(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】オーダシステム及び注文登録装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/12 321E
G07G1/12 321K
(21)【出願番号】P 2018112622
(22)【出願日】2018-06-13
【審査請求日】2021-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】扇浦 勝利
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-320161(JP,A)
【文献】特開2016-157350(JP,A)
【文献】特開2002-074524(JP,A)
【文献】特開2017-037399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
注文された商品を登録する注文登録装置と、
前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、
前記注文登録装置から送信される調理指示データを受信して、登録された商品の調理等指示内容を出力する出力装置と、
を備えるオーダシステムにおいて、
前記精算装置は、商品の登録を行う機能をさらに有し、
前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能に構成し、
前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、
前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力
し、
前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力させることを特徴とするオーダシステム。
【請求項2】
注文された商品を登録する注文登録装置と、
前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、
を備える商品販売データ処理装置において、
前記精算装置は、商品の登録を行う機能をさらに有し、
前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能に構成し、
前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、
前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記登録した商品の調理指示データを送信
し、
前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記調理指示データを送信することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項3】
注文された商品を登録する注文登録装置と、
前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、
前記注文登録装置から送信される調理指示データを受信して、登録された商品の調理等指示内容を出力する出力装置と、
を備えるオーダシステムとしてのコンピュータを、
前記精算装置が、商品の登録を行う機能をさらに有し、
前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能とし、
前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、
前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力
させ、
前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力させる
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
注文された商品を登録する注文登録装置と、
前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、
を備える商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、
前記精算装置は、商品の登録を行う機能をさらに有し、
前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能とし、
前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、
前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記登録した商品の調理指示データを送信
し、
前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記調理指示データを送信する
ように機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店などで用いて好適なオーダシステム及び注文登録装置及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カフェやファストフードなどの飲食店においては、前会計での運用が行われる場合が多い。この場合、顧客の注文する商品をPOS装置で登録して精算を行った後に、顧客に商品を渡す流れになる。
【0003】
しかし、繁盛店や繁忙時間帯においては、顧客がPOS装置の前に順番待ちで並ぶことが多く、より効率的な運用が求められていた。
【0004】
上記問題を解決するため、量販店(例えばスーパーマーケットなど)で用いられているセルフ精算装置を用いたシステム(例えば特許文献1参照)の導入も考えられる。このシステムは、従来POS装置で行っていた商品の登録と精算とを分離し、POS装置では商品の登録のみを行い、精算は顧客自らがセルフ精算装置によって行うシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記セルフ精算装置を用いたシステムを飲食店に導入した場合、飲食店では注文した商品の調理作業が伴うため、上記システムのように登録用のPOS装置と精算装置とを分離しただけでは、効果的な客さばき時間の短縮にはつながりにくかった。即ち、精算処理をセルフ化すれば、注文される商品の登録から精算までの時間は短縮されるが、顧客による精算後にキッチンモニタやキッチンプリンタに調理指示が行われて調理が開始されるため、顧客は調理完了まで店舗において待機しなければならず、この待機時間(調理時間)は短縮できず、これによって効果的な客さばき時間の短縮化が阻害されていた。
