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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】空気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/00 20060101AFI20221109BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20221109BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20221109BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20221109BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20221109BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20221109BHJP
【FI】
A61L9/00 C
A61L9/20
F24F7/003
F24F13/28
F24F8/22
F24F8/108 310
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020189548
(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公開番号】P2022078685
(43)【公開日】2022-05-25
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591209280
【氏名又は名称】株式会社フジコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】柴田 将貴
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/137465(WO,A1)
【文献】特開2001-104458(JP,A)
【文献】特開2005-009782(JP,A)
【文献】特開平10-071191(JP,A)
【文献】特開2006-026239(JP,A)
【文献】特開2018-143660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00- 9/22
F24F 8/00- 8/99
F24F 7/003
F24F 13/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口及び吹出口を有するケースと、
前記ケース内に設けられ、前記吸気口から空気を導入し、前記吹出口から空気を吹き出すためのファンと、
前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられた第一のフィルタと、
前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられ、第一のフィルタよりも上流側に所定の間隙を介して設けられた第二のフィルタと、
前記間隙に設けられ、対向する前記第一のフィルタと前記第二のフィルタの面に対し紫外光を照射する第一の光源と、
前記第二のフィルタの、前記第一の光源が紫外光を照射するのとは反対側の面に対し、第一の光源から照射される紫外光よりも波長の短い紫外光を照射する第二の光源と、を有し、
前記第一のフィルタ及び前記第二のフィルタの両方に、前記第一の光源が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されており、
前記第二のフィルタには、前記第一の光源と前記第二の光源とからなる発光波長の異なる2種類の光源から紫外光が照射されており、前記第二のフィルタは、細菌及びウィルスを捕集し、捕集した細菌及びウィルスを第二の光源から照射された紫外光により不活化させる役割と、前記第一の光源から照射された紫外光により有機物を分解して脱臭する役割と、を兼ねている、
空気浄化装置。
【請求項2】
吸気口及び吹出口を有するケースと、
前記ケース内に設けられ、前記吸気口から空気を導入し、前記吹出口から空気を吹き出すためのファンと、
前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられた光触媒フィルタと、
前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられ、光触媒フィルタよりも上流側に所定の間隙を介して設けられた捕集フィルタと、
前記間隙に設けられ、対向する前記光触媒フィルタと前記捕集フィルタの面に対し紫外光を照射する第一の光源と、
前記捕集フィルタの、前記第一の光源が紫外光を照射するのとは反対側の面に対し、第一の光源から照射される紫外光よりも波長の短い紫外光を照射する第二の光源と、を有し、
前記光触媒フィルタ及び前記捕集フィルタの少なくとも一方に、前記第一の光源が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されており、
