可能とする関節23を有する。軸線Ax3は軸線Ax2と平行であってもよい。
【0014】
第2アーム14の先端部は、第2アーム14の延出方向に沿って軸線Ax3に交差(例えば直交)する軸線Ax4まわりに回転可能である。すなわち多関節ロボット10は、軸線Ax4まわりに第2アーム14の先端部を回転可能とする関節24を有する。
【0015】
手首部15は、第2アーム14の先端部から延出しており、軸線Ax4に交差(例えば直交)する軸線Ax5まわりに回転可能である。すなわち多関節ロボット10は、軸線Ax5まわりに手首部15を回転可能とする関節25を有する。
【0016】
手首部15の先端部には動作対象の部材が設けられており、当該部材は、手首部15の延出方向に沿って軸線Ax5に交差(例えば直交)する軸線Ax6まわりに回転可能である。すなわち多関節ロボット10は、軸線Ax6まわりに動作対象の部材を回転可能とする関節26を有する。動作対象の部材は、塗料を吐出するガンとして機能する吐出部41(後述)である。
【0017】
アクチュエータ31,32,33,34,35,36は、関節21,22,23,24,25,26をそれぞれ駆動する。例えばアクチュエータ31は軸線Ax1まわりに旋回部12を回転させ、アクチュエータ32は軸線Ax2まわりに第1アーム13を回転させ、アクチュエータ33は軸線Ax3まわりに第2アーム14を回転させる。アクチュエータ34は軸線Ax4まわりに第2アーム14の先端部を回転させ、アクチュエータ35は軸線Ax5まわりに手首部15を回転させ、アクチュエータ36は軸線Ax6まわりに動作対象の部材を回転させる。
【0018】
なお、多関節ロボット10は、動作対象の部材の位置及び姿勢を所望の範囲で変更し得る限りいかようにも構成可能である。例えば多関節ロボット10は、上述した6軸の垂直多関節ロボットに冗長軸を追加した7軸の垂直多関節ロボットであってもよい。
【0019】
(塗布装置)
塗布装置40は、多関節ロボット10と協働してワークWに塗料を塗布する装置である。
図2に示されるように、塗布装置40は、吐出部41と、圧送部46と、供給部49とを備える。
【0020】
吐出部41は、塗料を吐出する。吐出部41は、多関節ロボット10の手首部15における先端部に設けられている。つまり、吐出部41の位置及び姿勢は、多関節ロボット10の動作により変更される。吐出部41の先端面42に吐出口が設けられていてもよい。多関節ロボット10により吐出部41の位置及び姿勢が変更されると、吐出口から吐出される塗料の吐出位置及び吐出方向が変化する。
【0021】
吐出部41は、吐出バルブ43(開閉バルブ)を有する。吐出バルブ43は、開閉動作により、吐出部41(吐出口)から塗料が吐出される状態と、吐出部41から塗料が吐出されない状態とを切り替える。吐出バルブ43は、例えばエアオペレーションバルブであり、吐出バルブ43には、開閉動作のためのエアを送るエアチューブが接続されている。吐出バルブ43は、自身の開閉状態を示す信号を出力する機能を有してもよい。なお、吐出部41は、吐出バルブ43を有していなくてもよい。この場合、吐出部41よりも上流側に位置する開閉バルブ(例えば、後述の送出バルブ67a,67b)が、吐出部41から塗料が吐出される状態と、吐出部41から塗料が吐出されない状態とを切り替えてもよい。
【0022】
圧送部46は、吐出部41に向けて塗料を圧送する。圧送部46は、ポンプ51a,51bと、送液管54と、送出バルブ67a,67bとを備える。
【0023】
ポンプ51a及びポンプ51bは、互いに同様の構成及び機能を有している。ポンプ51a,51bは、吸い込み動作により塗料を受け入れ、ワークWに吐出するための塗料を吐出部41に向けてそれぞれ送り出す(圧送する)。ポンプ51a,51bは、例えば、サーボブースターポンプであり、収容部52a,52bとアクチュエータ53a,53bとをそれぞれ有する。収容部52a,52bは、吐出用の塗料をそれぞれ収容する。アクチュエータ53a,53bは、ピストンを動作させることにより、収容部52a,52b内に収容されている塗料に圧力を加え、吐出部41に当該塗料をそれぞれ送り出す。
【0024】
送液管54は、ポンプ51a,51bから吐出部41まで塗料を導く。送液管54の上流側の端部は、ポンプ51a,51bそれぞれに接続されており、送液管54の下流側の端部は、吐出部41に接続されている。つまり、ポンプ51a,51bのそれぞれは、送液管54を介して塗料を吐出部41に供給する。送液管54は、送出管55と、分岐管56a,56bとを有する。送出管55は、吐出部41に接続されており、分岐管56a,56bは、送出管55から分岐しており、ポンプ51a,51bにそれぞれ接続されている。
【0025】
送出バルブ67aは、ポンプ51aと吐出部41との間を開閉する。送出バルブ67aは、分岐管56aに設けられている。送出バルブ67bは、ポンプ51bと吐出部41との間を開閉する。送出バルブ67bは、分岐管56bに設けられている。送出バルブ67a,67bは、例えば、エアオペレーションバルブであり、送出バルブ67a,67bには、開閉動作のためのエアを送るエアチューブがそれぞれ接続される。送出バルブ67a,67bそれぞれは、自身の開閉状態を示す信号を出力する機能を有してもよい。
【0026】
供給部49は、塗料を圧送部46に供給する。つまり、圧送部46のポンプ51a,51bは、供給部49から供給された(吸い込んだ)塗料を、吐出部41に向けて送り出す。供給部49は、液源57と、供給管58と、吸引バルブ68a,68bと、戻り管59と、循環バルブ69と、を備える。
【0027】
