(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】餌の保持具
(51)【国際特許分類】
A01K 97/04 20060101AFI20221109BHJP
【FI】
A01K97/04 E
(21)【出願番号】P 2022063327
(22)【出願日】2022-04-06
【審査請求日】2022-04-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513132450
【氏名又は名称】有限会社オフィス・ユーカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】石 川 優 美 子
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05054226(US,A)
【文献】登録実用新案第3035793(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0029608(US,A1)
【文献】登録実用新案第3200362(JP,U)
【文献】特開平09-275868(JP,A)
【文献】特開2001-095449(JP,A)
【文献】特開2020-058327(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0360021(US,A1)
【文献】米国特許第05090097(US,A)
【文献】韓国登録特許第10-1250292(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 97/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向して設けられた第1、第2の挟持体を回動自在に支持し、前記第1
の挟持体の一方側及び前記第2の挟持体の一方側を開閉操作するつまみ部とし、前記第1
の挟持体の他方側及び前記第2の挟持体の他方側を餌の挟持部とすると共に、前記他
方側を閉鎖する方向に付勢するばねを有した餌の保持具であって、
前記餌の挟持部の一方は、前記第1の挟持体の先端に並設した複数の一方側挟持部であり、
前記餌の挟持部の他方は、前記第2の挟持体の先端に並設した複数の他方側挟持部であり、
前記複数の一方側挟持部と前記複数の他方側挟持部で前記餌の複数の部位が挟持されるものであり、
前記餌の複数の部位は、少なくとも、第1、第2の部位であり、正面視、左から右に向かって、前記第1、第2の部位の順であり、
正面視、前記第1の部位と前記第2の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第1の部位と前記第2の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され
、
正面視、前記第1の挟持体の側方に張り出した一方側側方挟持部と、
背面視、前記第2の挟持体の側方に張り出し、前記一方側側方挟持部に対向する位置に設けられた他方側方挟持部とを備え、
前記一方側側方挟持部と前記他方側方挟持部で単一の餌を挟持する
ことを特徴とする餌の保持具。
【請求項2】
対向して設けられた第1、第2の挟持体を回動自在に支持し、前記第1
の挟持体の一方側及び前記第2の挟持体の一方側を開閉操作するつまみ部とし、前記第1
の挟持体の他方側及び前記第2の挟持体の他方側を餌の挟持部とすると共に、前記他
方側を閉鎖する方向に付勢するばねを有した餌の保持具であって、
前記餌の挟持部の一方は、前記第1の挟持体の先端に並設した複数の一方側挟持部であり、
前記餌の挟持部の他方は、前記第2の挟持体の先端に並設した複数の他方側挟持部であり、
前記複数の一方側挟持部と前記複数の他方側挟持部で前記餌の複数の部位が挟持されるものであり、
前記餌の複数の部位は、少なくとも、第1、第2、第3、第4の部位であり、正面視、左から右に向かって、前記第1、第2、第3、第4の部位の順であり、
正面視、前記第1の部位と前記第2の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第1の部位と前記第2の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され、
正面視、前記第2の部位と前記第3の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第2の部位と前記第3の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され、
正面視、前記第3の部位と前記第4の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第3の部位と前記第4の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され