【0007】
また、上記システムのように、登録用のPOS装置と精算装置とを分離した場合、一般に精算装置は複数台設置するが、精算装置には現金を取り扱うための自動釣銭釣札機が内蔵されており、このため、自動釣銭釣札機自体の設置スペースの確保が必要になり、また機械自体に高額な投資が必要になるという問題もあった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、調理を伴うオーダシステム及び注文登録装置において、効率的な運用を図ることができ、また設置スペースが小さくてコスト削減を図ることもできるオーダシステム及び注文登録装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、注文された商品を登録する注文登録装置と、前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、前記注文登録装置から送信される調理指示データを受信して、登録された商品の調理等指示内容を出力する出力装置と、を備えるオーダシステムにおいて、前記精算装置は、商品の登録を行う機能をさらに有し、前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能に構成し、前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力し、前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力させることを特徴としている。
【0011】
また本発明は、注文された商品を登録する注文登録装置と、前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、を備える商品販売データ処理装置において、前記精算装置は、商品の登録を行う機能をさらに有し、前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能に構成し、前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記登録した商品の調理指示データを送信し、前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記調理指示データを送信することを特徴としている。
【0013】
また本発明は、注文された商品を登録する注文登録装置と、前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、前記注文登録装置から送信される調理指示データを受信して、登録された商品の調理等指示内容を出力する出力装置と、を備えるオーダシステムとしてのコンピュータを、前記精算装置が、商品の登録を行う機能をさらに有し、前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能とし、前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力させ、前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記出力装置に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力させるように機能させることを特徴とするプログラムにある。
【0015】
また本発明は、注文された商品を登録する注文登録装置と、前記注文登録装置と一体に設置され、当該注文登録装置で登録された商品の精算を行う精算装置と、を備える商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、前記精算装置は、商品の登録を行う機能をさらに有し、前記注文登録装置を店員が操作して商品の登録を行い且つ前記精算装置を顧客が操作して前記登録された商品の精算を行う対面セルフ方式と、前記精算装置を顧客が操作して商品の登録と精算を行うフルセルフ方式と、に切り替え可能とし、前記フルセルフ方式に切り替えられている場合は、前記商品の登録機能を有する精算装置は、登録した商品の精算完了後に、前記登録した商品の調理指示データを送信し、前記対面セルフ方式に切り替えられている場合は、前記注文登録装置は、前記商品の登録完了後、精算完了を待たずに、前記調理指示データを送信するように機能させることを特徴とするプログラムにある。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、調理を伴うオーダシステム及び注文登録装置において、効率的な運用を図ることができる。また設置スペースが小さくてコスト削減を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】商品販売データ処理装置100の外観構成を示す斜視図である。
【
図3】商品販売データ処理装置100の構成を示すブロック図である。
【
図4】キッチンモニタ60の構成を示す概略ブロック図である。
【
図5】対面セルフPOS装置20における動作フロー図である。
【
図6】セルフ精算装置40における動作フロー図である。
【
図7】キッチンモニタ60における動作フロー図である。
【
図8】タッチパネル67に表示した画面G1~G3を示す概略図である。
【
図9】タッチパネル67に表示される画面G4の具体的一例を示す図である。
【
図10】タッチパネル67に表示される画面G5の具体的一例を示す図である。
【
図11】タッチパネル67に表示される画面G6の具体的一例を示す図である。
【
図12】オーダシステム1-2~1-4の概略構成図である。
【
図13】オーダシステム1-5の概略構成図である。
【
図14】POS装置20-5の機能ブロック図である。
【
図15】POS装置20-5における動作フロー図である。
【
図16】会計方法選択画面G7の一例を示す図である。
【
図17】タッチパネル67に表示される画面G8の具体的一例を示す図である。
【
図18】タッチパネル67に表示される画面G9の具体的一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態にかかるオーダシステム1-1の概略構成図である。同図に示すように、オーダシステム1-1は、管理装置(上位装置、ストアコントローラとも称する)10と、注文登録装置及びセルフ精算機として使用する対面セルフPOS装置(商品販売データ処理装置)20と、複数台のセルフ精算装置(商品販売データ処理装置)40(40A,40B、40C)と、出力装置(以下「表示装置」という)60とを具備して構成されている。このオーダシステム1-1は、例えば飲食店に設置される。
【0020】
