(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-11-08
(45)【発行日】2022-11-16
(54)【発明の名称】霧化器及びそれを含むカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20221109BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20221109BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20221109BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
A24F40/44
(21)【出願番号】P 2020567193
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(86)【国際出願番号】 KR2020006035
(87)【国際公開番号】W WO2021020698
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2019-0092655
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ミン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、トン ポム
(72)【発明者】
【氏名】ソン、チン ソ
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/038521(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/048841(WO,A1)
【文献】特表2015-509718(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0006922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
霧化器において、
液体保存部のエアゾール生成物質を吸収する液体伝達手段と、
前記エアゾール生成物質を加熱し、前記液体伝達手段の表面に巻き取られた熱線と、を含み、
前記熱線は、前記表面で前記熱線のコイルが所定の間隔で互いに離隔して配置されるように螺旋状に巻き取られ、
前記熱線の末端のうち、いずれか1つは、前記表面の第1部分に接触するように巻き取られ、前記末端のうち、他の1つは、前記表面の第2部分に接触するように巻き取られ
、
前記熱線の前記末端は、前記熱線の少なくとも1つの巻取区間で前記液体伝達手段と所定の距離を置いて離隔されて巻き取られる熱線部分を有する、霧化器。
【請求項2】
前記熱線の前記末端は、前記エアゾール生成物質が前記末端を通じて前記熱線の外部に流れないように配置される、請求項1に記載の霧化器。
【請求項3】
前記熱線の末端は、重力作用方向と異なる方向を向く、請求項1に記載の霧化器。
【請求項4】
前記液体伝達手段と前記所定の距離を置いて離隔されるように巻き取られて形成された前記熱線部分は、リッジ(ridge)
形状を示す部分
である、請求項
1に記載の霧化器。
【請求項5】
前記リッジ
形状を示す部分の最上端は、前記液体伝達手段と
前記所定の距離を置いて離隔される、請求項4に記載の霧化器。
【請求項6】
前記所定
の距離は、0.001mm~2mmの範囲である、請求項5に記載の霧化器。
【請求項7】
カートリッジにおいて、
エアゾール生成物質を保存する液体保存部と、
前記エアゾール生成物質を加熱してエアゾールを生成する霧化器と、を含み、
前記霧化器は、
前記エアゾール生成物質を吸収する液体伝達手段と、
前記エアゾール生成物質を加熱し、前記液体伝達手段の表面に巻き取られた熱線と、を含み、
前記熱線は、前記表面で前記熱線のコイルが所定の間隔で互いに離隔して配置されるように螺旋状に巻き取られ、
前記熱線の末端のうち、いずれか1つは、前記表面の第1部分に接触するように巻き取られ、前記末端のうち、他の1つは、前記表面の第2部分に接触するように巻き取られ
、
前記熱線の前記末端は、前記熱線の少なくとも1つの巻取区間で前記液体伝達手段と所定の距離を置いて離隔されて巻き取られる熱線部分を有する、カートリッジ。
【請求項8】
前記熱線の前記末端は、前記エアゾール生成物質が前記末端を通じて前記熱線の外部に流れないように配置される、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記熱線の末端は、重力作用方向と異なる方向を向く、請求項7に記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記液体伝達手段と前記所定の距離を置いて離隔されるように巻き取られて形成された前記熱線部分は、リッジ(ridge)
形状を示す部分
である、請求項9に記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記リッジ
形状を示す部分の最上端は、前記液体伝達手段と
前記所定の距離を置いて離隔される、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記所定
の距離は、0.001mm~2mmの範囲である、請求項11に記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、霧化器及びそれを含むカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、伝統のシガレットを代替しようとする需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させる代わりに、エアロゾル生成物質を加熱して、エアロゾルを生成するエアロゾル生成装置に対する需要が増加している。したがって、加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル発生装置が芯(wick)のようなエアロゾル伝達要素によって吸収された液体エアロゾル生成物質の加熱を中止する場合、液体による液漏れが発生し、例えば、熱線外部への液漏れによる多くの問題が発生してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つ以上の実施例によれば、霧化器は、液体保存部のエアロゾル生成物質を吸収する液体伝達手段と、前記エアロゾル生成物質を加熱し、前記液体伝達手段の表面に巻き取られた熱線と、を含み、前記熱線は、前記液体伝達手段の前記表面に所定の間隔で互いに離隔して配置されるように螺旋状に巻き取られ、前記熱線の末端のうち、いずれか1つは、前記液体伝達手段の前記表面の第1部分に接触し、前記熱線の末端のうち、他の1つは、前記液体伝達手段の前記表面の第2部分に接触する。