液源57は、塗料の供給源である。供給管58は、液源57とポンプ51a,51bそれぞれとの間を接続する。具体的には、供給管58は、一端が液源57に接続された送出管と、送出管の他端から分岐してポンプ51a,51bにそれぞれ接続される2つの分岐管とを有する。吸引バルブ68aは、液源57とポンプ51aとの間を開閉する。吸引バルブ68bは、液源57とポンプ51bとの間を開閉する。吸引バルブ68a,68bは、例えばエアオペレーションバルブであり、吸引バルブ68a,68bには、開閉動作のためのエアを送るエアチューブがそれぞれ接続される。吸引バルブ68a,68bそれぞれは、自身の開閉状態を示す信号を出力する機能を有してもよい。
【0028】
戻り管59は、送液管54の送出管55と液源57とを接続する。これにより、ポンプ51a,51bから送り出された塗料を吐出部41へ送らずに液源57に還流させることが可能となっている。循環バルブ69は、戻り管59に設けられており、塗料の還流時に戻り管59内の流路を閉状態から開状態に切り替える。循環バルブ69は、例えばエアオペレーションバルブである。循環バルブ69は、自身の開閉状態を示す信号を出力する機能を有してもよい。
【0029】
塗布装置40は、圧力センサ61,62a,62bを有する。圧力センサ61,62a,62bは、塗布装置40の動作状態として、塗布装置40内の塗料の圧力(以下、単に「塗布装置40内の圧力」という。)をそれぞれ測定する。圧力センサ61,62a,62bは、塗布装置40内の複数箇所の圧力を測定する。上記複数箇所は、送液管54(分岐管56a及び送出管55)に沿う方向における位置が互いに異なる少なくとも2個所を含んでいる。なお、送液管54に沿う方向とは、送液管54が延びる方向に対応しており、送液管54内において塗料が流れる方向に対応している。
【0030】
例えば、圧力センサ61は、送液管54(送出管55)において吐出部41に近い位置に設けられる。圧力センサ62aは、例えば、送液管54においてポンプ51aに近い位置(ポンプ51aと送出バルブ67aとの間)に設けられる。圧力センサ62bは、例えば、送液管54においてポンプ51bに近い位置(ポンプ51bと送出バルブ67bとの間)に設けられる。
【0031】
塗布装置40は、温度センサ64,65を有する。温度センサ64,65は、塗布装置40の動作状態として、塗布装置40内の塗料の温度(以下、単に「塗布装置40内の温度」という。)をそれぞれ測定する。温度センサ64,65は、塗布装置40内の複数箇所の温度を測定する。上記複数箇所は、送液管54に沿う方向における位置が互いに異なる少なくとも2個所を含んでいる。温度センサ64は、例えば、送液管54(送出管55)において吐出部41に近い位置に設けられる。温度センサ65は、送液管54において吐出部41よりもポンプ51a,51bに近い位置に設けられる。
【0032】
塗布装置40は、流量センサ71を有する。流量センサ71は、例えば、送液管54の送出管55に設けられている。流量センサ71は、塗布装置40の動作状態として、送出管55内の塗料の流量を測定する。流量センサ71は、送出管55内の塗料の単位時間あたりの流量、又は送出管55内の塗料の積算流量を測定する。
【0033】
図1に戻り、塗布システム1は、塗布状態検出部90を備える。塗布状態検出部90は、ワークWに既に塗布された塗料の状態を検出する。塗布状態検出部90は、例えば、カメラ92を有する。カメラ92は、ワークWにおける塗料が塗布される領域を撮像可能である。カメラ92は、塗料が塗布された状態のワークWを撮像することで得られる画像データを制御装置100に出力する。カメラ92は、所定の位置に固定されていてもよく、カメラ92の視野内にワークWが配置される際に、当該ワークWを撮像してもよい。
【0034】
(制御装置)
制御装置100は、多関節ロボット10及び塗布装置40を制御する。制御装置100は、少なくとも、塗布装置40と多関節ロボット10との少なくとも一方の動作状態を示す情報(以下、「動作状態情報」という。)と、ワークWに対する塗料の塗布品質の目標を示す情報(以下、「目標品質情報」という。)とに基づいて、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御するための制御目標値を算出することと、算出された制御目標値に従って、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御することと、を実行する。
【0035】
塗布システム1は、制御装置100に接続される入力デバイス104と出力デバイス106とを備えてもよい。入力デバイス104は、制御装置100に情報を入力するための装置である。より詳細には、入力デバイス104は、オペレータからの指示を示す入力情報を制御装置100に入力する。入力デバイス104は、所望の情報を入力可能であればいかなるものであってもよく、その具体例としてはキーボード、操作パネル、及びマウス等が挙げられる。
【0036】
出力デバイス106は、制御装置100から出力された情報を報知するための装置である。出力デバイス106は、例えば、制御装置100からの情報をオペレータが確認するためのモニタである。このモニタは、画面上に情報の表示が可能なものであればいかなるものであってもよく、その具体例としては液晶パネル等が挙げられる。
【0037】
制御装置100は、機能上の構成(以下、「機能モジュール」という。)として、例えば、
図3に示されるように、動作制御部112と、動作情報取得部114と、目標品質取得部116と、品質取得部118と、目標値算出部120と、モデル保持部122と、モデル構築部128と、異常検知部124と、報知部126とを有する。これらの機能モジュールが実行する処理は、制御装置100が実行する処理に相当する。
【0038】
動作制御部112は、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御するための制御目標値に従って、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御する。動作制御部112は、塗布装置40の動作に関する制御目標値に従って、塗料を吐出部41から吐出するように塗布装置40を制御する。動作制御部112は、多関節ロボット10の動作に関する制御目標値に従って、吐出部41からの塗料がワークWに塗布されるように多関節ロボット10を制御する。
