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特許7173546商品販売管理システム、及び商品販売管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】商品販売管理システム、及び商品販売管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20221109BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221109BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221109BHJP
【FI】
G06Q10/08 330
G06Q30/02 310
G06Q30/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018245502
(22)【出願日】2018-12-27
(65)【公開番号】P2020107093
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】596149051
【氏名又は名称】株式会社 菊星
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(74)【代理人】
【識別番号】100132403
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 儀雄
(74)【代理人】
【識別番号】100198856
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 聡
(72)【発明者】
【氏名】竹鼻 実樹
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-203502(JP,A)
【文献】特開平03-105460(JP,A)
【文献】特開平06-223091(JP,A)
【文献】特開2003-344146(JP,A)
【文献】国際公開第2018/016068(WO,A1)
【文献】特開2018-032272(JP,A)
【文献】特開2014-152018(JP,A)
【文献】特開2009-169760(JP,A)
【文献】特開2000-168916(JP,A)
【文献】特開2015-022774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置された店舗側端末と、前記店舗側端末と通信ネットワークを介して接続された管理側端末とを備え、前記店舗で販売される商品に関する販売状況を前記管理側端末で管理する商品販売管理システムであって、
前記店舗側端末は、
販売対象の前記商品の合計重量を基準重量として重量計測部によって計測する基準重量計測手段と、
前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、前記店舗に陳列された前記商品の数を算出する陳列商品数算出手段と、
前記基準重量の計測開始からの経過時間をカウントする経過時間カウント手段と、
前記重量計測部による前記合計重量の計測を継続し、前記商品の合計重量を現在重量として計測する現在重量計測手段と、
前記基準重量と前記現在重量計測手段によって計測された前記現在重量とを対比し、前記基準重量からの重量変化の有無を検出する重量変化検出手段と、
前記重量変化検出手段によって重量変化が検出されると、前記基準重量及び前記現在重量に基づいて、重量変化量と、商品販売数及び商品残数の少なくともいずれか一方とに係る販売情報を算出する販売情報算出手段と、
算出された前記販売情報及び重量変化の検出された時点での計測開始からの前記経過時間に基づいて、前記商品の販売間隔に係る販売間隔情報を算出する販売間隔情報算出手段と、
算出された前記販売間隔情報を前記通信ネットワークを介して前記管理側端末に送信する販売間隔情報送信手段と
算出された前記商品残数に基づいて前記商品の発注の要否を判定する発注判定手段と、
前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定されると、店舗スタッフにその旨を報知する、及び/または、前記管理側端末に報知情報を送信する報知情報送信手段と
を具備し、
前記管理側端末は、
前記店舗側端末から送信された前記販売間隔情報を、前記通信ネットワークを介して受信する販売間隔情報受信手段と、
前記店舗側端末から送信された前記報知情報を、前記通信ネットワークを介して受信する報知情報受信手段と、
予め受信され、若しくは、前記報知情報とともに受信した前記販売間隔情報を解析する販売間隔情報解析手段と、
前記販売間隔情報解析手段による解析結果に基づいて、前記店舗で販売する前記商品が適切か否かを判定する解析結果判定手段と、
前記解析結果判定手段に基づいて、新たな販売商品を前記店舗に対して推奨する推奨手段と
を具備する商品販売管理システム。
【請求項2】
前記店舗側端末は、
前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、前記店舗に陳列された前記商品を特定する商品特定手段を更に具備する請求項1に記載の商品販売管理システム。
【請求項3】
前記店舗側端末は、
第一店舗側端末と、
前記第一店舗側端末と分離可能に形成され、前記第一店舗側端末との間でデータ通信可能に接続された第二店舗側端末と
を備え、
前記第一店舗側端末は、
前記基準重量計測手段、及び前記現在重量計測手段を少なくとも有するとともに、それぞれ計測された前記基準重量に係る基準重量データ及び前記現在重量に係る現在重量データを第二店舗側端末に送信する重量データ送信手段を更に有し、
前記第二店舗側端末は、
前記陳列商品数算出手段、前記経過時間カウント手段、前記重量変化検出手段、前記販売情報算出手段、前記販売間隔情報算出手段、及び前記販売間隔情報送信手段の少なくともいずれか一つを有するとともに、前記第一店舗側端末から送信される前記基準重量データ及び前記現在重量データを受信する重量データ受信手段を更に有する請求項1または2に記載の商品販売管理システム。
【請求項4】
前記店舗側端末の前記重量変化検出手段は、
前記基準重量からの重量変化が予め設定した規定時間以上継続して検出された場合に、前記重量変化が有ったと判定する重量変化判定手段を更に有する請求項1~3のいずれか一項に記載の商品販売管理システム。
【請求項5】
前記店舗側端末は、
前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定され、前記店舗スタッフに報知された前記商品に対する発注データの入力を受付ける発注データ入力受付手段と、
受付けた前記発注データを、前記通信ネットワークを介して前記管理側端末に送信する発注データ送信手段と
を更に具備し、
前記管理側端末は、
前記店舗側端末から送信された前記発注データを、前記通信ネットワークを介して受信する発注データ受信手段と、
前記発注データ及び前記販売間隔情報の解析結果に基づいて発注処理の適否を判定する発注処理判定手段と、
前記発注処理判定手段に基づいて前記商品の発注処理を行う発注処理手段と
を更に具備し、
前記推奨手段は、
前記発注処理判定手段によって発注処理が否定と判定された場合に、新たな前記販売商品についての推奨処理をする請求項1~4のいずれか一項に記載の商品販売管理システム。
【請求項6】
販売対象の商品の合計重量を基準重量として重量計測部によって計測する基準重量計測手段、前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、店舗に陳列された前記商品の数を算出する陳列商品数算出手段、前記基準重量の計測開始からの経過時間をカウントする経過時間カウント手段、前記重量計測部による前記合計重量の計測を継続し、前記商品の合計重量を現在重量として計測する現在重量計測手段、前記基準重量と前記現在重量計測手段によって計測された前記現在重量とを対比し、前記基準重量からの重量変化の有無を検出する重量変化検出手段、前記重量変化検出手段によって重量変化が検出されると、前記基準重量及び前記現在重量に基づいて、重量変化量と、商品販売数及び商品残数の少なくともいずれか一方と係る販売情報を算出する販売情報算出手段、算出された前記販売情報及び重量変化の検出された時点での計測開始からの前記経過時間に基づいて、前記商品の販売間隔に係る販売間隔情報を算出する販売間隔情報算出手段、算出された前記販売間隔情報を通信ネットワークを介して接続された管理側端末に送信する販売間隔情報送信手段、算出された前記商品残数に基づいて前記商品の発注の要否を判定する発注判定手段、及び前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定されると、店舗スタッフにその旨を報知する、及び/または、前記管理側端末に報知情報を送信する報知情報送信手段として、前記店舗に設置された店舗側端末を機能させ、前記店舗側端末から送信された前記販売間隔情報を受信する販売間隔情報受信手段、前記店舗側端末から送信された前記報知情報を、前記通信ネットワークを介して受信する報知情報受信手段、予め受信され、若しくは、前記報知情報とともに受信した前記販売間隔情報を解析する販売間隔情報解析手段、前記販売間隔情報解析手段による解析結果に基づいて、前記店舗で販売する前記商品が適切か否かを判定する解析結果判定手段、及び前記解析結果判定手段に基づいて、新たな販売商品を前記店舗に対して推奨する推奨手段として、前記店舗側端末と前記通信ネットワークを介して接続された前記管理側端末を機能させる商品販売管理プログラム。