【0005】
前記熱線の末端は、前記エアロゾル生成物質が前記熱線の末端を通じて前記熱線の外に流れないように配置される。
【0006】
前記熱線の末端は、重力作用方向とは異なる方向を向く。
【0007】
前記熱線の末端は、リッジ(ridge)部分を含んでもよい。
【0008】
前記リッジ部分の最上端は、前記液体伝達手段と所定距離を置いて離隔されうる。
【0009】
前記所定距離は、0.001mm~2mmの範囲でもある。
【0010】
1つ以上の実施例によれば、カートリッジは、エアロゾル生成物質を保存する液体保存部及び前記エアロゾル生成物質を加熱し、エアロゾルを生成する霧化器を含み、前記霧化器は、前記エアロゾル生成物質を吸収する液体伝達手段と、前記エアロゾル生成物質を加熱して前記液体伝達手段の表面に巻き取られた熱線と、を含み、前記熱線は、前記液体伝達手段の前記表面に所定の間隔で互いに離隔して配置されるように螺旋状に巻き取られ、前記熱線の末端のうち、いずれか1つは、前記液体伝達手段の前記表面の第1部分に接触し、前記熱線の末端のうち、他の1つは、前記液体伝達手段の前記表面の第2部分に接触する。
【0011】
前記熱線の末端は、前記エアロゾル生成物質が前記熱線の末端を通じて前記熱線の外に流れないように配置される。
【0012】
前記熱線の末端は、重力作用方向とは異なる方向を向く。
【0013】
前記熱線の末端は、リッジ(ridge)部分を含んでもよい。
【0014】
前記リッジ部分の最上端は、前記液体伝達手段と所定距離を置いて離隔されうる。
【0015】
前記所定距離は、0.001mm~2mmの範囲でもある。
【発明の効果】
【0016】
実施例によれば、エアロゾル生成物質が熱線の末端に向かって熱線に沿って流れることが防止されうる。したがって、エアロゾル生成物質が熱線の末端を介した熱線外部への液漏れ現象が防止されうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保持する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【
図2】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【
図4】一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】一実施例による霧化器の例を示す図面である。
【
図6】一実施例による霧化器の他の例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1つ以上の実施例によれば、霧化器は、液体保存部のエアロゾル生成物質を吸収する液体伝達手段と、前記エアロゾル生成物質を加熱して前記液体伝達手段の表面に巻き取られた熱線と、を含み、前記熱線は、前記液体伝達手段の前記表面に所定の間隔で互いに離隔して配置されるように螺旋状に巻き取られ、前記熱線の末端のうち、いずれか1つは、前記液体伝達手段の前記表面の第1部分に接触し、前記熱線の末端のうち、他の1つは、前記液体伝達手段の前記表面の第2部分に接触する。
【0019】
以下、実施例に係わる参照が詳細に説明され、例示は、添付図面に図示されており、類似した参照番号は、全体にわたって類似した構成要素を指称する。それと関連して、本実施例は、互いに異なる形態を有し、ここで、説明する内容に制限されてはならない。したがって、実施例は、ただ本説明の側面を説明するために、図面を参照して後述されるだけである。ここで使用されたように、「及び/または」という用語は、1つ以上の関連している挙げられた項目の任意の、及び全ての組合わせを含む。構成要素の前に記載されている「少なくとも1つ」のような表現は、構成要素の全体リストを変更し、リストの個別構成要素を変更しない。
【0020】
多様な実施例を説明するために使用される用語については、本開示の多様な実施例で構造的要素の機能を考慮して現在広く使用されている一般的な用語が選択される。但し、用語の意味は、意図、判例、新たな技術の出現などによって異なりうる。また、場合によって、一般的に使用されていない用語が選択される。その場合、用語の意味は、本開示の説明のうち、当該部分で詳細に説明される。したがって、本開示の多様な実施例で使用される用語は、ここで提供される用語及び説明の意味に基づいて定義されねばならない。
【0021】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0022】
ここで、使用された「少なくとも1つ」のような表現は、全体構成リストを修飾し、リストの個別構成を修飾しない。例えば、「a、b及びcのうち少なくとも1つ」という表現は、「a」、「b」、「c」、「aとb」、「aとc」、「bとc」、または「a、b及びc」をいずれも含むと理解されねばならない。
【0023】
あるエレメントまたはあるレイヤが他のエレメントまたは他のレイヤの「上方に(above)」、「上に(on)」、「連結された(connected to)」または「結合された(coupled to)」と指称されるとき、それは、他のエレメントまたは他のレイヤに直接連結されたり、直接結合されたり、または別途の結合されたエレメントまたはレイヤが存在してもよい。対照的に、あるエレメントが他のエレメントまたはレイヤの「直ぐ上に」、「直上に」、「直接に連結された」または「直接に結合された」と言及されるとき、中間に別途のエレメントが存在しないと理解されねばならない。同じ参照番号は、全体として同じ要素を指称する。
