(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】電力管理システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20221109BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20221109BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20221109BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20221109BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
H02J13/00 311T
H02J13/00 311R
H02J3/00 130
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J3/32
H02J7/00 P
(21)【出願番号】P 2019002886
(22)【出願日】2019-01-10
【審査請求日】2021-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101236
【氏名又は名称】栗原 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100166914
【氏名又は名称】山▲崎▼ 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】平光 雄介
【審査官】羽鳥 友哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-128871(JP,A)
【文献】特開2011-229268(JP,A)
【文献】特開2015-073369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/00
H02J 3/38
H02J 3/32
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自然エネルギーにより発電する発電設備と、所定エリア内に設けられて前記発電設備から供給される電力を消費する電力消費設備と、を含む複数のマイクログリッドを隣接して備え、各マイクログリッドにおける電動車両の二次電池の充放電を管理する電力管理システムであって、
前記発電設備による発電量と前記電力消費設備による電力消費量との差である電力需給ギャップの変化を各マイクログリッド毎に予測する需給ギャップ予測手段と、
各マイクログリッドに対応するエリア内に位置する電動車両について、少なくとも前記二次電池の充電残量を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記需給ギャップ予測手段の予測結果及び前記車両情報取得手段が取得した前記車両情報に基づいて、前記電動車両に対して前記二次電池の充放電に関する情報を配信する情報配信手段と、を備え、
前記情報配信手段は、複数の各マイクログリッドにおける前記電力需給ギャップが平準化されるように、所定の前記電動車両に対して前記二次電池の充放電を促す情報を配信
し、
前記情報配信手段は、前記電力需給ギャップが所定値よりも大きいマイクログリッドに対応するエリアに位置する前記電動車両に対しては、そのマイクログリッドでの前記二次電池の充電を促すと共に、前記電力需給ギャップが所定値以下であるマイクログリッドでの前記二次電池の放電を促す情報を配信する
ことを特徴とする電力管理システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の電力管理システムであって、
前記情報配信手段は、前記電力需給ギャップが所定値以下であるマイクログリッドに対応するエリアに位置する前記電動車両に対しては、前記二次電池の充電の延期又は前記電力需給ギャップが所定値よりも大きいマイクログリッドでの前記二次電池の充電を促す情報を配信する
ことを特徴とする電力管理システム。
【請求項3】
請求項1
又は請求項2に記載の電力管理システムであって、
前記電動車両のそれぞれは、前記自然エネルギーの発生状況を検知する発生状況検知手段を備えており、
前記需給ギャップ予測手段は、前記発生状況検知手段の検知情報に基づいて、各マイクログリッドにおける前記電力需給ギャップの変化を予測する
ことを特徴とする電力管理システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の電力管理システムであって、
前記発生状況検知手段は、前記自然エネルギーとして太陽光及び風力を検出する
