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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/00 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
B65C9/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019064955
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020164181
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2020-07-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】山川 保之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】青田 育博
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-240641(JP,A)
【文献】特開平06-263129(JP,A)
【文献】特開2009-001304(JP,A)
【文献】特開2016-145052(JP,A)
【文献】特開昭61-115831(JP,A)
【文献】特開平09-295629(JP,A)
【文献】実開昭57-026936(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、
前記荷物側を向く第一板面と、前記第一板面の裏面である第二板面と、前記第一板面から前記第二板面に開口する吸着孔と、を有する保持板と、
前記第二板面に固定して設けられ、前記吸着孔を介して前記第一板面にラベルを吸着可能なファンと、
前記第一板面が前記荷物側を向いた状態で該荷物に向けて第一方向に前記保持板を移動させることが可能な移動手段と、
前記保持板の前記第二板面側に前記第一方向に間隔をあけて配置されるとともに、前記移動手段に案内されることで前記第一方向に移動可能な第一支持部材と、
前記保持板を前記第一方向における前記第一支持部材から離間する方向に付勢する第一弾性部材と、
前記第一支持部材によって支持されるとともに、前記保持板を揺動可能に支持する第二弾性部材と、
を備え、
前記第一弾性部材、及び前記第二弾性部材はコイルバネであり、前記第二弾性部材は前記第一弾性部材よりもばね定数が小さいラベル貼付装置。
【請求項2】
前記吸着孔は、前記第一方向から見て、前記ファンの吸気面に対応する円環状に複数配列されている請求項に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記ファンは、前記第二板面上で互いに間隔をあけて複数設けられている請求項又はに記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
請求項からのいずれか一項に記載のラベル貼付装置を駆動するためのプログラムであって、
前記ラベルを吸着して保持する吸着保持ステップと、
前記保持されたラベルを前記荷物の上方に移動させる移動ステップと、
前記ラベルを下降させて前記荷物に貼付する貼付ステップと、を実行するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅配便や小包郵便等を用いて荷物を都市間で運送する需要が拡大している。荷物には、送付先の住所や受取人名が記載されたラベルが貼付されている。運送業者は、このラベルの記載に従って当該荷物を運送する。これまでは、ラベルを荷物に手作業で貼付することが一般的であった。しかしながら、運送需要の拡大に伴う荷物の個数増加により、このような手作業でラベルを貼付する作業が時間的・経済的な負担となりつつある。
【0003】
そこで、ラベルを物品に対して自動的に貼付することが可能な装置がいくつか実用化されている。この種の装置の一例として、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載されたラベル貼付装置は、食品等が収容されたトレイの天面(ラップ表面)に、品名等を記載したラベルを貼り付けるために用いられる。
特許文献1に記載されたラベル貼付装置では、変形可能な可撓筒を通じて、装置の上部に設けられたファンの吸引力がラベルに付加される。吸引された状態でラベルをトレイ天面まで移動させ、ラベルが貼付された後でファンを停止する。