【0024】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、互いに異なる様々な形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0026】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保持する交換可能なカートリッジとそれを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0027】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保持するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10を含む。
【0028】
エアロゾル生成物質を保持するカートリッジ20は、本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部が本体10の収容空間19に挿入されることでカートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0029】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態などの少なくともいずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保持することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0030】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換し、エアロゾル(aerosol)を発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気とが混合された状態の気体を意味することができる。
【0031】
例えば、本体10から電気信号を供給されることに応答して、カートリッジ20は、例えば、超音波振動方式または誘導加熱方式を用いて、エアロゾル生成物質を加熱することでエアロゾル生成物質の相を変換することができる。一例として、カートリッジ20は、自体の電力源を含み、本体10から受信された電気的な制御信号や無線信号に基づいて、エアロゾルを発生させうる。
【0032】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を行う霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0033】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」とは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を行うことと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布地や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含む要素を含むことを意味する。
【0034】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収して、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(例えば、芯(wick))と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。
【0035】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0036】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために、銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されうる。また、ヒータは、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントによって具現され、液体伝達スーダンまわりに巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0037】
また、霧化器は、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持し、エアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる、メッシュ(mesh)や平面(plate)の発熱体(heating element)によっても具現される。ここで、別途の液体伝達手段が不要でもある。
【0038】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部で視覚的に確認するように、カートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な部分を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び/または液体保存部21がいずれも透明なプラスチックやガラスなどの素材によっても作製される。または、突出窓21aだけが透明な素材によって作製されうる。
【0039】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は接続端子10tを通じてカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0040】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0041】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動可能に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆ったり、露出させたりする。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0042】
図1に図示されたように、スライダ7は、両側端部が開放された空きコンテナ(hollow container)の形状を有してもよいが、スライダ7の構造は、それに制限されるものではない。例えば、スライダ7は、本体10の縁部に結合された状態を保持しつつ、本体10に対して移動可能なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板の構造でもある。他の例によれば、スライダ7は、湾曲された円弧状の断面形状を有する折り曲げられた半円筒状などの構造を有することができる。