ことを特徴とする電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自然エネルギーにより発電する発電設備と、所定エリア内に設けられて発電設備から供給される電力を消費する電力消費設備と、を含む複数のマイクログリッドを隣接して備え、各マイクログリッドにおける電動車両の二次電池の充放電を管理する電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)により発電する発電設備と、この発電設備により発電した電力を消費する電力消費設備(電力消費負荷:需要家)とを含むいわゆるマイクログリッドを構成し、極力このマイクログリッドにおいて電力を賄うようにしたシステムがある。ただし、自然エネルギーによる発電量は、天候等によって変動するため、単独のマイクログリッドにて必要な電力量の全てを賄うことは難しい。
【0003】
そこで、複数のマイクログリッド同士を電力網によって接続し、複数のマイクログリッド間で電力を供給することで、各マイクログリッドでの電力の需給バランスの調整を図るシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、電動車両が備える二次電池の電力を活用することで、マイクログリッドでの電力の需給バランスを調整するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-229268号公報
【文献】特開2015-73369号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のように複数のマイクログリッドを電力網で接続し、各マイクログリッド間で必要に応じて電力を供給することができれば、各マイクログリッドでの電力の需給電力の平準化を図ることはできる。
【0007】
しかしながら、複数のマイクログリッドが隣接して設けられていても、必ずしも各マイクログリッド間で必要な電力量を供給することができない場合もある。例えば、複数のマイクログリッドがそれぞれ独立している場合、マイクログリッド間での電力の供給を行うことはできないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載のように、電動車両が備える二次電池の電力を活用することで、マイクログリッドでの電力の需給バランスを調整することはできる。しかしながら、この技術は、複数のマイクログリッドが隣接して設けられた場合を考慮したものではない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電動車両の二次電池の充放電をより適切に管理して、隣接して設けられた複数のマイクログリッドでの電力の需給バランスの平準化を図ることができる電力管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明の一つの態様は、自然エネルギーにより発電する発電設備と、所定エリア内に設けられて前記発電設備から供給される電力を消費する電力消費設備と、を含む複数のマイクログリッドを隣接して備え、各マイクログリッドにおける電動車両の二次電池の充放電を管理する電力管理システムであって、前記発電設備による発電量と前記電力消費設備による電力消費量との差である電力需給ギャップの変化を各マイクログリッド毎に予測する需給ギャップ予測手段と、各マイクログリッドに対応するエリア内に位置する電動車両について、少なくとも前記二次電池の充電残量を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記需給ギャップ予測手段の予測結果及び前記車両情報取得手段が取得した前記車両情報に基づいて、前記電動車両に対して前記二次電池の充放電に関する情報を配信する情報配信手段と、を備え、前記情報配信手段は、複数の各マイクログリッドにおける前記電力需給ギャップが平準化されるように、所定の前記電動車両に対して前記二次電池の充放電を促す情報を配信し、前記情報配信手段は、前記電力需給ギャップが所定値よりも大きいマイクログリッドに対応するエリアに位置する前記電動車両に対しては、そのマイクログリッドでの前記二次電池の充電を促すと共に、前記電力需給ギャップが所定値以下であるマイクログリッドでの前記二次電池の放電を促す情報を配信することを特徴とする電力管理システムにある。
【0012】
また前記情報配信手段は、前記電力需給ギャップが所定値以下であるマイクログリッドに対応するエリアに位置する前記電動車両に対しては、前記二次電池の充電の延期又は前記電力需給ギャップが所定値よりも大きいマイクログリッドでの前記二次電池の充電を促す情報を配信することが好ましい。
【0013】