前記光触媒フィルタ及び前記捕集フィルタよりも前記吸気口側に設けられたプレフィルタをさらに備え、
前記第二の光源は、前記プレフィルタの前記吸気口側の面に一体に取り付けられている、
空気浄化装置。
【請求項3】
前記第一のフィルタを通過する空気の抵抗値が、前記第二のフィルタを通過する空気の抵抗値よりも低い、
請求項に記載の空気浄化装置。
【請求項4】
前記第一のフィルタが、開孔を有する無機材料または金属材料からなる板状部材である、
請求項1または3の何れか1項に記載の空気浄化装置。
【請求項5】
前記第二のフィルタが、無機材料または金属材料からなる繊維で構成された不織布である、
請求項1、3、または4の何れか1項に記載の空気浄化装置。
【請求項6】
前記第一の光源及び前記第二の光源の駆動制御を行う光源駆動制御部を備え、
前記光源駆動制御部は、前記第一の光源と前記第二の光源の少なくとも一方を、所定時間間隔で点灯と消灯を繰り返すように制御する、
請求項1、3乃至5の何れか1項に記載の空気浄化装置。
【請求項7】
前記第二のフィルタよりも前記吸気口側に設けられ、前記吸気口から導入された空気の状態を検出するセンサと、
前記センサで検出した空気の状態に応じて、前記第一の光源及び前記第二の光源の少なくとも一方の駆動制御を行う光源駆動制御部と、を備えた、
請求項1、3乃至6の何れか1項に記載の空気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の空気浄化装置として、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1では、送風機の下流側に、空気の流路に沿って配置された紫外光を発光する発光ダイオード及び光触媒フィルタを設け、紫外光により光触媒を活性化させることにより悪臭成分を分解して脱臭を行い、かつ、紫外光により細菌やウィルスの不活化を行う点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-51268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような空気浄化装置では、脱臭、及び細菌やウィルスの不活化を効率良く行うことが求められる。その上で、フィルタの交換頻度を下げてメンテナンス性を向上し、使用者の利便性を向上することが求められる。
【0005】
そこで、本発明は、脱臭、及び細菌やウィルスの不活化を効率良く行うことが可能な空気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、吸気口及び吹出口を有するケースと、前記ケース内に設けられ、前記吸気口から空気を導入し、前記吹出口から空気を吹き出すためのファンと、前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられた第一のフィルタと、前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられ、第一のフィルタよりも上流側に所定の間隙を介して設けられた第二のフィルタと、前記間隙に設けられ、対向する前記第一のフィルタと前記第二のフィルタの面に対し紫外光を照射する第一の光源と、前記第二のフィルタの、前記第一の光源が紫外光を照射するのとは反対側の面に対し、第一の光源から照射される紫外光よりも波長の短い紫外光を照射する第二の光源と、を有し、前記第一のフィルタ及び前記第二のフィルタの両方に、前記第一の光源が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されており、前記第二のフィルタには、前記第一の光源と前記第二の光源とからなる発光波長の異なる2種類の光源から紫外光が照射されており、前記第二のフィルタは、細菌及びウィルスを捕集し、捕集した細菌及びウィルスを第二の光源から照射された紫外光により不活化させる役割と、前記第一の光源から照射された紫外光により有機物を分解して脱臭する役割と、を兼ねている、空気浄化装置を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、吸気口及び吹出口を有するケースと、前記ケース内に設けられ、前記吸気口から空気を導入し、前記吹出口から空気を吹き出すためのファンと、前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられた光触媒フィルタと、前記吸気口と前記吹出口間の空気の流路に設けられ、光触媒フィルタよりも上流側に所定の間隙を介して設けられた捕集フィルタと、前記間隙に設けられ、対向する前記光触媒フィルタと前記捕集フィルタの面に対し紫外光を照射する第一の光源と、前記捕集フィルタの、前記第一の光源が紫外光を照射するのとは反対側の面に対し、第一の光源から照射される紫外光よりも波長の短い紫外光を照射する第二の光源と、を有し、前記光触媒フィルタ及び前記捕集フィルタの少なくとも一方に、前記第一の光源が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されており、前記光触媒フィルタ及び前記捕集フィルタよりも前記吸気口側に設けられたプレフィルタをさらに備え、前記第二の光源は、前記プレフィルタの前記吸気口側の面に一体に取り付けられている、空気浄化装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、脱臭、及び細菌やウィルスの不活化を効率良く行うことが可能な空気浄化装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施の形態に係る空気浄化装置の分解斜視図である。