【0043】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含んでもよい。磁性体は、永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0044】
磁性体は、互いに対向する2つの第1磁性体8aと、互いに対向する2つの第2磁性体8bを含んでもよい。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向である本体10の長手方向(すなわち、本体10が延びる方向)に第2磁性体8bと互いに離隔して配置される。
【0045】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を挟んで互いに対向するように2つが設けられうる。
【0046】
固定磁性体9と第1磁性体8a、または固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によってスライダ7は、マウスピース22の端部を覆ったり、露出させたりする位置に安定して保持されうる。
【0047】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bの移動する経路上に配置される位置変化感知センサ3を含む。位置変化感知センサ3は、例えば、磁場の変化を感知し、感知された変化に基づいた信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサ(Hall Integrated Circuit(IC))を含んでもよい。
【0048】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において、本体10とカートリッジ20とスライダ7の水平断面は、例えば、長手方向視でほぼ長方形であるが、実施例は、そのようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や、楕円形や、正方形や、さまざまな形態の多角形の断面形状を有することができる。また、エアロゾル生成装置5は、直線的に延びる構造によって制限されるものではなく、ユーザが手で取りやすく、例えば、流線形に湾曲されたり、特定領域で既定の角度で折り曲げられたりもする。
【0049】
図2は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0050】
図2では、スライダ7は、本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を覆う位置に移動される。その状態で、マウスピース22は、外部の異物から安全に保護され、清潔な状態を保持することができる。
【0051】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを通じてカートリッジ20の突出窓21aを視覚的に確認することで、カートリッジ20が保持するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させることができる。
【0052】
図3は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0053】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。その状態で、ユーザは、自分の口腔にマウスピース22を挿入してマウスピース22の排出孔22aを介して排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0054】
図3に図示されたように、スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動されるとき、カートリッジ20の突出窓21aは、スライダ7の長孔7aを介して依然として外部に露出される。したがって、ユーザは、スライダ7の位置に関係なく、カートリッジ20が保持するエアロゾル生成物質の残量を視覚的に確認することができる。
【0055】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置5は、位置変化感知センサ3を含んでもよい。位置変化感知センサ3は、スライダ7の位置変化を感知することができる。
【0056】
一実施例において、位置変化感知センサ3は、磁性材料(magnetic material)の磁化または磁場の方向、強度などの変化を感知することができる。スライダ7には、磁石が含まれ、位置変化感知センサ3は、スライダ7に含まれる磁石の移動を感知することができる。
【0057】
例えば、位置変化感知センサ3は、ホール効果センサ(Hall effect sensor)、回転コイル(rotating coil)、磁気抵抗素子(magnetoresistor)、またはSQUID(superconducting quantum interference device)でもあるが、それに制限されるものではない。
【0058】
以下の説明では、
図2に図示されたように、スライダ7がマウスピース22の端部を覆うスライダ7の位置は、第1位置と指称する。
図3に図示されたように、スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させるスライダ7の位置は、第2位置と指称する。スライダ7は、本体10に摺動自在に結合されるので、ユーザは、スライダ7を第1位置及び第2位置の間で移動させうる。位置変化感知センサ3は、第1位置及び第2位置の間で移動するスライダ7の位置変化を感知することができる。
【0059】
一実施例において、スライダ7が第1位置で第2位置に移動した場合、エアロゾル生成装置5の制御部は、位置変化感知センサ3から入力信号を受信することができる。制御部は入力信号に応答して、エアロゾル生成装置5のモードを予熱モードに設定することができる。
【0060】
また、制御部は、カートリッジ20が本体10に装着されたか否かを決定することができる。エアロゾル生成装置5にカートリッジ20と本体10との結合如何を検出する別途のセンサが備えられる。または、制御部は、カートリッジ20のヒータと電気的に連結される本体10内部の回路に周期的に電流を印加して出力値を受信することで、カートリッジ20が本体10に装着されたか否かを決定することができる。
