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特許7173649電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置及び測定方法、当該測定装置に使用されるテーパーユニオン、並びにテーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法
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  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置及び測定方法、当該測定装置に使用されるテーパーユニオン、並びにテーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法 図1
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置及び測定方法、当該測定装置に使用されるテーパーユニオン、並びにテーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法 図2
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置及び測定方法、当該測定装置に使用されるテーパーユニオン、並びにテーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法 図3
  • 特許-電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置及び測定方法、当該測定装置に使用されるテーパーユニオン、並びにテーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置及び測定方法、当該測定装置に使用されるテーパーユニオン、並びにテーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法
(51)【国際特許分類】
   F27B 3/28 20060101AFI20221109BHJP
   F27B 3/08 20060101ALI20221109BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20221109BHJP
   G01N 22/00 20060101ALI20221109BHJP
【FI】
F27B3/28
F27B3/08
F27D21/00 A
G01N22/00 S
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022081614
(22)【出願日】2022-05-18
【審査請求日】2022-06-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593207271
【氏名又は名称】株式会社WADECO
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萱野 早衛
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸一
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/002192(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0127653(US,A1)
【文献】特開平08-094060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 3/00- 3/28
F27D 11/00-11/12
F27D 21/00
H05B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉における、前記炭素電極の長さを測定する装置であって、
少なくとも1本の前記炭素電極に挿通され、前記炭素電極の下端に達するように、複数の金属製パイプを、最大径である中央部分から両端に連続して延びる2つのテーパー面が形成されている外形形状のテーパーユニオンで繋いで構成された1本の金属製パイプ群と、
前記金属製パイプ群の上端に装着されるマイクロ波の送受信装置と、を備えるとともに、
前記送受信装置から前記マイクロ波を送信し、
前記炭素電極の下端部にて、前記金属製パイプまたは前記テーパーユニオン、もしくは前記金属製パイプ及び前記テーパーユニオンの両方が溶け落ちて形成される空洞と、前記空洞以外の前記金属製パイプ群とで構成される伝搬経路に前記マイクロ波を伝搬させ、
前記被溶融物の溶融液面で反射された前記マイクロ波を受信して前記炭素電極の長さを求める、電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置において、前記金属製パイプを繋ぐために使用されるテーパーユニオンであって
最大径である中央部分から両端に連続して延びる2つのテーパー面が形成されている外形形状を有する、テーパーユニオン。
【請求項3】
前記金属製パイプが挿通される内周面に達するネジ孔を有し、前記ネジ孔にセットスクリューが装着されることを特徴とする請求項2に記載のテーパーユニオン。
【請求項4】
請求項3に記載のテーパーユニオンと、前記金属製パイプとの接続方法であって、
