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特許7173489バッチャープラントのセメントミルク製造方法およびバッチャープラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】バッチャープラントのセメントミルク製造方法およびバッチャープラント
(51)【国際特許分類】
   B28C 7/12 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
B28C7/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018231446
(22)【出願日】2018-12-11
(65)【公開番号】P2020093424
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】518440338
【氏名又は名称】高橋重機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000177416
【氏名又は名称】三和機材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(74)【代理人】
【識別番号】100061619
【氏名又は名称】田中 武文
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和幸
(72)【発明者】
【氏名】森 洋介
(72)【発明者】
【氏名】関根 延明
【審査官】末松 佳記
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-022718(JP,A)
【文献】実開平03-055208(JP,U)
【文献】特開2010-284929(JP,A)
【文献】特開平06-238652(JP,A)
【文献】特開2018-062085(JP,A)
【文献】特開平08-281632(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105291267(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 1/00-9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭打ちあるいは地盤改良の作業現場、あるいは、作業現場近傍に設置されたバッチャープラント1のミキサー3に、予め設定された量となるセメントミルクとなるべき量に設定された水設定値Lの水を供給し、ミキサー3に水供給完了後に実際に供給された水量を重量計測器25により計測して水計量値Mとし、水設定値Lと水計量値Mとを対比し、水設定値Lと水計量値Mとが不一致のとき、予め算出された所定水量に対するセメント量となる割合となるように、水計量値Mの水に投入すべきセメント量を演算し、この自動補正されたセメント量をミキサー3に供給するバッチャープラントのセメントミルク製造方法。
【請求項2】
請求項1において、前記自動補正されたセメント量は、セメントミルクの水とセメントとの割合比において、必ず、セメント量の割合が多くなるように設定したバッチャープラントのセメントミルク製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、水設定値Lと水計量値Mとを対比し、水設定値Lと水計量値Mとが不一致のとき、水設定値Lに対する所定割合の割合比となるセメント量を演算し、この自動補正されたセメント量をミキサー3に供給し、このときの水設定値Lと水計量値Mと自動補正セメント量を印字しかつ記憶し、次工程のセメントミルク製造を行うバッチャープラントのセメントミルク製造方法。
【請求項4】
所定形状の枠フレーム体2にミキサー3の混練用樋24を複数の重量計測器25により吊設し、前記ミキサー3には、サイロ5に接続した内部セメント供給ホース15と、貯水タンク6に接続した内部供水管20とのそれぞれを接続し、サイロ5の縦搬送装置9と貯水タンク6の給水ポンプ18は操作部45により駆動するように構成し、操作部45は、予め設定した水設定値Lの水量に対するセメント設定値Nのセメント量となるように、貯水タンク6が実際に供給した水量を重量計測器25により計測して水供給設定量と水供給計測量を対比し、実際の供給水量に対する補正セメント量を演算してミキサー3にサイロ5からセメントを供給する構成としたバッチャープラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッチャープラントのセメントミルク製造方法および可搬式のバッチャープラントに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