図2】(a)は、空気浄化装置において前面パネルを取り外した際の斜視図であり、(b)は空気浄化装置における空気の流れを模式的に示した断面図である。
図3】フィルタユニットの分解斜視図である。
図4】(a)~(c)は、各光源の駆動の態様を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態に係る空気浄化装置の分解斜視図である。図2(a)は、空気浄化装置において前面パネルを取り外した際の斜視図であり、図2(b)は空気浄化装置における空気の流れを模式的に示した断面図である。空気浄化装置1は、住宅における居室や医療施設等の室内に設置され、当該室内の空気を浄化するために用いられる室内用の空気浄化装置である。
【0011】
図1,2に示すように、空気浄化装置1は、ケース2と、ファン3と、悪臭成分分解部4と、不活化部5と、プレフィルタ6と、を主に備えている。以下、各部の詳細について説明する。
【0012】
(ケース2)
ケース2は、ファン3及び悪臭成分分解部4を収容するケース本体21と、ケース本体21の前面を塞ぐように設けられる中間パネル22と、中間パネル22の前面を覆うようにケース本体21に取付けられ、下部に吸気口7が形成された前面パネル23と、ケース本体21の背面を塞ぐように設けられる背面パネル24と、ケース本体21の上部を覆うように設けられ、スリット状の複数の吹出口8が形成された蓋部25と、を有している。
【0013】
ケース本体21は、空気浄化装置1を設置する床面に載置される底壁211と、底壁211の両側端部から鉛直方向上方に延びる一対の側壁212と、底壁211及び一対の側壁212で囲まれた空間を前後に区画する隔壁213と、ファン3から吹き出された空気を上方の吹出口8へと導く吹出空気誘導板214と、を備えている。隔壁213には、空気を通すための正面視で円形状の貫通孔213aが形成されており、この貫通孔213aの前方に後述するフィルタユニット11を収容する収容部213bが形成されている。収容部213bに悪臭成分分解部4を収容することで、貫通孔213aの前方の開口が悪臭成分分解部4により塞がれた状態となる。また、貫通孔213aの後方には、貫通孔213aを塞ぐようにファン3がボルト等により固定される。
【0014】
本実施の形態では、ファン3としてシロッコファン(ブロワーファン)を用いている。ファン3は前方(貫通孔213a側)から空気を吸入し、吸入した空気を上方に吹き出すように構成されている。吹出空気誘導板214は、ファン3が吹き出した空気を、前方かつ上方の斜め方向に導くように、傾斜して配置されている。
【0015】
中間パネル22は、底壁211及び一対の側壁212で囲まれた空間の前方を塞ぐように配置され、ボルト等によりケース本体21に固定されている。中間パネル22には、前方より吸気された空気を後方に通すと共に、プレフィルタ6を保持する保持孔22aが形成されている。
【0016】
前面パネル23は、中間パネル22のさらに前方に設けられており、ケース本体21に対して着脱自在に設けられている。前面パネル23の下部には、下方に開口する切欠き23aが形成されており、ケース本体21に前面パネル23を取付けた際に、前面パネル23とケース本体21との間に切欠き23aによる隙間が形成されるように構成されており、この隙間が吸気口7となる。前面パネル23をケース本体21に取付けた際には、前面パネル23の背面と中間パネル22の前面との間に空気が通るための空間が形成されるようになっている。
【0017】
背面パネル24は、ケース本体21の背面側、すなわちファン3の背面側を覆うようにケース本体21に取付けられている。また、蓋部25は、ケース本体21の上部を覆うようにケース本体21に取付けられている。蓋部25には、ファン3からの空気を吹き出すためのスリット状の複数の吹出口8が形成されている。吹出口8は、空気の吹出し方向を制御可能に構成されていてもよい。蓋部25には、空気浄化装置1の電源のオンオフ、風量の調整、吹出し方向の調整等を行うための操作パネル251が設けられている。また、空気浄化装置1の運転状況等を発光ダイオードの点灯状態等で表示する表示部252が設けられている。さらに、図2(b)に示されるように、蓋部25には、制御用の基板26が搭載されており、この基板26には、後述する第一の光源(以下、「悪臭成分分解用光源」)42及び第二の光源(以下、「不活化用光源」)52を駆動制御する光源駆動部9が搭載されている。
【0018】
(悪臭成分分解部4)
悪臭成分分解部4は、吸気口7と吹出口8間の空気の流路に設けられており、吸気口7から導入された空気中の悪臭成分を分解して、脱臭等を行うためのものである。悪臭成分分解部4は、エキスパンドメタルの少なくとも一方の面に光触媒を担持させ、担持させた面を悪臭成分分解用光源42側となるよう設置されてなる第一のフィルタ(以下、「光触媒フィルタ」)41と、光触媒フィルタ41に紫外光を照射し光触媒を活性化させる紫外線ランプからなる悪臭成分分解用光源42と、を有している。