前記テーパーユニオンに前記金属製パイプを挿通し、前記ネジ孔に前記セットスクリューを装着した後、前記セットスクリューの前記テーパーユニオンの外周面からの突出部分を切除する、テーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法。
【請求項5】
炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉における、前記炭素電極の長さを測定する方法であって、
請求項1に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置を用い、
前記送受信装置から送信され、前記伝搬経路を伝搬し、前記被溶融物の溶融液面で反射された前記マイクロ波を受信して前記炭素電極の長さを求める、電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉内に堆積した被溶融物に、炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、炭素電極に通電して被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉における、炭素電極の長さを測定する装置及び測定方法に関する。また、本発明は、当該測定装置に用いられるテーパーユニオン、及びテーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄鉱石等の被溶融物を炉内に投入し、堆積した被溶融物に炭素電極を差し入れて放電して被溶融物を溶融し、溶融物を回収する電気抵抗式溶融炉が使用されている。この電気抵抗式溶融炉では、放電に伴って炭素電極が徐々に短くなるため、炭素電極の長さを測定して、炭素電極の位置を制御する必要がある。
【0003】
ここで、本出願人は、特許文献1において、炭素電極の内部に、導波管として炭素電極の下端に達する金属製パイプを挿通し、金属製パイプの上端にマイクロ波送受信器を装着するとともに、マイクロ波を送信し、金属製パイプの下端で反射されたマイクロ波を受信して金属製パイプの長さを計測し、計測した金属製パイプの長さを炭素電極の長さとして求める電気抵抗式溶融炉における電極長の測定方法を提案している。
【0004】
上記したように、炭素電極は放電により徐々に短くなるが、それに伴って下端の金属製パイプも溶け落ちていく。そのため、例えば特許文献2に記載されているように、短い金属製パイプを複数、ユニオン(同文献の図4の符号78)で繋いで一本の金属製パイプ群にするとともに、上端側に短い金属製パイプを継ぎ足しながら運用することが求められる。
【0005】
しかしながら、金属製パイプとともにユニオンも溶け落ち、これらが溶け落ちた後には、炭素電極に金属製パイプ及びユニオンの外形形状に相当する空洞が残る。この場合、この空洞にもマイクロ波が伝搬するため、空洞に段差があると、段差部分でマイクロ波が反射して炭素電極の長さを正確に測定できない。 特に、上記特許文献2に示すような、金属製パイプを接続する一般的なユニオンは、その外形形状が複雑で、ナットの角部などに段差があり、溶け落ちた後の空洞部分に段差ができてしまうため、炭素電極長の長さを測定するには適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5671744号公報
【文献】欧州特許第3295209号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、炭素電極の内部に金属製パイプを挿通し、金属製パイプの下端で反射したマイクロ波を受信して炭素電極の長さを測定する測定装置及び測定方法において、金属製パイプとともに溶け落ちたユニオンの外形形状に由来する測定誤差を無くし、炭素電極の長さを正確に測定する測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明は、下記を提供する。
【0009】
(1)炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉における、前記炭素電極の長さを測定する装置であって、
少なくとも1本の前記炭素電極に挿通され、前記炭素電極の下端に達するように、複数の金属製パイプを、最大径である中央部分から両端に連続して延びる2つのテーパー面が形成されている外形形状のテーパーユニオンで繋いで構成された1本の金属製パイプ群と、
前記金属製パイプ群の上端に装着されるマイクロ波の送受信装置と、を備えるとともに、
前記送受信装置から前記マイクロ波を送信し、
前記炭素電極の下端部にて、前記金属製パイプまたは前記テーパーユニオン、もしくは前記金属製パイプ及び前記テーパーユニオンの両方が溶け落ちて形成される空洞と、前記空洞以外の前記金属製パイプ群とで構成される伝搬経路に前記マイクロ波を伝搬させ、
前記被溶融物の溶融液面で反射された前記マイクロ波を受信して前記炭素電極の長さを求める、電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置。
(2)上記(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置において、前記金属製パイプを繋ぐために使用されるテーパーユニオンであって
最大径である中央部分から両端に連続して延びる2つのテーパー面が形成されている外形形状を有する、テーパーユニオン。
