(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法
(51)【国際特許分類】
C01G 53/04 20060101AFI20221109BHJP
B01D 61/02 20060101ALI20221109BHJP
B01D 61/14 20060101ALI20221109BHJP
B01D 63/08 20060101ALI20221109BHJP
B01D 61/58 20060101ALI20221109BHJP
B01D 69/02 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
C01G53/04
B01D61/02 500
B01D61/14 500
B01D63/08
B01D61/58
B01D69/02
(21)【出願番号】P 2020506259
(86)(22)【出願日】2018-07-23
(86)【国際出願番号】 CN2018096615
(87)【国際公開番号】W WO2019024701
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-05-14
(31)【優先権主張番号】201710644044.1
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520036891
【氏名又は名称】四川思達能環保科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】郭定江
(72)【発明者】
【氏名】何志
(72)【発明者】
【氏名】何勁松
(72)【発明者】
【氏名】劉超
(72)【発明者】
【氏名】蔡湘▲テイ▼
【審査官】青木 千歌子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105329955(CN,A)
【文献】中国特許第1778695(CN,B)
【文献】特開2002-192168(JP,A)
【文献】特表2017-501421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01G 53/04
B01D 61/02
B01D 61/14
B01D 63/08
B01D 69/00
C02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出ステップ、調製ステップ、濾過ステップ及び溶出ステップを含む球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法であって、
球状水酸化ニッケルの生産過程における抽出ステップの抽残液を第1段階の濃縮式膜濾過システム(1)に導入し、前記第1段階の濃縮式膜濾過システム(1)によって抽残液が濃縮濾過された後、第1段階の濃縮液および第1段階の上清が排出される工程aと、
球状水酸化ニッケルの生産過程における濾過ステップで生成された球状水酸化ニッケル母液を第2段階の濃縮式膜濾過システム(2)に導入し、前記第2段階の濃縮式膜濾過システム(2)によって
球状水酸化ニッケル母液が濃縮濾過された後、第2段階の濃縮液および第2段階の上清が排出される工程bと、
球状水酸化ニッケルの生産過程における溶出ステップで生成された球状水酸化ニッケル溶出水を第3段階の濃縮式膜濾過システム(3)に導入し、前記第3段階の濃縮式膜濾過システム(3)によって球状水酸化ニッケル溶出水が濃縮濾過された後、第3段階の濃縮液および第3段階の上清が排出される工程cと、
工程aによる第1段階の濃縮液を蒸発システム(5)に導入する工程dと、
工程bにおける第2段階の濃縮式膜濾過システム(2)から排出された第2段階の濃縮液、および、工程cにおける第3段階の濃縮式膜濾過システム(3)から排出された第3段階の濃縮液をともにアンモニア回収システム(4)に導入し、アンモニアを回収する工程eと、
工程eにおけるアンモニア回収システム(4)から排出された残液を蒸発システム(5)に導入する工程fと、からなることを特徴とする、
球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項2】
工程aによる第1段階の上清、工程bによる第2段階の上清、および、工程cによる第3段階の上清をともに、球状水酸化ニッケルの生産過程における溶出ステップの溶出水供給源とすることを特徴とする、
請求項1に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項3】
工程eにおけるアンモニア回収システム(4)の排気口から排出されたアンモニアガスを調
製ステップのアンモニアガス供給源とすることを特徴とする、
請求項1に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項4】