、
正面視、前記第1の挟持体の側方に張り出した一方側側方挟持部と、
背面視、前記第2の挟持体の側方に張り出し、前記一方側側方挟持部に対向する位置に設けられた他方側方挟持部とを備え、
前記一方側側方挟持部と前記他方側方挟持部で単一の餌を挟持する
ことを特徴とする餌の保持具。
【請求項3】
対向して設けられた第1、第2の挟持体を回動自在に支持し、前記第1の挟持体の一方側及び前記第2の挟持体の一方側を開閉操作するつまみ部とし、前記第1の挟持体の他方側及び前記第2の挟持体の他方側を餌の挟持部とすると共に、前記他方側を閉鎖する方向に付勢するばねを有した餌の保持具であって、
正面視、
前記第1の挟持体の側方に張り出した一方側側方挟持部と、
背面視、
前記第2の挟持体の側方に張り出し、前記一方側側方挟持部に対向する位置に設けられた他方側方挟持部とを備え、
前記一方側側方挟持部と前記他方側方挟持部で単一の餌を挟持する
ことを特徴とす
る餌の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、餌の保持具に係り、特に、長手方向に長い餌を容易に切断できる餌の保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、極小エサの針刺しを容易にする釣針へのエサ付け用補助具がある(特許文献参照)。
このエサ付け用補助具は、対の樹脂製挟持片(11、12)がその後端で接合され途中で交差して両先端の挟持用刃部(13、14)が自身の弾力によって当接している。挟持用刃部は、複数の針状挟持子(櫛刃13a、ピン刃14a)が並列されており、各挟持子の間は釣り針が通り得る間隔に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記のエサ付け用補助具にあっては、イソメ、ごかい等の長手方向に長い餌を掴んでも、二カ所を保持した餌の中途に切断具を入れるスペースがないため切断できないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を除去するようにした餌の保持具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の餌の保持具は、対向して設けられた第1、第2の挟持体を回動自在に支持し、前記第1の挟持体の一方側及び前記第2の挟持体の一方側を開閉操作するつまみ部とし、前記第1の挟持体の他方側及び前記第2の挟持体の他方側を餌の挟持部とすると共に、前記他方側を閉鎖する方向に付勢するばねを有した餌の保持具であって、前記餌の挟持部の一方は、前記第1の挟持体の先端に並設した複数の一方側挟持部であり、前記餌の挟持部の他方は、前記第2の挟持体の先端に並設した複数の他方側挟持部であり、前記複数の一方側挟持部と前記複数の他方側挟持部で前記餌の複数の部位が挟持されるものであり、前記餌の複数の部位は、少なくとも、第1、第2の部位であり、正面視、左から右に向かって、前記第1、第2の部位の順であり、正面視、前記第1の部位と前記第2の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第1の部位と前記第2の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され、正面視、前記第1の挟持体の側方に張り出した一方側側方挟持部と、背面視、前記第2の挟持体の側方に張り出し、前記一方側側方挟持部に対向する位置に設けられた他方側方挟持部とを備え、前記一方側側方挟持部と前記他方側方挟持部で単一の餌を挟持するものである。
【0007】
また、請求項2記載の餌の保持具は、対向して設けられた第1、第2の挟持体を回動自在に支持し、前記第1の挟持体の一方側及び前記第2の挟持体の一方側を開閉操作するつまみ部とし、前記第1の挟持体の他方側及び前記第2の挟持体の他方側を餌の挟持部とすると共に、前記他方側を閉鎖する方向に付勢するばねを有した餌の保持具であって、前記餌の挟持部の一方は、前記第1の挟持体の先端に並設した複数の一方側挟持部であり、前記餌の挟持部の他方は、前記第2の挟持体の先端に並設した複数の他方側挟持部であり、前記複数の一方側挟持部と前記複数の他方側挟持部で前記餌の複数の部位が挟持されるものであり、前記餌の複数の部位は、少なくとも、第1、第2、第3、第4の部位であり、正面視、左から右に向かって、前記第1、第2、第3、第4の部位の順であり、正面視、前記第1の部位と前記第2の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第1の部位と前記第2の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