(3)前記金属製パイプが挿通される内周面に達するネジ孔を有し、前記ネジ孔にセットスクリューが装着されることを特徴とする上記(2)に記載のテーパーユニオン。
(4)上記(3)に記載のテーパーユニオンと、前記金属製パイプとの接続方法であって、
前記テーパーユニオンに前記金属製パイプを挿通し、前記ネジ孔に前記セットスクリューを装着した後、前記セットスクリューの前記テーパーユニオンの外周面からの突出部分を切除する、テーパーユニオンと金属製パイプとの接続方法。
(5)炉内に堆積した被溶融物に、前記炉内に垂下する炭素電極を差し入れ、前記炭素電極に通電して前記被溶融物を溶融する電気抵抗式溶融炉における、前記炭素電極の長さを測定する方法であって、
上記(1)に記載の電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定装置を用い、
前記送受信装置から送信され、前記伝搬経路を伝搬し、前記被溶融物の溶融液面で反射された前記マイクロ波を受信して前記炭素電極の長さを求める、電気抵抗式溶融炉における炭素電極長の測定方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、炭素電極の内部に対し、炭素電極の下端に達するように、複数の金属製パイプを、段差部分の無い外形形状のテーパーユニオンで繋いで構成された、1本の金属製パイプ群を挿通する。そのため、金属製パイプやテーパーユニオンが溶け落ちた際に形成される炭素電極の空洞も、段差部分の無い形状になる。その結果、この空洞において、マイクロ波の伝搬には支障が無くなり、炭素電極の長さを正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、電気抵抗式溶融炉の全体構造の一例を示す図である。
図2図2は、金属製パイプ群を挿通した炭素電極を示す断面図である。
図3図3(A)は、テーパーユニオンを示す断面図であり、図3(B)は、図3(A)のA-A方向から見た平面図である。
図4図4(A)は、セットスクリューを示す側面図であり、図4(B)は、図4(A)のB-B方向から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、電気抵抗式溶融炉の全体構造の一例を示す図である。図示されるように、電気抵抗式溶融炉100の内部に垂下する炭素電極101を、昇降装置120により、堆積している鉄鉱石102に差し入れ、電源110から炭素電極101に給電して鉄鉱石を溶融して未溶融の鉄鉱石102、溶融スラグ層103及び溶融鉄層104の3層を形成し、スラグ排出口105から溶融スラグを回収し、出鋼口106から溶融鉄を回収する。
炭素電極101は、図2に示すように、電極ケース150にカーボン塊とコールタールピッチとの混合物からなる電極本体160を充填したものであり、図1に示す電極ホルダー180を通じて電源110から給電される。また、炭素電極101の下端201が溶融鉄層104の液面と接触している。
【0013】
また、少なくとも1本の炭素電極101aの内部に、炭素電極101aの下端に達する金属製パイプ群200を挿通し、更に金属製パイプ群200の上端にマイクロ波の送受信器300を装着することで、炭素電極101aを電極長測定用電極として機能させる。そして、送受信器300からマイクロ波を送信すると、マイクロ波は金属製パイプ群200の内部を伝播し、炭素電極101aの下端201に達した時点で、溶融鉄層104の液面で反射される。そして、反射されたマイクロ波が金属製パイプ群200の内部を再度伝搬して送受信器300で受信される。そして、マイクロ波の送受信の時間差から金属製パイプ群200の長さが求められる。
【0014】
また、金属製パイプ群200の下端は開口しているため、溶融スラグや溶融鉄が流入するのを防ぐために、パイプの上方部分、例えば継手210と送受信器300との間に窒素ガスや不活性ガスを供給してパイプの内圧を高めてもよい。なお、内圧の調整は、圧力調整器250で行う。
【0015】
金属製パイプ群200の下端は溶融時に消耗するため、送受信器300との間に継手210を挿入し、消耗分を継ぎ足すように構成されている。継ぎ足し方法としては、図2に示すように、短い金属製パイプ200aを炭素電極101aの上方から継ぎ足し、短い金属製パイプ200aと同材質からなるテーパーユニオン230で繋いで、1本の長い金属製パイプ群200として構成されており、上方から順次継ぎ足す。
【0016】
また、金属製パイプ群200の炭素電極101aの下端201に位置する短い金属製パイプ200a、更にはテーパーユニオン230が溶け落ちると、炭素電極101aの下端201の近傍には、溶け落ちた短い金属製パイプ200a及びテーパーユニオン230の外形形状に相当する空洞240が形成される。
【0017】
なお、図示の例では、金属製パイプ200aとともにテーパーユニオン230が溶け落ちた場合を示しているが、金属製パイプ200a、テーパーユニオン230の何れかが溶け落ちる場合もあり、空洞240の形状もそれに応じたものとなる。
【0018】
ここで、仮に、短い金属製パイプ200aを複数繋ぎ合わせるユニオンとして、上記したような一般的なユニオン(特許文献2の図4の符号78を参照)を用いた場合、ユニオンの外形形状に段差部分があることで、この段差部分が炭素電極101aの空洞240にも形成される。金属製パイプ群200を伝搬してきたマイクロ波は、引き続き炭素電極101aに形成された空洞240を伝搬するが、その際、空洞240の段差部分で反射されてしまうこととなる。その結果、上記マイクロ波は、溶融鉄層104の液面で反射されるべきところ、当該液面で反射されなくなってしまうことから、本来の炭素電極101aの長さが正確に測定されないこととなる。