管理装置10と対面セルフPOS装置20とセルフ精算装置40A,40B、40Cと、表示装置60とは、互いに、LAN90を介して接続されている。LAN接続の形態は、有線であっても良いし、無線であっても良い。
【0021】
管理装置10は、オーダシステム1-1全体を制御(管理)する装置(例えばサーバ)である。例えば、管理装置10は、制御部の他、記憶部を備え、種々のファイル(例えば、商品ファイル、指示ファイル、印字フォーマットファイル、注文データファイル、会計ファイル等)を記憶(管理)する。商品ファイルは、例えば各商品の商品コード、商品名、価格等の各種商品情報からなっている。また例えば、管理装置10は、通信部を備え、記憶部内のファイル(又はファイル上のデータ)を必要に応じて他の装置に送信する。また例えば、管理装置10は、集計部を備え、店員からの指示に応じて又は予め定めた所定時刻に、記憶部に記憶している情報等に基づいて、集計情報(例えば、日計レポート等の売上実績情報)を生成する。管理装置10は、ネットワーク5に接続され、ネットワーク5に接続された外部の各種機器(例えば本部のサーバなど)と通信可能になっている。
【0022】
対面セルフPOS装置20とセルフ精算装置40は、何れも同一の装置(下記する商品販売データ処理装置100)であり、顧客が注文する商品を店員が登録処理する注文登録装置としての機能と、前記店員に対面した顧客が自ら精算を行うセルフ精算装置としての機能とを併せ持つ装置である。そして、対面セルフPOS装置20は、上記注文登録装置及びセルフ精算装置として使用し、セルフ精算装置40は、商品販売データ処理装置100を上記セルフ精算装置のみとして使用している。
【0023】
図2は、上記対面セルフPOS装置20及びセルフ精算装置40である商品販売データ処理装置100の外観構成を示す斜視図であり、
図2(a)は精算操作面側から見た図、
図2(b)は登録操作面側から見た図である。また
図3は上記商品販売データ処理装置100の構成を示すブロック図である。この商品販売データ処理装置100は、上述のように、店員と顧客が対面しながら、購入しようとする商品の登録を店員が行い、購入しようとする商品の精算を顧客が行うことができる対面セルフPOS装置として使用することもできるし、商品の登録のみを行う注文登録装置として使用することもできるし、精算のみを行う精算装置として使用することもできるし、登録と精算の両者を同一面側から行う店員操作のPOS装置または顧客操作のフルセルフPOS装置としても使用することもできる装置である。
【0024】
商品販売データ処理装置100は、基台110の上部の精算操作面側に、精算側のタッチパネル111Aを設置し、タッチパネル111Aの下側に、商品のバーコード(商品識別情報)を読み込む精算側のスキャナ部113Aと印刷部115とを設置し、また基台110の正面側上部に紙幣投入口117を設置し、その斜め下側に硬貨投入口118を設置し、また紙幣投入口117の下方にお釣り排出口119を設置して構成されている。この商品販売データ処理装置100の場合、登録した商品の質量を検出してその商品の基準質量と照合する秤(質量検知手段)を設置していないが、もちろん別途、秤を設置しても良い。また、図示しないが一体型もしくは接続式のテンキーなどの入力補助手段が設置されても良い。
【0025】
一方、基台110の上部の登録操作面側には、登録側のタッチパネル111Bが設置され、また登録側のスキャナ部113Bが設置されている。なお前記印刷部115はその筐体に対して外回りに180度回転可能で、図では発行口151の向きを登録側に向けているが、精算側に向けることもできる。尚、印刷部115は1台で共用しているが、登録側、店員側にそれぞれ別々に印刷部115を設置しても良い。登録側のタッチパネル111Bの側部には、商品の登録の際に使用するプリセットキーなどが設置されている。
【0026】
また
図3に示すように、商品販売データ処理装置100は、CPU201と、ROM203と、RAM205と、スキャナ部113A,113Bと、タッチパネル111A,111Bと、印刷部115と、通信部207と、ブザー209と、入出金部211と、撮像部212と、センサ部213とを備え、これらをバス215によって相互に接続して構成されている。なお上述のように、別途、秤や入力補助手段を設置する場合は、このバス215に秤(質量検出手段)や入力補助手段が接続される。
【0027】
CPU201は、ROM203に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、商品販売データ処理装置100の動作を制御する。ROM203は、プログラム(下記する
図5や
図6の処理をCPU201で実行させるプログラムを含む)などを記憶する。RAM205は、種々の情報、例えば商品ファイルの内容や、履歴情報など、を記憶する。
【0028】
スキャナ部113A,113Bは、商品に付されているバーコード(商品コード、商品識別情報)などを光学的に読み取る入力手段であり、スキャナ部113Aは固定式のスキャナ、スキャナ部113Bはハンディータイプのウォンドスキャナである。タッチパネル111A,111Bは、顧客又は店員に対して種々の情報を表示する表示部111a,111bと、画面にタッチすることで各種命令を入力する入力部111c,111dの機能を有している。入力部111c,111dも入力手段である。印刷部115は、この例ではレシートに印字を行って、その発行口151から印刷済みのレシートを発行するものである。通信部207は、前記LAN90を介して、他の装置と通信する。ブザー209は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
【0029】
入出金部211は、釣銭釣札機、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダなどと、それらの制御部とを備えて構成されていて、入出金部211を用いて、現金、クレジット、電子マネーにより決済処理が行われる。入出金部211は、釣銭釣札機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バス215を介してCPU201に出力する。釣銭釣札機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口117、硬貨を投入する硬貨投入口118、釣銭を排出するお釣り排出口119を備えている。また入出金部211は、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、CPU201に出力する。また入出金部211は、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、CPU201に出力する。
【0030】