、セメント貯蔵用のサイロからのセメントに水を加えて撹拌することでセメントミルクを製造するミキサーと、このミキサーの重量を計測する重量計測器を設けた構成は、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8ー281632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、所望量のセメントミルクを得るために、重量計測器によりセメントミルクの重量を計測しているが、単に、混合投入された後のセメントミルクの重量を計測しているにすぎず、水とセメントの混合割合は正確に把握できず、セメントミルクの品質にばらつきが生じるという課題がある。
本発明は、セメントミルクの製造工程を工夫して、安定した品質のセメントミルクを供給できるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、杭打ちあるいは地盤改良の作業現場、あるいは、作業現場近傍に設置されたバッチャープラント1のミキサー3に、予め設定された量となるセメントミルクとなるべき量に設定された水設定値Lの水を供給し、ミキサー3に水供給完了後に実際に供給された水量を重量計測器25により計測して水計量値Mとし、水設定値Lと水計量値Mとを対比し、水設定値Lと水計量値Mとが不一致のとき、予め算出された所定水量に対するセメント量となる割合となるように、水計量値Mの水に投入すべきセメント量を演算し、この自動補正されたセメント量をミキサー3に供給するバッチャープラントのセメントミルク製造方法としたものである。
請求項2の発明は、前記自動補正されたセメント量は、セメントミルクの水とセメントとの割合比において、必ず、セメント量の割合が多くなるように設定したバッチャープラントのセメントミルク製造方法としたものである。
請求項3の発明は、水設定値Lと水計量値Mとを対比し、水設定値Lと水計量値Mとが不一致のとき、水設定値Lに対する所定割合の割合比となるセメント量を演算し、この自動補正されたセメント量をミキサー3に供給し、このときの水設定値Lと水計量値Mと自動補正セメント量を印字しかつ記憶し、次工程のセメントミルク製造を行うバッチャープラントのセメントミルク製造方法としたものである。
請求項4の発明は、所定形状の枠フレーム体2にミキサー3の混練用樋24を複数の重量計測器25により吊設し、前記ミキサー3には、サイロ5に接続した内部セメント供給ホース15と、貯水タンク6に接続した内部供水管20とのそれぞれを接続し、サイロ5の縦搬送装置9と貯水タンク6の給水ポンプ18は操作部45により駆動するように構成し、操作部45は、予め設定した水設定値Lの水量に対するセメント設定値Nのセメント量となるように、貯水タンク6が実際に供給した水量を重量計測器25により計測して水供給設定量と水供給計測量を対比し、実際の供給水量に対する補正セメント量を演算してミキサー3にサイロ5からセメントを供給する構成としたバッチャープラントとしたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、セメントミルクの製造の際に、ミキサー3に実際に供給された水量に照らして水設定値Lに対する所定割合の割合比となるようにセメント供給量を自動補正するので、水とセメントの混合比率精度を向上させることができ、正確で均一なセメントミルクを製造できる。
請求項2の発明では、自動補正されたセメント量は、セメントミルクの水とセメントとの割合比において、必ず、セメント含有量の割合が多くなるように設定しているので、適正なセメント含有成分のセメントミルクとすることができ、セメントミルクの品質を安定させることができる。
請求項3の発明では、ミキサー3に供給した水量に対する所定割合の割合比となるセメント量を自動補正してミキサー3に供給し、このときの水設定値Lと水計量値Mと自動補正セメント量を印字しかつ記憶するので、水量に対するセメント量の割合比を詳細に検討でき、セメントミルクの品質を向上させることができる。
請求項4の発明では、操作部45は、予め設定した水設定値Lの水量に対するセメント設定値Nのセメント量となるように、貯水タンク6が実際に供給した水量を重量計測器25により計測して設定量と計測量を対比し、実際の供給水量に対する補正セメント量を演算してミキサー3にサイロ5からセメントを供給する構成としているので、作業現場に設置した貯水タンク6から給水ポンプ18により水を供給するタイプのバッチャープラント1であっても、正確で均一な混合比率精度であって品質の安定したセメントミルクを製造でき、可搬式のバッチャープラント1の設置スペースを小さくでき、バッチャープラントの省スペース化を実現でき、また、操作部45による各部の制御により水とセメントの投入タイミングを適正にすることで、セメントミルクを製造できるので、既存のバッチャープラント1の操作部45の改良により低コストで高精度なバッチャープラントを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】バッチャープラントの側面図。
