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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20221109BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
H04Q9/00 311J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020532166
(86)(22)【出願日】2019-04-25
(86)【国際出願番号】 JP2019017616
(87)【国際公開番号】W WO2020021802
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】P 2018139457
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】丸山 剛史
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】黒岩 聡
(72)【発明者】
【氏名】岩間 成美
(72)【発明者】
【氏名】酒井 治
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/168248(WO,A1)
【文献】特開2008-131755(JP,A)
【文献】特開2018-011370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力系統に用いられる監視装置であって、
電池からの電力供給を受けて動作し、情報を転送する通信部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置と時刻同期するための同期処理を行う時刻同期部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、前記通信部および前記時刻同期部への電力供給の開始および停止を制御する電源制御部とを備え、
前記電源制御部は、前記通信部および前記時刻同期部への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行い、
前記監視装置は、電池からの電力供給を受けて動作し、かつ計測結果を示す計測情報を前記情報として出力するセンサをさらに備えるか、または前記センサと接続され、
前記電源制御部は、前記センサへの電力供給の開始および停止を制御し、
前記電源制御部は、前記センサへの電力供給を開始し、かつ第2の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第2電源制御を行い、
前記電源制御部は、前記第1電源制御によって前記通信部および前記時刻同期部への電力供給が行われている期間の一部または全部において前記第2電源制御を行い、
前記第1電源制御によって前記通信部および前記時刻同期部への電力供給が行われている期間と前記第2電源制御によって前記センサへの電力供給が行われている期間との重複期間において、前記センサから前記計測情報が出力され、前記通信部は、前記センサから出力された前記計測情報を転送する、監視装置。
【請求項2】
前記通信部は、他の前記監視装置との間で情報を転送し、
前記時刻同期部は、他の前記監視装置から送信された時刻情報を用いて、前記他の監視装置と時刻同期するための前記同期処理を行う、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
電力系統に用いられる監視装置であって、
電池からの電力供給を受けて動作し、情報を転送する通信部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置と時刻同期するための同期処理を行う時刻同期部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、前記通信部および前記時刻同期部への電力供給の開始および停止を制御する電源制御部とを備え、
前記電源制御部は、前記通信部および前記時刻同期部への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行い、
前記監視装置は、電池からの電力供給を受けて動作し、かつ計測結果を示す計測情報を前記情報として出力するセンサをさらに備えるか、または前記センサと接続され、
前記電源制御部は、前記通信部が所定情報を受信した場合、前記第1電源制御を停止して前記通信部および前記時刻同期部への電力供給を継続的に行い、かつ前記所定情報に基づく時刻において前記センサへの電力供給を開始する制御を行う、監視装置。
【請求項4】
前記電源制御部は、前記所定情報に基づく時刻において前記通信部、前記時刻同期部および前記センサへの電力供給を停止する制御を行い、前記第1電源制御を再開する、請求項に記載の監視装置。
【請求項5】
電力系統に用いられる監視装置であって、
電池からの電力供給を受けて動作し、情報を転送する通信部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置と時刻同期するための同期処理を行う時刻同期部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、前記通信部への電力供給の開始および停止を制御する電源制御部とを備え、
前記電源制御部は、前記通信部への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行い、
前記監視装置は、電池からの電力供給を受けて動作し、かつ計測結果を示す計測情報を前記情報として出力するセンサをさらに備えるか、または前記センサと接続され、
前記電源制御部は、前記センサへの電力供給の開始および停止を制御し、
前記電源制御部は、前記センサへの電力供給を開始し、かつ第2の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第2電源制御を行い、
前記電源制御部は、前記第1電源制御によって前記通信部への電力供給が行われている期間の一部または全部において前記第2電源制御を行い、
前記第1電源制御によって前記通信部への電力供給が行われている期間と前記第2電源制御によって前記センサへの電力供給が行われている期間との重複期間において、前記センサから前記計測情報が出力され、前記通信部は、前記センサから出力された前記計測情報を転送する、監視装置。
【請求項6】
前記時刻同期部に対して、前記電源制御部とは別に電力供給制御を行うことが可能であり、
前記電源制御部は、前記第1電源制御によって前記通信部への電力供給が行われている期間において、前記時刻同期部への電力供給を開始し、かつ前記同期処理が終了すると前記時刻同期部への電力供給を停止する制御を行う、請求項に記載の監視装置。
【請求項7】
前記監視装置は、さらに、
前記同期処理が行われた同期処理時刻を保持する保持部を備え、
前記電源制御部は、前記同期処理時刻から所定時間経過している場合に前記時刻同期部への電力供給を開始する制御を行う、請求項に記載の監視装置。
【請求項8】
電力系統に用いられ、複数の監視装置を備える監視システムであって、
前記監視装置は、
電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置との間で情報を転送する通信部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置から送信された時刻情報を用いて、前記他の監視装置と時刻同期するための同期処理を行う時刻同期部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、前記通信部および前記時刻同期部への電力供給の開始および停止を制御する電源制御部とを含み、
前記電源制御部は、前記通信部および前記時刻同期部への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行い、
前記監視装置は、電池からの電力供給を受けて動作し、かつ計測結果を示す計測情報を前記情報として出力するセンサをさらに備えるか、または前記センサと接続され、
前記電源制御部は、前記センサへの電力供給の開始および停止を制御し、
前記電源制御部は、前記センサへの電力供給を開始し、かつ第2の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第2電源制御を行い、