【0039】
動作制御部112は、吐出部41が吐出する塗料のワークWへの付着位置が予め定められた経路に沿って移動するように、吐出部41の位置及び姿勢を変更させてもよい。例えば、動作制御部112は、吐出部41の目標位置及び目標姿勢に基づき逆運動学演算によりアクチュエータ31~36の目標角度(指令値)を算出し、当該目標角度に追従するようにアクチュエータ31~36を制御する。
【0040】
図4に示されるように、ワークW上には塗料の付着位置の経路を示す複数の塗布経路(経路P1~P5)が定められている。動作制御部112は、吐出部41の位置及び姿勢を各塗布経路に応じた目標位置及び目標姿勢に追従させている間に、吐出部41から塗料を吐出するように塗布装置40を制御する。これにより、ワークW上において複数の塗布経路に沿ってビードB1~B5(複数のビード)が形成される。
【0041】
動作制御部112は、ビードB1~B5それぞれについて、ビードの塗布幅BW及び厚さBTが略一定となるように塗布装置40及び多関節ロボット10を制御してもよい。塗布幅BWは、例えば、塗布経路と直交し且つワークWの表面に沿った方向におけるビードの長さ(幅)である。厚さBTは、例えば、塗布経路及びワークWの表面の双方に直交する方向におけるビードの長さ(厚さ)である。動作制御部112は、略一定の流量で塗料が吐出されるようにポンプ51a,51bの少なくとも一方を制御してもよく、ワークWに対する吐出部41の移動速度が略一定となるようにアクチュエータ31~36を制御してもよい。
【0042】
塗布装置40に関する制御目標値としては、例えば、アクチュエータ53a,53bに含まれるモータの回転数の指令値、及び吐出バルブ43の開閉タイミング(より詳細には、開閉指令を吐出バルブ43に送出するタイミング)が挙げられる。吐出バルブ43への開閉指令を送出するタイミングは、一つの塗布経路に対する塗料の塗布において、吐出バルブ43に開指令を送出するタイミング、及び吐出バルブ43に閉指令を送出するタイミングである。
【0043】
多関節ロボット10に関する制御目標値としては、多関節ロボット10の動作速度の指令値、及び吐出部41の位置及び姿勢の目標位置及び目標姿勢に応じたアクチュエータ31~36の目標角度が挙げられる。なお、上記目標位置及び目標姿勢によって、ワークWと吐出部41(吐出口)との間の距離の目標値が定められる。塗布システム1が稼働を開始する際には、制御目標値は初期値に設定されていてもよい。制御目標値の初期値は、オペレータからの入力情報に基づいて、予め定められていてもよい。
【0044】
動作情報取得部114は、塗布装置40と多関節ロボット10との少なくとも一方の動作状態を示す動作状態情報を取得する。動作情報取得部114は、例えば、ワークWに対する塗料の塗布の実行中に、少なくとも塗布装置40又は多関節ロボット10から動作状態情報を取得する。動作情報取得部114は、塗布装置40の動作状態を示す情報と多関節ロボット10の動作状態を示す情報とを含む動作状態情報を取得してもよい。動作情報取得部114は、例えば、所定の周期で、塗布装置40から当該塗布装置40の動作状態を示す情報を取得する。動作情報取得部114は、例えば、所定の周期で、多関節ロボット10から当該多関節ロボット10の動作状態を示す情報を取得する。
【0045】
塗布装置40に関する動作状態情報としては、例えば、吐出部41に接続された送出管55の流路内の塗料に関する情報、吐出バルブ43の動作状態を示す情報、及び吐出部41に塗料を圧送するポンプ51a,51bの動作状態を示す情報が挙げられる。送出管55の流路内の塗料に関する情報は、その流路内の塗料の流量を示す情報、当該流路内の塗料の圧力を示す情報、及び当該流路内の塗料の温度を示す情報を含んでもよい。一例では、送出管55の流路内の塗料に関する情報は、圧力センサ61,62a,62bによる測定結果、温度センサ64,65による測定結果、及び流量センサ71による測定結果から得られる。
【0046】
吐出バルブ43の動作状態を示す情報としては、例えば、当該吐出バルブ43が開閉指令を受け取ってから、開閉状態が実際に遷移するまでのタイミングを示す情報が挙げられる。そのタイミングは、吐出バルブ43からの開閉状態を示す信号に応じて算出されてもよい。ポンプ51a,51bの動作状態を示す情報としては、ポンプ51a,51bに含まれるアクチュエータ53a,53bの実際の回転速度が挙げられる。一例では、アクチュエータ53a,53bの実際の回転速度は、アクチュエータ53a,53bに含まれる回転センサからそれぞれ得られる。
【0047】
多関節ロボット10の動作状態を示す情報としては、例えば、多関節ロボット10に含まれるアクチュエータ31~36の動作状態を示す情報が挙げられる。アクチュエータ31~36の動作状態を示す情報は、アクチュエータ31~36の実際の回転速度、及び実際の回転角度を示す情報を含む。これらの回転速度及び回転角度によって、吐出部41の実際の位置及び姿勢(吐出部41とワークWとの間の実際の距離)、及び吐出部41の実際の動作速度が算出可能である。一例では、アクチュエータ31~36の実際の回転速度、及び実際の回転角度は、アクチュエータ31~36それぞれに含まれる回転センサによる測定結果から得られる。なお、吐出部41の位置、姿勢及び動作速度は、多関節ロボット10の動作に依存するので、多関節ロボット10の動作状態を示している。
【0048】
目標品質取得部116は、ワークWに対する塗料の塗布品質の目標を示す目標品質情報を取得する。塗布品質は、例えば、少なくともワークW上の塗料の塗布幅又はワークW上の塗料の厚さを含む。目標品質情報は、ワークW上の塗料(ビード)の塗布幅BWの目標値と、ワークW上の塗料(ビード)の厚さBTの目標値とを含んでもよい(