前記第1段階の濃縮式膜濾過システム(1)、第2段階の濃縮式膜濾過システム(2)、および、第3段階の濃縮式膜濾過システム(3)は、いずれも、順に互いに接続された限外濾過膜濾過システム(61)、ナノ濾過膜濾過システム(62)および多段階式の逆浸透膜濾過システムを含み、
工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水は、いずれも、各自の濃縮式膜濾過システムにおいて、
まず、限外濾過膜濾過システム(61)に導入され、続いて、
限外濾過膜濾過システム(61)から排出されたろ液がナノ濾過膜濾過システム(62)に導入され、
ナノ濾過膜濾過システム(62)から排出されたろ液が多段階式の逆浸透膜濾過システムに導入され、
多段階式の逆浸透膜濾過システムから排出された濃縮液が、ナノ濾過膜濾過システム(62)の給液口を経てナノ濾過膜濾過システム(62)に還流し、継続して濾過され、
最終的に、多段階式の逆浸透膜濾過システムから上清が排出され、ナノ濾過膜濾過システム(62)から濃縮液が排出されることを特徴とする、
請求項1に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項5】
前記逆浸透膜濾過システムは、ディスクチューブ逆浸透膜濾過システムであることを特徴とする、
請求項4に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項6】
工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水はともに、限外濾過膜濾過システム(61)に導入される前に、予め前処理されていることを特徴とする、
請求項4に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項7】
前記前処理は、工程aにおける抽残液と、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液と、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水とに対する、除濁、冷却およびpH調整を含むことを特徴とする、
請求項
6に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項8】
限外濾過膜濾過システム(61)は、分子量>500、且つ粒子径>0.005μmの粒子を濾過する濾過システムであることを特徴とする、
請求項4に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項9】
ナノ濾過膜濾過システム(62)は、分子量150~500、且つ粒子径0.0005~0.005μmのものを濾過する濾過システムであることを特徴とする、
請求項4に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【請求項10】
逆浸透膜濾過システムは、分子量50~150、且つ粒子径0.0001~0.001μmのものを濾過する濾過システムであることを特徴とする、
請求項4に記載の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、工業廃水処理の技術分野に関し、具体的には、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
球状水酸化ニッケルは、薄緑色の粉末であり、無毒無害で、電気エネルギーを蓄え且つ緩やかに電気エネルギーを放出する特性を有し、新型のグリーンエネルギー材料として、ニッケル水素電池の正極材料に使用されている。ニッケル水素電池は、小型軽量で、エネルギー密度が高く、安全性がよく、クリーンで、値段が手頃である等の特徴を有するため、携帯式の電子製品や電動工具等の装置に広く使用されている。これにより、球状水酸化ニッケル粉末に対する市場のニーズが増えつつある。
【0003】
球状水酸化ニッケルの調製過程において、抽出、調製反応、濾過、溶出等の処理方法が使用されているため、その過程において、大量の金属イオンが含まれる途中廃水が大量に生成される。同時に、この途中廃水は、アンモニアの含有量が高く、pH値が不安定であるため、廃水の処理が非常に困難となり、直接、排出された場合、大きな環境破壊をもたらすおそれがある。現在、球状水酸化ニッケルの処理プロセスの廃水を処理する方法は、通常、電解、イオン交換、加熱蒸発、および、生物的処理等のプロセスを含む。これらのプロセスでは、稼働コストが高く、且つそれぞれの生産ステップの途中廃水を専ら対象とする多段階式の総合処理を行うことができないため、途中廃水の処理効果が悪く、国の定められた廃水処理の基準を満たすことができない。
【0004】
〔発明の内容〕