前記電源制御部は、前記第1電源制御によって前記通信部および前記時刻同期部への電力供給が行われている期間の一部または全部において前記第2電源制御を行い、
前記第1電源制御によって前記通信部および前記時刻同期部への電力供給が行われている期間と前記第2電源制御によって前記センサへの電力供給が行われている期間との重複期間において、前記センサから前記計測情報が出力され、前記通信部は、前記センサから出力された前記計測情報を転送する、監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置に関する。
この出願は、2018年7月25日に出願された日本出願特願2018-139457号を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【背景技術】
【0002】
ネットワークシステムの一例として、たとえば、特許第6046480号公報(特許文献1)には、以下のような構成が開示されている。
【0003】
すなわち、ネットワークシステムは、送電線を架設する鉄塔列の各鉄塔に無線局を設置すると共に、少なくとも1台の該無線局に外部通信回線に接続可能な親局を接続して、これらの無線局により該鉄塔列に沿って、該無線局から該親局に、又は該親局から該無線局に、双方向に情報を順次中継可能であり、該無線局が、該鉄塔列の一方側から送られた該情報を記憶するための第1の通信用メモリと、該鉄塔列の他方側から送られた該情報を記憶するための第2の通信用メモリとを備え、該第1の通信用メモリに記憶された該情報を該他方側に中継し、該第2の通信用メモリに記憶された該情報を該一方側に中継する送電鉄塔保守情報無線ネットワークシステムにおいて、該無線局には個別に識別番号が付与されており、該情報の発信元になる該無線局が該情報に自局の該識別番号を付して送信するものであり、該親局が該無線局の該識別番号と、その無線局の設置されている該鉄塔に付与された鉄塔番号とを対応させた識別番号変換テーブルを有しており、該鉄塔に複数の送電線路が併架されていて、同一の該鉄塔に各送電線路に対応する複数の該鉄塔番号が付与され、該親局が、該識別番号変換テーブルに基づいて、該情報を発信した該無線局の識別番号を、各々の該送電線路に対応する複数の該鉄塔番号に変換する。親局は、携帯電話回線などの外部通信回線を介して、上位ホスト局と通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6046480号公報
【発明の概要】
【0005】
(1)本開示の監視装置は、電力系統に用いられる監視装置であって、電池からの電力供給を受けて動作し、情報を転送する通信部と、電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置と時刻同期するための同期処理を行う時刻同期部と、電池からの電力供給を受けて動作し、前記通信部への電力供給の開始および停止を制御する電源制御部とを備え、前記電源制御部は、前記通信部への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行う。
【0006】
本開示の一態様は、このような特徴的な処理部を備える監視装置として実現され得るだけでなく、かかる特徴的な処理をステップとする監視方法として実現され得たり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現され得る。また、本開示の一態様は、監視装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現され得たり、監視装置を含む監視システムとして実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置の構成を示す図である。
図3図3は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置による省電力モードにおける動作手順を定めたフローチャートである。
図4図4は、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムによるイベント発生時モードにおける動作手順を定めたシーケンスである。
図5図5は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る監視装置の構成を示す図である。
図6図6は、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置による電源制御の動作手順を定めたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示が解決しようとする課題]
たとえば、電力系統の電線に関する監視を行う監視装置が鉄塔に設置される場合、太陽光発電装置を電源として搭載すると多くのコストがかかり、また、送電線から監視装置への電力を供給することは困難である。
【0009】
このため、監視装置に電池を搭載することが考えられる。電池の交換頻度を低くするために、監視装置の消費電力を効果的に抑えることができる技術が望まれる。
【0010】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、電力系統に用いられる監視装置であって、消費電力を効果的に抑えることができる監視装置を提供することである。
【0011】
[本開示の効果]
本開示によれば、電力系統に用いられる監視装置であって、消費電力を効果的に抑えることができる。
【0012】
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0013】
(1)本発明の実施の形態に係る監視装置は、電力系統に用いられる監視装置であって、電池からの電力供給を受けて動作し、情報を転送する通信部と、電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置と時刻同期するための同期処理を行う時刻同期部と、電池からの電力供給を受けて動作し、前記通信部への電力供給の開始および停止を制御する電源制御部とを備え、前記電源制御部は、前記通信部への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行う。
【0014】
このように、通信部への電力供給を停止する制御を行う構成により、たとえば、待機電力を要するスリープモードで動作する場合と比較して、多くの消費電力を抑えることができる。また、互いに時刻同期が確立している複数の監視装置間において通信部への電力供給期間を合わせることができるため、各監視装置における通信部への電力供給期間が無駄に確保されることを抑制し、各監視装置からの情報を外部の装置へ到達させることができる。したがって、電力系統に用いられる監視装置において、消費電力を効果的に抑えることができる。
【0015】
(2)好ましくは、前記監視装置は、電池からの電力供給を受けて動作し、かつ計測結果を示す計測情報を前記情報として出力するセンサをさらに備えるか、または前記センサと接続され、前記電源制御部は、前記センサへの電力供給の開始および停止を制御し、前記電源制御部は、前記センサへの電力供給を開始し、かつ第2の所定時間経過後に前記電力供給を停止する第2電源制御を行う。
【0016】
このように、センサへの電力供給を停止する制御を行う構成により、より一層効果的に消費電力を抑えることができる。
【0017】
(3)より好ましくは、前記電源制御部は、前記第1電源制御によって前記通信部への電力供給が行われている期間の一部または全部において前記第2電源制御を行う。
【0018】
このような構成により、センサの計測結果を示す計測情報をリアルタイムに送信することができる。
【0019】
(4)好ましくは、前記監視装置は、電池からの電力供給を受けて動作し、かつ計測結果を示す計測情報を前記情報として出力するセンサをさらに備えるか、または前記センサと接続され、前記電源制御部は、前記通信部が所定情報を受信した場合、前記第1電源制御を停止して前記通信部への電力供給を継続的に行い、かつ前記所定情報に基づく時刻において前記センサへの電力供給を開始する制御を行う。
【0020】
このような構成により、たとえば落雷が予想される場合など、センサによる計測結果の必要性が高い状況において、センサへの電力供給を適切なタイミングで開始させることができる。
【0021】