図4も参照)。
【0049】
品質取得部118は、塗布状態検出部90による検出結果から、ワークWに対する塗料の塗布品質の実績を示す情報(以下、「実績品質情報」という。)を取得する。品質取得部118は、例えば、実績品質情報として、ワークW上に既に形成されたビードの塗布幅BWの実績値と、ワークW上に既に形成されたビードの厚さBTの実績値との少なくとも一方を取得してもよい。
【0050】
品質取得部118は、塗料が既に塗布されたワークWをカメラ92によって撮像して得られる画像データから、ビードの塗布幅BWの実績値、及びビードの厚さBTの実績値を取得してもよい。品質取得部118は、一つの塗布経路内における複数箇所での塗布幅BW又は厚さBTの実績値を取得してもよく、一のビード(塗布経路)において、塗布幅BWの平均値及び厚さBTの平均値をそれぞれ実績値として取得してもよい。
【0051】
目標値算出部120は、動作制御部112が塗布装置40及び多関節ロボット10を制御する際の動作の条件を定めた制御目標値を算出する。上述した制御目標値の初期値は、例えば周囲の環境等が基準状態であると想定して設定されており、実際に塗料を塗布した際には、目標の塗布品質(例えば、塗布幅BWの目標値)と実際の塗布品質(例えば、塗布幅BWの実績値)との間に差が生じ得る。そのため、目標値算出部120は、その差を縮小するように制御目標値を算出する。目標値算出部120が制御目標値を算出した場合には、動作制御部112は、現在設定中の制御目標値(例えば初期値)を、目標値算出部120が算出した制御目標値に更新する。そして、動作制御部112は、更新された(算出された)制御目標値に従って、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御する。
【0052】
目標値算出部120は、動作状態情報と目標品質情報とに基づいて制御目標値を算出する。例えば、目標値算出部120は、動作状態情報と目標品質情報とに基づいて、目標品質情報と実績品質情報との差が縮小するように制御目標値を算出する。目標値算出部120は、動作状態情報、目標品質情報、及び実績品質情報(例えば、品質取得部118が取得した実績品質情報)に基づいて、制御目標値を算出してもよい。一例では、目標値算出部120は、目標品質情報と実績品質情報との差と動作状態情報との入力に応じて、制御目標値の変化量を出力するように構築された推定モデルを用いて、制御目標値を算出する。この推定モデルは、モデル保持部122に保持(記憶)されている。
【0053】
目標値算出部120は、目標品質情報によって示される目標品質と、実績品質情報によって示される実績品質との乖離レベル(以下、「品質乖離レベル」という。)が、所定レベルを超えた場合に、制御目標値を算出してもよい。すなわち、目標品質と実績品質との品質乖離レベルが所定レベルを超えた際に、制御目標値の更新(調節)が行われてもよい。目標値算出部120は、一つの塗布経路に対して塗料を塗布する度に、品質乖離レベルと上記所定レベルとの比較を行ってもよい。上記所定レベルは、例えば、塗布品質における許容誤差を考慮して予め設定されている。
【0054】
目標品質と実績品質との乖離の要因の一つとして、多関節ロボット10及び塗布装置40を動作させている環境(外部環境)の変化が考えられる。例えば、多関節ロボット10及び塗布装置40が設置されるエリアの周囲の温度が変化すると、塗布装置40内の塗料の温度が、制御目標値の初期値の設定で考慮した基準状態での値(基準値)から変化する。この場合に、塗料の粘性(粘度)が変化するので、同じ制御目標値で塗布装置40を動作させても、吐出部41から吐出される塗料のワークW上での付着挙動が変化する。その結果、塗布品質である塗布幅BW又は塗料の厚さBTが影響を受ける。目標値算出部120は、上述の推定モデルを利用して、塗料の温度が変化しても目標品質に近い実績品質が得られるように、制御目標値を算出する。
【0055】
目標品質と実績品質との乖離の要因の一つとして、上記外部環境の変化に加えて、制御目標値に対する実際の動作の変化(基準値からのずれ)が考えられる。制御目標値に対する装置の実際の動作の変化は、動作状態情報と基準値とを比較することで検出される。例えば、吐出バルブ43が開指令を受けて、実際に開くまでのタイミングが基準値から遅れると、吐出開始時点(直前)の送液管54内の圧力が高くなり、一の塗布経路に形成されるビードにおいて先頭部分の塗料が太くなる場合がある。すなわち、タイミングの遅れが、塗布品質の一つである塗布幅BWに影響を及ぼす。
【0056】
目標値算出部120は、上述の推定モデルを利用して、実際に開くまでのタイミングが変化しても目標品質に近い実績品質が得られるように、制御目標値を算出する。上記基準値は、基準状態での値に代えて、動作状態情報の統計値に設定されてもよい。例えば、吐出バルブ43の開閉動作に関する基準値は、吐出バルブ43が実際に開くタイミングの累積平均値に設定されてもよい。
【0057】
目標品質と実績品質とが乖離する場合の他の例としては、制御目標値の初期値の設定で考慮した塗布システム1に含まれる各装置の標準の仕様(例えば、寸法)と、実際に動作中の各装置の仕様(例えば、寸法)との差が挙げられる。例えば、同種の塗布システム1が、それぞれ異なる使用環境(工場内の異なる設置位置、又は異なる工場)で用いられる場合がある。この場合、各装置の寸法(例えば、送液管54の長さ)が、使用環境に応じて異なることが想定される。
【0058】
塗料の実績品質は、ワークWに対して塗料を吐出中に得られた動作状態情報に相関すると考えられる。そのため、目標値算出部120は、動作情報取得部114が取得した動作状態情報と基準値との乖離レベル(以下、「動作乖離レベル」という。)が所定の設定レベルを超えた場合に制御目標値を算出してもよい。動作状態情報が複数の動作状態を示す情報を含む場合には、複数の動作状態にそれぞれ対応した基準値が設定される。そして、目標値算出部120は、複数の動作状態それぞれについて、動作状態を示す情報と対応する基準値との動作乖離レベルと、上記設定レベルとを比較する。