図2】同平面図。
図3】同概略回路図。
図4】フロー図。
図5】制御部(操作盤)の正面図。
図6】同一部拡大図。
図7】制御部(操作盤)の表示操作部(タッチパネル)の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図により説明すると、1は可搬式のバッチャープラント、2はバッチャープラント1の枠フレーム体であり、枠フレーム体2には水とセメントとを撹拌してセメントミルクを製造するミキサー3と、このミキサー3で製造したセメントミルクを固まらないようにかき回しながら一時貯留するアジテータ4とを備えている。
なお、バッチャープラント1の近傍にはミキサー3に供給するセメントを貯留するサイロ5と、セメントに加える水を貯留する貯水タンク6とを設けている。
前記サイロ5の構成は任意であり、サイロ5はセメントを貯留できればよく、サイロ5内の底部に横搬送装置8を設け、横搬送装置8の終端には縦搬送装置9の始端部を接続し、縦搬送装置9の終端はサイロ5の上部に設けた排出シュート10に接続し、排出シュート10にはミキサー3にセメントを送る搬送ホース11を接続する。
搬送ホース11の終端は枠フレーム体2内に設けたミキサー3に接続した内部セメント供給ホース15に接続する。
【0009】
16は横搬送装置8と縦搬送装置9を駆動するセメント揚送駆動モータである。
前記貯水タンク6の構成は任意であり、貯水タンク6にはミキサー3に水を供給する給水ポンプ18を設ける。本実施形態では、ミキサー3への給水時間の短縮のために2台の給水ポンプ18を設けているが、1台でもよく、あるいは、2台以上であってもよい。
給水ポンプ18には給水ホース19を接続し、給水ホース19の終端は枠フレーム体2内に設けた内部供水管20の始端部に接続し、内部供水管20の終端部はミキサー3に接続する。内部供水管20の中間部にアクチュエータ(図示省略)で開閉する開閉バルブ21を設け、所定量の水をミキサー3に供給すると開閉バルブ21を閉鎖するので、ミキサー3へ供給する供給水の供給量の供給精度を向上させられる。
【0010】
すなわち、ミキサー3の水量が設定値になったときに、給水ポンプ18を停止しても、給水ポンプ18の吐出停止が直ちに行われず、給水停止と吐出停止との間のタイムラグがあるので、このタイムラグの分だけミキサー3内に水が流入してしまい、給水量の精度が低下するが、ミキサー3への流入量が所定水量になったときに、給水ポンプ18を停止させて同時に開閉バルブ21を閉鎖することにより、ミキサー3へ供給する供給水の供給量の供給精度を向上させられる。22は給水ポンプ18の給水用モータである。
前記ミキサー3は、混練用樋24を枠フレーム体2内に上下動自在に吊設し、混練用樋24には重量計測器(ロードセル)25を取付ける。重量計測器25は混練用樋24の重量を正確に計測しうるように、混練用樋24の重量バランスを考慮して3カ所に設置し、3カ所の重量計測器25により混練用樋24の重量を計測する。
【0011】
混練用樋24には撹拌翼26を吊設し、撹拌翼26は撹拌モーター27により回転させる。混練用樋24の所定箇所には混練したセメントミルクを排出する排出口28を設ける。29は開閉バルブである。
混練用樋24の排出口28の下方にはアジテータ4の貯留樋30を臨ませる。貯留樋30には回転翼31を設け、回転翼31の駆動モーター32を貯留樋30の上方に設ける。
35はアジテータ4の貯留樋30のセメントミルク量を検出する検出計である。
アジテータ4にはセメントミルクを搬送する搬送ホース40を接続し、搬送ホース40の中間部所定位置にはセメントミルクを搬送する搬送ポンプ(グラウトポンプ)41を設ける。
【0012】
45は制御部(操作盤)であり、前記ポンプ等を接続し、これらの作動を制御する。制御部(操作盤)45の構成は任意であり、以下、概略を説明すると、図5は操作盤(制御部)45の正面図、図6は操作盤(制御部)45の一部拡大図であり、図5において、46は表示操作部(タッチパネル)であり、通常時プラントの動作状態を表示し、画面を切り替えることで、各設定の入力を行う。
47は運転切替スイッチであり、ミキサー3の自動洗浄と、自動運転と手動運転とを運転方法の切り替えを行うものであり、自動運転を選択すると、水・ベントナイト・セメントを自動的に計量し、設定した練り時間でミキサー3にて混練後、アジテータ4に排出し、また、自動洗浄を選択すると、セメントミルク製造作業終了後、ミキサー3内の水洗いを自動的に連続的に行う。また、手動運転を選択すると、手動操作にて各モータの運転・停止、バルブの開閉などを行なう。
【0013】
