(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】車両が交通信号を安全に通過できることを保証する方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20221109BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20221109BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
G08G1/09 F
B60W60/00
B60W30/10
(21)【出願番号】P 2021556631
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(86)【国際出願番号】 EP2020057366
(87)【国際公開番号】W WO2020193295
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-09-17
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガコワン,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】トリコー,クリストフ
【審査官】吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/022201(WO,A1)
【文献】特開2011-146053(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
B60W 60/00
B60W 30/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が交通信号機を横切るための制御方法であって、
前記車両は、車両と信号機との間の距離(Dvf)を決定できるコンピュータと、速度調整器と、信号機の停止状態および進行状態を検出できる光センサとを備え、
前記制御方法は、
交通データを受信するステップであり、前記コンピュータは外部装置から送信された交通データを受信し、前記交通データは、前記信号機の状態変化の時間である状態変化時間を含み、前記コンピュータは、前記交通データを受信した時点における、前記車両と前記信号機との間の現在の距離(Dvfc)を決定する、ステップと、
速度プロファイルを決定するステップであり、前記コンピュータは、車両が停止することなく、前記信号機の進行状態において車両が信号機を横切るために、車両から信号機までの距離(Dvf)に応じて車両に適用すべき速度プロファイルを、前記状態変化時間および現在の距離(Dvfc)の関数として決定する、ステップと、
制御距離を決定するステップであり、前記コンピュータが、前記速度プロファイルの関数として、車両の動的ブレーキが前記信号機の位置の前で停車することを保証する制御距離(Dc)を決定する、ステップと、
前記速度調整器が、前記速度プロファイルに従って、車両から信号機までの距離(Dvf)の関数として前記車両の速度を調整する調整ステップと、
前記信号機の状態の検出ステップであり、信号センサは、前記車両が前記信号機から制御距離(Dc)に等しい距離にあるときに前記信号機の状態を検出する、ステップと、
判定ステップであり、前記コンピュータは、前記信号機が前記停止状態にある場合に前記車両の動的ブレーキを作動させ、前記コンピュータは、前記信号機が前記進行状態にある場合に前記速度プロファイルに従って前記車両の速度(V)を前記速度調整器に調整させるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記速度プロファイルは、速度が一定であり、メートル毎秒の交差速度(Vp)に等しい速度レベルを含み、前記速度レベルは、前記交差速度(Vp)に1秒から3秒の間にあるレベル時間を乗じた値よりも大きいメートル単位の距離(Dvf)に沿って延びる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記交差速度(Vp)は、7メートル/秒と20メートル/秒との間にあることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御距離(Dc)は、2.5メートル毎秒毎秒と4メートル毎秒毎秒との間にある所定の制動減速度の関数で算出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記制御距離(Dc)は、前記制動減速度の2倍で除算された交差速度(Vp)の2乗に等しい、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記光センサは、カメラである視覚装置と、前記視覚装置によって撮影された撮像画像上で、前記進行状態の前記信号機と前記停止状態の前記信号機とを区別できる分類器と、を備えることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを含むコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上の車両交通流を改善することを目的とする装置および方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、採用されるべき最適速度を通信することによって、進行状態にある信号機と交差する際に運転者を支援することを目的とする交通サービスが知られている。運転者は、次いで、前記最適速度を採用し、これにより、運転者は、停止する必要なく、進行状態で信号機に到達することができる。