【請求項7】
前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、前記店舗に陳列された前記商品を特定する商品特定手段として、前記店舗側端末を更に機能させる請求項6に記載の商品販売管理プログラム。
【請求項8】
前記店舗側端末は、第一店舗側端末と、前記第一店舗側端末と分離可能に形成され、前記第一店舗側端末との間でデータ通信可能に接続された第二店舗側端末とを備え、
前記基準重量計測手段、及び前記現在重量計測手段として少なくとも前記第一店舗側端末を機能させるとともに、それぞれ計測された前記基準重量に係る基準重量データ及び前記現在重量に係る現在重量データを第二店舗側端末に送信する重量データ送信手段として、前記第一店舗側端末を更に機能させ、
前記陳列商品数算出手段、前記経過時間カウント手段、前記重量変化検出手段、前記販売情報算出手段、前記販売間隔情報算出手段、及び前記販売間隔情報送信手段の少なくともいずれか一つとして前記第二店舗側端末を機能させるとともに、前記第一店舗側端末から送信される前記基準重量データ及び前記現在重量データを受信する重量データ受信手段として、前記第二店舗側端末を更に機能させる請求項6または7に記載の商品販売管理プログラム。
【請求項9】
前記基準重量からの重量変化が予め設定した規定時間以上継続して検出された場合に、前記重量変化が有ったと判定する重量変化判定手段を有する前記重量変化検出手段として、前記店舗側端末を更に機能させる請求項のいずれか一項に記載の商品販売管理プログラム。
【請求項10】
前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定され、前記店舗スタッフに報知された前記商品に対する発注データの入力を受付ける発注データ入力受付手段、及び受付けた前記発注データを、前記通信ネットワークを介して前記管理側端末に送信する発注データ送信手段として、前記店舗側端末を更に機能させ、前記店舗側端末から送信された前記発注データを、前記通信ネットワークを介して受信する発注データ受信手段、前記発注データ及び前記販売間隔情報の解析結果に基づいて発注処理の適否を判定する発注処理判定手段、及び前記発注処理判定手段に基づいて前記商品の発注処理を行う発注処理手段、前記発注処理判定手段によって発注処理が否定と判定された場合に、新たな前記販売商品についての推奨処理を前記推奨手段として、前記管理側端末を更に機能させる請求項のいずれか一項に記載の商品販売管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売管理システム、及び商品販売管理プログラムに関する。更に詳しくは、複数の店舗に商品を提供する管理会社において、当該商品の販売状況を把握し、管理することで、各店舗に対して適切なタイミングで商品の発注を促し、或いは、販売する商品の変更を提案することが可能な商品販売管理システム、及び商品販売管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、美容院や理容院、ネイルサロン、エステティックサロン、フィットネスジム、或いはマッサージ・リラクゼーションサロン等の顧客に対して種々のサービス(例えば、ヘアカット等)を提供することにより、当該サービスの対価を主たる売り上げとしているサービス提供型の店舗において、店舗内に設置された棚やレジ周辺等に商品を陳列し、販売する物販業務が行われている。店舗で実際に使用されている商品(例えば、美容院等におけるシャンプーやスタイリング剤等)やサービスに関連する商品等を顧客に対して販売することで、顧客が家庭でも当該商品を使用することができる。かかる物販業務によって店舗全体の売り上げをアップさせることができる。
【0003】
ここで、本明細書において、「店舗」とは、上記に示したような、主として美容関連の業態に限定されるものではなく、広義のサービス業を含む業態(例えば、クリーニング業、飲食業、旅行代理店業、不動産業等)が設置したものとして定義する。更に、これらの店舗の中には、医院や歯科医院等の医療に係るサービスを提供する施設を含むものとする。また、スーパーやコンビニエンスストア、或いはその他の所謂「小売業務」を主体する店舗を含んでいてもよい。
【0004】
しかしながら、特に、サービスの提供を主とする上記店舗では、売り上げ金額の違い等から商品の販売を行う物販業務はあくまでも副次的なものとして店舗スタッフ等に認識されていることが多く、商品の在庫管理や発注管理に係る業務に不慣れなことがあった。また、通常のサービスを提供する業務と比較してそれほど多くの作業時間がかけられなかった。その結果、物販業務に係る作業が疎かになりやすい傾向があった。
【0005】
例えば、店舗で販売している商品の欠品に気付くのが遅れたり、在庫が少なくなってから慌てて発注を行うなど、店舗における物販業務の計画的な運営ができないことがあった。また、商品を直接店舗に納入する商社や代理店の営業マンなどの店舗スタッフ以外から商品の欠品や在庫が僅少であるとの指摘を受け、当該営業マンによって商品の補充が行われることもあった。その結果、商品の購入を希望する顧客がいるにもかかわらず欠品等により商品の販売ができないことがあった。すなわち、商品の販売の機会を店舗側のミスにより逸失している可能性があった。また、「小売業務」を主体とする店舗であっても、十分な在庫管理を行っていないこともあり、上記のような商品の欠品等の状態が生じることがあった。
【0006】
一方、商品等の発注のタイミングを自動的に管理したり、発注処理を容易にしたりするものとして、例えば、ユーザの消費に従って重量が変化することに着目した発注管理装置等が既に提案されている(特許文献1参照)。これによると、ユーザの消費に従って重量が適宜変化する商品の例として、各家庭等に設置されるウォーターサーバーの“水”の発注を管理するものが開示されている。
【0007】
特許文献1の発注管理装置等によれば、ユーザが消費することで残量が変化する水の重量を継続的にモニタし、予め規定された重量以下になると、新たな水タンクの発注をユーザに対して知らせることができる。特に、家庭用のウォーターサーバーの場合、住人が常に水の残量をモニタすることはなく、ほとんど残量がなくなってから気付くケースも多い可能性がある。このような場合でも残量に応じて住人等にその旨を報知することで、適切なタイミングで発注を促すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2018-165963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に開示された発注管理装置等の場合、下記に掲げる不具合を生じる可能性があった。すなわち、重量を検出するためのものとして、単一の“水”を主に想定するものであり、かつ、常温で液体の状態の水の重量減を単にモニタするだけであった。そのため、複数の商品を取り扱う可能性のある美容院等の店舗では、上記発注管理装置等の構成をそのまま適用することは困難であった。
【0010】
加えて、特に、サービス提供型の店舗の場合、商品の販売状況は販売実績に係る管理をそれほど重要視していないことがあった。すなわち、既に説明したように、サービス提供業務に対する物販業務の売り上げ比率が低いため、商品の販売状況や販売実績等の管理や解析等が行われることがなかった。
【0011】
その結果、店舗で販売される商品が1週間に平均何個程度売れるのか、或いは商品の販売間隔がどの程度のものなのか等の客観的な情報を考慮して商品を選定等を行うことが少なく、店長等の主観によって取り扱う商品を決定する場合があった。また、一度その商品の販売を決定した後は、販売状況を鑑みることなく、そのまま長年に亘って同じ商品を販売し続ける可能性があった。そのため、ほとんど店舗の売り上げに貢献していない商品が長年に亘って陳列され、販売される可能性もあった。
【0012】
加えて、美容院等の同一業態であっても、当該店舗の設定された地域の地域性や顧客の属性等によって、店舗で販売される商品の中で売れ筋及び非売れ筋の商品が大きく異なることがあった。しかしながら、複数の店舗等をチェーン展開する大手企業の場合、全ての店舗に対して同一の商品を陳列し、販売するような指示がなされることがあった。上記のように同一業態であっても地域性や顧客の属性等を完全に無視して物販業務が行われることもあった。その結果、店舗において物販業務の売り上げが少なくなるなど、適切な商品の選定による売り上げ向上の機会を逸失している可能性があった。
【0013】
そこで、本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、商品の販売状況を管理することで、店舗スタッフによるは発注業務に係る負担を軽減させ、商品の欠品等の不具合を減らすことで店舗の打ち上げの向上を図るとともに、それぞれの店舗毎に得られた販売実績に係る販売情報等によって、その店舗に好適な商品に変更することを提案できる商品販売管理システム及び商品販売管理プログラムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によれば、下記に掲げる商品販売管理システム、及び商品販売管理プログラムが提供される。
【0015】