撮像部212は、入金部、つまり顧客の支払い操作を撮影・記憶するなど、顧客自身を撮影する場合に用いる。通常は金銭授受のトラブルの際の証拠として記憶するが、不正な操作や操作ミスの多発する顧客を撮像・記憶して分析可能なデータに加工して利用する事もできる。
【0031】
センサ部213は、人感センサであり、顧客が装置の近傍に来たことを感知することでタッチパネル111A,111Bの操作画面をスリープ状態や広告映像から商品登録の初期画面へ復帰・遷移させることや、音声や画像により「いらっしゃいませ」「商品を登録して下さい」などの操作案内メッセージを報知することに用いられる。
【0032】
そして、この商品販売データ処理装置100を、対面セルフPOS装置20として使用する場合は、登録操作面側に店員、精算操作面側に顧客が対面して位置し、店員が商品の登録を行い、その登録が完了した後に顧客が精算を行う。またセルフ精算装置40として使用する場合は、精算操作面側のみに顧客が位置し、顧客が精算のみを行う。また商品の登録のみを行う注文登録装置として使用する場合は、登録操作面側のみに店員が位置し、店員が商品の登録のみを行う。また通常の店員操作によるPOS装置として使用する場合は、精算操作面側のみに店員が位置し、店員が商品の登録と精算の両方を行う。またフルセルフPOS装置として使用する場合は、精算操作面側のみに顧客が位置し、顧客が商品の登録と精算の両方を行う。なお、通常の店員操作によるPOS装置またはフルセルフPOS装置として使用する場合は、精算操作面側で精算の他に商品の登録ができるように、登録の際はそのタッチパネル111Aに登録画面を表示して商品の登録を行い、精算の際はそのタッチパネル111Aに精算画面を表示して精算を行う。上記各使用方法を用いる際は、スキャナ部113A,113Bの両者または一方のみを適宜使用し、印刷部115の発行口151の向きも、適宜変更する。
【0033】
図1に戻って、表示装置60は、この例では、キッチンモニタを用いている。表示装置(以下「キッチンモニタ」という)60は、主に厨房付近に設置され、前記対面セルフPOS装置20で注文を受けた商品(メニュー)に関する情報(調理指示データ)を受信し、この調理指示データに基づいて下記する各種情報を表示する。
図4はキッチンモニタ60の構成の一例を示す概略ブロック図である。同図に示すようにキッチンモニタ60は、CPU61と、ROM63と、RAM65と、タッチパネル(表示部兼操作部)67と、通信部69とを、バス71によって相互に接続して構成されている。CPU61は、各種プログラムを実行する。ROM63は、例えば、CPU61において実行される各種プログラムや、タッチパネル67において表示される画像データ(画像フォーマット情報)等を記憶する。RAM65は、例えば管理装置10から受信したファイル(例えばメニューファイルや指示ファイル等)や、注文登録装置としての対面セルフPOS装置20から受信したデータ(例えば、調理指示データ等)を一時記憶する。タッチパネル67は、注文された商品の調理指示や、完了させた調理指示に対応する商品の配膳指示等を表示する表示手段であり、同時に調理の完了した商品や配膳の完了した商品にタッチすることでその完了を入力する入力手段である。通信部69は、他の装置(対面セルフPOS装置20やセルフ精算装置40や管理装置10等)と送受信を行うものである。キッチンモニタ60は、
図1に示すように1台設置しても良いし、複数台設置しても良い。1台設置する場合は、キッチン(厨房)用に調理指示画面を表示する。2台設置する場合は、1台をキッチン(厨房)用に調理指示画面を表示し、もう1台をホール(配膳)用に配膳指示画面を表示する。なお、キッチンモニタ60は1台のみ設置し、切替ボタン等を操作することによって、キッチン用の調理指示画面とホール用の配膳指示画面とを切り換えるように構成しても良い。またキッチンモニタ80は3台以上の複数台設置しても良い。
【0034】
図5は、上記対面セルフPOS装置20における動作フロー図であり、
図6は、上記セルフ精算装置40における動作フロー図であり、
図7は、上記キッチンモニタ60における動作フロー図である。
【0035】
まず、対面セルフPOS装置20の登録操作面側に店員がいて、その精算操作面側に顧客がいて対面する。そして顧客から注文を受けた店員は、タッチパネル111Bを操作することで、注文にかかる商品を登録する(ステップST1-1)。上記登録操作を繰り返して行い(ステップST1-2の「N」)、全ての商品の登録が終了すると(ステップST1-2の「Y」)、ステップST1-3に移行し、登録した全ての商品に係る調理指示データをキッチンモニタ60に送信する。即ち、本実施形態においては、注文された商品の登録が完了した際、当該商品の精算を待たずに、キッチンモニタ60に調理指示データを送信する。なお、上記全ての商品の登録が完了したことの操作としては、例えば、店員による会計キー(小計キー)の押下や、別途設けた登録完了キーの押下等がある。
【0036】
次に、精算処理をこの対面セルフPOS装置20で行う場合は、ステップST1-4の「N」からステップST1-5に移行して、この対面セルフPOS装置20の精算操作面側にいる顧客が、タッチパネル111Aや紙幣投入口117や硬貨投入口118などを用いて精算処理を行う。精算処理が完了すると、対面セルフPOS装置20は、精算完了信号をキッチンモニタ80に送信し(ステップST1-6)、次にレシートを発行し(ステップST1-7)、精算処理を完了する。
【0037】
一方、上記精算処理をセルフ精算装置40で行う場合は、ステップST1-4の「Y」からステップST1-8に移行して、複数あるセルフ精算装置40の内の何れかを指定する。この指定は、対面セルフPOS装置20によって自動的に行っても良いし、店員又は顧客の操作によって行っても良い。そして所定のセルフ精算装置40が指定されると、指定されたセルフ精算装置40に登録データを送信する(ステップST1-9)。このとき店員は、顧客が指定されたセルフ精算装置40に移動するように促す。またこれによって店員は、次の顧客の登録操作を行うことが可能となる。
【0038】
一方、上記登録データを受信したセルフ精算装置40では、
図6に示すように、移動してきた顧客によって、上記ステップST1-5で説明した場合と同様の精算処理が行われる(ステップST2-1→ST2-2)。精算処理が完了すると、セルフ精算装置40は、精算完了信号をキッチンモニタ60に送信し(ステップST2-3)、次にレシートを発行し(ステップST2-4)、精算処理を完了する。
【0039】
一方、キッチンモニタ60では、
図7に示すように、上記対面セルフPOS装置20からの調理指示データ(ステップST1-3)を受信した場合(ステップST3-1の「Y」)、調理する商品をタッチパネル(表示部兼操作部)67に表示する(ステップST3-2)。
