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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】クロマトグラフィーシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/02 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
G01N30/02 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021505487
(86)(22)【出願日】2019-09-07
(86)【国際出願番号】 JP2019035287
(87)【国際公開番号】W WO2020183760
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2019046067
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100179969
【弁理士】
【氏名又は名称】駒井 慎二
(72)【発明者】
【氏名】大橋 浩志
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-171022(JP,A)
【文献】特開2015-135240(JP,A)
【文献】特開平11-108909(JP,A)
【文献】特開2007-108006(JP,A)
【文献】特開平07-181187(JP,A)
【文献】特開2004-85357(JP,A)
【文献】特開2009-186201(JP,A)
【文献】特開平06-97893(JP,A)
【文献】特開平07-280784(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第4301401(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 ー 30/96
G01N 27/26
G01N 35/00
Science Direct
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体の試料が通過する流路を有する装置本体と、前記流路の途中に配置され、前記試料を複数の成分に分離する分析カラムとを備え、複数の分析条件で前記試料の分析が可能なクロマトグラフィーシステムであって、
前記装置本体に取り付けられ、交換可能な部品と、
前記装置本体に配置され、前記部品の前記装置本体に対する取り付け位置に関する位置情報を記憶する記憶部とを備えるクロマトグラフィーシステム。
【請求項2】
前記交換可能な部品として、複数の同一の交換可能な部品を備え、
前記記憶部は、前記複数の同一の交換可能な部品の各々の取り付け位置に関する位置情報を記憶する、請求項1に記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項3】
前記装置本体が、送液装置、オートサンプラ、カラムオーブンおよび検出器を含む複数のユニットを備え、
前記記憶部は、前記送液装置、前記オートサンプラ、前記カラムオーブンおよび前記検出器の各々に設けられており、
前記各記憶部の内、前記交換可能な部品が取り付けられるユニットが備える前記記憶部に、取り付け位置に関する位置情報を記憶する、請求項に記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記部品の名称または前記部品が製造されたときに付与されたロット番号と、前記取り付け位置の名称とを、前記位置情報として記憶する請求項1からのいずれかに記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項5】
前記記憶部に記憶されている前記部品の名称または前記ロット番号から、前記取り付け位置を検索する検索部を備える請求項に記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項6】
前記部品の名称または前記ロット番号と、前記取り付け位置の名称とを表示する表示部を備える請求項またはに記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項7】
前記送液装置、前記オートサンプラ、前記カラムオーブンおよび前記検出器と電気的に接続されたシステム管理装置を備え、前記システム管理装置が備える記憶部に前記部品の前記装置本体に対する取り付け位置に関する位置情報を記憶する請求項3から6のいずれかに記載のクロマトグラフィーシステム。