球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理コストが高く、処理効果が低い等の従来技術の問題を解決するために、本発明の主な目的は、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法を提供することである。
【0005】
前記目的を実現するために、本発明の一態様によれば、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法を提供する。当該球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法。
【0006】
球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法は、
球状水酸化ニッケルの生産過程における抽出ステップの抽残液を第1段階の濃縮式膜濾過システムに導入し、前記第1段階の濃縮式膜濾過システムによって抽残液が濃縮濾過された後、第1段階の濃縮液および第1段階の上清が排出される工程aと、
球状水酸化ニッケルの生産過程における濾過ステップで生成された球状水酸化ニッケル母液を第2段階の濃縮式膜濾過システムに導入し、前記第2段階の濃縮式膜濾過システムによって水酸化ニッケル母液が濃縮濾過された後、第2段階の濃縮液および第2段階の上清が排出される工程bと、
球状水酸化ニッケルの生産過程における溶出ステップで生成された球状水酸化ニッケル溶出水を第3段階の濃縮式膜濾過システムに導入し、前記第3段階の濃縮式膜濾過システムによって球状水酸化ニッケル溶出水が濃縮濾過された後、第3段階の濃縮液および第3段階の上清が排出される工程cと、
工程aによる第1段階の濃縮液を蒸発システムに導入する工程dと、
工程bにおける第2段階の濃縮式膜濾過システムから排出された第2段階の濃縮液、および、工程cにおける第3段階の濃縮式膜濾過システムから排出された第3段階の濃縮液をともにアンモニア回収システムに導入し、アンモニアを回収する工程eと、
工程eにおけるアンモニア回収システムから排出された残液を蒸発システムに導入する工程fと、からなる。
【0007】
前記方法を用いて、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を多段階的に処理し、球状水酸化ニッケルの生産プロセスにおける各ステップで生成された途中廃水をそれぞれ濃縮濾過することによって、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理が効果的、全面的に実現される。
【0008】
本発明は、膜処理プロセスの組み合わせを採用し、球状水酸化ニッケルの調製過程における各ステップで生成された途中廃液を体系的に専ら処理し、廃水である原液を抽出濃縮することにより、蒸発プロセスの処理量が大幅に低減し、エネルギー消費の低減、環境保護の効果が顕著である。さらに、膜処理システムは、容易に制御でき、簡単に操作できる特徴を有する。本発明の処理方法を用いることにより、生成された水の水質を純水レベルにすることができる。
【0009】
さらに、工程aによる第1段階の上清、工程bによる第2段階の上清、および、工程cによる第3段階の上清をともに、球状水酸化ニッケルの生産過程における溶出ステップの溶出水供給源とする。これにより、水の再利用ができ、水資源の浪費を減らすことができる。
【0010】
さらに、工程eにおけるアンモニア回収システムの排気口から排出されたアンモニアガスを調製ステップのアンモニアガス供給源とする。これにより、生産システムにおけるアンモニアの再利用ができ、システムの生産コストを削減することができる。
【0011】
さらに、前記第1段階の濃縮式膜濾過システム、第2段階の濃縮式膜濾過システム、および、第3段階の濃縮式膜濾過システムは、いずれも、順に互いに接続された限外濾過膜濾過システム、ナノ濾過膜濾過システムおよび多段階式の逆浸透膜濾過システムを含む。また、工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水は、いずれも、各自の濃縮式膜濾過システムにおいて、まず、限外濾過膜濾過システムに導入される。続いて、限外濾過膜濾過システムから排出されたろ液がナノ濾過膜濾過システムに導入される。ナノ濾過膜濾過システムから排出されたろ液が多段階式の逆浸透膜濾過システムに導入される。多段階式の逆浸透膜濾過システムから排出された濃縮液が、ナノ濾過膜濾過システムの液注入口を経てナノ濾過膜濾過システムに還流し、継続して濾過される。最終的に、多段階式の逆浸透膜濾過システムから上清が排出され、ナノ濾過膜濾過システムから濃縮液が排出される。これにより、各段階の濃縮式膜濾過システムは、球状水酸化ニッケルの各生産ステップで生成された廃水をそれぞれステップ毎に濾過濃縮することができる。
【0012】