【0059】
設定レベルは、例えば、塗布品質における許容誤差を超えると推定される基準値からのずれ量を考慮して予め設定される。一例では、吐出バルブ43が実際に開くまでのタイミングが乖離した場合に、目標値算出部120は、上述の推定モデルを利用して、実際に開くまでのタイミングが基準値に近づくように(基準値との乖離レベルが縮小するように)、吐出バルブ43に開指令を送るタイミングを調節してもよい。
【0060】
モデル構築部128は、目標値算出部120が制御目標値の算出のために利用する推定モデルを構築する。モデル構築部128は、目標品質情報、実績品質情報、及び動作状態情報と、制御目標値との関係を示す推定モデルを構築する。推定モデルでは、目標品質情報、実績品質情報、及び動作状態情報に対して、制御目標値自体との関係又は制御目標値の変化量との関係が示されてもよい。モデル構築部128は、例えば、蓄積された各種情報の実績データから、目標品質情報、実績品質情報、及び動作状態情報の入力に応じて、制御目標値(の推奨値)を出力する推定モデルを構築する。又は、モデル構築部128は、蓄積された各種情報の実績データから、目標品質情報と実績品質情報との差と、動作状態情報との入力に応じて、制御目標値の変化量(現在設定している制御目標値からの推奨の変化量)を出力する推定モデルを構築してもよい。以下、推定モデルの構築の一例について説明する。
【0061】
モデル構築部128は、動作状態情報及び制御目標値と、当該動作状態情報及び当該制御目標値に基づく実績品質情報とを蓄積する。モデル構築部128は、制御目標値を所定の範囲で変化させて、そのときの動作状態情報及び制御目標値と、実績品質情報とを対応付けて蓄積する。この際、モデル構築部128は、一の動作状態情報において、制御目標値の変化量と、制御目標値のその変化量に基づく実績品質情報の変化量とを蓄積してもよい。すなわち、モデル構築部128は、特定の動作状態で多関節ロボット10及び塗布装置40が動作している場合において、制御目標値の変化量と実績品質情報の変化量とを対応付けて蓄積する蓄積処理を実行してもよい。モデル構築部128は、いずれかの動作状態の値が異なる種々の動作状態情報において、上記蓄積処理を繰り返し実行してもよい。
【0062】
モデル構築部128は、蓄積処理が繰り返し実行され、制御目標値の変化量と実績品質情報の変化量とが対応付けられることで得られる蓄積データに基づいて機械学習を行うことで、推定モデルを構築してもよい。この推定モデルは、実績品質情報の変化量及び動作状態情報と、制御目標値の変化量との関係を示すように構築される。詳細には、推定モデルは、実績品質情報の変化量(現在の実績品質と目標品質との差)及び動作状態情報(現在の動作状態情報)が入力された際に、これらの入力値に応じて、現在の実績品質と目標品質との差を縮小させる制御目標値の変化量を出力するように構築されている。
【0063】
推定モデルの一例として、実績品質情報の変化量及び動作状態情報を入力ベクトルとして、制御目標値の変化量を出力ベクトルとするニューラルネットワークが用いられてもよい。ニューラルネットワークは、入力層と、一層又は複数層の中間層と、出力層とを有する。入力層は、入力ベクトルをそのまま次の中間層に出力する。中間層は、一つの前の層からの入力を活性化関数により変換して次の層に出力する。出力層は、入力層から最も遠い中間層からの入力を活性化関数により変換し、変換結果を出力する。
【0064】
異常検知部124は、動作状態情報と基準値との上記動作乖離レベルと、所定の動作許容レベル(許容レベル)との比較結果に基づいて、塗布装置40又は多関節ロボット10の動作の異常を検知する。異常検知部124は、動作乖離レベルが、動作許容レベルを超えている場合に、塗布装置40又は多関節ロボット10において異常が生じていると判定してもよい。許容レベルは、上述の設定レベルよりも大きい値に予め設定されている。許容レベルは、例えば、制御目標値の修正では調節できない程度に動作状態と基準値とが乖離していると判断されるレベルに設定されている。
【0065】
動作状態情報が複数の動作状態を示す情報を含む場合に、異常検知部124は、動作状態情報に含まれる複数の動作状態それぞれについて、異常を検知してもよい。異常検知部124は、所定周期で異常の有無を判定してもよく、塗布経路にビードが形成される度に異常の有無を判定してもよい。異常検知部124は、塗布装置40に関する動作状態情報と基準値との動作乖離レベルが、許容レベルを超えた場合に、塗布装置40において異常が生じたと判定する。異常検知部124は、多関節ロボット10に関する動作状態情報と基準値との動作乖離レベルが、許容レベルを超えた場合に、多関節ロボット10において異常が生じたと判定する。
【0066】
報知部126は、異常検知部124による検知結果を報知する。例えば、報知部126は、異常検知部124が異常を検知した際に、異常が生じたことを示す信号を出力デバイス106に出力する。報知部126は、塗布装置40及び多関節ロボット10のいずれにおいて異常が生じたかを示す信号を更に出力デバイス106に出力してもよい。出力デバイス106は、異常が生じたことを示す信号を受けた際に、当該信号に応じた情報を表示してもよい。
【0067】
図5は、制御装置100のハードウェア構成を例示するブロック図である。
図5に示されるように、制御装置100は、回路150を有する。回路150は、一つ又は複数のプロセッサ152と、メモリ154と、ストレージ156と、ドライバ(ドライバ回路)158と、入出力ポート162とを含む。ストレージ156は、例えば不揮発性の半導体メモリ等、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を有する。