[1] 店舗に設置された店舗側端末と、前記店舗側端末と通信ネットワークを介して接続された管理側端末とを備え、前記店舗で販売される商品に関する販売状況を前記管理側端末で管理する商品販売管理システムであって、前記店舗側端末は、販売対象の前記商品の合計重量を基準重量として重量計測部によって計測する基準重量計測手段と、前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、前記店舗に陳列された前記商品の数を算出する陳列商品数算出手段と、前記基準重量の計測開始からの経過時間をカウントする経過時間カウント手段と、前記重量計測部による前記合計重量の計測を継続し、前記商品の合計重量を現在重量として計測する現在重量計測手段と、前記基準重量と前記現在重量計測手段によって計測された前記現在重量とを対比し、前記基準重量からの重量変化の有無を検出する重量変化検出手段と、前記重量変化検出手段によって重量変化が検出されると、前記基準重量及び前記現在重量に基づいて、重量変化量と、商品販売数及び商品残数の少なくともいずれか一方とに係る販売情報を算出する販売情報算出手段と、算出された前記販売情報及び重量変化の検出された時点での計測開始からの前記経過時間に基づいて、前記商品の販売間隔に係る販売間隔情報を算出する販売間隔情報算出手段と、算出された前記販売間隔情報を前記通信ネットワークを介して前記管理側端末に送信する販売間隔情報送信手段と、算出された前記商品残数に基づいて前記商品の発注の要否を判定する発注判定手段と、前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定されると、店舗スタッフにその旨を報知する、及び/または、前記管理側端末に報知情報を送信する報知情報送信手段とを具備し、前記管理側端末は、前記店舗側端末から送信された前記販売間隔情報を、前記通信ネットワークを介して受信する販売間隔情報受信手段と、前記店舗側端末から送信された前記報知情報を、前記通信ネットワークを介して受信する報知情報受信手段と、予め受信され、若しくは、前記報知情報とともに受信した前記販売間隔情報を解析する販売間隔情報解析手段と、前記販売間隔情報解析手段による解析結果に基づいて、前記店舗で販売する前記商品が適切か否かを判定する解析結果判定手段と、前記解析結果判定手段に基づいて、新たな販売商品を前記店舗に対して推奨する推奨手段とを具備する商品販売管理システム。
【0017】
] 前記店舗側端末は、前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、前記店舗に陳列された前記商品を特定する商品特定手段を更に具備する前記[1]に記載の商品販売管理システム。
【0018】
] 前記店舗側端末は、第一店舗側端末と、前記第一店舗側端末と分離可能に形成され、前記第一店舗側端末との間でデータ通信可能に接続された第二店舗側端末とを備え、前記第一店舗側端末は、前記基準重量計測手段、及び前記現在重量計測手段を少なくとも有するとともに、それぞれ計測された前記基準重量に係る基準重量データ及び前記現在重量に係る現在重量データを第二店舗側端末に送信する重量データ送信手段を更に有し、前記第二店舗側端末は、前記陳列商品数算出手段、前記経過時間カウント手段、前記重量変化検出手段、前記販売情報算出手段、前記販売間隔情報算出手段、及び前記販売間隔情報送信手段の少なくともいずれか一つを有するとともに、前記第一店舗側端末から送信される前記基準重量データ及び前記現在重量データを受信する重量データ受信手段を更に有する前記[1]または]のいずれかに記載の商品販売管理システム。
【0019】
] 前記店舗側端末の前記重量変化検出手段は、前記基準重量からの重量変化が予め設定した規定時間以上継続して検出された場合に、前記重量変化が有ったと判定する重量変化判定手段を更に有する前記[1]~[]のいずれかに記載の商品販売管理システム。
【0020】
] 前記店舗側端末は、前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定され、前記店舗スタッフに報知された前記商品に対する発注データの入力を受付ける発注データ入力受付手段と、受付けた前記発注データを、前記通信ネットワークを介して前記管理側端末に送信する発注データ送信手段とを更に具備し、前記管理側端末は、前記店舗側端末から送信された前記発注データを、前記通信ネットワークを介して受信する発注データ受信手段と、前記発注データ及び前記販売間隔情報の解析結果に基づいて発注処理の適否を判定する発注処理判定手段と、前記発注処理判定手段に基づいて前記商品の発注処理を行う発注処理手段とを更に具備し、前記推奨手段は、前記発注処理判定手段によって発注処理が否定と判定された場合に、新たな前記販売商品についての推奨処理をする前記[2]~[]のいずれかに記載の商品販売管理システム。
【0021】
] 販売対象の商品の合計重量を基準重量として重量計測部によって計測する基準重量計測手段、前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、店舗に陳列された前記商品の数を算出する陳列商品数算出手段、前記基準重量の計測開始からの経過時間をカウントする経過時間カウント手段、前記重量計測部による前記合計重量の計測を継続し、前記商品の合計重量を現在重量として計測する現在重量計測手段、前記基準重量と前記現在重量計測手段によって計測された前記現在重量とを対比し、前記基準重量からの重量変化の有無を検出する重量変化検出手段、前記重量変化検出手段によって重量変化が検出されると、前記基準重量及び前記現在重量に基づいて、重量変化量と、商品販売数及び商品残数の少なくともいずれか一方と係る販売情報を算出する販売情報算出手段、算出された前記販売情報及び重量変化の検出された時点での計測開始からの前記経過時間に基づいて、前記商品の販売間隔に係る販売間隔情報を算出する販売間隔情報算出手段、出された前記販売間隔情報を通信ネットワークを介して接続された管理側端末に送信する販売間隔情報送信手段、算出された前記商品残数に基づいて前記商品の発注の要否を判定する発注判定手段、及び前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定されると、店舗スタッフにその旨を報知する、及び/または、前記管理側端末に報知情報を送信する報知情報送信手段として、前記店舗に設置された店舗側端末を機能させ、前記店舗側端末から送信された前記販売間隔情報を受信する販売間隔情報受信手段、前記店舗側端末から送信された前記報知情報を、前記通信ネットワークを介して受信する報知情報受信手段、予め受信され、若しくは、前記報知情報とともに受信した前記販売間隔情報を解析する販売間隔情報解析手段、前記販売間隔情報解析手段による解析結果に基づいて、前記店舗で販売する前記商品が適切か否かを判定する解析結果判定手段、及び前記解析結果判定手段に基づいて、新たな販売商品を前記店舗に対して推奨する推奨手段として、前記店舗側端末と前記通信ネットワークを介して接続された前記管理側端末を機能させる商品販売管理プログラム。
【0023】
] 前記基準重量計測手段によって計測された前記基準重量に基づいて、前記店舗に陳列された前記商品を特定する商品特定手段として、前記店舗側端末を更に機能させる前記[6]に記載の商品販売管理プログラム。
【0024】
] 前記店舗側端末は、第一店舗側端末と、前記第一店舗側端末と分離可能に形成され、前記第一店舗側端末との間でデータ通信可能に接続された第二店舗側端末とを備え、前記基準重量計測手段、及び前記現在重量計測手段として少なくとも前記第一店舗側端末を機能させるとともに、それぞれ計測された前記基準重量に係る基準重量データ及び前記現在重量に係る現在重量データを第二店舗側端末に送信する重量データ送信手段として、前記第一店舗側端末を更に機能させ、前記陳列商品数算出手段、前記経過時間カウント手段、前記重量変化検出手段、前記販売情報算出手段、前記販売間隔情報算出手段、及び前記販売間隔情報送信手段の少なくともいずれか一つとして前記第二店舗側端末を機能させるとともに、前記第一店舗側端末から送信される前記基準重量データ及び前記現在重量データを受信する重量データ受信手段として、前記第二店舗側端末を更に機能させる前記[または]のいずれかに記載の商品販売管理プログラム。
【0025】
] 前記基準重量からの重量変化が予め設定した規定時間以上継続して検出された場合に、前記重量変化が有ったと判定する重量変化判定手段を有する前記重量変化検出手段として、前記店舗側端末を更に機能させる前記[]~[]のいずれかに記載の商品販売管理プログラム。
【0026】
10] 前記発注判定手段によって前記商品の発注が必要と判定され、前記店舗スタッフに報知された前記商品に対する発注データの入力を受付ける発注データ入力受付手段、及び受付けた前記発注データを、前記通信ネットワークを介して前記管理側端末に送信する発注データ送信手段として、前記店舗側端末を更に機能させ、前記店舗側端末から送信された前記発注データを、前記通信ネットワークを介して受信する発注データ受信手段、前記発注データ及び前記販売間隔情報の解析結果に基づいて発注処理の適否を判定する発注処理判定手段、及び前記発注処理判定手段に基づいて前記商品の発注処理を行う発注処理手段、前記発注処理判定手段によって発注処理が否定と判定された場合に、新たな前記販売商品についての推奨処理を前記推奨手段として、前記管理側端末を更に機能させる前記[]~[]のいずれかに記載の商品販売管理プログラム。
【発明の効果】
【0027】