【請求項8】
前記システム管理装置と無線による方法、有線による方法、またはネットワークを介する方法を含む電気的な方法で接続され、前記部品の前記装置本体に対する取り付け位置に関する位置情報を前記システム管理装置を経由して取得するクラウド装置を備える請求項7に記載のクロマトグラフィーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
分析対象である移動相を分析カラムによって複数の成分、すなわち、分析物に分離するクロマトグラフィーシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。クロマトグラフィーシステムは、例えば、セルやバルブ等のような使用頻度(使用回数)に応じて、または、経時的に劣化した場合に交換される消耗部品が装置に組み込まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-209327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば消耗部品に不具合が生じたために、当該消耗部品にリコールがかかった場合、消耗部品の交換を要する。しかしながら、同じ消耗部品が異なる位置に複数組み込まれている場合、これらの消耗部品のうち、リコールされている消耗部品が装置のどこに組み込まれているのかを把握しておかなければ、当該消耗部品を探し当てて、交換することが困難となるという問題が生じる。
【0005】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、装置本体に取り付けられている部品の位置を把握することができるクロマトグラフィーシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、液体の試料が通過する流路を有する装置本体と、前記流路の途中に配置され、前記試料を複数の成分に分離する分析カラムとを備え、複数の分析条件で前記試料の分析が可能なクロマトグラフィーシステムであって、前記装置本体に取り付けられ、交換可能な部品と、前記装置本体に配置され、前記部品の前記装置本体に対する取り付け位置に関する位置情報を記憶する記憶部とを備えるクロマトグラフィーシステムに関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、装置本体に取り付けられている交換可能な部品に例えばリコールがかけられている場合、記憶部によって、当該部品が装置本体のどこに取り付けられているのか、すなわち、装置本体での部品の位置を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明のクロマトグラフィーシステムの実施形態を示す概略図(ブロック図)である。
図2図2は、クロマトグラフィーシステムが備える装置本体に部品を取り付ける状態を示す斜視図である。
図3図3は、図1に示すクロマトグラフィーシステムが備える表示部に表示される画像の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のクロマトグラフィーシステムを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明のクロマトグラフィーシステムの実施形態を示す概略図(ブロック図)である。図2は、クロマトグラフィーシステムが備える装置本体に部品を取り付ける状態を示す斜視図である。図3は、図1に示すクロマトグラフィーシステムが備える表示部に表示される画像の一例である。
【0010】
以下では、一例として、クロマトグラフィーシステム1を、移動相Qの一種である液体の試料に対して複数の分析条件で分析を行う液体クロマトグラフィーシステムに適用した場合について説明するが、クロマトグラフィーシステム1は、超臨界流体クロマトグラフィーシステムやガスクロマトグラフィーシステムに対しても同様に適用することができる。
【0011】
図1に示すように、クロマトグラフィーシステム1は、当該クロマトグラフィーシステム1での装置本体11を構成する送液装置2、オートサンプラ4、カラムオーブン6、検出器8およびシステム管理装置10と、装置本体11に対して着脱自在に交換される分析カラム121とを備えている。
【0012】
送液装置2、オートサンプラ4、カラムオーブン6および検出器8は、移動相Qが流れる方向に沿って、すなわち、上流側から下流側に向かって、この順に配置されている。また、送液装置2、オートサンプラ4、カラムオーブン6および検出器8は、流路13を構成する配管を介して、接続されている。移動相Qは、流路13を通過することができる。