図8はタッチパネル67に調理する商品を表示した一例の変遷を示す概略図である。即ち、ステップST3-2において表示する画面は、同図(a)に示す画面G1である。画面G1においては、調理を指示された商品S1,S2とその数量を表示すると共に、それらの商品が未だ精算されていないことを示す符号F1,F2である「未収」の文字を表示している。これによって、調理を指示された商品が、現在まだ精算中であることが確認できる。
【0040】
次に、上記対面セルフPOS装置20またはセルフ精算装置40において精算が終了した際に送信される精算完了信号(ステップST1-6またはステップST2-3)をキッチンモニタ60が受信した場合(ステップST3-3の「Y」)は、前記タッチパネル67に表示している前記画面G1を
図8(b)の画面G2に変更する(ステップST3-4)。即ち、画面の表示態様を変更する。この例の場合は、画面G1で表示していた符号F1,F2を消去する。
【0041】
次に、商品の調理が完了すると(または商品を顧客に渡すと)、完了した商品(または顧客に渡した商品)毎に、例えば前記商品S1,S2の表示部分をタッチすることで、消し込む(ステップST3-5)。この消し込みは、この動作フロー図からも分かるように、精算が完了した後でなければ行えないように構成されている。そして全ての商品の消し込みが完了すると、
図8(c)の画面G3に示すように、全ての商品が消し込まれ、一連の動作が終了する(ステップST3-6の「Y」)。
【0042】
図9乃至
図11は、上記タッチパネル67に表示される画面の一例をさらに具体的に示す図(前記
図8の画面G1~G3を更に実際的に示した図)である。
図9の画面G4(
図10、
図11の画面G5、G6も同様)において、注文を受け付けた商品を1品目毎に商品欄(表示領域)R1に表示している。商品欄R1は、商品の調理を指示する調理指示の表示領域である。表示した各商品欄R1の中には、その右側に商品名R11、その左側にその個数R12、個数R12の上方に注文識別番号R13、注文識別番号R13の右側に経過時間R14が表示されている。注文識別番号R13は、注文された商品の会計やその他の処理のために付される識別番号である。この例では注文識別番号R13としてレシート番号が用いられ、客が一回の注文(1注文または1会計)で注文した1又は複数の商品につき、1つの番号が付される。この例では、同じ注文識別番号である注文識別番号「324」のお茶とハンバーガー、注文識別番号「327」のコーヒーとパスタAが同時に注文した商品であることを示している。経過時間R14は、この調理指示画面G4に表示を行ってからの経過時間、又は注文を受け付けてからの経過時間である。所定の商品欄R1(この例では注文識別番号「326」と「327」と「328」)中の注文識別番号R13の下方には、「未収」マーク(精算情報)R15が表示されている。言い換えれば、「未収」が表示されていない商品については「精算済」の精算情報が表示されていることになる。なお精算済の場合は、「精算済」などの表示を商品欄R1に表示しても良い。
【0043】
そして、例えば上記注文識別番号「326」と「327」の商品の精算が終了すると、
図10に示す画面G5のように、それらの未収マークR15が消去される。さらに、未収マークR15の消えている、例えば上記注文識別番号「312」と「319」と「321」の商品の調理が完了すると(または商品を顧客に渡すと)、完了した商品(または顧客に渡した商品)毎に、例えば前記注文識別番号「312」と「319」と「321」の商品欄R1の部分をタッチすることで、消し込む。これによって、
図11に示す画面G6のように、消し込まれていない商品欄R1のみが繰り上がって表示される。なお、未収マークR15が表示されている商品欄R1を押下しても、これを消し込むことはできない。
【0044】
図17は、上記タッチパネル67に表示される画面のさらに他の具体例を示す図である。
図17の画面G8においては、複数の列(欄)S1~S4を設け、各列(精算状況に応じた区別)に、それぞれ同一のステータス(調理・精算状況)の商品をまとめて表示している。即ち、未調理列S1には未だ調理が完了していない商品をまとめて表示し、未精算(未配膳)列S2には調理は完了したが、未精算で未配膳の商品をまとめて表示し、未配膳(精算済)列S3には調理も精算も完了した商品をまとめて表示し、配膳済列S4には配膳が完了した商品をまとめて表示している。このように構成すれば、調理指示を受けた各商品の現在の状態を、容易に把握することができる。この例の場合、例えば、未調理の商品が完成したら未調理列S1にある当該商品にタッチすると、その商品が精算の有無に応じて未精算(未配膳)列S2または未配膳(精算済)列S3に移動し、未配膳(精算済)列S3にある商品を配膳する場合は、その商品をタッチすることで当該商品が配膳済列S4に移動する。未精算(未配膳)列S2にある商品をタッチしても、配膳済列S4には移動しない。なお、配膳済列S4は、表示しなくても良い(下記する
図18の配膳済列S7も同様)。また配膳済列S4に表示する商品は、所定の時間が経過した段階で自動的に消去するように構成しても良い(下記する
図18の配膳済列S7も同様)。さらに、別の変形例として、未精算(未配膳)列S2と未配膳(精算済)列S3を1つの列(欄)に統一して例えば「未配膳列」として表示し、その列中の各商品の部分に「未収」などの表示を行って未精算と精算済がわかるように構成しても良い(下記する
図18の未配膳(未精算)列S5と未配膳(精算済)列S6も同様)。
【0045】
図18は、ホール(配膳)用として専用に表示される配膳指示画面G9の一例を示す図である。
図18の配膳指示画面G9においては、複数の列(欄)S5~S7を設け、各列に、それぞれ同一のステータス(調理・精算状況)の配膳用商品をまとめて表示している。即ち、未配膳(未精算)列S5には、未配膳で未精算の商品をまとめて表示し、未配膳(精算済)列S6には未配膳で精算が完了した商品をまとめて表示し、配膳済列S7には配膳が完了した商品をまとめて表示している。このように構成すれば、調理が完了した商品の配膳に関する現在の状態を、容易に把握することができる。この例の場合、例えば、未配膳(精算済)列S6にある商品を配膳する場合は、その商品をタッチすることで当該商品が配膳済列S7に移動する。未配膳(未精算)列S5にある商品をタッチしても、配膳済列S4には移動しない。
【0046】