可撓筒が変形することで、特許文献1に記載されたラベル貼付装置は、トレイの表面の形状に追従してラベルの貼付方向を変化させることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-240641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された装置では、ファンと物品との間に可撓筒が介在しているため、装置全体の寸法が大型化してしまうという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題のいずれかを解決するラベル貼付装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るラベル貼付装置は、荷物にラベルを貼り付けるラベル貼付装置であって、前記荷物側を向く第一板面と、前記第一板面の裏面である第二板面と、前記第一板面から前記第二板面に開口する吸着孔と、を有する保持板と、前記第二板面に固定して設けられ、前記吸着孔を介して前記第一板面にラベルを吸着可能なファンと、前記第一板面が前記荷物側を向いた状態で該荷物に向けて第一方向に前記保持板を移動させることが可能なスライドレールと、を備える。
【発明の効果】
【0008】
上述の態様によれば、ラベル貼付装置を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の構成を示す全体側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の構成を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の要部拡大図である。
図4】本発明の一実施形態に係る保持板の構成を示す平面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の動作の一例を示す図であって、ラベルが保持板にセットされた状態を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の動作の一例を示す図であって、ラベルが荷物に貼付された状態を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置の動作の一例を示す図であって、ラベルが荷物に貼付された後の状態を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係るラベル貼付装置を駆動するためのプログラムの処理を示すフローチャートである。
図9】本発明の最小構成の実施形態に係るラベル貼付装置を示す全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<一実施形態>
本発明の一実施形態について、図1から図8を参照して説明する。
本実施形態に係るラベル貼付装置100は、例えば宅配便や郵便小包として運送される荷物90の表面にラベル80を貼付するための装置である。
例えば、ラベル貼付装置100は、荷物自動引受機内等に実装されてもよい。
例えば、ラベル80には、荷物90の送付先や受取人名等の各種情報が予め記載されていてもよい。
例えば、ラベル80には、荷物90の送付先や受取人名等の各種情報がラベル貼付装置100において、印字されてもよい。
【0011】
(構成)
図1又は図2に示すように、ラベル貼付装置100は、筐体1と、台座部2と、貼付装置本体10と、搬送部Cと、を備えている。
筐体1は、貼付前のラベル80を収容するストッカー11と、貼付装置本体10の動作を制御する制御装置12と、を有している。詳しくは図示しないが、ストッカー11には、複数のラベル80が収容されており、制御装置12から送出された指示に基づいて、例えばローラー等によってラベル80を一枚ずつ排出することが可能とされている。排出されたラベル80は、後述する貼付装置本体10の保持部5にセットされる。
【0012】
例えば、ラベル80の裏面(貼付面)は、予め粘着面に加工されており、裏面(貼付面)に粘着面を有するラベル80が、ストッカー11内に収容されていてもよい。
例えば、粘着面であるラベル80の裏面(貼付面)に予め離型紙や離型フィルムが貼られている場合、ラベル80の裏面に貼られている離型紙や離型フィルムを剥がすための剥離装置が、ストッカー11に別途設けられてもよい。
例えば、ラベル80の裏面(貼付面)が、予め粘着面に加工されていない場合、ラベル80の裏面(貼付面)に糊や接着剤を塗布するための塗布装置が、ストッカー11に別途設けられてもよい。
例えば、ラベル貼付装置100は、筐体1内において、ラベル80に、荷物90の送付先や受取人名等の各種情報を印字してもよい。
【0013】
筐体1は、台座部2によって下方から支持されている。台座部2は、筐体1が載置される天板21と、この天板21を床面から上方に離間した位置で支持する複数の脚部22と、脚部22を床面上で移動可能に支持する基板23、及び複数のキャスター24と、を有している。