(5)より好ましくは、前記電源制御部は、前記所定情報に基づく時刻において前記無線通信部および前記センサへの電力供給を停止する制御を行い、前記第1電源制御を再開する。
【0022】
このような構成により、たとえば落雷が予想される期間が経過した場合など、センサによる計測結果の必要性が低くなった状況において、センサへの電力供給を適切なタイミングで停止させ、再び消費電力を効果的に抑えることができる。
【0023】
(6)好ましくは、前記時刻同期部に対して、前記電源制御部とは別に電力供給制御を行うことが可能であり、前記電源制御部は、前記第1電源制御によって前記無線通信部への電力供給が行われている期間において、前記時刻同期部への電力供給を開始し、かつ前記同期処理が終了すると前記時刻同期部への電力供給を停止する制御を行う。
【0024】
このように、時刻同期部による同期処理が行われる期間を除く期間において時刻同期部への電力供給を停止する制御を行う構成により、より一層効果的に消費電力を抑えることができる。
【0025】
(7)より好ましくは、前記監視装置は、さらに、前記同期処理が行われた同期処理時刻を保持する保持部を備え、前記電源制御部は、前記同期処理時刻から所定時間経過している場合に前記時刻同期部への電力供給を開始する制御を行う。
【0026】
このような構成により、前回の同期処理から所定時間経過していない場合には、時刻同期部への電力供給を開始しないため、より一層効果的に消費電力を抑えることができる。
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0028】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
(監視システム)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムの構成を示す図である。
【0029】
図1を参照して、監視システム301は、複数の監視装置101と、収集装置151と、管理装置171とを備える。
【0030】
複数の監視装置101は、電力系統における異なる位置、たとえば、電力系統の保守に必要な情報を検出可能な複数の位置にそれぞれ設置される。具体的には、複数の監視装置101は、電力系統に用いられる複数の鉄塔2にそれぞれ設けられる。また、収集装置151は、たとえば、複数の鉄塔2のうちの1つである鉄塔2aに設けられる。鉄塔2は、たとえば送電鉄塔である。以下、監視装置101から管理装置171への方向を「上り方向」と称し、管理装置171から監視装置101への方向を「下り方向」と称する。
【0031】
監視装置101は、情報を転送する機能を有する。本明細書において、「転送」は、たとえば、情報を中継先へ中継すること、および、情報の送信元として情報を中継先へ送信することを含む。
【0032】
具体的には、監視装置101は、「転送」として、たとえば、自己が他の監視装置101から受信した情報を当該他の監視装置101とは異なる他の監視装置101へ送信し、また、自己におけるセンサの計測結果を示す情報を他の監視装置101へ送信する。
【0033】
詳細には、各監視装置101は、たとえば、送電設備等の電力系統の保守に用いられる情報を送信する。具体的には、たとえば、各監視装置101は、自己が設けられた鉄塔2に接続されている架空地線GWにおける電荷量を計測し、計測結果を示す計測情報を送信する。
【0034】
より詳細には、各監視装置101は、計測結果を示す計測情報を含む無線信号を、たとえば、IEEE802.15.4の通信規格に従って、自己のIDを差出元として含み、上り方向において隣接する他の監視装置101のIDを宛先として含み、かつ計測情報を含むセンサパケットを生成する。そして、各監視装置101は、生成したセンサパケットを含む920MHz帯の無線信号を送信する。
【0035】
また、各監視装置101は、他の監視装置101から送信されたセンサパケットを転送する。より詳細には、各監視装置101は、他の監視装置101からセンサパケットを含む無線信号を受信し、受信した無線信号からセンサパケットを取得して無線信号に含め、上り方向において隣接する他の監視装置101へ送信する。
【0036】
ここで、鉄塔2aに設けられた監視装置101は、生成した無線信号を収集装置151へ送信する。また、当該監視装置101は、他の監視装置101から送信されたセンサパケットを含む無線信号を受信し、受信した無線信号からセンサパケットを取得して無線信号に含め、収集装置151へ送信する。
【0037】
なお、各監視装置101は、隣接する他の監視装置101へ無線信号を送信する構成に限らず、たとえば、上り方向において自己の監視装置101の2つ隣の他の監視装置101へ無線信号を送信してもよい。
【0038】
また、センサパケットの伝送ルートは、監視システム301における1または複数の監視装置101が故障した場合などにおいて、自動的または手動で変更されてもよい。
【0039】
収集装置151は、複数の監視装置101からそれぞれ送信された複数のセンサパケットを転送する。より詳細には、収集装置151は、鉄塔2aに設けられた監視装置101からセンサパケットを含む無線信号を受信し、受信した無線信号からセンサパケットを取得して無線信号に含め、管理装置171へ送信する。
【0040】
管理装置171は、収集装置151から送信されたセンサパケットを受信し、受信したセンサパケットから差出元の監視装置101のIDおよび計測情報を取得し、取得した計測情報と監視装置101のIDとを対応付けて保存する。
【0041】
また、管理装置171は、各種情報が格納されたパケットを生成し、生成したパケットを含む無線信号を収集装置151へ送信する。
【0042】
収集装置151は、管理装置171から送信されたパケットを転送する。より詳細には、収集装置151は、管理装置171から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号からパケットを取得して無線信号に含め、鉄塔2aに設けられた監視装置101へ送信する。
【0043】
鉄塔2aに設けられた監視装置101は、収集装置151から送信されたパケットを転送する。より詳細には、当該監視装置101は、収集装置151から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号からパケットを取得して無線信号に含め、下り方向において隣接する他の監視装置101へ送信する。
【0044】
各監視装置101は、他の監視装置101から送信されたパケットを転送する。より詳細には、各監視装置101は、他の監視装置101からパケットを含む無線信号を受信し、受信した無線信号からパケットを取得して無線信号に含め、下り方向において隣接する他の監視装置101へ送信する。
【0045】
なお、収集装置151および監視装置101は、受信したパケットが自己宛である場合、当該パケットを転送せずに処理する。
【0046】
また、監視装置101は、鉄塔2に限らず、鉄塔2の周辺に設置されてもよいし、たとえば、送電線、架空地線GWまたは地面等に設置されてもよい。
【0047】
(監視装置)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置の構成を示す図である。
【0048】
図2を参照して、監視装置101は、無線モジュール10と、第1電源IC(Integrated Circuit)11と、第2電源IC12と、第3電源IC13と、電池14と、RTC(Real Time Clock)15と、センサ16と、時刻情報受信部17とを備える。無線モジュール10は、無線通信部21と、時刻同期部22と、電源制御部23とを含む。
【0049】
無線モジュール10、RTC15、センサ16および時刻情報受信部17は、電池14から供給された電力を用いて動作する。
【0050】
第1電源IC11は、たとえば、無線モジュール10と電池14との接続状態を切り替えるスイッチを含む。第2電源IC12は、たとえば、センサ16と電池14との接続状態を切り替えるスイッチを含む。第3電源IC13は、たとえば、時刻情報受信部17と電池14との接続状態を切り替えるスイッチを含む。
【0051】
センサ16は、計測結果を示す計測情報を出力する。具体的には、センサ16は、たとえば、自己の監視装置101が設けられた鉄塔2に接続されている架空地線GWにおける電荷量を計測し、計測結果を無線通信部21へ出力する。
【0052】
無線通信部21は、情報を転送する。無線通信部21が転送する情報は、たとえば、電池14からの電力供給を受けて動作するセンサ16の計測結果を示す計測情報または他の監視装置101から受信した計測情報である。