【0061】
一実施例において、カートリッジ20が本体10に装着された後、制御部は、位置変化感知センサ3から受信した入力信号に応答して、エアロゾル生成装置5のモードを予熱モードに設定することができる。カートリッジ20が本体10に装着されていないと決定された場合、制御部が位置変化感知センサ3から入力信号を受信しても、エアロゾル生成装置5のモードを予熱モードに設定しなくてもよい。
【0062】
また、制御部は、スライダ7の位置変化に基づいて、エアロゾル生成装置5のモードをスリープモードに切り替えることができる。一実施例において、スライダ7が第2位置から第1位置に移動した場合、制御部は、位置変化感知センサ3から入力信号を受信した後、エアロゾル生成装置5のモードをスリープモードに設定することができる。
【0063】
図4は、一実施例によるエアロゾル生成装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0064】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、バッテリ410、ヒータ420、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400の内部構造は、
図4に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置400の設計によって、
図4に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されることを本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0065】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、カートリッジなしに本体だけで構成されうる。その場合、エアロゾル生成装置400の構成は、本体に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体及びカートリッジで構成され、エアロゾル生成装置400の構成は、本体及び/またはカートリッジに位置してもよい。
【0066】
以下では、エアロゾル生成装置400に含まれた各構成の位置を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0067】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の他の構成、すなわち、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及び制御部460の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電可能なバッテリでも、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(Li-Polymer)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0068】
ヒータ420は、制御部460の制御によってバッテリ410から電力を供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力を供給され、エアロゾル生成装置400に挿入されたシガレットを加熱したり、エアロゾル生成装置400に装着されたカートリッジを加熱したりする。
【0069】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の本体に位置してもよい。または、ヒータ420は、カートリッジに位置してもよい。ヒータ420がカートリッジに位置する場合、ヒータ420は、本体及び/またはカートリッジに位置したバッテリ410から電力を供給されうる。
【0070】
ヒータ420は、任意の適した電気抵抗性物質によって形成されうる。例えば、適した電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ420は、金属熱線(wire)、電気伝導性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0071】
一実施例において、ヒータ420は、カートリッジに含まれてもよい。カートリッジは、ヒータ420、液体伝達手段、及び液体保存部を含んでもよい。液体保存部に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に吸収され、ヒータ420は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させることができる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻かれるか、液体伝達手段に隣接して配置される。
【0072】
他の実施例において、ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置400の収容空間にシガレットが収容された場合、ヒータ420は、シガレットの内部及び/または外部に位置し、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させることができる。
【0073】
一方、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、シガレットまたはカートリッジを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジには、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタが含まれてもよい。
【0074】
エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つのセンサ430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果は、制御部460に伝達され、センシング結果によって制御部460は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ)挿入如何の判断、お知らせ表示のような多様な機能が遂行されるようにエアロゾル生成装置400を制御することができる。