なお、移動相Qとしては、分析対象である試料の他に、例えば、分析時に用いられる緩衝液や、固定相を洗浄する有機溶媒等の洗浄液等が挙げられる。
【0013】
また、システム管理装置10は、送液装置2、オートサンプラ4、カラムオーブン6および検出器8と電気的に接続されている。このシステム管理装置10は、例えば、論理演算を実行するCPU、送液装置2等の制御に必要な動作プログラムが格納されたROM、制御時にデータ等が一時的にストアされるRAM等から構成され、クロマトグラフィーシステム1全体を制御することができる。
【0014】
送液装置2は、例えば送液ポンプを有し、この送液ポンプによって、流路13内で移動相Qを下流側に向かって移送することができる。また、送液ポンプの回転数を変更することにより、移動相Qの移送速度を調整することができる。
オートサンプラ4は、流路13に移動相Qを注入するためのものである。
カラムオーブン6には、分析カラム121を装填することができる。これにより、分析カラム121は、流路13の途中に配置された状態となり、オートサンプラ4から注入された移動相Qが試料の場合、当該試料を複数の成分に分離することができる。
【0015】
また、カラムオーブン6は、例えば通電により発熱するヒータを有し、移動相Qが試料の場合、このヒータによって分析カラム121を試料ごと加熱することができる。これにより、試料の温度を所定の温度に調節することができる。
検出器8は、分析カラム121で分離された成分を検出するためのものである。
【0016】
また、図1に示すように、クロマトグラフィーシステム1は、システム管理装置10を備える。このシステム管理装置10は、分析条件設定部14と、判断部15と、入力部17と、表示部18と、第1記憶部16とを備える。
また、クロマトグラフィーシステム1では、分析カラム121は、分析カラム121に付された第2記憶部122とともにカラムユニット12を構成する。分析カラム121が交換される際には、第2記憶部122ごと、その交換が行われる。
【0017】
分析条件設定部14は、分析条件を複数設定することができる。分析条件には、例えば、試料の種類、分析カラム121に充填されている固定相の種類等が含まれる。これにより、クロマトグラフィーシステム1は、試料の分析を複数の分析条件で行うことができる。
【0018】
例えば、分析対象である試料が2種類がある場合、一方の試料の分析を行うときには、分析条件設定部14によって第1分析条件が設定され、他方の試料の分析を行うときには、分析条件設定部14によって、第1分析条件と異なる第2分析条件が設定される。第1分析条件では、一方の試料の分析に適合した分析カラム121が用いられ、第2分析条件では、他方の試料の分析に適合した分析カラム121が用いられる。
【0019】
判断部15は、例えば、分析条件設定部14によって設定された分析条件が選択可能か否かの判断等を行う。
第1記憶部16には、移動相Qの種類に関する移動相情報が予め記憶されている。第1記憶部16は、移動相情報を、例えば、各移動相Qの名称や番号等で記憶することができる。
第2記憶部122には、分析カラム121の個体情報である第2情報が記憶されている。本実施形態では、分析カラム121は、内部に充填されている固定相の種類によって特定される。そして、第2情報により、分析カラム121自体を特定することができる。
【0020】
図1に示すように、送液装置2、オートサンプラ4、カラムオーブン6および検出器8には、それぞれ、後述する交換可能な部品3の装置本体11に対する取り付け位置に関する位置情報を記憶する第3記憶部19が配置されている。
なお、交換可能な部品3と異なる交換不可能部品に関する情報については、システム管理装置10の第1記憶部16に記憶することができる。
【0021】
表示部18は、液晶画面を有し、第1記憶部16に記憶された移動相情報等を液晶画面に表示することができる。液晶画面は、タッチパネル機能を有していてもよい。
入力部17では、分析条件設定部14への分析条件の設定操作、すなわち、入力操作を行うことができる。表示部18の液晶画面がタッチパネル機能を有する場合、表示部18は、入力部17を兼ねることができる。これにより、クロマトグラフィーシステム1の構成を簡単にすることができる。なお、表示部18と入力部17とは、別構成となっていてもよい。
【0022】
