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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】マスク固定具
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/06 20060101AFI20221109BHJP
   A62B 18/08 20060101ALI20221109BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
A61M16/06 A
A62B18/08 C
A41D13/11 Z
A41D13/11 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021206147
(22)【出願日】2021-12-20
【審査請求日】2021-12-20
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519034565
【氏名又は名称】株式会社iDevice
(74)【代理人】
【識別番号】100134430
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 卓士
(72)【発明者】
【氏名】原 正彦
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-512967(JP,A)
【文献】特表2006-518231(JP,A)
【文献】特表2011-516193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/06
A62B 18/08
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを顔に固定するためのマスク固定具であって、
未装着展開状態で左右に延びた第1、第2腕部を有し、装着時にユーザの後頸部または後頭部の少なくとも一部を覆う矩形の中央支持部と、
展開時に前記第1、第2腕部から斜め上方向に延設された一対の第1ベルトであって、装着時には、前記ユーザの前頭部において、その端部同士が接続され、左右対称に長さ調整可能な一対の第1ベルトと、
展開時に前記第1、第2腕部から斜め下方向に延設された一対の第2ベルトであって、装着時には、前記ユーザの顔の前面において、その端部がマスク上部に接続される一対の第2ベルトと、
展開時に前記中央支持部から斜め下方向に延設された一対の第3ベルトであって、装着時には、前記ユーザの顔の前面において、その端部がマスク下部に接続される一対の第3ベルトと、
を備え、
前記第1、第2腕部は、未装着展開状態で略同一直線上に水平方向に形成され、
前記第1ベルトが前記第1、第2腕部に対してなす角度と、前記第2ベルトが前記第1、第2腕部に対してなす角度とは略同一であり、前記第2ベルト及び第3ベルトが平行に形成され
装着時においては、前記一対の第1ベルトと前記中央支持部とにより鉢巻状に形成された輪にユーザの前頭部から後頭部にかけての頭周を挿入し、ユーザの頭部に装着固定可能となるマスク固定具。
【請求項2】
前記中央支持部と、接続された一対の前記第1ベルトとによって形成された輪に、ユーザの頭を挿入することにより、マスクを取付けない状態でも、ユーザ頭部に装着可能な請求項1に記載のマスク固定具。
【請求項3】
前記第1、第2、第3ベルトが伸縮可能な部材で形成された請求項1または2に記載のマスク固定具。
【請求項4】
前記第1、第2、第3ベルトは、表面と裏面とで、素材、色、またはデザインが異なる請求項1~3のいずれか1項に記載のマスク固定具。
【請求項5】
前記第2、第3ベルトの少なくともいずれか一つが、色によってマスク接続部と対応づけられた請求項1~4のいずれか1項に記載のマスク固定具。
【請求項6】
前記第1、第2、第3ベルトの少なくともいずれか一つが前記中央支持部と着脱可能に構成された請求項1~5のいずれか1項に記載のマスク固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野において、特許文献1には、防塵用マスクを顔の前面に固定するためのバンドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-299744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献に記載の技術では、マスクの取付および取り外しが容易ではなかった。
【0005】
本発明の目的は、上述の課題を解決する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明にかかるマスク固定具は、
