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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】医療用穿孔焼灼装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021528318
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 KR2019009349
(87)【国際公開番号】W WO2020022842
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0087205
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516134062
【氏名又は名称】アン、 ヨン チュル
(73)【特許権者】
【識別番号】521033561
【氏名又は名称】チョン、サン ク
(73)【特許権者】
【識別番号】521033572
【氏名又は名称】イ、サン ソ
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヨン チュル
(72)【発明者】
【氏名】チョン、サン ク
(72)【発明者】
【氏名】イ、サン ソ
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07875026(US,B1)
【文献】特開2005-261521(JP,A)
【文献】特開2013-102845(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276770(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端から後方に延長される形状の伝導体収容溝が内部に形成されるボディと、前記ボディの前記前端に着脱可能に結合されるキャップを備え、前記ボディの前記前端に対向する第1貫通孔が前記キャップに形成されたハンドルと、
前記ボディに結合され、電源供給手段と電気的に接続される接続端子と、
前記伝導体収容溝に収容され、前方端部と後方端部を有し、前記第1貫通孔に対向するワイヤー挿入溝が前記前方端部に形成され、前記接続端子と電気的に接続するために、前記後方端部が前記接続端子に直接接続される単一の伝導体と、
病変部位を穿孔または焼灼する穿孔焼灼部と、前記穿孔焼灼部から延長される延長部を備え、前記伝導体と電気的に接続するために、前記延長部が前記第1貫通孔を通じて前記ワイヤー挿入溝に挿入されて前記伝導体の前記前方端部に直接接続されるガイドワイヤーと
前記ボディと前記キャップとの間に介在し、前記ガイドワイヤーを固定する固定チャックと、
を含む、医療用穿孔焼灼装置。
【請求項2】
前記キャップの前方には、前記第1貫通孔の周辺に、前記キャップの後方に行くほど直径が減少する第1案内面が形成される、請求項1に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項3】
前記ボディの前記前端には、外周面に第1ねじ山が形成された第1締結部が備えられ、前記キャップの後方には、内周面に前記第1ねじ山と螺合されるように第2ねじ山が形成された第2締結部が備えられる、請求項1に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項4】
前記伝導体の前記後方端部には端子挿入溝が形成され、前記接続端子は、前記ボディの後方から前記端子挿入溝に挿合される、請求項1に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項5】
前記接続端子は、前記伝導体と直交するように前記ボディの外周面に配置され、前記接続端子の一端は前記伝導体の前記後方端部と接触する、請求項1に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項6】
前記固定チャックは、内部に前記ガイドワイヤーが挿入される第2貫通孔が形成され、長さ方向に切開部を備える、請求項に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項7】
前記固定チャックの前方端部には、前記第2貫通孔の周辺に、前記ガイドワイヤーの挿入を案内する第2案内面が備えられ、前記第2案内面は、前記固定チャックの後方に行くほど直径が減少する、請求項に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項8】
前記キャップの前方側の内面には、前記キャップの前方に行くほど直径が減少する第1傾斜面が形成され、前記固定チャックの前方側の外面には、前記キャップの前記第1傾斜面と対面するように前方に行くほど直径が減少する第2傾斜面が形成された、請求項6に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項9】
前記ハンドルの外部に露出された前記延長部の外側面には、絶縁部材が備えられた、請求項に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【請求項10】