以上説明したように、上記実施形態は、注文された商品を登録する対面セルフPOS装置20の登録側(注文登録装置)と、前記対面セルフPOS装置20の登録側と一体に又は別体として設置され、当該対面セルフPOS装置20の登録側で登録された商品の精算を行う対面セルフPOS装置20の精算側またはセルフ精算装置40と、前記対面セルフPOS装置20の登録側(注文登録装置)から送信される調理指示データを受信して、登録された商品の調理等指示内容を表示するキッチンモニタ60(出力装置、表示装置)と、を備えるオーダシステム1-1において、前記対面セルフPOS装置20の登録側(注文登録装置)は、注文された商品の登録が完了したとき、当該商品の精算完了を待たずに、前記キッチンモニタ60に前記調理指示データを送信して調理等指示内容を出力(表示)させる構成としたので、対面セルフPOS装置20の登録側による注文商品の登録が完了した時点で、調理を開始することができ、つまり調理作業と精算作業とを同時並行して進められるので、その分(精算にかかる時間分)時間短縮が図れて、早く商品を提供することができる。これによって、調理を伴うオーダシステムの効率的な運用を図ることができる。
【0047】
また上記実施形態では、キッチンモニタ60(出力装置、表示装置)において、対面セルフPOS装置20の精算側またはセルフ精算装置40における精算状況に応じて、調理等指示内容を区別して出力する構成としたので、調理を行っている商品の現在の精算状況を容易に把握することができ、例えば、確実に精算が完了してから商品を顧客に渡すことができる。また上記実施形態では、キッチンモニタ60上で、精算が終了しない限り画面に表示した商品を消し込めないように構成したので、さらに確実に精算が完了してから商品を顧客に渡すことができる。なお上記実施形態では、調理等指示内容を区別して出力するため、精算前に表示する商品に「未収」などのマークF1,F2を付したり、精算済の商品と未精算の商品を別の列(欄)に表示したりしたが、本発明はこれらの例に限定されず、例えば、キッチンモニタ60に表示した商品の色彩を変更したり、点滅させるなど、種々の形態が考えられる。
【0048】
ところで、上記オーダシステム1-1においては、対面セルフPOS装置20と、複数台のセルフ精算装置40(40A,40B、40C)と、キッチンモニタ60とを設置しているが、これら各装置の設置台数に種々の変更が可能であることは言うまでもない。即ち、何れの装置においても、1台または複数台設置しても良い。
【0049】
〔第2実施形態〕
例えば
図12(a)に示すように、注文登録装置及びセルフ精算装置として使用する対面セルフPOS装置(商品販売データ処理装置)20-2(20-2A,20-2B)と表示装置60-2とによってオーダシステム1-2を構成しても良い。即ち、前記
図1に示すセルフ精算装置40を省略してオーダシステム1-2を構成しても良い。各対面セルフPOS装置20-2A,20-2Bは、前述した対面セルフPOS装置20やセルフ精算装置40(即ち商品販売データ処理装置100)と同一の構成である。この場合、各対面セルフPOS装置20-2A,20-2Bが、
図5に示すステップST1-1~ステップST1-7を行う。即ちこの場合、
図5に示すステップST1-8,9と、
図6に示す動作フロー全体は不要になる。また、このオーダシステム1-2において、対面セルフPOS装置20-2A,20-2Bは、これを1台で構成しても良いし、3台以上の複数台で構成しても良い。
【0050】
〔第3実施形態〕
また例えば
図12(b)に示すように、注文登録装置及びセルフ精算装置として使用するフルセルフPOS装置(商品販売データ処理装置)20-3(20-3A,20-3B)と表示装置60-3とによってオーダシステム1-3を構成しても良い。即ち、前記
図12(a)に示す対面セルフPOS装置20-2(20-2A,20-2B)の代わりに、フルセルフPOS装置20-3(20-3A,20-3B)を設置して構成しても良い。各フルセルフPOS装置20-3A,20-3Bは、前述した対面セルフPOS装置20-2A,20-2B(即ち商品販売データ処理装置100)と同一の構成であり、異なるのは、この商品販売データ処理装置100の登録と精算の操作を全て顧客が行うように構成した点である。この場合も、各フルセルフPOS装置20-3A,20B-3が、
図5に示すステップST1-1~ステップST1-7を行う。即ちこの場合も、
図5に示すステップST1-8,9と、
図6に示す動作フロー全体は不要になる。また、このオーダシステム1-3においても、フルセルフPOS装置20-3A,20-3Bは、これを1台で構成しても良いし、3台以上の複数台で構成しても良い。
【0051】
〔第4実施形態〕
また例えば
図12(c)に示すように、店員が商品の登録と精算の全てを行うPOS装置(商品販売データ処理装置)20-4(20-4A,20-4B)と表示装置60-4とによってオーダシステム1-4を構成しても良い。即ち、前記
図12(b)に示すフルセルフPOS装置20-3(20-3A,20-3B)を、そのまま店員が操作する構成としても良い。前述したフルセルフPOS装置20-3A,20-3Bと異なるのは、操作するのが店員であるという点である。この場合も、各POS装置20-4A,20-4Bが、
図5に示すステップST1-1~ステップST1-7を行う。即ちこの場合も、
図5に示すステップST1-8,9と、
図6に示す動作フロー全体は不要になる。また、このオーダシステム1-4においても、POS装置20-4A,20-4Bは、これを1台で構成しても良いし、3台以上の複数台で構成しても良い。
【0052】
なお、上記各実施形態においては、注文登録装置やセルフ精算装置として、店員と顧客が対面して操作可能な商品販売データ処理装置100を用いたが、本発明はこれに限られず、従来の店員が登録と精算を行うPOS装置を注文登録装置または注文登録装置及び精算装置として用いても良いし、従来のセルフ精算のみが処理できるセルフ精算を精算装置として用いても良い。
【0053】
〔第5実施形態〕
図13は、本発明の第5実施形態にかかるオーダシステム1-5の概略構成図である。同図に示すように、オーダシステム1-5は、管理装置10-5と、注文登録装置及び精算機として使用するPOS装置(商品販売データ処理装置)20-5と、複数台のセルフ精算装置(商品販売データ処理装置)40-5(40-5A,40-5B、40-5C)と、表示装置60-5とを具備し、LAN90-5を介して各機器を通信可能に接続している。管理装置10-5と表示装置60-5は、上記
図1に示す管理装置10と表示装置60と同一の構成なので、その説明を省略する。
【0054】
この実施形態におけるPOS装置20-5は、店員が操作するドロワ付きの従来からある一般的なPOS装置であり、注文された商品の登録と、ドロワを用いた現金による精算及び現金以外の各種方法による精算とを店員が行うPOS装置である。