マスクを顔に固定するためのマスク固定具であって、
未装着展開状態で左右に延びた第1、第2腕部を有し、装着時にユーザの後頸部または後頭部の少なくとも一部を覆う矩形の中央支持部と、
展開時に前記第1、第2腕部から斜め上方向に延設された一対の第1ベルトであって、装着時には、前記ユーザの前頭部において、その端部同士が接続され、左右対称に長さ調整可能な一対の第1ベルトと、
展開時に前記第1、第2腕部から斜め下方向に延設された一対の第2ベルトであって、装着時には、前記ユーザの顔の前面において、その端部がマスク上部に接続される一対の第2ベルトと、
展開時に前記中央支持部から斜め下方向に延設された一対の第3ベルトであって、装着時には、前記ユーザの顔の前面において、その端部がマスク下部に接続される一対の第3ベルトと、
を備え、
前記第1、第2腕部は、未装着展開状態で略同一直線上に水平方向に形成され、
前記第1ベルトが前記第1、第2腕部に対してなす角度と、前記第2ベルトが前記第1、第2腕部に対してなす角度とは略同一であり、前記第2ベルト及び第3ベルトが平行に形成され
装着時においては、前記一対の第1ベルトと前記中央支持部とにより鉢巻状に形成された輪にユーザの前頭部から後頭部にかけての頭周を挿入し、ユーザの頭部に装着固定可能となるマスク固定具。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るマスク固定具の構成を示す図である。
図2】第1実施形態に係るマスク固定具の構成を示す図である。
図3】第1実施形態に係るマスク固定具の装着状態を示す図である。
図4】第1実施形態に係るマスク固定具の装着状態を示す図である。
図5】第1実施形態に係るマスク固定具の装着状態を示す図である。
図6】第1実施形態に係るマスク固定具の装着状態を示す図である。
図7】第1実施形態に係るマスク固定具の装着状態を示す図である。
図8】第1実施形態に係るマスク固定具の装着状態を示す図である。
図9】第1実施形態に係る蛇腹マスクを後方斜め上から見た図である。
図10】第2実施形態に係るマスク固定具の構成を示す図である。
図11】第3実施形態に係るマスク固定具の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0009】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態としてのマスク固定具100について、図1を用いて説明する。マスク固定具100は、例えば、人工呼吸器用マスク、CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)やBiPAP(Biphasic Positive Airway Pressure)を含む非侵襲的陽圧換気NIPPV(Non-Invasive Positive Pressure Ventilation)用マスク、N95マスクといった空気感染対策用マスク、衛生用マスク、防じんマスク、防毒マスクなどを顔に固定するための固定具である。マスクは、フルフェイスマスクでも、鼻のみのマスクでも、口のみのマスクでもよい。
【0010】
図1は、マスクに取り付ける前のマスク固定具100を展開させた展開図である。
【0011】
図1に示すように、マスク固定具100は、中央において各種ベルトを支持する中央支持部101と、中央支持部101に接続されたベルト102~107とを備える。中央支持部101とベルト102~107とは、色や素材、材質が同じ、または異なる伸縮可能な部材で形成され、6箇所の縫い目(突き合わせ縫い)108によって接続されている。なお、縫い目の位置や有無は固定具に求める機能やデザイン、生産性に応じて適宜変更してもよい。例えば、生産性を向上させるため縫い目を設けず、中央支持部101とベルト102~107を一体に形成してもよい。また、縫い目ではなく、ファスナー、ボタン、フック状の部材、アイロンテープなどで中央支持部101とベルト102~107とを接続してもよい。そうすれば、ユーザの顔の形状や好みに応じてベルト102~107を交換可能となる。この際、ベルトごとに色や素材、材質、デザインを変えてもよい。このようにベルトの違いを非言語的に表現することで認知機能が低下しているような高齢者でも迷うことなく、各ベルトをマスクにどのように接続すべきか簡単に把握、識別、認識可能になる。例えばベルト104,105を同色にし、ベルト106、107を同色にして、それぞれ異なる色としてもよい。あるいは、ベルト105、107を同色にしてベルト104、106を同色にして、それぞれ異なる色としてもよい。
【0012】