図6において、48は自動運転開始ボタンであり、運転切替スイッチ47で選択した運転を開始する。49は自動運転終了ボタンであり、自動運転終了ボタン49を操作すると、自動運転作業が終了後に運転停止させる。50は自動運転ランプであり、自動運転中に点灯し、停止時消灯する。
51はアジテータ4の入切スイッチであり、手動運転選択時のアジテータ4の回転の運転・停止を行なう。52はミキサー3の入切スイッチであり、手動運転選択時に、ミキサ-3の回転の運転・停止を行なう。53は給水ポンプ18の入切スイッチであり、手動運転選択時に操作する。54はサイロ5のセメント揚送駆動モータ16の入切スイッチ、55は非常停止ボタンである。
【0014】
また、図5において、65は中扉であり、中扉65を開けると、後述する各ランプ類等を設けている。66は中扉65の窓である。56は制御電源ランプであり、バッチャープラント1に電源投入時点灯する。57は非常停止ランプであり、非常停止中に点灯する。58は運時間表示部であり、バッチャープラント1の累計稼働時間を表示し、メンテナンス時期の判定に供する。
59は記録用プリンタであり、所定作業ごとに、稼働時間・水量・セメント量等の作業データを印字する。60はUSBメモリやSDカード等の記録媒体(図示省略)にデータを入力するデータ入力部61の挿入口である。
【0015】
この場合、制御部(操作盤)45には、前記したバッチャープラント1の稼働時間・水量・セメント量等の作業データに加えて、作業開始前の表示操作部(タッチパネル)46によるバッチャープラント1の各部の設定入力した入力データ等を記憶する記憶部63を設け、記憶部63に記憶されているデータを記録用プリンタ59にて選択して印字可能となる。
そのため、セメントミルクの状態と作業データと入力データ等を対比検討することができ、セメントミルクの品質向上を容易に行うことができる。
図7は、表示操作部(タッチパネル)48の表示例を示し、図7Aでは設定入力画面を表示し、この画面にて水・セメントの投入量の設定を行う。67は自動補正投入スイッチである。
図7Bでは運転中の表示を示す。68は自動補正制御実行中であることを表示する自動補正制御表示である。
なお、図7の数字の記載は、理解を容易にするため、表示記載例を示したものであり、実際に入力した値を示すものではない。
【0016】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、杭打ちあるいは地盤改良の作業現場、あるいは、作業現場近傍にバッチャープラント1を運搬して設置する。また、バッチャープラント1の近傍にサイロ5と貯水タンク6とを設置し、サイロ5の搬送ホース11にバッチャープラント1のサイロ5内の内部セメント供給ホース15を接続し、貯水タンク6の給水ホース19に枠フレーム体2の内部供水管20を接続する。
バッチャープラント1のミキサー3に水とセメントを投入して混練すると、セメントミルクになり、所望量のセメントミルクを得るために、水とセメントを所定割合比で投入すればよいが、設定量の水の供給は案外難しく、給水ポンプ18は供給ホースに所謂脈動が起きるように、吐出する水量が一定でなく、例えば、10分間に10リットルの水を吐出させようとする場合、最初の1分が0.9リットルで、次の1分が1.2リットルで、実際に10分間水を吐出させた場合、9.5~10.5リットルと供給量にばらつきが生じることがある。
【0017】
そのため、単に、給水ポンプ18の諸元表に基づいて、制御部(操作盤)45の制御プログラムを作成しても、所望する設定割合の水とセメントとが混合されたセメントミルクがえられないことがある。
さらに、貯水タンク6の水位や開閉バルブ21の開閉誤差がある等の他の要因にもよって、設定量の水の供給を難しくしており、水とセメントの割合比率精度が悪化していた。
そこで、上記構成のバッチャープラント1において、以下のように、作動させ、設定割合に沿った正確な水とセメントの混合比のセメントミルクをえられるようにしている。
まず、制御部(操作盤)45の自動運転開始ボタン48を操作してバッチャープラント1の作動を開始する(S1)。
【0018】
制御部(操作盤)45は貯水タンク6の給水ポンプ18に通電して1バッチ(1工程)あたり設定した水(以下、水設定値Lとする)をミキサー3に供給し、水設定値Lになると給水ポンプ18への通電を遮断すると共に、開閉バルブ21を閉塞し、ミキサー3の重量を重量計測器25により計測し(S2)、実際にミキサー3に供給された水量(以下、水計量値Mとする)を検出する。
この場合、水設定値Lに対して実際にミキサー3に供給される水量(水計量値M)は一致しないから、水設定値Lと水計量値Mとは不一致となるが、この不一致の水量を、制御部(操作盤)45の自動補正投入スイッチ67がオンであるときは(S3)、水設定値Lと水計量値Mを対比し(S4)、水設定値Lが多い場合、予め所定水量に対するセメント量(以下、セメント設定値N)となるように水計量値Mに対するセメント量となる割合(W/C)を計算する(S5)。S5で「W/C」は水とセメントの割合である。