【0003】
このような交通サービスは、道路交通が自由に流れることを可能にし、輸送時間の節約、エネルギーコストと環境負荷の低減、および道路安全性の強化を提供する。
【0004】
車両が、例えば500メートルの信号機から所定の距離に位置するとき、交通サービスは、交通信号機の状態を車両に送信し、採用すべき最適速度とする。
【0005】
このような交通サービスを利用するドライバは、車両のアクティブドライバである。
彼または彼女は、推奨される速度に従って、車両の速度を適合させることができるが、彼または彼女の感覚および状況に応じて、減速、加速または制動を決定することもできる。信号機に接近する際に、信号機の状態が、交通サービスによってなされた予測に適合しない場合、ドライバは、ハイウェイコードの規則を侵害することを回避するために適切に反応することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
信号機の状態は、例えば、優先車両またはバス、電車または列車のような公共交通車両が交差することを可能にするために、交差道路の信号機のペーシングの変化に従う予測に適合しない場合がある。
【0007】
信号機の状態は、交通サービスの故障、管理、異常又は障害に続く予測に適合しないことがある。
【0008】
車載運転者支援システムの場合、信号機に接近すると車両自体が速度を規制するため、運転者ははるかに受動的であるが、信号機の状態が車両内部のアルゴリズムによる予測に適合しない場合には、車両に対して適切に反応することが求められる。
【0009】
従来技術は、そのような車載安全システムを言及していない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車両が信号機を安全に横切ることができることを確保するための方法であって、車両は、車両と前記信号機との間の距離を決定することができるコンピュータと、速度調整器と、前記信号機の停止状態および進行状態を検出することができる光センサとを備え、
前記方法は、
交通データの受信ステップであり、前記コンピュータは、外部装置から送信された交通データを受信し、前記交通データは、前記交通信号の状態変化の時刻を含み、前記停止状態から前記進行状態への変化のために、前記コンピュータは、前記データの受信した時点における、前記車両と前記信号機との間の現在の距離をさらに決定する、ステップと、
速度プロファイルを決定するステップであり、前記コンピュータは、前記車両が停止することなく、前記進行状態で前記信号機を横切るために、前記車両から前記信号機までの距離に応じて車両に提供すべき速度プロファイルを、前記現在の距離と状態の変化時間との関数として(as a function)決定する、ステップと、
制御距離を決定するステップであり、コンピュータが、速度プロファイルの関数として、車両の動的ブレーキが車両の安全かつ快適な停車を前記信号機の位置の前に保証する制御距離を決定する、ステップと、
前記速度調整器が、前記速度プロファイルに従って、前記車両から前記信号機までの距離の関数として前記車両の速度を調整する調整ステップと、
信号機の状態を検出するステップであり、前記信号センサは、前記車両が前記信号機から前記制御距離に等しい距離にあるときに前記信号機の状態を判定する、ステップと、
判定ステップであり、前記コンピュータは、信号機が停止状態にある場合に車両の動的ブレーキを作動させ、前記コンピュータは、信号機が進行状態にある場合に速度プロファイルに従って車両(1)の速度(V)を速度調整器(3)に調整させる、ステップとを含む。
【0011】
本発明の一態様によれば、速度プロファイルは、速度が一定であり、メートル毎秒の交差速度に等しい速度レベルを含み、速度レベルは、交差速度に1秒から3秒の間にあるレベル時間を乗じた値よりも大きいメートル単位の距離に沿って延びる。
【0012】
本発明の一態様によれば、交差速度は、7メートル/秒と20メートル/秒との間にある。
【0013】
本発明の一態様によれば、制御距離は、2.5メートル毎秒毎秒から4メートル毎秒毎秒の間にある所定の制動減速度の関数で算出される。
【0014】
本発明の一態様によれば、制御距離は、制動減速度の2倍で除算された交差速度の2乗に等しい。
【0015】
本発明の一態様によれば、光センサは、カメラのような視覚装置と、前記視覚装置によって撮影されたショット上で、進行状態の信号機と停止状態の信号機とを区別できる分類器とを備える。
【0016】
本発明はまた、プログラム命令がコンピュータによって実行されるときに、上記方法の少なくとも1つのステップをコンピュータに実行させるためのプログラム命令(プログラム)を含むコンピュータプログラム製品にも関する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、信号機の状態が車両内部のアルゴリズムによる予測に適合しない場合に、車両に対して適切に反応して、車両が信号機を横切るよう、車両を制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、信号機に接近する車両を模式的に表す。
【
図3】
図3は、本発明による方法のステップを概略的に示す。
【
図4】