中央支持部101は、未装着展開状態で左右に延びた腕部111、112を有し、装着時には、ユーザの後頸部または後頭部の少なくとも一部を覆う。
【0013】
ベルト102、103は、展開状態において、腕部111、112から斜め上方向に延設されており、装着時には、ユーザの前頭部において、その端部同士が接続されて、中央支持部101とともに輪を形成する。
【0014】
ベルト104、105は、展開状態において、腕部111、112から斜め下方向に延設されており、装着時には、ユーザの顔の前面において、その端部がマスク上部に接続される。
【0015】
ベルト106、107は、展開状態において、中央支持部101から斜め下方向に延設され、装着時には、ユーザの顔の前面において、その端部がマスク下部に接続される。
【0016】
ベルト102~107の先端には、マジックテープ(登録商標)やVelcro(登録商標)として知られる面ファスナ121~171が設けられ、中央支持部101およびベルト102~107の表面(装着時に外側に向く面)は、面ファスナ121~171と係合する態様となっている。
【0017】
図2は、マスク固定具100に、マスクへの固定等に用いられる部品を取り付けた状態を説明するための図である。
【0018】
ベルト102、103の先端は、ともに、接続部材としての環状部材201に通され、折り曲げられて面ファスナ121、131でベルト102、103の表面に貼り付けられている。ベルトの着脱を容易に行うことができる。ベルト102,103の厚みは、ベルトの端部同士を接続する接続部材よりも厚く形成されていてもよい。腕部111、112を含む中央支持部101とベルト102、103とによって鉢巻状に形成された輪202にユーザの前頭部から後頭部にかけて任意の頭周をピッタリ挿入することができるように、輪202の大きさを調整できる。一対のベルト102、103は、長さ調整可能な状態で互いに接続され、中央支持部101と、接続された一対のベルト102、103とによって形成された輪202に、ユーザの頭を挿入する(ユーザが頭からかぶる)ことにより、マスクを取付けない状態でも、ユーザ頭部に装着固定可能となる。また、マスク固定具100がこのような構造をとることによって、例えば看護師といったマスク装着介助者は、ユーザである患者がベッド上で枕の上に頭部を載せた状態、あるいは頭部や顔面外傷治療後の各種装具装着状態においても、マスク固定具やマスクを難なく装着させることが可能となる。特に、マスク固定具が伸縮性のある素材でできているため、装着介助が極めて行いやすくなる。さらに、伸縮性のない素材によってユーザである患者の皮膚を傷つけたり、治療関連装具にひっかけて外してしまったりというような医療事故(インシデントやアクシデント)リスクを低減することが可能となる。ベルト102~107が伸縮性のある部材の場合は仮に治療関連装具に引っ掛かってもマスクから外れる可能性が低くなる。
【0019】
装着時には、環状部材201は、ユーザの前頭部の真ん中、あるいは中央付近に配置される。ベルト102、103が概ね左右対称に構成されるため、装着時のフィット感がよく、美観もよい。
【0020】
ベルト102~107は全て伸縮性のある、あるいは伸縮自在な部材で形成されているため、その弾性により、マスクを適正な圧力で顔に密着させることができる。また、中央支持部101を含むマスク固定具全体に伸縮性を持たせてもよい。
【0021】
ベルト104~107の先端には、マスクの仕様に応じた取付具204~207が取り付けられている。ここでは、マスクから突き出した棒状部を穴に通して引掛けるフック型のメスコネクタを取付具204~207として示しているが、これに限定されるものではなく、あらゆる取付具を取り付けることができ、ユーザが自由に変更可能である。例えば、マスク側に設けられて環状部にベルト104~107の先端を通して折り曲げて、面テープにより固定してもよい。
【0022】
図3図4図5は、ユーザ300がマスク固定具100のみを装着した状態(正面図、右側面図、および背面図)を示す。中央支持部101と、接続された一対のベルト102、103とによって形成された輪202に、ユーザ300の頭頂部から後頭部にかけた301がすっぽりと嵌り、マスクを取付けない状態でも、安定的にユーザ頭部に装着されている。伸縮性のある部材が安定的に頭部に装着されていることより、ユーザは不快感がない、不快感が少ないというよりは、装着していることをむしろ快適とすら感じることが可能となる。
【0023】