【0068】
ストレージ156は、塗布装置40と多関節ロボット10との少なくとも一方の動作状態を示す動作状態情報と、ワークWに対する塗料の塗布品質の目標を示す目標品質情報とに基づいて制御目標値を算出することと、算出された制御目標値に従って塗布装置40及び多関節ロボット10を制御することと、を制御装置100に実行させるためのプログラムを記憶している。例えばストレージ156は、制御装置100に上記各機能モジュールを構成するためのプログラムを記憶している。
【0069】
メモリ154は、ストレージ156の記憶媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ152による演算結果を一時的に記憶する。プロセッサ152は、メモリ154と協働して上記プログラムを実行することで、制御装置100の各機能モジュールを構成する。ドライバ158は、プロセッサ152からの指令に従って、多関節ロボット10のアクチュエータ31~36に駆動電力を出力する。入出力ポート162は、プロセッサ152からの指令に従って、アクチュエータ31~36、吐出バルブ43、アクチュエータ53a,53b、圧力センサ61,62a,62b、温度センサ64,65、流量センサ71、入力デバイス104、及び出力デバイス106等との間で情報の入出力を行う。
【0070】
なお、回路150は、必ずしもプログラムにより各機能を構成するものに限られない。例えば回路150は、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により少なくとも一部の機能を構成してもよい。
【0071】
[制御方法]
続いて、
図6を参照して、塗布システム1において実行される制御方法の一例について説明する。
図6は、モデル構築部128が既に推定モデルを構築した後に、制御装置100が実行する制御手順を示すフローチャートである。
【0072】
この制御手順では、制御装置100が、まずステップS01,S02を実行する。ステップS01では、例えば、目標品質取得部116が、塗布品質の目標を示す目標品質情報を取得する。目標品質取得部116は、入力デバイス104を介したオペレータからの入力情報から目標品質情報を取得してもよい。ステップS02では、例えば、制御装置100が、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御するための制御目標値を初期値に設定する。制御装置100は、制御目標値の初期値を予め記憶していてもよい。
【0073】
次に、制御装置100は、ステップS03を実行する。ステップS03では、例えば、動作制御部112が、初期値に設定された制御目標値に従って、一つの塗布経路に対して塗料を吐出する。これにより、ワークW上に一つのビードが形成される。ステップS03では、ワークWへの塗料の吐出が実行されている間に、動作情報取得部114が、塗布装置40及び多関節ロボット10から、これらの動作の状態を示す動作状態情報を取得する。動作情報取得部114は、塗料の吐出の実行中において、所定の周期で動作状態情報を取得してもよい。
【0074】
次に、制御装置100は、ステップS04を実行する。ステップS04では、例えば、品質取得部118が、塗布状態検出部90による検出結果から、ステップS03で塗布された塗料について、ワークW上の塗料の塗布品質の実績を示す実績品質情報を取得する。品質取得部118は、カメラ92によって、ワークW上のステップS03で形成されたビードを含む範囲が撮像されて得られる画像データから、ステップS03で形成されたビードの塗布幅BWと厚さBTとを取得してもよい。品質取得部118は、塗布経路(ビードの延在方向における)複数箇所での塗布幅BWと厚さBTとを取得してもよい。
【0075】
次に、制御装置100は、ステップS05を実行する。ステップS05では、例えば、目標値算出部120が、制御目標値の調節が必要か否かを判定する。例えば、目標値算出部120は、ステップS04で得られた実績品質情報と、ステップS01で得られた目標品質情報との品質乖離レベルが所定レベルを超えているか否かを判定する。目標値算出部120は、塗布経路の複数箇所それぞれにおいて、品質乖離レベルと所定レベルとを比較してもよく、塗布経路の複数箇所における実績品質情報の平均値と所定レベルとを比較してもよい。
【0076】
目標値算出部120は、実績品質と目標品質との乖離に代えて、ステップS03で得られた動作状態情報と基準値との動作乖離レベルが上記設定レベルを超えているか否かを判定してもよい。目標値算出部120は、品質乖離レベルが所定レベルを超えている場合、又は、いずれかの動作状態情報についての動作乖離レベルが設定レベルを超えている場合に、制御目標値の調節が必要であると判定する。一方、目標値算出部120は、品質乖離レベルが所定レベル以下である場合、又は、いずれの動作状態情報について動作乖離レベルが設定レベル以下である場合に、制御目標値の調節が不要であると判定する。
【0077】
ステップS05において、制御目標値の調節が必要と判断された場合(ステップS05:YES)、制御装置100は、ステップS06を実行する。ステップS06では、例えば、目標値算出部120が、上述の推定モデルを利用して、現在の状態と目標品質情報とに基づいて制御目標値の調節幅を算出する。この調節幅は、現在の状態において目標品質状態を得るために制御目標値を調節すべき量に相当する。現在の状態には、ステップS03で得られた現在の動作状態情報と、ステップS04で得られた現在の実績品質情報とが含まれる。目標値算出部120は、算出した制御目標値の上記調節幅を、現在の制御目標値(例えば、制御目標値の初期値)に加えることで、新しい制御目標値を算出する。
【0078】