【0053】
具体的には、無線通信部21は、たとえば、センサ16から出力された計測結果を示す計測情報を含む無線信号を生成し、生成した無線信号を1または複数の他の監視装置101を経由して収集装置151へ送信する。
【0054】
また、無線通信部21は、他の監視装置101から送信された、計測情報を含む無線信号を受信し、受信した無線信号を1または複数の他の監視装置101を経由して収集装置151へ送信する。なお、鉄塔2aに設けられた監視装置101における無線通信部21は、計測情報を含む無線信号を収集装置151へ送信する。
【0055】
時刻情報受信部17は、たとえば、GPS(Global Positioning System)衛星から送信された標準時刻情報、または標準電波送信所からの標準電波を受信し、受信した標準時刻情報を時刻同期部22へ出力する。なお、時刻情報受信部17は、標準時刻情報の代わりに、他の監視装置101から送信された時刻情報を受信してもよい。
【0056】
時刻同期部22は、時刻情報受信部17から出力された標準時刻情報を受けて、当該標準時刻情報を用いてRTC15の時刻を調整する同期処理を行う。各監視装置101における時刻同期部22が対応のRTC15の同期処理を行うことにより、複数の監視装置101間でRTC15の時刻が同期する。
【0057】
電源制御部23は、通常時において、自己の監視装置101を省電力モードで動作させる制御を行う。より詳細には、電源制御部23は、無線通信部21への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に無線通信部21への電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行う。
【0058】
具体的には、電源制御部23は、無線モジュール10への電力供給の開始時刻(以下、「起動時刻」とも称する。)をRTC15に設定する。そして、RTC15は、電源制御部23により設定された起動時刻において、第1電源IC11へ制御信号を出力する。第1電源IC11は、RTC15から出力された制御信号を受けて、電池14と無線モジュール10とを接続することにより無線モジュール10への電力供給を開始する。
【0059】
そして、電源制御部23は、起動時刻から所定時間経過後に、第1電源IC11へ制御信号を出力する。第1電源IC11は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14と無線モジュール10との接続を切断することにより無線モジュール10への電力供給を停止する。
【0060】
なお、電源制御部23は、無線モジュール10への電力供給の終了時刻(以下、「停止時刻」とも称する。)をRTC15に設定する構成であってもよい。この場合、RTC15は、電源制御部23により設定された停止時刻において、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線モジュール10への電力供給を停止する制御を行う。
【0061】
また、電源制御部23は、無線モジュール10に含まれる構成に限らず、たとえば、RTC15に含まれてもよい。
【0062】
また、電源制御部23は、時刻情報受信部17への電力供給の開始および停止を制御する。
【0063】
より詳細には、電源制御部23は、たとえば、無線モジュール10への電力供給が行われている期間において、第3電源IC13へ制御信号を出力する。第3電源IC13は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14と時刻情報受信部17とを接続することにより時刻情報受信部17への電力供給を開始する。また、電源制御部23は、第3電源IC13へ制御信号を出力したタイミングから所定時間経過後に第3電源IC13へ制御信号を出力する。第3電源IC13は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14と時刻情報受信部17との接続を切断することにより時刻情報受信部17への電力供給を停止する。
【0064】
また、電源制御部23は、センサ16への電力供給の開始および停止を制御する。より詳細には、電源制御部23は、自己の監視装置101が後述する所定情報を受信した場合、当該所定情報に基づいて第2電源IC12へ制御信号を出力する。第2電源IC12は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14とセンサ16との接続状態を切り替えることによりセンサ16への電力供給の開始または停止を行う。
【0065】
ここで、再び図1を参照して、落雷または台風などのイベントの発生が予想される場合、気象庁等が管理する図示しない外部サーバが、管理装置171へイベント情報を送信する。ここでは、一例として、外部サーバが、落雷が予想される場合に、イベント情報として雷情報を管理装置171へ送信する場合について説明する。
【0066】
雷情報は、落雷が予想されるエリア、および落雷が予想される期間などを示す。
【0067】
管理装置171は、外部サーバから送信された雷情報を受信すると、たとえば、当該雷情報の示すエリアに含まれる複数の監視装置101のうち、鉄塔2aから最も離れた鉄塔2に設けられた監視装置(以下、「最端監視装置」とも称する。)101へ所定情報を送信する。
【0068】
具体的には、管理装置171は、監視装置101からの起動完了通知、すなわち監視装置101において無線モジュール10への電力供給を開始した旨の通知を要求するための起動通知要求を、所定情報として送信する。
【0069】
最端監視装置101、および収集装置151と最端監視装置101との間に位置するすべての監視装置101が起動している場合、管理装置171から送信された起動通知要求は最端監視装置101へ到達する。
【0070】
この場合、最端監視装置101は、管理装置171からの起動通知要求を受信し、起動完了通知を1または複数の他の監視装置101および収集装置151経由で管理装置171へ送信する。
【0071】
また、この場合、各監視装置101は、省電力モードからイベント発生時モードへ遷移する。
【0072】
すなわち、再び図2を参照して、各監視装置101における電源制御部23は、自己の監視装置101における無線通信部21が起動通知要求を受信または転送した場合、第1電源制御を停止して無線通信部21への電力供給を継続的に行う。
【0073】
また、起動通知要求は、たとえば、各監視装置101におけるセンサ16への電力供給の開始時刻および終了時刻を示す。センサ16への電力供給の開始時刻および終了時刻は、それぞれ、雷情報の示す開始時刻および終了時刻と同じであってもよいし、異なる時刻であってもよい。
【0074】
電源制御部23は、たとえば、起動通知要求の示す開始時刻に基づいて、センサ16への電力供給を開始する制御を行う。また、電源制御部23は、たとえば、起動通知要求の示す終了時刻に基づいて、センサ16への電力供給を停止する制御を行う。
【0075】
なお、起動通知要求は、センサ16への電力供給の開始時刻および終了時刻を示さない情報であってもよい。この場合、電源制御部23は、たとえば、起動時刻から所定時間経過後にセンサ16への電力供給を開始する制御を行い、センサ16への電力供給の開始タイミングから第2の所定時間経過後にセンサ16への電力供給を停止する第2電源制御を行う。第2の所定時間は、第1の所定時間と異なってもよいし、同じであってもよい。
【0076】
また、管理装置171は、たとえば、最端監視装置101への起動通知要求の送信後、所定時間以内に最端監視装置101からの起動完了通知を受信できない場合、最端監視装置101へ起動通知要求を再送する。
【0077】
また、管理装置171は、最端監視装置101、および収集装置151と最端監視装置101との間に位置する1または複数の監視装置101のすべてへ起動通知要求をマルチキャストする構成であってもよい。このような構成において、複数の監視装置101のうち、情報の送受信を行うことができない監視装置101が1つ以上存在する場合、管理装置171は、起動通知要求のマルチキャストを繰り返し行うことになる。
【0078】
このような状態を避けるために、各監視装置101は、下り方向において、情報の送受信を行うことができない監視装置101の次段以降の監視装置101へ起動通知要求を送信してもよい。この場合、複数の監視装置101のうち、起動通知要求を受信した1または複数の監視装置101は、起動完了通知を管理装置171へ送信し、イベント発生時モードへ遷移する。