され、正面視、前記第2の部位と前記第3の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第2の部位と前記第3の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され、正面視、前記第3の部位と前記第4の部位との間において、隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離は、前記第3の部位と前記第4の部位との間の餌をカットする切断具が入る寸法に設定され、正面視、前記第1の挟持体の側方に張り出した一方側側方挟持部と、背面視、前記第2の挟持体の側方に張り出し、前記一方側側方挟持部に対向する位置に設けられた他方側方挟持部とを備え、前記一方側側方挟持部と前記他方側方挟持部で単一の餌を挟持するものである。
【0008】
また、請求項3記載の餌の保持具は、対向して設けられた第1、第2の挟持体を回動自在に支持し、前記第1の挟持体の一方側及び前記第2の挟持体の一方側を開閉操作するつまみ部とし、前記第1の挟持体の他方側及び前記第2の挟持体の他方側を餌の挟持部とすると共に、前記他方側を閉鎖する方向に付勢するばねを有した餌の保持具であって、正面視、前記第1の挟持体の側方に張り出した一方側側方挟持部と、背面視、前記第2の挟持体の側方に張り出し、前記一方側側方挟持部に対向する位置に設けられた他方側方挟持部とを備え、前記一方側側方挟持部と前記他方側方挟持部で単一の餌を挟持するものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の餌の保持具によれば、第1の部位と第2の部位との間において、挟持した餌をカットする切断具が入る寸法に隣接する一方側挟持部と他方側挟持部との距離(例えば、7mm)が設定されているため、餌の保持具で保持された餌に手を触れないで切断具を使用してカットすることができる。なお、第1の部位及び第2の部位より餌の保持具の外側に位置する餌をカットすれば、餌を3個に切断することができる。
【0014】
また、請求項2記載の餌の保持具によれば、複数の一方側挟持部と複数の他方側挟持部で餌を複数の部位(第1、第2、第3の部位)で挟持し、前記第1の部位と前記第2の部位との間において、挟持した前記餌をカットする切断具が入る寸法に隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離(例えば、約7mm)が設定され、
前記第2の部位と前記第3の部位との間において、挟持した前記餌をカットする切断具が入る寸法に隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離(例えば、約7mm)が設定され、
前記第3の部位と前記第4の部位との間において、挟持した前記餌をカットする切断具が入る寸法に隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離(例えば、約7mm)が設定されているため、餌の保持具で保持された餌に手を触れないで切断具を使用して複数にカットすることができる。
【0015】
また、請求項3記載の餌の保持具によれば、一方側側方挟持部と他方側方挟持部で単一の餌を挟持することができるため、一つの餌の保持具を使用して、混在する複数の餌の中から単一の餌を取り出し、取り出した餌を略直線状にして、挟持する部位を「一方側側方挟持部、他方側方挟持部」から「複数の一方側挟持部、複数の他方側挟持部」に変えて、複数の一方側挟持部と複数の他方側挟持部で餌を挟持して、餌をカットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本願発明の一実施例の餌の保持具の斜め上方から見た3D画像である。
【
図2】
図2は、
図1の餌の保持具の実施品を正面から撮影した写真である。
【
図3】
図3は、
図2の餌の保持具の第1、第2の挟持体を開いた状態を撮影した写真である。
【
図4】
図4は、
図2の第1、第2の挟持体の先端を近接して撮影した写真である。
【
図5】
図5は、
図2の第1、第2の挟持体の先端を
図4と異なる方向から撮影した写真である。
【
図6】
図6は、
図2の第1、第2の挟持体の先端を
図5と異なる方向から撮影した写真である。
【
図7】
図7は、
図2の餌の保持具の第1、第2の挟持体に餌を挟持した状態を撮影した写真である。
【
図8】
図8は、
図7の第1、第2の挟持体に挟持した餌を切断する状態を撮影した写真である。
【
図9】
図9は、
図7の第1、第2の挟持体に挟持した餌に針を刺した状態を撮影した写真である。
【
図10】
図10は、
図9の第1、第2の挟持体に挟持した餌を切断する状態を撮影した写真である。
【
図11】
図11は、