図4は、車両から信号機までの距離の関数としての速度プロファイルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、コンピュータ4と、速度調整器3と、光センサー2とを備える車両1を表す。
光センサー2は、信号機10の状態を、停止状態と進行状態のうちから検出できる。
【0020】
信号機10の進行状態は、車両1の運転者に、信号機10を横切ることができ、車両1が位置する車線がオープンになっていることを示す。
【0021】
信号機10の停止状態は、車両1の運転者に対し、信号機10を横切ることなく、信号機10で止まらなければならず、車両1が位置する車線が信号機10を越えてクローズドになっていることを示す。
【0022】
光センサー2は、好ましくは、車両1の中央リアビューミラー上に配置された、好ましくはフロントマウントカメラである視覚装置(vision device)を備える。光センサ2は、LIDARなどの別のタイプの視覚装置を備えることができる。光センサー2は、別の地点、例えば、車両1の屋根上に配置することができる。
【0023】
光センサー2は、例えば少なくとも100メートルの距離にわたって、信号機を含む車両1の環境をカバーすることが可能な視野20を備える。
【0024】
光センサー2は、視覚装置によって撮影されたショット上(on a shot)で、進行状態にある信号機と停止状態にある信号機とを区別することができる分類器を更に備える。ショットは、ライブの、再構成された、またはタッチアップされた画像、またはデジタルデータから構築された擬似画像とすることができる。
【0025】
コンピュータ4は、サーバや信号機10などの外部装置によって送信された交通データを受信することができる。
【0026】
図1の信号機10は、交通データを車両1のコンピュータ4の受信機に送信できる送信部15を備える。
【0027】
交通データは、停止状態から進行状態への変更のための信号機10の状態の変更時間を含む。
【0028】
より一般的には、交通データは、信号機10の状態の変化時間と、信号機10の現在の状態とを含む。
【0029】
現在の信号機10の停止状態に対応する信号機10の状態変更時間は、停止状態から進行状態への変更に対する信号機10の状態変更時間に相当する。
【0030】
信号機10の現在の進行状態に対応する信号機10の状態変更時間は、進行状態から停止状態への変更に対する信号機10の状態変更時間に対応する。
【0031】
図1において、車両1は、信号機10から距離Dvfに位置している。
【0032】
交通信号10は、車両1の光センサ2の視野20内にある。光センサ2は、信号機10の状態を検出することができる。
【0033】
コンピュータ4は、例えばカメラまたは地理的位置データを用いて、車両1と信号機10との間の距離Dvfを決定することができる。
【0034】
信号機10の送信部15は、車両1のコンピュータ4に交通データを送る。この交通データは、停止状態から進行状態への変更のための信号機10の状態変更時間を含む。コンピュータ4は、車両1と信号機10との間の距離Dvfの関数として(関数を用いた演算により)、車両が停車することなく、信号機10を横切ることができる速度プロファイルを決定することができる。
【0035】
コンピュータ4は、車両1と信号機10との間の距離Dvfの関数である前記速度プロファイルに従って速度調整器3を制御することができる。
【0036】
速度調整器3は、車両1の運転者の介在なしに車両の速度Vを管理する。運転者は、車両1の速度Vの管理に関して受動的である。
【0037】
信号機10は、例えば、赤色光11、緑色光13及び橙色光12を含む3色光である。この例は限定的なものではなく、信号機は2色又は4色の光であることができる。
【0038】
図2Aに示すようにように、赤色光11が点灯(オン)しているとき、交通信号10は停止状態にある。
【0039】
図2Bに示すように、緑色灯13が点灯しているとき、信号機10は進行状態にある。
【0040】
図2Cにおいて、オレンジ色のライト12はオンであり、信号10は中間状態である。
中間状態は、進行状態と停止状態との間、および/または停止状態と進行状態との間の転移の状態であってもよく、進行状態から停止状態への、および/または停止状態から進行状態への、信号機の差し迫った状態変化をドライバに示す。
【0041】
交通信号10の中間状態は、例えばオレンジ色のライト12が間欠的に点灯しているとき、すなわちオレンジ色のライト12が点滅しているときに、前記交通信号10の故障をドライバに示すこともできる。
【0042】
本発明の意味の範囲内にある信号機10は、スイッチオンされている光による通知に限らず、例えば、2つの別個の位置の間の境界の移動、またはピクトグラムの変更によって通知されてもよく、進行状態および停止状態を含むことができる。
【0043】
図3は、本発明による方法のステップを概略的に示す。
【0044】
交通データの受信ステップ101によれば、コンピュータ4は、外部装置、例えば交通信号機10の送信機15から送信された交通データを受信する。この交通データは、停止状態から進行状態への変更のための、交通信号機10の状態の変更の時刻(停止状態から進行状態に変更するまでの状態変更時間)を含む。コンピュータ4は、実質的に交通データの受付の瞬間に、車両1と信号機10との間の現在の距離Dvfcを決定する。
【0045】
コンピュータ4は、例えば、車両1が信号機10から500メートル未満の距離にあるときに、外部装置から送信された交通データを受信する。