【0019】
悪臭成分分解用光源42として用いる紫外線ランプは、発光ダイオードと比較して低コストであり、紫外光を全方向に(発光ダイオードと比較して広い範囲に)照射可能であるという特徴がある。そこで、本実施の形態では、悪臭成分分解用光源42を、光触媒フィルタ41と後述する第二のフィルタ(以下、「捕集フィルタ」)51間の間隙に配置し、光触媒フィルタ41と捕集フィルタ51の両方に紫外光を照射するように構成した。すなわち、悪臭成分分解用光源42は、光触媒フィルタ41と捕集フィルタ51の間に設けられ、対向する光触媒フィルタ41と捕集フィルタ51の面に対し紫外光を照射する。このように構成することで、コストを削減すると共に、脱臭等の効果をより向上させることが可能になる。悪臭成分分解用光源42として用いる紫外線ランプが照射する紫外光は、ピーク波長が350nm以上380nm以下、より好ましくは355nm以上375nm以下の紫外光を含む。
【0020】
光触媒フィルタ41は、吸気口7と吹出口8間の空気の流路に設けられている。光触媒フィルタ41は、開孔を有する無機材料または金属材料からなる板状部材(無機板状物)である。また、光触媒フィルタ41としては、開孔を有する無機板状物に光触媒を担持させてなるものを用いるとよい。より具体的には、光触媒フィルタ41としては、アルミニウムやステンレス等からなるエキスパンドメタル、パンチングメタル、またはメタルメッシュの、少なくとも一面(悪臭成分分解用光源42が発する紫外光が照射される面)に光触媒を担持させたものを用いた。エキスパンドメタル、パンチングメタルやメタルメッシュでは、例えば金属繊維を用いた不織布に光触媒を担持させたフィルタ(後述する捕集フィルタ51)と比較して、光触媒の表面積を大きくすることができる。そのため、エキスパンドメタル、パンチングメタル、またはメタルメッシュに光触媒を担持させた光触媒フィルタ41を用いることで、紫外光を照射した際の光触媒の活性効果をより向上させて、脱臭等の効果をより向上させることが可能になる。なお、光触媒フィルタ41はアースされていることが好ましい。本実施の形態では、アルミニウムからなるエキスパンドメタルに酸化チタン系の光触媒を担持させた光触媒フィルタ41を用いた。なお、光触媒としては、酸化チタン系以外のものを用いてもよく、例えば、アパタイト等を用いることもできる。なお、本実施の形態では第一のフィルタ(光触媒フィルタ41)に触媒を担持させたが、これに限らず、第一のフィルタには、第一の光源(悪臭成分分解用光源42)が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されていればよい。
【0021】
また、図3に示すように、本実施の形態では、中空筒状(短角筒状)の枠体43を用い、枠体43の中空部43aに悪臭成分分解用光源42を収容すると共に、枠体43の両方の開口を塞ぐように光触媒フィルタ41と捕集フィルタ51とをそれぞれ枠体43に一体に取付けてユニット化している。以下、このユニットをフィルタユニット11と呼称する。光触媒フィルタ41は、枠状のフィルタホルダ44に装着されており、フィルタホルダ44を枠体43に固定することで枠体43の背面側の開口を塞ぐように枠体43に一体化されている。捕集フィルタ51は、枠状のフィルタホルダ53に装着されており、フィルタホルダ53を枠体43に固定することで枠体43の前面側の開口を塞ぐように枠体43に一体化されている。悪臭成分分解用光源42、光触媒フィルタ41、及び捕集フィルタ51をユニット化することで、ケース2への組み込み作業が容易となり、製造コストの低減が可能になる。また、紫外線ランプからなる悪臭成分分解用光源42からの紫外光の漏れを抑制することも可能となる点から、枠体43は紫外線を透過させない素材を用いるとよい。
【0022】
本実施の形態では、悪臭成分分解用光源42として用いる紫外線ランプを、渦巻状に構成している。紫外線ランプは、その軸方向(紫外線ランプの長手方向に対して垂直な方向)が光触媒フィルタ41の対向方向と一致するように、枠体43内に配置されている。これにより、紫外線ランプの長さを十分に確保して光触媒フィルタ41に照射される紫外光の光量を十分に確保しつつも、枠体43の軸方向長さ(前後の厚さ)を短くし、フィルタユニット11を小型化することが可能になり、空気浄化装置1全体の小型化に寄与する。
【0023】
(不活化部5)
不活化部5は、吸気口7と吹出口8間の空気の流路に設けられており、吸気口7から導入された空気に含まれる細菌やウィルスを不活化するためのものである。不活化部5は、無機材料からなる繊維で構成された不織布に光触媒を担持させてなる捕集フィルタ51と、捕集フィルタ51に紫外光を照射し、細菌及びウィルスを不活化させるための発光ダイオード52aからなる不活化用光源52と、を有している。
【0024】