図1の餌の保持具の一方側挟持部と他方側挟持部の先端で餌をすくう前の状態を撮影した写真である。
【
図12】
図12は、
図11の餌の保持具の一方側挟持部と他方側挟持部の先端で餌をすくう途中の状態を撮影した写真である。
【
図13】
図13は、
図12の餌の保持具の一方側挟持部と他方側挟持部の先端で餌をすくった状態を撮影した写真である。
【
図14】
図14は、
図1の餌の保持具の一方側側方挟持部と他方側方挟持部で単一の餌を挟持する前の状態を撮影した写真である。
【
図15】
図15は、
図14の餌の保持具を単一の餌に近づけ、一方側側方挟持部と他方側方挟持部で単一の餌を挟持する前の状態を撮影した写真である。
【
図16】
図16は、
図15の餌の保持具を単一の餌に近づけ、一方側側方挟持部と他方側方挟持部で単一の餌を挟持する前の状態を撮影した写真である。
【
図17】
図17は、
図16の餌の保持具の一方側側方挟持部と他方側方挟持部で単一の餌を挟持した状態を撮影した写真である。
【
図18】
図18は、
図17の餌の保持具の一方側側方挟持部と他方側方挟持部で挟持した単一の餌を持ち上げた状態を撮影した写真である。
【
図19】
図19は、
図2の餌の挟持部と反対側のつまみ部の方向から撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施例の餌の保持具を図面(
図1乃至
図19)を参照して説明する。
図1に示すHは、対向して設けられた第1、第2の挟持体1、2を回動自在に支持し、第1、第2の挟持体1、2の一方側を開閉操作するつまみ部3とし、第1、第2の挟持体の他方側を「餌10の挟持部」とすると共に、前記他端側を閉鎖する方向に付勢するばね(例えば、捻じりばね)4を有した餌の保持具である。
なお、餌10は、長手方向に長い餌で、具体的には、例えば、ゴカイ、イソメ等の環虫類である。
また、第1、第2の挟持体1、2の回動自在は、例えば、第1の挟持体1に設けた一対の立設壁1K、1Kの穴(図示せず)、第2の挟持体2K、2Kに設けた穴(図示せず)に、例えば、捻じりばね4の巻部を通した軸Gを取り付け、ばね4の付勢力は、例えば、捻じりばね4の第1のアーム41を第1の挟持体1の裏面に、捻じりばね4の第2のアーム42を第2の挟持体2の裏面に、それぞれ当接して、常時は、第1、第2の挟持体1、2の他端側(挟持部)を閉鎖する方向に付勢するようにしている(
図19参照)。
【0022】
また、
図1、
図4、
図5、
図6、
図11乃至
図13に示すように、前記「餌10の挟持部」の一方は、第1の挟持体1の先端に並設した複数の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、17であり、前記餌の挟持部の他方は、第2の挟持体2の先端に並設した複数の他方側挟持部21、22、23、24、25、26、27、28である。一方側挟持部11、12、13、14、15、16、17及び他方側挟持部21、22、23、24、25、26、27、28の先端は、餌10をすくうためのすくい爪に形成されている。このすくい爪は、先の曲がったフック形状をなしている。
そのため、餌10を掴みやすいと共に、掴んだ餌10の保持状態も良好で、餌10が餌の保持具Hから離脱しにくい等の効果を有する。
【0023】
また、第1の挟持体1の複数の一方側挟持部(例えば、第1、第2、第3、第4、第4、第6、第7の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、17)と第2の挟持体2の複数の他方側挟持部(例えば、第1、第2、第3、第4、第4、第6、第7の、第8の他方側挟持部21、22、23、24、25、26、27、28)で餌10の複数の部位が挟持されるものであり、餌10の複数の部位は、第1、第2、第3、第4の部位A、B、C、Dであり、正面視、左から右に向かって、第1、第2、第3、第4の部位A、B、C、Dの順となっている(
図7参照)。
そして、正面視、第1の部位Aと第2の部位Bとの間において、隣接する一方側挟持部12と他方側挟持部23との距離T(Tは、例えば、約7mm)は、第1の部位Aと第2の部位Bとの間の餌10をカットする切断具(例えば、ハサミ)5が入る寸法に設定され、
また、正面視、第2の部位Bと第3の部位Cとの間において、隣接する一方側挟持部14と他方側挟持部25との距離T(Tは、例えば、約7mm)は、第2の部位Bと第3の部位Cとの間の餌10をカットする切断具(例えば、ハサミ)5が入る寸法に設定され、
また、正面視、第3の部位Cと第4の部位Dとの間において、隣接する一方側挟持部16と他方側挟持部27との距離T(Tは、例えば、約7mm)は、第3の部位Cと第4の部位Dとの間の餌10をカットする切断具(例えば、ハサミ)5が入る寸法に設定されている。