本発明の商品販売管理システム、及び商品販売管理プログラムによれば、商品の販売状況を重量変化に基づいて把握できるとともに、商品残数が予め規定した数以下になった場合、店長等の店舗スタッフに報知することができる。これにより、物販業務における在庫管理等を行う店舗スタッフの作業負担を軽減するとともに、商品の発注忘れや欠品になることを防止し、販売機会の逸失を防止することができる。その結果、それぞれの店舗における売り上げの向上が期待される。
【0028】
一方、管理側端末の設置された管理会社では、複数の店舗における商品の売れ行き等の販売状況を販売情報及び販売間隔情報として取得することができる。これらの情報は、所謂「ビッグデータ」に相当するものであり、各情報を分析等することにより、各店舗において販売する適これにより、それぞれの店舗の地域性や顧客層に応じて適切な商品が店舗において陳列及び販売されることとなり、商品を提供する管理会社(商社等)の売り上げの向上も期待される。すなわち、本発明の商品販売管理システム等によって店舗及び管理会社の双方が有益な効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態の商品販売管理システムの概略構成を示す説明図である。
図2】重量計測部の概略構成を示す説明図である。
図3】店舗側端末の機能的構成を示すブロック図である。
図4】管理側端末の機能的構成を示すブロック図である。
図5】店舗側端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図6】店舗側端末及び管理側端末の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】店舗側端末及び管理側端末の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態の商品販売管理システム及び商品販売管理プログラムについて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対して適宜変更、修正、改良等を加えるものであっても構わない。
【0031】
本発明の一実施形態の商品販売管理システム1(以下、単に「管理システム1」と称す。)は、図1図7に示すように、複数のサービス提供型の店舗2a,2b,2c・・・2xにそれぞれ設置された店舗側端末3と、店舗側端末3とインターネット等の通信ネットワークNを介して接続され、店舗2a等に対して商品4を提供するメーカーや商社等の管理会社5に設置された管理側端末6とを具備して主に構成されている。
【0032】
店舗側端末3及び管理側端末6には、それぞれ本発明の商品販売管理プログラム(図示しない)がインストールされている。そして、店舗側端末3及び管理側端末6において、それぞれインストール済の商品販売管理プログラムを起動することで、店舗側端末3及び管理側端末6の間で種々の情報及びデータを送受し、商品4に係る販売状況等を管理する本実施形態の管理システム1が確立される。
【0033】
図1は本実施形態の管理システム1の概略構成を示す説明図であり、図2は商品4、陳列用ケース7、及び重量計測部10の概略構成を示す説明図であり、図3は店舗側端末3の機能的構成を示すブロック図であり、図4は管理側端末6の機能的構成を示すブロック図であり、図5は店舗側端末3の処理の流れを示すフローチャートであり、図6及び図7は店舗側端末3及び管理側端末6の処理の流れを示すフローチャートである。
【0034】
本実施形態の管理システム1において、店舗側端末3の設置される店舗2a等は、美容院(ヘアサロン)等の基本的に同じ業態の店舗を主に想定し、商品4として当該美容院でサービス提供の際に使用されるシャンプーやスタイリング剤のようなものを想定し、以下に説明を行うものとする。また、管理会社5は、当該商品4を店舗2a等に対して提供する製造メーカー、商社、卸会社等を想定する。なお、本発明における店舗2a等、商品4、及び管理会社5は上記想定に限定されるものではなく種々の業態、及び商品について適用するものであってもよい。但し、管理会社5は、美容院、ネイルサロン、またはリラクゼーションサロン等の業態別に本実施形態の管理システム1を構築することで、より効率的な運営が可能となる。なお、本実施形態の管理システム1において、上記のようにサービス提供型の店舗に店舗型端末を設置するものを示したが、これに限定されるものではなく、小売業務を主体とする店舗に設置するものであってももちろん構わない。
【0035】
店舗側端末3及び管理側端末6は、互いに種々の情報及びデータ等を送受信可能な機能及びその他各種の演算処理機能を備えるものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、店舗側端末3及び管理側端末6として、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、及びスマートフォン端末等の周知の電子機器を主に使用することができる。そのため、大規模な設備投資を必要とすることがなく、既存の電子機器を流用して本実施形態の管理システム1を構築することができる。すなわち、管理システム1の導入に係る初期費用が抑えられる。
【0036】
なお、管理側端末6は、複数の店舗側端末3とそれぞれ接続し、個々の店舗側端末3毎に販売状況に関する情報を取得し、当該情報に基づいて解析等の処理を実行する必要があるため、演算処理能力が高く、かつ記憶容量の大きな記憶媒体を備えたワークステーション等の電子機器を使用することが好適である。
【0037】
一方、店舗側端末3は、店舗2a等における設置スペースを多く占有することなく、かつ操作性の良好なタブレット端末やスマートフォン端末を主に用いることが好適である。なお、タブレット端末及びスマートフォン端末に対しては、本発明の商品販売管理プログラムは、例えば、所謂「アプリ」の形態で提供され、各端末にインストールされることになる。なお、本発明の商品販売管理プログラムは、上記アプリのように、店舗側端末3の内部に搭載される形式に限定されるものではなく、例えば、ウェブ上に置かれたアプリケーションにブラウザ等を用いてアクセスし、本発明の管理システム1の一部として店舗側端末3を機能させるもの、或いは、仮想サーバー上に置かれたクラウドアプリを用いて店舗側端末3を機能させるものであっても構わない。このように、ウェブ或いはクラウド上にアプリケーション(ソフトウェア)を設置することで、機能の更新等を行う場合の作業が速やかに行えるようになる。また、店舗側端末3には、そのほかに重量センサ等の重量計測機能を備える構成(詳細は後述する)が必要となる。
【0038】
店舗側端末3の構成について更に具体的に説明すると、例えば、図1図3等に示すように、商品4及び当該商品4を収容し、陳列する陳列用ケース7の合計重量を計測するための機能(重量計測機能)を有する重量計測部10と、それ以外の機能を有する端末本体30とに互いに分離して形成したものであっても構わない。ここで、重量計測部10が本発明における第一店舗側端末に相当し、端末本体30が本発明における第二店舗側端末に相当する。なお、本実施形態の管理システム1において、商品4及び当該商品4を陳列するための陳列用ケース7の重量を合わせたものが、本発明における「商品の合計重量」に相当する。もちろん、商品4のみを計測するもの、或いは、予め陳列用ケース7の重量を引いた状態で合計重量を計測するものであっても構わない。また、重量計測部10(第一店舗側端末)は、少なくとも重力計測に係る機能(手段)を備えていればよく、それ以外の機能(手段)、例えば、後述する重量変化検出手段37や販売情報算出手段42等を備えているものであっても当然構わない。その場合、端末本体30(第二店舗側端末)において、重量計測部10側に設置された機能(手段)を省略することができる。第一店舗側端末及び第二店舗側端末の各機能の振り分けは、重量計測に係る機能以外は任意に行うことができる。
【0039】
ここで、端末本体30は、上記したタブレット端末等を用いることができる。一方、重量計測部10は、従来から周知の電子天秤等、或いは重量センサ等の機能を備えたものを用いて比較的簡易に構成することができる。
【0040】
本実施形態の管理システム1の場合、図1等に示すように、店舗側端末3における重量計測部10及び端末本体30の間は、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等の周知の無線通信技術を用いて、相互にデータ通信可能に形成されている。このように、店舗側端末3を重量計測部10(第一店舗側端末)及び端末本体30(第二店舗側端末)の二つに分離可能に形成することで、店舗2a等に設置する際の設置位置や設置スペースに関する制限を小さくすることができる。すなわち、レジ周辺などの顧客が商品4を手に取りやすい場所に重量計測部10を設置し、商品4を陳列するとともに、端末本体30は店舗2a等の事務スペース等に設置することができる。このような場合でも周知の無線通信技術を介してデータ通信可能なため、ケーブルの配線等を考慮する必要がない。
【0041】
なお、重量計測部10及び端末本体30をUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)ケーブル等の周知の有線ケーブルで有線接続したもの、或いは、重量計測部10及び端末本体30の機能を一体化して店舗側端末3を構築しても構わない。更に、図1等において、一つの端末本体30に対して、一つの重量計測部10のみが接続されているものを示したが、これに限定されるものではなく、店舗2a等に設置された一つの端末本体30に対して複数の重量計測部10が接続可能なものであってもよい。