【0079】
なお、複数の監視装置101が起動完了通知を管理装置171へ送信する構成と比較して、最端監視装置101のみが起動完了通知を管理装置171へ送信する構成の方が、起動完了通知が重複して伝送されることを防ぐことができるため、好ましい。
【0080】
また、起動通知要求は、さらに、落雷が予想されるエリアを示してもよい。この場合、イベント発生時モードへ遷移する1または複数の監視装置101のうち、起動通知要求の示すエリアに含まれない1または複数の監視装置101の各々における電源制御部23は、センサ16への電力供給の開始および停止の制御を行わない構成であってもよい。
【0081】
[動作の流れ]
監視システム301における各装置は、メモリを含むコンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のフローチャートおよびシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを当該メモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0082】
(省電力モードにおける動作手順)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置による省電力モードにおける動作手順を定めたフローチャートである。
【0083】
図3を参照して、まず、RTC15は、電源制御部23により設定された起動時刻において、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線モジュール10への電力供給を開始する制御を行う。これにより、無線モジュール10における、無線通信部21、時刻同期部22および電源制御部23は、電池14からの電力供給を受けて、監視装置101が全体的に起動する(ステップS11)。
【0084】
次に、電源制御部23は、次の起動時刻をRTC15に設定する(ステップS12)。なお、第1電源制御を行う間隔、すなわち前の起動時刻から次の起動時刻までの時間T1は、2時間などであり、設定変更可能である。
【0085】
次に、電源制御部23は、第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、時刻情報受信部17への電力供給を開始する制御を行う(ステップS13)。
【0086】
次に、時刻情報受信部17は、たとえば、GPS衛星から送信された標準時刻情報を受信し、受信した標準時刻情報を時刻同期部22へ出力する(ステップS14)。
【0087】
次に、時刻同期部22は、時刻情報受信部17から受けた当該標準時刻情報を用いてRTC15の同期処理を行う(ステップS15)。
【0088】
次に、電源制御部23は、第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、時刻情報受信部17への電力供給を停止する制御を行う(ステップS16)。
【0089】
次に、電源制御部23は、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線通信部21への電力供給を停止する制御、すなわち無線モジュール10への電力供給を停止する制御を行う(ステップS17)。無線モジュール10への電力供給の開始から停止までの時間T2は、時間T1より短く、たとえば1分間である。電源制御部23は、ステップS11~ステップS17に示す第1電源制御を時間T1の周期で行う。
【0090】
なお、電源制御部23による次の起動時刻の設定(ステップS12)が行われるタイミングは、監視装置101の起動の直後に限らず、監視装置101の起動から時間T1が経過するまでに含まれるタイミングであればよい。
【0091】
また、電源制御部23による時刻情報受信部17への電力供給の停止(ステップS16)と、電源制御部23による無線通信部21への電力供給の停止(ステップS17)とは、並行して行われてもよい。
【0092】
(イベント発生時モードにおける動作手順)
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る監視システムによるイベント発生時モードにおける動作手順を定めたシーケンスである。
【0093】
図4を参照して、ここでは、3つの監視装置101として、監視装置101A,101B,101Cが設けられているとする。これら3つの監視装置101A,101B,101Cは、管理装置171からの起動通知要求の送信前において、省電力モードで動作しているとする。すなわち、監視装置101A,101B,101Cは、定期的に第1電源制御を行い、互いに時刻同期が確立しているとする(ステップS21)。
【0094】
次に、管理装置171は、外部サーバから送信された雷情報を受信したとする(ステップS22)。この場合、管理装置171は、たとえば、当該雷情報の示すエリアに含まれる監視装置101A,101B,101Cのうち、収集装置151から最も離れた位置に設けられた最端監視装置である監視装置101Aへ、収集装置151および監視装置101C,101B経由で起動通知要求を送信する。
【0095】
このとき、管理装置171からの起動通知要求の送信タイミングにおいて監視装置101A,101B,101Cが起動していないとする。この場合、監視装置101Aは、当該起動通知要求を受信することができない(ステップS23)。
【0096】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々におけるRTC15は、対応する電源制御部23により設定された起動時刻において、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線モジュール10への電力供給を開始する制御を行い、起動したとする(ステップS24)。
【0097】
次に、管理装置171は、監視装置101Aへ収集装置151および監視装置101C,101B経由で起動通知要求を再び送信する。このとき、監視装置101Aは、監視装置101A,101B,101Cがすべて起動しているため、管理装置171から送信された起動通知要求を受信することができる(ステップS25)。
【0098】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、無線通信部21から起動通知要求を受信または転送した旨の通知を受けて、第1電源制御を停止する(ステップS26)。
【0099】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、時刻情報受信部17への電力供給を開始する制御を行う(ステップS27)。
【0100】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における時刻情報受信部17は、GPS衛星から標準時刻情報を受信し、受信した標準時刻情報を時刻同期部22へ出力する(ステップS28)。
【0101】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における時刻同期部22は、時刻情報受信部17から受けた当該標準時刻情報を用いてRTC15の同期処理を行う(ステップS29)。
【0102】
これにより、監視装置101A,101B,101C間でRTC15の時刻が同期するため、起動タイミングを合わせることができる。また、監視装置101A,101B,101Cの各々の起動タイミングを合わせることができる構成により、監視装置101A,101B,101Cの各々の起動時間を長く確保することなく、監視装置101A,101B,101Cの各々から送信された計測情報を収集装置151へ到達させることができるため、より省電力性を高めることができる。
【0103】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、時刻情報受信部17への電力供給を停止する制御を行う(ステップS30)。
【0104】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、たとえば、無線モジュール10への電力供給の終了時刻である停止時刻をRTC15に設定する(ステップS31)。停止時刻は、たとえば起動時刻から2時間後の時刻である。