また前記電動車両のそれぞれは、前記自然エネルギーの発生状況を検知する発生状況検知手段を備えており、前記需給ギャップ予測手段は、前記発生状況検知手段の検知情報に基づいて、各マイクログリッドにおける前記電力需給ギャップの変化を予測することが好ましい。
【0014】
また前記発生状況検知手段は、前記自然エネルギーとして太陽光及び風力を検出することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
かかる本発明の電力管理システムによれば、電動車両の二次電池の充放電をより適切に管理することができ、隣接して設けられた複数のマイクログリッドでの電力の需給バランスの平準化を図ることができる。例えば、隣接する複数のマイクログリッド間がそれぞれ独立している場合でも、各マイクログリッドにおける電力の需給バランスの平準化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る電力管理システムの構成例を説明する図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電力管理システムの構成例を説明する図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電力管理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電力管理システムの動作を説明する図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る電力管理システムの他の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1及び
図2は、本実施形態に係る電力管理システム10の構成例を説明する図である。
図1に示すように、電力管理システム10は、電力の需要区域を分割した複数のエリアを有し、各エリアにマイクログリッドが設けられている。この例では、電力の需要区域が第1~第4のエリア20A~20Dに分割され、これら第1~第4のエリア20A~20Dのぞれぞれに、マイクログリッド21A~21Dが設けられている。
【0018】
なお需給区域を分割したエリアの数は特に限定されず、3つ以下であっても5つ以上であっても構わない。また各エリア20A~20Dのそれぞれは、車両であれば比較的短時間で移動できる程度の小規模な範囲を想定したものである。
【0019】
各マイクログリッド21A~21Dは、自然エネルギーにより発電する発電設備30と、発電設備30によって発電された電力を貯蔵する蓄電設備40と、発電設備30(及び蓄電設備40)から供給される電力を消費する複数の電力消費設備(電力消費負荷:需要家)50と、を含んで構成されている。これら発電設備30、蓄電設備40及び電力消費設備50は、電力網60によって接続されている。
【0020】
また各マイクログリッド21A~21Dは、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の電動車両70が備える二次電池に対して電力を供給し、また電動車両70が備える二次電池から電力網60に電力を放電できるように構成されている。具体的には、電力網60には、充放電設備80が接続されており、この充放電設備80を介して電動車両70の二次電池の充電又は放電を行うことができるようになっている。
【0021】
なお各マイクログリッド21A~21Dは、基本的にはそれぞれ独立しているものとする。例えば、各マイクログリッド21A~21Dの電力網60は、それぞれ接続されていてもよいが、その場合でも、各マイクログリッド21A~21D間での電力の供給(融通)は、非常時を除いて行われないものとする。また各マイクログリッド21A~21Dは、商用電力源に接続されていてもよいが、その場合でも、商用電力源から各マイクログリッド21A~21Dへの電力供給は非常時を除いて行わないものとする。
【0022】
また
図2に示すように、各マイクログリッド21A~21Dを構成する発電設備30、蓄電設備40、電力消費設備50、充放電設備80は、通信網100によってそれぞれ接続され、さらにこの通信網100を介して各マイクログリッド21A~21Dでの電力需給を管理する個別管理装置90が接続されている。
【0023】
また、各マイクログリッド21A~21Dを構成する個別管理装置90は、インターネット等の通信ネットワーク110を介して中央管理装置(サーバ)120に接続されている。本実施形態では、この中央管理装置120が、各マイクログリッド21A~21Dにおける電力の需給状態を一元管理している。また中央管理装置120は、無線通信装置(図示は省略)によって各電動車両70との通信が可能となっている。
【0024】
ここで、本実施形態に係る中央管理装置120は、各マイクログリッド21A~21Dにおける電力需給ギャップを平準化させるように、所定の電動車両70に対して、二次電池の充放電に関する情報の配信を行っている。