一方、ステップS05において、制御目標値の調節が不要であると判断された場合(ステップS05:NO)、制御装置100は、ステップS06を実行しない。次に、制御装置100は、ステップS07を実行する。ステップS07では、例えば、制御装置100が、全ての塗布経路(例えば、複数のワークWに設定された全塗布経路)に対して塗布が終了したか否かを判断する。
【0079】
ステップS07において、全ての塗布経路に対する塗布が終了していないと判断された場合(ステップS07:NO)、制御装置100の処理は、ステップS03に戻る。この場合、制御装置100は、ステップS03~S05(S06)の処理を再度実行する。ステップS03での次の塗布経路への塗布では、動作制御部112が、前の塗布経路の実行後に算出された制御目標値に従って、塗布対象となる塗布経路に対して塗料を吐出するように塗布装置40及び多関節ロボット10を制御する。ステップS07において、全ての塗布経路に対する塗布が終了したと判断された場合(ステップS07:YES)、制御装置100の一連の処理が終了する。
【0080】
上述した一連の処理は一例であり、適宜変更可能である。上記一連の処理において、制御装置100は、一のステップと次のステップとを並列に実行してもよく、上述した例とは異なる順序で各ステップを実行してもよい。制御装置100は、いずれかのステップを省略してもよく、いずれかのステップにおいて上述の例とは異なる処理を実行してもよい。
【0081】
制御装置100は、ステップS05の実行と合わせて、又は、ステップS03を実行中の所定周期ごとに、塗布装置40及び多関節ロボット10の動作の異常を検知してもよい。例えば、制御装置100の異常検知部124は、動作状態情報に含まれる複数の動作状態それぞれについて、動作状態と基準値との間の上記動作乖離レベルが、上記動作許容レベルを超えている場合に、塗布装置40及び多関節ロボット10のいずれか一方において異常が発生していると検知する。異常検知部124は、上記動作乖離レベルが、上記動作許容レベル以下である場合に、塗布装置40及び多関節ロボット10のいずれも正常に動作していると判定してもよい。
【0082】
(変形例)
上述の例では、塗布状態検出部90による検出結果から実績品質情報が得られているが、動作状態情報に基づいて実績品質情報が推定されてもよい。多関節ロボット10から得られる当該多関節ロボット10の動作状態、及び塗布装置40から得られる当該塗布装置40の動作状態は、ワークW上に塗布された塗料の塗布品質(例えば、ビードの塗布幅BW及び厚さBT)に影響を及ぼす。そのため、動作状態情報から塗布品質を推定することが可能である。制御装置100は、例えば、
図3に示されるように、品質推定部132を有する。この場合、塗布システム1は、塗布状態検出部90を備えていなくてもよい。
【0083】
品質推定部132は、動作情報取得部114が取得した動作状態情報に基づいて、塗布品質を推定する。以下では、品質推定部132によって推定される塗布品質を示す情報についても「実績品質情報」と称する。目標値算出部120は、動作状態情報、目標品質情報、及び品質推定部132によって推定された実績品質情報に基づいて、制御目標値を算出してもよい。例えば、目標値算出部120は、品質推定部132によって推定された実績品質情報と目標品質情報との差を、上述の推定モデルに入力することで得られる制御目標値の変化量(出力値)から、制御目標値の調節量を求めてもよい。
【0084】
制御装置100が品質推定部132を有する場合においても、制御装置100は、
図6に示されるフローチャートと同様の手順で一連の処理を実行してもよい。この場合、ステップS04において、品質推定部132が、ステップS03において得られた動作状態情報(塗布経路への塗料の吐出中に得られた動作状態情報)に基づいて、当該塗布経路に塗布された塗料の品質情報を推定してもよい。ステップS06が実行される際には、目標値算出部120が、ステップS04において推定された実績品質情報とステップS01で得られた目標品質との差と、ステップS03で得られた動作状態情報とから、推定モデルを利用して制御目標値を算出(調節)してもよい。
【0085】
制御装置100のモデル構築部128は、実績品質情報を推定するための推定モデルを構築してもよい。モデル構築部128は、動作状態情報と、当該動作状態情報に基づく塗布品質(例えば、カメラ等で得られた塗布品質)を示す情報とを蓄積する。モデル構築部128は、動作状態情報と塗布品質を示す情報とが対応付けられたうえで蓄積された蓄積データに基づいて、動作状態情報の入力に応じて実績品質情報を出力する推定モデルを構築する。
【0086】
制御目標値の調節量(調節すべき量)を推定する推定モデルと、動作状態情報から実績塗布品質を推定する推定モデルとに代えて、1つの推定モデルが構築されてもよい。例えば、目標値算出部120は、現在の動作状態情報及び目標品質情報と、制御目標値の変化量との関係を示すように構築された別の推定モデルを利用して、制御目標値を算出(調節)してもよい。
【0087】
塗布状態検出部90は、カメラに代えて、レーザ光を利用してワークW上の塗料(ビード)の状態を検出してもよい。この場合、品質取得部118は、レーザ光の受光状態から得られる測定結果から、ビードの塗布幅BW等を取得してもよい。塗布装置40は、2つのポンプ(ポンプ51a,51b)に代えて、1つのポンプを有してもよい。
【0088】
[実施形態の効果]
上記実施形態に係る塗布システム1は、塗料を吐出部41から吐出する塗布装置40と、吐出部41からの塗料がワークWに塗布されるように吐出部41の位置及び姿勢を変更させる多関節ロボット10と、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御する制御装置100と、を備える。制御装置100は、塗布装置40及び多関節ロボット10の少なくとも一方の動作状態を示す動作状態情報と、ワークWに対する塗料の塗布品質の目標を示す目標品質情報とに基づいて、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御するための制御目標値を算出する目標値算出部120と、目標値算出部120が算出した制御目標値に従って、塗布装置40及び多関節ロボット10を制御する動作制御部112とを有する。