【0075】
例えば、少なくとも1つのセンサ430は、パフ感知センサを含んでもよい。パフ感知センサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び/または圧力変化に基づいてユーザのパフを感知することができる。
【0076】
また、少なくとも1つのセンサ430は、温度感知センサを含んでもよい。温度感知センサは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を感知することができる。エアロゾル生成装置400は、ヒータ420の温度を感知する別途の温度感知センサを含むか、別途の温度感知センサを含む代わりに、ヒータ420自体が温度感知センサの役割を行うことができる。または、ヒータ420が温度感知センサの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置400に別途の温度感知センサがさらに含まれてもよい。
【0077】
センサ430は、位置変化感知センサを含んでもよい。位置変化感知センサは、本体に対して摺動自在に結合されたスライダの位置変化を感知することができる。
【0078】
ユーザインターフェース440は、ユーザにエアロゾル生成装置400の状態についての情報を提供することができる。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth(登録商標), NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0079】
但し、エアロゾル生成装置400には、前記例示された多様なユーザインターフェース440の例示のうち、一部だけが取捨選択されて具現されてもよい。
【0080】
メモリ450は、制御部460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)、ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な類型のメモリを含んでもよい。
【0081】
メモリ450には、エアロゾル生成装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、少なくとも1つの電力プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0082】
制御部460は、エアロゾル生成装置400の全般的な動作を制御することができる。制御部460は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、マイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0083】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果を分析し、後続して行われる処理を制御する。
【0084】
制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420の動作が開始または終了されるように、ヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、制御部460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するように、ヒータ420に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0085】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、複数のモードを有することができる。例えば、エアロゾル生成装置400のモードは、予熱モード、動作モード、休止モード、スリープモードを含む。しかし、エアロゾル生成装置400のモードは、それらに制限されない。
【0086】
エアロゾル生成装置400が利用されていない状態でエアロゾル生成装置400は、スリープモードを保持し、制御部406は、スリープモードでヒータ420に電力が供給されないように、バッテリ410の出力電力を制御することができる。例えば、エアロゾル生成装置400の使用前、またはエアロゾル生成装置400の使用終了後、エアロゾル生成装置400は、スリープモードで動作することができる。
【0087】
制御部460は、エアロゾル生成装置400に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ420の動作を開始するために、エアロゾル生成装置400のモードを予熱モードに設定(または、スリープモードから予熱モードに転換)することができる。
【0088】
また、制御部460は、パフ感知センサを用いてユーザのパフを感知した後、エアロゾル生成装置400のモードを予熱モードから加熱モードに切り替えることができる。
【0089】
また、エアロゾル生成装置400が加熱モードで動作した時間が既設定の時間を徒過すれば、制御部460は、エアロゾル生成装置400のモードを加熱モードから休止モードに切り替えることができる。
【0090】
また、制御部460は、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が最大パフ回数に到逹すれば、ヒータ420に対する電力供給を中断することができる。
【0091】
予熱モード、動作モード、及び休止モードそれぞれに対する温度プロファイルが設定されうる。制御部406は、各モード別に温度プロファイルによって、エアロゾル生成物質が加熱されるように、モード別に電力プロファイルに基づいてヒータ420に供給される電力を制御することができる。
【0092】
制御部460は、センサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ感知センサを用いてカウントされたパフ回数が既設定のパフ回数に到逹すれば、制御部460は、ランプ、モータ及び/またはスピーカを用いて、ユーザにエアロゾル生成装置400が直ぐ終わることを通知する。
【0093】
一実施例において、既設定のパフ回数は、ヒータ420が終了される最大パフ回数から所定の回数ほど差引かれた回数でもある。例えば、最大パフ回数が10回に設定された状態で、パフ感知センサを用いてカウントされたパフ回数が9回に到逹する場合、制御部460は、ランプ、モータ及び/またはスピーカを用いてユーザにエアロゾル生成装置400が直ぐ終わることを通知する。