【0042】
これにより、店舗2a等で取り扱われ、販売される複数の商品4のそれぞれについて重量変化に基づく販売状況の管理をまとめて行うことができる。但し、本実施形態の管理システム1では、説明の簡略化のために、一つの端末本体30と当該端末本体30と分離可能に形成され、データ通信可能に接続された一の店舗側端末3からなる構成について例示するものとする。以下、店舗側端末3及び管理側端末6のそれぞれの機能的構成について具体的に説明する。
【0043】
店舗側端末3の重量計測部10は、その機能的構成として、販売対象となる商品4及び複数の当該商品4を収容し、レジ周辺等に陳列するためのディスプレイ機能を備える陳列用ケース7の合計重量を計測するための重量計測手段11と、計測された合計重量を基準重量に係る基準重量データ12または現在重量に係る現在重量データ13として管理側端末6に向けて送信するための重量データ送信手段14を含む重量計測部通信制御手段15とを主に具備して構成されている。
【0044】
すなわち、重量計測部10による合計重量の計測結果を前述の無線通信手段を介して管理側端末6に送信する機能を有している。ここで、重量計測手段11が、本発明における基準重量計測手段及び現在重量計測手段に相当する。
【0045】
重量計測部10の外観構成は、例えば、図1及び図2等に示されるように、重量計測部本体16と、重量計測部本体16の上部に設置された略円盤状の計量台17とを主に具備し、当該計量台17の上面に陳列用ケース7に収容された状態の複数の商品4を載置することで、1または複数個の商品4及び陳列用ケース7の合計重量を計測することができる。本実施形態の管理システム1では、商品4として、縦長略直方体形状のパッケージ18内に格納されたシャンプーの販売について例示するものとする。
【0046】
一方、陳列用ケース7は、紙製材料によって構築され、上方に開口した開口部19を備える陳列収容部20と、陳列収容部20の背面側から立設された背板部21とを備えている。開口部19は上方から視ると長方形状を呈し、上記商品4(パッケージ)のサイズに合わせて縦(奥行き)及び横(幅)の長さが決定されている。そのため、陳列収容部20の上方から開口部19を介して複数の商品4を挿入することで、図1等に示されるように、縦4列×横3列に並べて、最大12個の商品4を陳列用ケース7の陳列収容部20に隙間なく収容することができる。なお、陳列用ケース7は、図1及び図2に示した形状に限定されるものではない。更に、先に示した重量計測部10の重量計測部本体16及び/または計量台17に、商品4を収容可能な上記の陳列収容部20等を機能を付して構成したものであっても構わない。これにより、特に複雑な操作を行うことなく、商品4のみの重量を計測することができる。その結果、後述する販売情報41等の算出が容易になる。
【0047】
重量計測部10の構成は、前述したように、既知の秤(電子天秤等)と略同一の機能に関するものであり、本明細書では詳細な説明は省略するものとする。また、重量計測部通信制御手段15についても、従来の周知技術を利用することにより容易に計測することができる。
【0048】
一方、端末本体30は、図3に主に示すように、重量計測部10の重量データ送信手段14によって送信される重量データ12,13を受信する重量データ受信手段31を含む店舗側端末通信制御手段32と、受信した基準重量データ12に基づいて、販売状況を管理しようとする商品4を特定する商品特定手段33と、基準重量データ12に基づいて陳列用ケース7に収容された商品の数(陳列商品数:陳列商品数データ34a)を算出する陳列商品数算出手段34と、重量計測部10の重量計測手段11による商品4及び陳列用ケース7の合計重量(基準重量)の計測開始からの経過時間をカウントし、経過時間データ35として記憶可能な経過時間カウント手段36と、重量計測部10の重量計測手段11によって計測された現在重量に係る現在重量データ13と、既に計測した基準重量に係る基準重量データ12と対比し、基準重量からの重量変化の有無を検出する重量変化検出手段37とを主に具備している。
【0049】
端末本体30が上記構成を備えることにより、重量計測部10から送信(送出)された各重量データ12,13を受信することができ、更に計量台17に載せられた商品4が何であるかを特定することができる。更に、基準重量データ12に基づいて陳列されている商品の個数(陳列商品数)を把握することができる。なお、商品の特定及び陳列商品数の算出に関する詳細は後述する。
【0050】
これにより、本管理システム1を使用する上で特に複雑な操作を行うことがなく、重量計測部10の計量台17の上に商品4等を載せる単純な操作で本管理システム1を稼働させることができる。更に、重量計測部10に商品4等が載せられた計測開始のタイミングを基準として、重量変化の有るまでの経過時間をカウントすることが行われる。換言すれば、商品4の販売開始からの経過時間をカウントすることで、後述する販売間隔情報43を取得することが可能となり、販売状況についての客観的な判断をするための基礎的な上方が得られる。
【0051】
加えて、端末本体30は、重量変化検出手段37によって重量変化が検出されると、換言すると現在重量の値が基準重量の値から逸脱している場合、既に記憶された基準重量に係る基準重量データ12を呼び出すとともに、重量変化量(=基準重量-現在重量)に係る重量変化量データ38と、商品販売数(=重量変化量/商品1個当たりの重量)に係る商品販売数データ39及び商品残数(=陳列商品数-算出された商品販売数)に係る商品残数データ40の少なくともいずれか一方とに係る販売情報41を算出する販売情報算出手段42と、算出された販売情報41及び重量変化の検出された時点の計測開始からの経過時間(経過時間データ35)に基づいて、当該商品4の販売間隔に係る販売間隔情報43を算出する販売間隔情報算出手段44と、算出された販売間隔情報43を管理側端末に送信する販売間隔情報送信手段と、販売情報算出手段42によって算出された商品残数に係る商品残数データ40と、例えば、予め規定された規定商品数に係る規定商品数データ45とを対比し、商品4の発注の要否を判定する発注判定手段46と、発注判定手段46によって商品4の発注が必要と判定されると、店舗スタッフ等にメールその他の手段を介して店舗スタッフ等にその旨を報知する処理を行う、及び/または、管理側端末6に報知情報47を送信する報知情報送信手段とを具備している。なお、本実施形態の管理システム1では、本発明における販売間隔情報送信手段及び報知情報送信手段を総称し、店舗側情報送信手段48として図等に表している。ここで、店舗側情報送信手段48は、店舗側端末通信制御手段32の一部として含まれている。また、報知情報47の中に、算出された販売情報41及び販売間隔情報43を含むものであっても構わない。ここで、販売間隔情報43は、店舗側端末3によって算出された後で速やかに管理側端末6に送信されるものであっても、或いは、販売間隔情報43を算出後、その後に店舗側端末3から報知情報47が送信される際に、当該報知情報47に含めて管理側端末6に送信されるものであってもよい。なお、本実施形態の管理システム1では、報知情報47に販売間隔情報43を含んで送信が行われるものについて説明を行うものとする。なお、販売情報41は、重量変化量に係る重量変化量データ38を少なくとも含み、更に商品販売数に係る商品販売数データ39及び商品残数に係る商品残数データ40の少なくともいずれか一方とを備えるものであればよい。
【0052】
店舗側端末3が上記構成を備えることにより、重量計測部10により計測された商品4及び陳列用ケース7の合計重量の変化に基づいて、商品4の販売がなされたことを管理システム1が認識することができる。更に、得られた現在重量に基づいて、基準重量との差(重量変化量=基準重量-現在重量)が求められる。
【0053】
ここで、商品1個当たりの重量は、予め特定された特定商品情報58の中に含まれている。そのため、重量変化量を商品1個当たりの重量で除した値が、販売された商品の個数(商品販売数)と推定することができる。なお、合計重量の計測は多少の誤差が含まれるため、上記商品販売数の算出も適宜数値を四捨五入等することで算出することができる。更に、算出された商品販売数を当初陳列商品数から減ずることにより、商品残数を算出することができる。
【0054】
端末本体30には、例えば、商品4が残り何個になったときに発注処理を行うための規定商品数に係る規定商品数データ45が予め設定されている。そして、発注判定手段46により、算出された商品残数に係る商品残数データ40を対比する処理を行い、“規定商品数データ≧商品残数データ”の条件を満たす場合に、店舗スタッフに対して当該商品4の発注を促す旨の出力を行う。なお、発注判定手段は、上記に示したように、予め設定された規定商品数データ45のみに基づいて発注の要否を判定するものに限定されるものではなく、その他方法により決定するものであっても構わない。例えば、各種イベントの開催時期、季節、及び気候条件等の種々の条件に基づいて、発注条件を適宜変更するものであっても構わない。更に具体的に説明すると、過去の経験、販売実績等から特定の時期、例えば、卒業や入学シーズンの前に当該商品4の販売量が増加することが解っている場合、通常の規定商品数データ45に至る前でも発注の要否を促す旨の出力を行うものであっても構わない。一方、当該商品4の販売量が例年において減少することが解っている場合は、上記規定商品数データ45以下であって発注の要否を促す旨の出力を行わないようにすることができる。これにより、適切なタイミングで発注の要否を判定することができる。