そのため、餌の保持具Hで保持された餌10に手を触れないで切断具5を使用してカットすることができる。第1の部位Aと第2の部位Bとの間の餌10、第2の部位Bと第3の部位Cとの間の餌10、第3の部位Cと第4の部位Dとの間の餌10、第1の部位A及び第4の部位Dより餌の保持具Hの外側に位置する餌10をそれぞれ、カットすれば、餌10を5個に切断することができる。
なお、本実施例においては、第1、第2、第3、第4の部位A、B、C、Dと4つ設けたが、その数は適宜設ければ良く、餌の保持具Hが第1、第2の部位A、Bの場合、第1の部位Aと第2の部位Bとの間の餌10、第1の部位A及び第2の部位Bより餌の保持具Hの外側に位置する餌10を切断具(例えば、ハサミ)5でカットすれば、餌を3個に切断することができる。餌10を切断する前に、餌10に針は付けられている。
【0024】
また、餌の保持具Hは、
図1~
図3、
図14乃至
図18に示すように、正面視、第1の挟持体1の側方に張り出した一方側側方挟持部11’と、背面視、第2の挟持体2の側方に張り出し、一方側側方挟持部11’に対向する位置に設けられた他方側方挟持部21’とを備えている。
この一方側側方挟持部11’と他方側方挟持部21’で単一の餌10を挟持することができる(
図18参照)。
なお、長手方向に長い餌10、例えば、ゴカイ、イソメ等の環虫類の餌10は、餌箱の中で互いに絡み合ってだんご状になる性質を持っている。そのため、1尾だけつまんでとりだし、その上で虫体全体を把持することを可能にした。その結果、虫が苦手な釣人が手に巻かれたり、噛まれたりすることを防止することができる。
即ち、一つの餌の保持具Hを使用して、混在する複数の餌10の中から一方側側方挟持部11’と他方側方挟持部21’で単一の餌10を挟持して、単一の餌10を取り出し、取り出した餌10を略直線状にして、挟持する部位を「一方側側方挟持部11’、他方側方挟持部21’」から「複数の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、17、複数の他方側挟持部21、22、23、24、25、26、27、28」に変えて、第1の挟持体1と第2の挟持体2で餌10を挟持して、餌10をカットすることができる(
図7乃至
図10、
図14乃至
図18参照)。
【0025】
餌10をカットする前に、
図7、
図9に示すように、第1の部位Aと第2の部位Bとの間の餌10に第1の針51が、第2の部位Bと第3の部位Cとの間の餌10に第2の針52が、第3の部位Cと第4の部位Dとの間の餌10に第3の針53が、それぞれ刺されているのが好ましい。また、針51、52、53をかけた餌10ごとに切断具5で切断することができ、使用勝手を向上した餌の保持具Hを得ることができる。
加えて、餌10の第1の部位Aの外側に第4の針(図示せず)が、餌10の前記第4の部位Dの外側に第5の針(図示せず)が、それぞれ刺されているようにしても良い。この場合、餌10に第1の針51、第2の針52、第3の針53、第4の針(図示せず)、第5の針(図示せず)と五個の針をかけると共に、針をかけた餌10ごとに切断具5で切断することができる使用勝手を向上した餌の保持具Hを得ることができる。
【0026】
また、複数の一方側挟持部は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、17であり、隣接する第1、第2の一方側挟持部11、12の隣接距離t、隣接する第3、第4の一方側挟持部13、14の隣接距離t、隣接する第5、第6の一方側挟持部15、16の隣接距離t(T>tで、tは、例えば、約4mmである。)である。
また、複数の他方側挟持部は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8の他方側挟持部21、22、23、24、25、26、27、28であり、隣接する第1、第2の他方側挟持部21、22の隣接距離(図示しないが上述tと同じ寸法である)、隣接する第3、第4の他方側挟持部23、24の隣接距離(図示しないが上述tと同じ寸法である)、隣接する第5、第6の他方側挟持部25、26の隣接距離(図示しないが上述tと同じ寸法である)、隣接する第7、第8の他方側挟持部27、28の隣接距離(図示しないが上述tと同じ寸法である)である。なお、
図2に示すt’は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、17、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8の他方側挟持部21、22、23、24、25、26、27、28の幅で、約3mmである。
【0027】