【0094】
また、制御部460は、パフ感知センサを用いてパフ回数をカウントした後、現在パフ回数が最大パフ回数に到逹すれば、ヒータ420の動作を終了する。例えば、現在パフ回数が最大パフ回数に到逹した場合、制御部460は、エアロゾル生成装置400のモードをスリープモードに設定してもよい。
【0095】
一方、
図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置400は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置400は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給され、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することができる。
【0096】
図1に基づいて上述したように、霧化器は、液体保存部21のエアロゾル生成物質を吸収する液体伝達手段を含む。熱線は、液体伝達手段の外部に巻き取られうる。一例として、液体伝達手段の一部が液体保存部21内に延びることで、エアロゾル生成物質が液体伝達手段に吸収されうる。他の例として、液体保存部21と液体伝達手段との間に液体を吸収する構成(例えば、フェルト(felt))が配置され、配置された構成から液体伝達手段にエアロゾル生成物質が伝達されることで、エアロゾル生成物質が液体伝達手段に吸収されうる。
【0097】
熱線が液体伝達手段の外部に巻き取られることで、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質と熱線が接触されうる。したがって、熱線が高い温度で加熱されれば、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質が気化されてエアロゾルが発生する。
【0098】
一方、熱線の加熱が中止されれば、冷却効果によって液体伝達手段が収縮されうる。これにより、液体伝達手段と熱線との接触が解除され、液体伝達手段と熱線との間に空間が生じる。その場合、熱線に付いていたエアロゾル生成物質が熱線の表面に沿って流れ、熱線末端の周りに漏液が溜まることで、様々な問題が発生しうる。
【0099】
一実施例による熱線は、エアロゾル生成物質が熱線の末端に沿って外部に伝達されない形状に巻き取られる。すなわち、液体伝達手段と熱線との間に空間が生じても、熱線に付いていたエアロゾル生成物質が熱線末端の周りに溜まらないように、熱線が液体伝達手段に巻き取られる。
【0100】
熱線は、液体伝達手段の表面に所定の間隔に配置されるように、螺旋状に巻き取られうる。例えば、所定の間隔は、0.001mm~2mmの範囲で選択され、液体伝達手段が均一に加熱される間隔に選択されることが望ましい。
【0101】
例えば、熱線の一端は、液体伝達手段の表面の第1部分に接触するように巻き取られ、熱線の反対末端は、液体伝達手段の表面の第2部分に接触するように巻き取られる。ここで、第1部分と第2部分は、液体伝達手段の表面で互いに異なる部分を意味する。
【0102】
例えば、液体伝達手段の中心軸と平行な第1部分から延びた第1延長線は、液体伝達手段の中心軸と平行な第2部分から延びた第2延長線と回転関係(rotational relationship)でもある。第1延長線及び第2延長線は、仮想の線に該当し、第1延長線及び第2延長線の間の回転角度は、90°~270°の範囲で選択されうる。しかし、回転角度は、霧化器の製造スペックによって異なって選択されうる。
【0103】
第1部分と第2部分は、液体伝達手段の表面が分割された四分面のうち、互いに異なる面に位置してもよい。第1部分と第2部分は、液体伝達手段の表面上で互いに反対側面に位置してもよい。
【0104】
熱線の末端は、重力作用方向とは異なる方向を向いてもよい。ここで、他の方向は、重力が作用する方向の反対方向でもあるが、それに制限されない。一方、「重力が作用する方向」とは、霧化器が立てられた位置にあるとき、下向き方向を意味する。
【0105】
熱線の末端は、末端コイルにおいてリッジ(ridge)形状を示す部分(以下、「リッジ部分」と称する)を含むように延びてもよい。リッジ形状を示す部分の最上端は、液体伝達手段と所定の距離を置いて離隔されうる。例えば、所定の距離は、0.001mm~2mmの範囲内で選択され、エアロゾル生成物質が熱線の延長末端に沿って外部に流れないように選択されうる。
【0106】
例えば、リッジ部分は、熱線の最初及び最後のコイルに含まれてもよいが、それに制限されない。
【0107】
以下、
図5及び
図6を参照して、熱線が液体伝達手段に巻き取られた例を説明する。
【0108】
図5は、一実施例による霧化器の例を示す図面である。
【0109】
図5には、熱線510が巻き取られた液体伝達手段520の例が図示されている。熱線510は、液体伝達手段520に複数回巻き取られ、
図5には、例示的に8回巻き取られた例が図示されている。しかし、熱線510が液体伝達手段520に巻き取られる回数には、制限がない。
【0110】
霧化器500の製造時に、熱線510が液体伝達手段520の表面に接触されるように巻き取られうる。例えば、熱線510は、液体伝達手段520の表面に所定間隔dに配置されるように螺旋状に巻き取られる。所定間隔dは、0.001mm~2mmの範囲で選択され、霧化器500のスペックによって異なって選択されうる。一実施例による熱線510は、少なくとも2以上の部分(例えば、最初及び最後のコイル)が他の部分とは異なる形状に巻き取られる。
【0111】
図5を参照すれば、熱線510の末端511(例えば、末端コイル)は、それぞれ液体伝達手段520の表面において、互いに異なる部分(例えば、第1部分及び第2部分)に接触する。
図5には、熱線510の末端511が互いに反対方向に対向する、液体伝達手段520の表面にそれぞれ接触した例が図示されている。具体的に、熱線510の右側末端は、液体伝達手段520の表面の前方部分に接触し、熱線510の左側末端は、液体伝達手段520の表面の後方部分に接触すると図示されているが、それに制限されない。
【0112】
例えば、第1部分と第2部分は、液体伝達手段520の表面が分割された四分面のうち、互いに異なる面に位置してもよい。