前記ガイドワイヤーの穿孔焼灼部は、直線形、フック形、ループ形、三角形およびダイヤモンド形のいずれかの形状に形成された、請求項に記載の医療用穿孔焼灼装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術などに適用することができる医療用穿孔焼灼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな原因、例えば人口の高齢化、食生活の変化、肥満などによって胆管、膵臓疾患(胆管がん、胆嚢がん、膵臓がん、膵炎など)が指数関数的に増加しており、この疾患の治療方法として内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術がある。
【0003】
内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術は、消化器領域で全世界的に非常に多様に施行されている。従来は不可能であったか施術が必要であった様々な疾患に対して内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術が施行されており、患者の満足感も高まっている。例えば、内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術が現在活用されている分野は、膵炎に伴う合併症である仮性嚢胞のドレナージ術、肝内あるいは肝外胆管ドレナージ術、胆嚢ドレナージ術、術後の合併症により発生する液体溜まりに対するドレナージ術などがあり、全世界的にますます活用分野が広がっている。
【0004】
ただし、内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術は、消化器施術の中でも最高難度の施術の一つであって、施術過程が比較的複雑であるという欠点がある。いろんな施術で共通に使用される方法は、次のとおりである。
【0005】
(1)超音波内視鏡によって排液が必要な部位を探す。(2)超音波内視鏡の鉗子口に19Gの穿刺針を挿入して胃もしくは十二指腸における排液が必要な部位を穿刺する。(3)穿刺針の内部を介して誘導鉄線を挿入する。(4)誘導鉄線に沿って電気焼灼器具を挿入して胃もしくは十二指腸と排液しようとする部位との間に通路(tract)を拡張させる。(5)電気焼灼器具を抜いて誘導鉄線に沿ってステントを挿入する。
【0006】
これらの過程の中でも、誘導鉄線に沿って電気焼灼器具を挿入して通路を拡張させ、さらに除去した後、誘導鉄線に沿ってステントを挿入する過程が非常に重要である。なぜなら、一応通路を拡張させれば、胆汁または汚染液体が腹腔内に流入する危険性が高くなるからである。したがって、この過程を迅速に進めるべきであるが、実際の施術過程中では最も難しい過程であり、この過程で合併症が多く発生する。
【0007】
また、内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術は、睡眠内視鏡のように意識下、鎮静下に内視鏡によって施行されるため、施術時間が重要であるが、施術時間が長くなると、患者に苦痛を与え、睡眠に関連する合併症の危険性も増加するからである。よって、施術時間を短縮させることができる器具と方法が非常に重要である。
【0008】
関連先行技術文献としては、大韓民国公開特許第10-2018-0024963号公報が参照できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態は、一つのモジュール化された装置で内視鏡超音波ガイド下ドレナージ術を安全に行うことができるようにした医療用穿孔焼灼装置を提供する。本発明の実施形態は、施術時間および過程を短縮することができる医療用穿孔焼灼装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態によれば、ボディ、および該ボディの前方に着脱可能に結合されたキャップを備えるハンドルと、前記ボディに結合され、電源供給手段と電気的に接続された接続端子と、前記ボディの前方内部に備えられ、一端が前記接続端子に電気的に接続された伝導体と、前記ハンドルの前方に備えられ、一端が前記伝導体に電気的に接続されたガイドワイヤーとを含む、医療用穿孔焼灼装置を提供することができる。
【0011】
前記キャップは、前記ガイドワイヤーが挿入されるように第1貫通孔を備え、前記キャップの前方には、前記第1貫通孔の周辺に、前記キャップの後方に行くほど直径が減少する第1案内面が形成できる。
【0012】
前記ボディの前方には、外周面に第1ねじ山が形成された第1締結部が備えられ、前記キャップの後方には、内周面に前記第1ねじ山と螺合されるように第2ねじ山が形成された第2締結部が備えられ得る。
【0013】
前記伝導体の後方には端子挿入溝が形成され、前記接続端子は、前記ボディの後方から前記端子挿入溝に挿合され得る。
【0014】
前記接続端子は、前記伝導体と直交するようにボディの外周面に配置され、前記接続端子の一端は前記伝導体の後方端部と接触することができる。
【0015】
本発明の実施形態に係る医療用穿孔焼灼装置は、前記ボディと前記キャップとの間に介在し、前記ガイドワイヤーを固定する固定チャックをさらに含むことができる。
【0016】