【0055】
この場合、端末本体30に設けられた液晶ディスプレイ49にその旨を表示出力したり、或いは店舗スタッフの所有するスマートフォン端末(図示しない)等に当該旨を示したメールを送信するものであっても構わない。
【0056】
更に、店舗スタッフへの上記報知処理と併せて、販売情報41及び販売間隔情報43を含んだ報知情報47が管理側端末6に向けて端末本体30から送信することができる。なお、店舗スタッフへの報知処理、或いは、報知情報47の管理側端末6のいずれか一方のみを行うものであっても構わない。これにより、管理側端末6は通信ネットワークNを介して当該報知情報47を受信し、販売状況を把握するための解析に利用することができる。
【0057】
店舗側端末3の重量変化検出手段37は、基準重量及び現在重量の対比により、基準重量からの重量変化が検出され、予め設定した規定時間以上継続して重量変化が継続した場合に、重量変化が有ったものと判定処理をする重量変化判定手段50を含むものであっても構わない。
【0058】
例えば、店舗2a等において顧客等が当該商品4を一時的に持ち上げ、ラベル等を確認した後、再び、陳列用ケース7に収容した場合、重量変化の検出以降の処理の実行をキャンセルすることができる。すなわち、一時的な重量変化を検出した場合であっても、その重量変化が規定時間以上継続して計測されない限り、商品の販売が行われたと看做すことがない。これにより、販売情報41及び販売間隔情報43を更に精度良く算出することができる。
【0059】
更に、店舗側端末3は、その他の機能的構成として、商品4の発注が必要と報知した後、店舗スタッフによる当該商品4を発注する発注データ51の入力を受付ける発注データ入力受付手段53と、受付けた発注データ51を通信ネットワークNを管理側端末6に送信する発注データ送信手段54とを更に有している。
【0060】
ここで、発注データ送信手段54は、店舗側端末通信制御手段32の一部として含まれている。かかる構成を備えることにより、店舗スタッフは、商品4の発注の必要性の報知を受けた後、直ぐに本実施形態の管理システム1を介して商品4の発注を行うことができる。このように簡単な操作で発注処理が完了するため、発注のし忘れや商品4の欠品等のおそれがなく、商品4の販売機会が失われる可能性が低くなる。その結果、店舗2a等における売り上げ増が見込まれるようになる。なお、発注データ51の入力は、端末本体30に搭載されたタッチパネル52(入力手段)を介して行うことができる。
【0061】
店舗側端末3は、各種情報及びデータを記憶する店舗側端末記憶手段55を更に備えている。これにより、店舗側端末記憶手段55は、重量計測部10から受信した基準重量データ12及び現在重量データ13、及びこれらに基づいて算出された重量変化量データ38を記憶し、更に、算出された陳列商品数データ34a、商品販売数データ39、商品残数データ40を記憶することができる。更に、店舗側端末記憶手段55は、経過時間カウント手段36によってカウントされた経過時間に係る経過時間データ35、規定商品数データ45、及び入力を受付けた発注データ51を記憶することができる。
【0062】
更に店舗側端末記憶手段55は、予め販売対象となる複数の商品4に関する属性(商品名、商品1個当たりの重量、当該商品用の陳列用ケースの重量、陳列用ケースの最大収容量等)に係る商品情報56を記憶した商品情報データベース57が格納されている。これにより、商品特定手段33によって重量計測部10で計測された商品4を特定することが可能となっている。更に、特定された商品4については、販売情報41等を算出するために、別途抽出して店舗側端末記憶手段55に記憶される。
【0063】
一方、管理側端末6は、その機能的構成として、店舗側端末3から送信された販売間隔情報43及び報知情報47を受信する管理側情報受信手段60及び発注データ51を受信する発注データ受信手段61を有する管理側端末通信制御手段62と、受信した報知情報47に含まれる販売間隔情報43を解析する販売間隔情報解析手段63と、販売間隔情報解析手段63による解析結果に係る解析結果データ64に基づいて、店舗2a等で販売する商品4の適切性を判定する解析結果判定手段65と、解析結果判定手段65の判定結果に係る判定結果データ66に基づいて、新たな販売商品を店舗2a等に対して推奨する推奨手段67とを主に具備して構成されている。ここで、管理側情報受信手段60が本実施形態の管理システム1における販売間隔情報受信手段及び報知情報受信手段に係る機能を備えている。
【0064】
更に、管理側端末6は、その他機能的構成として、店舗側端末3から送信された発注データ51を受信した後、当該発注データに基づいて商品4の発注処理を行う発注処理手段68と、発注データ51及び販売間隔情報43に基づく解析結果データ64及び判定結果データ66に基づいて、発注処理の適否を判定する発注処理判定手段69とを更に具備している。
【0065】
上記構成に加え、管理側端末6は、受信した報知情報47、及び解析及び判定の結果に係る解析結果データ64及び判定結果データ66等を記憶するための管理側端末記憶手段70と、各種情報及びデータを表示するための液晶ディスプレイ等で構成される管理側端末表示手段71と、管理側端末6に対する各種操作及びデータ等の入力を行うためのキーボード及びマウス等で構成される管理側端末入力手段72とを具備している。
【0066】
管理側端末6が上記構成を備えることにより、店舗側端末3から送信された報知情報47に基づいて、当該商品4の販売状況を解析することが可能となる。すなわち、報知情報47に含まれる販売間隔情報43によって、当該商品4がどの程度の頻度で販売されるか、換言すれば、所定の期間の間に何個販売されるか(例えば、「4個/週」或いは「10個/月」等)について客観的なデータとして把握することができる。更に、具体的に説明すると、商品4によっては、一日にまとめて何個も売れた後、その後は全く売れなくなることもある。このような場合でも所定の期間(例えば、1週間や1ヶ月など)に販売された商品4の数から平均販売個数を算出することができる。これにより、一時的な販売実績に影響されることなく販売間隔情報43に基づく解析を行うことができる。
【0067】
これにより、各店舗2a等毎の商品4の売れ行きを確認し、販売間隔が著しく低い場合には解析結果データ64に基づいて別の新しい商品の販売を店舗2a等に対して提案した方がよいか否かの、商品の販売適正について判定した後、得られた判定結果データ66に基づいて推奨処理を行うことができる。なお、新しい商品の推奨の方法は特に限定されるものではなく、メール等の周知の手法を用いることができる。
【0068】
加えて、上記の新しい商品の推奨処理は、判定結果データ66を得た直後に行う必要はなく、例えば、店舗側端末3から当該商品4についての発注データ51が送信され、管理側端末6でこれを受信した後、発注処理についての判定を行い(発注処理判定手段69)、既に判定された判定結果データ66に基づいて発注の可否を決定することができる。
【0069】
商品4を販売することの適切性が認められると判定された場合には、店舗2a等からの商品4の発注を受付け、商品4の発送等の処理を実行する(発注処理)。一方、商品4を販売することの適切性が否定された場合には、判定結果データ66に基づいて、別の商品の販売を推奨するメール等を店舗側端末3に送信する等の推奨処理が実行される。
【0070】
このとき注文された商品4の発注処理は一時的に中止される。これにより、店舗2a等では、売れ行きの芳しくない商品4の販売状況を客観的に把握することができ、店舗2a等に商品4の変更の機会を与えることができる。その結果、店舗2a等において不要な在庫の商品4が溜まることがなく、当該商品4の販売スペースを推奨または提案された新しい商品に変更することにより、売り上げを向上させる機会が増加する。なお、一時的に中止された発注処理は、店舗側端末3からの再依頼により継続することができる。当該店舗の特殊な事情に基づいてその商品4を販売する必要がある可能性を考慮したものである。
【0071】
このように、本実施形態の管理システム1は、店舗2a等に設置された店舗側端末3によって商品4の重量変化の有無を検出し、かかる重量変化に応じて商品4の販売状況を把握できるとともに、販売状況の把握とともに当該商品4の販売間隔に係る販売間隔情報43を取得することで、当該店舗2a等における商品4の売れ行きを把握し、物販業務についての改善を図ることができる。
【0072】
本実施形態の管理システム1において、店舗2a等に設置される店舗側端末3は、広く普及しているタブレット端末やスマートフォン端末(端末本体30に相当)を主として用いることができ、重量計測部10に係る構成を用意することで速やかに構成することができる。そのため、本管理システム1を導入しようとする店舗2a等にとって大幅な設備投資を行う必要がなく、比較的小規模な店舗2a等であって手軽に本実施形態の管理システム1を採用することができる。
【0073】
以下、本実施形態の管理システム1における店舗側端末3及び管理側端末6におけるそれぞれの処理の一例について、図4図6のフローチャートに基づいて説明を行うものとする。なお、店舗側端末3及び管理側端末6はそれぞれ本発明の商品販売管理プログラムがインストールされ、更に当該プログラム(またはアプリ)の起動が完了した状態にあるものとする。
【0074】