【0105】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、無線通信部21により受信された起動通知要求の示す時刻に基づいて、第2電源IC12へ制御信号を出力することにより、センサ16への電力供給を開始する制御を行う(ステップS32)。
【0106】
次に、監視装置101Aにおける無線通信部21は、監視装置101B,101Cおよび収集装置151を経由して起動完了通知を管理装置171へ送信する(ステップS33)。
【0107】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々におけるセンサ16は、自己の監視装置101が設けられた鉄塔2に接続されている架空地線GWにおける電荷量の分布を計測し、計測結果を無線通信部21へ出力する。そして、監視装置101A,101B,101Cの各々における無線通信部21は、対応するセンサ16から出力された計測結果を示す計測情報を含む無線信号を管理装置171へ送信する。
【0108】
これにより、たとえば、管理装置171の管理者は、管理装置171により受信された複数の計測情報に基づいて、架空地線GWにおける電荷量の分布を把握して、架空地線GWへの落雷の有無、および落雷があった場合には落雷箇所の推定を行うことができる。
【0109】
なお、監視装置101A,101B,101Cによる計測、および計測情報を含む無線信号の送信は、センサ16への電力供給が停止されるまで、定期的または不定期に行われる(ステップS34)。
【0110】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、次の起動時刻をRTC15に設定する(ステップS35)。
【0111】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、たとえば無線通信部21により受信された起動通知要求の示す時刻に基づいて、第2電源IC12へ制御信号を出力することにより、センサ16への電力供給を停止する制御を行う(ステップS36)。
【0112】
次に、監視装置101A,101B,101Cの各々における電源制御部23は、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線通信部21への電力供給を停止する制御、すなわち無線モジュール10への電力供給を停止する制御を行う(ステップS37)。
【0113】
次に、各監視装置101における電源制御部23は、第1電源制御を再開する(ステップS38)。
【0114】
なお、電源制御部23は、センサ16への電力供給の停止(ステップS36)と、無線通信部21への電力供給の停止(ステップS37)とを並行して行ってもよい。
【0115】
また、外部サーバは、たとえば、落雷が予想されるエリアおよび期間などが変更された場合、新たな雷情報を管理装置171へ送信する。
【0116】
管理装置171は、外部サーバから送信された新たな雷情報を受信すると、たとえば、当該雷情報の示す期間の終了時刻と、前回受信した雷情報の示す期間の開始時刻との差が所定時間を超えるか否かを確認する。所定時間は、たとえば2時間である。
【0117】
そして、管理装置171は、当該差が所定時間を超える場合、新たな雷情報の示すエリアに含まれる最端監視装置101へ、1または複数の監視装置101および収集装置151経由で新たな起動通知要求を送信する。一方、管理装置171は、当該差が所定時間を超えない場合、新たな起動通知要求の送信を行わない。
【0118】
各監視装置101における電源制御部23は、自己の監視装置101における無線通信部21が管理装置171から送信された新たな起動通知要求を受信または転送した場合、たとえば、新たな起動通知要求の示す時刻に基づいて、センサ16への電力供給を停止する制御を行う。
【0119】
ところで、たとえば、電力系統の電線に関する監視を行う監視装置が鉄塔に設置される場合、太陽光発電装置を電源として搭載すると多くのコストがかかり、また、送電線から監視装置への電力を供給することは困難である。
【0120】
このため、監視装置に電池を搭載することが考えられる。電池の交換頻度を低くするために、監視装置の消費電力を効果的に抑えることができる技術が望まれる。
【0121】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置101では、無線通信部21は、電池14からの電力供給を受けて動作し、情報を転送する。時刻同期部22は、電池14からの電力供給を受けて動作し、他の監視装置101と時刻同期するための同期処理を行う。電源制御部23は、電池14からの電力供給を受けて動作し、無線通信部21への電力供給の開始および停止を制御する。また、電源制御部23は、無線通信部21への電力供給を開始し、かつ第1の所定時間経過後に電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行う。
【0122】
このように、無線通信部21への電力供給を停止する制御を行う構成により、たとえば、待機電力を要するスリープモードで動作する場合と比較して、多くの消費電力を抑えることができる。また、互いに時刻同期が確立している複数の監視装置101間において無線通信部21への電力供給期間を合わせることができるため、各監視装置101における無線通信部21への電力供給期間が無駄に確保されることを抑制し、各監視装置101からの計測情報を管理装置171へ到達させることができる。
【0123】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る、電力系統に用いられる監視装置101では、消費電力を効果的に抑えることができる。
【0124】
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置101は、電池14からの電力供給を受けて動作し、かつ計測結果を示す計測情報を出力するセンサ16を備える。また、電源制御部23は、センサ16への電力供給の開始および停止を制御する。また、電源制御部23は、センサ16への電力供給を開始し、かつ第2の所定時間経過後に電力供給を停止する第2電源制御を行う。
【0125】
このように、センサ16への電力供給を停止する制御を行う構成により、より一層効果的に消費電力を抑えることができる。
【0126】
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置101では、電源制御部23は、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われている期間の一部または全部において第2電源制御を行う。
【0127】
このような構成により、センサ16の計測結果を示す計測情報をリアルタイムに送信することができる。
【0128】
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置101では、電源制御部23は、無線通信部21が所定情報を受信した場合、第1電源制御を停止して無線通信部21への電力供給を継続的に行い、かつ当該所定情報に基づく時刻においてセンサ16への電力供給を開始する制御を行う。
【0129】
このような構成により、たとえば落雷が予想される場合など、センサ16による計測結果の必要性が高い状況において、センサ16への電力供給を適切なタイミングで開始させることができる。
【0130】
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置101では、電源制御部23は、上記所定情報に基づく時刻において無線通信部21およびセンサ16への電力供給を停止する制御を行い、第1電源制御を再開する。
【0131】
このような構成により、たとえば落雷が予想される期間が経過した場合など、センサ16による計測結果の必要性が低くなった状況において、センサ16への電力供給を適切なタイミングで停止させ、再び消費電力を効果的に抑えることができる。
【0132】
[変形例]
図5は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る監視装置の構成を示す図である。
【0133】
図5を参照して、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る監視装置102は、図2に示す監視装置101と比較して、さらに、保持部32と、第4電源IC33とを備える。保持部32は、無線モジュール10に含まれる。
【0134】