前記固定チャックは、内部に前記ガイドワイヤーが挿入される第2貫通孔が形成され、長さ方向に切開部を備えることができる。
【0017】
前記固定チャックの前方端部には、前記第2貫通孔の周辺に、前記ガイドワイヤーの挿入を案内する第2案内面が備えられ、前記第2案内面は、前記固定チャックの後方に行くほど直径が減少することができる。
【0018】
前記キャップの前方側の内面には、キャップの前方に行くほど直径が減少する第1傾斜面が形成され、前記固定チャックの前方側の外面には、前記キャップの第1傾斜面と対面するように前方に行くほど直径が減少する第2傾斜面が形成され得る。
【0019】
前記ガイドワイヤーは、病変部位を穿孔または焼灼する穿孔焼灼部と、前記穿孔焼灼部から延長され、前記ハンドルの内部に挿入されて前記伝導体と電気的に接続された延長部とを含むことができる。
【0020】
前記伝導体の中央には、前記ガイドワイヤーの延長部が挿入されるようにワイヤー挿入溝が形成され得る。
【0021】
前記ハンドルの外部に露出された前記延長部の外側面には、絶縁部材が備えられ得る。
【0022】
前記ガイドワイヤーの穿孔焼灼部は、直線形、ループ形、三角形およびフック形のいずれかの形状に形成できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態に係る医療用穿孔焼灼装置は、従来の穿刺針、誘導鉄線および電気焼灼器具の機能を一つのモジュール内にすべて備えている。すなわち、本発明の実施形態に係る医療用穿孔焼灼装置は、病変部位にガイドワイヤーを挿入しながら同時に電気焼灼で通路を拡張することができる器具であって、施術成功率を向上させることができ、ひいては施術過程および時間を短縮することにより施術に関連する合併症を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態による医療用穿孔焼灼装置を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態による医療用穿孔焼灼装置を示す断面図である。
図3図2のA部分の詳細図である。
図4図2のB部分の詳細図である。
図5図2の固定チャックを示す斜視図である。
図6】本発明の第2実施形態による医療用穿孔焼灼装置を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態による医療用穿孔焼灼装置を示す断面図である。
図8図7のC部分の詳細図である。
図9】本発明の実施形態に適用されるガイドワイヤーを示す概略図である。
図10】本発明の実施形態に適用されるガイドワイヤーを示す概略図である。
図11】本発明の実施形態に適用されるガイドワイヤーを示す概略図である。
図12】本発明の実施形態に適用されるガイドワイヤーを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明するが、発明の要旨を明確にするために「前方」と「後方」という用語を使用する。前方は、ガイドワイヤーが位置した方向、後方は、その反対方向であってハンドルが位置した方向を意味する。
【0026】
図1乃至図5は本発明の第1実施形態による医療用穿孔焼灼装置を示している。図1乃至図5を参照すると、第1実施形態による医療用穿孔焼灼装置は、ハンドル100、固定チャック200、接続端子300、伝導体400およびガイドワイヤー500を含む。
【0027】
図1および図2に示すように、ハンドル100は、ユーザーが実質的に把持するボディ110と、ボディ110の前方に着脱可能に結合されるキャップ120とを含む。
【0028】
ボディ110は、略円筒形の外形を持つことができる。ただし、ユーザーが把持しやすい形状の外形を有すれば、その形状が限定される必要はない。
【0029】
ボディ110は、前方にキャップ120との締結のための第1締結部111が前方側に突出することができる。第1締結部111の外周面には第1ねじ山が形成できる。ボディ110の内部には、伝導体400が収容されるように伝導体収容溝114が形成される。伝導体収容溝114は、ボディ110の前方から後方まで貫通するように形成できる。ボディ110の後方には、電源供給手段(図示せず)のコネクタなどが接続される電源接続部112が備えられる。電源接続部112は、内部が空いた中空体状に形成でき、電源接続部112の内部空間には、接続端子300の一部が露出されるように配置される。
【0030】
図2および図3に示すように、キャップ120の中央には、ガイドワイヤー500が挿入されるように第1貫通孔122が長さ方向に形成される。キャップ120の前方には、第1貫通孔122を基準として、その周辺に第1案内面123が傾くように形成できる。第1案内面123は、ガイドワイヤー500がハンドル100内に挿入されることを案内する。したがって、第1案内面123は、キャップ120の後方に行くほど直径が減少するテーパー状に形成できる。
【0031】
キャップ120の後方には、ボディ110の第1締結部111との結合のための第2締結部121が備えられ得る。第2締結部121の内周面は、第1締結部111の外周面と対応するように形成され、第2締結部121の内周面には第2ねじ山が形成され得る。したがって、ボディ110の第1締結部111とキャップ120の第2締結部121とは、互いに螺合できる。