図14はPOS装置20-5の機能ブロック図の一例を示す図である。同図に示すように、POS装置20-5は、このPOS装置20-5の動作を制御するCPU121と、客の買上情報などを記憶するハードディスク123と、CPU121が実行するプログラムを記憶するROM125と、種々の情報を記憶するRAM(記憶部)127と、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取るスキャナ部129と、商品の名称や価格などを表示する店員用表示部(店員用タッチパネル)131と、客用表示部(客用タッチパネル)133と、レシート印字部135と、現金や金券などを保管するドロワ部137と、LAN90-5を経由して管理装置10-5や表示装置60-5などと通信する通信部139と、POS装置20-5を動作させる各種の操作ボタン等からなる操作部141と、客がクレジットカードでの支払いを希望する場合にクレジットカードの情報を読み取るカードリーダ部143と、操作の確認が必要な時などに音を発生させるブザー145とを備えて構成されている。従ってこのPOS装置20-5には、自動釣銭釣札機が設置されていない。このPOS装置20-5は、注文された商品を登録する注文登録装置であると共に、精算装置であり、現金による精算の場合は、ドロワを用いて精算を行う装置である。
【0055】
一方、セルフ精算装置40-5は、現金以外の各種精算方法によって顧客自らが精算を行う精算専用の精算装置である。従ってこのセルフ精算装置40-5にも、自動釣銭釣札機が設置されていない。現金以外の各種精算方法としては、プリペイドカードによる精算、クレジットカードによる精算、携帯端末による精算など、各種の精算方法がある。
【0056】
図15は、上記POS装置20-5における動作フロー図である。まず、顧客から注文を受けた店員は、店員用表示部131または操作部141を操作することで、注文にかかる商品を登録する(ステップST4-1)。上記登録操作を繰り返して行い(ステップST4-2の「N」)、全ての商品の登録が終了すると(ステップST4-2の「Y」)、ステップST4-3に移行し、登録した全ての商品に係る調理指示データを表示装置(キッチンモニタまたはキッチンプリンタ)60-5に送信する。即ち、本実施形態においても、注文された商品の登録が完了した際、当該商品の精算を待たずに、表示装置60-5に調理指示データを送信する。次に、精算方法として、顧客が現金を要求した場合は、店員は、店員用表示部131または操作部141にある現金会計キー(現計キー)を押下し(ステップST4-4の「Y」)、これによって、現金による精算がPOS装置20-5のドロワ部137などを用いて行われる(ステップST4-5)。精算処理が完了すると、POS装置20-5は、精算完了信号を表示装置60-5に送信し(ステップST4-6)、次にレシート印字部135を用いてレシートを発行し(ステップST4-7)、精算処理を完了する。
【0057】
一方、ステップST4-4において、精算方法として、顧客が現金以外の決済手段を要求した場合は、店員は、店員用表示部131または操作部141にあるセルフ会計キーを押下し(ステップST4-4の「N」)、ステップST4-8に移行して、複数あるセルフ精算装置40-5の内の何れかを指定する。この指定は、POS装置20-5によって自動的に行っても良いし、店員又は顧客の操作によって行っても良い。そして所定のセルフ精算装置40-5が指定されると、そのセルフ精算装置40-5に登録データを送信する(ステップST4-9)。このとき店員は、顧客が指定されたセルフ精算装置40-5に移動するように促す。前記セルフ会計キーの押下後は、POS装置20-5において次の顧客の商品登録が可能となる。
【0058】
上記登録データを受信したセルフ精算装置40-5では、
図16に示すように、その店員用表示部に会計方法選択画面G7を表示する。この画面には、現金以外の決済手段が複数表示されており、移動してきた顧客が所望の決済手段をタッチ(押下)することで選択を行い、精算を行っていく。ここで現金以外の決済手段としては、クレジットカードやプリペイドカードによる決済手段の他に、携帯端末による決済手段など、種々の手段がある。携帯端末による精算は、例えば会計方法選択画面G7に表示したQRコード(登録商標)を読み取ることによって行う。顧客による精算操作が完了すると、セルフ精算装置40-5は、精算完了信号を表示装置60-5に送信し、次にレシートを発行し、精算処理を完了する。なお、表示装置60-5における動作は、前記
図7に示す動作フローと同一なので、その詳細な説明は省略する。
【0059】
以上説明したように、第5実施形態は、POS装置(注文登録装置)20-5が、少なくともドロワなどによる現金支払い可能な現金決済手段を備え、セルフ精算装置40-5が、少なくとも現金決済以外の決済手段を備え、POS装置20-5は、現金による決済手段が選択された場合は、当該POS装置20-5の現金決済手段によって決済を行い、現金決済以外による決済手段が選択された場合は、当該決済に用いる注文決済用データをセルフ精算装置40-5に送信する構成としている。このように構成することで、現金決済は店員が行い、現金以外の決済は顧客自らが行うように構成できるので、効率よく商品の登録と精算を行うことができる。また、精算装置として、高価で設置スペースを取る自動釣銭釣札機を設置しなくても良くなるので、オーダシステムの省スペース化や、低コスト化を図ることもできる。さらに、POS装置20-5における現金決済は店員が行うので、このPOS装置20-5についても必ずしも自動釣銭釣札機を設置する必要は無く、従来のドロワ付きのPOS装置を使用すればよく、この点からも省スペース化や、低コスト化を図ることができる。もちろん、POS装置20-5として、自動釣銭釣札機付きのPOS装置を用いても良い。
【0060】
〔第6実施形態〕
図示はしないが、顧客が有し且つネットワークに接続可能な携帯端末またはパーソナルコンピュータを、注文登録装置または注文登録装置及び精算装置として本発明を構成しても良い。顧客が有する携帯端末またはパーソナルコンピュータ(以下「携帯端末など」という)に注文登録装置の機能を持たせれば、この携帯端末などによって、ネットワークを介して、商品を店舗の外部から注文できる。携帯端末などによって店舗にアクセスして注文し、店舗にあるセルフ精算機で精算する構成の場合は、携帯端末などによって商品を登録した際に、セルフ精算機での精算を待たずに、表示装置に調理指示を行う。携帯端末などによってネットワークを介して注文し、且つ当該携帯端末などによって精算する構成の場合は、携帯端末などによって商品を登録した際に、当該携帯端末などによる精算を待たずに、表示装置に調理指示を行う。
【0061】