【0025】
詳しくは、中央管理装置120は、
図3のブロック図に示すように、需給ギャップ予測手段121と、車両情報取得手段122と、情報配信手段123と、を備えている。
【0026】
需給ギャップ予測手段121は、発電設備30による発電量及び電力消費設備50による電力消費量を、それぞれ所定時間先のまでの変化を予測する。また予測した値に基づいて、発電設備30による発電量と電力消費設備50による電力消費量との差である電力需給ギャップの変化を、マイクログリッド21A~21D毎に演算する。
【0027】
発電設備30による発電量及び電力消費設備50による電力消費量の予測方法は、特に限定されず、公知の技術を採用すればよいため詳しい説明は省略するが、例えば、過去の蓄積データや、ネットワーク等を介して入手した各エリアにおける自然エネルギーの発生状況に関する情報(天候情報等)に基づいて予測することができる。
【0028】
車両情報取得手段122は、各マイクログリッド21A~21Dに対応するエリア20A~20D内に位置する電動車両70について、少なくとも二次電池の充電残量を含む車両情報を取得する。すなわち車両情報取得手段122は、各電動車両70から無線通信等を介して送信される車両情報を所定のタイミングで取得する。車両情報には、二次電池の消費量や充電残量等の電池情報の他、車両の現在位置や目的地、目的地までの走行ルート等の情報が含まれる。
【0029】
なお車両情報を取得するタイミングは、特に限定されず、例えば、所定間隔で取得し、適宜更新すればよい。またエリア20A~20Dに位置する電動車両70には、走行中の電動車両はもちろん、停車中或いは充放電中の電動車両が含まれる。
【0030】
情報配信手段123は、需給ギャップ予測手段121による演算結果および車両情報取得手段122が取得した車両情報に基づいて、所定の電動車両70に対して二次電池の充放電に関する情報を配信する。
【0031】
具体的には、情報配信手段123は、電力需給ギャップが予め設定された所定値(例えば、第1の値)よりも大きいマイクログリッドに対応するエリアに位置する電動車両70に対しては、そのマイクログリッドでの二次電池の充電を促すと共に、電力需給ギャップが所定値(例えば、第2の値(<第1の値))以下である(発電量の余裕が少ない)マイクログリッドでの二次電池の放電を促す情報を配信する。すなわち情報配信手段123は、所定の電動車両70に対して、電力需給ギャップが比較的大きいマイクログリッドから電力需給ギャップが比較的少ないマイクログリッドへの電力の供給(移動)を促す情報を配信する。
【0032】
またその際、情報配信手段123は、電力需給ギャップが予め設定された所定値(第1の値)よりも大きいマイクログリッドに対応するエリアに位置する全ての電動車両70に対して、上記内容の情報を配信するようにしてもよいが、電池情報以外の車両情報に基づいて、特定の電動車両70に対して配信するようにしてもよい。
【0033】
例えば、二次電池の充電残量が所定値以下である電動車両70に対してのみ、上記内容の情報を配信するようにしてもよい。また例えば、電力需給ギャップが所定値(第2の値)以下である(発電量の余裕が少ない)マイクログリッドに向かって走行する車両や、その付近を走行する車両に対して情報を配信するようにしてもよい。
【0034】
また情報配信手段123は、電力需給ギャップが予め設定された所定値(第2の値)以下であるマイクログリッドに対応するエリアに位置する電動車両70に対しては、二次電池の充電の延期、又は電力需給ギャップが所定値(第1の値)よりも大きいマイクログリッドでの二次電池の充電を促す情報を配信する。
【0035】
その際、情報配信手段123は、電力需給ギャップが予め設定された所定値(第2の値)以下であるマイクログリッドに対応するエリアに位置する全ての電動車両70に対して、上記内容の情報を配信するようにしてもよいが、電池情報以外の車両情報に基づいて、特定の電動車両70に対して配信するようにしてもよい。
【0036】
例えば、二次電池の充電残量が所定値以上である電動車両70に対してのみ、上記内容の情報を配信するようにしてもよい。また例えば、電力需給ギャップが所定値(第1の値)よりも大きい(発電量の余裕が大きい)マイクログリッドに向かって走行する車両や、その付近を走行する電動車両70に対してのみ、上記内容の情報を配信するようにしてもよい。
【0037】
このように情報配信手段123が所定の電動車両70に情報を配信すると、電動車両70では、例えば、文字情報や画像、音声等により運転者に対し情報の提示が行われる。そして、電動車両70の運転者がその情報に従って行動することで、隣接する各マイクログリッドにおける電力需給ギャップの調整を図ることができる。それにより、隣接する各マイクログリッド21A~21Dがそれぞれ独立している場合でも(各マイクログリッド21A~21D間での電力供給ができない場合でも)、各マイクログリッド21A~21Dにおける電力需給ギャップの平準化を図ることができる。