さらに、前記逆浸透膜濾過システムは、ディスクチューブ逆浸透膜濾過システムである。他の逆浸透膜濾過システムに比べ、ディスクチューブ逆浸透膜濾過システムは、濾過性能がより安定している。特に、球状水酸化ニッケルの生産プロセス段階で生成された高い塩含有量の途中廃水に関して、濾過時に詰まりが生じにくく、濾過効果が顕著に優れる。
【0013】
さらに、工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水はともに、限外濾過膜濾過システムに導入される前に、予め前処理されている。これにより、限外濾過膜濾過システムの濾過負担を低減し、比較的大きな粒子サイズを有する明らかな不純物を初期的に濾過することができる。
【0014】
さらに、前記前処理は、工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水に対する、除濁、冷却およびpH調整を含む。これにより、工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水に対する前処理を好適に実現することができ、後の処理プロセスの濾過濃縮の負担を低減し、生成される水および製品の品質を確保することができる。
【0015】
さらに、限外濾過膜濾過システムは、分子量>500、且つ粒子径>0.005μmの粒子を濾過する濾過システムである。
【0016】
このような条件によれば、液体をよりよく濾過することができ、濾過効果が最もよい。
【0017】
さらに、ナノ濾過膜濾過システムは、分子量150~500、且つ粒子径0.0005~0.005μmのものを濾過する濾過システムである。
【0018】
このような条件によれば、液体をよりよく濾過濃縮することができ、濾過濃縮の効果が最もよい。
【0019】
さらに、逆浸透膜濾過システムは、分子量50~150、且つ粒子径0.0001~0.001μmのものを濾過する濾過システムである。
【0020】
このような条件によれば、液体をよりよく濾過濃縮することができる。
【0021】
本発明の他の一態様によれば、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムをさらに提供する。当該処理システムは、第1段階の濃縮式膜濾過システム、第2段階の濃縮式膜濾過システム、および、第3段階の濃縮式膜濾過システムを含み、前記第1段階の濃縮式膜濾過システムは、抽出液の廃水の入口、第1段階の上清の出口、および、第1段階の濃縮液の出口を備え、前記第2段階の濃縮式膜濾過システムは、球状水酸化ニッケル母液の入口、第2段階の上清の出口、および、第2段階の濃縮液の出口を備え、前記第3段階の濃縮式膜濾過システムは、球状水酸化ニッケル溶出水の入口、第3段階の上清の出口、および、第3段階の濃縮液の出口を備えている。前記第1段階の濃縮液の出口は、蒸発システムと接続しており、前記第2段階の濃縮液の出口、および、第3段階の濃縮液の出口は、ともにアンモニア回収システムと接続しており、前記アンモニア回収システムの排液口は、蒸発システムと接続している。前記構成を用いて、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を多段階的に処理し、球状水酸化ニッケルの生産プロセスにおける各ステップで生成された途中廃水をそれぞれ濃縮濾過することによって、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理が効果的、全面的に実現される。本発明では、膜処理プロセスの組み合わせを採用し、球状水酸化ニッケルの調製過程における各ステップで生成された途中廃液を体系的に専ら処理し、廃水である原液に対して抽出、濃縮処理を行うことにより、蒸発プロセスの処理量が大幅に低減し、エネルギー消費の低減、環境保護の効果が顕著である。さらに、膜処理システムは、容易に制御でき、簡単に操作でき、構造が複雑でない特徴を有する。本発明の処理方法を用いることにより、生成された水の水質を純水レベルにすることができる。
【0022】
さらに、前記第1段階の上清の出口、第2段階の上清の出口、および、第3段階の上清の出口は、ともに球状水酸化ニッケル溶出水の給水口となる。これにより、前記第1段階の上清の出口、第2段階の上清の出口、および、第3段階の上清の出口から流れ出る上清を、球状水酸化ニッケル溶出水に関する給水として再利用することが実現され、水資源の節約ができ、システムの処理コストを削減することができる。
【0023】
さらに、前記第1段階の上清の出口、第2段階の上清の出口、および、第3段階の上清の出口は、合流して連通することにより、球状水酸化ニッケル溶出水の給水口となる。これにより、システム装置の構造がよりコンパクト化し、配管使用量や配管スペースを減らすことができる。
【0024】
さらに、前記アンモニア回収システムの排気口をアンモニアガスの供給口とする。これにより、アンモニア回収システムの排気口から排出されたガスのリサイクルが実現され、アンモニア資源の節約ができ、球状水酸化ニッケルの生産コストをさらに低減し、単独資源のリサイクルを実現することができる。