【0019】
次に、水計量値M÷W/C=自動補正セメント設定値Pを算出し(S6)、この自動補正セメント設定値Pを制御に反映させる(S7)。
自動補正セメント設定値Pが算出されると、予め設定していある所定量のセメントに対して供給するべきベントナイト(添加剤)量のベントナイト設定値Bとなる割合(B/C)を計算する(S8)。S8で「B/C」はベントナイトとセメントの割合である。
次に、自動補正セメント設定値P÷割合(B/C)=自動補正ベントナイト設定値Rを算出する(S9)。
そこで、自動補正ベントナイト設定値Rは、ミキサー3に実際に供給するべきセメント量に基づいて算出されたベントナイト量となるので、自動補正ベントナイト設定値Rを制御部(操作盤)45の制御に反映させる(S10)。
【0020】
すると、制御部(操作盤)45による制御はベントナイト設定値Bであるか否かの判定を行って(S11)、自動補正ベントナイト設定値Rに基づいて、ベントナイトをミキサー3に供給し、ベントナイトがミキサー3に供給されると、重量計測器25がミキサー3の重量を計測し、自動補正ベントナイト設定値Rとなるようにベントナイトが供給されると、ベントナイトの供給を停止させる(S12)。
ここで、ミキサー3には、正確な割合の水とベントナイトが供給されたことになり、ベントナイトの供給を停止させると、ミキサー3の撹拌モーター27に通電して撹拌翼26を回転させ、所定時間混練する(S13)。
所定時間混練されると、ミキサー3の撹拌翼26は自動停止させられる。
次に、自動補正セメント設定値Pに基づいたセメント量となるように、サイロ5の横搬送装置8および縦搬送装置9に通電してセメントをミキサー3に供給する(S14)。
【0021】
セメントがミキサー3に供給されると、重量計測器25がミキサー3の重量を計測し、自動補正セメント設定値Pの量のセメントが供給されると、サイロ5からのセメント供給を停止させる(S15)。
ここで、ミキサー3には、正確な割合の水とベントナイトに加えてセメントが供給されたことになり、再び、ミキサー3の撹拌モーター27に通電して撹拌翼26を回転させ、所定時間混練する(S16)。
ミキサー3で所定時間混練されると、撹拌モーター27への通電を遮断して撹拌翼26を停止させる。
同時に、ミキサー3の排出ルーチンに移行し(S17)、記録用プリンタ59で、1バッチ当たりの、稼働時間・水量・セメント量等の作業データを印字するバッチプリントルーチンを実行する(S18)。
【0022】
そして、ミキサー3の排出口28からセメントミルクが排出されてアジテータ4に供給され、アジテータ4内では回転翼31が駆動モーター32により回転し、セメントミルクが固化するのを防止し、アジテータ4から搬送ポンプ41を介して杭打ちあるいは地盤改良装置に供給される。
一方、ミキサー3では、残りの作業工程(残バッチ)が入力設定されているか否かを判定し(S19)、残りの作業工程(残バッチ)があるとき、および、連続運転の場合は、ステップ1に戻ってセメントミルク製造を行い、残りの作業工程(残バッチ)が無く、かつ、連続運転で無い場合は自動運転終了ボタン49を操作してバッチャープラントを停止させて製造作業を終了する(ミキサー3等の洗浄作業は別途行う)。
【符号の説明】
【0023】
1…バッチャープラント、2…枠フレーム体、3…ミキサー、4…アジテータ、5…サイロ、6…貯水タンク、8…横搬送装置、9…縦搬送装置、10…排出シュート、11…搬送ホース、15…内部セメント供給ホース、16…セメント揚送駆動モータ、18…給水ポンプ、19…給水ホース、20…内部供水管、21…開閉バルブ、22…給水用モータ、24…混練用樋、25…重量計測器、26…撹拌翼、27…撹拌モーター、28…排出口、29…開閉バルブ、30…貯留樋、31…回転翼、32…駆動モーター、40…搬送ホース、41…搬送ポンプ、45…制御部(操作盤)、46…表示操作部(タッチパネル)、47…運転切替スイッチ、48…自動運転開始ボタン、49…自動運転終了ボタン、50…自動運転ランプ、51…アジテータ入切スイッチ、52…ミキサー入切スイッチ、53…給水ポンプ入切スイッチ、54…セメント揚送駆動モータ入切スイッチ、55…非常停止ボタン、56…制御電源ランプ、57…非常停止ランプ、58…運時間表示部、59…記録用プリンタ、60…挿入口、61…データ入力部、63…記憶部、65…中扉、66…窓、67…自動補正投入スイッチ、68…自動補正制御表示、B…ベントナイト設定値、L…水設定値、M…水計量値、N…セメント設定値、P…自動補正セメント設定値、R…自動補正ベントナイト設定値。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7