時刻同期部31に対して、電源制御部23とは別に電力供給制御を行うことが可能である。具体的には、監視装置102は、図2に示す監視装置101と比較して、時刻同期部22の代わりに、電源制御部23に接続され、電源制御部23とは別個のデバイスである時刻同期部31を備える。
【0135】
第4電源IC33は、たとえば、時刻同期部31と電池14との接続状態を切り替えるスイッチを含む。
【0136】
電源制御部23は、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われている期間において、時刻同期部31への電力供給を開始し、かつ時刻同期部31による同期処理が終了すると時刻同期部31への電力供給を停止する制御を行う。
【0137】
より詳細には、保持部32は、時刻同期部31による同期処理が行われた同期処理時刻を保持する。
【0138】
電源制御部23は、無線通信部21への電力供給の開始後、保持部32に保持されている同期処理時刻を確認する。そして、電源制御部23は、現在時刻が同期処理時刻から所定時間以上経過している場合、第3電源IC13および第4電源IC33へ制御信号を出力する。
【0139】
第3電源IC13は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14と時刻情報受信部17とを接続することにより時刻情報受信部17への電力供給を開始する。
【0140】
第4電源IC33は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14と時刻同期部31とを接続することにより時刻同期部31への電力供給を開始する。
【0141】
時刻情報受信部17は、電池14からの電源供給を受けて、たとえば、GPS衛星から送信された標準時刻情報を受信し、受信した標準時刻情報を時刻同期部31へ出力する。なお、時刻情報受信部17は、標準時刻情報の代わりに、他の監視装置102から送信された時刻情報を受信して、受信した時刻情報を時刻同期部31へ出力してもよい。
【0142】
時刻同期部31は、時刻情報受信部17から出力された標準時刻情報を受けて、当該標準時刻情報を用いてRTC15の同期処理を行う。
【0143】
電源制御部23は、時刻同期部31による同期処理が行われた後、第3電源IC13および第4電源IC33へ制御信号を出力する。
【0144】
第3電源IC13は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14と時刻情報受信部17との接続を切断することにより時刻情報受信部17への電力供給を停止する。
【0145】
第4電源IC33は、電源制御部23から出力された制御信号を受けて、電池14と時刻同期部31との接続を切断することにより時刻同期部31への電力供給を停止する。
【0146】
一方、電源制御部23は、現在時刻が保持部32に保持されている同期処理時刻から所定時間経過していない場合、時刻情報受信部17および時刻同期部31への電力供給を開始する制御を行わない。
【0147】
なお、監視装置102は、保持部32を備えない構成であってもよい。この場合、電源制御部23は、たとえば、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われるたびに、時刻同期部31への電力供給を開始し、かつ時刻同期部31による同期処理が終了すると時刻同期部31への電力供給を停止する制御を行う。
【0148】
上記のように、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る監視装置101では、時刻同期部31に対して、電源制御部23とは別に電力供給制御を行うことが可能である。具体的には、電源制御部23は、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われている期間において、時刻同期部31への電力供給を開始し、かつ同期処理が終了すると時刻同期部31への電力供給を停止する制御を行う。
【0149】
このように、時刻同期部31による同期処理が行われる期間を除く期間において時刻同期部31への電力供給を停止する制御を行う構成により、より一層効果的に消費電力を抑えることができる。
【0150】
また、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る監視装置101では、保持部32は、同期処理が行われた同期処理時刻を保持する。電源制御部23は、同期処理時刻から所定時間経過している場合に時刻同期部31への電力供給を開始する制御を行う。
【0151】
このような構成により、前回の同期処理から所定時間経過していない場合には、時刻同期部31への電力供給を開始しないため、より一層効果的に消費電力を抑えることができる。
【0152】
なお、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る監視装置101では、監視装置102は、電源制御部23を含む無線モジュール10に接続され、かつ電源制御部23とは別個のデバイスである時刻同期部31を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、時刻同期部31および第4電源IC33が無線モジュール10に含まれる構成であってもよい。
【0153】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0154】
<第2の実施の形態>
再び図2を参照して、上述した本発明の第1の実施の形態に係る監視装置101では、電源制御部23は、無線通信部21が所定情報、具体的には起動通知要求を受信した場合に第1電源制御を停止し、センサ16への電力供給を開始する制御を行う。
【0155】
これに対して、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置103では、電源制御部23は、センサ26への電力供給を開始し、かつ所定時間経過後にセンサ26への電力供給を停止する第2電源制御を定期的または不定期に行う。
【0156】
[構成および基本動作]
監視装置103は、監視装置101と比較して、センサ16の代わりに、センサ26を備える。センサ26は、自己の監視装置103が設けられた鉄塔2の傾きを計測するための加速度センサ、電力系統の温度監視に用いられる温度を計測するためのセンサ、または地面上の積雪の深さを計測するためのセンサなどである。
【0157】
たとえば、監視装置10が送電線に設置される場合、センサ26は、送電線の温度監視に用いられる温度、または送電線の弛み等による傾きを計測する。
【0158】
また、監視装置10が架空地線GWに設置される場合、センサ26は、たとえば、架空地線GWの温度監視に用いられる温度、または架空地線GWの弛み等による傾きを計測する。
【0159】
また、監視装置10が鉄塔2の周辺の地面に設置される場合、センサ26は、たとえば、地面の傾き、地面の振動、または地面上の積雪の深さを計測する。
【0160】
監視装置10におけるセンサ26の計測対象およびセンサ26の種類は、適宜設定される。
【0161】
電源制御部23は、たとえば、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われている期間の一部または全部において第2電源制御を行う。
【0162】
より詳細には、電源制御部23は、電池14から無線モジュール10への電力供給の開始後、第2電源IC12および第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、センサ26および時刻情報受信部17への電力供給を開始する制御を行う。
【0163】
時刻情報受信部17は、電池14からの電力供給を受けて、たとえば、GPS衛星から送信された標準時刻情報を受信し、受信した標準時刻情報を時刻同期部22へ出力する。時刻同期部22は、時刻情報受信部17から受けた当該標準時刻情報を用いてRTC15の同期処理を行う。
【0164】
センサ26は、電池14からの電力供給を受けて、たとえば、自己の監視装置103が設けられた鉄塔2の加速度を計測し、計測結果を無線通信部21へ出力する。
【0165】
無線通信部21は、センサ26から出力された計測結果を示す計測情報を含む無線信号を生成し、生成した無線信号を1または複数の他の監視装置103および収集装置151経由で管理装置171へ送信する。なお、鉄塔2aに設けられた監視装置10における無線通信部21は、無線信号を収集装置151経由で管理装置171へ送信する。