捕集フィルタ51は、吸気口7と吹出口8間の空気の流路に設けられ、光触媒フィルタ41よりも上流側に所定の間隙を介して設けられている。捕集フィルタ51は、細菌やウィルスを含む塵、埃等のエアロゾルを捕集するものであり、捕集フィルタ51で捕集した塵、埃等に不活化用光源52からの紫外光を照射することで、塵、埃等に含まれる細菌やウィルスが不活化される。そのため、捕集フィルタ51としては、貫通孔ではなく、不規則な開孔となる不織布を用いることで捕集効率を向上することができる。そこで、本実施の形態では、捕集フィルタ51として、無機材料または金属材料からなる繊維で構成された不織布を用いた。不織布の素材としては、不活化用光源52に用いられる深紫外線により急速に劣化することのない素材である必要があり、アルミニウムやステンレスなどからなる金属繊維やフッ素繊維がある。
【0025】
本実施の形態では、捕集フィルタ51として、加工が容易で製造し易い金属繊維を用いた不織布に光触媒加工を施したものを用いた。ただし、これに限らず、例えば、フッ素樹脂やシリコン樹脂等の樹脂繊維を用いて構成した不織布に光触媒加工を施した捕集フィルタ51を用いることも可能である。樹脂繊維を用いた不織布を用いることで、軽量化が可能になると共に、耐薬品性を高めることも可能になる。例えば、塩素消毒等を行う環境下で空気浄化装置1を使用するような場合、耐薬品性の高い樹脂繊維を用いた捕集フィルタ51を用いることが望ましい。
【0026】
捕集フィルタ51の表面に光触媒を担持させ、担持させた面を不活化光源52とは反対側、つまり悪臭成分分解用光源42側が担持面となるよう構成することにより、捕集フィルタ51の光触媒担持面を悪臭成分分解部4として機能させることができ、脱臭等の効果も向上できる。ここでは、アルミニウムからなる金属繊維で構成された不織布に酸化チタン系の光触媒を担持させてなる捕集フィルタ51を用いた。なお、本実施の形態では第二のフィルタ(捕集フィルタ51)に光触媒を担持させたが、これに限らず、第二のフィルタには、第一の光源(悪臭成分分解用光源42)が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されていればよい。また、本実施の形態では、第一のフィルタ(光触媒フィルタ41)と第二のフィルタ(捕集フィルタ51)の両方に、第一の光源(悪臭成分分解用光源42)が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材(本実施の形態では光触媒)を保持させたが、第一のフィルタ(光触媒フィルタ41)及び第二のフィルタ(捕集フィルタ51)の少なくとも一方に、第一の光源(悪臭成分分解用光源42)が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されていればよい。
【0027】
光触媒フィルタ41を通過する空気の抵抗値は、捕集フィルタ51を通過する空気の抵抗値よりも低くなるよう構成する。捕集フィルタ51に使用される不織布には明確な貫通孔がないため、開孔径、開孔率、での定義が難しいが、JIS P8113で定められるガーレー法を応用し、差が小さい場合は透過する空気量を変更することで比較可能である。透気度の計測装置を並べ、光触媒フィルタ41と捕集フィルタ51を各々試験片として同時に測定することでも、差を比較することが可能である。
【0028】
このように、本実施の形態では、光触媒フィルタ41ではエキスパンドタイプのフィルタを用いて光触媒の表面積を大きくし、かつ、捕集フィルタ51では不織布タイプのフィルタを用いて捕集効率を向上させており、悪臭成分分解部4と不活化部5とで使用するフィルタのタイプを異ならせている。これにより、悪臭成分分解部4における脱臭等の効果と、不活化部5における細菌やウィルスの不活化の効果を、共に向上させることが可能になる。
【0029】
また、本実施の形態では、悪臭成分分解用光源42として紫外線ランプを用い、不活化用光源52として発光ダイオード52aを用いており、悪臭成分分解部4と不活化部5とで使用する光源のタイプも異ならせている。悪臭成分分解用光源42として紫外線ランプを用いることで、低コスト化及び脱臭等の効率を向上でき、不活化用光源52として発光ダイオードを用いることで、細菌等の不活化効率を向上し、消費電力を低減することが可能になる。また、詳細は後述するが、前面パネル23を取り外した際には不活化用光源52が露出するので、この不活化用光源52を発光ダイオードで構成することで、前面パネル23側に紫外光が漏れてしまうことを抑制できる。また、前面パネル23の取り外し時に外部に露出する不活化用光源52を発光ダイオードで構成することで、紫外線ランプを用いる場合と比較して、何らかの理由で光源が破損した際の安全性を高めることも可能になる。
【0030】
不活化用光源52は、捕集フィルタ51の、悪臭成分分解用光源42が紫外光を照射するのとは反対側の面に対し、悪臭成分分解用光源42から照射される紫外光よりも波長の短い紫外光を照射する。不活化用光源52は、複数の発光ダイオード52aを基板52b状に一列に配置したアレイ状の光源ユニット52cを複数有している。ここでは、4つの発光ダイオード52aを左右方向(側壁212の対向方向)に沿って一列に配置した2つの光源ユニット52cを用い、これら2つの光源ユニット52cを上下に離間して配置するように不活化用光源52を構成した。
【0031】