【0038】
図4を参照して、本発明に係る電力管理システムにおける情報配信の一例についてさらに説明する。なお図中で色を付した領域は、自然エネルギーが発生状況が悪い(例えば、天候が曇りであり太陽光が弱い)領域である。
【0039】
図4に示す例では、エリア20Aは天候が晴れであり、マイクログリッド21Aにおける電力需給ギャップGaは第1の値G1よりも大きくなっている。つまり需給ギャップ予測手段121によって予測された所定時間先までの電力需給ギャップGaが、第1の値G1よりも大きくなっている。
【0040】
またエリア20Bは、天候が晴れの領域はあるが一部の領域は曇っており、マイクログリッド21Bにおける電力需給ギャップGbは、第1の値G1以下であるが第2の値G2(<G1)よりも大きくなっている。エリア20Cは、エリア20Bと同様であり、マイクログリッド21Cにおける電力需給ギャップGcは、第1の値G1以下であるが第2の値G2よりも大きくなっている。エリア20Dは、ほぼ全域に亘って天候が曇りであり、マイクログリッド21Dにおける電力需給ギャップGdは第2の値G2以下となっている。
【0041】
このような状況においては、情報配信手段123は、まずはマイクログリッド21Aに対応するエリア20A内に位置する複数の電動車両70に対し、マイクログリッド21Aでの二次電池の充電を促すと共に、エリア20Dに移動してマイクログリッド21Dでの二次電池の放電を促す情報を配信する。
【0042】
その際、情報配信手段123は、マイクログリッド21Aに対応するエリア20A内に位置する全ての電動車両70に対して、上記内容の情報を配信するようにしてもよいが、上述のように電池情報以外の車両情報に基づいて、特定の電動車両70に対して配信するようにしてもよい。
【0043】
エリア20A内の電動車両70の運転者がこの配信情報に従って行動することで、マイクログリッド21Aでの電力需給ギャップGaは減少する一方、マイクログリッド21Dでの電力需給ギャップGdは増加することになる。
【0044】
なお、電動車両70の運転者が配信情報に従って行動するように、マイクログリッド21Aでの充電及びマイクログリッド21Dでの放電の料金にインセンティブを付与するようにしてもよい。
【0045】
また情報配信手段123は、エリア20D内に位置する電動車両70に対しては、エリア20Aに移動してマイクログリッド21Aでの二次電池の充電を促す情報を配信する。その際、情報配信手段123は、エリア20D内に位置する全ての電動車両70に対して、上記内容の情報を配信するようにしてもよいが、上述のように電池情報以外の車両情報に基づいて、特定の電動車両70に対して配信するようにしてもよい。
【0046】
エリア20D内の電動車両70の運転者がこの情報に従って行動することで、マイクログリッド21Dでの電力需給ギャップGdは維持され、マイクログリッド21Aでの電力需給ギャップGaは増加することになる。
【0047】
また情報配信手段123は、エリア20D内に位置する電動車両70に対して、二次電池の充電の延期(待機)を促す情報を配信するようにしてもよい。例えば、需給ギャップ予測手段121によって、マイクログリッド21Dにおける電力需給ギャップGdが比較的短時間で回復すると予測された場合には、情報配信手段123は、エリア20D内の電動車両70に対して、二次電池の充電の延期(待機)を促す情報を配信する。すなわち所定期間経過後に、マイクログリッド21Dにて二次電池を充電することを促す情報を配信する。
【0048】
エリア20D内の電動車両70の運転者がこの情報に従って行動することで、マイクログリッド21Dでの電力需給ギャップGd及びマイクログリッド21Aでの電力需給ギャップGaはそのまま維持されることになる。
【0049】
その結果、マイクログリッド21A,21Dでの電力需給ギャップGa,Gdを適正な値に調整することができる。すなわちマイクログリッド21A,21Dでの電力需給ギャップGa,Gdの平準化を図ることができる。
【0050】
なおこの例では、情報配信手段123は、マイクログリッド21B,21Cについては、現状の電力需給ギャップを維持することが適当と判断し、エリア20B,20C内に位置する電動車両70に対しては、二次電池の充放電に関する情報は配信しない。このため、マイクログリッド21Bでの電力需給ギャップGb及びマイクログリッド21Cでの電力需給ギャップGcはそのまま(適正な値に)維持されることになる。
【0051】