また、餌の保持具Hのつまみ部3から遠い側の他端側が閉じた場合、隣接する第1、第2の一方側挟持部11、12の間に第2の他方側挟持部22が位置し、第2の一方側挟持部12と第3の一方側挟持部13の間に第3の他方側挟持部23が位置し、隣接する第3、第4の他方側挟持部23、24の間に第3の一方側挟持部13が位置し、第3の一方側挟持部13と第4の一方側挟持部14の間に第4の他方側挟持部24が位置し、第4の一方側挟持部14と第5の一方側挟持部15の間に第5の他方側挟持部25が位置し、第5の他方側挟持部25と第6の他方側挟持部26の間に第5の一方側挟持部15が位置し、第5の一方側挟持部15と第6の一方側挟持部16の間に第6の他方側挟持部26が位置し、第6の他方側挟持部26と第7の他方側挟持部27の間に第6の一方側挟持部16が位置し、第6の一方側挟持部16と第7の一方側挟持部17の間に第7の他方側挟持部27が位置し、第7の他方側挟持部27と第8の他方側挟持部28の間に第7の一方側挟持部17が位置している。
【0028】
また、本実施例においては、複数の一方側挟持部は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、17、複数の他方側挟持部は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8の他方側挟持部21、22、23、24、25、26、27、28であるが、本願発明にあっては、これに限らず、複数の一方側挟持部及び複数の他方側挟持部を増加しても減少しても良く、
また、複数の一方側挟持部は、第1、第2、第3、第4の一方側挟持部11、12、13、14、複数の他方側挟持部は、第1、第2、第3、第4の他方側挟持部21、22、23、24でも良く、
また、複数の一方側挟持部は、第1、第2、第3、第4の一方側挟持部11、12、13、14、複数の他方側挟持部は、第2、第3、第4の他方側挟持部22、23、24でも良く、
また、複数の一方側挟持部は、第1、第2、第3、第4、第5、第6の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、複数の他方側挟持部は、第1、第2、第3、第4、第5、第6の他方側挟持部21、22、23、24、25、26でも良く、
また、複数の一方側挟持部は、第1、第2、第3、第4、第5、第6の一方側挟持部11、12、13、14、15、16、複数の他方側挟持部は、第2、第3、第4、第5、第6の他方側挟持部22、23、24、25、26でも良い。
そして、餌の保持具Hの第2の一方側挟持部12と第3の一方側挟持部13との間の餌10の部位に第1の針51、第4の一方側挟持部14と第5の一方側挟持部15との間の餌10の部位に第2の針52を刺し、第1の針51を刺した第2の一方側挟持部12と第3の一方側挟持部13との間の餌10の部位、第2の針52を刺した第4の一方側挟持部14と第5の一方側挟持部15との間の餌10の部位、をそれぞれ切断具5で切断する。その場合、餌の保持具Hで保持された第1、第2の針51、52を刺した餌10を切断具5で複数にカットすることができる。
また、複数の一方側挟持部は、第1、第2、第3、第4の一方側挟持部11、12、13、14、複数の他方側挟持部は、第2、第3、第4の他方側挟持部22、23、24、25、26でも良い。
そして、餌の保持具Hの第2の一方側挟持部12と第3の一方側挟持部13との間の餌10の部位に針51を刺し、針51を刺した餌10を切断具5で切断する。
その場合、餌の保持具Hで保持された針51を刺した餌10を切断具5でカットすることができる。
【符号の説明】
【0029】
H 餌の保持具
1 第1の挟持体
2 第2の挟持体
3 つまみ部
4 ばね(例えば、捻じりばね)
5 切断具
11 第1の一方側挟持部
12 第2の一方側挟持部
13 第3の一方側挟持部
14 第4の一方側挟持部
15 第5の一方側挟持部
16 第6の一方側挟持部
17 第7の一方側挟持部
21 第1の他方側挟持部
22 第2の他方側挟持部
23 第3の他方側挟持部
24 第4の他方側挟持部
25 第5の他方側挟持部
26 第6の他方側挟持部
27 第7の他方側挟持部
27 第8の他方側挟持部
【要約】
【課題】
本発明の目的は、長手方向に長い餌を容易に切断できる餌の保持具を提供するものである。
【解決手段】
餌の保持具Hは、対向して設けられた第1、第2の挟持体1、2を回動自在に支持し、第1、第2の挟持体1、2の一方側を開閉操作するつまみ部3とし、第1、第2の挟持体1、2の他方側を餌10の挟持部とすると共に、前記他端側を閉鎖する方向に付勢するばね4を有した餌の保持具Hであって、第1の挟持体1の先端に並設した複数の一方側挟持部と、第2の挟持体2の先端に並設した複数の他方側挟持部とを備え、前記複数の一方側挟持部と前記複数の他方側挟持部で挟持した餌10をカットする切断具5が入る寸法に隣接する前記一方側挟持部と前記他方側挟持部との距離が設定されているものである。
【選択図】
図1