不活化用光源52に用いる発光ダイオード52aとしては、細菌等の不活化効果が高い深紫外光を発する発光ダイオードを用いることが望ましい。より具体的には、不活化用光源52に用いる発光ダイオード52aとしては、ピーク波長が250nm以上300nm以下、より好ましくは275nm以上285nm以下の深紫外光を発する光源を用いるとよい。本実施の形態では、ピーク波長が275nm以上285nm以下の深紫外光を発する発光ダイオード52aを不活化用光源52として用いた。
【0032】
不活化部5は、悪臭成分分解部4よりも吸気口7側(空気の流れにおける上流側)に設けられている。これにより、細菌等が光触媒フィルタ41に付着して繁殖してしまうことが抑制される。
【0033】
不活化用光源52は、捕集フィルタ51よりも吸気口7側(空気の流れにおける上流側)に設けられている。これにより、不活化用光源52として用いる発光ダイオード52aの冷却効率を向上して発熱による自己劣化を抑制できる。また、不活化用光源52が後方に紫外光を照射するように配置されることになるため、前面パネル23側に不活化用光源52からの紫外光が漏れてしまうことを抑制することが可能になる。
【0034】
本実施の形態では、不活化用光源52は、プレフィルタ6に一体に取付けられている。プレフィルタ6は、捕集フィルタ51(フィルタユニット11)よりも吸気口7側に設けられており、吸気口7から導入される空気から塵や埃を除去する物理フィルタである。プレフィルタ6は、例えば、網状あるいはスポンジ状の樹脂から構成される。プレフィルタ6を備えることにより、後段の捕集フィルタ51や光触媒フィルタ41が目詰まりしてしまうことを抑制し、両フィルタ41,51の交換頻度を下げてメンテナンス性を向上できる。
【0035】
不活化用光源52は、プレフィルタ6の前面(前面パネル23側の面、フィルタユニット11とは反対側の面)に、後方に紫外光を照射するように取付けられている。つまり、プレフィルタ6は不活化用光源52と捕集フィルタ51との間に配置されており、またプレフィルタ6と不活化用光源52とがユニット化されている。プレフィルタ6は、中間パネル22の保持孔22aに保持されている。プレフィルタ6は、保持孔22a内に嵌入され固定されており、不活化用光源52は、プレフィルタ6を介して中間パネル22に保持されている。
【0036】
本実施の形態では、前面パネル23を取り外した際に、プレフィルタ6の前面が前方に露出するように構成されている。これにより、前面パネル23を取り外した状態で掃除機等によりプレフィルタ6の掃除を行うことが可能になる。その結果、プレフィルタ6を取り外して掃除を行う頻度を低減でき、利用者の利便性を向上できる。
【0037】
また、本実施の形態では、前面パネル23を取り外した際には、不活化用光源52の背面が露出することになる。そのため、前面パネル23は、不活化用光源52からの紫外光(反射光)が外部に漏れないように抑制する役割も果たしている。前面パネル23を取り外した状態では不活化用光源52からの紫外光が漏れてしまうおそれがあるため、前面パネル23を取り外した際には、不活化用光源52を駆動しないように構成することが望ましい。例えば、前面パネル23の取り外しを検知する手段を設け、当該手段が、前面パネル23の取り外しを検知したとき、不活化用光源52の駆動を停止するように光源駆動部9を構成することができる。前面パネル23の取り外しを検知する手段としては、例えば、前面パネル23を取付けた際のみにオンとなるスイッチや接触センサ等を用いることができる。なお、不活化用光源52への電流経路の一部を前面パネル23を経由するように構成すること、あるいは前面パネル23の取り外し時にオフとなるスイッチを電流経路に設けることで、前面パネル23を取り外した際に不活化用光源52への電流供給が強制的に遮断されるように構成することも可能である。さらには、不活化用光源52の駆動中には前面パネル23を取り外しできないようにロックするロック機構を設けてもよい。
【0038】
(光源駆動部9)
光源駆動部9は、悪臭成分分解用光源42及び不活化用光源52の駆動制御を行うものであり、例えば、蓋部25に設けられた基板26に搭載され、CPU、メモリ、ソフトウェア、インターフェイス等を適宜組み合わせて実現されている。なお、光源駆動部9は、蓋部25に設けられた基板26以外の基板に設けられていてもよく、光源駆動部9を搭載する位置については特に限定されない。
【0039】
光源駆動部9は、悪臭成分分解用光源42と不活化用光源52の少なくとも一方を、所定時間間隔で点灯と消灯を繰り返すように(すなわち点滅駆動するように)制御してもよい。これにより、光源42,52の点灯時間を短くして寿命を長くできると共に、消費電力も低減できる。光源駆動部9は、例えば、操作パネル251の操作によって、光源42,52を点滅駆動するか、あるいは点灯したままの駆動とするかを切替え可能に構成されてもよい。
【0040】
また、光源駆動部9は、吸気口7から導入される空気の状態に応じて、光源42,52の駆動制御を行うように構成されてもよい。この場合、悪臭成分分解部4及び不活化部5よりも吸気口7側に、吸気口7から導入された空気の状態を検出するセンサを設けるとよい。
【0041】