【0025】
さらに、前記第1段階の濃縮式膜濾過システム、第2段階の濃縮式膜濾過システム、および、第3段階の濃縮式膜濾過システムは、いずれも、順に互いに接続された前処理システム、限外濾過膜濾過システム、ナノ濾過膜濾過システム、および逆浸透膜濾過システムを含む。これにより、各段階の濃縮式膜濾過システムは、球状水酸化ニッケルの各生産ステップで生成された廃水をそれぞれステップ毎に濾過濃縮することができる。
【0026】
さらに、前記限外濾過膜濾過システムは、分子量>50、且つ粒子径>10nmの粒子を濾過するシステムであり、ナノ濾過膜濾過システムは、分子量150~500、且つ粒子径0.0005~0.005μmのものを濾過する濾過システムであり、逆浸透膜濾過システムは、分子量50~150、且つ粒子径0.0001~0.001μmのものを濾過する濾過システムである。このような条件によれば、液体に対する、限外濾過膜濾過システムの濾過効果が最もよく、また、液体に対する、ナノ濾過膜濾過システムおよび逆浸透膜濾過システムの濾過濃縮効果が最もよい。
【0027】
さらに、前記限外濾過膜濾過システム、ナノ濾過膜濾過システム、および、逆浸透膜濾過システムの濾過膜は、金属間化合物濾過膜、セラミック濾過膜、および、高分子ポリマー濾過膜のうちの1つである。通常の濾過膜に比べ、前記濾過膜を選択する場合、濾過効果や濾過安定性がよりよく、強度がより高く、特に、球状水酸化ニッケルの生産過程で生成された高い塩含有量の途中廃水に適用できる。
【0028】
さらに、前記前処理システムは、初期濾過システム、pH調節装置および冷却装置を含む。これにより、工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水に対する前処理を好適に実現することができ、後の処理プロセスの濾過濃縮の負担を低減し、生成される水および製品の品質を確保することができる。
【0029】
さらに、前記逆浸透膜濾過システムは、少なくとも1段階のディスクチューブ逆浸透膜濾過システムを含み、前記ディスクチューブ逆浸透膜濾過システムの濃縮液出口は、ナノ濾過膜濾過システムの給液口と連通している。
【0030】
さらに、前記アンモニア回収システムは、蒸留システムまたは精留システムを含む。これにより、効果的にアンモニアを回収できる。
【0031】
以上のように、本発明は、膜処理プロセスの組み合わせを採用し、球状水酸化ニッケルの調製過程における各ステップで生成された途中廃液を体系的に専ら処理し、廃水である原液に対して抽出、濃縮処理を行うことにより、蒸発プロセスの処理量が大幅に低減し、エネルギー消費の低減、環境保護の効果が顕著である。さらに、膜処理システムは、容易に制御でき、簡単に操作できる特徴を有する。本発明の処理方法を用いることにより、生成される水の水質を純水レベルにすることができる。
【0032】
本発明の球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法およびそのシステムは、ともに球状水酸化ニッケルの生産プロセスの技術分野に適用でき、より高い品質の球状水酸化ニッケル製品の生産に有利であり、同時に、資源を節約し、生産コストを低減することができる。
【0033】
以下、図面および具体的な実施形態を参照し、本発明をさらに説明する。本発明の更なる態様および利点について、その一部は以下の説明で示され、また、その一部は以下の説明により明らかとなり、または、本発明の実践によって理解される。
【0034】
〔図面の説明〕
本発明の構成部分である図面は、本発明への理解に供するものである。図面で提供された内容、および、図面における本発明に関する説明は、本発明の解釈に用いることができるが、本発明を不合理に限定するものではない。
【0035】
図1は、本発明にかかる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムの処理流れを示す模式図である。
【0036】
図2は、本発明における濃縮式膜濾過システムの処理流れを示す模式図である。
【0037】
図3は、本発明にかかる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムを球状水酸化ニッケルの生産プロセスに用いる場合を示す模式図である。
【0038】
前記図面中の符号は、下記の通りである。
【0039】
1:第1段階の濃縮式膜濾過システム;
2:第2段階の濃縮式膜濾過システム;
3:第3段階の濃縮式膜濾過システム;
4:アンモニア回収システム;
5:蒸発システム;
61:限外濾過膜濾過システム;
62:ナノ濾過膜濾過システム;
63:1段階のディスクチューブ逆浸透膜濾過システム;
64:1段階のディスクチューブ逆浸透膜濾過システム。
【0040】