【0166】
また、電源制御部23は、時刻同期部22による同期処理が行われた後、第2電源IC12および第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、センサ26および時刻情報受信部17への電力供給を停止する制御を行う。
【0167】
また、電源制御部23は、センサ26および時刻情報受信部17への電力供給の停止後、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線通信部21への電力供給を停止する制御、すなわち無線モジュール10への電力供給を停止する制御を行う。
【0168】
なお、電源制御部23は、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われている期間の全部において第2電源制御を行う構成であってもよい。すなわち、電源制御部23は、無線モジュール10への電力供給を停止するタイミングにおいて、センサ26への電力供給を停止する制御を行ってもよい。
【0169】
また、第2電源制御によってセンサ26への電力供給が行われている期間の一部は、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われている期間に含まれなくてもよい。
【0170】
また、無線通信部21は、計測結果が閾値以上の値である場合など、計測結果が所定条件を満たす場合に、当該計測結果を示す計測情報を含む無線信号を送信する構成であってもよい。
【0171】
[動作の流れ]
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置による電源制御の動作手順を定めたフローチャートである。
【0172】
図6を参照して、まず、RTC15は、電源制御部23により設定された起動時刻において、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線モジュール10への電力供給を開始する制御を行う(ステップS51)。
【0173】
次に、電源制御部23は、次の起動時刻をRTC15に設定する(ステップS52)。
【0174】
次に、電源制御部23は、たとえば、第2電源IC12および第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、センサ6および時刻情報受信部17への電力供給を開始する制御を行う(ステップS53)。
【0175】
次に、時刻情報受信部17は、たとえばGPS衛星から送信された標準時刻情報を受信し、受信した標準時刻情報を時刻同期部22へ出力する(ステップS54)。
【0176】
次に、時刻同期部22は、時刻情報受信部17から受けた当該標準時刻情報を用いてRTC15の同期処理を行う(ステップS55)。
【0177】
次に、センサ26は、たとえば自己の監視装置103が設けられた鉄塔2の加速度を計測し、計測結果を無線通信部21へ出力する(ステップS56)。
【0178】
次に、無線通信部21は、センサ26から出力された計測結果を示す計測情報を含む無線信号を、たとえば、1または複数の他の監視装置10および収集装置151を経由して管理装置171へ送信する(ステップS57)。
【0179】
次に、電源制御部23は、たとえば、第2電源IC12および第3電源IC13へ制御信号を出力することにより、センサ26および時刻情報受信部17への電力供給を停止する制御を行う(ステップS58)。
【0180】
次に、電源制御部23は、第1電源IC11へ制御信号を出力することにより、無線モジュール10への電力供給を停止する制御を行う(ステップS59)。電源制御部23は、ステップS51~ステップS59に示す制御を時間T1の周期で行う。
【0181】
なお、センサ26への電力供給の開始タイミングと、時刻情報受信部17への電力供給の開始タイミングとは、異なるタイミングであってもよい。また、センサ26への電力供給の停止タイミングと、時刻情報受信部17への電力供給の停止タイミングとは、異なるタイミングであってもよい。
【0182】
上記のように、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置103では、電源制御部23は、センサ26への電力供給の開始および停止を制御する。また、電源制御部23は、センサ26への電力供給を開始し、かつ所定時間経過後に電力供給を停止する第2電源制御を行う。
【0183】
このように、センサ26への電力供給を停止する制御を行う構成により、より一層効果的に消費電力を抑えることができる。
【0184】
また、本発明の第2の実施の形態に係る監視装置103では、電源制御部23は、第1電源制御によって無線通信部21への電力供給が行われている期間の一部または全部において第2電源制御を行う。
【0185】
このような構成により、センサ26の計測結果を示す計測情報をリアルタイムに送信することができる。
【0186】
その他の構成および動作は、上述した本発明の第1の実施の形態に係る監視装置101と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0187】
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る監視装置は、電池14を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、電池14は、監視装置の外部に設けられる構成であってもよい。
【0188】
また、本発明の第1の実施の形態に係る監視装置は、センサ16を備え、第2の実施の形態に係る監視装置は、センサ26を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、センサ16,26は、監視装置の外部に設けられ、監視装置と接続される構成であってもよい。
【0189】
また、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る監視装置は、無線通信を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、監視装置は、地中ケーブルを介したPLC通信を行う構成であってもよい。
【0190】
たとえば、監視装置は、無線通信部21の代わりに、以下のPLC通信部を備える構成であってもよい。具体的には、たとえば、PLC通信部は、地中ケーブルの遮蔽層と電磁結合する電磁結合部と、当該遮蔽層を介して通信情報を伝送する通信部とを含む。当該通信部は、上記電磁結合部の電磁結合により上記遮蔽層を通して流れる誘導電流である通信誘導電流を用いて、上記通信情報を伝送する。
【0191】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0192】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電力系統に用いられる監視装置であって、
電池からの電力供給を受けて動作するセンサと、
電池からの電力供給を受けて動作し、情報を転送する通信部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、他の前記監視装置と時刻同期するための同期処理を行う時刻同期部と、
電池からの電力供給を受けて動作し、前記通信部への電力供給の開始および停止を制御する電源制御部とを備え、
前記電源制御部は、前記通信部への電力供給を開始し、かつ所定時間経過後に前記電力供給を停止する第1電源制御を定期的に行い、
前記センサは、鉄塔に接続されている架空地線における電荷量、または前記鉄塔の傾きを検出するための加速度を計測し、
前記時刻同期部は、GPS衛星から送信された標準時刻情報を用いて前記同期処理を行い、
前記電源制御部が前記第1電源制御を行う間隔は、前記所定時間より長い、監視装置。
【符号の説明】
【0193】
2,2a 鉄塔
10 無線モジュール
11 第1電源IC
12 第2電源IC
13 第3電源IC
14 電池
15 RTC
16,26 センサ
17 時刻情報受信部
21 無線通信部
22,31 時刻同期部
23 電源制御部
32 保持部
33 第4電源IC
101,101A,101B,101C,102,103 監視装置
151 収集装置
171 管理装置
301 監視システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6