天板21は、床面と平行な水平面内に広がる板状をなしている。筐体1はこの天板21に対して固定されている。
脚部22は、上下方向に延びる棒状をなしている。
脚部22の長さは、取り扱い可能な荷物90の高さ寸法に応じて適宜決定される。即ち、より大きな荷物90にラベル80を貼付可能とするためには、脚部22をより長くすればよい。
【0014】
基板23における筐体1(脚部22)に隣接した領域には、貼付装置本体10が設けられている。貼付装置本体10は、保持部5と、ファン6と、スライドレール7と、を有している。
保持部5は、上述のストッカー11から排出されたラベル80を保持して荷物90まで搬送するために設けられている。
詳しくは後述するが、保持部5にはファン6が設けられている。ファン6によって上方に送風することにより、保持部5にラベル80が吸着・保持される。
保持部5は、上下方向(第一方向)に延びるスライドレール7によって上下方向に移動可能に支持されている。基板23における保持部5の下方には、荷物90が載置される貼付エリア25が形成されている。即ち、ラベル80を吸着した状態の保持部5がスライドレール7に沿って下方に移動することで、貼付エリア25に載置された荷物90の表面にラベル80が貼付される。
【0015】
搬送部Cは、上記のように構成された貼付装置本体10に対して、ラベル80を貼付する前の状態の荷物90を外部から送り込む。図2に示すように、搬送部Cは、ベルトコンベアBと、ガイド部Gと、これらベルトコンベアBとガイド部Gとを支持するフレームFと、を有している。ベルトコンベアBは、荷物90が置かれるベルト本体B1と、このベルト本体B1を両端で支持させつつ回転駆動する一対のローラーB2と、を有している。ガイド部Gは、ベルト本体B1上における荷物90を案内することで、その位置や姿勢を一律に保つために設けられている。ガイド部Gは、一対のフレームFに支持され、ベルト本体B1の幅方向に延びる棒状のガイドレールGLと、このガイドレールGLに沿って進退動するガイドバーGBと、を有している。ガイドバーGBは、ガイドレールGLに交差(直交)する方向に延びている。
例えば、ベルトコンベアBの一方側(貼付装置本体10とは反対側)に荷物90が、図2の破線で示すような姿勢で置かれたとき、ガイドバーGBが進退動することによって、荷物90はベルトコンベアBの幅方向における一方側に向かって押される。この状態でベルトコンベアBを駆動することにより、荷物90がベルトコンベアBの他方側に到達したときには、荷物90は貼付装置本体10に対して正対する。
例えば、搬送部Cにより、荷物90は貼付装置本体10の直下に位置するように搬送されてもよい。
例えば、ガイドバーGBが進退動することによって、荷物90はベルトコンベアBの幅方向における片側に寄せられてもよい。
【0016】
次に、図3図4とを参照して、保持部5の詳細な構成について説明する。図3に示すように、保持部5は、アーム8と、第一支持部材81と、第二支持部材82と、保持板5Aと、第一弾性部材S1と、第二弾性部材S2と、を有している。
アーム8は、上記のスライドレール7から水平方向に延びるとともに、当該スライドレール7に沿って上下方向に移動可能とされている。
【0017】
アーム8の先端部には、第一支持部材81が固定されている。
第一支持部材81の下面側には、上下方向に間隔をあけて第二支持部材82が設けられている。
第二支持部材82は、第一支持部材81と平行な面内に広がる板状の第二支持部材本体82Aと、この第二支持部材本体82Aから上方に向かって延びる複数の棒状部82Bと、を有している。
各棒状部82Bの上端部は、第一弾性部材S1を介して第一支持部材81に接続されている。第一弾性部材S1として具体的には、コイルバネが好適に用いられる。第一弾性部材S1は、第一支持部材81を基準として、棒状部82Bを下方に向かって付勢している。つまり、第二支持部材82に対して下方から力が付加された場合、第一弾性部材S1としてのコイルバネが収縮するように弾性変形して、当該付加された力を緩和する。
ラベル貼付装置100は、過負荷センサ71を含む保持部5による荷物90への押圧の過負荷を防止する機構を有してもよい。
例えば、過負荷センサ71として、第一弾性部材S1にかかる力を検出する押圧センサが設けられてもよい。その際、押圧センサによって検出された力が、予め定められた閾値よりも大きい場合、保持部5による荷物90への押圧力が過大であると判断して、制御装置12は保持部5の下降を停止する。
例えば、過負荷センサ71として近接センサが設けられてもよい。その際、近接センサは、第一支持部材81と第二支持部材82との近接を検知し、制御装置12は保持部5の下降を停止してもよい。