【0032】
キャップ120の前方側の内面には第1傾斜面124が形成できる。第1傾斜面124は、キャップ120の前方に行くほど直径が減少するテーパー形状に傾くように形成できる。第1傾斜面124は、後述する固定チャック200の第2傾斜面230と対面するように配置され、ボディ110とキャップ120との締結時に第2傾斜面230を加圧することができる。
【0033】
キャップ120の外面には、ボディ110とキャップ120との締結時または分解時にキャップ120の容易な把持のためにリブ125が備えられ得る。リブ125は、放射状に一定の間隔を置いて複数備えられ得る。それぞれのリブ125は、キャップ120の長さ方向に長く形成できる。
【0034】
図5に示すように、固定チャック200は、ボディ110の前方に備えられ、ガイドワイヤー500の位置を固定する。固定チャック200は、略円筒形の中空体状に形成される。固定チャック220の周りの一側には、固定チャック220の前方端部から後方端部まで長さ方向に切開された切開部240を備えることができる。
【0035】
固定チャック200の中央には、ガイドワイヤー500が挿入されるように第2貫通孔210が形成される。前方には、第2貫通孔210を基準としてその周辺に、ガイドワイヤー500の挿入を案内する第2案内面220が形成できる。第2案内面220は、ガイドワイヤー500が第2貫通孔210に容易に挿入されるように、固定チャック200の中央に行くほど直径が減少するテーパー状に形成できる。
【0036】
固定チャック200の外周面は、前方に行くほど直径が減少するテーパー状に形成できる。つまり、固定チャック200の先端外面には、前方に行くほど直径が減少する第2傾斜面230が形成できる。第2傾斜面230は、キャップ120の第1傾斜面124と対面するように配置され、ボディ110とキャップ120との締結時に第1傾斜面124によって圧迫される。第2傾斜面230が第1傾斜面124によって圧迫されると、固定チャック200の切開部240は閉鎖され、これにより、固定チャック200はガイドワイヤー500を堅固に固定することができる。
【0037】
図2および図4に示すように、接続端子300は、電源供給手段のコネクタなどに接続され、ガイドワイヤー500に電源を提供する。接続端子300は、ボディ110の後方にハンドル100の軸方向に形成された端子収容溝に挿合される。したがって、接続端子300の軸方向とハンドル100の軸方向とは互いに一致するように構成される。
【0038】
例えば、電源供給手段は、高周波発振器であってもよく、接続端子300は、高周波発振器から発生した高周波を伝導体400を介してガイドワイヤー500に提供することができる。接続端子300は、その一端が伝導体400の後方端部に接続され、他端は高周波発振器に接続されるようにボディ110の外部に露出できる。
【0039】
接続端子300は、ユーザーがハンドル100を把持するときに干渉されない位置に配置される必要がある。これにより、接続端子300は、ボディ110の後方から前方に挿入されるように配置できる。つまり、接続端子300は、伝導体400と一直線上に配置され、接続端子300の前方端部は伝導体400の後方端部と接触して相互電気的に接続できる。
【0040】
伝導体400は、図2乃至図4に示すように、接続端子300とガイドワイヤー500との電気的接続のための媒介体の役割を果たす。伝導体400は、ボディ110の伝導体収容溝114内に収容され、伝導体収容溝114の形状に対応するように形成され得る。例えば、伝導体収容溝114は円形の断面を持つように形成され、伝導体400は円筒状に形成され得る。
【0041】
伝導体400は、後方端部が接続端子300と電気的に接続され、前方端部がボディ110の前方に露出されるように配置される。
【0042】
伝導体400の前方には、ワイヤー挿入溝410が長さ方向に形成できる。ワイヤー挿入溝410には、ガイドワイヤー500の後方の一部が挿入され、ガイドワイヤー500は、伝導体400から電力の伝達を受ける。
【0043】
伝導体400の後方には、端子挿入溝420が長さ方向に形成できる。端子挿入溝420には接続端子300の一端が挿入される。したがって、電源供給手段から提供された電力は、接続端子300、伝導体400、ガイドワイヤー500の順に伝達できる。
【0044】
ガイドワイヤー500の直径は、必要に応じて多様に設定できる。例えば、ガイドワイヤー500は、038”、035”、025”、018”、016”、014”、012”などの直径で多様に備えられ、必要に応じて選択されたいずれか一つをハンドル100に装着することができる。
【0045】
ガイドワイヤー500は、ニードルのように患部を穿孔する機能または電気焼灼する機能を行うことができる。よって、ガイドワイヤー500は、患部を穿孔または電気焼灼することができるように導電性材質、例えばステンレス鋼などの金属材質で形成できる。ガイドワイヤー500は、伝導体400と電気的に接続され、電源供給手段、例えば、高周波発振器に接続された電極および伝導体400から高周波の伝達を受ける。
【0046】
ガイドワイヤー500は、図2に示すように、穿孔焼灼部510、および穿孔焼灼部510の後方に延長される延長部520を含むことができる。
【0047】