このように構成しても、携帯端末などによる注文商品の登録が完了した時点で、当該商品の精算を待たずに表示装置に調理等指示内容を表示するので、つまり調理作業と精算作業とを同時並行して進められるので、調理の開始時間を早めることができ、その分(精算にかかる時間分)時間短縮が図れて、早く商品を提供することができる。これによって、調理を伴うオーダシステムの効率的な運用を図ることができる。
【0062】
また上記実施形態では、注文登録装置において注文された商品の登録が完了したとき、調理指示データを、前記商品の精算完了を待たずに送信する構成としたが、さらに、この商品の精算完了を待たずに送信するモードと、当該商品の精算が完了してから送信するモードが切り替え可能となるように構成してもよい。
【0063】
前記モードの切り替えは、例えば、手動による設定で行う構成としても良いし、オーダシステムの構成(例えば注文登録装置と精算装置が一体又は別体、対面セルフ型、フルセルフ型などの各種構成)に応じて切り替わる構成としても良い。
【0064】
手動による設定とは、オーダシステムの構成は何れでも良く、単に手動の設定で切替可能であることを意味する。なお、手動の設定には、設定画面で恒久的に変更する場合や、一取引中で切替ボタンを押下することで切替可能とする場合などがある。
【0065】
一方、オーダシステムの構成に応じて切り替えるとは、例えば、注文登録装置と精算装置が一体となっていて、対面セルフ方式の場合は、前記商品の精算完了を待たずに送信するモードに切り替わり、フルセルフ方式の場合は、前記商品の精算が完了してから送信するモードに切り替わるように構成することを意味する。対面セルフ方式の場合は、店員がその場にいて顧客による精算処理に店員が対応できるので、精算完了しなくても調理指示データを送る構成とする一方、フルセルフ方式の場合は、店員が近くにいない可能性が高いので、例えば顧客が操作ミスやいたずらなどで登録処理を行った後に精算処理を行わない場合もあることが考えられるため、精算が完了しないと調理指示データを送信しない構成とするなどである。また例えばスーパーマーケットに設置されているセミセルフ方式のように、注文登録装置で店員が商品登録した後、別体の精算装置(セルフ精算機)を1台選び登録データを送信して顧客が精算するタイプの場合は、店員が近くに一人はいることになるので、商品の精算完了を待たずに調理指示データを送信するモードにするなどしても良い。
【0066】
なお、上記したフルセルフ型には2つモードがあり、登録・精算が完了してそのままレシートを発行するフルセルフモード(スーパーマーケットで通常みられる)と、登録・精算が完了すると食券が出てきて商品の完成を待つ発券機モードがある。飲食店で料理を提供するような場合のフルセルフ型は、一般に発券機モードとなる。
【0067】
ところで、上記実施形態に係る各装置で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供されるものとしているが、これに限られず、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成しても良い。また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムを、ネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
【0068】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの構成であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。例えば、上記各実施形態では、出力装置としてキッチンモニタを用いたが、キッチンプリンタなどの他の各種出力装置を用いても良い。キッチンプリンタの場合、調理指示された商品名をレシートに印字するが、そのとき、未精算か精算済かというステータスが分かるように何れか一方を大きく印字したり、「未収」のような識別表示を行うなどしても良い。また未精算の商品が精算済になると、更新された最新の情報を再度印字するなどしてもよい。また上記キッチンモニタやキッチンプリンタなどの出力装置が調理指示データを受信する態様としては、注文登録装置から直接受信する態様もあれば、管理装置などの他の装置を介して受信する態様などもあり、各種の態様が含まれる。出力装置が出力する調理等指示内容は、調理指示に関する内容であってもよいし、配膳指示に関する内容であってもよい。また上記実施形態では、管理装置を設置したが、管理装置の機能を注文登録装置や精算装置などに持たせることで、管理装置を省略しても良い。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0069】
1-1 オーダシステム 10 管理装置
5 ネットワーク
20 対面セルフPOS装置(商品販売データ処理装置)
40(40A,40B、40C)セルフ精算装置(商品販売データ処理装置)
60 表示装置(出力装置) 61 CPU
63 ROM 65 RAM
67 タッチパネル(表示部兼操作部) 69 通信部
71 バス 90 LAN
100 商品販売データ処理装置 110 基台
111A 精算側のタッチパネル 111B 登録側のタッチパネル
111a 表示部 111b 表示部
111c 入力部 111d 入力部
113A スキャナ部 113B スキャナ部
115 印刷部 117 紙幣投入口
118 硬貨投入口 119 お釣り排出口
151 発行口 201 CPU
203 ROM 205 RAM
207 通信部 209 ブザー
211 入出金部 212 撮像部
213 センサ部 215 バス
G1~G9 画面 S1,S2 商品
F1,F2 符号 R1 商品欄(表示領域)
R11 商品名 R12 個数
R13 注文識別番号 R14 経過時間
R15 未収マーク 1-2 オーダシステム
20-2(20-2A,20-2B) 対面セルフPOS装置(商品販売データ処理装置)
60-2 表示装置(出力装置) 1-3 オーダシステム
20-3(20-3A,20-3B) フルセルフPOS装置(商品販売データ処理装置)
60-3 表示装置(出力装置) 1-4 オーダシステム
20-4(20-4A,20-4B) POS装置(商品販売データ処理装置)
60-4 表示装置(出力装置) 1-5 オーダシステム
10-5 管理装置
20-5 POS装置(商品販売データ処理装置)
40-5(40-5A,40-5B、40-5C) セルフ精算装置(商品販売データ処理装置)
60-5 表示装置(出力装置) 90-5 LAN
121 CPU 123 ハードディスク
125 ROM 127 RAM(記憶部)
129 スキャナ部
131 店員用表示部(店員用タッチパネル)
133 客用表示部(客用タッチパネル) 135 レシート印字部
137 ドロワ部 139 通信部
141 操作部 143 カードリーダ部
145 ブザー S1~S7 列(欄、区別)