〔具体的な実施形態〕
以下、図面を参照しながら、本発明を明確に、完全に説明する。当業者は、これらの説明に基づき本発明を実現することができる。図面を参照しながら本発明を説明する前に、以下のことを特に強調したい。すなわち、本発明において、以下の説明を含む各記載部分で提供される技術案および技術特徴は、互いに矛盾が生じない限り、組み合わせてもよい。
【0041】
さらに、以下の説明における本願の実施例は、通常、本発明の一部の実施例でしか過ぎず、全ての実施例ではない。したがって、本願の実施例を基に、当業者が創造的労力なしに見出せるこれ以外の全ての実施例は、いずれも本発明にかかる請求の範囲に属する。
【0042】
本発明の用語および単位について、本発明の明細書、特許請求の範囲、および、関連する記載部分に含まれる用語「含む」、「有する」およびその如何なる変形的表現は、排他的でない「包含する」の意味が意図されている。
【0043】
本発明の一態様は、
球状水酸化ニッケルの生産過程における抽出ステップの抽残液を第1段階の濃縮式膜濾過システム1に導入し、前記第1段階の濃縮式膜濾過システム1によって抽残液が濃縮濾過された後、第1段階の濃縮液および第1段階の上清が排出される工程aと、
球状水酸化ニッケルの生産過程における濾過ステップで生成された球状水酸化ニッケル母液を第2段階の濃縮式膜濾過システム2に導入し、前記第2段階の濃縮式膜濾過システム2によって水酸化ニッケル母液が濃縮濾過された後、第2段階の濃縮液および第2段階の上清が排出される工程bと、
球状水酸化ニッケルの生産過程における溶出ステップで生成された球状水酸化ニッケル溶出水を第3段階の濃縮式膜濾過システム3に導入し、前記第3段階の濃縮式膜濾過システム3によって球状水酸化ニッケル溶出水が濃縮濾過された後、第3段階の濃縮液および第3段階の上清が排出される工程cと、
工程aによる第1段階の濃縮液を蒸発システム5に導入する工程dと、
工程bにおける第2段階の濃縮式膜濾過システム2から排出された第2段階の濃縮液、および、工程cにおける第3段階の濃縮式膜濾過システム3から排出された第3段階の濃縮液をともにアンモニア回収システム4に導入し、アンモニアを回収する工程eと、
工程eにおけるアンモニア回収システム4から排出された残液を蒸発システム5に導入する工程fと、からなる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水を処理する方法を提供する。
【0044】
また、工程aによる第1段階の上清、工程bによる第2段階の上清、および、工程cによる第3段階の上清はともに、球状水酸化ニッケルの生産過程における溶出ステップの溶出水供給源とする。
【0045】
また、工程eにおけるアンモニア回収システム4の排気口から排出されたアンモニアガ
スは、調製ステップのアンモニアガス供給源とする。
【0046】
前記第1段階の濃縮式膜濾過システム1、第2段階の濃縮式膜濾過システム2、および、第3段階の濃縮式膜濾過システム3は、いずれも、順に互いに接続された限外濾過膜濾過システム61、ナノ濾過膜濾過システム62および多段階式の逆浸透膜濾過システムを含む。また、工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水は、いずれも、各自の濃縮式膜濾過システムにおいて、まず、限外濾過膜濾過システム61に導入される。続いて、限外濾過膜濾過システム61から排出されたろ液がナノ濾過膜濾過システム62に導入される。ナノ濾過膜濾過システム62から排出されたろ液が多段階式の逆浸透膜濾過システムに導入される。多段階式の逆浸透膜濾過システムから排出された濃縮液が、ナノ濾過膜濾過システム62の給液口を経てナノ濾過膜濾過システム62に還流し、継続的に濾過される。最終的に、多段階式の逆浸透膜濾過システムから上清が排出され、ナノ濾過膜濾過システム62から濃縮液が排出される。
【0047】
前記逆浸透膜濾過システムは、ディスクチューブ逆浸透膜濾過システムである。
【0048】
工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水はともに、限外濾過膜濾過システム61に導入される前に、予め前処理されている。
【0049】
前記前処理は、工程aにおける抽残液、工程bにおける球状水酸化ニッケル母液、および、工程cにおける球状水酸化ニッケル溶出水に対する、除濁、冷却およびpH調整を含む。
【0050】
限外濾過膜濾過システムは、分子量>500、且つ粒子径>0.005μmの粒子を濾過する濾過システムである。
【0051】
ナノ濾過膜濾過システム(62)は、分子量150~500、且つ粒子径0.0005~0.005μmのものを濾過する濾過システムである。
【0052】
逆浸透膜濾過システムは、分子量50~150、且つ粒子径0.0001~0.001μmのものを濾過する濾過システムである。
【0053】