【0089】
塗布装置40及び多関節ロボット10の少なくとも一方の動作状態に応じて、目標品質が得られる制御目標値が変化する。この塗布システム1では、動作状態を示す情報と目標品質を示す情報とに基づき制御目標値が算出されるので、目標品質により近い品質が得られる制御目標値で、塗布装置40及び多関節ロボット10に対する制御が実行される。従って、ワークWに塗布された塗料の品質の安定化に有用である。
【0090】
上記実施形態に係る塗布システム1において、目標値算出部120は、ワークWに対する塗料の塗布品質の実績を示す実績品質情報に更に基づいて、制御目標値を算出してもよい。この場合、現状の塗料の塗布品質と目標品質との差分を考慮して、制御目標値を算出できる。従って、制御目標値の高精度な算出に有用である。
【0091】
上記実施形態に係る塗布システム1において、目標値算出部120は、目標品質情報、実績品質情報、及び動作状態情報と、制御目標値との関係を示すように構築された推定モデルを用いて、制御目標値を算出してもよい。この場合、目標品質情報、実績品質情報、及び動作状態情報を推定モデルに当てはめることで、制御目標値を容易に算出できる。従って、制御装置100による演算の簡素化に有用である。
【0092】
上記実施形態に係る塗布システム1は、動作状態情報に基づいて、実績品質情報を推定する品質推定部132を更に備えてもよい。目標値算出部120は、動作状態情報、目標品質情報、及び品質推定部132が推定した実績品質情報に基づいて、制御目標値を算出してもよい。この場合、ワークWに実際に塗布された塗料の塗布結果を見ずに制御目標値を調節できる。従って、制御目標値の調節するための作業の簡素化に有用である。
【0093】
上記実施形態に係る塗布システム1において、品質推定部132は、動作状態情報の入力に応じて実績品質情報を出力するように構築された推定モデルを用いて、動作状態情報に基づく実績品質情報を推定してもよい。この場合、実績品質情報を推定する際に、動作状態情報を推定モデルに当てはめることで、実績品質情報の推定値を求めることができる。従って、動作状態情報から実績品質情報を推定する際の制御装置100による演算の簡素化に有用である。
【0094】
上記実施形態に係る塗布システム1は、ワークWに既に塗布された塗料の状態を検出する塗布状態検出部90と、塗布状態検出部90による検出結果から、実績品質情報を取得する品質取得部118とを更に備えてもよい。目標値算出部120は、動作状態情報、目標品質情報、及び品質取得部118が取得した実績品質情報に基づいて、制御目標値を算出してもよい。この場合、ワークWに実際に塗布された塗料の状態から、塗布品質を示す情報が得られるので、実績品質情報が精度良く得られる。従って、制御目標値の高精度な算出に有用である。
【0095】
上記実施形態に係る塗布システム1において、動作状態情報は、吐出部41までの流路内の塗料の流量、当該流路内の塗料の圧力、当該流路内の塗料の温度、当該流路内に設けられた開閉バルブ(吐出バルブ43)の動作状態、吐出部41に塗料を圧送するポンプ51a,51bの動作状態、及び多関節ロボット10に含まれるアクチュエータ31~36の動作状態から成る群から選択される少なくとも1つを示す情報を含んでもよい。これらの情報は、外部の環境要因によって変動し得るか、又は指令値を示す制御目標値との間で差が生じ得る。上記構成では、この変動又は差が考慮されて制御目標値が算出される。従って、制御目標値の高精度な調節に有用である。例えば、吐出部41までの流路内の塗料の温度によって(例えば、温度が25℃である場合と35℃である場合とで)、制御目標値の調節すべき量が異なる。上述の塗布システム1では、塗料の温度が考慮されて制御目標値の調節量が算出されるので、現在の装置の状態に応じた制御目標値の調節が可能である。
【0096】
上記実施形態に係る塗布システム1において、ワークWに対する塗料の塗布品質は、少なくともワークW上の塗料の塗布幅BW又はワークW上の塗料の厚さBTを含んでもよい。この場合、ワークW上に塗布された塗料の塗布幅又は厚さを目標値に近づけることができる。
【0097】
上記実施形態に係る塗布システム1は、ワークWに対する塗料の塗布の実行中に、少なくとも塗布装置40又は多関節ロボット10から動作状態情報を取得する動作情報取得部114を更に備えてもよい。目標値算出部120は、動作情報取得部114が取得した動作状態情報と基準値との乖離レベルが所定の設定レベルを超えた場合に制御目標値を算出してもよい。動作状態情報が基準値から乖離すると、目標品質と実績品質との差が大きくなると考えられる。上記構成では、動作状態情報が基準値から乖離しても制御目標値が算出されるので、目標品質と実績品質との差を縮小できる。従って、ワークWに塗布された塗料の品質の安定化に有用である。
【0098】
上記実施形態に係る塗布システム1は、上記乖離レベルと上記設定レベルよりも大きい所定の許容レベルとの比較結果に基づいて、塗布装置40又は多関節ロボット10の動作の異常を検知する異常検知部124を更に備えてもよい。この場合、制御目標値の調節では、実績品質を目標品質に近づけることができない程度の変動を検知することが可能となる。
【符号の説明】
【0099】
1…塗布システム、10…多関節ロボット、31~36…アクチュエータ、40…塗布装置、41…吐出部、43…吐出バルブ、51a,51b…ポンプ、90…塗布状態検出部、100…制御装置、112…動作制御部、114…動作情報取得部、118…品質取得部、120…目標値算出部、124…異常検知部、132…品質推定部、W…ワーク、BW…塗布幅、BT…厚さ。