【0018】
例えば、第一支持部材81は、水平面内に広がる板面を有する板形状であってもよい。
例えば、第一支持部材81下面内の複数箇所の各箇所に、第二弾性部材S2がそれぞれ設けられてもよい。
例えば、第一支持部材81が水平面内に広がる面内に四隅を有する形状である場合、第一支持部材81の各隅に、第一弾性部材S1がそれぞれ設けられてもよい。
【0019】
第二支持部材82(第二支持部材本体82A)の下方には、上下方向に間隔をあけて保持板5Aが設けられている。保持板5Aは、上述のラベル80と同等の形状及び面積を有する板状をなしている。
保持板5Aにおける下側を向く面は第一板面5aとされ、上側を向く面は第二板面5bとされている。
【0020】
例えば、保持板5Aは、ラベル80の形状に合わせて、一方向に長い長方形形状(第一板面5aが長辺と短辺とを有する長方形形状を有する直方体形状)を有してもよい。
保持板5Aには、第一板面5a側から第二板面5b側に延びる孔(吸着孔51)が複数形成されている。図4に示すように、これら吸着孔51は、上下方向から見て、円環状に間隔をあけて配列されている。
【0021】
第二板面5b側には、これら吸着孔51を覆うようにして上述のファン6が隙間をあけずに密着固定されている。本実施形態では、第二板面5b上に2つのファン6が設けられている。即ち、ファン6ごとに、ファン6の吸気面の形状に対応するように円環状に配列された8つの吸着孔51が形成されている。
【0022】
なお、ファン6の個数は2つに限定されず、1つや、3つ以上であってもよい。2つのファン6同士の間には、センサ70が設けられている。センサ70は例えば光学センサであり、保持板5Aに吸着孔51とは別に形成された貫通孔(センサ孔52)を通じて、第一板面5a上にラベル80が保持されているか否かを検出する。センサ70の検出結果は、上述の制御装置12に電気信号として送出される。
【0023】
保持板5Aは、第二支持部材本体82Aに対して、複数の第二弾性部材S2によって接続されている。
第二弾性部材S2として具体的にはコイルバネが好適に用いられる。第二弾性部材S2は、弾性復元力を発揮しながら曲げ変形させることが可能である。つまり、この第二弾性部材S2に曲げ応力を加えた場合、当該応力に従って曲げ変形した後、弾性復元力によって再び初期の形状を回復することが可能である。したがって、例えば荷物90が不定形である場合(即ち、荷物90のラベル80を貼り付ける表面の形状が平坦でない場合や、斜めになっている場合)に、保持板5Aが当該荷物90に押し付けられると、第二弾性部材S2が弾性変形することで保持板5Aが荷物90の表面に正対するように揺動する。
なお、第二弾性部材S2のばね定数は、第一弾性部材S1のばね定数よりも小さい。
【0024】
例えば、第二支持部材本体82Aは、水平面内に広がる板面を有する板形状であってもよい。
例えば、第二支持部材本体82A下面内の複数箇所の各箇所に、第二弾性部材S2がそれぞれ設けられてもよい。
例えば、第二支持部材本体82Aが水平面内に広がる面内に四隅を有する形状である場合、第二支持部材本体82Aの各隅に、第二弾性部材S2がそれぞれ設けられてもよい。
【0025】
(動作)
続いて、本実施形態に係るラベル貼付装置100の動作の一例について、図5から図7を参照して説明する。図5に示すように、貼付エリア25に荷物90が載置されると、ストッカー11から排出されたラベル80が保持部5にセットされる。具体的には、上述のファン6を駆動することにより、ラベル80が負圧によって保持部5(保持板5A)に吸着された状態となる。このとき、正常にラベル80が吸着されているか否かを、センサ70が検出する。正常にラベル80が吸着されていないと判断された場合は、再度、ラベル80をセットし直すか、新たなラベル80をストッカー11から排出する。
【0026】
次いで、図6に示すように、ラベル80が保持部5に保持された状態で、スライドレール7に沿って保持部5が下方に移動する。ここで、ラベル80の裏面は荷物に粘着するため、荷物90に接触するとラベル80が貼付された状態となる。貼付が完了すると、図7に示すように、ファン6を停止させることで保持部5からラベル80を離す。その後、保持部5はスライドレール7に沿って上方に移動する。以上により、ラベル貼付装置100によるラベル80の貼付作業が完了する。
【0027】
続いて、図8を参照して、制御装置12が実行するプログラムの処理フローについて説明する。同図に示すように、このプログラムは、荷物90にラベル80を貼り付けるラベル貼付装置100を駆動するためのプログラムである。プログラムは、上記の保持部5によってラベル80を吸着して保持する吸着保持ステップs1と、保持されたラベル80を保持部5によって荷物90の上方に移動させる移動ステップs2と、保持部5を下降させてラベル80を荷物90に貼付する貼付ステップs3と、を含む。