始めに、店舗側端末3の設置された店舗2a等の店舗スタッフにより、重量計測部10の計量台17の上に、陳列用ケース7と、当該陳列用ケース7に収容された複数の商品4(図1等)を載せる。重量計測部10は、重量計測手段11に基づいて、複数の商品4及び陳列用ケース7の初期状態の合計重量を計測する。
【0075】
ここで、初期状態の合計重量が「基準重量」として規定される。本実施形態の管理システム1が起動された直後は、計量台17の上には何も載っていない状態にある。すなわち、重量計測部10の重量計測手段11は「重量値=0」を検出する。そして、重量計測部10の計量台17の上に、複数個の商品4を収容した状態の陳列用ケース7を載せることで、重量計測手段11は重量値が0以上の重量を検出する。このときの商品4及び陳列用ケース7の合計重量が基準重量として計測される(ステップS1:重量計測手段11)。なお、計測された基準重量の値は、基準重量データ12として、端末本体30に送信される。
【0076】
端末本体30では、送信された基準重量データ12を受信した後、計量台17に載せられた商品4を特定する処理を行う(ステップS2:商品特定手段33)。具体的に説明すると、端末本体30の店舗側端末記憶手段55に記憶された商品情報データベース57に登録された複数の商品に関する商品情報56に基づいて係る特定処理が実施される。ここで、商品情報56には、例えば、商品の名称、商品1個当たりの商品重量、陳列に使用される陳列用ケースのケース重量、及び陳列用ケース7に収容可能な商品4の最大収容数(最大陳列商品数)に関する情報、その他属性についての情報が含まれている。
【0077】
すなわち、1個当たりの商品重量a[g]と、陳列用ケースのケース重量b[g]とが予め既知の場合、商品数がn個の場合の商品及び陳列用ケースの合計重量は、“n×a+b[g]”で求められる。ここで、それぞれの商品毎に1個当たりの商品重量a[g]が異なり、かつ、商品4に対応する陳列用ケース7のケース重量b[g]を異なるように設定することで、計測された合計重量(基準重量)からどの商品4が計量台17に載せられたかを特定することができる。この場合、A商品の商品重量に対し、B商品の商品重量が倍数とならないような対応をする必要がある。
【0078】
そして、特定された商品に関する商品情報56が特定商品情報58として抽出され、店舗側端末記憶手段55に一時記憶として記憶される。これにより、後述する販売情報41の算出の際に特定商品情報58を適宜利用することができる。なお、上記の商品4の特定処理は、本発明の管理システムに必須の構成ではなく、例えば、システム起動直後に販売対象の商品4に関する商品情報について、店舗スタッフ等から直接入力されたものを受付けたり、商品情報データベース57に登録された商品情報56の中から店舗スタッフ等が選択したものを受付けたりすることで商品4を特定するものであっても構わない。また、商品情報データベース57の中から特定商品情報58を抽出することなく、その都度、商品情報56を参照するものであってもよい。しかしながら、上記のような商品4の特定処理を自動化することで店舗スタッフ等を煩雑な入力作業から開放することができる。更に、特定商品情報58として抽出することで、販売情報41等の算出処理を素早く行うことができる。
【0079】
更に、上記商品4の特定処理と同時に、陳列用ケース7にどれだけの数の商品4が収容されているかの算出処理が行われる(ステップS3:陳列商品数算出手段34)。すなわち、先に示した式における“n”の数が求められる。かかる算出は、基準重量、商品重量a[g]、及びケース重量b[g]の値から容易に算出することができる。
【0080】
更に、端末本体30は、重量計測部10から基準重量データ12の送信が行われた時点を計測開始と認識し、当該時点からの経過時間をカウントする処理を行う(ステップS4:経過時間カウント手段36)。後述する販売間隔情報43を算出するために、計測開始(販売開始)からの経過時間が必要となるためである。
【0081】
経過時間カウント手段36は、従来から周知の経時機能(ストップウォッチ機能)等を流用することが可能なため、ここでは詳細な説明は省略する。上記ステップS2~S4とほぼ同じタイミングで、受信した基準重量データ12の記憶処理(ステップS5:店舗側端末記憶手段55)、及び、算出した陳列商品数データ34aの記憶処理(店舗側端末記憶手段55)が行われる。
【0082】
上記処理を行った後、店舗側端末3は、重量計測部10による計量台17の上に載置された商品4及び陳列用ケース7の合計重量に係る重量計測の処理を継続する。そして、ステップS1において計測した基準重量からの重量変化を検出する処理を行う(ステップS7:重量変化検出手段37)。
【0083】
重量変化の検出が有る場合(ステップS8においてYES)、すなわち、商品4及び陳列用ケース7の合計重量に変化がある場合、ステップS9の処理に移行する。ここで、重量変化(特に、重量減)がある場合は、陳列された商品4の中から少なくとも1個の商品4が取り出され、販売された可能性が高いと判断される。そして、ステップS9の処理において、重量計測部10によって計測された重量変化のあった時点での重量(現在重量)の重量値が“0以外”か否かの判断がなされる。
【0084】
ここで、現在重量の値が0の場合(ステップS9においてNO)、重量計測部10の計量台17から商品4及び陳列用ケース7の全てが取り除かれたものと判定される。すなわち、販売対象として陳列された商品4の交換作業が行われたものと看做される。この場合、各種処理によって予め取得され、若しくは端末本体30の店舗側端末記憶手段55に既に記憶された情報(特定商品情報58)等やその他条件を初期状態にするリセット処理が行われ(ステップS11)、その後にステップS1の処理に戻る。これにより、本実施形態の管理システム1における処理を再び繰り返す。上記の通り、販売する商品4等を交換する作業を行う場合、計量台17の商品4等を一時的に全て取り除く作業を行う必要がある。そのため、このような作業の後で、新たな商品を計量台17に載せることで、本実施形態の管理システム1は、再び、基準重量の計測(ステップS1)及び商品4の特定処理(ステップS2)等を繰り返すことができる。
【0085】
このように、販売対象の商品4等を変更しようとする場合であっても、計量台17から全ての商品4等を取り除き、重量計測手段11によって重量値が0の状態を検出させることにより、容易に管理システム1を再稼働させることができる。このため、店舗スタッフに複雑な操作をさせることがない。
【0086】
一方、現在重量の値が0以外の場合(ステップS9においてYES)、重量変化を検出し、かつその重量変化が予め規定した規定時間以上継続しているか否かを確認する(ステップS10)。
【0087】
ここで、重量変化の検出が規定時間以内の場合(ステップS10においてNO)、例えば、顧客が陳列用ケース7から商品4を手にとったものの、購入せずにそのまま陳列用ケース7に戻した場合、商品4の販売が行われたものと看做さないとする処理が行われる。商品4を陳列して販売する場合、上記のように一旦商品を手にとって内容等を確認する操作が一般的に行われる。このような操作までも検出し、商品4の販売が行われたと認識されると正確な販売情報41の算出ができないためである。なお、規定時間以上の継続か否かの検出の有無以外に、予め規定した時間(例えば、美容院の終業時等)に前日の合計重量(基準重量)からの重量変化の有無を検出するようにしても構わない。
【0088】
一方、重量変化の検出が規定時間を超える場合(ステップS10においてYES)、例えば、顧客が商品4を購入し、計量台17から商品4が抜き取られたことによって現在重量が基準重量より少なくなる重量変化が認められ、かつ、当該重量変化が規定時間(例えば、30分以上、1時間以上、6時間以上等)を超えて継続している場合には、商品4の販売が確実に行われたものと判断することができる。ここで、上記ステップS9~S11に係る処理が本発明における重量変化判定手段50に相当する。
【0089】
そして、計測開始から重量変化が検出されるまでの経過時間(経過時間データ35)の記憶(ステップS12)、及び、現在重量(現在重量データ13)の記憶(ステップS13)に係る処理を行う。
【0090】
その後、店舗側端末3は、取得した現在重量データ13及び既に記憶された基準重量データ12から、重量変化量を算出する(ステップS14:販売情報算出手段42)。具体的に説明すると、基準重量データ12から現在重量データ13を減ずる(=基準重量-現在重量)。これにより、重量変化によって生じた重量変化量(重量変化量データ38)が求められる。
【0091】
更に、店舗側端末3は、求められた重量変化量から販売された商品の数(商品販売数)を算出する(ステップS15:販売情報算出手段42)。すなわち、ステップS14で求めた重量変化量を特定商品情報58に含まれる商品4の1個当たりの商品重量a[g]で除した値を求める(=重量変化量/a[g])。これにより、商品販売数が決定される。
【0092】
更に、求められた商品販売数と、既に算出済の陳列商品数とに基づいて、商品残数を算出する(ステップS16:販売情報算出手段42)。すなわち、基準重量を計測した時点で計量台17に陳列されていた陳列商品数から上記商品販売数を差し引くことで、現時点において計量台17に陳列されている商品の数(商品残数)が求められる。
【0093】
ここで、ステップS14~ステップS16においてそれぞれ算出された重量変化量、商品販売数、及び商品残数についてはそれぞれ重量変化量データ38、商品販売数データ39、及び商品残数データ40として、店舗側端末記憶手段55のその都度記憶されている。また、重量変化量データ38、商品販売数データ39、及び商品残数データ40をまとめて販売情報41として記憶される。