また、ベルト106,107は、中央支持部101から斜め下方に延設されているため、ねじれることなくきれいに首に沿って垂れ下がる。したがって、ユーザ300がマスク固定具100のみを装着した状態でも、ユーザ300は違和感を感じたり、マスク固定具100の離脱やズレを心配することなく、食事や飲水、洗顔、化粧、喫煙、薬剤の点眼・点鼻、口腔内・口周囲に対するケア(例えば歯磨きや髭剃り)など、他の作業を行うことができる。なお、マスク固定具全体またはその一部の表面と裏面の素材や色を変える、あるいは文字や印、イラストを用いることで、固定具装着の際に表裏が理解しやすくなるように視認性や、触覚による認識性を向上させてもよい。
【0024】
図6は、マスク固定具100の片側のベルト106のみに人工呼吸器用マスク600を取り付けた状態を示す正面図である。このように、顔からマスク600を外した状態でもマスク固定具100を装着したままでいることができる。したがって、ユーザーは病院等の医療現場や、工事現場のようにマスクを置くと不衛生となるなるような場所でマスクをマスク固定具に接続した状態で、衛生的に着脱どちらの状態でも維持することが可能である。
【0025】
このように固定具100のみを頭部へしっかりと装着できるのでマスク固定具100を頭からかぶって装着してから、ベルト104~107をマスクに一つ一つゆっくりと取り付けることができる。このため、手先が器用でなくとも、一人で確実にマスクを顔に装着することが可能となる。また、固定具全体、あるいはその一部に伸縮性のある素材を用いることで、これとは逆に、あらかじめマスクをセットした状態のマスク固定具100を被ることも可能である。ユーザ、あるいは看護師などのマスク装着介助者は、自身のやりやすいように装着方法を適宜選択できる。
【0026】
従来のマスク固定具は全体的な伸縮性がないか、または一部伸縮性のない部分が存在するため、マスクが所々顔にフィットせず、マスクが浮いたり、皮膚との間に隙間が生じたりして密閉性を確保できない状況が生じえた。つまり、人工呼吸使用時のリークの原因となったり、防塵マスクが機能せず肺に粉塵を吸い込む原因となることがあった。しかし、本実施形態にかかるマスク固定具100は、その構造あるいは伸縮性を有することで頭全体にフィットするため、マスクの密閉性を確保した上で、さらにユーザに心地良さを与えることができる。特に、ベルト102、103の接続箇所が、後頭部や頭頂部ではなく、前頭部側であるため、後頚部に位置する中央支持部101と挟み込むような構造となっておりずり落ちにくい。このような良好な支持性を有するため、ユーザはあらかじめ固定具を装着してからマスクを接続することもストレスを感じずに行うことができ、マスクを固定具に装着してからすっぽり頭にかぶるような装着のしかたも困難なく行うことができる。
【0027】
図7図8は、マスク固定具100に取り付けられた蛇腹マスク700を装着した状態を示す図である。
【0028】
蛇腹マスク700は、蛇腹部701を有し、ユーザの顔の形に追従するとともに、呼吸に合わせて、内部の容積を変化させることができる。蛇腹部701は、柔らかい樹脂で形成されている。蛇腹マスク700は、透明硬質樹脂で形成された前面プレート702を備えている。前面プレート702は、亀の甲羅のように湾曲した形状となっている。前面プレート702を介してユーザの口元をクリアに見ることができる。
【0029】
前面プレート702には、4本のピン721~724が設けられており、それぞれ、取付具204~207と係合することができる。ピン721と取付具204を同色(例えば赤)に着色し、ピン722と取付具205を同色(例えば青)に着色し、ピン723と取付具206を同色(例えば緑)に着色し、ピン724と取付具207を同色(例えば黄)に着色すれば、ベルトとピンとの対応関係が明確になり、取り付けのミスをへらすことが可能となる。つまり、4か所の取付具を全て別々の色などにして、4つのピンの色などに対応させてもよい。上述したように各ベルトの色、素材、材質、デザインを各ピンや取付具に対応させることもできる。なお、例えば上半分(ピン721、722に該当)や、下半分(ピン723、724に該当)、あるいは左右(ピン722、724と、ピン721、723)を識別するような組み合わせに選んでも、ベルトをマスクに容易に取り付けることができ、その組み合わせ方法は自由に選択可能である。ベルト102~107に加えて、蛇腹マスクのピン721~724、あるいは取付具204~207を個別に変更可能な仕様にしてもよい。
【0030】