例えば、制御装置12が実行するプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、マイコンといったコンピュータシステムに読み込ませ、実行されてもよい。
【0028】
(作用及び効果)
本実施形態のラベル貼付装置100によれば、保持板5Aの第二板面5bにファン6が設けられている。
このため、ファン6による吸引力をより有効に活用することができるとともに、ファン6と保持板5Aの間に他の機構を設けた場合に比べて、装置の寸法体格を大幅に小さくすることができる。
したがって、本実施形態のラベル貼付装置100は、小型化できる。
その結果、ラベル貼付装置100の設置に伴う占有面積が小さくなるため、本実施形態のラベル貼付装置100は、設置場所の制約を緩和することができる。
【0029】
特許文献1に記載されたラベル貼付装置では、変形可能な可撓筒を挟んで、保持板にファンが設けられている。
このため、保持板とファンとの位置関係が、荷物の高さや、荷物のラベルを貼り付ける表面の傾斜や形状に応じて変化する。
したがって、特許文献1に記載されたラベル貼付装置では、高さや、ラベルを貼り付ける表面の傾斜や形状が異なる荷物の間で、保持板におけるファンによる吸引力が変化してしまう。
また、ラベルを貼り付ける表面の傾斜や形状によって、特許文献1に記載されたラベル貼付装置では、ファンの吸気面に対して保持板が傾斜する。
したがって、特許文献1に記載されたラベル貼付装置では、保持板の板面内における吸引力が不均一になってしまう。
【0030】
これに対し、本実施形態のラベル貼付装置100では、保持板5Aの第二板面5bにファン6が固定して設けられている。
このため、保持板5Aとファン6との位置関係が、荷物90の高さや、荷物90のラベル80を貼り付ける表面の傾斜や形状にかかわらず変化しにくい。
したがって、本実施形態のラベル貼付装置100では、保持板5Aにおけるファン6による吸引力が変化しにくく、保持板5Aの第一板面5a内における吸引力が不均一になりにくい。
【0031】
比較例として、ラベル貼付装置が、エアコンプレッサによって上方に排気することにより、保持部にラベルを吸着・保持するラベル貼付装置であるような場合、以下の点が課題となる。
・エアコンプレッサ及び排気管のスペースにより、省スペース化を図りにくい。
・エアコンプレッサの作動音により、騒音が大きくなる。
・エアコンプレッサのための外部電源が必要となり、外部電源の供給数が多くなる。
【0032】
これに対し、本実施形態に係るラベル貼付装置100では、エアコンプレッサが必ずしも必要とされないので、省スペース化できる。
また、本実施形態に係るラベル貼付装置100は、エアコンプレッサが必ずしも必要とされないので、騒音を抑制することができる。
さらに、本実施形態に係るラベル貼付装置100は、エアコンプレッサが必ずしも必要とされないので、外部電源供給数の削減することができる。
【0033】
例えば、ラベル貼付装置100は荷物自動引受機内に実装する場合、省スペース化、騒音抑制、及び外部電源供給数の削減が可能であれば、郵便局、コンビニエンスストア等の様々な場所へ、ラベル貼付装置100を含む荷物自動引受機を簡易に設置することができる。
例えば、省スペース化により、ラベル貼付装置100は、自走式の荷物自動引受機内に実装することも可能となれば、ラベル貼付装置100を含む荷物自動引受機を、郵便局、コンビニエンスストア等の様々な場所へ簡易に移動できる。
例えば、省スペース化により、ラベル貼付装置100は、自走式の荷物自動引受機内に実装可能となれば、郵便局、コンビニエンスストア等へのラベル貼付装置100を含む荷物自動引受機の設置時間が短縮される。
【0034】
また、本実施形態のラベル貼付装置100では、保持部5は、第一支持部材81と、この第一支持部材81に対して保持板5Aを下方(第一支持部材81から離間する方向)に向かって付勢する第一弾性部材S1と、を有している。第一弾性部材S1が弾性変形することにより、保持板5Aが荷物90に接触した際の衝撃を緩和することができる。これにより、ラベル貼付装置100は、荷物90に損傷を生じる可能性を低減することができるとともに、スライドレール7やアーム8に衝撃が直接伝わることによる損耗を抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態のラベル貼付装置100では、第一支持部材81の下方に、保持板5Aを揺動可能に支持する第二弾性部材S2が設けられている。第二弾性部材S2が弾性変形することにより、保持板5Aの姿勢を柔軟に変化させることができる。即ち、荷物90の表面の状態に応じて、保持板5Aを当該表面に正対させることができる。その結果、本実施形態のラベル貼付装置100は、ラベル80を荷物90に対して適切に貼付することができる。