図2に示すように、装置本体11には、装置本体11を構成する部品3が着脱自在に取り付けられている。部品3は、複数の部材を有し、これら部材同士を組み立てることにより構成された組立体であってもよいし、部材単体であってもよい。なお、部品3としては、特に限定されず、例えば、送液装置2のポンプに内蔵されているプランジャやプランジャシールや、その他、セルやバルブのように、経時的に劣化した場合に交換される部品等が挙げられる。以下では、代表的に部品3がプランジャの場合を例に挙げる。この場合、本実施形態では、部品3が送液装置2の異なる位置に2つ取り付けられているとする。以下、これら2つの取り付け位置のうち、一方の取り付け位置を「第1取り付け位置P1」と言い、他方の取り付け位置を「第2取り付け位置P2」と言う。また、送液装置2に配置された第3記憶部19を「第3記憶部19A」と言う。
【0023】
例えば部品3にリコールがかかった場合、当該部品3の交換を要する。ここで「リコール」とは、部品3の設計や製造上の過誤等により欠陥があることが判明した場合に、法令の規定、または、部品3の製造者や販売者の判断で、無償の交換等の措置を行うことである。
【0024】
しかしながら、リコールされている部品3が2つの部品3のうちの一方である場合、このリコールされている部品3が第1取り付け位置P1および第2取り付け位置P2のうちのどちらに取り付けられているのかを把握しておかなければ、当該リコールされている部品3を探し当てて、交換することが困難となるという問題が生じる。
【0025】
そこで、クロマトグラフィーシステム1は、このような不具合を解消可能に構成されている。以下、この構成および作用について説明する。また、リコールされている部品3を「部品3A」と言い、リコールされていない部品3を「部品3B」と言う。また、既に部品3Aには、当該部品3Aが製造されたときにロット番号LN3Aが付与されている。これと同様に、部品3Bには、当該部品3Bが製造されたときにロット番号LN3Bが付与されている。
【0026】
送液装置2の第3記憶部19Aは、部品3Aの第1取り付け位置P1に関する第1位置情報IF3Aと、部品3Bの第2取り付け位置P2に関する第2位置情報IF3Bとを記憶する。
図3に示すように、第1位置情報IF3Aには、部品3Aの名称NA3Aと、ロット番号LN3Aと、第1取り付け位置P1の位置名称(名称)PNA3Aとが含まれる。これにより、第3記憶部19Aは、第1位置情報IF3Aとして、部品3Aの名称NA3A、ロット番号LN3Aおよび位置名称PNA3Aを記憶することができる。なお、第1位置情報IF3Aには、位置名称PNA3Aに対応する第1取り付け位置P1のID番号が含まれていてもよい。
【0027】
また、第2位置情報IF3Bには、部品3Bの名称NA3Bと、ロット番号LN3Bと、第2取り付け位置P2の位置名称(名称)PNA3Bとが含まれる。これにより、第3記憶部19Aは、第2位置情報IF3Bとして、部品3Bの名称NA3B、ロット番号LN3Bおよび位置名称PNA3Bを記憶することができる。なお、第2位置情報IF3Bには、位置名称PNA3Bに対応する第2取り付け位置P2のID番号が含まれていてもよい。
【0028】
クロマトグラフィーシステム1では、第3記憶部19への第1位置情報IF3Aおよび第2位置情報IF3Bの入力は、入力部17を介して行うことができる。なお、第3記憶部19への入力は、本実施形態ではクロマトグラフィーシステム1を用いて分析作業を行う作業者の手動による入力であるが、これに限定されず、自動入力であってもよい。また、第3記憶部19への入力は、入力部17からの入力に限定されず、例えば、後述のクラウド装置5からの入力であってもよい。
【0029】
図1に示すように、クロマトグラフィーシステム1は、例えば、論理演算を実行するCPU、その他、ROMやRAM等で構成されたクラウド装置(クラウドコンピュータ)5を備える。クラウド装置5は、装置本体11のシステム管理装置10に電気的に接続されている。この接続方法としては、特に限定されず、例えば、有線による方法、無線による方法、または、ネットワークを介する方法等であってもよい。
【0030】
クラウド装置5は、検索部51と、表示部53と、を備える。
検索部51は、第3記憶部19に記憶されている第1位置情報IF3Aまたは第2位置情報IF3Bに基づいて、交換対象である部品3の取り付け位置を検索することができる。
なお、第3記憶部19に記憶された第1位置情報IF3Aおよび第2位置情報IF3Bは、システム管理装置10を経由して、検索部51に送信される。これにより、クラウド装置5では、交換対象である部品3の取り付け位置が把握される。
【0031】