本発明は、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムをさらに提供する。当該処理システムは、第1段階の濃縮式膜濾過システム1、第2段階の濃縮式膜濾過システム2、および、第3段階の濃縮式膜濾過システム3を含み、前記第1段階の濃縮式膜濾過システム1は、抽残液の入口、第1段階の上清の出口、および、第1段階の濃縮液の出口を備え、前記第2段階の濃縮式膜濾過システム2は、球状水酸化ニッケル母液の入口、第2段階の上清の出口、および、第2段階の濃縮液の出口を備え、前記第3段階の濃縮式膜濾過システム3は、球状水酸化ニッケル溶出水の入口、第3段階の上清の出口、および、第3段階の濃縮液の出口を備えている。前記第1段階の濃縮液の出口は、蒸発システム5と接続しており、前記第2段階の濃縮液の出口、および、第3段階の濃縮液の出口は、ともにアンモニア回収システム4と接続しており、前記アンモニア回収システム4の排液口は、蒸発システム5と接続している。
【0054】
前記第1段階の上清の出口、第2段階の上清の出口、および、第3段階の上清の出口は、ともに球状水酸化ニッケル溶出水の給水口となる。
【0055】
前記第1段階の上清の出口、第2段階の上清の出口、および、第3段階の上清の出口は、合流して連通することにより、球状水酸化ニッケル溶出水の給水口となる。
【0056】
前記アンモニア回収システム4の排気口は、アンモニアガスの供給口となる。
【0057】
前記第1段階の濃縮式膜濾過システム1、第2段階の濃縮式膜濾過システム2、および、第3段階の濃縮式膜濾過システム3は、いずれも、順に互いに接続された前処理システム、限外濾過膜濾過システム61、ナノ濾過膜濾過システム62、および逆浸透膜濾過システムを含む。
【0058】
前記限外濾過膜濾過システム(61)は、分子量>500、且つ粒子径>0.005μmの粒子を濾過する濾過システムであり、ナノ濾過膜濾過システム(62)は、分子量150~500、且つ粒子径0.0005~0.005μmのものを濾過する濾過システムであり、逆浸透膜濾過システムは、分子量50~150、且つ粒子径0.0001~0.001μmのものを濾過する濾過システムである。
【0059】
前記限外濾過膜濾過システム61、ナノ濾過膜濾過システム62、および、逆浸透膜濾過システムの濾過膜は、金属間化合物濾過膜、セラミック濾過膜、および、高分子ポリマー濾過膜のうちの1つである。
【0060】
前記前処理システム65は、初期濾過システム、pH調節装置および冷却装置を含む。
【0061】
前記逆浸透膜濾過システムは、少なくとも1段階のディスクチューブ逆浸透膜濾過システムを含み、前記ディスクチューブ逆浸透膜濾過システムの濃縮液出口は、ナノ濾過膜濾過システム62の給液口と連通している。
【0062】
前記アンモニア回収システム4は、蒸留システムまたは精留システムを含む。
【0063】
本発明は、膜処理プロセスの組み合わせを採用し、球状水酸化ニッケルの調製過程における各ステップで生成された途中廃液を体系的に専ら処理するとともに、生成された水の利用価値を総合的に考慮するものである。廃水である原液に対して抽出、濃縮処理を行うことにより、蒸発プロセスの処理量が大幅に低減し、エネルギー消費の低減、環境保護の効果が顕著である。さらに、膜処理システムは、容易に制御でき、簡単に操作できる特徴を有する。本発明の処理方法を用いることにより、生成された水の水質を純水レベルにすることができる。
【0064】
図1は、本発明にかかる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムの処理流れを示す模式図である。
図1に示すように、本具体的な実施形態において、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムは、第1段階の濃縮式膜濾過システム1、第2段階の濃縮式膜濾過システム2、および、第3段階の濃縮式膜濾過システム3を含み、前記第2段階の濃縮式膜濾過システム2は、球状水酸化ニッケル母液の入口、第2段階の上清の出口、および、第2段階の濃縮液の出口を備え、前記第3段階の濃縮式膜濾過システム3は、球状水酸化ニッケル溶出水の入口、第3段階の上清の出口、および、第3段階の濃縮液の出口を備えている。前記第1段階の濃縮式膜濾過システム1の給液口は、球状水酸化ニッケルの生産プロセスにおける抽出ステップで生成された抽残液の抽残液入口であり、前記第2段階の濃縮式膜濾過システム2の入口は、球状水酸化ニッケルの生産プロセスにおける遠心分離および濾過時の球状水酸化ニッケル母液の球状水酸化ニッケル母液入口である。前記第3段階の濃縮式膜濾過システム3の給液口は、球状水酸化ニッケルの生産プロセスにおける溶出時に生成された球状水酸化ニッケル溶出水の球状水酸化ニッケル溶出水給液口である。