【0036】
また、本実施形態のラベル貼付装置100では、第二弾性部材S2のばね定数は、第一弾性部材S1のばね定数よりも小さく設定されている。したがって、第一弾性部材S1による衝撃の緩和に先立って、第二弾性部材S2によって保持板5Aを揺動させることができる。即ち、保持板5Aが容易に揺動可能であることから、本実施形態のラベル貼付装置100は、ラベル80を荷物90に対してより正確に貼付することができる。
【0037】
また、本実施形態のラベル貼付装置100では、吸着孔51はファン6の吸気面に対応する円環状に配列されている。これにより、ファン6による吸引力をより有効に活用することができる。その結果、ラベル貼付装置100は、ラベル80を保持板5Aに対して安定的に吸着させることができる。
【0038】
また、ファン6は、第二板面5b上で互いに間隔をあけて複数設けられている。したがって、例えばファン6が1つのみである場合に比べて、より大きなラベル80も取り扱うことができる。これにより、ラベル貼付装置100の汎用性を高めることができる。
【0039】
(変形例)
本実施形態では、ラベル貼付装置100は、ラベル80が保持部5に保持された状態で、スライドレール7に沿って保持部5を下方に移動させて、荷物90にラベル80を貼り付けている。
変形例として、ラベル貼付装置100は、荷物90のラベル80を貼り付ける表面の輪郭形状を認識し、荷物90のラベル80を貼り付ける表面の輪郭形状に応じて、保持板5Aを水平面内で回転させて、ラベル80の貼付方向を変化させてもよい。
【0040】
本実施形態のラベル貼付装置100は、スライドレール7を備えるが、スライドレール7はどのような方式のものであってもよい。
変形例として、スライドレール7は、保持部5を上下に電気駆動させることが可能な電動式のスライドレールであってもよい。
スライドレール7を電動式にすれば、エアコンプレッサ及びエアシリンダが必ずしも必要ないため、省スペース化、騒音抑制が可能となる。
【0041】
本実施形態では、ガイドバーGBが荷物90をベルトコンベアBの幅方向における一方側に向かって押しているが、荷物90をベルトコンベアBの幅方向における一方側に移動させることができれば、どのように構成されてよい。
変形例として、搬送部の搬送面にローラーが設けられ、ローラーが駆動することによって、ローラー上の荷物90が、ベルトコンベアの幅方向における一方側に向かって移動されてもよい。例えば、ローラーが駆動することによって、荷物90はベルトコンベアの幅方向における片側に寄せられてもよい。
【0042】
<最小構成の実施形態>
図9は、ラベル貼付装置100の最小構成の実施形態を示す図である。
本実施形態のラベル貼付装置100は、保持板5Aと、ファン6と、スライドレール7と、を備える。
保持板5Aは、荷物90側を向く第一板面5aと、第一板面5aの裏面である第二板面5bと、第一板面5aから第二板面5bに開口する吸着孔51と、を有する。
ファン6は、第二板面5bに固定して設けられ、吸着孔51を介して第一板面5aにラベル80を吸着可能である。
スライドレール7は、第一板面5aが荷物90を向いた状態で該荷物90に向けて保持板5Aを移動させることが可能である。
本実施形態のラベル貼付装置100によれば、保持板5Aの第二板面5bにファン6が設けられていることから、ファン6による吸引力をより有効に活用することができるとともに、ファン6と保持板5Aとの間に他の機構を設けた場合に比べて、装置の寸法体格を小さくすることができる。
したがって、本実施形態のラベル貼付装置100は、小型化できる。
【0043】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0044】
100 ラベル貼付装置
1 筐体
2 台座部
5 保持部
5a 第一板面
5b 第二板面
5A 保持板
6 ファン
7 スライドレール
8 アーム
10 貼付装置本体
11 ストッカー
12 制御装置
21 天板
22 脚部
23 基板
24 キャスター
25 貼付エリア
51 吸着孔
52 センサ孔
70 センサ
71 過負荷センサ
80 ラベル
81 第一支持部材
82 第二支持部材
82A 第二支持部材本体
82B 棒状部
90 荷物
B ベルトコンベア
B1 ベルト本体
B2 ローラー
F フレーム
G ガイド部
GB ガイドバー
GL ガイドレール
S1 第一弾性部材
S2 第二弾性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9