例えば、図4(a)に示すように、センサ10として空気中に含まれる微粒子の量を検出する微粒子センサ10aを用い、微粒子センサ10aの検出結果に応じて、不活化用光源52を制御するように光源駆動部9を構成してもよい。例えば、空気中に含まれる微粒子の量に応じて、不活化用光源52の光強度を制御するように構成してもよいし、不活化用光源52が点滅駆動されている場合には、その点滅間隔あるいは点灯時間と消灯時間の割合を変化させるように構成してもよい。
【0042】
また、図4(b)に示すように、センサ10として臭いセンサ10bを用い、臭いセンサ10bの検出結果に応じて、悪臭成分分解用光源42を制御するように光源駆動部9を構成してもよい。例えば、臭いセンサ10bの検出結果に応じて、悪臭成分分解用光源42の光強度を制御するように構成してもよいし、悪臭成分分解用光源42が点滅駆動されている場合には、その点滅間隔あるいは点灯時間と消灯時間の割合を変化させるように構成してもよい。
【0043】
さらに、図4(c)に示すように、ファン3の駆動量(送風量)に応じて、光源42,52を制御するように光源駆動部9を構成してもよい。ファン3の駆動量は、ファン3の駆動制御を行う制御部(不図示)からの信号を受信するように構成してもよいし、空気の流量を検出する流量センサ等を用いて検出してもよい。
【0044】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る空気浄化装置1では、吸気口7と吹出口8間の空気の流路に設けられた第一のフィルタ(光触媒フィルタ)41と、吸気口7と吹出口8間の空気の流路に設けられ、第一のフィルタ(光触媒フィルタ)41よりも上流側に所定の間隙を介して設けられた第二のフィルタ(捕集フィルタ)51と、間隙に設けられ、対向する第一のフィルタ(光触媒フィルタ)41と第二のフィルタ(捕集フィルタ)51の面に対し紫外光を照射する第一の光源(悪臭成分分解用光源)42と、第二のフィルタ(捕集フィルタ)51の、第一の光源(悪臭成分分解用光源)42が紫外光を照射するのとは反対側の面に対し、第一の光源(悪臭成分分解用光源)42から照射される紫外光よりも波長の短い紫外光を照射する第二の光源(不活化用光源)52と、を有し、第一のフィルタ(光触媒フィルタ)41及び第二のフィルタ(捕集フィルタ)51の少なくとも一方に、第一の光源(悪臭成分分解用光源)42が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材(本実施の形態では光触媒)が保持されている。
【0045】
このように構成することで、第一の光源(悪臭成分分解用光源)42から照射された紫外光により励起された第一のフィルタ(光触媒フィルタ)41の光触媒または第二のフィルタ(捕集フィルタ)51に担持された光触媒との協働作用により悪臭成分を分解することによる脱臭等の効果と、第二のフィルタ(捕集フィルタ)51に補足された細菌やウィルスを第二の光源(不活化用光源)52により不活化することによる細菌やウィルスの不活化効果の両方を十分に得ることが可能になる。第一のフィルタ41と第二のフィルタ51の間の空間(間隙)に第一の光源42を設けたことから、第二のフィルタ51で捕捉しきれなかった細菌やウィルスを、両フィルタ間の間隙を通過する間に、この間隙に設けられた第一の光源42が発する紫外光の波長を、必要に応じてランプの波長を調整したりあるいは異なる波長のLEDを組み合わせたりして調整することにより、補充的に不活化することも可能となる。
【0046】
さらには、第一のフィルタ(光触媒フィルタ)41および第二のフィルタ(捕集フィルタ)51の双方に光触媒を担持させることで、両フィルタ間の間隙に設けた紫外線ランプや紫外線LEDなどの第一の光源42により、必要に応じて、両フィルタに担持された光触媒を同時に励起させることができ、第一の光源42の配置の工夫による省スペース化を図りながら、有機物の分解効果を効果的に得ることができることから、悪臭成分の分解効率の最大化を図ることができる。また、光触媒フィルタ41及び捕集フィルタ51を金属材料あるいは無機材料で構成しているため、これらフィルタ41,51の劣化を抑制でき、フィルタ41,51の交換をほぼ不要としてメンテナンス性を向上することも可能になる。その結果、フィルタ41,51の交換のためのメンテナンススペースや取り外し機構を排除することが可能になり、空気浄化装置1全体の構成の簡素化、及び低コスト化が可能になる。このように、本実施の形態によれば、脱臭、及び細菌やウィルスの不活化を効率良く行うことが可能であり、メンテナンス性の良好な空気浄化装置1を実現できる。
【0047】
(変形例)
本実施の形態では、不活化部5に用いる捕集フィルタ51として、無機材料からなる繊維で構成された不織布に光触媒を担持させたものを用いたが、捕集フィルタ51は、不活化用光源52から照射される深紫外光に対する耐性が高く、かつ、空気中の塵や埃等のエアロゾルを十分に捕集できるものであればよい。例えば、捕集フィルタ51として、無機材料からなる多孔質のシートに光触媒を担持させたフィルタ材を複数層積層して構成されたものを用いることも可能である。このような捕集フィルタ51として、例えば、光触媒加工を施した無機材料(金属、あるいはフッ素樹脂等の樹脂)からなるメッシュ状のシートをフィルタ材として複数層積層したものや、微細な孔が多数形成されたシート状のパンチングメタルに光触媒加工を施したものをフィルタ材とし複数層積層したもの等を用いることができる。