図9は、蛇腹マスク700のみを後方斜め上(ユーザの目の位置)から見た図である。蛇腹マスク700の蛇腹部701には、帯状部901~906が取り付けらている。帯状部901~906は、右3本、左3本となっているが、これに限定されるものではなく、左右2本ずつでもいいし、左右で本数が異なってもよい。帯状部901~906は、それぞれ、蛇腹部701に沿って前後方向に延びる部材である。帯状部901~906を、蛇腹部701と同じ剛性、あるいは高い剛性の樹脂により形成することで、蛇腹部701に対して取り付ける帯状部901~906の本数により、蛇腹部701の前後伸縮性を皮膚に当接する個所によって変えることができる。帯状部901~906の位置によって、断面形状(幅、太さ、高さ)を変えてもよい。帯状部901~906を設けることにより、鼻の両側の皮膚(目の下の上顎骨部分)に対して、蛇腹部701の端面911,912をしっかりと密着させることが可能となる。帯状部901~906は、蛇腹部701と一体的に形成されてもよいし、別体で形成されて、後から貼着されてもよい。
【0031】
図9では、蛇腹部701の上面に取り付けられた帯状部901~906のみを示しているが、蛇腹部701の下面にも同様の材質の帯状部を取り付けてもよい。例えば、蛇腹部701の下面に、左右4本ずつの帯状部を、上面の左右帯状部よりも間隔をあけて取り付ければ、ユーザの頬に対してしっかりと蛇腹部701を密着させることが可能になる。このように帯状部の数や幅を変えることで、マスクの上下を認識容易にできる。各帯状部の色や素材、デザインを適宜変えてもよい。
【0032】
蛇腹部701の顔側(後方)端部は内側に折り込まれ、鼻の形に沿うように凹部913が形成されている。これにより、顔との接触面積を大きくすることができ、漏れをふせぐ。また、凹部913の両側の端面911、912を広く(凸状に)形成することで、よりバリエーションの多い鼻根部の形状にフィットさせることができる。
【0033】
蛇腹マスク700の場合、その伸縮に合わせて、マスク固定具100が追随して伸縮するため、常に顔にマスクが一定の圧力で押し当てられ、空気の漏れ(リーク)を防止することができる。さらに全体的な伸縮性の乏しい従来のマスク固定具で起こっていた褥瘡等の皮膚障害、圧損傷を予防可能である。
【0034】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係るマスク固定具1000について、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態に係るマスク固定具1000の形状を説明するための展開図である。本実施形態に係るマスク固定具1000は、上記第1実施形態と比べると、中央支持部1001の上辺が直線状となっている点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および機能については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0035】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態に係るマスク固定具1100について、図11を用いて説明する。図11は、本実施形態に係るマスク固定具1100の形状を説明するための展開図である。本実施形態に係るマスク固定具1100は、上記第1実施形態と比べると、腕部1111,1112を備えた中央支持部1101が台形形状となっている点で異なる。その他の構成および動作は、第2実施形態と同様であるため、同じ構成および機能については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0036】
[他の実施形態]
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の技術的範囲で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、それぞれの実施形態に含まれる別々の特徴を如何様に組み合わせたシステムまたは装置も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【要約】
【課題】マスクの着脱が容易なマスク固定具を提供すること。
【解決手段】マスクを顔に固定するためのマスク固定具であって、未装着展開状態で左右に延びた第1、第2腕部を有し、装着時にユーザの後頸部または後頭部の少なくとも一部を覆う中央支持部と、展開時に第1、第2腕部から斜め上方向に延設された一対の第1ベルトであって、装着時には、ユーザの前頭部において、その端部同士が接続される一対の第1ベルトと、展開時に第1、第2腕部から斜め下方向に延設された一対の第2ベルトであって、装着時には、ユーザの顔の前面において、その端部がマスク上部に接続される一対の第2ベルトと、展開時に中央支持部から斜め下方向に延設された一対の第3ベルトであって、装着時には、ユーザの顔の前面において、その端部がマスク下部に接続される一対の第3ベルトと、を備えたマスク固定具。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11