その結果、各マイクログリッド21A~21Dの電力需給ギャップGa,Gb,Gc,Gdの平準化を図ることができる。例えば、各マイクログリッド21A~21Dが独立している場合でも(各マイクログリッド間での電力供給ができない場合でも)、各マイクログリッド21A~21Dにおける電力需給ギャップGa,Gb,Gc,Gdの平準化を図ることができる。
【0052】
またエリア20A内の電動車両70の対応だけでは、マイクログリッド21Dにおける電力需給ギャップを十分に調整できない場合には、情報配信手段123は、エリア20B,20C内の電動車両70に対しても、エリア20A,20B,20C内での二次電池の充電を促すと共に、エリア20Dに移動してマイクログリッド21Dでの二次電池の放電を促す情報を配信するようにしてもよい。
【0053】
ところで、発電設備30では、例えば、太陽光や風力といった自然エネルギーにより発電しているため、天候の変化によって比較的短時間で発電量が変化する場合がある。このため、電力需給ギャップを予測するにあたっては、各エリアにおける自然エネルギーの発生状況をできるだけ高精度に把握することが好ましい。
【0054】
その方法は、特に限定されないが、例えば、各電動車両70が、発電設備30での発電に利用される自然エネルギーの発生状況を検知する発生状況検知手段(例えば、各種センサー)を備えるようにし、各電動車両70にて検知した自然エネルギーの発生状況(検知情報)に基づいて、電力需給ギャップを予測することが好ましい。
【0055】
具体的には、
図3に示したように、各電動車両70が、例えば、太陽光(光エネルギー)を検出する光センサー(日射センサー)71及び風速センサー72とを備えるようにする。そして、需給ギャップ予測手段121が、これら光センサー71及び風速センサー72の検出結果に基づいて、発電設備30による発電量及び電力消費設備50による電力消費量を予測すると共に、その予測結果に基づいて電力需給ギャップを演算することが好ましい。
【0056】
また本実施形態では、情報配信手段123が、需給ギャップ予測手段121による演算結果および車両情報取得手段122が取得した車両情報に基づいて、所定の電動車両70に対して二次電池の充放電に関する情報を配信するようにしたが、他の情報に基づいて、所定の電動車両70に対して二次電池の充放電に関する情報を配信するようにしてもよい。
【0057】
例えば、
図5に示す例では、中央管理装置120は、需給ギャップ予測手段121、車両情報取得手段122及び情報配信手段123に加えて、総量演算手段124を備えている。
【0058】
総量演算手段124は、車両情報取得手段122が取得した車両情報(電池情報)に基づいて、各電動車両70が備える二次電池の消費量の合計及び二次電池の充電残量の合計を、マイクログリッド21A~21D毎に求める。総量演算手段124は、車両情報取得手段122が車両情報(電池情報)を新たに取得するたびに、二次電池の消費量の合計及び充電残量の合計をマイクログリッド21A~21D毎に演算し、適宜更新する。
【0059】
そして情報配信手段123は、需給ギャップ予測手段121の予測結果及びこの総量演算手段124の演算結果に基づいて、所定の電動車両70に対して二次電池の充放電に関する情報を配信する。
【0060】
このような構成とすることで、情報配信手段123は、電動車両70に対して、より適切な情報を配信することができる。二次電池の消費量の合計及び二次電池の充電残量の合計に基づく充放電に関する情報を電動車両に対して配信することにより、マイクログリッド側において、実際に電動車両が充放電する統計的な充放電予測値から電動車両による需給平準化を見越して需給調整のためのより高精度な予測を行うことができる。このように高精度な予測を行うことができることで、より小さい需給調整力のマイクログリッドであっても適切な対応が可能になる。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、勿論、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能なものである。
【0062】
例えば、上述の実施形態では、中央管理装置によって各マイクログリッドにおける電力の需給状態を一元管理するようにしたが、必ずしも一元管理でなくてもよく、複数の装置によって分散管理するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 電力管理システム
20 エリア
21 マイクログリッド
30 発電設備
40 蓄電設備
50 電力消費設備
60 電力網
70 電動車両
71 光センサー
72 風速センサー
80 充放電設備
90 個別管理装置
100 通信網
110 通信ネットワーク(インターネット)
120 中央管理装置
121 需給ギャップ予測手段
122 車両情報取得手段
123 情報配信手段
124 総量演算手段