また、第1位置情報IF3Aが検索部51に送信されるタイミングとしては、例えば、部品3Aが交換されたときである。これと同様に、第2位置情報IF3Bが検索部51に送信されるタイミングとしては、例えば、部品3Bが交換されたときである。その他のタイミングとしては、例えば、システム管理装置10と、送液装置2、オートサンプラ4、カラムオーブン6および検出器8とが通信可能な状態となるとき等がある。
表示部53は、検索部51と電気的に接続されている。表示部53は、液晶画面を有し、検索部51での検索結果を液晶画面に表示することができる。
【0032】
例えば2つの部品3のうちの一方の部品3にリコールがかかり、部品3Aがリコール品であると特定された場合、クラウド装置5の検索部51を作動させて、第1位置情報IF3A、すなわち、ロット番号LN3Aの検索を開始する。
【0033】
そして、検索部51による検索結果は、一例として、図3に示すような表形式で表示部53に表示される。表示部53には、第1位置情報IF3Aと第2位置情報IF3Bとが表示されており、特に、第1位置情報IF3Aに含まれるロット番号LN3Aおよび位置名称PNA3Aが、例えばハイライト表示により強調して表示されている。
【0034】
このような構成により、位置名称PNA3Aを確認して、当該位置名称PNA3Aに対応する第1取り付け位置P1を把握することができる。これにより、リコールされている部品3Aが第1取り付け位置P1および第2取り付け位置P2のうちのどちらに取り付けられているのかを把握することができる。よって、部品3Aを容易に探し当てることができ、リコールされていない新たな部品3Aの交換作業を迅速に行うことができる。クロマトグラフィーシステム1では、部品3Aが新たな部品3Aに交換されると、当該新たな部品3Aのロット番号LN3Aが第3記憶部19に書き換えられる。また、クロマトグラフィーシステム1では、リコールが生じてから交換までの時間をできる限り短くすることができ、よって、クロマトグラフィーシステム1の稼働率の低減を抑制することができる。
【0035】
部品3Aを交換するときには、表示部18に表示された交換ボタンBT3Aを操作する。これにより、表示部18には、入力部17としての、ロット番号LN3Aを入力するフォーム(図示せず)が表示される。このフォームにロット番号LN3Aを入力すれば、当該ロット番号LN3Aが第3記録部19に記録される。なお、部品3Bを交換するときには、表示部18に表示された交換ボタンBT3Bを操作する。
【0036】
また、第1位置情報IF3Aおよび第2位置情報IF3Bは、本実施形態では第1記憶部16に記憶されているが、これに限定されず、例えば、クラウド装置5における記憶部(図示せず)に記憶されていてもよい。
第1位置情報IF3Aおよび第2位置情報IF3Bには、さらに、部品3の製品番号等も含まれていてもよい。
【0037】
また、部品3Aの名称NA3Bと、部品3Bの名称NA3Bとは、同じ名称であるが、これに限定されず、互いに異ならせてもよい。
また、クラウド装置5は、複数の装置本体11と電気的に接続することもできる。これにより、各装置本体11における部品3の位置情報を一括して検索することができる。
【0038】
また、検索部51での検索結果は、システム管理装置10の表示部18に表示されてもよい。この場合、検索部51での検索結果は、当該検索部51から表示部18に伝達される。これにより、検索部51での検索結果を表示部18に表示することができる。
【0039】
また、位置情報の検索は、本実施形態ではクラウド装置5によって行われるが、これに限定されない。例えば、装置本体11が検索部51の機能を有し、位置情報の検索を行ってもよい。
【0040】
以上、本発明のクロマトグラフィーシステムを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、クロマトグラフィーシステムを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0041】
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0042】
(第1項)一態様に係るクロマトグラフィーシステム(1)は、
液体の試料が通過する流路(13)を有する装置本体(11)と、前記流路(13)の途中に配置され、前記試料を複数の成分に分離する分析カラム(121)とを備え、複数の分析条件で前記試料の分析が可能なクロマトグラフィーシステム(1)であって、
前記装置本体(11)に取り付けられ、交換可能な部品(3)と、
前記部品(3)の前記装置本体(11)に対する取り付け位置に関する位置情報を記憶する記憶部(19)とを備える。
【0043】