【0048】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0049】
[1]吸気口(7)及び吹出口(8)を有するケース(2)と、前記ケース(2)内に設けられ、前記吸気口(7)から空気を導入し、前記吹出口(8)から空気を吹き出すためのファン(3)と、前記吸気口(7)と前記吹出口(8)間の空気の流路に設けられた第一のフィルタ(41)と、前記吸気口(7)と前記吹出口(8)間の空気の流路に設けられ、第一のフィルタ(41)よりも上流側に所定の間隙を介して設けられた第二のフィルタ(51)と、前記間隙に設けられ、対向する前記第一のフィルタ(41)と前記第二のフィルタ(51)の面に対し紫外光を照射する第一の光源(42)と、前記第二のフィルタ(51)の、前記第一の光源(42)が紫外光を照射するのとは反対側の面に対し、第一の光源(42)から照射される紫外光よりも波長の短い紫外光を照射する第二の光源(52)と、を有し、前記第一のフィルタ(41)及び前記第二のフィルタ(51)の少なくとも一方に、前記第一の光源(42)が照射する紫外光に反応して有機物を分解する部材が保持されている、空気浄化装置(1)。2つのフィルタと2種類の紫外光光源を有し、フィルタに有機物を分解する部材が保持されていることにより、脱臭、及び細菌やウィルスの不活化を効率よく行うことができる。
【0050】
[2]前記第一の光源(42)は、ピーク波長が350nm以上380nm以下の紫外光を発する光源であり、前記第二の光源(52)は、ピーク波長が250nm以上300nm以下の深紫外光を発する光源である、[1]に記載の空気浄化装置(1)。これにより、第一の光源を利用することによる脱臭、第二の光源を利用することによる細菌やウィルスの不活化を、同時に行うことができる。
【0051】
[3]前記紫外光に反応して有機物を分解する部材が、紫外光により活性化する光触媒である、[1]または[2]に記載の空気浄化装置(1)。第一の光源に反応する光触媒を用いることで、脱臭を効率よく行うことができる。
【0052】
[4]前記第一のフィルタ(41)が、開孔を有する無機材料または金属材料からなる板状部材である、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の空気浄化装置(1)。開孔を有する板状部材とすることで目詰まりが起こり難くなり、メンテナンス性を良好にすることができる。
【0053】
[5]前記第二のフィルタ(52)が、無機材料または金属材料からなる繊維で構成された不織布である、[1]乃至[4]の何れか1項に記載の空気浄化装置(1)。不規則な開孔を有する不織布とすることにより、細菌やウィルスの補足性能を向上させることができる。
【0054】
[6]前記第一の光源(42)及び前記第二の光源(52)の駆動制御を行う光源駆動制御部(9)を備え、前記光源駆動制御部(9)は、前記第一の光源(42)と前記第二の光源(52)の少なくとも一方を、所定時間間隔で点灯と消灯を繰り返すように制御する、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の空気浄化装置(1)。光源の消灯時間を設けることにより、消費電力を抑制させることができる。
【0055】
[7]前記第二のフィルタ(52)よりも前記吸気口(7)側に設けられ、前記吸気口(7)から導入された空気の状態を検出するセンサ(10)と、前記センサ(10)で検出した空気の状態に応じて、前記第一の光源(42)及び前記第二の光源(52)の少なくとも一方の駆動制御を行う光源駆動制御部(9)と、を備えた、[1]乃至[6]の何れか1項に記載の空気浄化装置(1)。空気の状態を検出するセンサで、吸気口から導入された空気の状態を感知して光源の駆動を制御することにより、脱臭、細菌やウィルスの不活化、及び消費電力抑制を効率良く行うことができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0057】
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。例えば、さらに活性炭フィルタを備えることで、脱臭性能をより向上させてもよいし、イオナイザを設けることで、空気中の微粒子の捕集性能をより向上させてもよい。
【0058】
また、空気浄化装置1への電源供給については特に言及しなかったが、ACアダプタやシガーソケット、あるいはUSBケーブルを介した電源供給を可能としてもよいし、充電式としてもよいし、太陽光パネル等からの直接給電を可能としてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…空気浄化装置
2…ケース
3…ファン
4…悪臭成分分解部
41…光触媒フィルタ(第一のフィルタ)
42…悪臭成分分解用光源(第一の光源)
43…枠体
43a…中空部
5…不活化部
51…捕集フィルタ(第二のフィルタ)
52…不活化用光源(第二の光源)
52a…発光ダイオード
6…プレフィルタ
7…吸気口
8…吹出口
9…光源駆動部
10…センサ
11…フィルタユニット
図1
図2
図3
図4