【0019】
そこで、本実施形態では、図3(A)及び図3(B)に示すように、ユニオンの外形形状を段差部分の無い形状とする。尚、図3(A)は、ユニオンの外形形状を段差部分の無い形状とした本実施形態に係るテーパーユニオン230の断面図であり、図3(B)は、図3(A)のA-A方向から見た平面図である。図3(A)に示すように、本実施形態に係るテーパーユニオン230は、中央部分231が最大外径で、所定の幅にて筒状に形成されているとともに、中央部分231から両端に連続して延びる2つのテーパー面232、232が形成されており、その全体がほぼ樽状の外形形状を呈することから、その外形形状において段差部分を有さない。
【0020】
また、テーパーユニオン230の長手方向の中心部の内周面には、金属製パイプ200aの肉厚と同じ幅の段状のストッパー233が円環状に突出しており、金属製パイプ200aは、その端部がストッパー233に当接するように挿通される。ここで、ストッパー233は金属製パイプ200aの肉厚と同じであるから、マイクロ波の伝搬に支障をきたすことがない。
【0021】
なお、中央部分231及びテーパー面232におけるそれぞれの長手方向の寸法H1及びH2、即ち金属製パイプ200aの軸線に沿った各部の長さは、それぞれマイクロ波の波長以上とすることが好ましい。寸法H1及びH2それぞれがこの範囲であれば、テーパーユニオン230及び空洞240におけるマイクロ波の伝搬に支障をきたすことがなくなる。なお、2つのテーパー面232の長さH2は、同一でも、それぞれ異なっていてもよい。
【0022】
また、テーパーユニオン230の最大外径Dが、空洞240の内径になるため、マイクロ波のモードが変換しない寸法、すなわち、マイクロ波の高次モードを発生させない寸法とすることが好ましい。
【0023】
さらに、図3(B)に示すように、テーパーユニオン230の中央部分231には、周方向に沿って等間隔で複数個所に、図4に示すセットスクリュー270を装着するためのネジ孔235が内周面まで貫通して形成されている。
【0024】
セットスクリュー270は、長手方向の長さLが、テーパーユニオン230の中央部分231の肉厚よりも長く、外周面にテーパーユニオン230のネジ孔235のネジ山と係合するネジ272が形成されている。また、一方の端面には、六角穴275が形成されている。尚、セットスクリュー270の材質は、テーパーユニオン230及び金属製パイプ200aと同材質である。
【0025】
このようなテーパーユニオン230とセットスクリュー270により、金属製パイプ200aを固定し、連結することができる。即ち、新たな金属製パイプ200aをテーパーユニオン230のストッパー233に当接するまで挿入した後、テーパーユニオン230のネジ孔235にセットスクリュー270を装着し、セットスクリュー270の端面が金属製パイプ200aの外周面に達するまでネジ入れて金属製パイプ200aを固定する。その後、セットスクリュー270のテーパーユニオン230のネジ孔235から突出している部分を、サンダー等で切り落とし、テーパーユニオン230の外周面に凹凸ができないように加工する。
【0026】
以上のように、短い金属製パイプを複数繋ぎ合わせるユニオンとして、段差部分の無い外形形状を有するテーパーユニオン230を用いることにより、炭素電極101aの空洞240にも段差部分がなくなり、炭素電極101aの長さを正確に求めることができる。
【0027】
また、図2に示すように、炭素電極101aの空洞240は、溶け落ちた金属製パイプ200aの外周面も含むため、溶け落ちた金属製パイプ200aの下端と、空洞240の上端240aとの界面には、金属製パイプ200aの肉厚に相当する段差245が形成される。金属製パイプ200aの肉厚が厚くなるほど、段差245も大きくなるため、マイクロ波の伝搬に影響しないように、肉厚が2mm以下の金属製パイプ200aを使用することが好ましい。
【符号の説明】
【0028】
100 電気抵抗式溶融炉
101、101a 炭素電極
200 金属製パイプ群
200a 金属製パイプ
201 (金属製パイプ群の)下端
230 テーパーユニオン
231 中央部分
232 テーパー面
233 ストッパー
235 ネジ孔
240 空洞
270 セットスクリュー
300 送受信器
【要約】
【課題】金属製パイプとともに溶け落ちたユニオンの外形形状に由来する測定誤差を無くし、炭素電極の長さを正確に測定する。
【解決手段】少なくとも1本の炭素電極に挿通され、炭素電極の下端に達するように、複数の金属製パイプを、金属製パイプと同じ材質からなり、かつ、段差部分の無い外形形状のテーパーユニオンで繋いで構成された1本の金属製パイプ群と、金属製パイプ群の上端に装着されるマイクロ波の送受信装置と、を備えるとともに、送受信装置からマイクロ波を送信し、炭素電極の下端部にて、金属製パイプまたはテーパーユニオン、もしくは金属製パイプ及びテーパーユニオンの両方が溶け落ちて形成される空洞と、空洞以外の金属製パイプ群とで構成される伝搬経路にマイクロ波を伝搬させ、被溶融物の溶融液面で反射されたマイクロ波を受信して炭素電極の長さを求める。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4