第1項に記載のクロマトグラフィーシステムによれば、装置本体に取り付けられている交換可能な部品に例えばリコールがかけられている場合、記憶部に記憶されている位置情報に基づいて、当該部品が装置本体のどこに取り付けられているのか、すなわち、装置本体での部品の位置を把握することができる。
(第2項)第1項のクロマトグラフィーシステム(1)は、
前記交換可能な部品(3)として、複数の同一の交換可能な部品(3A、3B)を備え、
前記記憶部(19)は、複数の同一の交換可能な部品(3A、3B)の各々の取り付け位置に関する位置情報(IF3A、IF3B)を記憶する、請求項1に記載のクロマトグラフィーシステム。
【0044】
第2項に記載のクロマトグラフィーシステムによれば、装置本体に取り付けられている複数の同一の交換可能な部品に例えばリコールがかけられている場合、記憶部に記憶されている位置情報に基づいて、当該部品が装置本体のどこに取り付けられているのか、すなわち、装置本体での部品の位置を把握することができる。
【0045】
(第3項)第1項または第2項に記載のクロマトグラフィーシステム(1)は、
前記記憶部(19)は、前記装置本体(11)に配置されている。
【0046】
第3項に記載のクロマトグラフィーシステムによれば、例えば、記憶部を装置本体内の複数の箇所に分散して配置することができる。
【0047】
(第4項)第3項に記載のクロマトグラフィーシステム(1)は、
前記装置本体(11)が、送液装置(2)、オートサンプラ(4)、カラムオーブン(6)および検出器(8)を含む複数のユニットを備え、
前記記憶部(19)は、前記送液装置(2)、前記オートサンプラ(4)、前記カラムオーブン(6)および前記検出器(8)の各々に設けられており、
前記各記憶部(19)の内、前記交換可能な部品(3)が取り付けられるユニットが備える前記記憶部(19)に、取り付け位置に関する位置情報((8))を記憶する、請求項3に記載のクロマトグラフィーシステム。
【0048】
第4項に記載のクロマトグラフィーシステムによれば、送液装置、オートサンプラ、カラムオーブンおよび検出器に取り付けられている交換可能な部品に例えばリコールがかけられている場合、各記憶部に記憶されている位置情報に基づいて、当該部品が送液装置、オートサンプラ、カラムオーブンおよび検出器のどこに取り付けられているのか、すなわち、送液装置、オートサンプラ、カラムオーブンおよび検出器での部品の位置を把握することができる。
【0049】
(第5項)第1項から第4項のいずれか1つに記載のクロマトグラフィーシステム(1)は、
前記記憶部(19)は、前記部品(3)の名称または前記部品(3)が製造されたときに付与されたロット番号(LN3A等)と、前記取り付け位置の名称とを、前記位置情報として記憶する。
【0050】
第5項に記載のクロマトグラフィーシステムによれば、位置情報の管理を容易かつ正確にに行うことができる。
【0051】
(第6項)第5項に記載のクロマトグラフィーシステム(1)は、
前記記憶部(19)に記憶されている前記部品(3)の名称または前記ロット番号(LN3A等)から、前記取り付け位置を検索する検索部を備える。
【0052】
第6項に記載のクロマトグラフィーシステムによれば、部品の取り付け位置の検索を迅速に行うことができる。
【0053】
(第7項)第5項または第6項に記載のクロマトグラフィーシステム(1)は、
前記部品(3)の名称または前記ロット番号(LN3A等)と、前記取り付け位置の名称とを表示する表示部(18)を備える。
【0054】
第7項に記載のクロマトグラフィーシステムによれば、表示部を介して、部品の位置を容易かつ正確に把握することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 クロマトグラフィーシステム
2 送液装置
3 部品
3A 部品
3B 部品
4 オートサンプラ
5 クラウド装置(クラウドコンピュータ)
51 検索部
53 表示部
6 カラムオーブン
8 検出器
10 システム管理装置
11 装置本体
12 カラムユニット
121 分析カラム
122 第2記憶部
13 流路
14 分析条件設定部
15 判断部
16 第1記憶部
17 入力部
18 表示部
19 第3記憶部
19A 第3記憶部
BT3A 交換ボタン
BT3B 交換ボタン
P1 第1取り付け位置
P2 第2取り付け位置
IF3A 第1位置情報
IF3B 第2位置情報
LN3A ロット番号
LN3B ロット番号
NA3A 名称
NA3B 名称
PNA3A 位置名称(名称)
PNA3B 位置名称(名称)
Q 移動相
図1
図2
図3