穿孔焼灼部510は、患部を穿孔するか、または患部から発生する出血を止血するための電気焼灼作業を行う。穿孔焼灼部510は、ガイドワイヤー500の前方端部に設けられ、その長さは3~5mmであり得る。穿孔焼灼部510は、前方に行くほど次第に直径が減少するテーパー形状に形成できる。
【0048】
穿孔焼灼部510は、延長部520の前方に一体に形成されるか、或いは別途製作されて延長部520の前方に結合され得る。穿孔焼灼部510は、第1実施形態のように直線形に形成されてもよいが、必要に応じて、図9乃至図12に示すように、フック形511、ループ形512、三角形513、ダイヤモンド形514などの形状に形成されてもよい。
【0049】
延長部520の後方端部は、ハンドル100の内部に挿入され、伝導体400と電気的に接続される。例えば、伝導体400の中央には挿入溝が形成され、延長部520は、伝導体400の挿入溝に挿入されることにより、伝導体400から高周波の伝達を受けることができる。
【0050】
延長部520の外側には絶縁部材530が備えられ得る。絶縁部材530は、ガイドワイヤー500に高周波が伝達されるとき、病変部位ではなく、他の人体組織の焼灼を防止することができる。つまり、絶縁部材530は、電気焼灼などのためのガイドワイヤー500の先端に配置された穿孔焼灼部510を除いて、ハンドル100の外部に露出された延長部520の一部に備えられ得る。絶縁部材530は、延長部520の外側面にポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが塗布されて形成できる。
【0051】
一方、人体内に発生する疾病によって、血管または食道などの内腔は狭窄して機能が低下するか、ひどい場合には何らの機能も行うことができない状態になることがある。例えば、内腔が狭窄した場合には、食道がんにより食道が狭窄を起こした場合、動脈硬化症によって円滑な血液循環が行われない場合、または肝臓から出る胆汁が流れうるトラックが狭窄した場合などがある。
【0052】
このように内腔が狭窄した状態では食べ物や血液または胆汁などが円滑に流れることができないため、狭窄した内腔を拡張させて通路を維持させなければならないが、この場合に狭窄した通路を拡張して維持させるための方法として、例えば、自己膨張型医療用具(以下、「ステント(stent)」という。)が内腔に挿入される。
【0053】
ステントは、概ね全体的な形状が円筒形構造体をなし、自体が弾性力を持っており、外力を加えると収縮することができ、この外力を除去すると、自体的に膨張して復元する方式が適用できる。
【0054】
本発明の実施形態による医療用穿孔焼灼装置は、内視鏡超音波(endoscopic ultrasound、EUS)を用いて施行するステント挿入術に使用できる。つまり、超音波内視鏡的ステント留置術の施行時に、別途の穿刺針なしでステント挿入器具にガイドワイヤー500を連結し、ガイドワイヤー500を用いて、病変部位に直接穿孔を試みた後、ステントを挿入することができる。
【0055】
このように、本発明の実施形態による医療用穿孔焼灼装置は、血管または食道などの内腔が狭窄した場合、これを拡張させるステントがガイドワイヤーの外側に装着された状態で内腔に挿入できる。よって、必要に応じては、ガイドワイヤーによる焼灼の後、ステント施術過程が連続的に行われ得る。
【0056】
また、本発明の実施形態による医療用穿孔焼灼装置は、動脈-静脈出血の発生時に出血部位にガイドワイヤー500を介して電気焼灼を行って出血部位を止血するために使用できる。つまり、出血部位までガイドカテーテルを進入させた後、一字形のガイドワイヤー500をガイドカテーテルの内部に挿入し、電源供給手段を接続して出血部位の血管壁を焼灼することで穿孔部位を塞いだり穿孔部位に血栓を誘発させたりして出血を防ぐことができる。
【0057】
図6乃至図8は本発明の第2実施形態による医療用穿孔焼灼装置を示している。図6乃至図8を参照すると、第2実施形態による医療用穿孔焼灼装置は、ハンドル100の一部の構成を除けば、第1実施形態による医療用穿孔焼灼装置と同様である。したがって、以下では、ハンドル100を除いた構成については詳細な説明を省略する。
【0058】
第2実施形態による医療用穿孔焼灼装置のハンドルは、接続端子300の軸方向とハンドルの軸方向とが互いに直交するように構成される。つまり、ハンドルは、ボディ110およびキャップ120を含み、ボディ110には外周面から中心方向に端子収容溝115が形成される。このとき、端子収容溝115は、ボディ110の伝導体収容溝114と交差するように形成できる。これにより、伝導体収容溝114に収容された伝導体400と端子収容溝115に配置された接続端子300とは、互いに直交状態で接触することになる。
【0059】
また、端子収容溝115がボディ110の外周面側に形成されるので、電源接続部113もボディ110の外周面側に備えられる。
【0060】
第2実施形態において、伝導体400は、ボディ110の一端から他端まで貫通するように設置されず、ボディ110の前方側の一部に挿入されるように設置される。よって、第2実施形態の装置は、第1実施形態の装置に比べて伝導体400の長さを縮小させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12