また、前記第1段階の上清の出口、第2段階の上清の出口、および、第3段階の上清の出口は、合流して連通することにより、球状水酸化ニッケル溶出水の給水口となる。また、前記第1段階の濃縮液の出口は、蒸発システム5と連通しており、前記第2段階の濃縮液の出口および第3段階の濃縮液の出口はともに、アンモニア回収システム4と連通しており、前記アンモニア回収システム4は、蒸留システムまたは精留システムを含み、アンモニア回収システム4の排気口からアンモニアガスが排出され、アンモニア回収システム4の排液口から蒸留後の残液が排出される。前記第1段階の濃縮液の出口は、蒸発システム5と接続しており、前記第2段階の濃縮液の出口および第3段階の濃縮液の出口はともに、アンモニア回収システム4と接続しており、前記アンモニア回収システム4の排液口は、蒸発システム5と接続している。
【0065】
前記第1段階の濃縮式膜濾過システム、第2段階の濃縮式膜濾過システム、および、第3段階の濃縮式膜濾過システムは、構成としては同じである。
図2は、本発明における濃縮式膜濾過システムの処理流れを示す模式図である。
図2に示すように、本具体的な実施形態において、前記濃縮式膜濾過システムは、いずれも、順に互いに接続された前処理システム65、限外濾過膜濾過システム61、ナノ濾過膜濾過システム62、第1のディスクチューブ逆浸透膜濾過システム63、および第2のディスクチューブ逆浸透膜濾過システム64を含み、前記第1のディスクチューブ逆浸透膜濾過システム63の濃縮液出口、および、第2のディスクチューブ逆浸透膜濾過システム64の濃縮液出口はともに、還流によりナノ濾過膜濾過システム62の給液口と連通している。
【0066】
図3は、本発明にかかる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムを球状水酸化ニッケルの生産プロセスに用いる場合を示す模式図である。
図3に示すように、球状水酸化ニッケルの生産プロセスは、基本的に、抽出ステップ、調製ステップ、遠心分離、精密濾過、溶出、乾燥等を含み、ニッケル含有廃棄物は、これらの工程を順に経て、最終的に球状水酸化ニッケル製品が産出される。本発明にかかる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムにおいて、第1段階の濃縮式膜濾過システム1の給液口には、抽出ステップで生成された抽残液を導入し、第2段階の濃縮式膜濾過システム2の給液口には、遠心分離および精密濾過時に生成された球状水酸化ニッケル母液を導入し、第3段階の濃縮式膜濾過システム3の給液口には、溶出時に生成された球状水酸化ニッケル溶出水を導入する。第1段階の濃縮式膜濾過システム1、第2段階の濃縮式膜濾過システム2、および第3段階の濃縮式膜濾過システム3の上清口は、溶出処理時の給水口として統一されている。
【0067】
前記限外濾過膜濾過システム61は、分子量>500、且つ粒子径>0.005μmの粒子を濾過する濾過システムであり、ナノ濾過膜濾過システム62は、分子量150~500、且つ粒子径0.0005~0.005μmのものを濾過する濾過システムであり、逆浸透膜濾過システムは、分子量50~150、且つ粒子径0.0001~0.001μmのものを濾過する濾過システムである。
【0068】
前記限外濾過膜濾過システム61、ナノ濾過膜濾過システム62、および、逆浸透膜濾過システムの濾過膜は、金属間化合物濾過膜、セラミック濾過膜、および、高分子ポリマー濾過膜のうちの1つである。
【0069】
前記前処理システム65は、初期濾過システム、pH調節装置および冷却装置を含む。
【0070】
本発明は、球状水酸化ニッケルの生産プロセスにおける各ステップの途中廃水の再利用を実現でき、球状水酸化ニッケルの生産コストおよび廃水処理コストを大幅に削減することができる。廃水である原液に対して抽出、濃縮処理を行うことにより、蒸発プロセスの処理量が大幅に低減し、エネルギー消費の低減、環境保護の効果が顕著である。さらに、膜処理システムは、容易に制御でき、簡単に操作できる特徴を有する。本発明の処理方法を用いることにより、生成された水の水質を純水レベルにすることができる。
【0071】
以上、本発明に関する内容を説明した。当業者は、これらの説明に基づき本発明を実現することができる。本発明の前記内容を基に、当業者が創造的労力なしに見出せるこれ以外の全ての実施例は、いずれも本発明にかかる請求の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】本発明にかかる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムの処理流れを示す模式図である。
【
図2】本発明における濃縮式膜濾過システムの処理流れを示す模式図である。
【
図3】本発明にかかる、球状水酸化ニッケルの生産プロセスの途中廃水の処理システムを球状水酸化ニッケルの生産プロセスに用いる場合を示す模式図である。