【0113】
たとえ、
図5には、末端511が重力が作用する方向において液体伝達手段520から遠く延びると図示されているにしても、その限りではない。例えば、熱線510の末端511は、重力が作用する方向と異なる方向に、液体伝達要素520から遠く延びてもよい。
【0114】
熱線510の末端511は、リッジ部分513を含んでもよい。
図5には、熱線510の最初及び最後のコイルにリッジ部分513が形成されていると図示されている。リッジ部分513は、液体伝達手段520と接触せず、リッジ部分513の最上端は、液体伝達手段520と所定の距離(h)を置いて離隔されうる。例えば、所定の距離(h)は、0.001mm~2mmの範囲で選択され、霧化器500のスペックによって異なって設定されうる。
【0115】
例えば、リッジ部分513は、重力が作用する方向と異なる方向に形成されうる。
図5には、リッジ部分513が重力が作用する方向と反対方向に形成されていると図示されているが、それに制限されない。
【0116】
熱線510にリッジ部分513が形成されるように熱線510が延びることにより、熱線510に付いていたエアロゾル生成物質が熱線510の延びた末端512側に流れなくなる。したがって、熱線510が加熱が中止された後にも、熱線の延びた末端512に液体(すなわち、エアロゾル生成物質)が集まる現象が防止されうる。これにより、液漏れによる問題点が解消されうる。
【0117】
図6は、一実施例による霧化器の他の例を示す図面である。
【0118】
図6には、熱線610が巻き取られた液体伝達手段620の例が図示されている。熱線610は、液体伝達手段620の表面に複数回巻き取られ、
図6には、例示的に8回巻き取られた例が図示されている。しかし、熱線610が液体伝達手段620に巻き取られる回数には、制限がない。また、熱線610が液体伝達手段620の表面に所定の間隔に配置されるように螺旋状に巻き取られることは、
図5に基づいて上述した通りである。
【0119】
図6を参照すれば、熱線610の末端611は、それぞれ液体伝達手段620の表面において互いに異なる部分に接触する。
図6には、熱線610の末端611が互いに異なる方向に対向する、液体伝達手段620の表面部分(例えば、第1部分及び第2部分)に接触した例が図示されている。具体的に、熱線610の右側末端は、液体伝達手段620の表面の前方部分に接触し、熱線610の左側末端は、液体伝達手段620の表面の後方部分に接触すると図示されているが、それに制限されない。
【0120】
例えば、第1部分と第2部分は、液体伝達手段620の表面が分割された四分面のうち、互いに異なる面に位置してもよい。
【0121】
熱線610の末端611は、重力が作用する方向と異なる方向に液体伝達手段620から遠く延びてもよい。例えば、
図6に図示されたように、熱線610の末端612は、重力が作用する方向と反対方向を向いてもよい。しかし、それに制限されない。
【0122】
熱線610の末端611が重力が作用する方向と異なる方向に延びることにより、熱線610に付いていたエアロゾル生成物質が熱線610の延びた末端612側に流れなくなる。したがって、熱線610の加熱中止後にも、熱線610の延びた末端612に液体(すなわち、エアロゾル生成物質)が集まる現象が防止されうる。これにより、液漏れによる問題点が解消されうる。
【0123】
前述したように、実施例によれば、熱線の一部分が熱線の他の部分とは異なる形成によって液体伝達手段の周囲に巻き取られることにより、熱線に沿ってエアロゾル生成物質が流れることが防止される。したがって、エアロゾル生成物質が熱線末端の周りに集まる現象が防止されうる。
【0124】
図4の制御部460、ユーザインターフェース440及びセンサ430のように図面において、ブロックで表現される構成要素、エレメント、モジュール、またはユニット(「構成要素」と総称)のうち、少なくとも1つは、実施例によって前述したそれぞれの機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェア構造としても具現される。例えば、それらのコンポーネントのうち、少なくとも1つは、メモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような1つ以上のマイクロプロセッサの制御を通じてそれぞれの機能が行える直接回路構造、または他の制御装置を使用することができる。また、これらの構成要素のうち、少なくとも1つは、モジュール、プログラム、またはコードの一部によって具体的に具現され、これは、特定論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令を含んでおり、1つ以上のマイクロプロセッサ、または他の制御装置によって実行される。また、これら構成要素のうち、少なくとも1つは、それぞれの機能を行う中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサなどのプロセッサを含むか、それによっても具現される。それらのコンポーネントのうち、2以上は、1以上の単一コンポーネントによって結合され、単一コンポーネントは、結合された2以上のコンポーネントの全動作または機能を行うことができる。また、それらのコンポーネントのうち、少なくとも1つの機能のうち、一部は、他のコンポーネントによっても行われる。また、バス(bus)は、前記ブロック図に図示されていないが、コンポーネントを介した通信は、バスを通じて行われる。前記例示的な実施例の機能的な側面は、1つ以上のプロセッサで実行されるアルゴリズムによっても具現される。また、ブロックまたは処理段階によって表現された構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理などのための任意の数の関連技術を採用することができる。
【0125】
ここで説明された実施例は、制限的な目的ではない、説明的な意味にのみ考慮されねばならないということを理解せねばならない。各実施例内の特徴または側面に係わる説明は、一般的に他の実施例の他の類似の特徴、または側面に対して利用可能なものであると見なさねばならない。1つ以上の実施例が図面を参照して説明されたが、当業者は、特許請求の範囲によって定義されたところによって開示された思想、及び範囲を外れずとも、多様な形態及び細部事項の多様な変更がなされるということを理解できるであろう。