【0094】
更に、店舗側端末3は、ステップS15において求められた商品販売数に係る商品販売数データ39と、重量変化が検出された時点における経過時間データ35に基づいて販売間隔情報43の算出を行う(ステップS17:販売間隔情報算出手段44)。ここで、販売間隔情報43は、例えば、商品が1個売れるまでの時間(=経過時間/商品販売数:例えば、2日/個等)、或いは、所定期間に商品が何個販売されたか(=商品販売数/経過時間:例えば、4個/週等)のいずれかで表すことができる。なお、経過時間データ35に基づく販売間隔情報43の算出は、分単位や時間単位で算出するものではなく、例えば、日単位や週単位など比較的長い時間を時間単位とした販売間隔情報43を算出するものであってもよい。
【0095】
その後、予め設定され、店舗側端末記憶手段55に記憶されていた規定商品数データ45と、ステップS16により算出された商品残数(商品残数データ40)との対比が行われる(ステップS18:発注判定手段46)。
【0096】
ここで、“規定商品数≧商品残数”の条件を満たす場合(ステップS18においてYES)、店舗2a等における商品4の在庫数が僅少と判断し、店舗スタッフにメール送信や端末本体30の液晶ディスプレイ49に表示する手法等により、商品残数を報知する(ステップS19)。これにより、店舗スタッフに商品4の発注を促す。このとき、店舗側端末3は、上記報知処理と同時に管理側端末6に対して販売情報41及び販売間隔情報43を含む報知情報47の送信処理をする(ステップS19:報知情報送信手段(店舗側情報送信手段48))。
【0097】
一方、“規定商品数≧商品残数”の条件を満たさない場合(ステップS18においてNO)、すなわち、店舗2a等において商品4の在庫数が十分である場合は、移行のステップS19~ステップS21の処理をキャンセルし、ステップS22の処理に移行する。
【0098】
ここで、管理側端末6は、システムを起動した後、店舗側端末3から送信された報知情報47の受付処理(ステップT1:報知情報受信手段(管理側情報受信手段60))を継続している。上記のように、店舗側端末3からの報知情報47の送信がなされ、当該報知情報47の受付が有る場合(ステップT1においてYES)、受付けた報知情報47を管理側端末記憶手段70に記憶する(ステップT2)とともに、報知情報47に含まれる販売間隔情報43の解析処理を行う(ステップT3:販売間隔情報解析手段63)。
【0099】
そして、販売間隔情報43の解析結果により、商品4の販売の適切性について判定処理をする(ステップT4:解析結果判定手段65)。ここで、「販売の適切性」とは、商品4が1週間に5個以上売れるものを適正と判断したり、商品4の販売間隔が1ヶ月以上空くものを不適と判断したりすることができる。なお、商品4の属性(価格等)に応じて任意に適切性を設定することができる。これにより、陳列された商品4を全て売り切るまでに数ヶ月以上要する場合には、当該商品4の販売が適切でないと判断することができる。このようにして、販売間隔情報43に基づく解析処理を行うことで、売れ筋の商品4と層でない商品4とを客観的な情報に基づいて判定することができる。その結果、従来のように店舗スタッフの主観や恣意的な判断によって販売する商品4を決定していたものと比べ、客観的かつ合理的な判断により、販売する商品4の選定を行うことができる。
【0100】
店舗側端末3は、管理側端末6に対して報知情報47を送信(ステップS19)した後、発注データ51の入力の有無を検出し(ステップS20:発注データ入力受付手段53)、発注データ51の入力が有る場合(ステップS20においてYES)、入力された発注データ51を管理側端末6に送信する(ステップS21:発注データ送信手段54)。一方、発注データの入力がない場合(ステップS20においてNO)、ステップS21の処理をキャンセルし、ステップS22の処理に移行する。
【0101】
その後、店舗側端末3は、本システム(管理システム1)の終了指示の入力受付の有無を検出し(ステップS22)、システム終了の指示がある場合(ステップS22においてYES)、システム終了の処理をする(ステップS23)。一方、システム終了の指示がない場合(ステップS22においてNO)、店舗側端末記憶手段55に記憶された基準重量に係る基準重量データ12を、現時点における現在重量データ13の値にセットする(ステップS24)。
【0102】
一方、陳列商品数に係る陳列商品数データ34aの値を現時点における商品残数(商品残数データ40)の値にセットする(ステップS25)。その後、ステップS5の処理に戻り、システムによる処理を継続する。これにより、システム終了の指示がない限り、重量変化による商品4の販売状況の把握を継続することができる。
【0103】
一方、管理側端末6は、商品4の販売の適切性に関する処理を行った後、店舗側端末3からの発注データ51が送信されるまで待機する。店舗側端末3から発注データ51の送信がなされ、当該発注データ51の受付を検出する場合(ステップT5においてYES)、管理側端末6はこれを受付ける(ステップT6:発注データ受信手段61)。
【0104】
更に、受信した発注データ51及びステップT4において判定処理された判定結果データ66に基づいて、発注処理の適否を判定する(ステップT7:発注処理判定手段69)。判定結果データ66が良好の場合(ステップT7においてYES)、商品4の発注処理を実施する(ステップT8)。
【0105】
一方、判定結果データ66が良好でない場合(ステップT7においてNO)、発注処理を一時的に保留し、店舗2a等に対して販売する商品を変更するように提案する推奨処理を行う(ステップT9)。ここで、推奨処理は店舗側端末3に対して推奨する内容のメール送信を行う、或いは、その他の方法により、店舗スタッフに商品変更の提案を明らかにできるもので構わない。
【0106】
その後、管理側端末6は、本システム(管理システム1)の終了指示の入力受付の有無を検出し(ステップT10)、システム終了の指示がある場合(ステップT10においてYES)、システム終了の処理をする(ステップT11)。一方、システム終了の指示がない場合(ステップT10においてNO)、ステップT1の処理に戻り、システムによる処理を継続する。
【0107】
以上説明したように、本実施形態の管理システム1によれば、商品4の販売有無を重量変化によって検出し、規定商品数以下になったことを検出することで店舗スタッフに発注処理を促すことができる。これにより、店舗2a等において発注処理に係るタイミングを逃すことがなく、商品4が欠品等の事態になることを事前に回避することができる。加えて、管理側端末6によって販売間隔情報43に基づく解析処理が行われることにより、商品4の変更等の提案を客観的な情報に基づいて行うことができる。特に、販売開始から商品4が販売されるまでの経過時間に係る経過時間データ35を取得し、商品4の重量変化と組み合わせて販売間隔情報43が求められるため、管理側端末6を運営する管理会社5及び店舗側端末3を設置した店舗2a等のそれぞれにおいて商品4の売り上げを向上させることができる利点を備えている。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の商品販売管理システム、及び商品販売管理プログラムは、種々の業態の店舗に対して適用し、利用することが可能であり、特に、サービスの提供を主体とするサービス提供型の業態の店舗に対して好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0109】
1:管理システム(商品販売管理システム)、2a,2b,2c,2x:店舗、3:店舗側端末、4:商品、4a:商品特定情報、5:管理会社、6:管理側端末、7:陳列用ケース、10:重量計測部(第一店舗側端末)、11:重量計測手段(基準重量計測手段、現在重量計測手段)、12:基準重量データ、13:現在重量データ、14:重量データ送信手段、15:重量計測部通信制御手段、16:重量計測部本体、17:計量台、18:パッケージ、19:開口部、20:陳列収容部、21:背板部、30:端末本体(第二店舗側端末)、31:重量データ受信手段、32:店舗側端末通信制御手段、33:商品特定手段、34:陳列商品数算出手段、34a:陳列商品数データ、35:経過時間データ、36:経過時間カウント手段、37:重量変化検出手段、38:重量変化量データ、39:商品販売数データ、40:商品残数データ、41:販売情報、42:販売情報算出手段、43:販売間隔情報、44:販売間隔情報算出手段、45:規定商品数データ、46:発注判定手段、47:報知情報、48:店舗側情報送信手段(販売間隔情報送信手段、報知情報送信手段)、49:液晶ディスプレイ、50:重量変化判定手段、51:発注データ、52:タッチパネル、53:発注データ入力受付手段、54:発注データ送信手段、55:店舗側端末記憶手段、56:商品情報、57:商品情報データベース、58:特定商品情報、60:管理側情報受信手段(販売間隔情報受信手段、報知情報受信手段)、61:発注データ受信手段、62:管理側端末通信制御手段、63:販売間隔情報解析手段、64:解析結果データ、65:解析結果判定手段、66:判定結果データ、67:推奨手段、68:発注処理手段、69:発注処理判定手段、70:管理側端末記憶手段、71:管理側端末表示手段、72:管理側端末入力手段、N:通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7