【0046】
交通データが連続的に送信される場合、コンピュータ4は、車両1が信号機から500メートル未満の距離にあるときにそれらに対応する。
【0047】
コンピュータ4は、車両1と信号機10との間の現在の距離Dvfcを、例えば、車両1の地理的位置データと信号機の地理的位置を含むマッピングから決定することができる。
【0048】
1つの代替案によれば、交通データは、交通信号10の座標を含み、コンピュータ4が車両1と交通信号10との間の現在の距離Dvfcを決定することを可能にする。
【0049】
車両1と信号機10との間の現在の距離Dvfcは、カメラ、LIDARまたはレーダーなどのセンサーを使用して決定することもできる。
【0050】
速度プロファイル102の決定ステップによれば、コンピュータ4は、車両1が停車することなく進行状態の信号機10を横切るように、状態の変化時間及び現在の距離Dvfcの関数として(関数を用いて)、車両1から信号機10までの距離Dvfに応じて車両1が採用すべき速度プロファイルを決定する。
【0051】
例えば、速度プロファイルは、減速を含み、次いで、数秒間速度レベルを一定にすること含む。
【0052】
制御距離103を決定するステップによれば、コンピュータ4は、前に決定された速度プロファイル50の関数として(関数を用いて)、車両1の動的ブレーキが車両1の安全かつ快適な停車を前記信号機10の位置の前に保証する制御距離Dcを決定する。
【0053】
車両の過度に急激な減速を通じて運転者の不快感や衝撃を引き起こす可能性のある緊急ブレーキとは異なり、ダイナミックブレーキは、2.5メートル毎秒毎秒から4メートル毎秒毎秒の間の、車両のブレーキによる制動減速に相当する。
【0054】
規制ステップ104によれば、速度調節剤3は、速度プロファイルに従って、車両1から信号機10までの距離Dvfの関数として(関数を用いて)車両1の速度を調節する。
【0055】
従って、車両1は、速度プロファイルに従い、車両1のアクセルペダル又はブレーキペダルのいずれかを使用する必要がない速度Vで信号機10に向かって走行する。速度調整器3は、車両1と信号機10との間の距離Dvfにおいて、車両1の所定の速度Vに対応する速度プロファイルに従う。
【0056】
車両1から信号機10までの距離Dvfが制御距離Dcに等しい場合、信号センサ2は、信号機105の状態を検出するステップに従って、信号機10の状態を判定する。
【0057】
決定ステップ106によれば、交通信号10が停止状態であれば、コンピュータ4は車両1のダイナミックブレーキを作動させる。
【0058】
信号機10が進行状態であれば、コンピュータ4は速度プロファイルに従って、速度調整器3により車両1の速度Vを調節させる。
【0059】
信号機10は、
図2Cに示すような中間状態をさらに含むことができる。
【0060】
優先的には、信号機105の状態の検出ステップに従って信号機10が中間状態にあると信号機センサ2が判断した場合、コンピュータ4は、決定ステップ106に従って、車両1の動的ブレーキを作動させる。
【0061】
図4は、本発明を実現するための速度プロファイル50の一例を示す。
【0062】
X軸は、車両1と信号機10との間の距離Dvfを示す。原点は、信号機10における車両1の位置に対応し、原点における、車両1と信号機10との間の距離Dvfはゼロである。Y軸は、車両1の速度Vを示す。
【0063】
現在の距離Dvfcを超えると、速度Vは、例えば、車両1と信号機10との間の距離Dvfの関数において、車両1の速度Vを表すカーブ51の上の速度となり、一定である。
【0064】
速度プロファイル50は、現在の距離Dvfcとレベル距離Dvfpとの間のX軸上に沿って減速する減速フェーズ(deceleration phase)52を含む。この減速フェーズ52の間の、車両1の減速度は、例えば、0.5メートル毎秒毎秒から1メートル毎秒毎秒の間で推移し、減速フェーズ52は、例えば、レベル距離Dvfp及び現在の距離Dvfcに対応する横座標から遠く離れて位置する。
【0065】
速度プロファイル50は、速度が実質的に一定であり、交差速度Vp(メートル/秒)に等しい速度レベル53を含むことが好ましい。
【0066】
速度レベル53は、車両1から信号機2までの、1秒から3秒の間にあるレベル時間を乗じた前記交差速度Vpに対応する値よりも大きい、メートル単位のレベル距離Dvfpにわたって延びる。速度レベル53は、車両1から信号機2までのメートル単位のレベル距離Dvfpが横断速度Vpに1秒から3秒の間のレベル時間を乗じた値よりも大きくなる範囲に、広がっている。
【0067】
好ましくは、交差速度Vpは、7メートル/秒と20メートル/秒との間にある。
【0068】
例えば、交差速度Vpが10メートル/秒に等しく、レベル時間が2秒である場合、速度レベルは、少なくとも、車両1から信号機2までのレベル距離Dvfpが20メートルに相当し、そのうちの原点が信号機10に位置する範囲に及ぶことになる。
【0069】
好ましくは、制御距離Dcは、交差速度Vpの2乗を制動減速度の2倍で割った値となる。
【0070】
車両の制動減速が3メートル/秒に等しく、交差速度Vpが10メートルに等しい場合、制御距離は16.7メートルに等しい。
【0071】
レベル距離Dvfpが20mの時の速度レベルの場合、光センサ2により信号機105の状態を検出するステップの実行時には、車両1の速度Vは、既に交差速度Vpで安定している。